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である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行

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未成年の子が婚姻する場合 原則として父母双方の同意を要するが 父母の一方が同意しない場合 父母の一方が知れない場合や死亡した場合 又はその意思を表示できない場合は 他の一方の同意で足りる (737ⅠⅡ) 結局 父母のどちらか一方の同意で足りる 父母がいない場合でも 未成年後見人の同意を得ることを要し

cf 遺贈 : 遺言によって財産が移転 遺贈者 贈与税の対象となる贈与 死亡時 遺言 一方的な意思表示 受遺者 相続税 財産を取得した受贈者 ( 個人 ) にかかる税金 贈与者 財産 受贈者 個人 個人 贈与税 法人 個人 所得税 ( 一時所得か給与所得 ) 個人 法人 法人税 2

20 第 2 章 遺留分減殺請求権の行使 遺留分侵害行為の特定 () 遺言遺言のうち 相続分の指定 相続させる遺言 包括遺贈 特定遺贈 が遺留分を侵害する行為です (2) 生前贈与生前贈与のうち 相続開始前 年間になされた贈与 遺留分権利者に損害を与えることを知ってなされた贈与 特別受益 不相当な対

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〔問 1〕 抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか

Unit1 権利能力等, 制限行為能力者 ( 未成年 ) 1 未成年者が婚姻をしたときは, その未成年者は, 婚姻後にした法律行為を未成年であることを理由として取り消すことはできない (H エ ) 2 未成年者が法定代理人の同意を得ないで贈与を受けた場合において, その贈与契約が負担付の

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

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(3) 生前贈与子のため また 第三者のためになされた生前贈与は 原則的には完全に有効であるが ある制限に服する 必然相続人が存しない場合は 遺産全部は自由処分できるが 存する場合は それらの遺留分を尊重しなければならない 何人も 遺言で与えることができる以上の物を生前に与えることはできない ( 民

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2018 年 ( 平成 30 年 )7 月に, 相続法制の見直しを内容とする 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律 と, 法務局において遺言書を保管するサービスを行うこと等を内容とする 法務局における遺言書の保管等に関する法律 が成立しました 民法には, 人が死亡した場合に, その人 ( 被相

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民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資

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() 葬儀費用を準備する 相続が発生すると預貯金は凍結され 引き出すことができなくなる 預貯金を引き出す時には 遺言書 遺産分割協議書等に記載されている預貯金の相 続人を証明する原因証書に加えて 戸籍謄本 住民票等が必要になる 相続が発生すると すぐに葬儀の費用等が必要になるので 相続発生前に 葬儀

きる ( 改正前民法 436 条 ) 1 改正法と同じ 2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用することができる 本条は 負担部分の限度で 他の連帯債務者が債権者に対して債務の履行を拒むことができると規定したものであり 判

基本は一覧表のとおりですが, 郵券 ( 切手 ) の金額 種別は提出庁各支部及び出張所に確認してください 家事事件一覧表 ( 抜粋 ) 平成 27 年 11 月 17 日鹿児島家庭裁判所 1 家事調停事件事件名 管轄裁判所 収入印紙 切手 添付書類 相手方の住所地 1200 円 82 円 8 一般調

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平成 29 年度下半期における相続に関する相談状況について 平成 30 年 5 月 28 日静岡市駿河区稲川一丁目 1 番 1 号静岡県司法書士会会長杉山陽一静岡県司法書士会では 平成 14 年から15 年以上に亘り 面談及び電話による無料相談を実施してまいりました ( 平成 17 年からは 司法書

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養子縁組届 血縁関係による親子関係がない者や嫡出の親子関係がない者の間に 嫡出親子と同等の関係を創る法律行為です 要件として家庭裁判所の許可や同意者を必要とする場合もあります 根拠法令戸籍法第 66 条 第 68 条 民法第 792 条 ~ 第 798 条届出期間届出をした日から法律上の効力が発生届

第 1 問次の関連業法とコンプライアンスに関する各文章 ( 問 1~ 問 10) を読んで 正しいもの または適切なものには〇を 誤っているものまたは不適切なものには を 解答用紙に 記入しなさい ( 各 1 点 ) ( 問 1) 弁護士資格を有しない相続診断士が 事件性のある法律相談を無償で行うこ

1 まずは相続の基本的なお話しから 相続とは? 相続とは人が亡くなられた際に その人の財産を一定の身分関係にある誰かが承継することです 相続において 亡くなられた方を被相続人といい 被相続人の財産を承継する方を相続人といいます 誰が相続できますか? 相続人は民法で定められており法定相続人と呼ばれます

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ウ譲渡人について倒産手続の開始決定があった場合エ債務者の債務不履行の場合 (3) 譲渡禁止特約付債権の差押え 転付命令による債権の移転 2 債権譲渡の対抗要件 ( 民法第 467 条 ) (1) 総論及び第三者対抗要件の見直し (2) 債務者対抗要件 ( 権利行使要件 ) の見直し (3) 対抗要件

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平成16年6月6日 AがXに対して、全財産を包括的に遺贈した

の消滅の申入れをした日から6か月を経過する日 とすることとした そして, この規律については, 配偶者が放棄した場合だけでなく, 相続分の指定により配偶者の相続分がないものとされた場合など, 配偶者が遺産分割の手続に関与することができない場合にも適用することとしている 具体的には, 例えば, 配偶者

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相続入門 相続人の範囲 第 2 順位の相続人 配偶者は常に相続人 被相続人 第 3 順位の相続人 第 1 順位の相続人 配偶者子親兄弟 配偶者は常に相続人になります 離婚した場合は相続人にはなりません 被相続人の子は 第 1 順位の相続人です 子が 1 人でもいる場合は 次順位の親や兄弟は相続人には

2,606 円 B2,703 万 2,606 円 C2,641 万 4,735.5 円 D2,637 万 5,221.5 円であると主張した そこで共同相続人等は平成 12 年 5 月 30 日 争いのある部分につき引き続き協議を行い 協議が調わない場合共同口座をいったん解約し Y が解約金を預かり

を設けるべきか 民法第 772 条第 2 項は, 同条第 1 項を前提に, 懐胎から分娩までの医学上の最長期を元に, 婚姻の解消の日から300 日以内に出生した子は婚姻中に懐胎したものと推定するものである これに対しては, 経験則上, 夫婦関係の破綻から離婚届の提出までは一定の期間を要することが多く

叔父から財産の贈与(1~3) を受けた場合 1/1 12/31 2/1 3/15 相選養続択与子贈時届贈精出縁与算書与 1組課提2 税出3 暦年課税相続時精算課税 養子縁組前の贈与 1については 暦年課税により贈与税額を計算し 養子縁組以後の贈与 2 及び 3は 相続時精算課税により贈与税額を計算し

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

ラリーマン 相続税の申告は? 45 相続税の申告はどのようにすればよいのでしょうか 相続が開始したことを知った日 ( 通常は被相続人が死亡した日 ) の翌日から 10 か月以内に 被相続人の住所 地の所轄税務署に申告し 相続税を納付する必要があります 申告書を提出する人が 2 名以上いる場合は 共同

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中国の相続法全文 ( 相続法 の立法過程 :1985 年 4 月 10 日第 6 回全国人民代表大会第 3 次会議設立 1985 年 4 月 10 日中華人民共和国主席令第 24 号公布 1985 年 10 月 1 日から施行 ) 目次第 1 章総則第 2 章法定相続第 3 章遺言相続と遺贈第 4

遺言執行者は相続人の代理人( 民法第 1015 条 ) 最判昭和 遺言執行者の就任 辞任 解任とその効果遺留分を侵害された相続人等から その遺言内容と執行に不満がでて強烈な遺産争いに巻き込まれることもある 事前に就任を辞退するのも 1 つの選択肢 一旦就任したら 正当事由があり 家裁

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遺留分 遺留分とは 一定の親族 ( 配偶者 子 親等直系尊属 ) に残しておかなければならない遺産の割合です 特に遺言を作成する場合は 遺留分に注意する必要があります なお 遺留分を侵害された相続人には 遺留分に相当する部分の取り戻しを請求 ( 遺留分減殺請求 ) することが認められています [2]

2. 受取人について 死亡保険金は 保険契約者があらかじめ指定した死亡保険金受取人からご請求ください ( 家族定期保険特約の被保険者が亡くなられた場合の死亡保険金請求の際は 主契約の被保険者からご請求ください ) ただし 死亡保険金受取人が (1)~(3) に該当するときは 次のとおりです (1)

* 老齢基礎年金の額および付加年金の額 444 月 780,100 円 +200 円 138 月 749,200 円 480 月 < 問 2> 正解 2 1) 適切 国民年金基金には 47 都道府県に設立された 地域型基金 と 25 の職種別に設立された 職能型基金 の 2 種類があり 国民年金の第

上級相続診断士練習問題 < 注意事項 > 1 試験問題用紙は 問題用紙と解答用紙からなっています 解答はすべて解答用紙に記入してください 2 試験問題用紙は 問題用紙と解答からなっています 解答はすべて解答用紙に記入してください 3 問題数 (= 解答数 ) は合計 45 問です 本試験は試験時間

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はしがき 平成 25 年度の税制改正によって 相続税は 格差是正や富の再分配機能強化の観点から 遺産に係る基礎控除額の引下げや最高税率 55 パーセントに引上げなど 抜本的な制度改正が行われ 平成 27 年 1 月 1 日から適用されることとなりました この改正の影響で 相続税の課税対象者が約 4%

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り 遺留分が全く違う使い方になったのでした ことに近年は 日本人の平均寿命が男性 80 歳 女性 86 歳と延び 80 歳前後の人の死 亡 相続が多く発生していますが この世代の人は家督相続の時代の教育を受け その方々自身が家督相続した人達なので 未だに 跡取り息子の観念 や 長子一 子相続の考え方

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1 三つの相続分 ( 法定相続分 指定相続分 具体的相続分 ) これらの用語は条文に書かれた用語, すなわち法令用語ではありませんが, 相続分 という場合, 次の三つに分けて使われます 法定相続分 法律が定めた相続割合 例 : ( 定数 割合 ) 配偶者 1/2と子 1/2 指定相続分 遺言書で指定

1. なぜ空き家が多くなってきたのか その原因? 1 賃貸経営 ( 貸家 ) に関する認識不足 2 賃貸契約に関する問題 ( 借地借家法 ) 3 相続に関する問題 2. 賃貸経営に関る問題点と対策 1 不動産の賃貸経営を事業として認識しておられない 2 借入金に対する認識が甘い ( 相続税対策が主で


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1 等郵送交付申請書 B 氏名五島花子印 生年月日 / 大 昭 平 3 年 4 月 5 日 どなたのが必要ですか? 本人 配偶者 子 父母 祖父母 その他 ( ) 本五島福江 1 改製原 ( 1 ) 通氏名 の分を ( ) 組 は金額が前後する場合があります 地 出生から死亡まで ( 必要な人の五島


保証契約とは しゅさいむしゃ が 保証契約 とは, 借金の返済や代金の支払などの債務を負う 主債務者 その債務の支払をしない場合に, 主債務者に代わって支払をする義務を負うことを約束する契約をいいます なお, 連帯保証契約 とは, 保証契約の一種ですが, 主債務者に財産があるかどうかにかかわらず,

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第 3 編相続に関する知識 < 該当する確認問題 > 第 1 章家族関係第 1 節親族 2 確認問題 1 第 2 節夫婦 3 確認問題 2 第 3 節親子 4 確認問題 3 第 2 章相続 第 1 節相続の開始 5 第 2 節相続人 5 確認問題 4 第 3 節相続人の欠格事由と推定相続人の廃除 6 確認問題 4 第 4 節相続の効力 7 第 5 節相続分 8 確認問題 5 第 6 節遺産の分割 9 確認問題 6 第 7 節相続の承認 放棄 11 確認問題 7 第 8 節遺言 12 確認問題 8 第 9 節遺留分 14 確認問題 9 目次をクリックすると の該当ページを見ることができます このページから直接 確認問題 へ進むことはできません <1>

第 1 章家族関係 親族とは何かについて学習します 親族の種類と性質について理解しておきましょう 第 1 節親族 親族 ( テキスト参照ページ P.107) 親族とは 民法上 6 親等内の血族 配偶者および 3 親等内の姻族のこと 血族 姻族 配偶者 出生 ( 自然血族 ) または養子縁組 ( 法定血族 ) によって血縁につながる者のこと自然血族関係 出生により発生し 死亡により終了法定血族関係 養子縁組により発生し 死亡のほか 離縁または縁組の取消しにより終了 ( 注 ) 養子縁組前に生まれた養子の子は 養親およびその血族とは親族関係にない一方 縁組後に生まれた養子の子は 養親およびその血族とも血族関係を生じる自分の配偶者の血族または自分の血族の配偶者のこと姻族関係は 婚姻を媒介として生じ 離婚または婚姻の取消しによって終了婚姻によって夫婦となった者の一方から見た他方 ( 例 : 夫から見た妻 ) のこと ( 注 ) 配偶者は血族でも姻族でもない また 配偶者には親等はない 配偶者関係は 婚姻により発生し 死亡のほか 離婚または婚姻の取消しによって終了 <2>

婚姻の効力および婚姻の終了の効果について学習します 内縁関係にある者 と 夫婦 の法的性質の違いについて理解しておきましょう 第 2 節夫婦 婚姻 ( テキスト参照ページ P.109~110) 1 婚姻の効力 夫婦間でした契約は 婚姻中 いつでも 夫婦の一方からこれを取り消すことができる ただし 第三 者の権利を害することはできない 2 夫婦財産性 夫婦間における財産の帰属 日常家事債務の連帯責任 夫婦の一方が婚姻前から有する財産および婚姻中に自分の名前で得た財産は 各々の個人的財産 ( 特有財産 ) とされる 夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは 他の一方は これによって生じた債務について 連帯してその責任を負う ただし 夫婦の一方がその第三者に対して責任を負わない旨を予告した場合には その責任を負わない 3 婚姻の終了夫婦の一方の死亡 失踪宣告または離婚によって終了する 夫婦の一方が死亡した場合には 生存配偶者の姻族関係を終了させる意思表示によって初めて姻族関係が終了する 内縁 ( テキスト参照ページ P.111) 内縁関係にある者には 相続権が認められていない 内縁夫婦間に生まれた子は嫡出でない子として扱われ 原則として母の単独親権に服し 父子関係については父の認知が必要である 内縁夫婦間に生まれた子は 父が認知をしなければ 父の血族とは親族関係を生じない 内縁関係は 当事者の一方の死亡によって当然に終了するほか 当事者双方の合意または一方的意思表示によっても自由に解消できる <3>

嫡出子 と 嫡出でない子 の法律上の違いについて理解しておきましょう 実子 と 養子 の法律上の違いについて理解しておきましょう 第 3 節親子 実子 ( テキスト参照ページ P.112~113) 1 嫡出子婚姻関係にある男女間から生まれた子のこと 一方の配偶者の子は 他方の配偶者と養子縁組をしない限り 他方の配偶者とは法定親子関係を生じない 2 嫡出でない子婚姻関係にない男女間に生まれた子のこと 嫡出でない子は 認知されなければ 父および父の親族とは親族関係が生じない 成年の子を認知 ( 任意認知 ) する場合には その子の承諾が必要である 父の認知後も親権者は母であるが 母との協議または家庭裁判所の審判により 父も親権者となることができる 父の認知後も父と母とが婚姻しなければ 子は嫡出でない子のままとなる 養子 ( テキスト参照ページ P.114~115) 1 養子縁組の効力 養子縁組が成立すると 養子縁組の当事者は 養親子として相互的な権利 義務を負うが 実親との法 的親子関係に変更は生じない 2 養子縁組の解消 いったん有効に成立した養子縁組を終了させることをいい 民法上 離縁によってのみ解消する 3 離縁の効力 離縁により 縁組の効力は将来に向かって解消し 法定嫡出親子関係の消滅 法定血族関係の終了 復 氏 復籍などの効力を生じる <4>

第 2 章相続 相続とはどういうことで どのようにして始まるのかについて学習します 誰が相続人となり どのように相続分が決定されるのかを理解しましょう 代襲相続について 誰がどのようなときに代襲できるのかを理解しましょう 相続欠格と推定相続人の廃除とは何かについて学習します 第 1 節相続の開始 相続とは ( テキスト参照ページ P.116~117) 人 ( 自然人 ) が死亡した場合に その財産法上の地位 ( 権利義務 ) を特定の者が 承継すること 第 2 節相続人 相続人 ( テキスト参照ページ P.118~119) 1 血族相続人第 1 順位子 ( 代襲相続人を含む ) 第 2 順位直系尊属第 3 順位兄弟姉妹 ( 代襲相続人を含む ) ( 注 ) 相続開始時に生存する最先順位の血族相続人のみが相続する 養子は 実子と同順位の相続人となり 実父母および養父母双方の相続人となる 嫡出でない子は 嫡出子と同順位の相続人となる 父母の双方を同じくする兄弟姉妹と父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹とでは 相続分が異なり 後者の法定相続分は前者の1/2である 2 配偶相続人配偶者は 常に相続人となる 内縁関係にある者は相続人とはならないが 相続人が存在しない場合などには 特別縁故者に対する財産分与規定が適用されることがある 代襲相続 ( テキスト参照ページ P.120) 被代襲者 被相続人の子 被相続人の兄弟姉妹 代襲原因 死亡 相続欠格または推定相続人の廃除 死亡または相続欠格 代襲者 被相続人の子の子 ( 被相続人の孫 ) 被相続人の兄弟姉妹の子 ( 直系卑属であればさらに再代襲可 ) ( 再代襲はできない ) 相続放棄をした者の子は 代襲相続することはできない 養子のいわゆる連れ子は 代襲相続することはできない <5>

第 3 節相続人の欠格事由と推定相続人の廃除 相続人の欠格事由 ( テキスト参照ページ P.121) 相続人となるべき者が故意に被相続人を殺害したり 詐欺や強迫により遺言の作成を妨害した場合などに 被相続人との共同関係を破壊する者として 法律上当然に相続人としての資格を失うこと 相続欠格の効果は相対的 ( 対人的 ) であり 特定の被相続人に対する関係だけで相続人資格を失う 例 親に対して欠格事由のある者であっても 子に対して欠格事由がなければ 子の遺産を相続できる 推定相続人の廃除 ( テキスト参照ページ P.121) 遺留分を有する推定相続人が被相続人を虐待し もしくは重大な侮辱を加えた場合 または推定相続人に著しい非行があった場合に 被相続人が家庭裁判所に相続人の廃除を請求することにより 推定相続人の相続権を失わせること ( 注 ) 兄弟姉妹は 遺留分を有しないので推定相続人の廃除を行うことはできない 廃除の意思表示は遺言によって行うこともでき この場合 廃除の効力は被相続人の死亡時にさかのぼって生じる 相続欠格は 人の意思に関係なく法律上当然に資格を失うのに対し 推定相続人の廃除は 意思表示を要件とする点に注意! <6>

財産のうち 何が相続財産に含まれるかについて学習します 相続人の違いによる法定相続分を正しく理解しましょう 第 4 節相続の効力 相続財産の包括承継 ( テキスト参照ページ P.122) 相続人は 相続開始の時から 被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する さいしただし 一身専属権 および 祭祀財産 は相続の対象にならない 相続財産の範囲 ( テキスト参照ページ P.122~126) 親族 相続法上の権利義務相続の対象は 財産法上の権利義務であり 親族法上の権利義務は 原則として 相続の対象とならない相続法上の権利義務の中で 財産法的性格が強いものは相続の対象となる 占有権 保証債務 賃借権 生命侵害による損害賠償請求権 生命保険金請求権 学説 判例は 占有権の相続を肯定 通常の保証債務 相続財産の対象となる身元保証債務 包括的信用保証債務 相続財産の対象とならない 相続財産の対象となる 財産的損害 死亡による損害賠償請求権の相続を肯定 ( 通説 判例 ) 精神的損害 ( 慰謝料 ) 特別の事情がない限り 相続財産の対象となる 生命保険契約で誰を保険金受取人としているかによって 生命保険金請求権の取扱いが異なる 被相続人の遺骸 遺骨相続財産の対象とならない ( 判例 ) 香典 相続財産の対象とならない <7>

第 5 節相続分 相続財産 ( テキスト参照ページ P.127) 相続財産には 被相続人の有していた積極財産としての各種資産だけでなく 消極財産としての借入債務などの一切の負債も含まれる ( 注 1) 具体的に発生に至っていない財産法上の法律関係または法的地位も含まれる ( 注 2) 積極財産には損害賠償請求権や慰謝料請求権も含まれる 相続分 ( テキスト参照ページ P.128~132) 第 1に被相続人の遺言による相続分の指定 ( 指定相続分 ) によって決まり 相続分の指定のないときは 民法の規定 ( 法定相続分 ) によって定まる 1 指定相続分被相続人は 遺留分を侵害しない範囲で 遺言で共同相続人の相続分を指定することができ また 相続分の指定を第三者に委託することもできる 相続分について指定または指定を委託する場合には 必ず遺言をもって行わなければならず 遺言によらない指定は無効となる 2 法定相続分 被相続人の配偶者は 常に相続人となり 配偶者と配偶者以外の相続人がいる場合は下記のとおり 血族相続人 配偶者 配偶者のみの場合 全額 子と配偶者の場合 1/2 1/2 直系尊属と配偶者の場合 1/3 2/3 兄弟姉妹と配偶者の場合 1/4 3/4 <8>

遺産分割とは何かについて学習します 遺産分割の方法および効力を理解しましょう 第 6 節遺産の分割 遺産分割の原則 ( テキスト参照ページ P.135) 共同相続人は 遺言によって分割が禁止された場合を除き いつでもその協議により 被相続人の遺産を 分割し 相続人個々の財産にすることができる 遺産の範囲と相続人の確定 ( テキスト参照ページ P.135) 遺産 = 積極財産 + 消極財産 ( 債務 ) 相続人の確定にあたり 行方不明者がいるときは家庭裁判所に不在者財産管理人を請求して その管理人と他の共同相続人との間で分割を行うことになる 遺産分割 ( テキスト参照ページ P.136~137) 1 指定分割または第三者による指定被相続人が遺言によって分割の方法を指定し またはこれを相続人以外の第三者に委託した場合には それに従って分割が行われる 分割方法の指定は必ずしも全共同相続人により またはすべての遺産について行われる必要はないが 一部の共同相続人または遺産についてのみ分割方法の指定がある場合には 実際の分割は分割協議によって実現することになる 2 協議分割共同相続人は 被相続人の分割を禁止する遺言がない限り いつでも協議分割をすることができる 分割の協議には共同相続人全員の参加が必要であり 一部の相続人を除外してなされた分割協議は無効となる ( 注 ) 共同相続人中に未成年者とその親権者がいる場合には 分割協議はいわゆる 利益相反行為 になるため 親権者は 未成年者のために家庭裁判所に特別代理人の選任を請求し 特別代理人が分割協議に参加することになる 共同相続人間で協議が調わず または協議することができないときは 各共同相続人は その分割を家庭裁判所に請求することができる <9>

分割の方法 ( テキスト参照ページ P.137) 現物分割を原則とするが 現物分割ができないときは 換価分割または代償分割による 遺産分割の効力 ( テキスト参照ページ P.137) 遺産の分割は 相続開始の時にさかのぼってその効力を生じるが この分割の遡及効は 分割前に個々の相続財産の持分を取得した第三者の権利を害することができない 遺産の分割によって取得した財産に瑕疵がある場合には 各共同相続人はその相続分に応じて売主と同じ担保責任を負う 遺産分割の禁止 ( テキスト参照ページ P.137) 遺産の分割は 被相続人の遺言または共同相続人の協議もしくは家庭裁判所の審判により 一定期間禁止されることがある <10>

単純承認 限定承認 放棄 の性質および違いについて学習します 第 7 節相続の承認 放棄 単純承認 ( テキスト参照ページ P.138) 相続人は 単純承認をしたときは 無限に被相続人の権利義務を承継する 相続人が相続財産の全部または一部の処分をした場合には 単純承認したものとみなされる 相続人が3か月の熟慮期間内に限定承認も放棄もしないときは 単純承認したものとみなされる 相続人が限定承認または放棄をした後でも 相続財産の全部または一部を隠匿し ひそかにこれを消費し 悪意でこれを財産目録中に記載しなかったような背信行為があった場合には その相続人は単純承認したものとみなされる 限定承認 ( テキスト参照ページ P.139) 限定承認をするときは 3か月の熟慮期間内に財産目録を作成して これを家庭裁判所に提出し 限定承認をする旨を申述する 相続人が数人いるときは 限定承認は 共同相続人全員が共同して行わなければならない したがって 共同相続人のうちの1 人が限定承認を希望しても 他の共同相続人が単純承認をした場合には 限定承認をすることはできなくなる ただし 共同相続人の1 人が相続の放棄をした場合には 相続放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされるため 他の共同相続人だけで限定承認をすることができる 放棄 ( テキスト参照ページ P.140) 相続の放棄をするときは 3か月の熟慮期間内に家庭裁判所に放棄する旨を申述しなければならない 共同相続の場合でも 限定承認とは異なり 各相続人が単独で放棄することができる 相続を放棄した場合は 放棄者は相続開始の時にさかのぼって相続人とならなかったものとみなされるので 放棄者の子が放棄者を代襲相続することはない 相続人がいない場合 ( テキスト参照ページ P.141) 相続人が現れず 相続債権者や受遺者に相続財産から弁済して なお残余がある場合には 家庭裁判所は 特別縁故者 ( 内縁関係にある者など ) の請求により 残余財産の全部または一部を与えることができる 特別縁故者による財産分与の請求がなされなかった場合 あるいは分与されてもなお残余財産がある場合には その相続財産は最終的に国庫に帰属することになる <11>

遺言の性質 方式 効力について学習します 遺言の3つの方式について それぞれの特徴および違いを理解しましょう 遺言執行者の選任および任務について正しく理解しましょう 第 8 節遺言 遺言の性質 ( テキスト参照ページ P.142) 未成年者でも満 15 歳に達した者は 単独で遺言をすることができる 2 人上の者が同一の証言 ( 共同 ) で遺言を行うことはできない 遺言者は 遺言の方式に従って その遺言の全部または一部を自由に撤回することができる 前の遺言が後の遺言と抵触する場合は その抵触する部分については 後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされる 遺言の方式 ( テキスト参照ページ P.143) 自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言要件とともにこれに署名 押印する長所短所遺言者が遺言書の全文 日付および氏名を自書し これに押印する 1 証人 2 名以上の立会いがある 2 遺言者が遺言の趣旨を公証人に直接口頭で陳述する 3 公証人が遺言者の口述を筆記し それを遺言者および証人に読み聞かせる 4 遺言者および証人が筆記の正確なことを承認した後 各自これに署名 押印する 5 公証人がその証書は上記 1~ 4の方式に従って作成したものであることを付記して これに署名 押印する 1 遺言者がその証書に署名 押印する 2 遺言者がその証書を封じて証書に用いた印章で封印する 3 遺言者が公証人 1 名および証人 2 名以上の前に封書を提出し 自己の遺言書である旨等を申述する 4 公証人が封紙に証書を提出した日付および遺言者の申述を記載した後 遺言者および証人 手続きが簡便であり 費用がか 遺言書の存在と内容が明確で 内容を秘密にできる からない ある 内容を秘密にできる 遺言の執行にあたり 検認を受 ける必要がない 遺言書の滅失 偽造 変造のお 遺言書の存在と内容を秘密に 手続きが複雑で 費用もかかる それがある できない 検認が必要である 検認が必要である 手続きが複雑で 費用がかかる ( 注 ) 検認とは 遺言書の現状を確認し 偽造 変造を防ぐための証拠保全の手続きであり 遺言の内容の真否や有効性を判定するものではない <12>

遺言の効力 ( テキスト参照ページ P.144) 原則として遺言者の死亡時に発生する ( 注 ) 停止条件付遺言 の場合は 遺言者が死亡後 その条件が成就した時からその効力を生じる 例えば 姪 Aが婚姻したときは 土地及び建物を遺贈する というように 将来発生することが不確実な事実を遺贈の条件とする遺言 遺贈とは 遺言によって財産の全部または一部を無償で他人に与える行為であるが 遺留分に関する規定に違反することはできない 遺贈を受ける受遺者は 遺言者の死亡の時に生存していなければならず 遺言者の死亡以前に死亡したときは遺贈の効力は生じない 受遺者は 法人 自然人の別を問わず 胎児にも受遺能力が認められている 遺贈には 包括遺贈と特定遺贈があり いずれの場合も 負担付贈与 とすることができる 例 遺言者がAに100 万円を遺贈し その代わりにBに毎月 1 万円の生活費を支給してもらえるよう遺言する場合 遺言書の検認 ( テキスト参照ページ P.145) 遺言書の保管者は 相続の開始があったことを知った後 遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して検認を受けなければならない ( 公正証書遺言を除く ) 封印のある遺言書の開封は 検認の前に 家庭裁判所において 必ず相続人またはその代理人の立会いの下で行わなければならない 遺言執行者 ( テキスト参照ページ P.145) 遺言執行者の選任 遺言執行者の任務 遺言者は 遺言によって遺言執行者を指定できる また その指定を第三者に委託することもできる 指定がないときなどは 利害関係人の請求により 家庭裁判所は遺言執行者を選任することができる 遺言執行者は 遅滞なく管理の対象となる財産の財産目録を作成し これを相続人に交付しなければならない <13>

遺留分とは何か 遺留分権利者は誰かについて学習します 遺留分の割合や遺留分の放棄 と 相続分や相続の放棄 を混同しないようにしましょう 第 9 節遺留分 遺留分とは ( テキスト参照ページ P.146) 相続人の利益のために 相続人に確保された相続財産の一定部分のこと 遺留分権利者 ( テキスト参照ページ P.146) 兄弟姉妹を除く法定相続人 ( 直系卑属である子およびその代襲者 直系尊属 配偶者 ) 遺留分の放棄 ( テキスト参照ページ P.146) 遺留分権利者は 遺留分を放棄することができるが 相続開始前の放棄は 家庭裁判所の許可がない限り その効力を生じない 遺留分の放棄は 他の遺留分権利者の遺留分に影響を与えない 遺留分額の算定 ( テキスト参照ページ P.146) 遺留分額の算定の基礎となる財産の額は 相続開始の時において被相続人が有した財産の価額に その贈 与した財産の価額を加え 債務の全額を控除した額 遺留分の割合 ( テキスト参照ページ P.146~148) 直系尊属のみが相続人の場合被相続人の財産の 1/3 その他の場合被相続人の財産の 1/2 <14>

遺留分の侵害による減殺 ( テキスト参照ページ P.149) 遺留分の減殺請求権が成立しても 被相続人の遺言に基づく財産の処分が当然に無効となるわけではなく 遺留分権利者が遺留分を侵害する者に対して 遺留分を保全するために侵害された部分を取り戻すことができるにすぎない ( 注 ) 遺留分減殺請求の意思表示は 必ずしも裁判上で行使する必要はない 遺留分の減殺請求権は 遺留分権利者が相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1 年間行使しないときは時効によって消滅する 相続開始の時から10 年を経過したときも同様に消滅する 減殺されるべき遺贈 贈与が複数あるときは 第 1に遺贈を減殺し これでも不足のある場合には第 2として贈与を減殺する <15>