03 平成29年度文部科学省税制改正要望事項

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資料4-5 平成29年度文部科学省税制改正要望事項の概要

資料8-2 平成29年度文部科学関係税制改正事項

2019年度 文部科学省税制改正の概要

平成26年度 文部科学省税制改正事項

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新設 拡充又は延長を必要とする理⑴ 政策目的 地震等の災害からの復旧に際して 公的補助が公立学校に比べて少なく 自主財源の確保が求められる私立学校にとって 寄附金収入は極めて重要な財源である 災害時には 大口の寄附だけでなく 広く卒業生や地域住民を中心に 義援金 募金という形で小口の寄附を集める必要

資料2-5.平成27年度文部科学省税制改正要望事項

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

03平成25年度文部科学省税制改正要望事項

公益法人の寄附金税制について

新長を必要とする理由今回合理性の要望に設 拡充又は延⑴ 政策目的 資源に乏しい我が国にあって 近年 一層激しさを増す国際社会経済の変化に臨機応変に対応する上で 最も重要な資源は 人材 である 特に 私立学校は 建学の精神に基づき多様な人材育成や特色ある教育研究を展開し 公教育の大きな部分を担っている

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Microsoft PowerPoint 寄附金控除制度概要.ppt

平成18年度地方税制改正(案)について

平成 31 年度税制改正に関する内閣府主管項目のポイント 1 子ども 子育て支援の推進 子ども 子育て支援における制度の見直しに伴う税制上の所要の措置 ( 国税 地方税 ) 経済財政運営と改革の基本方針 ( 平成 30 年 6 月 15 日閣議決定 ) において 3 歳から 5 歳まで (0 歳から

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

スライド 1

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本要望に対応する縮減案 ページ 2 2

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平成27年度税制改正要望結果について

Microsoft Word - g

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

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第6回税制調査会 総6-3

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平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

税制について

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注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

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Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

平成 31 年度税制改正に関する内閣府 主要望のポイント 1 子ども 子育て支援の推進 ( 新設 2 件 拡充 延長 2 件 ) 子ども 子育て支援における制度の見直しに伴う税制上の所要の措置 ( 国税 地方税 ) 経済財政運営と改革の基本方針 ( 平成 30 年 6 月 15 日閣議決定 ) にお

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

平成 28 年度税制改正に関する内閣府 主要望のポイント 1 少子化対策の推進 ( 新設 2 件 拡充 1 件 ) 三世代同居に係る税制上の軽減措置の創設 ( 国税 ) 高齢者や若い世代の希望に応じた家族関係や地域とのつながり 子育て世代の子育ての態様について各人の希望を実現するため 一定の条件を満

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

資料9

ナショナル・トラスト税制関係通知

3 車体課税 自動車取得税の見直し 自動車取得税の税率 ( 一定税率 ) を以下のとおり引下げ ( 平成 26 年 4 月 1 日以降 ) 自家用自動車 ( 軽自動車を除く ) 5%( ) 3%( ) 営業用自動車 軽自動車 3%( ) 2%( ) いわゆる エコカー減税 について 環境性能に優れた

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

平成19年度税制改正.xls

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

第5回基礎問題小委員会 礎5-4

新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

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1. 復興基本法 復興の基本方針 B 型肝炎対策の基本方針における考え方 復旧 復興のための財源については 次の世代に負担を先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うこととする B 型肝炎対策のための財源については 期間を限って国民全体で広く分かち合うこととする 復旧 復興のため

Microsoft PowerPoint - 【別添1】23税制改正の概要.pptx

平成21年度 厚生労働省税制改正要望項目

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

第2回税制調査会 総2-2

新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

所得控除 雑損控除 医療費控除 社会保険料控除等 旧生命保険料控除 旧個人年金保険料控除 ( 実質損失額 - 総所得金額等の合計額 10%) 又は ( 災害関連支出の金額 -5 万円 ) のうち いずれか多い方の金額医療費の実質負担額 -(10 万円と総所得金額等の 5% のいずれか低い金額 ) 限

目 次 はじめに 2 1 所得税の税額控除制度の導入 (1) 認定 NPO 法人への寄附に係る税額控除の導入 4 (2) 認定 NPO 法人以外の法人への寄附に係る税額控除の導入 4 2 認定 NPO 法人制度の見直し (1) 平成 23 年度より税制上対応する措置 6 1 認定要件の見直し 6 イ

債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

地方税法等の一部を改正する法律案の概要 総務省 1 地方法人課税における新たな偏在是正措置 平成 31 年 10 月 1 日施行 都市 地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案 において特別法人事業税 ( 国税 ) を創設することに併

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

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(2) 消費税率 10% への引上げ時に導入が予定されている軽減税率制度については 消費税 地方消費税の引上げ分のうち地方交付税原資分も含めると 約 3 割が地方の社会保障財源であり 仮に減収分のすべてが確保されない場合 地方の社会保障財源に影響を与えることになることから 確実に代替財源を確保するこ

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

地方創生応援税制 ( 企業版ふるさと納税 ) の運用改善 ( 別紙 1) 平成 31 年度税制改正 企業版ふるさと納税の一層の活用促進を図るため 企業や地方公共団体からの意見等を踏まえ 徹底した運用改善を実施する 地方創生関係交付金と併用する地方公共団体へのインセンティブ付与 地方創生関係交付金の対

平成24年度 文部科学省税制改正要望事項

15 18 定率減税の縮減 (15% 控除 7.5% 控除 (2 万円上限 )) 資本金等の額 ( 税法に規定する資本金等の額又は連結個別資本金等の額 ) が 50 億円超 800,000 円 10 億円超 50 億円以下 540,000 円 1 億円超 10 億円以下 130,000 円 1 千万

H28秋_24地方税財源

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女性が働きやすい制度等への見直しについて

第14回税制調査会 総務省説明資料(・地方税務手続の電子化等2・個人住民税2)

研究開発投資にかかる政府目標 安倍政権が 新 3 本の矢 の 1 つとして掲げた 2020 年頃の名目 GDP600 兆円達成 の目標や 日本再興戦略 2016( 閣議決定 ) 等に基づく 今後 5 年間での民間企業の研究開発投資の対 GDP 比 3% 目標の達成には 民間企業の研究開発投資を年平均

平成20年2月

設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

平成 29 年 12 月 22 日林野庁 平成 30 年度林野庁税制改正事項 新規 拡充事項 森林吸収源対策に係る地方財源を確保するため 次期通常国会における森林関連法令の見直しを踏まえ 森林環境税 ( 仮称 ) 及び森林環境譲与税 ( 仮称 ) を創設する 木質バイオマス発電設備等の再生可能エネル

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平成19年度分から

B 事例 1: 日本赤十字社と公益財団法人公益法人協会ともに 所得控除方式 を適用し ffff た場合に還付される税金について 前提 1 寄附先の名称等 ( 弊協会の他に 東日本大震災の義援金として日本赤十字社に寄附したものと仮定 ) 名称金額備考 日本赤十字社 ( 東日本大震災義援金 ) 30,0

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●租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

スライド 1

改正法律一覧 (15 法律 ) 2 法律重複 A 地方公共団体への事務 権限の移譲 (3 法律 ) 毒物及び劇物取締法 1 毒物又は劇物の原体の事業者の登録等に係る事務 権限を国から都道府県へ移譲 就学前の子どもに関する教育 保育等の総合的な提供の推進に関する法律 子ども 子育て支援法 2 幼保連携

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

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平成20年度税制改正(地方税)要望事項

平成23年度税制改正の主要項目

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

Transcription:

平成 29 年度文部科学省税制改正要望事項 平成 28 年 8 月 30 日 H28 税制改正要望事項 1. 教育 科学技術イノベーション関係 (1) 私立大学が行う受託研究の受託研究収入の非課税措置の拡充 (2) (3) (4) (5) (6) 災害からの復旧時における学校法人への個人寄附に係る税制優遇措置の拡充 現物寄附へのみなし譲渡所得税等に係る特例措置適用の承認手続きの簡素化 ( 内閣府等との共同要望 ) 幼稚園 保育所等に土地を貸与した場合の非課税措置の創設 ( 内閣府 厚生労働省との共同要望 ) 教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置の子供の貧困対策への拡充 ( 内閣府 金融庁 厚生労働省との共同要望 ) 試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除の拡充 ( 経済産業省等との共同要望 ) 法人税等 所得税 所得税等 相続税等 贈与税 法人税等 拡充拡充拡充拡充拡充 2. スポーツ 文化関係 (1) (2) 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会の開催に向けた税制上の所要の措置 2019 年ラグビーワールドカップ大会の開催に向けた税制上の所要の措置 所得税等 法人税等 (3) (4) (5) (6) ゴルフ場利用税の廃止 国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした たばこ税の税率の引上げ ( 厚生労働省との共同要望 ) 公益社団 財団法人が所有 取得する重要無形文化財の公演のための施設に係る固定資産税等の特例措置の拡充 文化財建造物である家屋及びその敷地の相続に係る特例措置の拡充 ゴルフ場利用税 たばこ税等 固定資産税等 相続税 拡充 拡充拡充 3. その他制度改正に伴うもの等 (1) (2) (3) ( 独 ) 教員研修センターの組織見直しに係る税制上の所要の措置 退職等年金給付の積立金に対する特別法人税の撤廃 ( 厚生労働省 総務省 財務省等との共同要望 ) 県費負担教職員制度の見直しに係る指定都市への税源移譲 法人税等 法人税等 個人住民税

平成 29 年度文部科学省税制改正要望事項の概要 1. 教育 科学技術イノベーション関係 (1) 私立大学が行う受託研究の受託研究収入の非課税措置の拡充 法人税等 < 拡充 > 現状 私立大学が行う受託研究については 一定の要件を満たすもの以外は法人税法上の収益事業の 請負業 として整理され課税対象とされているが 当該要件を撤廃し 私立大学が行う受託研究を全て非課税とする ( 国公立大学についての法人税は非課税 ) これにより 特に民間企業からの受託研究を受け入れやすくし 多元的な資金の獲得や本格的な産学連携を更に促進する 受託研究に係る税制措置 要件非課税となる受託研究の要件撤廃 目標 効果 1 実施期間が 3 カ月以上及び 2 当該研究の成果の公表等 特に民間企業からの受託研究を受け入れやすく する環境を整備 大学の教育研究機能を活性化 高度化 多元的な研究資金の獲得を促進 組織 対 組織 の本格的な産学連携を推進 (2) 災害からの復旧時における学校法人への個人寄附に係る税制優遇措置の拡充 所得税 < 拡充 > 災害被害を受けた学校法人に対する災害からの復旧時における個人寄附について 所得控除が適用されるところ 本年 4 月の熊本地震を踏まえて 税額控除について 寄附実績の要件にかかわりなく 適用を可能とする これにより 小規模な学校法人においても寄附金を集めやすくし 災害からの早期の復旧に資する 参考 現行の学校法人に対する寄附金税制( 個人寄附 ) 所得控除 : 寄附金額 ( 所得の 40% が上限 )- 2 千円を所得控除 or( 選択制 ) 税額控除 :( 寄附金額 -2 千円 ) 40% を税額控除 ( 所得税額の 25% が上限 ) ( 注 ) 税額控除の対象機関は PST( パブリック サポート テスト ) 要件を満たしたもの 1

(3) 現物寄附へのみなし譲渡所得税等に係る特例措置適用の承認手続きの簡素化 ( 内閣府等との共同要望 ) 所得税等 < 拡充 > 公益法人等に現物寄附を行った場合に みなし譲渡所得税の非課税の特例措置を受ける ためには 国税庁長官の承認手続が必要である 当該手続きには膨大な申請書の提出及び 相当の時間を要しているが 文部科学大臣所轄学校法人 ( ) への現物寄附については 寄 附された資産等が継続的に公益目的事業に用いられることが法人の会計において担保され ている等の一定の要件を満たす場合には 当該承認手続が大幅に簡素化される特例が設け られている 本特例の対象を 都道府県知事所轄学校法人 ( ) を含む他の公益法人等への現物寄附に も拡大することにより 公益法人等への寄附の一層の促進を図る ( ) 文部科学大臣所轄学校法人 : 大学等を設置する学校法人道府県知事所轄学校法人 : 高等学校以下の学校のみを設置する学校法人 (4) 幼稚園 保育所等に土地を貸与した場合の非課税措置の創設 ( 内閣府 厚生労働省との共同要望 ) 相続税等 < > 幼稚園 保育所等の敷地として土地を貸与した場合について 当該土地が相続 贈与さ れた場合に その後引き続き一定期間貸与することを要件に 相続税 贈与税を非課税と し 都市部などにおける園地の確保を図る 2

(5) 教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置の子供の貧困対策への拡充 ( 内閣府 金融庁 厚生労働省との共同要望 ) 贈与税 < 拡充 > 祖父母等が孫等に対して一括贈与された教育資金に係る平成 31 年 3 月 31 日までの贈与 税の非課税措置について 受贈者が 貧困の状況にある子供 であれば 贈与者を祖父母 に限らず 適用するよう拡大する これにより 貧困の連鎖や世代間格差の解消を図る 参考ニッポン一億総活躍プラン ( 平成 28 年 6 月 2 日閣議決定 )( 抜粋 ) 公益信託制度の改革等により 貧困状況にある子供の教育費にも民間資金の支援が届くようにする 参考子供の貧困対策に関する大綱 ( 平成 26 年 8 月 29 日閣議決定 )( 抜粋 ) 子供の貧困対策が国を挙げて推進されるよう 国 地方公共団体 民間の企業 団体等によるネットワークを構築し 各種支援情報等の収集 提供や子供の貧困対策に関する優れた取組等に対する表彰事業の実施 民間資金を活用した支援など 官公民の連携 協働プロジェクトを推進する (6) 試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除の拡充 ( 経済産業省等との共同要望 ) 法人税等 < 拡充 > 民間企業の研究開発投資の維持 拡大に貢献し 民間企業の競争力を強化するため 以下 のとおり制度改正を行う 1 対象に AI やビッグデータ等を活用したサービスの付加価値を高めるための研究開発 を新たに追加 ( 定義の見直し ) 2 総額型の控除率に試験研究費の増減に応じた支援にメリハリをつける仕組みを導入 3 試験研究費の対売上比率が 10% を超えた場合の控除制度の期限延長 4 オープンイノベーション型に係る手続きの簡素化等の運用改善 3

2. スポーツ 文化関係 (1)2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会の開催に向けた税制上の所要の措置 所得税等 < > IOC( 国際オリンピック委員会 ) からの要望を踏まえ 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会のために来日する大会関係者を対象とし 以下の税制上の所要の措置を講ずる 本国での課税を原則とし 大会関連の活動により生じた国内源泉所得について所得税等を非課税とする 等 2016 年リオ大会 2012 年ロンドン大会においても 開催国において同様の措置がなされている (2)2019 年ラグビーワールドカップ大会の開催に向けた税制上の所要の措置 法人税等 < > 2019 年ラグビーワールドカップ主催者 (RWCL( ラグビーワールドカップ リミテッド )) からの要望を踏まえ 2019 年ラグビーワールドカップ大会のために来日する大会関係者を対象とし 以下の税制上の所要の措置を講ずる 本国での課税を原則とし 大会関連の活動により生じた国内源泉所得について法人税等を非課税とする 2015 年英国大会においても 開催国において同様の措置がなされている (3) ゴルフ場利用税の廃止 ゴルフ場利用税 < 拡充 > 平成 23 年に成立 施行されたスポーツ基本法により生涯スポーツ社会の実現が理念として規定されたことを踏まえ 国民スポーツ 生涯スポーツとして国民に広く親しまれ また 2016 年リオデジャネイロオリンピックから正式競技となったゴルフをプレーする際に課税されるゴルフ場利用税を廃止する これにより 多種多様なスポーツの中で唯一ゴルフのみが課税されている現状を解消し 生涯スポーツ社会の実現を目指す 現状 18 歳未満の者 70 歳以上の者 障害者がゴルフ場を利用する場合等にはゴルフ場利用税が非課税となっている 4

参考スポーツ基本法 ( 平成 23 年法律第 78 号 )( 抜粋 ) ( 基本理念 ) 第 2 条スポーツは これを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利であることに鑑み 国民が生涯にわたりあらゆる機会とあらゆる場所において 自主的かつ自律的にその適性及び健康状態に応じて行うことができるようにすることを旨として 推進されなければならない (4) 国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした たばこ税の税率の引上げ ( 厚生労働省との共同要望 ) たばこ税等 < > たばこの規制に関する世界保健機関枠組み条約(FCTC) の締約国としてたばこ対策の強力な推進が求められていること 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会に向けてスポーツによる健康増進を図るにあたり たばこの消費抑制がその基盤となること また 青少年による喫煙の防止にも貢献すること等を踏まえ 国民の健康の観点からたばこの消費を抑制するため たばこ税の税率の引上げを行う ( たばこの価格と販売数量の変化 ) 代表的なたばこ単価 ( 円 / 箱 ) 販売数量 ( 億本 ) 450 400 3,126 410 430 4,000 3,500 350 300 250 2,994 2,926 2,852 2,700 250 270 300 2,585 2,458 2,339 2,102 1,975 1,951 1,969 1,793 3,000 2,500 2,000 200 14 年度 15 年度 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 1,500 参考 WHO と IOC との合意 (2010 年 ) 世界保健機関 (WHO) と国際オリンピック委員会 (IOC) は 身体活動を含む健康的な生活習慣を選択すること すべての人々のためのスポーツ たばこのないオリンピック及び子どもの肥満を予防することを共同で推進することについて合意した (2010 年 7 月 21 日ローザンヌ ) 5

(5) 公益社団 財団法人が所有 取得する重要無形文化財の公演のための施設に係る固定資産税等の特例措置の拡充 固定資産税等 < 拡充 > 公益社団 財団法人が所有 取得する能楽堂 ( 重要無形文化財である伝統芸能の公演のための施設 ) に係る固定資産税 不動産取得税 都市計画税の軽減措置 ( 課税標準 2 分の1) について 平成 28 年度末までの時限措置 (2 年 ) となっているところ 恒久化する これにより 伝統芸能の公演施設の維持 充実と国民の鑑賞機会の確保を図る 参考 劇場 音楽堂等の活性化に関する法律 ( 平成 24 年法律第 49 号 ) 第 9 条国及び地方公共団体は この法律の目的を達成するため 必要な助言 情報の提供 財政上 及 び税制上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする (6) 文化財建造物である家屋及びその敷地の相続に係る特例措置の拡充 相続税 < 拡充 > 文化財建造物である家屋及びその敷地に係る相続税について 重要文化財は10 分の3 登録有形文化財及び重要伝統的建造物群保存地区における伝統的建造物は10 分の7とする措置が講じられているところ それぞれ10 分の1 10 分の5に軽減する これにより 貴重な文化財建造物の確実な継承 観光資源としての活用等を図る 6

3. その他制度改正に伴うもの等 (1) ( 独 ) 教員研修センターの組織見直しに係る税制上の所要の措置 法人税等 < > ( 独 ) 教員研修センターの組織見直しに伴い 税制上の所要の措置 ( これまで適用されて いた税制上の優遇措置の継続 ) を講ずる 参考日本再興戦略 2016( 平成 28 年 6 月 2 日閣議決定 )( 抜粋 ) 教員の資質向上を図る教員養成 採用 研修の一体改革のための法案について 次期国会を含めた早期の提出を目指す (2) 退職等年金給付の積立金に対する特別法人税の撤廃 ( 厚生労働省 総務省 財務省等との共同要望 ) 法人税等 < > 退職等年金給付 ( 退職年金 職務障害年金 職務遺族年金 ) の健全な運営を確保し 私 立学校教職員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上を図るため 平成 29 年 3 月 31 日ま で課税が凍結されている退職等年金給付の積立金に対する特別法人税を撤廃する (3) 県費負担教職員制度の見直しに係る指定都市への税源移譲 個人住民税 < > 指定都市の設置する義務教育諸学校に係る教職員の給与負担に関する権限について 都道府県から指定都市への移譲を平成 29 年 4 月 1 日に実施することとされたことに伴い 指定都市所在道府県及び指定都市の間の合意を踏まえ 同日付で個人住民税所得割の2% の都道府県から指定都市への税源移譲等の所要の措置を講ずる 参考県費負担教職員制度の見直しに係る財政措置のあり方に関する合意 ( 平成 25 年 11 月 14 日 指定都市所在道府県 指定都市 )( 抜粋 ) 道府県 指定都市の双方にとって財政運営への影響を最小限とすること すなわち財政中立を基本として 国が地方財政措置を検討し 適切に講じることを前提として 道府県から指定都市に個人住民税所得割 2% の税源移譲が行われることに合意する ( 中略 ) また 事務及び税源の移譲時期については 平成 29 年度を目途に可能な限り早期に行われるよう 実務的な検討 準備を進める これを踏まえ 国において必要な法制上の措置等を講じられたい 参考平成 26 年度税制改正の大綱 ( 平成 25 年 12 月 24 日閣議決定 )( 抜粋 ) Ⅱ Ⅰ に追加して決定する事項一個人所得課税 5 その他 ( 地方税 ) ( 備考 ) 県費負担教職員制度の見直しに係る財政措置として 個人住民税所得割 2% の税源移譲について指定都市所在道府県及び指定都市の間で合意されたことを踏まえ 県費負担教職員の給与負担事務の移譲とあわせて税源移譲を行うこととし 具体的な措置の検討を行う 7