平成 21 年 3 月 平成 21 年条例予算特別委員会 補足質疑 質疑項目 1 戸建て住宅地の容積率 建ぺい率の緩和 について 2 民有地の緑化推進 について 要望をお受けいたしておりました件について 3 月 6 日の本会議場において質疑を行い 別添のとおりの回答内容を得ました また 容積率 建ぺい率の緩和 の実現 及び 緑化推進 の早期取り組みについて 市当局に強く要望も伝えておりますので 併せて ご参照ください みらい福岡市議団 国分 徳彦 815-0042 南区若久 3 丁目 39-15 TEL (541)1717 FAX (541)3377
平成 21 年度条例予算特別委員会 補足質疑 (21.3.6( 金 ) みらい福岡 国分徳彦議員) 質問内容 (1 問目 1) 私は みらい福岡市議団 を代表し 石川議員の代表質問の補足質疑として 戸建て住宅地の容積率 建ぺい率の緩和 並びに 民有地の緑化推進 の 2 点について質問いたします 当局の明快な答弁を期待しております まず 戸建て住宅地の容積率 建ぺい率の緩和 について お尋ねします 本市における住居系の用途地域につきましては 都心部から郊外部にかけて 比較的高密度な住宅地から 低密度な住宅地へと指定がなされています そのうち 主に戸建て住宅地として 第 1 種低層住居専用地域 の指定がなされている地域を見てみますと 概ね 外環状道路の内側が 建ぺい率 50% 容積率 80% となっており それ以外の郊外部は 建ぺい率 40% 容積率 60% と当地域の半分以上が容積率 60% の地域であります 人口が増加し成長を続けてきた福岡市におきましても 少子高齢化は進んでおり いずれは人口減少社会へ 突入するといわれています 昭和 40 年代に数多く開発された戸建て住宅用地においては 子供が独立し老夫婦のみの世帯となり 人口も減少し 次世代に住み続けられるまちではなくなる恐れが生まれつつあると感じています 特に 容積率 60% 地域につきましては 独立した子供世帯と同居するために二世帯住宅を建てようとしても 容積率や建ぺい率の制限から十分な広さを確保できない 高齢者のためにバリアフリーの住宅に改造しようとしてもゆとりある住宅を整備することができないなどの問題も生じています 私が住んでいます南区におきましても 50 坪程度の宅地が多く見られますが 特に そのような宅地につきましては 現在の水準では十分な居住空間を確保することが困難なこともあり 土地 建物の流動化が進んでいないように思われます このような状況が さらに進むと 住宅地において空き家や空き地が多く発生し 地域の活力が失われるだけでなく 安全 安心なまちとしての維持が困難となる事態にまで発展することも考えられます 今までに整備されてきた住宅地を有効なものとするためにも より多くの住宅地において二世帯住宅など多様な住宅ニーズへの対応や 子育てのための居住空間を求めている需要ニーズへの対応が可能となるよう 都市計画としても対応が必要なのではないのでしょうか さらに, このことは老朽住宅の建て替え促進 土地 建物の流動化促進につながり地域の活性化の一助になるものと考えております そこで, 郊外の戸建て住宅地において お年寄りから次世代を担う子供など多様な世帯が住み続けることにより コミュニティを維持 発展させる一つの方策として 容積率 60% の 第一種低層住居専用地域 における 容積率や建ぺい率 を緩和することは重要な役割を果たすと考えますが ご所見をお伺いします 回答内容 ( 松本住宅都市局長答弁 ) 第一種低層住居専用地域は 良好な低層住宅地として環境の保全 形成を図る地域であり 市街化区域のうち 都心部から一定の距離を有する地域を中心に約 4,000haにおいて 建ぺい率 50% 容積率 80% もしくは建ぺい率 40% 容積率 60% の二つのタイプを指定しているところでございます 第一種低層住居専用地域が多くを占めております郊外部の住宅地は昭和 40 年代から50
年代に分譲された住宅団地が多く 高齢化率は比較的高い状況であり さらに 一部の地域におきましては すでに人口減少の傾向にあると認識しております また 容積率 60% の区域におきまして 例えば ご指摘の 50 坪宅地における建築可能な延床面積は 30 坪 100 m2程度の住宅となり 第八期住宅建設五カ年計画 において国が定めております 4 人世帯の水準 123 m2と比較してみますと 戸建て住宅の居住空間としては十分ではないと考えられます したがいまして 容積率 60% の第一種低層住居専用地域におきましては ゆとりある居住空間の確保 住宅のバリアフリー化 2 世帯住宅など 多様な住宅ニーズへの対応さらには 老朽住宅の建て替えや住み替えの促進などが期待できる容積率等の緩和が 今後 取り組むべき有効な方策であると考えております そこで, 平成 21 年度中の改定を目指しております 都市計画マスタープランの見直しにおきまして 当地域における容積率等の緩和について 良好な住環境との調和の観点を含め 検討を進めてまいります
質問内容 (1 問目 2) 次に 民有地の緑化推進 について お尋ねします 本市で 定期的に実施されている 市民意識調査 によれば 身近な緑が豊かになった と思う市民の割合が 年々低下しています これまで 本市では 道路や河川 学校や公園といった公共施設の緑化に 積極的に取り組んできました それにも拘わらず 緑が豊かになったと感じる市民が減少しているのは 私は都心部など大きなビルやマンションが建ち並ぶ地域では これまでの行政による緑化の取り組みだけでは不十分であり 限界にきていることを示していると考えています 天神や博多駅周辺をはじめ 高度に 市街化が進んだ地域では 民間の商業 業務系の建物や マンションなど住居系の建物も大型化しています このようなビルやマンションなどの緑化を進めないとまちの緑化は望めません もちろん 公共が税金で樹を植え管理する場所ではありませんし また そういった時代でもありません 私は かねてより建物を建てるときには 地域に応じて建ぺい率が定められ それを規定する建築基準法があるように 緑についても地域に応じて緑化率を定め基準化する制度が必要であると提案してきたところです すでに 名古屋市や横浜市では緑化の基準を定める制度である 緑化地域制度 が進められていると聞いています そこで まず 名古屋市 横浜市の両市で進められている 緑化地域制度 の概要について お伺いします 回答内容 ( 松本住宅都市局長答弁 ) 緑化地域制度は 緑が不足している市街地において効果的に緑を創出するため 一定規模以上の敷地に建築物の新築や増築及び改築を行う場合に 敷地面積の一定割合以上の緑化を義務付ける制度として 平成 16 年の都市緑地法の改正により 新たに設けられた制度でございます この緑化地域は 市街化区域を対象として 市町村が都市計画法における地域地区として決定をいたしますが この際 敷地面積に対する緑化面積の割合である 緑化率 の最低限度を定めることとされております また 緑化の義務付けの対象となる敷地規模は 原則として1,000m2以上となっておりますが 市町村の条例により300m2以上 1,000m2未満で定めることができるとされております この緑化地域制度につきましては 名古屋市におきましては平成 20 年 10 月 31 日から施行されており 横浜市では 本年 4 月 3 日より施行予定でございます 具体的な内容でございますが 名古屋市では 対象となります敷地規模は 面積が300 m2以上のものでございますが 指定建ぺい率が60% を超える区域では 500 m2以上が対象とされております また 緑化率の最低限度は 指定建ぺい率が50% 以下の区域では20% 指定建ぺい率が50% を超え60% 以下の区域では15% 指定建ぺい率が60% を超える区域では10% となっております 次に 横浜市では 市街化区域のうち住居系用途地域が指定されている地域のみを対象としております また 対象となる敷地の規模は 面積が500m2以上のもので 緑化率の最低限度は10% となっております
質問内容 (2 問目 ) まず 戸建て住宅地の容積率 建ぺい率の緩和 について お尋ねします 福岡市は 住みよい都市として市民の方の満足度も高い都市であると考えています 今後も そうあり続けるためには 今までに市が投資して整備してきた道路や下水道などのインフラや住宅用地などすでにある資源を有効に活用しながら さらに 良好な住環境を実現する必要があると思います 老夫婦のみの世帯が 子供世帯と同居できるよう また より多くの方がゆとりある住居にこれからも住み続けられるように さらに 老朽化した住宅や空き家の建て替えが進み多様な住宅ニーズに答え 若年層から高齢者までが定住する活力あるコミュニティを今後も維持するために 是非とも 第一種低層住居専用地域のうち 建ぺい率 40% 容積率 60% の 区域について容積率 建ぺい率の緩和を実現していただくことを強く要望いたしておきます 次に 民有地の緑化推進 についてですが 先進政令市では 既に 緑化地域制度 の運用が始まっています 名古屋市などに比べれば 本市は海や山に近く自然環境に恵まれた都市だとは思いますが 福岡市民の意識からは 年々身近な緑の豊かさがなくなってきています このまま 放置すれば ますます市内の緑は少なくなり歯止めがきかなくなるのではないでしょうか 緑豊かなまちづくり を目指されている市当局には許されないことだと考えます 昨年 3 月の第 4 分科会においても 私は 緑化地域制度 の導入について提案をしたところであります 現在 市におかれましては 新しい 緑の基本計画 の策定に取り組んでおられ 大詰めにきていると 伺っていますが 緑化地域制度 の導入について 今後どのように進められるのか 当局の考えを伺います また 平成 21 年度予算には どのように反映されているのか 併せて お伺いします 回答内容 ( 松本住宅都市局長答弁 ) 本市では これまで 特別緑地保全地区などによる緑地の保全や 公園の整備等による緑の創出を進めてきたところでございますが 市街化区域の約 6 割を占める民有地における緑化を進めることが 身近な緑を豊かにしていく上で極めて重要な施策であると認識しております そのため 平成 21 年度予算におきましては 緑被率調査と都市計画基礎調査の結果を基にして 緑化の現状と土地利用状況を把握するとともに 用途地域や建ぺい率に応じた緑化の効果や建築費等への影響について調査 検討することといたしております その結果をふまえ 専門家や 議会 市民の皆さまから広くご意見を伺いながら 緑化地域制度 の導入に向けて検討を進めてまいります
質問内容 (3 問目 ) 最後に 民有地の緑化推進 について 緑化地域制度 の検討を進められるということですが 問題は制度の実施時期です 私は 一刻も早く実施するようにすべきだと思います 世界的な経済危機を迎えている今 建設コストが高くつくような制度に 理解が得られるのか というような意見も聞きます 確かに 緑化地域を定め 緑化が義務づけられれば 建設コストは高くなりますが 緑豊かなマンションとなれば建物の付加価値が上がります 業務系のビルであれば 入居する企業のイメージも上がります 緑化された建物の方がコストが高いにもかかわらず入居率が高くなることも多いと聞いています 事業者も入居者も コスト以上のパフォーマンスが得られるのです コスト面だけではありません 社会的にはCO2の吸収 削減 特に 都心部などの市街地ではヒートアイランド現象の緩和などにも貢献する環境施策であり 風格ある美しい街づくりを進め 市民が緑に親しみ 緑を楽しむ 身近な緑を取り戻すには欠かせない制度であると信じています ある 大手企業の経営責任者は 自社ビルの建て替えにあたり 緑化をしたいし 緑化すべきだと考えているが 株主などの理解を得られるか不安である 行政で基準を決めて欲しい と発言されています 企業も 行政の後押しを待っているのではないでしょうか 緑化地域制度 の創設に向けて 当局では色々な緑化ケースのシミュレーションをして 広く意見を聞いて検討を進められるとのことですが それはそれで 大切なことではあると思いますが 私はこういう時代であればこそタイミングを逃すことなく 制度化を図るべきであると考えます 福岡市の都市緑化を担う新しい制度として 緑化地域制度 の検討を一刻も早く進め タイミングを逃すことなく 実施されることを強く要望いたしておきます