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き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

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第 5 章 N

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土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

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例えば毎年 子供 2 人に対し110 万円づつ贈与し続けるのであれば 10 年間で2,200 万円の財産を無税で子供に移すことができます 贈与税の基礎控除額を上手く活用する方法だけでも 計画的に行うことがどれだけ大切なのかご理解いただけると思います とにかく財産を所有している人が高齢になればなるほど

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また 国外財産調書制度は 2013 年 12 月末の国外財産から調書の提出義務が始まりましたので 5,000 万円超の国外財産を保有の方はご留意ください これに関連して 国税庁より 2013 年 11 月 15 日に FAQ が発表されており FAQ は国税庁のホームページで閲覧等できます 資産税ニ

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<TAC> 税 18 この解答速報の著作権は TAC( 株 ) のものであり 無断転載 転用を禁じます 問 1(25 点 ) 1 人格のない社団等及び持分の定めのない法人に対する課税 ⑴ 人格のない社団等に対する課税 ( 法 661)3 人格のない社団等に対し財産の贈与又は遺贈があった場合においては その社団等を個人とみなして これに贈与税又は相続税を課する ⑵ 持分の定めのない法人に対する課税 ( 法 664)4 持分の定めのない法人に対し財産の贈与又は遺贈があった場合において その贈与又は遺贈によりその贈与又は遺贈をした者の親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められるときは その法人を個人とみなして これに贈与税又は相続税を課する ⑶ 法人税等相当額の控除 ( 法 665)3 ⑴の社団等又は⑵の法人に課される贈与税又は相続税の額については ⑴の社団等又は⑵の法人に課されるべき法人税等の額に相当する額を控除する ⑷ 住所の所在 ( 法 6634) ⑴から⑶の場合において 相続税又は贈与税の納税義務者の規定の適用については ⑴の社団等又は⑵の法人の住所は 主たる営業所又は事務所の所在地にあるものとみなす 2 特定一般社団法人等に対する課税 ⑴ 特定一般社団法人等に対する課税 ( 法 66の21)4 一般社団法人等の理事である者 ( その一般社団法人等の理事でなくなった日から5 年を経過していない者を含む ) が死亡した場合において その一般社団法人等が特定一般社団法人等に該当するときは その特定一般社団法人等はその死亡した者 ( 以下 被相続人 という ) の相続開始の時におけるその特定一般社団法人等の純資産額をその時におけるその特定一般社団法人等の同族理事の数に1を加えた数で除して計算した金額をその被相続人から遺贈により取得したものと その特定一般社団法人等は個人とそれぞれみなして その特定一般社団法人等に相続税を課する ⑵ 相続税額の計算 ( 法 66の235)3 1 ⑴の規定により特定一般社団法人等に相続税が課税される場合には その特定一般社団法人等の相続税の額については 持分の定めのない法人に対する課税の規定によりその特定一般社団法人等に課された贈与税及び相続税の税額を控除する 2 ⑴の規定の適用がある場合において 特定一般社団法人等が被相続人に係る相続の開始前 3 年以内にその被相続人から贈与により取得した財産の価額については 生前贈与加算の規定は 適用しない ⑶ 住所の判定 ( 法 66の24) ⑴の場合において 相続税の納税義務者の規定の適用については ⑴の特定一般社団法人等の住所は 主たる事務所の所在地にあるものとする 3 受益者等が存しない信託等の特例 ⑴ 効力発生時 ( 法 9の41)2 受益者等が存しない信託の効力が生ずる場合において その信託の受益者等となる者がその信託の委託者の親族であるときは その信託の効力が生ずる時において その信託の受託者は その委託者からその信託に関する権利を贈与 ( その委託者の死亡によりその信託の効力が生じた場合には 遺贈 ) により取得したものとみなす ⑵ 受益者等の存する信託について受益者等が不存在となった時 ( 法 9の42)2 受益者等の存する信託について その信託の受益者等が不存在となった場合において その受益者等の次に受益者等となる者がその信託の効力が生じた時の委託者又は当該次に受益者等となる者の前の受益者等の親族であるときは その受益者等が不存在となった時において その信託の受託者は 当該次に受益者等となる者の前の受益者等からその信託に関する権利を贈与 ( 当該次に受益者等となる者の前の受益者等の死亡により当該次に受益者等となる者の前の受益者等が存しないこととなった場合には 遺贈 ) により取得したものとみなす ⑶ 受託者が個人以外の場合 ( 法 9の43)2 ⑴ ⑵の規定の適用がある場合において 信託の受託者が個人以外であるときは その受託者を個人とみなして 贈与税又は相続税を課する - 2-141

037-6350-1158-18 <TAC> 無断複写 複製を禁じます ( 税 18) 相上 (8)C10-1 相続税法 上級 演習 8 テキスト 2 第 8 回 - 解答 - -50 点 - 第一問 問 1 持分の定めのない法人に対し財産の贈与又は遺贈があった場合において 税負担の不当減少を防 止するために設けられている相続税法の規定について説明しなさい (25 点 ) 1 持分の定めのない法人に対する課税 ( 法 664)7 持分の定めのない法人に対し財産の贈与又は遺贈があった場合において その贈与又は遺贈によりその贈与又は遺贈をした者の親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められるときは その法人を個人とみなして これに贈与税又は相続税を課する 2 贈与税額又は相続税額の計算 ⑴ 贈与税額の計算方法 ( 法 6614)3 1の場合においては 贈与により取得した財産について 贈与者の異なるごとに その贈与者の各一人のみから財産を取得したものとみなして算出した場合の贈与税額の合計額をもって1の法人の納付すべき贈与税額とする ⑵ 法人税等相当額の控除 ( 法 665)2 1の法人に課される贈与税又は相続税の額については 1の法人に課されるべき法人税等の額に相当する額を控除する 3 住所の判定 ( 法 6634)2 1 及び2の場合において 相続税又は贈与税の納税義務者の規定の適用については 1の法人の住所は 主たる営業所又は事務所の所在地にあるものとみなす 4 特別の法人から受ける利益に対する課税 ( 法 651)11 持分の定めのない法人で その施設の利用 余裕金の運用 解散した場合における財産の帰属等について設立者 社員 理事 監事もしくは評議員 その法人に対し贈与もしくは遺贈をした者又はこれらの者の親族その他これらの者と特別の関係がある者に対し特別の利益を与えるものに対して財産の贈与又は遺贈があった場合においては 持分の定めのない法人に対する課税の規定の適用がある場合を除くほか その財産の贈与又は遺贈があった時において その法人から特別の利益を受ける者が その財産の贈与又は遺贈により受ける利益の価額に相当する金額をその財産の贈与又は遺贈をした者から贈与又は遺贈により取得したものとみなす

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<TAC> 無断複写 複製を禁じます ( 税 18) 相上 (6) 9 P 市所在の宅地 500m2この宅地は路線価地域 ( 普通住宅地区 ) に所在し その地形等は次のとおりである なお この宅地は 配偶者乙の有する家屋の敷地の用に供されており 被相続人甲及び乙の別荘の敷地の用に供されていたものである また 甲と乙の間で地代及び家賃等の授受はなかった 路線価 500 千円 15m 25m 25m (2) 有価証券 1 Q 株式会社 ( 以下 Q 社 という ) の株式 6,000 株この株式の評価に必要な資料は 次のとおりである イ Q 社の資本金等の額は20,000,000 円 発行済株式総数は40,000 株 ( すべて普通株式であり 議決権は100 株につき1 個とする ) であり 決算日は年 1 回 (12 月 31 日 ) である ロ Q 社は肉製品製造業を営む会社で その株式は取引相場のない株式であり その評価上の区分は小会社である ハ株主の構成 ( 被相続人甲の株式を相続人等が取得する直前の状況である ) は 次のとおりであった なお 役員である者は 被相続人甲 配偶者乙及び知人 Fであった ( イ ) 被相続人甲及びその同族関係者被相続人甲 6,000 株配偶者乙 6,000 株子 B 6,000 株 ( ロ ) 甲の知人 F 及びその同族関係者知人 F 8,000 株 ( ハ ) 甲の知人 G 及びその同族関係者知人 G 8,000 株 ( ニ ) 甲の知人 H 及びその同族関係者知人 H 6,000 株

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<TAC> 無断複写 複製を禁じます ( 税 18) 相上 (2) 12m 8m 8m a 地 路線価 530 千円 b 地 路線価 525 千円 ロ G 市所在の家屋 200m2固定資産税評価額 10,000,000 円この家屋は イの ( イ ) 及び ( ロ ) の宅地の上に建てられているもので 被相続人甲が賃貸借契約により第三者に貸し付けていたものである なお 子 Aは 相続税の申告期限においてもこの家屋を賃貸借契約により第三者に貸し付けている 3 夫 A' の取得した財産 H 株式会社 ( 以下 H 社 という ) の株式 35,000 株この株式の評価に必要な資料は 次のとおりである イ H 社 ( 平成 5 年 1 月 1 日設立 ) の資本金等の額 ( 法人税法第 2 条第 16 号に規定する資金等の額をいう ) は25,000,000 円であり 発行済株式数は50,000 株である ( 議決権は100 株につき1 個である ) ロ H 社の事業年度は1 年で 決算期は8 月である ハ H 社は産業機械器具卸売業を営む会社で その株式は 取引相場のない株式 であり その評価上の区分は小会社である なお H 社は直前期以前の繰越欠損金はなく 比準要素の3 要素ともプラスであり 株式保有特定会社及び土地保有特定会社のいずれにも該当しない ニ相続開始の直前の株主の構成は 次のとおりである なお 夫 A は H 社の株式 35,000 株を相続税の申告期限まで所有しており 相続税の申告期限においてH 社の代表取締役社長となっている 株主の氏名保有株式数備考被相続人甲 35,000 株子 A 15,000 株 H 社の役員である 合計 50,000 株

<TAC> 無断複写 複製を禁じます ( 税 18) 相上 (2) ホ H 社株式の 1 株の評価額の計算の基礎となる類似業種比準価額は 730 円である ヘ被相続人甲に係る相続開始時における H 社の貸借対照表上の資産及び負債の額は次表 のとおりである 現金 資産の部 負債の部 科目金額科目金額 円 800,000 買掛金 円 12,000,000 預金 60,000,000 支払手形 1,800,000 受取手形 2,000,000 借入金 10,000,000 売掛金 16,200,000 貸倒引当金 200,000 建物 7,000,000 賞与引当金 700,000 その他の財産 11,500,000 その他の負債 900,000 合計 97,500,000 合計 25,600,000 ( 注 )1 預金 は定期預金であり 相続開始時における既経過利息の金額は 5,100 円 源泉徴収されるべき所得税の金額は 781 円である 2 受取手形 は 支払期限が相続開始時から 8 ヶ月後のもので 相続開始時 において金融機関で割引を行った場合は割引料として 56,000 円を支払わなれば ならない 3 売掛金 については 相続開始時において 1,000,000 円の回収不能額が見込 まれている 4 建物 は本社事務所であり その固定資産税評価額は 8,700,000 円である 5 相続開始日の属する事業年度に係る法人税等のうち その事業年度開始の日 から相続開始日までの期間に対応する金額で相続開始日において未払いの金額 は 4,700,000 円である 6 相続開始日以前に賦課期日のあった固定資産税の税額のうち 相続開始日に おいて未払いの金額は 300,600 円である 7 被相続人の死亡に伴い H 社の 役員退職手当金等支給規程 に基づいて配 偶者乙に対して退職手当金等を支給することが確定した なお この退職手当 金等については 後記 6 を参照すること ト評価差額に対する法人税等の額を求める際の率は 37% とする - A 1 -