- 平成 28 年度税制改正について ( 税制改正大綱 の概要解説 ) - 1. 法人税 改正の概要 (1) 法人税率の引下げ等 現行 28 年度 30 年度 法人税率 23.9% 23.4% 23.2% 法人事業税所得割 6.0% 3.6% 3.6% ( 標準税率 ) 法人実効税率 32.11%

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2020 年度税制改正に関するアンケート 公益財団法人全国法人会総連合 平成 31 年度税制改正では 消費税率の引上げに際し 需要変動の平準化等の観点から 住宅に対する税制上の支援策が講じられるとともに 車体課税について 地方の安定的な財源を確保しつつ大幅な見直しが行われました さらに デフレ脱却と

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

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障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

参考 3 平成 27 年度税制改正に関する提言 ( 要約 ) 基本的な課題 Ⅰ. 社会保障と税の一体改革と今後のあり方 1. 社会保障制度のあり方に対する基本的考え方 我が国の社会保障制度は 中福祉 低負担 であり 高齢化社会の急進展により今後の社会保障給付は急速な増大が不可避とされることから 社会

(0830時点)PR版

Chapter 1 Chapter 2

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

平成18年度地方税制改正(案)について

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

3 車体課税 自動車取得税の見直し 自動車取得税の税率 ( 一定税率 ) を以下のとおり引下げ ( 平成 26 年 4 月 1 日以降 ) 自家用自動車 ( 軽自動車を除く ) 5%( ) 3%( ) 営業用自動車 軽自動車 3%( ) 2%( ) いわゆる エコカー減税 について 環境性能に優れた

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消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

H28秋_24地方税財源

法人税 faq

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2 財政健全化目標との関係や平成 30 年度の 経済 財政再生計画 の中間評価を踏まえつつ 消費税制度を含む税制の構造改革や社会保障制度改革等の歳入及び歳出の在り方について検討を加え 必要な措置を講ずる (3) 対象品目及び適用税率軽減税率の対象品目は 1 酒類及び外食を除く飲食料品 2 定期購読契

平成16年版 真島のわかる社労士

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

女性が働きやすい制度等への見直しについて

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

資料9

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平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

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(2) 消費税率 10% への引上げ時に導入が予定されている軽減税率制度については 消費税 地方消費税の引上げ分のうち地方交付税原資分も含めると 約 3 割が地方の社会保障財源であり 仮に減収分のすべてが確保されない場合 地方の社会保障財源に影響を与えることになることから 確実に代替財源を確保するこ

平成21年度 厚生労働省税制改正要望項目

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第2回税制調査会 総2-2

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3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

平成23年度税制改正の主要項目

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

平成20年2月

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

第6回税制調査会 総6-3

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

資産課税についてのアンケート調査結果について 平成 23 年 1 月 31 日財団法人関西社会経済研究所問合先 ( 鈴木 ) 平成 23 年度税制改正において 資産課税 に関する改正が行われ 高額の遺産相続に対する課税が強化されました そこで関西社会経済研究所では 今回の税制

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

1. 復興基本法 復興の基本方針 B 型肝炎対策の基本方針における考え方 復旧 復興のための財源については 次の世代に負担を先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うこととする B 型肝炎対策のための財源については 期間を限って国民全体で広く分かち合うこととする 復旧 復興のため

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個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

相続対策としての土地有効活用

地方税法等の一部を改正する法律案の概要 総務省 1 地方法人課税における新たな偏在是正措置 平成 31 年 10 月 1 日施行 都市 地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案 において特別法人事業税 ( 国税 ) を創設することに併

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

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以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

公益法人の寄附金税制について

Microsoft PowerPoint - (参考資料1)介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

第3回税制調査会 総3-2

平成26年度税制改正及び土地住宅政策に関する提言書(案)

3 税目 3. 国税 ( 所得税 ) 土地建物等の分離課税の譲渡所得の見直し 土地建物等の譲渡損益の課税方式を累進税率による 所有期間を考慮した N 分 N 乗方式 とし 他の所得との損益通算及び譲渡損失の繰越控除を認めべきである 土地建物等の譲渡所得に対する課税は他の所得と分離して行われているが

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平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

北陸3県、法人税改革に対する企業の意識調査

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野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

(1) 改正の内容 内容 現行制度 特例制度 納税猶予対象株式 納税猶予税額 発行済議決権株式総数の 3 分の 2 に達するまでの株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係る贈与税の全額 相続の場合 : 納税猶予対象株式に係る相続税の 80% 取得した全ての株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係

消費税率引上げ時期の変更に伴う対応について 消費税関係 資料 1 税率引上げ関係 軽減税率関係 軽減税率財源確保関係 転嫁対策 改正前 1 税率引上げ時期 : 平成 29 年 4 1 ( 税制抜本改 法で規定 ) 2 請負契約等に係る経過措置の指定 : 平成 28 年 軽減税率実施時期

( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

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の各種税制優遇を受けやすくする見直しが行われ 入居までに耐震基準に適合するという証明があれば 1 住宅ローン減税 2 住宅取得資金に関する贈与税の非課税措置 3 中古住宅に関する不動産取得税の特例措置の適用が可能となる 耐震基準に適合しない中古住宅を取得し 耐震改修工事を実施した後に入居するような場

目次 ページ はじめに 奄美群島の税制特例制度 ( 国税 ) の概要 対象となる業種 対象となる設備投資 事業者 設備投資の規模等の要件 他の国税の優遇措置との比較 ( 例 : 過疎税制 ) 奄美群島の税制特例制度 ( 地方税 ) の概要奄美群島税制まとめ

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

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2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

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第32回 通常総会議案書

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

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2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

平成 30 年度の税制改正に関する要望 一般社団法人全国建設業協会会長近藤晴貞 平素は 建設業界に対し一方ならぬご配慮を賜り 厚く御礼申し上げます 平成 29 年度公共事業関係の当初予算は ほぼ横ばいながら 5 年連続の微増となりました また 国土交通省関係予算では 当初予算で初となる ゼロ国債 を

新・NPO法人申請マニュアル.pwd

平成19年度分から

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除額の変遷 1 昭和 49 年産業構造が転換し会社員が急速に増加 ( 働き方が変化 ) する中 (1) 実際の勤務関連経費が給与所得控除を上回っても 当時は特定支出控除 ( 昭和 63 年導入 ) がなく 会社員は実際の勤務関連経費がいくら高くても実額控除できなかった

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

2 消費税軽減税率の対象となる新聞 軽減税率の対象は全ての新聞ではなく 一定の要件を満たす新聞のみです ( 図 2) 新聞販売所は定期購読契約の新聞のほか 即売 週 1 回以下の発行などさまざまな形態の新聞を扱っています このため 区分けには慎重な対応が必要です 図 2 軽減税率が適用される新聞の譲

平成19年度税制改正.xls

平成19年度市民税のしおり

第14回税制調査会 総務省説明資料(・地方税務手続の電子化等2・個人住民税2)

個人版事業承継税制の創設について 現行税制上の事業承継支援特例を踏まえた検討

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平成 29 年度税制改正に関するアンケート 平成 28 年度税制改正では 法人実効税率の引き下げなどの法人税改革等が行われるとともに 消費税の軽減税率制度が導入されることとなりました また 少子化対策や地方創生の推進等に向けた税制措置が講じられました ( 平成 28 年度税制改正大綱 より ) こうした状況を踏まえ 全法連では2 月 17 日開催の税制委員会で平成 29 年度の税制改正に関する提言の取りまとめに着手いたしましたが 検討の一助として会員の意向を把握するために 単位会の役員 会員に対しアンケート調査を実施することといたしました つきましては 後記アンケート項目について その回答を別添回答用紙に記入の上 所属単位会の指定する期日 ( 単位会経由全法連着 4 月 27 日締切 ) までにご提出いただきますようお願い申し上げます * 回答用紙は機械による自動読み取りを行うため 下記の要領でご記入下さい 回答用紙記入に際しての注意点 選択肢 正 : 誤 : を塗りつぶすか をつけて下さい の外側に記入されたり 線が薄い場合は読み取れませんのでご注意下さい 自由記述欄 回答欄におさまるように はっきりとご記入下さい FAX で回答用紙を送信する場合 自動読み取りの精度向上のため 縮小しないで送信して下さい 1

- 平成 28 年度税制改正について ( 税制改正大綱 の概要解説 ) - 1. 法人税 改正の概要 (1) 法人税率の引下げ等 現行 28 年度 30 年度 法人税率 23.9% 23.4% 23.2% 法人事業税所得割 6.0% 3.6% 3.6% ( 標準税率 ) 法人実効税率 32.11% 29.97% ( 2.14%) 29.74% ( 2.37%) (2) 課税ベースの拡大等 1 欠損金繰越控除 ( 大法人 ) の見直し 現行 改正後 控除限度 27 年度所得の 65% 29 年度所得の 50% 控除限度 28 年度所得の 60% 29 年度所得の 55% 30 年度所得の 50% 2 法人事業税の外形標準課税の拡大 大法人の法人事業税のうち 外形標準課税 ( 現行全体の 3/8) を全体の 5/8 に拡大 3 減価償却の見直し 建物附属設備 構築物の償却方法を 定額法 に一本化 法人税について 政府は 課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる という考えの下 平 成 27 年度に着手した成長志向の法人税改革を更に大胆に推進し 目標としていた 法人実効税 率 20% 台 を改革 2 年目にして実現しました 2. 消費課税 改正の概要 (1) 消費税率引き上げに伴う低所得者対策として 平成 29 年 4 月に軽減税率制度を導入 (2) 軽減税率は 8% 対象品目は 酒類及び外食を除く飲食料品 新聞の定期購読料 とする (3) 平成 33 年 4 月から 適格請求書等保存方式 ( インボイス制度 ) を導入 社会保障と税の一体改革 の枠組みの下 与党において低所得者対策の議論を積み重ねてきましたが 日々の生活において幅広い消費者が消費 利活用しているものに係る消費税負担を軽減するとともに 買い物の都度 痛税感の緩和を実感できるとの利点があることから 消費税率が 10% に引き上げられる平成 29 年 4 月に軽減税率制度が導入されることになりました 2

3. 所得税 改正の概要 (1) 三世代同居に対応した住宅リフォームに係る税額控除制度の導入三世代同居に対応した住宅リフォームに関し 借入金を利用してリフォームを行った場合や自己資金でリフォームを行った場合の税額控除制度を導入 (2) スイッチOTC 薬控除 ( 医療費控除の特例 ) の導入検診 予防接種等を受けている個人を対象として いわゆるスイッチOTC 医薬品の購入費用のうち 1.2 万円を超える額 (8 万 8 千円を超える場合は 8 万 8 千円 ) を所得控除する制度を導入 (3) 空き家を売却した際の譲渡所得の特別控除の導入相続により生じた空き家であって旧耐震基準しか満たしていない家屋 ( 昭和 56 年 5 月 31 日以前に建築された家屋 ) について 相続人が必要な耐震改修又は除去を行った上で家屋又は土地を売却した場合の譲渡所得について 3000 万円を控除する特別控除を導入 出産 子育ての不安や負担を軽減するため 世代間の助け合いによる子育てを支援する観点から三世代同居に対応した住宅リフォームに係る税額控除制度が導入されます また 適切な健康管理の下で医療薬品からの代替を進める観点から いわゆるスイッチ OTC 医薬品の購入費用についてセルフメディケーション ( 自主服薬 ) 推進のための所得控除制度が導入されます さらに 適切な管理が行われていない空き家が地域住民の生活環境に悪影響を及ぼしていることを踏まえ 空き家の発生を抑制する観点から 空き家を売却した際の譲渡所得の特別控除が導入されます 4. 地方創生等 改正の概要 (1) 企業版ふるさと納税の創設地方公共団体が行う 地方創生を推進する上で効果の高い一定の事業に対して法人が行った寄附について 法人事業税 法人住民税及び法人税の税額控除制度を創設 (2) 新たな機械装置の投資に係る固定資産税の特例中小企業が新規の機械装置 ( 生産性を高める機械装置 ) を取得した場合 固定資産税の課税標準を3 年間価格の 2 分の 1 とする特例措置を創設 東京圏への人口集中の是正 各地域での住みよい環境を確保する観点から 官民挙げて地方創生のために効果的な事業を推進できるよう企業版ふるさと納税が創設されます また 地域経済の活性化に向けて 地域の中小企業による設備投資の促進を図るため 固定資産税の時限的な特例措置が創設されます 3

- 平成 29 年度税制改正に関するアンケート - 問 1 法人税 / 法人実効税率平成 28 年度改正では 課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる という考えの下 昨年度の法人税改革に引き続き 法人実効税率 ( 現行 32.11%) が平成 28 年度は 29.97% ( 2.14%) 30 年度は 29.74%( 2.37%) に引き下げられます ( 資本金 1 億円超の企業の場合の計算 ) 法人会では法人実効税率 20% 台の早期実現を求めておりましたが 今般の改正で実現します 今後の法人実効税率のあり方についてどう考えますか 回答数 42 1 法人実効税率のさらなる引き下げを求める 53.9% 20 2 法人実効税率のさらなる引き下げは当面必要ない 24.4% 12 3 わからない 15.4% 5 4 その他 6.5% 問 2 法人税 / 中小法人課税資本金 1 億円以下の中小法人の中には 多額の所得があり担税力や財務状況が脆弱とは認められない法人があります 与党税制調査会では このような法人が中小法人向けの優遇税制を適用していることへの妥当性について検討することとしています 現在 法人の規模や活動実態等を適格に表すため 資本金 と 資本金以外の別の指標 ( 例 : 従業員数 業種 売上金額等 ) を組み合わせて判断することも考えられていますが 中小法人課税の適用範囲を見直すことについてどのように考えますか 回答数 22 1 現行どおり 資本金 1 億円以下 を基準とすべきである 29.0% 10 2 資本金 で判断するが 1 億円 の基準を引き下げるべきである 13.2% 36 3 資本金 と 資本金以外の別の指標( 例 : 従業員数 業種 売上金額等 ) を組み合わせて判断すべきである 46.1% 8 4 わからない 10.6% 1 5 その他 1.4% 4

問 3 法人関係 / 地方創生平成 28 年度改正では 地方公共団体が行う 地方創生を推進する上で効果の高い一定の事業に対して企業が寄附を行う場合 現行の損金算入措置 ( 約 3 割の負担軽減 ) に加えて 法人事業税 法人住民税及び法人税が軽減される税額控除 ( 企業版ふるさと納税 ) が創設されます あなたの会社では 企業版ふるさと納税 についてどう対応しますか 回答数 3 1 寄附をする予定である 3.8% 27 2 寄附をするか検討したい 34.2% 37 3 寄附はしない予定である 46.8% 12 4 わからない 15.2% 0 5 その他 0% 問 4 法人関係 / 償却資産税平成 28 年度改正では 中小企業者等が一定の機械及び装置 ( 取得価額が160 万円以上 ) を取得した場合 固定資産税 ( 償却資産税 ) の課税標準を最初の3 年間は価格の2 分の1に軽減する措置が創設されます 地域の中小企業による設備投資の促進を図ることを目的としていますが あなたの会社では 本制度についてどう対応しますか 回答数 4 1 本制度が創設されたことも踏まえ 設備投資をする予定である 5.0% 31 2 本制度が創設されたことも踏まえ 設備投資を検討したい 38.8% 32 3 設備投資はしない予定である 40.0% 10 4 わからない 12.5% 3 5 その他 3.8 問 5 消費税 / 軽減税率制度消費税率引上げに伴う低所得者対策として 平成 29 年 4 月から軽減税率制度が導入されることとなりました 軽減税率は8% で 対象品目は 酒類及び外食を除く飲食料品 及び定期購読契約が締結された週 2 回以上発行される 新聞 となっています 事業者の立場から 軽減税率制度が導入されることについてどのように考えますか 回答数 23 1 導入は望ましい 29.5% 23 2 導入はやむを得ない 29.5% 28 3 導入は望ましくない 35.9% 4 4 わからない 5.1% 0 5 その他 0% 5

問 6 消費税 / 事務負担軽減税率が導入されるに際し 事業者の立場で懸念される点を 以下より選んで ( 複数可 ) 下さい 回答数 8 1 レジスターなど新たな設備投資 5.6% 23 2 ソフトウェアの変更や新規購入 16.1% 23 3 事務負担の増加による人件費の負担増 16.1% 13 4 軽減税率についての社員教育 9.1% 36 5 繁雑な経理処理 25.2% 15 6 適正な価格表示 10.5% 25 7 特に問題はない 17.5% 0 8 その他 0% 問 7 消費税 / 価格転嫁平成 29 年 4 月より消費税率が10% に引き上げられます ( 軽減税率適用対象品目は 8%) が あなたの会社の価格転嫁の見込みについてお伺いします 回答数 29 1 全額転嫁できる 36.3% 29 2 大部分は転嫁できる 36.3% 5 3 半額程度は転嫁できる 6.3% 5 4 一部しか転嫁できない 6.3% 6 5 全く転嫁できない 7.5% 6 6 その他 7.5% 問 8 事業承継税制 / 事業承継 1 あなたの会社を事業承継するに当たって どのような形態を考えているか お聞きかせ下さい 回答数 29 1 子に事業承継する 38.7% 7 2 子以外の親族に事業承継する 9.3% 9 3 親族外に事業承継する 12.0% 1 4 事業を売却する 1.3% 8 5 事業承継はせず廃業する 10.7% 14 6 まだ考えていない 18.7% 7 7 その他 9.3% 6

問 9 事業承継税制 / 事業承継 2 あなたの会社を事業承継するに当たって 事業承継税制についてどのように考えますか 回答数 4 1 これまでの改正で十分であり 当面は利用状況等を注視すべきである 5.2% 17 2 生前贈与制度の更なる拡充や納税猶予制度のさらなる改善を求めるべきである 22.1% 31 3 欧州主要国のように事業用資産を他の一般資産と切り離し 事業用資産への課税を軽減あるいは控除する制度の創設を求めるべきである 40.3 22 4 わからない 28.6% 3 5 その他 3.9% 問 10 所得税 / 配偶者控除政府は 所得税改革のなかで配偶者控除の見直しを議論しています 配偶者控除は 働き方や家族のあり方 社会 経済の構造的な変化を踏まえて多角的な議論が必要とされていますが 現行の配偶者控除についてどのように考えますか 回答数 45 1 配偶者控除は存続すべきである 57.0% 28 2 配偶者控除は廃止を含め 見直すべきである 35.4% 6 3 わからない 7.0% 0 4 その他 0% 問 11 地方税 / 固定資産税地方の自主財源として大きなウエイトを占める固定資産税は その税収が景気に左右されないことから地方税に適していると言われます その一方で 負担感の高まりなどから抜本的な見直しが必要との意見があります 固定資産税についてどう考えますか 回答数 3 1 地方の基幹税として課税強化を図るべきである 3.8% 29 2 現状程度の負担でよいと思う 36.7% 40 3 負担感が重く 軽減の方向で見直すべきである 50.6% 4 4 わからない 5.1% 3 5 その他 3.8% 7

問 12 地方の行財政改革行財政改革を推進するためには 国ばかりでなく地方においても自立 自助の体質構築が求められます 特に優先すべき検討課題を以下より2つ以内で選んで下さい 回答数 33 1 国と地方の役割分担の明確化と地方への権限移譲 22.1% 16 2 地方税財源の充実 10.7% 7 3 道州制の検討など広域行政による効率化 4.7% 9 4 さらなる市町村合併の推進による基礎自治体の拡充 6.0% 44 5 地方議会のスリム化と納税者視点に立ったチェック機能の確立 29.5% 40 6 地方公務員給与の適正化など行政のスリム化 26.8% 0 7 その他 0 問 13 社会保障制度少子高齢化により増大する社会保障費を抑制するためには 負担と給付のあり方を見直す必要があります 今後の社会保障の給付と負担のバランスについてどう考えますか 回答数 9 1 給付水準を大幅に引き下げ 負担も減らす 11.1% 36 2 給付水準をある程度下げて 現行の負担を維持する 44.4% 23 3 現行の給付水準を保つため ある程度の負担の増加はやむを得ない 28.4% 4 4 給付水準をさらに拡充させ 大幅な負担の増加もやむを得ない 4.9% 8 5 わからない 9.9% 1 6 その他 1.2% 8