2018 年 : 予測し難きを予測する ソリューション & マルチ アセット グローバル バランス リスク コントロール チーム マクロ インサイト 2018 年 新しい年には必ず何かしらサプライズが起きます 2018 年の年頭にあたり 我々は投資家が直面する可能性のある3つのサプライズをイメージしています すなわち 金融政策サプライズ インフレ サプライズ そしてボラティリティ サプライズです 世界経済が力強い成長を続け 株式バリュエーションが上昇しており ボラティリティが歴史的な低水準にあるという現状において 市場はこれらのサプライズに十分な備えができていないかもしれません 筆者 ANDREW HARMSTONE マネージング ディレクター グローバル バランス リスク コントロール (GBaR) 運用戦略の運用責任者 2008 年にモルガン スタンレー入社 36 年に及ぶ運用経験を有する 第 1の潜在的サプライズ : 金利が予測以上のペースで上昇 短期金利 2018 FOMC 0.25 2 FOMC 3 1 2019 FRB 1 連邦公開市場委員会 米国内の金利政策を決定します
マクロ インサイト FRB FRB 長期金利 10 10 2 50 FRB 2018 3 75bp 10 2.6 2.2 30 1 2 70 30 80 30 3 図表 1 FRB と市場の金利予測の乖離 FOMC 予測 vs 市場予測 3.0 2019 年末 2.5 2018 年末 2.0 市場が織り 1.5 2017 年末込んでいる 1.0 FF 金利 0.5 FF 金利の目標水準 0.0 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 16/12 17/6 17/12 18/6 18/12 19/6 19/12 FOMC 予測の中央値 予測 / 推定は現在の市場環境に基づくもので 変更される場合があり 必ずしも実現するとは限りません 出所 :Bloomberg 2017 年 12 月 20 日現在 図表 2 ヘッジ コストの上昇を受けて米国債利回りの魅力が減退 欧州の投資家と日本の投資家から見た 12ヵ月間のヘッジ コスト考慮後の米 30 年債利回り 6% - 09/12 10/12 11/12 12/12 13/12 14/12 15/12 16/12 18/1 12ヵ月ヘッジ付き米 30 年債利回り ( 日本の投資家 ) 12ヵ月ヘッジ付き米 30 年債利回り ( 欧州の投資家 ) 出所 :Bloomberg 2018 年 1 月 9 日現在 図表 3 その結果国内債がより魅力的に米 30 年債利回りと日本の 30 年債利回り 6% 0.71% 0.21% 0.8 09/12 10/12 11/12 12/12 13/12 14/12 15/12 16/12 0.71% 18/1 12 ヵ月ヘッジ付き米 30 年債利回り ( 日本の投資家 ) 日本の 30 年債利回り 出所 :Bloomberg 2018 年 1 月 9 日現在 JGB( 日本国債 ) 過去のパフォーマンスは将来の投資成果を保証するものではありません 2 モルガン スタンレー インベストメント マネジメント ソリューション & マルチ アセット
2018 年 : 予測し難きを予測する QE 2 10 GDP GDP 4.1 2015 6 10 2.5 4 第 2の潜在的サプライズ : インフレ圧力が過熱 2018 2.17 図表 4 金利は経済成長を後追い 8 6 4 2 0-2 -4 01/3 03/3 05/3 07/3 09/3 11/3 13/3 15/3 17/12 米 10 年債利回り (%) 米名目 GDP 成長率 ( 前年比 %) 出所 :Bloomberg 2017 年 12 月 20 日現在 図表 5 米輸入物価は中国 PPI 上昇に出遅れ 1 8% 6% 25% 2 15% 1 5% - -5% - -6% -8% -1-15% -2-1 00/2 02/2 04/2 06/2 08/2 10/2 12/2 14/2 16/2-25% 17/12 中国の製造業 PPI 上昇率 ( 前年比 左目盛 ) 米国の輸入物価指数上昇率 ( 前年比 右目盛 ) 出所 :Bloomberg 2017 年 12 月 20 日現在 PPI PPI 5 11 0.4 4.8 6 2 QE( 量的緩和 ) とは中央銀行が金融政策を実行するための手段の一つ ソリューション & マルチ アセット モルガン スタンレー インベストメント マネジメント 3
マクロ インサイト 第 3 の潜在的サプライズ : ボラティリティが市場に回帰 7 市場ボラティリティ 1 地政学的不確実性 2017 2018 11 図表 6 エネルギー価格の上昇は生産コストを押し上げている 6 5% 4 2 3% 1% -2-4 -6 10/11 11/11 12/11 13/11 14/11 15/11 16/11-1% - 17/11 18/6 原油価格 ( 前年比 4ヵ月移動平均 左目盛 ) 米 PPI( 右目盛 ) 出所 :Bloomberg 2017 年 12 月 20 日現在 図表 7 極端な低水準にある現在のボラティリティが持続する公算は小さい 65 55 45 35 25 15 世界経済政策不確実性指数は過去最高水準 300 250 200 150 100 50 5 0 06/1 08/1 10/1 12/1 14/1 16/1 17/12 VIX 指数 ( 左目盛 ) 世界経済政策不確実性指数 ( 右目盛 ) 出所 :Bloomberg 2017 年 12 月 20 日現在世界経済政策不確実性指数については www.policyuncertainty.com をご参照ください VIX はシカゴ オプション取引所 (CBOE) ボラティリティ指数 (Chicago Board Options Exchange Volatility Index :VIX ) で S&P500 種オプション価格を使用した期待ボラティリティの主要指標です 指数の推移は説明目的でのみ掲載したもので 特定の投資のパフォーマンスを表すことを意味するものではありません 過去のパフォーマンスは将来の投資成果を保証するものではありません 2018 2013 NAFTA Morena 3 NAFTA 3 3 https://www.reuters.com/article/us-mexico-election/mexican-leftist-lopez-obrador-leads-presidential-race-polls-iduskbn1dm286 4 モルガン スタンレー インベストメント マネジメント ソリューション & マルチ アセット
2018 年 : 予測し難きを予測する 新興国市場およびコモディティ : 米ドルに対する感応度が高い 新興国市場 2018 2018 コモディティ : 相関性が低下 8 2014-45 2-20 25 中国 : 計算された景気減速 図表 8 コモディティは米ドルと逆相関 0.0-0.1-0.2-0.3-0.4-0.5 14/1 15/1 16/1 17/1 17/12 米ドルとブルームバーグ コモディティ指数の相関性 (3 年ローリング ベース ) 出所 :Bloomberg 2017 年 12 月 18 日現在過去のパフォーマンスは将来の投資成果を保証するものではありません 日本 : ポジティブなトレンドが追い風 3 結論 :2018 年は幾分ボラティリティが上昇すると予想される 1 ソリューション & マルチ アセット モルガン スタンレー インベストメント マネジメント 5
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