ナルラピド錠1mg・2mg・4mg

Similar documents
ナルサス錠2mg・6mg・12mg・24mg

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

オキシコドン徐放錠5mg・10mg・20mg・40mg「第一三共」

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

オキシコンチンTR錠

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E834E838D838A E3132>

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

この薬は? リン酸コデイン散 1%< ハチ > 患者向医薬品ガイド 2017 年 10 月作成 販売名 一般名 含有量 (1g 中 ) リン酸コデイン散 1%< ハチ > コデインリン酸塩水和物 Codeine Phosphate Hydrate 10mg 患者向医薬品ガイドについて 患者向医薬品ガ

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

オキシコンチン錠

(2) 健康成人の血漿中濃度 ( 反復経口投与 ) 9) 健康成人男子にスイニー 200mgを1 日 2 回 ( 朝夕食直前 ) 7 日間反復経口投与したとき 血漿中アナグリプチン濃度は投与 2 日目には定常状態に達した 投与 7 日目における C max 及びAUC 0-72hの累積係数はそれぞれ

<4D F736F F D B A814089FC92F982CC82A8926D82E782B95F E31328C8E5F5F E646F63>

5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

用法 用量 発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制 mg mg mg mg kg 30kg 40kg 20kg 30kg 10kg 20kg 5kg 10kg 1900mg mg mg mg

モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

スライド 1

注意欠陥 / 多動性障害治療剤 ( 選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤 ) アトモキセチン塩酸塩カプセル 22100AMX AMX AMX AMX

食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

Microsoft Word - 茬çfl�宛玺0618第1å‘·_æŠ¥èŒ¬é•£å®łã†¦é•ıç�¥ï¼‹ã…¡ã…‹ã…łã…«ã…�ㅳ;.doc

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

クラリチンドライシロップ 1% クラリチン錠 10mg クラリチンレディタブ錠 10mg 第 1 部申請書等行政情報及び添付文書に関する情報 (7) 同種同効品一覧 シェリング プラウ株式会社

2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

減量・コース投与期間短縮の基準

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

<4D F736F F D E31328C8E8D C834C FF95F8AB38ED28CFC88E396F B E646F6378>

この薬を使う前に 確認すべきことは? 〇意識がもうろうとしたり 睡眠中の異常行動 ( たとえば夢遊症状 : 眠っているときに突然起き上がり 目が覚めているかのように歩き回ったりするなど ) があらわれることがあります また 眠りに入るまでの あるいは途中で目が覚めた時の出来事を記憶していないことがあ

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

Microsoft Word - オーソ_201302_Final.docx

アブストラル舌下錠100µg・200µg・400µg

目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

2017 年 9 月 画像診断部 中央放射線科 造影剤投与マニュアル ver 2.0 本マニュアルは ESUR 造影剤ガイドライン version 9.0(ESUR: 欧州泌尿生殖器放射線学会 ) などを参照し 前マニュアルを改訂して作成した ( 前マニュアル作成 2014 年 3 月 今回の改訂

「ガスメット錠10mg・20mg」「ガスメットD錠10mg・20mg」使用上の注意改訂のお知らせ

患者向医薬品ガイド

日本内科学会雑誌第98巻第12号

ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

Untitled

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F A A E5F89968FF E372E646F63>

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd

改訂後 ( 下線 : 追加記載 ) 改訂前 ( 下線 : 削除 ) 使用上の注意 1) 腎障害のある患者 [ 高い血中濃度が持続するおそれがある ]( 用法 用量に関連する使用上の注意 の項参照 ) 2)~ 4) 現行のとおり テオフィリン リトナビル 中枢神経抑制剤アルコール ( 飲酒 ) ピルシ

患者向医薬品ガイド フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg 2016 年 5 月作成 この薬は? 販売名 フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg Fycompa Tablets 2mg Fycompa Tablets 4mg 一般名 ペランパネル水和物 Perampanel Hydrate

ハイゼントラ20%皮下注1g/5mL・2g/10mL・4g/20mL

この薬を使う前に 確認すべきことは? 〇この薬を飲むと 前兆のない突発的睡眠 ( 前兆もなく突然眠る ) や傾眠 ( 眠気でぼんやりする ) があらわれることがあり この薬を飲んで自動車を運転し 突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されています 突発的睡眠や傾眠などについて十分に理解できるま

相互作用DB

DRAFT#9 2011

医薬品の適正使用に欠かせない情報です

Epilepsy2015


第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

Microsoft Word - LIA RMP_概要ver2.docx

タペンタ錠25mg・50mg・100mg

Microsoft Word - 日薬連宛抗インフル薬通知(写).doc

untitled

修正済_プラバスタチンNa塩錠5mg, 10mg「タナベ」)

患者向医薬品ガイド

<4D F736F F D204D59538AB38ED28CFC82AF88E396F B DC58F492E646F63>

5 がん化学療法に附随する消化器症状への対応 下痢, 便秘および 重篤な消化管症状への対応 後藤歩, 小栗千里, 光永幸代, 市川靖史 小林規俊, 前田愼, 遠藤格

トラマール OD 錠 25mg 50mg 患者向医薬品ガイド 2018 年 9 月更新 この薬は? 販売名 一般名 含有量 (1 錠中 ) トラマール OD 錠 25mg Tramal OD Tablets 25mg 25mg トラマドール塩酸塩 Tramadol Hydrochloride トラマ

ゾルピデム酒石酸塩錠「AA」

患者向医薬品ガイド

患者向医薬品ガイド

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

ゾルピデム酒石酸塩OD錠5mg・10mg「EE」

スライド 1

患者向医薬品ガイド

この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり量を減らしたりすると病気が悪化することがあります 指示どおりに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? 〇この薬を飲むと 前兆のない突発的睡眠 ( 前兆もなく突然眠る ) や傾眠 ( 眠気でぼんやりする ) があらわれるこ

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

薬の使い方は? および この薬の使用中に気をつけなければならないことは? に書かれていることに特に注意してください 次の人は この薬を使用することはできません 過去にゾルピデム酒石酸塩錠 日医工 に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人 肝臓に重篤な障害のある人 重症筋無力症の人 急性狭隅角

<4D F736F F D F E AB38ED B >

反映改訂案_2018年11月更新_プラバスタチン錠「タナベ」)

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx

緒言

セキコデ配合シロップ

Microsoft Word - sa_niflec_ doc

Microsoft Word エリンダシン使注意.doc

まれに過度の血圧低下を起こし ショック症状や一過性の意識障害 脳梗塞があらわれることがあるので そのような場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと 3) 降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので 高所作業 自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること 3. 相互作用本剤は主

FileNewTemplate

患者向医薬品ガイド

デュロテップMTパッチ2.1mg・4.2mg・8.4mg・12.6mg・16.8mg

次の目的で処方されます ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法 この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加減したりすると病気が悪化することがあります 指示どおりに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? この薬を使用する前に ダニ抗原によるアレル

膿疱性乾癬の効能追加 ( 承認事項の 部変更承認 ) に伴う改訂 改訂内容 ( 該当部のみ抜粋 ) 警告 1.~3. 4. 関節リウマチ患者では, 本剤の治療を行う前に, 少なくとも 1 剤の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること. また, 本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使

から (3) までの具体的な予定については添付 2 の図のとおりですので申し添 えます

メマリー錠5・10・20mg/メマリーOD錠5・10・20mg

この薬は? 販売名 一般名 含有量 (1 錠中 ) ランドセン錠 0.5mg ランドセン錠 1mg ランドセン錠 2mg ランドセン細粒 0.1% ランドセン細粒 0.5% ランドセン錠 0.5mg Landsen Tablets 0.5mg ランドセン錠 1mg Landsen Tablets 1

Microsoft Word - MMD配合散IF201212改訂.doc

110607セチリジン5-1.indd

ベージニオ(アベマシクリブ)患者向医薬品ガイド

患者向医薬品ガイドについて 患者向医薬品ガイドは 患者の皆様や家族の方などに 医療用医薬品の正しい理解と 重大な副作用の早期発見などに役立てていただくために作成したものです したがって この医薬品を使用するときに特に知っていただきたいことを 医療関係者向けに作成されている添付文書を基に わかりやすく

Transcription:

* 2017 年 6 月改訂 ( 第 2 版 ) 2017 年 3 月作成 貯法室温保存使用期限包装に表示の使用期限内に使用すること 癌疼痛治療剤 03 日本標準商品分類番号 878119 錠 1mg 錠 2mg 錠 4mg 承認番号 22900AMX00519 22900AMX00520 22900AMX00521 * 薬価収載 2017 年 5 月 2017 年 5 月 2017 年 5 月 * 販売開始 2017 年 6 月 2017 年 6 月 2017 年 6 月 錠 注意 - 医師等の処方箋により使用すること 禁忌 ( 次の患者には投与しないこと ) 1. 重篤な呼吸抑制のある患者 [ 呼吸抑制を増強する ] 2. 気管支喘息発作中の患者 [ 気道分泌を妨げる ] 3. 慢性肺疾患に続発する心不全の患者 [ 呼吸抑制や循環不全を増強する ] 4. 痙攣状態 ( てんかん重積症 破傷風 ストリキニーネ中毒 ) にある患者 [ 脊髄の刺激効果があらわれる ] 5. 麻痺性イレウスの患者 [ 消化管運動を抑制する ] 6. 急性アルコール中毒の患者 [ 呼吸抑制を増強する ] 7. 本剤の成分及びアヘンアルカロイドに対し過敏症の患者 8. 出血性大腸炎の患者 [ 腸管出血性大腸菌 (O157 等 ) や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では 症状の悪化 治療期間の延長をきたすおそれがある ] 原則禁忌 ( 次の患者には投与しないことを原則とするが 特に必要とする場合には慎重に投与すること ) 細菌性下痢のある患者 [ 治療期間の延長をきたすおそれがある ] 組成 性状 1. 組成 1 錠中にそれぞれ次の成分を含有販売名有効成分添加物 錠 1mg 錠 2mg 錠 4mg 1.1mg ( ヒドロモルフォンとして 1 mg) 2.3mg ( ヒドロモルフォンとして 2 mg) 4.5mg ( ヒドロモルフォンとして 4 mg) D-マンニトール 結晶セルロース アルファー化デンプン 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 黄色三二酸化鉄 ステアリン酸マグネシウム D-マンニトール 結晶セルロース アルファー化デンプン 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 三二酸化鉄 ステアリン酸マグネシウム D-マンニトール 結晶セルロース アルファー化デンプン 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース ステアリン酸マグネシウム 2. 製剤の性状 販売名剤形色 錠 1mg うすい黄色 素錠ごくうすい 錠 2mg( 五角形 ) 赤色 錠 4mg 白色 ~ 帯黄白色 外形識別大きさ厚さ重さコード (mm) (mm)(mg) 6.0 約 3.2 約 80 7.1 約 4.2 約 160 9.0 約 5.3 約 320 効能 効果 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛 I 1 I 2 I 4 用法 用量 通常 成人にはヒドロモルフォンとして 1 日 4 ~24mgを 4 ~ 6 回に分割経口投与する なお 症状に応じて適宜増減する 用法 用量に関連する使用上の注意 1. 臨時追加投与として本剤を使用する場合疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突発性の疼痛が発現した場合は 直ちに本剤の臨時追加投与を行い鎮痛を図ること 本剤の 1 回量は定時投与中の経口製剤の 1 日用量の1/6~1/4を経口投与すること 2. 定時投与時 1 日用量を 4 分割して使用する場合には 6 時間ごとの定時に経口投与すること 1 日用量を 6 分割して使用する場合には 4 時間ごとの定時に経口投与すること この場合 深夜の睡眠を妨げないように就寝前の投与は 2 回分を合わせて投与することもできる (1) 初回投与オピオイド鎮痛剤による治療の有無を考慮して初回投与量を設定すること 1) オピオイド鎮痛剤を使用していない患者 1 回 1 mg 1 日 4 mgから開始し 鎮痛効果及び副作用の発現状況を観察しながら用量調節を行うこと 2) オピオイド鎮痛剤を使用している患者他のオピオイド鎮痛剤から本剤に変更する場合には 前治療薬の投与量等を考慮し 投与量を決めること 本剤の 1 日用量は ヒドロモルフォンとして モルヒネ経口剤 1 日用量の1/5 量を目安とすること 登録商標 -1-

3) フェンタニル貼付剤を使用している患者フェンタニル貼付剤から本剤へ変更する場合には フェンタニル貼付剤剥離後にフェンタニルの血中濃度が50% に減少するまで17 時間以上かかることから 剥離直後の本剤の使用は避け 本剤の使用を開始するまでに フェンタニルの血中濃度が適切な濃度に低下するまでの時間をあけるとともに 本剤の低用量から投与することを考慮すること (2) 増量本剤投与開始後は患者の状態を観察し 適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行うこと 4mgから 8mgへの増量 (1 日 4 回分割投与時 ) 又は 6 mgから12mgへの増量 ( 1 日 6 回分割投与時 ) の場合を除き 増量の目安は使用量の30~50% 増とする (3) 減量連用中における急激な減量は 退薬症候があらわれることがあるので行わないこと 副作用等により減量する場合は 患者の状態を観察しながら慎重に行うこと (4) 投与の中止本剤の投与を中止する場合には 退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること 使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) (1) 心機能障害あるいは低血圧のある患者 [ 循環不全を増強するおそれがある ] (2) 呼吸機能障害のある患者 [ 呼吸抑制を増強するおそれがある ] (3) 肝機能障害のある患者 [ 代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがあるため 低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら 慎重に投与すること ( 薬物動態 の項参照 ) なお 重度の肝機能障害のある患者への使用経験はない ] (4) 腎機能障害のある患者 [ 排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがあるため 低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら 慎重に投与すること ( 薬物動態 の項参照 ) ] (5) 脳に器質的障害のある患者 [ 呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある ] (6) ショック状態にある患者 [ 循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある ] (7) 代謝性アシドーシスのある患者 [ 呼吸抑制を起こすおそれがある ] (8) 甲状腺機能低下症 ( 粘液水腫等 ) の患者 [ 呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある ] (9) 副腎皮質機能低下症 ( アジソン病等 ) の患者 [ 呼吸抑制作用に対し 感受性が高くなっている ] (10) 薬物依存 アルコール依存又はその既往歴のある患者 [ 依存性を生じやすい ] (11) 高齢者 ( 高齢者への投与 の項参照) (12) 衰弱者 [ 呼吸抑制作用に対し 感受性が高くなっている ] (13) 前立腺肥大による排尿障害 尿道狭窄 尿路手術術後の患者 [ 排尿障害を増悪することがある ] (14) 器質的幽門狭窄又は最近消化管手術を行った患者 [ 消化管運動を抑制する ] (15) 痙攣の既往歴のある患者 [ 痙攣を誘発するおそれがある ] (16) 胆嚢障害 胆石症又は膵炎の患者 [ オッジ筋を収縮させ症状が増悪することがある ] (17) 重篤な炎症性腸疾患のある患者 [ 連用した場合 巨大結腸症を起こすおそれがある ] 2. 重要な基本的注意 (1) 連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 慎重に投与すること ( 副作用 の項参照) (2) 眠気 めまいが起こることがあるので 本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること (3) 本剤を投与する場合には 以下の対応を念頭におき 副作用に十分注意すること 1) 便秘に対する対策として緩下剤を併用 悪心 嘔吐に対する対策として制吐剤を併用する 2) 鎮痛効果が得られている患者で通常と異なる強い眠気がある場合には 過量投与の可能性があるので 本剤の減量を考慮する (4) 本剤を増量する場合には 副作用に十分注意すること (5) 本剤の医療目的外使用を防止するため 適切な処方を行い 保管に留意するとともに 患者等に対して適切な指導を行うこと ( 適用上の注意 の項参照) 3. 相互作用本剤は主にグルクロン酸抱合により代謝される ( 薬物動態 の項参照 ) 併用注意 ( 併用に注意すること ) 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子 中枢神経抑制剤 フェノチアジン誘導体 バルビツール酸誘導体等吸入麻酔剤 MAO 阻害剤三環系抗うつ剤 β 遮断剤アルコール クマリン系抗凝血剤ワルファリン 抗コリン作用を有する薬剤 呼吸抑制 低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある 麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある 相加的に中枢神経抑制作用が増強される 機序不明 相加的に抗コリン作用が増強される ブプレノルフィン 本剤の鎮痛作用をブプレノルフィン ペンタゾシン等減弱させることがペンタゾシン等はある また 退薬本剤の作用するμ 症候を起こすこと受容体の部分アゴがある ニストである 4. 副作用がん疼痛患者を対象とした国内臨床試験において 総症例 207 例中 103 例 (49.8%) に副作用 ( 臨床検査値異常を含む ) が認められた 主な副作用は 傾眠 38 例 (18.4%) 悪心 31 例 (15.0%) 便秘 30 例 (14.5%) 嘔吐 29 例 (14.0%) 等であった 承認時 (1) 重大な副作用 1) 依存性 ( ) 頻度不明注 ): 連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により あくび くしゃみ 流涙 発汗 悪心 嘔吐 下痢 腹痛 散瞳 頭痛 不眠 不安 譫妄 振戦 全身の筋肉 関節痛 呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 1 日用量を徐々に減量するなど 患者の状態を観察しながら行うこと 2) 呼吸抑制 ( ) 頻度不明注 ): 呼吸抑制があらわれることがあるので 息切れ 呼吸緩慢 不規則な呼吸 呼吸異常等があらわれた場合には 投与を中止するなど適切な処置を行うこと なお 本剤による呼吸抑制には 麻薬拮抗剤 ( ナロキソン レバロルファン等 ) が拮抗する 3) 意識障害 (0.5%): 昏睡 昏迷 錯乱 譫妄等の意識障害があらわれることがあるので このような場合には 減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと 4) イレウス ( 麻痺性イレウスを含む )(1.4%) 中毒性巨大結腸 ( ) 頻度不明注 ): イレウス ( 麻痺性イレウスを含む ) があらわれることがある また 炎症性腸疾患の患者に投与した場合 中毒性巨大結腸があらわれることがあるので これらの症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと -2-

(2) その他の副作用下記の副作用があらわれることがあるので 異常が認められた場合には 必要に応じ適切な処置を行うこと ) 5 % 以上 5 % 未満頻度不明注過敏症発疹精神神経系傾眠めまい 味覚異常呼吸器呼吸困難消化器悪心 嘔吐 食欲不振 便秘腹部不快感肝臓肝機能異常その他発熱 異常感倦怠感注 ) 海外において認められている副作用又はヒドロモルフォン徐放性製剤 ( ナルサス錠 ) において認められている副作用のため頻度不明 5. 高齢者への投与低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら 慎重に投与すること [ 一般に高齢者では生理機能が低下しており 特に呼吸抑制の感受性が高い ] 6. 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 (1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること [ マウス及びハムスターでは胎児奇形 ( 頭蓋奇形 軟部組織奇形 骨格変異 ) が ラットにおいて出生児の体重及び生存率の低下が報告されている ] (2) 分娩前に投与した場合 出産後新生児に退薬症候 ( 多動 神経過敏 不眠 振戦等 ) があらわれることがある (3) 分娩時の投与により 新生児に呼吸抑制があらわれることがある (4) 授乳中の婦人には 本剤投与中は授乳を避けさせること [ ヒト母乳中へ移行することが報告されている ] 7. 小児等への投与低出生体重児 新生児 乳児 幼児又は小児に対する安全性は確立していない ( 使用経験がない ) 8. 過量投与 (1) 徴候 症状 : 呼吸抑制 意識不明 痙攣 錯乱 血圧低下 重篤な脱力感 重篤なめまい 嗜眠 心拍数の減少 神経過敏 不安 縮瞳 重度の低酸素症による著明な散瞳 皮膚冷感等を起こすことがある (2) 処置 : 過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい 1) 投与を中止し 気道確保 補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う 2) 麻薬拮抗剤投与を行い 患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する なお 麻薬拮抗剤の作用持続時間はヒドロモルフォンのそれより短いので 患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する 3) 必要に応じて補液 昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う 9. 適用上の注意患者等に対する指導 (1) 本剤の投与にあたっては 具体的な服用方法 服用時の注意点 保管方法等を十分に説明し 本剤の目的以外への使用あるいは他人への譲渡をしないよう指導するとともに 本剤を子供の手の届かないところに保管するよう指導すること (2) PTP 包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること (PTPシートの誤飲により 硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し 更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている ) (3) 本剤が不要となった場合には 病院又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること 薬物動態 1. 血漿中濃度 (1) 単回投与日本人健康成人男性に本剤 1 mg 2 mg 及び 4 mgを空腹時に単回経口投与したときの 血漿中ヒドロモルフォン濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった 1) 単回経口投与時の血漿中ヒドロモルフォン濃度推移 薬物動態パラメータ ( 単回経口投与時 ) AUClast Cmax Tmax 投与量例数 t1/2 (ng hr/ml)(ng/ml) (hr) (hr) 1 mg 6 0.50 1.80±0.583 0.664±0.302 (0.25~1.00) 5.26±3.35 2 mg 6 0.76 4.05±0.949 0.980±0.352 (0.25~1.50) 9.24±5.88 4 mg 6 10.3±3.31 1.00 1.95±0.563 (0.50~1.02) 18.3±11.7 平均値 ± 標準偏差 (2) 反復投与日本人健康成人に 製剤 1.3mgを 6 時間間隔で 5 回反復投与したときの 血漿中ヒドロモルフォン濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった 5 回目投与後の血漿中ヒドロモルフォンのAUCは 初回投与後の約 2 倍であった また 5 回目投与後には定常状態に達していた 2) 反復経口投与時の血漿中ヒドロモルフォン濃度推移 薬物動態パラメータ (1.3mg 反復投与時の初回投与後 ) AUC0-6hr Cmax Tmax 例数 a) (ng hr/ml) (ng/ml) (hr) 1.48±0.470 0.849±0.432 1.00 6 (0.822~2.03)(0.239~1.40)(0.500~3.00) 平均値 ± 標準偏差 ( 最小値 ~ 最大値 ) 薬物動態パラメータ (1.3mg 反復投与時の 5 回目投与後 ) AUCtau Cmax,ss Tmax,ss 例数 a) t1/2,ss b) (ng hr/ml) (ng/ml) (hr) (hr) 2.90±1.12 1.52±0.937 0.650 13.3±3.37 5 (1.52~4.51)(0.571~3.07)(0.250~1.52)(9.04~16.4) 平均値 ± 標準偏差 ( 最小値 ~ 最大値 ) b) 例数は 4 例 (3) 食事の影響日本人健康成人男性 6 例に 本剤 2 mgを単回投与したとき 空腹時と比較して食後投与時でCmaxは1.3 倍 AUCinfは 1.3 倍に増大した 1) -3-

(4) バイオアベイラビリティ日本人健康成人 6 例に 製剤を空腹時単回経口投与したとき バイオアベイラビリティは24% であった 2) (5) 男女差健康成人男女各 18 例に 製剤 8 mg を空腹時単回経口投与したとき 血漿中ヒドロモルフォン濃度推移に差は認められなかった 3) ( 外国人データ ) (6) 高齢者健康高齢者 (65~74 歳 ) 及び健康非高齢者 (18~38 歳 ) 各 18 例に 製剤 4 mgを空腹時単回経口投与したとき 血漿中ヒドロモルフォン濃度推移に差は認められなかった 4) ( 外国人データ ) (7) 肝機能障害患者中等度肝機能障害患者 12 例に製剤 4 mgを単回経口投与したとき 肝機能正常者よりAUCが 4 倍高かった 5) ( 外国人データ ) なお 重度肝機能障害患者を対象とした試験は実施されていない (8) 腎機能障害患者製剤 4 mgを単回経口投与したとき 腎機能正常者よりも 中等度腎機能障害患者 ( クレアチニンクリアランス40~60mL/min) ではAUCが 2 倍 重度腎機能障害患者 ( クレアチニンクリアランス30mL/min 未満 ) では 4 倍高かった 6) ( 外国人データ ) 2. 分布 (1) 血漿蛋白結合率平衡透析法で測定したヒト血漿蛋白結合率は24~30% であった 7) (in vitro 試験データ ) (2) 母乳中への移行健康授乳婦 8 例に 製剤 2 mgを経鼻投与したとき ヒドロモルフォンの乳汁 / 血漿中のAUCの比は2.56であった 8) ( 外国人データ ) 3. 代謝ヒトにおけるヒドロモルフォンの主代謝経路は 3 位水酸基のグルクロン酸抱合によるヒドロモルフォン-3-グルクロニドへの代謝である 9) 4. 排泄日本人健康成人男性に本剤 1 mg 2 mg 4 mgを単回経口投与したとき 投与後 48 時間までの尿中に 投与量の約 3 % がヒドロモルフォンとして 投与量の約 30% がヒドロモルフォン-3-グルクロニドとして排泄された 1) 5. 薬物相互作用ヒドロモルフォン及びヒドロモルフォン-3-グルクロニドは CYP1A2 2A6 2B6 2C8 2C9 2C19 2D6 2E1 及び 3A4/5を阻害せず 10) CYP1A2 2B6 及び3A4を誘導しなかった 11) (in vitro 試験データ ) 臨 床 成 績 承認時の国内臨床試験での中等度から高度のがん疼痛に対する臨床 試験成績の概要を以下に示す 1. オピオイド鎮痛剤非使用患者での有効性 ( 二重盲検比較試験 ) 非オピオイド鎮痛剤では疼痛が改善しない オピオイド鎮痛剤 非使用のがん疼痛患者 172 例を対象に 本剤 1 mg 又は対照薬 オキシコドン塩酸塩散 2.5mgを 1 日 4 回にて投与開始し 適宜 増減しながら 5 日間投与した 主要評価項目の投与前後の視覚 的評価スケール (VAS) 値の変化量の最小二乗平均値の群間差は 3.4mmであり 95% 信頼区間の上限値の3.1mmが非劣性限 界値の10mmを下回ったことから 本剤のオキシコドン塩酸塩 に対する非劣性が検証された 12) ヒドロモルフォン群オキシコドン群 評価例数 88 84 投与前 VAS 値 (mm) a) 54.8±15.44 53.9±12.09 投与終了 / 中止時 VAS 値 (mm) a) 24.7±22.11 27.9±21.05 VAS 値変化量 (mm) a) 30.0±24.12 26.0±23.65 最小二乗平均値 (mm) b) 29.7 26.4 最小二乗平均値の差 (mm) [95% 信頼区間 ] b) 3.4[ 9.8~3.1] a) 平均値 ± 標準偏差 b) 投与前 VAS 値を共変量とした共分散分析 2. 前治療オピオイド鎮痛剤からの切り替え時の有効性経口モルヒネ製剤 (60 又は90mg/ 日 ) で治療中のがん疼痛患者 30 例を本剤に切り替え 最長 5 日間投与した際の有効率 は 90.0%(27/30 例 ) であった 13) 各種オピオイド鎮痛剤 ( モルヒネ経口剤 オキシコドン経口剤 フェンタニル貼付剤又はトラマドール経口剤 ) で治療中のがん疼痛患者 30 例を対象に 前治療のオピオイド鎮痛剤の 1 日用量に基づき本剤に変更し 適宜増減しながら最長 12 週間投与した 切り替え 1 週後及び終了 / 中止時の有効率 は 80.0%(24/30 例 ) 及び73.3%(22/30 例 ) であった 14) 評価時点の痛みの程度 (VAS) とその変化量に基づく改善度判定により 有効 と判定された症例の割合 3. 臨時追加投与時の有効性本剤の定時投与時に発現する一時的な疼痛の増強に対して 本剤 を臨時追加投与したところ 投与 60 分後の鎮痛効果の有効率は50.0%(20/40 件 ) であった 14) 患者自身による鎮痛評価 (0. 全くおさまっていない 1. 多少おさまった 2. 適度におさまった 3. かなりおさまった 4. 完全におさまった ) のうち 2 以上であった投与件数の割合 薬効薬理 1. 鎮痛作用ヒドロモルフォンはマウス及びラットにおいて 試験方法 (Hot plate 法及びTail flick 法は熱刺激 Writhing 法は化学刺激による方法 ) 投与経路( 経口 静脈内 皮下 ) に関わらず 鎮痛作用を示した 15) 動物種試験方法投与経路 ED50(mg/kg)[95% 信頼区間 ] マウス Hot plate 法 0.160[0.146~0.174] 皮下 Writhing 法 0.210[0.165~0.266] 経口 23.0[18.4~28.7] ラット Hot plate 法静脈内 0.170[0.149~0.193] 皮下 0.220[0.191~0.253] Tail flick 法皮下 0.220[0.166~0.290] 2. 作用機序ヒドロモルフォンはδ 及びκよりもμオピオイド受容体に対し高い親和性を示した 16) また ヒドロモルフォンはμオピオイド受容体に対してアゴニスト活性を示し 代謝物のヒドロモルフォン-3-グルクロニドの同活性はその約 1/2,280と低かった 17) 有効成分に関する理化学的知見 一般名 : (Hydromorphone Hydrochloride) 化学名 :(5R)-4,5-Epoxy-3-hydroxy-17-methylmorphinan-6- one monohydrochloride 分子式 :C17H19NO3 HCl 分子量 :321.80 構造式 : 性状 : 白色 ~ 微黄褐色の結晶又は結晶性の粉末である 水に溶けやすく ジメチルスルホキシドにやや溶けやすく エタノール (99.5) に極めて溶けにくい 分配係数 :0.67(1-オクタノールとpH9の緩衝液) 取扱い上の注意 錠 1 mg 錠 2 mgは それぞれ錠剤表面に使用色素による黄色 赤色の斑点がみられることがある 承認条件 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 包 装 錠 1 mg (PTP) 20 錠 100 錠 錠 2 mg (PTP) 20 錠 100 錠 錠 4 mg (PTP) 20 錠 100 錠 -4-

主要文献 1) Toyama K, et al.:j Clin Pharmacol. 2015;55(9): 975-984 2) 社内資料 : 健康成人を対象とした反復投与試験 3) Durnin C, et al.:proc West Pharmacol Soc. 2001;44: 77-78 4) Durnin C, et al.:proc West Pharmacol Soc. 2001;44: 79-80 5) Durnin C, et al.:proc West Pharmacol Soc. 2001;44: 83-84 6) Durnin C, et al.:proc West Pharmacol Soc. 2001;44: 81-82 7) 社内資料 : ヒト血漿を用いた蛋白結合率の検討 8) Edwards JE, et al.:pharmacotherapy 2003;23(2): 153-158 9) 社内資料 : ヒト血漿及び尿を用いた代謝物プロファイルの検討 10) 社内資料 : ヒト肝ミクロソームを用いたCYP450に対する阻害作用の検討 11) 社内資料 : ヒト肝細胞を用いたCYP450の発現及び酵素活性増加作用の検討 12) 社内資料 : がん疼痛を有する患者を対象とした第 Ⅲ 相比較試験 13) 社内資料 : がん疼痛を有する患者を対象とした効力比の検討試験 14) 社内資料 : がん疼痛を有する患者を対象とした長期投与試験 15) Knoll J, et al.:j Pharm Pharmacol. 1975;27(2):99-105 16) 社内資料 : ヒトオピオイド受容体に対する親和性 17) 社内資料 : ヒトオピオイド受容体に対するアゴニスト活性 文献請求先 製品情報お問い合わせ先 主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください 第一三共株式会社製品情報センター 103-8426 東京都中央区日本橋本町 3-5 - 1 TEL:0120-189-132 本剤は厚生労働省告示第 42 号 ( 平成 30 年 3 月 5 日付 ) に基づき 1 回 30 日分を限度として投薬する -5-