山県市地域防災計画【 改訂版】

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( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

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2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

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白紙のページ

目 次 1. 想定する巨大地震 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果 津波断層モデルと津波高 浸水域等... 8 (1) 推計の考え方... 8 (2) 津波高等の推計結果 時間差を持って地震が

防災情報のページ

建築物等震災対策事業について

<GK クルマの保険 ( 車両保険 )> ( 自動車によるあて逃げに限ります ) お客さまのおクルマは 車両保険 に加入していますか? 自動車保険の車両保険では 一般車両 もしくは 10 補償限定 のいずれでも 台風や集中豪雨による洪水の事故が対象となります 地震 噴火またはこれらによる津波 によっ

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防災業務計画 株式会社ローソン

家族みんなの防災ハンドブック 保存版

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2011 年 12 月 15 日発行 東日本大震災リスク レポート ( 第 5 号 ) 次の大地震 大津波への対応 : 防災計画の見直しと企業に求められる対応 発行 : 三菱商事インシュアランス株式会社リスクコンサルティング室 はじめに 1 本年 3 月 11 日 ( 金 ) の東日本大震災の発生か

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基本方針

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新たな津波浸水想定を踏まえた見直しの概要 資料 1-2 H23 の想定 対象断層県設置の有識者検討会設置の有識者検討会の検討の検討結果を踏まえた 4 断層 ( 日本海東縁部 能登半島東方沖 能登半島北方沖 石川県西方海東縁部 能登半島東方沖 能登半島北方沖 石川県西方沖 ) 想定の手法土木学会の手法

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BCPサポートローンへの取組

目次 第 Ⅰ 編本編 第 1 章調査の目的 Ⅰ-1 第 2 章検討体制 Ⅰ-2 第 3 章自然 社会状況 Ⅰ-3 第 4 章想定地震 津波の選定条件等 Ⅰ-26 第 5 章被害想定の実施概要 Ⅰ-37 第 6 章被害想定結果の概要 Ⅰ-48 第 7 章防災 減災効果の評価 Ⅰ-151 第 8 章留意

茨城県地震想定の見直しのデータ訂正について


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第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

地震動推計の考え方 最新の科学的知見や過去の被害地震を踏まえ 5 つの想定地震を設定し 検証 首都圏に甚大な被害が想定される東京湾北部地震について 震源深さが従来の想定より浅いという最新の知見を反映した再検証の実施 1703 年に発生した巨大地震 ( 元禄型関東地震 ) を想定し 本県への影響を新た

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

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奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

はじめに 1 計画策定の経緯 3 第 1 想定される地震の規模 想定される被害状況 1 想定される地震の規模 3 2 人的被害の想定 4 3 建物被害の想定 4 第 2 建築物の耐震化に係る目標 1 建築物の耐震化の現状 5 (1) 住宅の耐震化の現状 (2) 特定建築物の耐震化の現状 2 建築物の

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北上市住宅・建築物耐震化促進計画

1 想定地震の概要南海トラフで発生する地震は 多様な地震発生のパターンが考えられることから 次の地震の震源域の広がりを正確に予測することは 現時点の科学的知見では困難です そのため 本市では 南海トラフで発生する地震として 次の2つの地震を想定して被害予測調査を行いました (1) 過去の地震を考慮し

Microsoft Word - 男鹿市耐震改修促進計画.doc

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ii 8. 河川法と漁港法との調整に関する協定 ( 抄 ) 運輸省港湾局と農林省水産庁生産部とに関連ある港湾災害復旧事業の処理について 76 第 2 漁港関係災害関連事業 Ⅰ 補助金交付要綱 1. 漁港関係災害関連事業等補助金交付要綱 77 Ⅱ 災害関連漁業集落環境施設復旧事業 1. 災

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H19年度

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Q. 断層帯の発生確率をおしえてください A. 地震調査委員会が発表した 立川断層帯の長期評価について ( 平成 15 年 8 月 7 日 ) によりますと 下記のような発生確率がでています 今後 30 年以内の地震発生確率 : 0.5%~2%( 1, 2) 今後 50 年以内の地震発生確率 : 0

北栄町耐震改修促進計画の目的等 目的 本計画は 町民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある地震被害から 町民の生命 財産を保護するとともに 地震による被害を軽減し 社会秩序の維持と公共の福祉に資するため 建築物の計画的な耐震化を促進することを目的とします 計画の実施期間 本計画の実施期間は 国及び県の実

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( 第 7 回 )BCP 策定促進検討会 資料 3 弊行の BCP 策定促進への取組み ~ 気づき から サポート 地域との共存共栄を目指して ~ 平成 22 年 1 月 28 日 株式会社滋賀銀行 営業統轄部副部長中村敏明 All Right Reserved, Copyright 株式会社滋賀銀

Microsoft PowerPoint HirataP

第1章 災害予防計画

地震の概要 検知時刻 : 1 月 3 日 18 時分 10 発生時刻 : 1 月 3 日 18 時 10 分 マグニチュード: 5.1( 暫定値 ; 速報値 5.0から更新 ) 場所および深さ: 熊本県熊本地方 深さ10km( 暫定値 ) 発震機構 : 南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型 ( 速報

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

別添資料 3 南海トラフ沿いの大規模地震の 予測可能性に関する調査部会 ( 報告 ) 南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性について 平成 25 年 5 月 -0-

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

素早い避難の確保を後押しする対策として位置付けるべきものであることとされているところである 国及び関係公共団体等は 最大クラスの地震 津波に対して被害を減ずるため これらの報告で示された地震 津波対策を速やかに具体化し 推進する必要がある 主な津波対策を以下に示す (1) 強い揺れや弱くても長い揺れ

基本

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利用規程

一防災 減災等に資する国土強靱化基本法案目次第一章総則 第一条 第七条 第二章基本方針等 第八条 第九条 第三章国土強靱化基本計画等 第十条 第十四条 第四章国土強靱化推進本部 第十五条 第二十五条 第五章雑則 第二十六条 第二十八条 附則第一章総則 目的 第一条この法律は 国民生活及び国民経済に甚

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本ワーキンググループにおけるこれまでの検討事項

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促進計画(案)最終  :促進計画/実施計画/3.5

文部科学省事業評価書(平成19年度新規・拡充事業等)政策目標4 71 首都直下地震防0災・減災特別プロジェクト

防災業務計画(第3編 東海地震防災強化計画)

関東周辺のプレート境界と南関東地域で発生する地震のタイプ 関東周辺のプレート境界 南関東地域で発生する地震のタイプ 2 フィリピン 3 海プレート 北米プレート 4 太 太 平 平 洋 ート 6 6 レプーレトプ洋 1 地殻内の浅い地震 2 フィリピン海プレートと北米プレートの境界の地震

地震被害想定調査における 強震動・津波浸水予測の進捗状況

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国立大学法人三重大学 報告書-3

ナラ・シェイクアウトについて

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

札幌市地域防災計画(地震災害対策編)

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●東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案

2014年度_三木地区概要

Ⅳ-2 神奈川県の被害想定 図表 神奈川県の表層地盤のゆれやすさマップ 表層地盤のゆれやすさ全国マップ について平 成 17 年 10 月 19 日内閣府政策統括官 ( 防災担当 ) 地震による地表でのゆれの強さは 主に 地震の規模 ( マグニチュード ) 震源からの距離 表層地盤 の3

はじめに 1 計画策定の経緯 1 第 1 想定される地震の規模 想定される被害状況 1 想定される地震の規模 2 2 人的被害の想定 3 3 建物被害の想定 3 (1) 建物被害 (2) 地震被害 第 2 建築物の耐震化に係る目標 1 建築物の耐震化の現状 4 (1) 住宅の耐震化の現状 (2) 特

大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

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この資料は速報値であり 後日の調査で変更されることがあります 時間帯 最大震度別回数 震度 1 以上を観測した回数 弱 5 強 6 弱 6 強 7 回数 累計 4/14 21 時 -24 時 /15 00 時 -24 時 30

地震災害、正しい知識と備え

(/9) 07 年に発生した地震の概要. 佐賀県の地震活動 07 年に佐賀県で震度 以上を観測した地震は 9 回 (06 年は 85 回 ) でした ( 表 図 3) このうち 震度 3 以上を観測した地震はありませんでした (06 年は 9 回 ) 表 07 年に佐賀県内で震度 以上を観測した地震

序章 計画改定の背景 足立区では 昭和 57 年 3 月に 大地震による火災から区民の生命と財産を守る た め 足立区防災まちづくり基本計画 を策定し この計画に基づき各種事業を展開し てきました その後 平成 7 年 1 月 17 日に発生した阪神 淡路大震災では 密集市街地に被害が 集中し 改め

佐賀県の地震活動概況 (2018 年 12 月 ) ( 1 / 10) 平成 31 年 1 月 15 日佐賀地方気象台 12 月の地震活動概況 12 月に佐賀県内で震度 1 以上を観測した地震は1 回でした (11 月はなし ) 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 図 1 震央分布図 (2018 年 1

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見出しタイトル

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鹿角市耐震改修促進計画 平成 21 年 11 月 鹿角市

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1. 1 地震保険制度の導入に向けた議論は 1878 年にドイツ人のマイエット教授が国営での地震保険制度創設を提唱したところから開始されたが 当時は自由主義的な思想や制度が取り入れられた時期だったこともあり 同制度は否決された そして 1890 年に公布された旧商法に 民間の保険会社が取り扱う火災保

Transcription:

地震対策編 第 1 章総 則 第 1 節地域防災計画 ( 地震対策編 ) の目的 性格 構成 1 目的この計画は 災害対策基本法 ( 昭和 36 年法律第 223 号 ) 第 42 条の規定により 山県市防災会議が策定する計画であって 市及び防災関係機関がその有する全機能を有効に発揮して 市の地域における震災に係る災害予防 災害応急対策及び災害復旧を実施することにより 市の地域並びに地域住民の生命 身体及び財産を地震災害から保護するとともに 県民一人一人の自覚及び努力を促すことによって被害を最小限に軽減し もって社会秩序の維持と公共の福祉を図ることを目的とする 2 性格 構成この計画は 災害対策基本法第 42 条の規定に基づき作成されている 山県市地域防災計画 の 地震対策編 として 東海地震 東日本大震災を始めとする海溝型地震 阪神 淡路大震災 平成 16 年 (2004 年 ) 新潟県中越地震 平成 19 年 (2007 年 ) 新潟県中越沖地震といった内陸直下型地震を対象とし その防災計画を定めるものである この計画は 山県市が行う防災業務の実施責任を明確にし かつ 関係機関相互の緊密な連絡調整を図るために必要な 基本的大綱を示すものであり 災害発生時に講ずべき対策等を体系的に整理した実施細目等については 別途関係機関が定める なお この計画中 第 5 章は大規模地震対策特別措置法 ( 昭和 53 年法律第 73 号 ) 第 6 条の規定に基づく地震防災強化計画とし 第 6 章は東南海 南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 ) 第 6 条の規定に基づく推進計画とする また この計画に定められていない事項については 一般対策計画編 の例による この計画を効果的に推進するため 市は 防災に関する政策 方針決定過程をはじめとする様々な場面における女性や高齢者 障害者などの参画を拡大し 男女共同参画その他多様な視点を取り入れた防災体制を確立するよう努めるものとする さらに 災害時の被害を最小化し 被害の迅速な回復を図る 減災 の考え方を基本とし 経済的被害ができるだけ少なくなるよう 様々な対策を組み合わせて災害に備え 災害時の社会経済活動への影響を最小限にとどめなければならない その際 災害の規模によっては ハード対策だけでは被害を防ぎきれない場合もあることから ソフト対策を可能な限り推進し ハード ソフトを組み合わせて一体的に防災対策を実施していく 第 2 節防災上の責務 1 山県市山県市は 防災の第一次的責任を有する基礎的な地方公共団体として 市並びに地域住民の生命 身体及び財産を地震災害から保護するため 指定地方行政機関 指定公共機関 指定地方公共機関及び自衛隊その他の公共的団体の協力を得て防災活動を実施する 2 指定地方行政機関指定地方行政機関は 市並びに地域住民の生命 身体及び財産を地震災害から保護するため 指定行政機関及び他の指定地方行政機関と相互に協力し 防災活動を実施するとともに 市の活動が円滑に行われるよう勧告 指導 助言等の措置をとる 3 指定公共機関及び指定地方公共機関指定公共機関及び指定地方公共機関は その業務の公共性又は公益性にかんがみ 自ら防災活動を実施するとともに 市の活動が円滑に行われるようその業務に協力する 401

4 公共的団体及び防災上重要な施設の管理者公共的団体及び防災上重要な施設の管理者は 平常時から地震災害予防体制の整備を図るとともに 地震災害時には災害応急措置を実施する また 市その他の防災関係機関の防災活動に協力する 5 住民大地震発生の場合 防災関係機関の活動が遅延したり阻害されたりすることが予想されるため 住民は 自らの命は自ら守る みんなの地域はみんなで守る という意識の下に 自主防災組織等により積極的に防災活動を行う 第 3 節防災関係機関等の事務又は業務の大綱 市 公共団体 その他防災上重要な施設の管理者は おおむね次の事務又は業務を処理するものとする 1 山県市及び防災関係機関一般対策計画編 ( 以下 一般編 という ) 第 1 章第 3 節に定めるところによる 2 自主防災組織一般対策計画編第 2 章第 14 節 自主防災組織の育成と強化 に定めるところによる 第 4 節市域の概要 我が国は世界有数の地震国であり 過去地震による多大な被害を受けている 平成 7 年 1 月 17 日に発生した阪神 淡路大震災は 最大震度 7 という史上最大級の地震であり 6,430 人を超える死者が出るなど戦後最大の地震災害となった この地震は 活断層が動いたことにより発生した直下型地震としてあらためて活断層と地震の関係が注目されるようになった さらに 平成 16 年 10 月 23 日に発生した新潟県中越地震では 死傷者が 3,000 人を超える大惨事となった また 平成 19 年 7 月 16 日に発生した新潟県中越沖地震においても大きな被害が出ている 地理的にも近く 自然条件が類似している点も多い事から本市においても震災対策の整備が急務である 市域においては 濃尾地震以後は大きな被害を受けていない しかしながら 近年駿河湾を震源とする東海地震の発生が憂慮されており この地震が起こった場合本市も被害を受けるものと考えられる また 本市に影響する内陸型の地震の活断層としては根尾谷断層がある 明治 24 年に起きた濃尾地震は 根尾谷断層の活動により発生した地震である この根尾谷断層は 福井県の大野市南部から南東へ向かって本巣市根尾を横切り 本巣市 山県市 関市を経て 美濃加茂市 可児市まで全長約 80km にわたる左横ずれ断層である 阪神 淡路大震災や新潟県中越沖地震の被災地にみられるように地震災害は複雑多岐であり 直接の大被害のほか 住民に与える影響は極めて大きなものがあり さまざまな災害の態様が予想されるので その対策は 画一的なものではなく 非常事態に際し その実態に即応して臨機に弾力的な対応が要求される 402

第 5 節被害想定 岐阜県は 岐阜県東海地震等被害想定調査 ( 平成 15 年 7 月 ) 及び 岐阜県地震被害想定調査 ( 平成 10 年 3 月 ) を踏まえ 地震防災対策の効果的な推進を図ることを目的として 岐阜県東海地震等被害対応シナリオ作成業務報告書 を作成した また 平成 23 年 8 月の震災対策検証委員会の提言を受け 県内に影響を及ぼす最大級の地震について独自に調査 ( 委託先 : 国立大学法人岐阜大学 ) が進められた 市は この調査の結果を踏まえ 市地域防災計画に反映させ 一層の防災対策の推進に努める 1 想定地震本調査で想定した地震は 海溝型地震と内陸直下型地震である 海溝型地震は 平成 23 年 3 月に発生した東北地方太平洋沖地震の規模等を鑑み 先般岐阜県の震災対策検証委員会の提言を受けて被害予測が実施された 南海トラフ巨大地震 とする 内陸直下型地震は 岐阜県地震被害想定調査 ( 平成 10 年 3 月 ) で対象とした 阿寺断層系地震 跡津川断層地震 関ケ原 養老断層系地震 に加え 近年地震調査推進本部の調査により長期評価が示された 高山 大原断層帯による地震 を加えた 4 地震である これについても 岐阜県の被害想定調査結果 ( 平成 25 年 2 月 ) を反映させるものとする 想定震源断層の位置図 (A) 南海トラフ巨大地震 (B) 養老 - 桑名 - 四日市断層帯地震 (C) 阿寺断層系地震 (D) 跡津川断層地震 (E) 高山 大原断層帯地震 2 想定手法南海トラフ巨大地震は 内閣府が提示している最大の震源域で 紀伊半島沖を震源とするケースを想定する 内陸直下型地震は 岐阜県東海地震等被害想定調査 ( 平成 15 年 7 月 ) に使用したメッシュをさらに細分化し 最新の地盤データにより改めて最悪のケースを想定 403

した 第 1 章総則 3 想定時刻本調査において想定する地震発生時刻は 次の 3 ケースである 想定時刻 被 害 の 特 徴 冬の平日午前 5 時 建物内人口が最も多く 建物倒壊による人的被害が大きくなる 冬の平日午後 6 時 火気使用率が高く 乾燥 強風のため出火 延焼被害が大きくなる 夏の平日午前 12 時 オフィスや繁華街に人が多く 自宅以外で被災する可能性が大きくなる 404

4 山県市における被害想定特に 養老 - 桑名 - 四日市断層帯地震における被害が大きく 市内のほぼ全域で震度 6 弱以上 ( 最大 6 強 ) となる 想定項目 地震規模 建物被害 ( 棟 ) 火災 震度 震度に対する人口比 (%) PL 値 ( 液状化指数 ) PL 値に対応する面積比 (%) 揺れ 液状化 405 南海ト ラフ 養老 - 桑名 - 四日 市断 層帯 阿寺 断層 系 跡津 川断 層 高山 大原 断層 最小 5.24 5.20 4.72 4.78 4.63 最大 5.79 6.11 5.47 5.52 5.43 4 0 0 0 0 0 5 弱 0 0 10 2 8 5 強 20 1 90 97 92 6 弱 80 78 0 1 0 6 強 0 20 0 0 0 7 0 0 0 0 0 最小 10.23 2.39 0.00 0.00 0.00 最大 28.26 18.32 0.31 5.01 0.91 対象外 72 72 99 80 97 0-5 0 10 1 20 3 5-15 18 16 0 0 0 15-10 2 0 0 0 全壊 108 502 12 37 10 半壊 1,007 2,234 317 613 294 全壊 619 269 0 41 1 半壊 954 416 0 63 2 急傾斜地全壊 0 2 0 0 0 合計 午前 5 時 午後 12 時 午後 6 時 全壊 726 773 12 78 12 半壊 1,961 2,650 317 676 296 炎上出火件数 0 1 0 0 0 残火災件数 0 0 0 0 0 焼失棟数 0 0 0 0 0 炎上出火件数 0 1 0 0 0 残火災件数 0 0 0 0 0 焼失棟数 0 0 0 0 0 炎上出火件数 1 2 0 1 0 残火災件数 0 1 0 0 0 焼失棟数 1 4 0 0 0 人的被害 ( 人 ) 午前 5 時死者数 7 32 1 2 1 帯

負傷者数 231 565 68 134 1 重症者数 12 58 1 4 63 要救出者数 19 91 2 6 2 死者数 2 12 0 1 0 午後 12 時 負傷者数 146 368 48 89 2 重症者数 12 42 2 5 47 要救出者数 9 41 1 3 1 死者数 4 19 0 1 0 午後 6 時 負傷者数 141 350 44 84 1 重症者数 10 38 1 4 41 要救出者数 12 57 1 4 1 避難者数 ( 建物被害及び焼失 ) 2,358 2,924 236 580 220 帰宅困難者 11 406