時間各時の目標学習活動第2. 研究テーマと授業デザインの基本的構想 石川先生は 自分の今までの実践に対する先のような思いから 主体性を持って歴史的な見方や考え方のできる生徒の育成 をテーマとし サブテーマを 生徒が興味を持つ授業デザインの模索 と設定して実践に入ることにされたのである そして 授業の

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中学校第 2 学年社会科学習指導案 日時 : 平成 29 年 月 日 ( ) 第 校時対象 : 第 2 学年 組 名学校 : 中学校授業者 : 1 単元名 欧米の進出と日本の開国 2 単元の目標 欧米諸国の近代化やアジア諸国への進出について関心をもち それらが日本に与えた影響や開国に至る過程について

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社会系(地理歴史)カリキュラム デザイン論発表

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第 2 学年 1 組 社会科学習指導案 平成 1 7 年 6 月 8 日 ( 水曜日 ) 第 5 時限 1 3 : 2 0 ~ 於 : 2 年 1 組教室 名南中学校森健二 1 単元近世から近代へ 2 単元について ( 1) 単元の意義 本単元 近世から近代へ で取り上げる江戸時代末期は, およそ

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第5学年社会科学習指導案『日本は世界のどこにある?』

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

年間授業計画09.xls

3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

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ICTを軸にした小中連携

第 1 学年国語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 1 年 2 組教室 学級 1 年 2 組 ( 男子 17 名女子 13 名計 30 名 ) 授業者佐々木朋子 1 単元名いにしえの心にふれる蓬莱の玉の枝 竹取物語 から 2 単元

①_学習指導案

4 単元構想図 ( 全 14 時間 ) 生徒の意識の流れ 表を使って解く 縦 (m) 0 8 横 (m) x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう1 ax = b (x + m) = nは平方根の考えで解くことができる x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう2 x +

年間授業画 地理 歴史 2 年必修世界史 A( 理系 ) 数 2 2 年 56 組 書 教材世界史 A( 実教出版 ) プロムナード世界史 ( 浜島書店 ) 1 近代ヨーロッパの成立以後の近現代史を全世界的観点から体系的に理解させる 今日的な諸課題の解決の一助として歴史的理解 意識を習得させる 2

5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

学習指導要領

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

徒の興味 関心を最大限に引き出し 課題の設定や課題の予想 追究 根拠となる資料を探す能力 歴史的因果関係をとらえる思考力を育成させたい 3 指導方針 通史と並行して中心課題の因果関係と個々の事象にある狭い範囲の因果関係とのかかわりを気付 けるようにしていきたい 個別学習や一斉学習など 学習形態を工夫

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============================== < 第 6 章 > 高校生 大学生 社会人の反応 ============================== 本調査研究では 高校生が社会に出ていく上での実効性のある資質 能力の重要性が感じられ また 調査問題そのものについての興味 関

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2017 年 9 月 8 日 このリリースは文部科学記者会でも発表しています 報道関係各位 株式会社イーオンイーオン 中学 高校の英語教師を対象とした 中高における英語教育実態調査 2017 を実施 英会話教室を運営する株式会社イーオン ( 本社 : 東京都新宿区 代表取締役 : 三宅義和 以下 イ

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

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( ) 単元計画 ( 全 6 時間 ) 段階 主な学習活動と内容 指導上の留意点 配時 私たちが食べているものは, どこからきて 既習を想起できるように, 農業や いるか考える 水産業の学習内容を掲示しておく 給食の献立から調べた食料自給率から, 給食の献立から調べた食料自給率本つ気づいたことや疑問

(2) 系統観 小学校社会科 ( 第 6 学年 ) 世界の中の日本の役割について, 我が国と経済や文化などでの面でつながりが深い国の人々の様子などを調査し, 外国の人々と共に生きていくためには異なる文化や習慣を理解し合うことが大切であることを考える 中学校社会科 ( 第 1 学年地理的分野 ) 世界

また 情報の作り手としての活動も学習に組み込まれている 放送局は情報の作り手として 考えたことや伝えたいことなどから話題を集め 収集した知識や情報を関連付け 目的や意図に応じて 事柄が明確に伝わるように話の構成を工夫している これは 学習指導要領に示されている 話すこと 聞くこと の話すこと内容と同

3 時限目日本にあるブラジル生まれの食べ物を知る 4 時限目なぜピラルクがへっているのかを考えて, 自分たちに何ができるのか考える 一部が隠れた写真を使い, 日本にあるブラジルのものを考える活動を行う 感想を交流する ピラルクがへっているのかを考えて, 自分たちに何ができるのか考える活動を行う 感想

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項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

Ⅲ アンケート結果に対する FD 委員会としての評価 <アンケート実施に関する評価 > 〇授業評価アンケートについては FD 作業部会委員及び教務課職員が連携 協力し 実施後できるだけ早く教員に還元することに努めている ただ 授業の終盤に実施している関係で 非常勤の教員でアンケート未実施のケースが若

内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

4 展開計画 ( 全 5 時間 ) 時テーマ ねらい活動 内容使用教材 1 タンザニアを知ろう! No.1 アフリカの途上国 タンザニア という国について知る 興味を持ち どんな文化なのかどんな生活をしているのかを自ら調べようとする タンザニアについての基本的な情報を聞く ワークシートパワーポイント

(3) 指導観公民的分野は地理的分野と歴史的分野の学びの積み重ねによるところが大きい 用語や概念も高度化し 生徒の感想にも 難しい と感じるものが多くなっている そこで その難しいと感じる公民の用語などは積極的に用語集を活用し 難しい言葉に対する抵抗感を少しでも和らげるよう授業でも活用している また

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平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

植物 Wanted ゲームを作ろう

た, 導入で扱うイメージキャラクターについて, デザインやネーミングの意図, 理由について疑問や関心を持つことにより, より北広島町に興味を持つことが可能となる その他, 調べる際に新聞記事を利用することにより, 記事をスクラップすることができる 記録性 に優れ, 疑問を解決するための手立て, 情報

Taro-4年 総合 指導案(最終)

(4) ものごとを最後までやりとげて, うれしかったことがありますか (5) 自分には, よいところがあると思いますか

福祉科の指導法 単位数履修方法配当年次 4 R 2 年以上 科目コード EC3704 担当教員佐藤暢芳 ( 上 ) 赤塚俊治 ( 下 ) 2017 年 11 月 20 日までに履修登録し,2019 年 3 月までに単位修得してください 2014 年度までの入学者が履修登録可能です 科目の内容 福祉科

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

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3 学校教育におけるJSLカリキュラム(中学校編)(国語科)4.指導案 6 報告文を書いて発表しよう

H30全国HP

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生徒用プリント ( 裏 ) 入力した内容はすべて記録されている!! 印 : 授業で学んだこと 管理者のパソコンには どのパソコンから いつ どのような書き込みがされたか記録されています 占いだけではなく メールや掲示板の内容も同じように記録されています もし 悪意のある管理者から個人情報が洩れたらど

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PowerPoint プレゼンテーション

「標準的な研修プログラム《

6 年度春学期授業アンケート結果集計 講義科目 ( 科目別 ) アンケート回答数. 担当教員名 ラサモエラ, ボリアナ 履修者数 6. 授業科目 フランス語 CⅢ 7 3. 教室番号 577 あまりそう思わない 点 そう思わない 点 回答率 43.8% 4. 曜日 / 時限 曜日 / 時限 欠損値

6. 講習会の内容 講師について 6 段階評価の平均値を図 2 に示す 講習の開講時間帯は適切ですか 議事録の書き方がわかりましたか 言葉や文章の役割と重要性がわかりましたか 講習時間は適当ですか 配布資料の内容はわかりましたか プロジェクト活動に活用できる内容ですか 図

5. 単元指導目標単元の目標 ( 子どもに事前に知らせる ) 小数 整数の意味を考えよう 小数 整数の計算の仕方を見つけ 計算できるようになろう 子どもに事前に知らせる どうまとめるのか 何を ( どこを ) どうするのか ( 作業 教える 考えさせる ) 何についてまとめるのか 1. 小数 整数の

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

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中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

平成 26 年度生徒アンケート 浦和北高校へ入学してよかったと感じている 1: 当てはまる 2: だいたい当てはまる 3: あまり当てはまらない 4: 当てはまらない 5: 分からない 私の進路や興味に応じた科目を選択でき

56 語学教育研究所紀要 Vol.10 上記項目を前年度と比較すると, 数値はほとんど変わらない データの分析及び考察は別稿にゆずることにし, ここでは前年度と大きく異なる点は自由記載が多くなったことであることを指摘したい 回収回答者の半数近くが自由記載に積極的だった 昨年度は教師に対する感謝の言葉

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調査結果からみえてきたこと 大学教育改革の渦中にあった 8 年間の学生の意識や学びの変化をまとめると 以下 3 点です (1) アクティブ ラーニング形式の授業が増え 自己主張できる学生が増加 大学の授業で際立って増加しているのが アクティブ ラーニングの機会です 特にこの 4 年間で ディスカッシ

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基礎を育てることを主なねらいとしている 現在 地方自治体を取り巻く状況は 少子高齢化 情報化 グローバル化 経済の変動などによ り急速に変化している また 地方分権を推進する法律がつくられ 各地方自治体は 財政の健全 化や組織の改編 市町村合併等の新しい枠組みづくりに取り組んでいる さらに 子育て支

前に準備しておく ただし 膨大な資料をすべて読み解くことは不可能なため あらかじめ指導者側 ( 社会科担当 司書教諭 学校司書 ) で各学習課題に応じた複数の資料を選んでおく 資料を分析 選択する段階においては 学習課題をもっとも適切に解決できるもの また 事後の発表会を踏まえ もっとも効果的に相手

解答類型

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

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活動の流れ 1 4 人のグループに分かれ テーマを決める 校内の施設紹介 学校行事 クラブ活動 時間割など 2 各グループで実施計画を立てる 3 動画を撮影する 4 写真を使って動画を作成する 動画の長さは 1 人 2~3 分とし 全員が発表できるように 分担 を決める 5 必要な語いや表現を調べる

第 2 問問題のねらい青年期と自己の形成の課題について, アイデンティティや防衛機制に関する概念や理論等を活用して, 進路決定や日常生活の葛藤について考察する力を問うとともに, 日本及び世界の宗教や文化をとらえる上で大切な知識や考え方についての理解を問う ( 夏休みの課題として複数のテーマについて調

3 限目テーマ : あなたならどうする? ねらい : 飛行機やホテルでの基本的注意事項確認 4 限目テーマ : クイズ あなたならどっち? ねらい : 旅行中の様々な場面での適切な対応を考える 5 限目テーマ : マレーシアの文化と宗教ねらい : マレーシアの文化や宗教について学ぶ (1) グループ

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アンケート集計結果 各表における割合については 全て小数点以下第 2 位を四捨五入し整理しており 各表における割合の和と合計欄の数値が異なる場合あり 参加者数 アンケート入力数 回収率 100.0% 81 名 81 枚 [1] 本日の講習会のことを最初になにで知りましたか? 伊藤ゼミ以外 ) 放送

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(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

西ブロック学校関係者評価委員会 Ⅰ 活動の記録 1 6 月 17 日 ( 火 ) 第 1 回学校関係者評価委員会 15:30~ 栗沢中学校 2 7 月 16 日 ( 水 ) 学校視察 上幌向中学校 授業参観日 非行防止教室 3 9 月 5 日 ( 金 ) 学校視察 豊中学校 学校祭 1 日目 4 9


てない子へ配慮して学習を進めていきたい 資料の読み取り場面では 絵や写真などの資料を見つけることから始めて 文章資料の読み取りや複数の資料を関連付けて多面的に読みとることも目指したいと思う 本単元では まず資料を複数提示し その違いを比較検討させるなかで読み取りを深めたい また 読み取る視点を児童に

2

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6. 単元の展開 ( 全 6 間 ) 学習活動 単元の見通しを持つ 2. 学習計画を立てる 3. 本文を読み, 感想を書く 内容に関する感想 書き方に関する感想 4. 感想や疑問を交流する 指導上のポイント ( ) 学習活動に即した評価規準 ( 関 読 言 ) 既習事項を振り返らせ,

超域研究グループワーク資料 月 4 日のグループワーク 各グループに分かれて, 以下のことをしてもらいます 1. 役割を決める ( 進行係 記録係 発表係 ) 2. グループワークのテーマを決める ( 参考 : 超域研究テーマ一覧 ) 3. 宿題, 課題 1(10/18 までに, グルー

Transcription:

感想 考 1.SI 君の感想と授業者の願い 名古屋石田学園法人本部顧問星城大学学長補佐深谷孟延 色々な意見を聞けてよかったです 1 つの事柄にここまで深く考えることはあまりないのでよかったと思います ただ事件の名前を覚えるだけでなく色々な面から物事を見れてよかったです ( 平成 24 年 6 月 11 日記述 ) SI 君が 上記のような感想を書くことになった理由を 石川先生の研究計画書に見てみたいと思う 石川先生は 平成 24 年 5 月 15 日 次のような文章を書いている 日本史 A は地理歴史科に属する標準単位数 2 単位の科目である 特に江戸時代以降 明治 大正 昭和を学習し 近代社会が成立し発展する過程に重点を置いて考察し 世界の中の日本という視野に立って理解させることをねらいとしている これまでの授業では とにかく必要な事項を覚えさせることを中心にしてきた 生徒にある事項に なぜ という部分を考えさせる作業をあまりさせてこなかった しかしながら 学習課題に対して なぜ という疑問を持ち それを追究していく事こそが生徒の歴史的な見方や考え方を身に付けさせる原動力となるのではないか 現在から考えておかしい 不思議に思うことで 生徒が興味を持つ疑問の学習課題を なぜ とするが ただ単にある事件が発生しましたで終わらせるのではなく それが なぜ 起き 国際社会の中でどの様な意味を持ち 現代の日本社会とどのような関連性を持っているかを考察させたい 事件の当事者及び当時の国民一般の認識はどのようであったのか またそこに地理的要因はどの様に関わってくるのかなどを総合的 多面的に追究し表現する主体性を育成する事が 歴史的な見方や考え方を身に付けさせるために必要である 従って極力 なぜ という部分にこだわって授業をすすめていきたい 87

時間各時の目標学習活動第2. 研究テーマと授業デザインの基本的構想 石川先生は 自分の今までの実践に対する先のような思いから 主体性を持って歴史的な見方や考え方のできる生徒の育成 をテーマとし サブテーマを 生徒が興味を持つ授業デザインの模索 と設定して実践に入ることにされたのである そして 授業の基本構想を下記の 5 つのプロセスでもってデザインされることになった (1) 生徒が興味を持つ学習内容から なぜ という疑問の学習課題を生徒の立場に立ちながら教師が想定する (2) 学習課題を追究する (3) グループでの話し合いをもとに学習課題に対して自分自身の意見をまとめる (4) グループでの話し合いをもとにクラス全体での話し合いを行う (5) 主体的に考えをまとめる 3. 単元 開国と維新 の目標と学習計画 (4 時間完了 ) 単元目標 1 日米和親条約 日米修好通商条約の内容に注目し 領事裁判権の承認や関税自主権の放棄など日本側にとって不平等な条約であったことを理解させる 2 欧米列強によるアジア進出の状況を把握するとともに それによって 日本の対外政策が 鎖国 から 開国 へと変化していったことを理解させる 3 開国が日本にどのような影響を与えたか考察させる 学習計画 1 時第2 時ノルマントン号事件の判決が無罪になった理由を考える ( 不平等条約の背景をさぐる ) ノルマントン号事件の無罪判決の根本的理由を探る スライドを見る 判決を考える グループの意見をまとめる 無罪判決の理由を発表する 日米和親条約 日米修好通商条約を読む 2 つの条約とノルマントン号事件の関連を考える 2 つの条約に含まれている不平等の内容を理解する 88

3 不平等条約を結んだ国外事情について なぜアメリカは日本に条約締結を求めたか考える 日米和親条約締結に至る過程を理解する 日米修好通商条約締結に至る過程を理解する 第4 不平等条約を結んだ国内事情について なぜ日本は不平等条約を結んだのか考える 当時の幕府の状態を理解する 時こうして 平成 24 年 5 月 31 日から 6 月 11 日にかけて実践され 4 時間目の終末時に書かせた のが冒頭の SI 君の感想 である 4.6 月授業実践に対する生徒の受けとめ方 SI 君以外に幾人かの感想をひろってみるとともに 全員の授業実践に対する受けとめ方をまとめ てみると次のようであった SH さん ノルマントン号事件 不平等条約などを改めて学習し 皆の意見も聞けて 前よ り理解できてよかった NB 君つのプロセス は 生徒達に概ね好評であり生徒達の期待する 授第 戦争と政策についてよく理解出来たんじゃないかと思います 1 人 1 人が考えて意見を話し合う場が増えたのでちょっと大変でした また話し合うことで新たな疑問が生まれ とても興味を持てる授業でした TD 君 見なれない先生方やその他の人がみえたり ( 授業を ) ビデオカメラに納めらたりと 緊張しっぱなしでしたが 自分なりに授業に入り込めたし 集中もできたので 今回の 4 時間にわたる授業はとても良いものになりました YY 君 グループで話し合って発表したりする授業はあまりなかったので楽しかった 5 名の感想から 概ねどのような授業実践であったか十分想像できる SI 君の ただ事件の名前 を覚えるだけだなく SH さんの 皆の意見も聞けて とか NB 君の 話し合うことで TD 君 の 自分なりに授業に入り込めた や YY 君の 楽しかった に至る生徒の感想から考えると 石 89

業 であったのではなかろうか 石川先生が 生徒全員の感想を集計すると下記のようになった 楽しかった よかったと書いた生徒 28 人緊張した 疲れたと書いた生徒 6 人 5. 11 月実践 日清戦争 の指導案 ( 一部 ) 石川先生は 平成 24 年 10 月 29 日から 4 時間下記のような実践をされた (1) 単元名 近代国家の形成と発展 小単元名 清国との戦い (2) 小単元目標 1なぜ日本は日清戦争に向かって行ったのか その結果はどうなったのか考察する 2 日本は戦争の一方の当事者であるが それ以外で多くの国が関連していた事を把握する 3 東アジアにおける列強の帝国主義の動きに日本も組み入れられていく事を理解する (3) 第 4 時指導案 ( 平成 24 年 11 月 12 日実施 ) 本時の目標 なぜ各国 ( 列強 ) は清国に進出しようとしたのか 段階 課題教師の活動 ( 略 ) なぜ列強は競って鉄道の建設を企てたのか? 前時配布した地図を拡大し準備しておき張り出す 史料を基に各国の鉄道の範囲を地図に書き込む 各自で考えた所を出し合い班で話し合う 時間 ( 分 ) 20 28 生徒の活動 ( 指導上の留意事項 ) 予想される意見 大量の人や物を運ぶため 多くの人を集めることによって自分達の勢力範囲を他国の侵略からまもる 予想される意見 鉄道を建設する権利とともに鉱山採掘権を手に入れているので鉱山を採掘し それを運ぶため ロシアは自国の農産物等を運んできて港から船で各国に輸出しようとした 90

追究まとめ話し合いの結果を班毎に発表させる質問 ( 生徒もしくは教員 ) 生徒の 鉱産資源が必要 に対し それは何の為か? 生徒の 大量の物資 に対し 具体的にはなにか? 本国で工業製品を作るため 生徒の 大量の物資 に対し 何のために本国へ資源を送り本国から工業製品を運んでくるのか? 40 日清戦争を通して学習したことや感想をプリントに書く 50 発表の後に質問を実施するが発表者以外の班員に答えさせる予想される意見 本国へ運ぶ資源と本国で作られた製品 本国で大量生産を行い製品を清国で売ることで利益を得る 租借地で安い労働力を使い製品を作る各自でまとめたものをプリントに記入する 6. 再び SI 君達の感想から思う 先に示した 5 名の生徒は 4 時間目の終末時に 日清戦争を通して学習したこと 感想 で次のように書いた SI 君 SH さん NB 君 TD 君 中学校では 清 日本 ロシアとの 3 つの国の関係しか学べなかったが 高校では イギリス フランス ドイツとの関係も学べてよかったです さらに今後 この 6 ヶ国との関係がどうなっていくのかを調べてみたいと思った 鉄道を作った理由をもっと深く調べてみたい どの国も朝鮮がほしかった 日清戦争は 日本と清国だけでなく 色々な国がちょっとずつ関わっていた どの国も必死に自国のことだけを考えていた 朝鮮をどこも欲しかった これらを通して 日清戦争についてよく理解できたと思います 日清 という名前を見ると 日本と中国だけの話し合いに思えるが 実は 多くが関与していた 91

YY 君 日本と中国は 昔はどのような関係だったのかがよくわかった 中国だけじゃなく 他の国の情報などもわかり とても楽しかった SI 君は 日清戦争後の 6 ヶ国の動向に目を向けており SH さんは日清戦争が清国との関係のみならず色々な国とかかわっていることを理解し NB 君は当時の列強といわれる国々が自国のことを必死に考えていたことにふれている また TD 君は暗に表面上の言葉を覚えるだけでは歴史を学ぶことでないことを知ったようであり YY 君は当時の国際関係を学ぶことから楽しい学習であったことがうかがえる 11 月実践においても 5 名生徒の感想は好意的である 6 月実践の感想と比較すると 6 月は学習方法の新鮮さが多かったが 11 月では学習内容にふれる生徒が多くなってきていることがわかる しかし 願わくば もう少し学習内容に具体的にふれた記述がほしいと思う そのためには 自分の考えを書くことの重要性や必要性を日頃から生徒に指導しておくことが求められるであろう 生徒達の感想から考えるに 石川先生がテーマとした 主体性を持って歴史的な見方や考え方のできる生徒の育成 についての結論は明確に出せないが サブテーマの 生徒が興味を持つ授業デザインの模索 には多少なりとも迫れたのではないかと思う 教師は教材内容を少しでもわかりやすく説明したり解説することに心をくだこうとする そのために 生徒達が調べたりグループで話し合ったりする授業では 教材内容が明確に理解されないのではないかという不安におそわれることになる 授業を教える人と教えられる人という関係でとらえる限り 一斉講義式授業からなかなか脱却できないことになると思う そこで石川先生は 生徒が自らいかに理解 認識して行くかを大切にされようとした すなわち 覚える歴史学習から考える歴史学習に転換し 生徒の主体性を大切にしたいと心がけられたのである 石川先生の なぜ を柱にした歴史学習のあり方は 今後研究が進むであろう 92