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別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

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70 例程度 デング熱は最近増加傾向ではあるものの 例程度で推移しています それでは実際に日本人渡航者が帰国後に診断される疾患はどのようなものが多いのでしょうか 私がこれまでに報告したデータによれば日本人渡航者 345 名のうち頻度が高かった疾患は感染性腸炎を中心とした消化器疾患が

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審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

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目 次 1. はじめに 1 2. 組成および性状 2 3. 効能 効果 2 4. 特徴 2 5. 使用方法 2 6. 即時効果 持続効果および累積効果 3 7. 抗菌スペクトル 5 サラヤ株式会社スクラビイン S4% 液製品情報 2/ PDF

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37 ペニシリン耐性肺炎球菌感染症 (1) 定義ペニシリン G に対して耐性を示す肺炎球菌による感染症である (2) 臨床的特徴小児及び成人の化膿性髄膜炎や中耳炎で検出されるが その他 副鼻腔炎 心内膜炎 心嚢炎 腹膜炎 関節炎 まれには尿路生殖器感染から菌血症を引き起こすこともある 指定届出機関の管理者は 当該指定届出機関の医師が (2) の臨床的特徴を有する者を診察した結果 症状や所見からペニシリン耐性肺炎球菌感染症が疑われ かつ (4) の表の左欄に掲げる検査方法により ペニシリン耐性肺炎球菌感染症患者と診断した場合には 法第 14 条第 2 項の規定による届出を月単位で 翌月の初日に届け出なければならない この場合において 検査材料は 同欄に掲げる検査方法の区分ごとに それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること イ感染症死亡者の死体指定届出機関の管理者は 当該指定届出機関の医師が (2) の臨床的特徴を有する死体を検案した結果 症状や所見から ペニシリン耐性肺炎球菌感染症が疑われ かつ (4) の表の左欄に掲げる検査方法により ペニシリン耐性肺炎球菌感染症により死亡したと判断した場合には 法第 14 条第 2 項の規定による届出を月単位で 翌月の初日に届け出なければならない この場合において 検査材料は 同欄に掲げる検査方法の区分ごとに それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること (4) 届出のために必要な検査所見 検査方法 分離 同定による肺炎球菌の検出 かつペニシリンの MIC 値が 0. 125μg/ml 以上又は オキサシリンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が 19 mm以下 分離 同定による肺炎球菌の検出 かつペニシリンの MIC 値が 0. 125μg/ml 以上又は オキサシリンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が 19 mm以下 かつ分離菌が感染症の起因菌と判定された場合 検査材料 血液 腹水 胸水 髄液 その他の通常無菌的であるべき検体 喀痰 膿 尿 その他の通常無菌的ではない検体

41 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (1) 定義メチシリンなどのペニシリン剤をはじめとして β- ラクタム剤 アミノ配糖体剤 マクロライド剤などの多くの薬剤に対し多剤耐性を示す黄色ブドウ球菌による感染症である (2) 臨床的特徴外科手術後の患者や免疫不全者 長期抗菌薬投与患者などに日和見感染し 腸炎 敗血症 肺炎などを来し 突然の高熱 血圧低下 腹部膨満 下痢 意識障害 白血球減少 血小板減少 腎機能障害 肝機能障害などの症状を示す 指定届出機関の管理者は 当該指定届出機関の医師が (2) の臨床的特徴を有する者を診察した結果 症状や所見からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症が疑われ かつ (4) の表の左欄に掲げる検査方法により メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症患者と診断した場合には 法第 14 条第 2 項の規定による届出を月単位で 翌月の初日に届け出なければならない この場合において 検査材料は 同欄に掲げる検査方法の区分ごとに それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること イ感染症死亡者の死体指定届出機関の管理者は 当該指定届出機関の医師が (2) の臨床的特徴を有する死体を検案した結果 症状や所見から メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症が疑われ かつ (4) の表の左欄に掲げる検査方法により メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症により死亡したと判断した場合には 法第 14 条第 2 項の規定による届出を月単位で 翌月の初日に届け出なければならない この場合において 検査材料は 同欄に掲げる検査方法の区分ごとに それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること (4) 届出のために必要な検査所見 検査方法 分離 同定による黄色ブドウ球菌の検出 かつオキサシリンの M IC 値が 4μg/ml 以上 又はオキサシリンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が 10 mm以下 分離 同定による黄色ブドウ球菌の検出 かつオキサシリンの M IC 値が 4μg/ml 以上 又はオキサシリンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が 10 mm以下 かつ分離菌が感染症の起因菌と判定された場合 検査材料 血液 腹水 胸水 髄液 その他の通常無菌的であるべき検体喀痰 膿 尿 その他の通常無菌的ではない検体

42 薬剤耐性アシネトバクター感染症 (1) 定義広域 β-ラクタム剤 アミノ配糖体 フルオロキノロンの3 系統の薬剤に対して耐性を示すアシネトバクター属菌による感染症である (2) 臨床的特徴感染防御機能の低下した患者や抗菌薬長期使用中の患者に日和見感染し 肺炎などの呼吸器感染症 尿路感染症 手術部位や外傷部位の感染症 カテーテル関連血流感染症 敗血症 髄膜炎 皮膚 粘膜面 軟部組織 眼などに多彩な感染症を起こす 指定届出機関の管理者は 当該指定届出機関の医師が (2) の臨床的特徴を有する者を診察した結果 症状や所見から薬剤耐性アシネトバクター感染症が疑われ かつ (4) の表の左欄に掲げる検査方法により 薬剤耐性アシネトバクター感染症患者と診断した場合には 法第 14 条第 2 項の規定による届出を月単位で 翌月の初日に届け出なければならない この場合において 検査材料は 同欄に掲げる検査方法の区分ごとに それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること イ感染症死亡者の死体指定届出機関の管理者は 当該指定届出機関の医師が (2) の臨床的特徴を有する死体を検案した結果 症状や所見から 薬剤耐性アシネトバクター感染症が疑われ かつ (4) の表の左欄に掲げる検査方法により 薬剤耐性アシネトバクター感染症により死亡したと判断した場合には 法第 14 条第 2 項の規定による届出を月単位で 翌月の初日に届け出なければならない この場合において 検査材料は 同欄に掲げる検査方法の区分ごとに それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること (4) 届出のために必要な検査所見検査方法検査材料 分離 同定によるアシネトバクター属菌の検出 かつ 以下の 3つの条件を全て満たした場合アイミペネムのMIC 値が16μg/ml 以上又は イミペネムの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が13mm以下イアミカシンのMIC 値が32μg/ml 以上又は アミカシンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が14mm以下ウシプロフロキサシンのMIC 値が4μg/ml 以上又は シプロフロキサシンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が15 mm以下分離 同定によるアシネトバクター属菌の検出 かつ以下の3 つの条件を全て満たし かつ分離菌が感染症の起因菌と判定された場合アイミペネムのMIC 値が16μg/ml 以上又は イミペネムの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が13mm以下イアミカシンのMIC 値が32μg/ml 以上又は アミカシンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が14mm以下ウシプロフロキサシンのMIC 値が4μg/ml 以上又は シプロフロキサシンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が15 mm以下 血液 腹水 胸水 髄液 その他の通常無菌的であるべき検体 喀痰 膿 尿 その他の通常無菌的ではない検体 ( ) イミペネム以外のカルバペネム系薬剤により検査を実施した場合は その検査により耐性の結果が得られた場合も判断基準のアを満たすものとする イミペネムによる検査と その他のカルバペネム系薬剤による検査を実施した場合には いずれかの薬剤の検査により耐性の結果が得られた場合も判断基準のアを満たすものとし その検査方法を届出のために必要な検査方法とする また シプロフロキサシン以外のフルオロキノロン系薬剤により検査を実施した場合は

その検査により耐性が得られた場合も判断基準のウを満たすものとする シプロフロキサシンによる検査と その他のフルオロキノロン系薬剤による試験を実施した場合には いずれかの薬剤の検査により耐性の結果が得られた場合も判断基準のウを満たすものとし その検査方法を届出のために必要な検査方法とする

43 薬剤耐性緑膿菌感染症 (1) 定義広域 β-ラクタム剤 アミノ配糖体 フルオロキノロンの 3 系統の薬剤に対して耐性を示す緑膿菌による感染症である (2) 臨床的特徴感染防御機能の低下した患者や抗菌薬長期使用中の患者に日和見感染し 敗血症や骨髄 気道 尿路 皮膚 軟部組織 耳 眼などに多彩な感染症を起こす 指定届出機関の管理者は 当該指定届出機関の医師が (2) の臨床的特徴を有する者を診察した結果 症状や所見から薬剤耐性緑膿菌感染症が疑われ かつ (4) の表の左欄に掲げる検査方法により 薬剤耐性緑膿菌感染症患者と診断した場合には 法第 14 条第 2 項の規定による届出を月単位で 翌月の初日に届け出なければならない この場合において 検査材料は 同欄に掲げる検査方法の区分ごとに それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること イ感染症死亡者の死体指定届出機関の管理者は 当該指定届出機関の医師が (2) の臨床的特徴を有する死体を検案した結果 症状や所見から 薬剤耐性緑膿菌感染症が疑われ かつ (4) の表の左欄に掲げる検査方法により 薬剤耐性緑膿菌感染症により死亡したと判断した場合には 法第 14 条第 2 項の規定による届出を月単位で 翌月の初日に届け出なければならない この場合において 検査材料は 同欄に掲げる検査方法の区分ごとに それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること (4) 届出のために必要な検査所見検査方法検査材料 分離 同定による緑膿菌の検出 かつ 以下の3つの条件を全て満たした場合アイミペネムのMIC 値が16μg/ml 以上又は イミペネムの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が13mm以下イアミカシンのMIC 値が32μg/ml 以上又は アミカシンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が14mm以下ウシプロフロキサシンのMIC 値が4μg/ml 以上又は シプロフロキサシンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が15mm以下分離 同定による緑膿菌の検出 かつ 以下の3つの条件を全て満たし かつ 分離菌が感染症の起因菌と判定された場合アイミペネムのMIC 値が16μg/ml 以上又は イミペネムの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が13mm以下イアミカシンのMIC 値が32μg/ml 以上又は アミカシンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が14mm以下ウシプロフロキサシンのMIC 値が4μg/ml 以上 又は シプロフロキサシンの感受性ディスク (KB) の阻止円の直径が15mm以下 血液 腹水 胸水 髄液 その他の通常無菌的であるべき検体 喀痰 膿 尿 その他の通常無菌的ではない検体 ( ) イミペネム以外のカルバペネム系薬剤により検査を実施した場合は その検査により耐性の結果が得られた場合も判断基準のアを満たすものとする イミペネムによる検査と その他のカルバペネム系薬剤による検査を実施した場合には いずれかの薬剤の検査により耐性の結果が得られた場合も判断基準のアを満たすものとし その検査方法を届出のために必要な検査方法とする また シプロフロキサシン以外のフルオロキノロン系薬剤により検査を実施した場合は その検査により耐性が得られた場合も判断基準のウを満たすものとする シプロフロキ

サシンによる検査と その他のフルオロキノロン系薬剤による試験を実施した場合には いずれかの薬剤の検査により耐性の結果が得られた場合も判断基準のウを満たすものとし その検査方法を届出のために必要な検査方法とする