PowerPoint プレゼンテーション

Similar documents
教授 ) において 本件火災の発生状況や 今後の消防のあり方について検討が行われた 検討会での検討結果を踏まえてとりまとめられた報告書では 火災予防対策として 以下のように提言がなされた 延べ面積 150 m2未満の飲食店にあっては 一部の地方公共団体の火災予防条例により消火器の設置が義務付けられて

資料 1-6 認知症高齢者グループホーム等に係る消防法令等の概要 1 消防法令の概要 主な消防用設備等の設置基準消防用設備等の種別消火器屋内消火栓設備スプリンクラー設備自動火災報知設備消防機関へ通報する設備誘導灯 設置基準規模 構造にかかわらずすべて延べ面積 700 m2以上延べ面積 275 m2以

火災を感知するために常に作動しており その電池の寿命の目安は約 10 年とされています 新築住宅への住宅用火災警報器の設置義務化から 10 年超が経過しており 電池切れや本体内部の電子機器の劣化により適切に作動しないことが懸念されます このため消防庁では 住宅用火災警報器の設置の徹底や適切な維持管理

第 3 章 1. の既往調査研究 1で紹介した 小規模多機能サービスに関する調査報告書 にも指摘されていたように 小規模多機能サービス事業所の整備にあたっては 建築基準法 消防法上の取り扱いの点で検討の余地を残している これに関して 2006 年 1 月に長崎県大村市の認知症高齢者グループホームで発

記 1 埼玉県三芳町倉庫火災の教訓について ⑴ 火災発生に際して 発見者は自ら初期消火を試みたものの 結果として 自動火災報知設備の鳴動から約 7 分が経過するまで 119 番通報が行われなかったこと ⑵ 屋外消火栓設備を用いた初期消火の際 ポンプの起動操作が行われておらず 初期消火に必要な放水量が

消防用設備・機械器具等に係る最近の検討状況等

Microsoft Word - ★事務連絡 (2)

川越地区消防局 消防署組織図 消防局長 消防局 ( 代 ) 総務課 総務担当 消防団担当 財務担当職員担当 管理担当 予防課 予防担当 査察指導担当 保安担当 警防課 警防担当 装備担当 救急課 0

各都道府県消防防災主管部長 東京消防庁 各指定都市消防長 殿 消防予第 2 6 号 平成 30 年 2 月 1 日 消防庁予防課長 消防法施行令別表第一 (5) 項ロ ( 下宿等 ) の防火対策に係る注意喚起等について 1 月 31 日に北海道札幌市で発生した消防法施行令 ( 昭和 36 年政令第

ウ火元責任者は 自主検査の結果 異常が認められたときは 防火管理者及び防火管理責任者 ( 工事責任者 ) に報告し 指示を受けて対処する (2) 放火対策ア建物の外周部及び階段等には 可燃性の工事用資材又は梱包材等は置かないようにする やむを得ず置く場合は整理整頓し防炎シート等で覆い保管する イ工事

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

ことを想定しているが これは既に違反対象物の公表制度を実施している消防本部の運用実態等を参考に 当該制度の実施に伴う事務負担やその効果等について検討を行った結果 特に都市部における建物の利用者数等による火災危険性が高いことを考慮したものである なお その他の消防本部においても政令指定都市の消防本部の

20企広第  号

<4D F736F F D AEB8CAF95A893C18DD BC814089BB8A C982A882AF82E98E968CCC96688E7E93992E646F6378>

平成  年  月  日

消防法施行規則等の一部を改正する省令等の公布について ( 参考資料 ) 別紙 1 1 改正理由 (1) 背景住宅宿泊事業法 ( 平成 9 年法律第 65 号 ) が平成 30 年 6 月 15 日に施行され 住宅宿泊事業に係る事前の届出が同年 3 月 15 日に開始された ( 住宅宿泊事業法の施行期

すぐ連絡! すぐ実施! 杉並消防署からのお知らせ 自衛消防訓練を実施しましょう 自衛消防訓練は 火災が発生した場合に消防隊が現場に到着するまで 自衛消防 活動により 迅速 的確に人命の保護と災害の拡大防止の措置をとれるようにする ことを目的としています 訓練の種別 自主的に訓練することが必要です!

178 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 小規模特定用途複合防火対象物 ( 政令別表第 1⒃ 項イに掲げる防火対象物のうち 特定用途に供される部分の床面積の合計が当該部分が存する防火対象物の延べ面積の10 分の1 以下であり かつ 300m2未満であ

さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 第 4 渡り廊下で接続されている場合の取り扱い 155 第 4 渡り廊下で接続されている場合の 取り扱い

第 3 倉庫に係る防火安全対策 1 目的この基準は 近年 倉庫が大規模化し また 作業所的要素が出てくるなど特殊化する傾向が見られることから 倉庫に係る出火防止 延焼拡大防止 避難の安全確保等に係る具体的基準を定めたものである 2 指導対象この基準に基づき指導する防火対象物の範囲は次に掲げるものとす

屋内消火栓設備の基準 ( 第 4.2.(3). オ ) を準用すること (2) 高架水槽を用いる加圧送水装置は 屋内消火栓設備の基準 ( 第 4.2.(4). ア イ及びウ ) を準用するほか (1). ア イ及びウの例によること (3) 圧力水槽を用いる加圧送水装置は 屋内消火栓設備の基準 ( 第

(5) 第 1 号から前号までの規定により住宅用防災警報器が設置される階以外の階のう ち 次に掲げるいずれかの住宅の部分 ア床面積が 7 平方メートル以上である居室が 5 以上存する階の廊下 イアに規定する階に廊下が存しない場合にあっては 当該階から直下階に通ずる 階段の上端 ウアに規定する階に廊下

ともに 警報を発するものをいう 第三放水型ヘッド等の構造及び性能規則第十三条の四第二項に規定する放水型ヘッド等の構造及び性能は 次に定めるところによる 一放水型ヘッド等の構造は 次によること ( 一 ) 耐久性を有すること ( 二 ) 保守点検及び付属部品の取替えが容易に行えること ( 三 ) 腐食

2 病院次のいずれにも該当する病院のうち 相当程度の患者の見守り体制を有するもの ( 火災発生時の消火活動を適切に実施することができる体制を有するものとして総務省令で定めるもの ) 以外のもの ( ア ) 特定診療科名を有するもの ( イ ) 一般病床又は療養病床を有する病院 火災発生時の延焼を抑制

目次 ( )

奏功事例 6 平成 21 年 1 20 時頃 多賀城 たばこ ( 不始末 ) 留守中の住宅から ピーピー とういう警報音に隣接共同住宅の隣人が気付き 119 番通報し 到着した消防隊が消火したもの 早期の発見により 床の一部だけの焼損で済んだ事例 奏功事例 7 20 時頃 塩釜 ガスこんろ 留守中の

東京都建築安全条例の見直しの考え方

<4D F736F F D CA A30312D AD8F6F93FA817A8FC A192CA926D>

参考資料 三郷市火災予防条例の一部を改正する条例案の素案 平成 26 年 9 月 三郷市消防本部 大規模な屋外催しにおける防火管理体制の構築について 1 改正の背景 1 京都府福知山市花火大会火災平成 25 年 8 月 15 日 京都府福知山市で行われた花火大会において 死者 3 名 負傷者 56

平成23年度事例集04

工事中の消防計画 第 1 工事計画について 1 工事概要 ( 別紙 1 ) 2 工事工程表 ( 別紙 2 ) 3 緊急時連絡体制 ( 別紙 3 ) 4 関連業者一覧 ( 別紙 4 ) 第 2 目的及び適用範囲 1 目的この計画は 消防法第 8 条第 1 項の規定に基づきにおける防火管理について必要な

油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

平成 30 年春の火災予防運動実施要綱 甲賀広域行政組合消防本部 1 目的この運動は 火災が発生しやすい時季を迎えるに当たり 火災予防思想の一層の普及を図り もって火災の発生を防止し 高齢者を中心とする死者の発生及び財産の損失を防ぐことを目的とする 2 防火標語 火の用心ことばを形に習慣に ( 平成

住宅用火災警報器.indd

東京都建築安全条例(昭和二十五年東京都条例第八十九号)新旧対照表(抄)

建物火災 100 件当たりの死者数の推移 S46 S49 S50 S53 S54 S57 S58 S61 S62 H2 H3 H6 H7 H10 H11 H14 H15 H18 H19 H22 H23 H26 規模によらずすべてに自動火災報知設備を設置

基準2 消防用設備等の設置単位の取扱いに関する基準

消 防 計 画

はじめに 消防法の規定では 一定規模の建物の管理権原者は 防火管理者を定め 消防計画を作成し 防火管理上必要な業務の実施を定めています その中でも 消防計画に基づく訓練の実施は最も重要な事項です 特に特定防火対象物 ( 集会場 スーパー ホテル 病院等の不特定多数の人が出入りする施設 ) には 年

(その1)

保育所の設備及び運営に関する基準 保育室等 屋外 遊戯場 設備 ( 必置 ) 面積設備 ( 必置 ) 面積 調理室 便所 0 1 歳児 乳児室及びほふく室 医務室 2 歳以上児 保育室又は遊戯室 乳児室 ほふく室 3.3m2 / 人 保育室 遊戯室 1.98m2 / 人屋外遊戯場 近隣の都市公園を代

tokskho

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

基準19 ハロゲン化物消火設備の設置及び維持に関する基準

隣地境界線126 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 消防用設備等の設置単位消防用設備等の設置単位は 建築物 ( 屋根及び柱又は壁を有するものをいう 以下同じ ) である防火対象物については 特段の規定 ( 政令第 8 条 第 9 条 第 9 条の

鉄道建築ニュース用原稿 「シャッター」 070928   (社)日本シヤッター・ドア協会

ホテル火災対策検討部会報告書 ( 概要 ) < 検討の目的及び体制 > 平成 24 年 5 月 13 日 ( 日 ) 広島県福山市において死者 7 名 負傷者 3 名が発生したホテル火災を踏まえ ホテル 旅館等の火災被害拡大防止対策及び火災予防行政の実効性向上等に関する検討を実施 予防行政のあり方に

別添 平成 30 年春季全国火災予防運動実施要綱 1 目的この運動は 火災が発生しやすい時季を迎えるに当たり 火災予防思想の一層の普及を図り もって火災の発生を防止し 高齢者を中心とする死者の発生を減少させるとともに 財産の損失を防ぐことを目的とする 2 防火標語 ( 平成 29 年度全国統一防火標

<4D F736F F F696E74202D CE8DD0975C966891CE8DF482CC C982C282A282C C96688C578FAC89CD816A A2E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

Microsoft PowerPoint - 建篛å�ºæºŒæ³Łï¼‹è£œè¶³ï¼›2018.pptx

2 スプリンクラー設備の設置基準の見直し 消防法施行令第 12 条第 1 項関係 スプリンクラー設備を設置しなければならない防火対象物又はその部分に 次に掲げるもの 火災発生時の延焼を抑 制する機能を備える構造として総務省令で定める構造を有するものを除く で延べ面積が 275 m2未満のものが追加さ

エコテックその他火災 ( 産業廃棄物 ) 概要 平成 29 年 6 月 14 日 ( 水 )17 時 00 分飯塚地区消防本部 下線部は 前回からの変更点 1 出火場所嘉麻市大隈 ( 有 ) エコテック代表者氏名代表取締役社長高山和仁 2 出火日時覚知平成 29 年 5 月 28 日 (

資料 2-3 障害者施設等の火災対策のあり方 ( 案 ) 1 認知症高齢者グループホーム火災を踏まえた課題 ⑴ 消防機関への通報について長崎市認知症高齢者グループホーム火災 ( 以下 本件火災 という ) では 自動火災報知設備の鳴動後に 火災通報装置の操作が行えず 施設からの通報がなされなかった

松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例施行規則平成 26 年 10 月 27 日規則第 65 号 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は, 松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例 ( 平成 26 年条例第 52 号 以下 条例 という ) の施行に関し必要な事

Microsoft Word - RIN81_第8章.doc

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

<4D F736F F D2091E E838D BB95A88FC189CE90DD94F52E646F63>

Microsoft Word - 仕様書 (R1-R4)

鉄道建築ニュース用原稿 「シャッター」 070928   (社)日本シヤッター・ドア協会

<4D F736F F D20984A94AD C9A90DD8CBB8FEA82C982A882AF82E989CE8DD082C982E682E9984A93AD8DD08A E7E82C982C282A282C4>

id5-通信局.indd

< E838A C9A91A295A8816A>

第 3 点検の期間点検の期間は 次の表の上欄 ( 左欄 ) に掲げる用設備等の等並びに同表中欄に掲げる点検の内容及び方法に応じ 同表下欄 ( 右欄 ) に掲げるとおりとする ただし 特殊用設備等にあっては 法第 17 条第 3 項に規定する設備等設置維持計画に定める期間によるものとする 用設備等の等

PowerPoint プレゼンテーション

第2章 事務処理に関する審査指針

ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

別添 ( 用語の定義 ) 消防法( 昭和 23 年法律第 186 号 ) 法 消防法施行令( 昭和 36 年政令第 37 号 ) 令 消防法施行規則( 昭和 36 年自治省令第 6 号 ) 規則 特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令 ( 平成 20

1 ガイドライン策定の目的防犯カメラについては テレビや新聞で報道されているように 犯罪の解決や犯罪の抑止につながることなど その効果は社会的に認められており さまざまな施設に防犯カメラが設置されております しかし その効果が認知される一方で 防犯カメラにより個人のプライバシーなどの人権が侵害される

平成 29 年春季全国火災予防運動実施要綱 別添 1 目的この運動は 火災が発生しやすい時季を迎えるに当たり 火災予防思想の一層の普及を図り もって火災の発生を防止し 高齢者を中心とする死者の発生を減少させるとともに 財産の損失を防ぐことを目的とする 2 防火標語 ( 平成 28 年度全国統一防火標

別添 第 1 章総説 道路トンネル非常用施設設置基準 非常用施設の設置にあたっては 非常用施設のトンネル防災全体における役割を認識するとともに 設置目的および管理運用方法を明確にして計画しなければならない なお 非常用施設の運用にあたっては関係機関との連携に配慮するものとする 第 2 章非常用施設の

1. 一般財団法人日本防火 危機管理促進協会の重点的取組住宅防火対策推進協議会の事務局として 広く住警器の普及啓発等を実施 2. 平成 27 年度実施中事業事業名平成 27 年度実施中事業 ( 実績を含む ) 住宅防火防災推進シンポジウムの開催 別添 住宅用防災機器等展示会出展事業 別添 CATVに

< F2D E968CCC8DD08A5191CE8DF495D281458D718BF38DD0>

作成例

事務連絡 平成 27 年 3 月 31 日 各都道府県消防防災主管課 東京消防庁 各指定都市消防本部 御中 消防庁予防課 認知症高齢者グループホーム等の火災対策の充実のための介護保険部 局 消防部局及び建築部局による情報共有 連携体制の構築に関するガイドラインに係る執務資料の送付 認知症高齢者グルー

認知症高齢者グループホーム等火災対策に係る主な論点

<4D F736F F D208EA98EE596688DD DD A8890AB89BB837D836A B2E646F63>

<4D F736F F D2082A982AA82DD8CA9967B C8B9E8FC A181408F5A91EE977089CE8DD08C7895F18AED82CC90DD927582C982E

第 6 火災予防上の自主点検消防用設備等及び建物等の自主点検は次のとおり実施する 1 建物等の自主点検は 別表 2に基づき ヶ月に回実施する 2 消防用設備等の自主点検は 別表 3に基づき ヶ月に回実施する 3 防火管理者は 自主点検の結果を 防火管理維持台帳 に保管する 4 不備 欠陥部分がある場

ごと又は施行規則第 1 3 条第 1 項第 2 号に規定する小規模特定用途複合防火対象物における特定の用途部分ごとに設置義務が生じるときも同様とする ( 報告及び公表の決定 ) 第 4 条査察員は 立入検査において 公表の対象となる違反を認めた場合は 立入検査結果通知書により署長に報告するものとする

番号 特定共同住宅等の種類と必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等 二方向避難型特定共同住宅等である (1) 初期拡大抑制性能 ( その 2) 図面番 ア地階を除く階数が 5 以下のもの 消火器具屋外消火栓設備動力消防ポンプ設備 又は住戸用及び共同住宅用非常警報設備 イ地階を除く階数

第 5-1 表 防火防災訓練実施状況 ( 対象別 防災館を除く )( 平成 28 年度中 ) 町会 自治会防災市民組織女性防火組織その他の団体合 計 防災訓練 実施件数 9,403 件 1,128 件 227 件 9,812 件 17,779 件 参加人員 612,576 人 31,761 人 4,

第 21 換気設備等製造所等の換気設備及び排出設備の基準については 次による 1 換気設備 (1) 換気設備は 室内の空気を有効に置換するとともに 室温を上昇させないためのものであり 下記のものがある ア自然換気設備 ( 給気口と排気口により構成されるもの ) イ強制換気設備 ( 給気口と回転式又は

リスク調査報告書(サンプル)

2 屋内消火栓設備

特定駐車場用泡消火設備

s kahou

消防計画

報設備 共同住宅用非常コンセント設備 特定小規模施設用自動火災報知設備 加圧防排煙設備及び複合型居住施設用自動火災報知設備第二講習の対象講習は 消防法施行規則 ( 昭和三十六年自治省令第六号 以下 規則 という ) 第三十一条の六第六項各号のいずれかに該当する者を対象とするものとする 第三講習科目及

( 例 ) 病床数が 60 の場合 職員の総数が5 人以上であり かつ 当該職員のうち宿直勤務者を除いた職員数が2 人以上である体制をいう イ規則第 5 条第 3 項第 1 号に規定する 職員の数 とは 一日の中で 最も職員が少ない時間帯に勤務している職員 ( 宿直勤務者を含む ) の総数を基準とす

Microsoft Word - 24yobou.doc

火対象物の公表の要否を決定するものとする ( 公表の予告 ) 第 5 条署長は 前条第 4 項の規定により公表が必要であると決定した場合は 公表予告書 ( 第 2 号様式 ) により関係者に対し公表の予告をするものとする 2 前項に規定する公表の予告は 査察規程第 20 条第 1 項に規定する立入検

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の同意の取扱い基準 平成 18 年 6 月 1 日東広島市建築審査会 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 43 条第 2 項第 2 号の規定により許可を行う場合, 次 に定める基準のいずれかに該当する建築物の敷地については, 建築審査会

1. 一般財団法人日本防火 危機管理促進協会の重点的取組 住宅防火対策推進協議会の事務局として 広く住警器の普及啓発等を実施 2. 平成 28 年度実施中事業 事業名平成 28 年度実施中事業 ( 実績を含む ) 住宅防火防災推進シンポジウムの開催 別添 1 住宅用防災機器等の展示会出展事業 別添

Microsoft Word _特定施設水道連結型スプリンクラー設備の配管における適切な施工について.docx

日影許可諮問(熊野小学校)

報告書_表紙.indd

建築基準法第43条第1項ただし書に係る一括同意基準

H30建築基準法改正(詳細版)

117_06-01

筒先進入技術等の伝承の一方策について

Transcription:

最近の火災事故への対応について < 糸魚川大規模火災 > 平成 29 年 6 月 23 日 総務省消防庁予防課予防係

糸魚川大規模火災に対する取組状況 火災概要 平成 28 年 12 月 22 日 10 時 20 分頃 新潟県糸魚川市 糸魚川駅北側に位置する木造建築物密集地域の飲食店より出火 出火原因 : 大型こんろの消し忘れ 焼損棟数 147 棟 焼損面積約 30,412m2 負傷者 17 人 ( うち消防団員 15 人 ) 強風により複数箇所に飛び火が発生するなど 広範囲に延焼拡大 最大風速 13.9m/s 風向: 南 (10:20 糸魚川市気象観測点 ) 最大瞬間風速 27.2m/s 風向: 南南東 (11:40 糸魚川市消防本部 ) 1 通知 新潟県糸魚川市大規模火災を踏まえた火災に対する警戒の強化について ( 平成 28 年 12 月 28 日付け消防消第 247 号 ) 火災に対する警戒の強化 消防法第 22 条に基づく火災に関する警報など 密集市街地の整備の促進等について ( 平成 29 年 1 月 7 日付け国土交通省都市局都市安全課長 住宅局市街地建築課長通知 ) 大規模な延焼火災が発生する危険性が高い市街地の確認 密集市街地総合防災事業等の活用など 2 平成 29 年春季全国火災予防運動実施要綱 5 重点目標の取組に当たって効果的と考えられる具体的な推進項目 (2) 乾燥時及び強風時の火災発生防止対策の推進ア延焼拡大危険性の高い地域を中心とした火災予防対策や警戒の徹底イ火災予防広報の実施ウたき火等を行う場合の消火準備及び監視の励行エ火気取扱いにおける注意の徹底オ工事等における火気管理の徹底 3 検討会 糸魚川市大規模火災を踏まえた今後の消防のあり方に関する検討会 総務大臣の指示により有識者による検討会を設置 糸魚川市大規模火災の消防活動等を検証した上で 今後取り組むべき火災予防 消防活動 消防体制等の充実強化のあり方について検討第 1 回 1 月 27 日 第 2 回 2 月 24 日 第 3 回 3 月 9 日 第 4 回 3 月 24 日 第 5 回 4 月 10 日 第 6 回 4 月 24 日 < 消防庁長官通知 > 糸魚川市大規模火災を踏まえた今後の消防のあり方に関する検討会の検討結果について ( 平成 29 年 5 月 19 日付け消防消第 117 号 ) < 早急に取り組むべき事項と今後通知等する事項に整理 > 2

糸魚川市大規模火災を踏まえた対応策 1. 総論 全国どこでも 木造の建築物が多い地域においては 強風下で 大規模な火災の可能性 2. 対応策 ( 糸魚川市消防本部提供 ) (1) 提言の概要 (2) 対応の方向性 危険性が高い地域の確認 指定及び火災防ぎょ計画の策定推進 大規模な火災につながる危険性が高い地域を確認 指定し 火災防ぎょ計画を策定することを推進必要なポンプ車の台数 使用する消防水利 車両の部署位置等を定め 計画に基づく訓練を実施 応援体制 管内の消防力を最大限出動させるのと同時に応援要請 代表消防本部等が応援要請を代行 隣接消防本部等が応援要請を待たずに出動 応援を行う際に管内の消防力が低下しないよう 予備車の活用や消防団によるバックアップ 地域を確認 指定するための手順 基準の堤示 ( 市街地火災延焼シミュレーションの活用等 ) (7 月まで ) 計画のひな形の提示 (7 月まで ) 研修会の実施 ( 今夏 ) 応援体制を見直すための方策の提示 ( 今夏まで ) ( 糸魚川市消防本部提供 ) (3) 目指すべき姿 可能な限り早く計画策定 協定締結を目指す 消防水利 確認 指定した地域における消防水利の確保のための計画の策定を推進 地元建設業協会等との間で給水活動等についての協定を締結 海 河川などの自然水利からの遠距離大量送水のためのスーパーポンパー を整備 整備状況 :21 本部 50 隊配置済送水能力 :1km 先に 3,000L/ 分以上 ( 通常のポンプ車は 200m 先に 1,500L/ 分 ) 消防水利の確保について財政支援策の活用 協定締結の先進事例の紹介 ( 今夏まで ) 必要な消防水利の確保を目指す 小規模飲食店への消火器設置の義務化 延べ面積 150m 2 未満の飲食店にも消火器の設置を義務付ける方向で検討 政令等の改正の検討 ( 今年度中 ) 初期消火対策の強化 連動型住宅用火災警報器 住宅用火災警報器を活用し 飲食店を含む隣接建物間で相互に火災警報を伝達する新たな方式の効果や課題を検証 H29 年度にモデル事業の実施による検証 ( 今年度中 ) 検証結果に基づき展開を検討 3

< 早急に取り組むべき事項 > 住宅における防火意識の啓発強化 1 件の出火が大規模な火災に繫がる危険性のある木造建築物が密集する地域等では 地域の具体的な危険性を周知して地域住民の理解を深めるとともに 重点的に住宅防火指導を行い 住宅における防火意識の啓発強化に努めることが重要 出火防止対策 防炎品の普及 住宅においては カーテン等の防炎物品のほか エプロン等の防炎製品の使用を推奨 安全装置付き暖房器具 調理器具の普及 給油自動消火装置等の付いた石油ストーブや調理油過熱防止装置等が付いた Si こんろの使用を促進 たばこ火災に係る注意喚起 住宅火災による死者数を発火源別に見たとき たばこ火災が最多 特に寝たばこに起因する火災で死者が多い 早期覚知対策 住宅用火災警報器の維持管理 住宅用火災警報器の設置 点検 交換を重点的に周知 連動型住宅用火災警報器の積極的な広報等 初期消火対策 初期消火訓練 まちぐるみで初期消火訓練を実施等 住宅用消火器 住宅用消火器を始めとした住宅用防災機器等の普及促進等 4

< 早急に取り組むべき事項 > 厨房設備の適切な使用 維持管理の徹底 火災予防条例によるこんろ ( 厨房設備 ) の主な規制 ( 位置 構造 管理の基準 ) 厨房設備は地震その他の衝撃により容易に転倒し 亀裂し又は破損しない構造とすること 厨房設備と可燃物との間には火災予防上安全な距離を確保すること ( 原則 上方 100cm 側方 前方 後方 15cm) 厨房設備の周囲は 常に整理及び清掃に努めるとともに 燃料その他の可燃物をみだりに放置しないこと 使用中監視人を置くこと ただし 異常燃焼を防止するために必要な措置を講じたときは この限りでない 排気ダクト及び天蓋 1 を設ける場合の構造基準 排気ダクト及び天蓋を設ける場合は不燃材料で造り可燃性の物品との間に 10cm 以上の距離を保つこと 排気ダクトを設ける場合は排気ダクトへの火炎伝送防止装置 ( 防火ダンパー 2 等 ) を設けること ( 注 ) 換気扇により直接屋外へ排気する場合又は 排気ダクトの長さ等より火災予防上支障がない と認められる場合を除く 不特定多数の者が出入りする地階又は高層建築物の同一厨房室内に設ける厨房設備の入力 3 の合計が 350Kw 以上の場合については 火炎伝送防止装置は 自動消火装置とすること 油を使う厨房設備に天蓋を設ける場合は グリスフィルター 4 を設けること ( 注 ) 換気扇により直接屋外へ排気する場合を除く 天蓋及び天蓋と接続する排気ダクト内の油脂等の清掃を行い 火災予防上支障のないよう維持管理すること 1 天蓋 ( レンジフード ) 高温気体及び火粉等の飛散を妨げるために厨房設備の上部に設けられる傘状のフード 2 防火ダンパー ( 火炎伝送防止装置の一種 ) 排気ダクト内の温度が上昇した場合に 当該ダクト内の延焼拡大を防ぐために自動的に閉鎖する弁 3 厨房設備の入力の例 ガステーブル : 32.6kw~165kw (3~8 個口 ) 卓上型ガス炊飯器 4.88kw~11kw ( 炊飯能力 1.4~10L) ゆで麺器 : 12.8kw~18.6kw ( テポ数 4~9) 餃子焼きグリラー 3.8kw~34.9kw( ガス接続口径 9.5φ ~25φ) 4 グリスフィルター ( グリス除去装置 ) 排気中に含まれる油脂を有効に除去するフィルター 天蓋 ( レンジフード ) グリスフィルター 5

糸魚川市大規模火災を踏まえた火災予防のあり方について ( 早期覚知対策 ) 〇各消防本部に対して木造建築物が密集する地域等大規模な火災につながる危険性が高い地域における警防体制の見直し 強化の検討を要請するとともに 併せて火災予防についても取組み強化を求めていくことが必要 〇大規模な火災につながる危険性が高い地域にあっても その危険性を必ずしも住民が理解していると言い難く 住民が火災時に具体的に何をすべきかを周知し 訓練等を行うことが重要 〇さらに 飲食店から出火した場合に地域ぐるみで早期に火災を覚知し迅速に初期消火を行うために 住宅用火災警報器を活用し 飲食店を含む隣接建物間で相互に火災警報を伝達する新たな方式の効果や課題について検証することが必要 住宅用火災警報器の特性 発展的活用 室内の居住者に対する火災報知に効果的 壁や扉に隔てられると警報音が聞き取りにくい 住宅用火災警報器を活用した隣接建物間の相互連携イメージ 建物内で警報 隣接建物で警報 隣接建物で警報 隣接建物 火災発生 飲食店 隣接建物 < 留意事項 > 参加者全員の同意を得ることが必要 電波の到達範囲に制約がある 誤報時等の対応を予め決めておくことが必要 6

糸魚川市大規模火災を踏まえた火災予防のあり方について ( 初期消火対策 ) 糸魚川市大規模火災の出火原因 糸魚川市大規模火災の出火原因は 大型こんろの消し忘れ <こんろ火災の特性 > 建物火災の出火原因 1) は こんろ たばこ 配線 電気機器の順に多い 延べ面積 150m2未満の建築物で発生したこんろ火災の約 8 割が飲食店で発生 こんろ火災には延焼拡大の危険性があり 消火器による初期消火が必要 こんろ火災は急激に延焼拡大する場合が多い ( たばこ 配線 電気機器による火災は 延焼拡大速度が緩慢であり 水による初期消火が可能 ) 飲食店におけるこんろ火災のうち 約 6 割がその場を離れている間に出火したもの 油火災に対しては水による初期消火は困難であり 消火器による初期消火が必要 こんろ火災の特性を踏まえた対応 事務所,31 作業所, 32 物販店, 35 その他の用途 こんろ火災の出火件数 577 件 延べ面積 150 m2未満の飲食店にも消火器の設置を義務付ける方向で検討 延べ面積 150 m2未満の建築物で発生したこんろ火災の火元建物用途別出火件数 ( 住宅除く )(H23-H27 年の合計 ) 飲食店, 435 (75%) 注 ) 複合用途など火元用途を特定できないものを除く 消防法施行令による飲食店への消火器の設置義務は 延べ面積 150 m2以上が対象 東京消防庁 政令指定都市の約 8 割 中核市の約 5 割は 各自治体の火災予防条例により 延べ面積 150 m2未満の飲食店にも消火器の設置を義務付けているが その他の自治体では指導に止まる 2) 1) 平成 27 年中の建物火災統計に基づく分析結果 ここでの建物火災は住宅火災を除き 出火原因は放火 放火の疑いを除く 2) 延べ面積 150 m2未満の飲食店の 4 割程度に消火器の設置が義務付けられているものと考えられる 7

最近の火災事故への対応について < 埼玉県三芳町倉庫火災 > 平成 29 年 6 月 23 日 総務省消防庁予防課設備係

1 発生日時等覚知時刻 : 平成 29 年 2 月 16 日 ( 木 ) 9 時 14 分鎮圧時刻 : 平成 29 年 2 月 22 日 ( 水 ) 9 時 30 分鎮火時刻 : 平成 29 年 2 月 28 日 ( 火 ) 17 時 00 分 埼玉県三芳町倉庫火災の概要 2 建物概要 住所 : 埼玉県三芳町大字上富 1163 用途 : 倉庫 ( 消防法施行令別表第一 (14) 項 ) 建築年月 : 平成 25 年 4 月 構造 / 階数 : 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造 ( 耐火建築物 )/3 階建て 延べ面積 : 71,891.59 m2 消防用設備等 : 消火器 屋内消火栓設備 スプリンクラー設備 (1 階の一部に自主設置 ) 屋外消火栓設備 自動火災報知設備 誘導灯 消防用水 3 火災の状況 焼損床面積 : 約 45,000 m2 ( 調査中 ) 人的被害 : 負傷者 2 名 ( 重症 1 名 軽症 1 名 ) 消防活動状況 ( 最大時 ): 消防車両 105 台入間東部地区消防組合消防本部 28 台 県内応援 ( さいたま市消防局等 15 消防本部 )53 台消防団 (4 市町 )24 台 出火原因等 : 調査中 ( 出火階 1 階 ) < 参考 > スプリンクラー設備は 非火災エリアのため作動せず 4 当面の対応類似の火災の発生を防止するため 消防本部に対し 大規模倉庫に対する立入検査の実施等による防火対策の徹底を図るよう 2 月 28 日に通知を発出 違反が認められる場合は 重点的に改善指導を図るとともに 重大な消防法令違反がある場合は 速やかに警告 命令等の厳格な措置を講ずること 防火区画を形成するための防火シャッター及び防火扉の閉鎖障害となる物件が置かれること等のないよう適切に管理すること 火災発生時の初動対応について 再徹底を図ること 特に 通報 初期消火 避難誘導のほか 当該防火対象物の構造その他消防活動上必要な情報の消防隊への提供について 消防計画に定める内容を確認するとともに 必要な体制構築を図ること など 5 今後の防火対策及び消防活動についての検討長期間にわたって大規模に延焼したことを踏まえ 消防庁と国土交通省が共同で有識者等からなる検討会を開催 (3 月 14 日に第 1 回 4 月 12 日に第 2 回 5 月 12 日に第 3 回 6 月 21 日に第 4 回 ) 平成 29 年 6 月中に報告書をとりまとめる予定 < 主な論点 > 倉庫の利用形態を踏まえて確実に初期火災の拡大防止を図るための方策 大規模倉庫火災において効率的な消火活動を実施するための方策等 9

被災建物の状況 21 階端材室内 2 3(2 階 ) 1 敷地配置図 1 階端材室から出火し 2 階に延焼した可能性が高いと考えられる 1 南西側外観 32 階建物内部 2 階 3 階の外壁に重機を用いて 赤枠の開口部を設けて放水 2 階及び 3 階は防火シャッターの未閉鎖や閉鎖障害があり ほぼすべてが焼損している 10

今回の火災を踏まえた課題と対策の方向性について 事業所における火災発生時の初動対応の実効性向上策のあり方について (5 月 12 日第 3 回検討会資料 ) ( 初期消火 ) 今回の火災では 屋外消火栓設備を使用した際 ポンプの起動操作が行われず 初期消火に十分な放水量が得られなかったと考えられる ( 推定 ) 大規模倉庫における初期火災の拡大防止のため 屋外消火栓設備や屋内消火栓設備を使用した消火訓練を定期的に実施 ( 火災の把握と 119 番通報 ) 今回の火災では 火災発生を現認した時点で 119 番通報が行われなかったと考えられる ( 推定 ) 大規模倉庫火災における消防機関の消防活動を早期に開始するため 火災の把握から 119 番通報まで一連の通報訓練を定期的に実施 ( 避難誘導 ) 今回の火災では 無線の活用や各階の避難誘導班の連携などにより 在館者 421 名全員が屋外に避難 今回の火災では逃げ遅れ者は無かったが 火災時に多数の従業員が迅速かつ的確な避難を行うため 実火災の具体的な状況を想定した避難訓練を定期的に実施 具体的な訓練の方法を示して 事業所における火災発生時の初動対応の実効性を高めることが必要 ( 関係団体から周知するとともに消防本部による指導を徹底 ) 11

閉鎖状態にあったもの 閉鎖状況に応じた分類 <2F の防火シャッター > 防火シャッターの閉鎖状況 (4 月 12 日第 2 回検討会資料 ) <3F の防火シャッター > 閉鎖障害があったもの 正面から < コンベヤによる閉鎖障害 > 横から < 物品による閉鎖障害 > 作動をしなかったもの <2F の防火シャッター > <3F の防火シャッター ( 作動せず崩落 )> < 閉鎖機構の損傷によるずれ落ち > 12

2 階の閉鎖状況 防火シャッターの閉鎖状況 (4 月 12 日第 2 回検討会資料 ) 2 階における防火シャッターの閉鎖状況は 火災後の現場調査において目視によって確認した内容に基づくと 以下のとおりとなる 第 1 系統 第 2 系統 竪穴 竪穴 不作動 には 火災によって閉鎖機構などが損傷した結果 部分的にシャッターがずれ落ちたものなどを含む エレベーターや階段などに設けられた常時閉鎖式の防火設備は記載していない 閉鎖コンベヤによる閉鎖障害物品等による閉鎖障害不作動 13

3 階の閉鎖状況 防火シャッターの閉鎖状況 (4 月 12 日第 2 回検討会資料 ) 3 階における防火シャッターの閉鎖状況は 火災後の現場調査において目視によって確認した内容に基づくと 以下のとおりとなる 第 1 系統 第 2 系統??? 竪穴? 竪穴 不作動 には 火災によって閉鎖機構などが損傷した結果 部分的にシャッターがずれ落ちたものなどを含む エレベーターや階段などに設けられた常時閉鎖式の防火設備は記載していない 閉鎖コンベヤによる閉鎖障害物品等による閉鎖障害不作動? 崩壊により不明 14

防火シャッターの不作動に関する論点 ( 課題 1 課題 2) 防火シャッターが閉鎖しなかった原因 ( 想定 ) 防火シャッターについて (4 月 12 日第 2 回検討会資料 ) 第 1 系統においては 伝送線の一部 ( 伝送線に接続するアナログ感知器を含む ) の回線がショート ( 短絡 ) し 結果として 系統全体の機能が喪失したと考えられる 第 2 系統においては シャッターを起動させる動力となる電流を送るための制御線の回線がショートした結果 点検時のショートによる受信機の損傷を防ぐために設けられた電流ヒューズが溶断し 結果として 制御線全体の機能が喪失したと考えられる 検討すべき対策の視点 例えば 以下の対策を講ずることについて その実現可能性も含めた検討が必要ではないか 1 感知器等の情報を伝送する配線のショートを防止するための措置を行うこと 2 回線がショートした場合に その影響を最小限に留めるよう 配慮した設計とすること 15

閉鎖障害の原因 ( 想定 ) 防火シャッターの閉鎖障害に関する論点 ( 課題 3 課題 4) 防火シャッターについて (4 月 12 日第 2 回検討会資料 ) コンベヤによる閉鎖障害の原因としては 以下のいずれかの事象が生じていたことにより 可動シュート などの可動部分が適切に作動しなかったことが原因と考えられる 回線や制御盤などが耐熱仕様ではなかったため 伝送線からの火災信号を適切に受信することができなかったこと 予備電源が備えられていなかったため 停電によって可動部分を作動させる動力が喪失していたこと 可動部分は 火災信号や電源が適切に確保されない場合 シャッターの降下を妨げる状態のままとなる設計であったこと その他の閉鎖障害の原因としては 倉庫内に保管されていた荷物その他の物品が 防火シャッターの降下位置に放置 存置されていたことが原因と考えられる 検討すべき対策の視点 例えば 以下の対策を講ずることについて その実現可能性も含めた検討が必要ではないか 1 火災による火熱を受けることを想定して 可動部分の作動に関わる部分について 火災信号や電源を適切に確保するための措置を行うこと 2 可動部分については 万が一 火災信号や電源の確保が適切に行われなかった場合を想定した設計とすること 3 倉庫内の物品については 防火シャッターの降下に支障を来すことがないよう 適切な管理を行うこと 16

検討すべき対策の視点について 消防活動をより効率的に実施するための方策について (5 月 12 日第 3 回検討会資料 ) 今回の火災では 2 階への消防隊の進入及び継続放水が困難であり 仮に多方面からの進入がより早期かつ継続的に行われていた場合 より効率的な消火活動が実施できた可能性 今回の火災では在館者が全員避難できたが 同様の火災が発生し逃げ遅れ者の救助が必要となった場合 仮に消防隊が多方面から進入できれば 迅速な救助活動が行える可能性 消防活動が困難となる大規模倉庫においては 2 階においても消防隊が屋外から 早期に屋内に進入し 継続的に活動するための開口部等の進入経路をあらかじめ 確保することについて検討が必要ではないか 17

( その他 ) 屋内進入が困難な火災区画への放水に関する課題 消防活動をより効率的に実施するための方策について (5 月 12 日第 3 回検討会資料 ) 次の要因等により 区画外火災期に発展した場合 消防隊が盛期火災に至った区画に屋内進入して 放水活動を行うことが困難になる可能性があるのではないか 収容可燃物量が多く 火災の延焼拡大が早いことに加え 燃焼物の深部まで冷却するためには大量の放水が必要になる 濃煙熱気が大量に発生することに伴い 視界が制限され 荷物やラック コンベヤが進入や放水の妨げとなり 消火活動の困難性が高い 消防隊の屋内進入が困難な火災区画に放水するためには 例えば 以下のような対策が考えられるか 屋外から直接放水することができるように 外周部に開口部を設置する 屋外から直接放水ができない建物中央部の区画等については 屋外に設置された送水口にホースを接続し 送水することにより当該区画内に放水できる設備 ( スプリンクラー設備等 ) を設置する 18

最近の火災事故への対応について < 北九州市共同住宅火災 > 平成 29 年 6 月 23 日 総務省消防庁予防課企画調整 制度 防災管理係

1 発生日時等発生時刻 : 平成 29 年 5 月 7 日 ( 日 ) ( 調査中 ) 覚知時刻 : 平成 29 年 5 月 7 日 ( 日 ) 23 時 20 分鎮圧時刻 : 平成 29 年 5 月 8 日 ( 月 ) 0 時 16 分鎮火時刻 : 平成 29 年 5 月 8 日 ( 火 ) 3 時 31 分 2 建物概要住所 : 福岡県北九州市小倉北区清水 2 丁目 3 番 23 号付近用途 : 共同住宅 ( 消防法施行令別表第一 (5) 項ロ ) 構造 階数 : 木造 2 階建て建築面積 :148 m2 ( 実測値 ) 延べ面積 :295 m2 ( 実測値 ) 消防用設備等 : 消火器 (3 本 調査中 ) このほか 住宅用火災警報器が 16 世帯中 16 世帯に設置 ( 聞き取りによる ) 北九州市共同住宅火災 3 火災の状況人的被害 : 死者 6 名 負傷者 5 名 ( 中等症 ) 建物被害 : 全焼 2 棟 部分焼 1 棟 ぼや 6 棟焼損床面積 405 m2出火原因等 : 調査中 写真 : 北九州市消防局提供 〇今回の火元建物については 防火対象物の使用開始届出等が無く 1 火災などの出動 2 管内の地理や消火栓の調査 3 近隣住民からの相談や情報提供を通じ 状況把握に努めていたが 当該建物の把握には至っていなかったもの 潜在的に火災危険性の高い建物については 立入検査等を通じて適切な指導等を行っていくことが重要であり 届出の怠り等により未把握となっている建物についても 積極的に情報収集することが重要 各消防本部においては 未把握建物の情報収集を再徹底するとともに 各種会議等の場において先進的な取組事例について情報共有を図るなどの取組を推進されたい 123 の方法のほか 立入検査標準マニュアル の中では 未把握となっている建物の情報を収集する方法として 4 消防団 自主防災組織及び婦人防火クラブ等からの地域情報の聴取 5 インターネット等を活用した事業所情報の検索 6 関係行政機関との情報共有などを示している 20