第 2 学年 * 組数学 Ⅱ 学習指導案 指導者飯島朋恵 1 単元名図形と方程式 2 単元の目標座標や式を用いて直線や円などの基本的な平面図形の性質や関係を数学的に表現し, その有用性を認識するとともに, 事象の考察に活用することができる 3 単元の評価規準 数学への関心 意欲 態度 数学的な見方や考え方 数学的な技能 数量や図形などについての知識 理解 図形の性質や関係 図形を方程式や不等 図形の性質や関係を 図形とそれを表す方 を解析幾何学にお 式を満たす点の集合 方程式や不等式を用 程式 不等式の関係 ける方法で考察で として見る考えを身 いて調べることがで について理解し, 基 きることに関心を に付け, 図形の性質 き, 事象を数学的に 礎的な知識を身に付 もち, それらを事 や関係を方程式や不 表現 処理する技能 けている 象の考察に進んで 等式を用いて考察す を身に付けている 活用しようとする ることができる 4 単元の指導について (1) 教材について中学校では, 平面図形において, 図形の移動, 作図, 円とおうぎ形の性質 (1 年 ), 円の性質, 三平方の定理 (3 年 ), 関数において, 座標, y=ax のグラフ (1 年 ), 連立方程式, 一次関数とそのグラフ, 一次関数と方程式, 連立二元一次方程式のグラフによる解法 (2 年 ), 高等学校では, 不等式の性質 ( 数 Ⅰ) について学んできた 本単元では, 方程式の表す図形やそれらの関係, 軌跡, 境界線が直線や円となる場合の領域や連立不等式の表す領域について学ぶ 図形を方程式や不等式で表し, その性質あるいはそれらの関係を式を利用して考察する活動を通して, 図形を解析幾何学における方法で扱うことの有用性について理解を深める (2) 生徒の実態について本校 * クラス (* 人 ) は, 二つのグループに分け少人数指導を展開している 対象となるグループ (* 人 ) は, 数学の学習についての意欲が高く, 取組も熱心であるが, 既習事項の理解と定着には個人差がある 第 1 回実態調査 ( 平成 27 年 * 月 * 日実施, 調査人数 * 人 ) 本単元に入る前に, 一次関数とそのグラフに関する実態調査を行った 一次関数が表すグラフを五つの選択肢から選び, 選んだ理由を答える問題では, ほとんどの生徒が傾きと y 切片, y 軸との交点以外の点の座標と y 切片を示して, 選択した理由について説明することができた 次に, 式の表すグラフをかき, 手順を書かせる問題では, 全員が手順を正しく書くことができた ある生徒は, 手順は理解していたが, 通 る点を間違えていた さらに, 与えられたグラフが y =2x+3 と y = 1 3 x+3 のど ちらであるかを選び, 選んだ理由を答える問題では, x =-2 となる点において y 座 - 1 -
標が正, 負のいずれかであるかに着目して正解することができた生徒は * 人であった x = a のグラフが x 軸より上側を通るか下側を通るかといった見方をする生徒は少ないことが分かった 第 2 回実態調査 ( 平成 27 年 * 月 * 日実施, 調査人数 * 人 ) 本単元第 19 時終了後, 円と直線の共有点の座標を求める問題, 不等式の領域を図示する問題についての実態調査を行った 問 1 円と直線の共有点の座標を求める問題 連立方程式を解いて円と直線の共有点の座標を求めることができた * 人 連立方程式を解く途中で x 座標までを求めることができた * 人 無答 * 人問 2 なぜ連立方程式を解けば共有点の座標が求められるのかを説明する問題 説明ができた * 人 理由は書いたが, 不十分な説明である * 人 無答 * 人 この結果から, 問題の解き方は定着していても, なぜそうすればよいのかを説明で きない生徒が多くいることが分かった 連立方程式の解が二つの方程式を同時に満た す値の組を表しているという説明ができなかったり, それぞれの図形が方程式を満た す点の集まりであるという理解が不十分であったりという課題があると考える 不等式の表す領域をどのように求めるかという手順は全員が理解できている 正解 とは逆側の領域を答えてしまう生徒は, 不等式の表す領域と境界線の関係が理解でき ていない点に課題があると考えられるので, 図の見方を丁寧に取り扱う必要がある 特に, 直線を境界とする領域は間違いやすい傾向にある 今までの指導を振り返ると, 問題解決の根拠を説明させるときには, 代表の生徒が 発表した根拠の説明を全員で共有するようにしてきたが, 全員が根拠を説明すること ができるようにするまでの指導としては十分ではなかった 手順を覚えて計算を形式 的に処理することで正解までたどり着いたが, 説明ができなかったり根拠を納得して いなかったりすることがあった そこで, 答えを導くまでの根拠を説明できるように するために, 生徒の到達度を把握しながら, 課題を焦点化して授業を展開していく ( エ ) 単元の指導計画 (21 時間扱い ) 次 時 学習課題 評価規準 評価方法 活用する知識 技能 1 1 数直線上の点 数直線上の二点間の距離, 線分を内分 実数と数直線( 数 Ⅰ) する点 外分する点の座標を求めるこ 実数の絶対値( 数 Ⅰ) とができる ( 技 ) ノート 線分の比( 中 3 年 ) 2 数直線上の内分と外分 線分を内分する点の座標を表す式と外 内分 外分( 数 A) 分する点の座標を表す式との関係を捉えようとしている ( 関 ) 発言 ノート 2 3 座標平面上の点 座標平面上の二点間の距離, 線分を内 三平方の定理( 中 3 年 ) 4 二点間の距離 分する点, 外分する点の座標を求める 平行線と線分の比( 中 3 年 ) 線分を内分する点 外分 ことができる 線分を内分する点 外分す する点の座標 ( 技 ) 発言 ワークシート る点の座標 ( 第 2 時 ) - 2 -
3 5 一次方程式の表す図形 直線が二元一次方程式で表されること 一次関数のグラフ( 中 2 年 ) を理解している ( 理 ) ワークシート 6 直線の方程式のいろいろ 与えられた条件を満たす直線の方程式 な形 の求め方を理解している ( 知 ) 発言 ノート ワークシート 4 7 二直線の平行と垂直 二直線の平行 垂直条件を理解してい 直線の傾き( 中 1 年 ) る ( 知 ) ノート 直線の方程式( 第 6 時 ) 8 直線に関して対称な点 直線に関して対称な点の座標を求める 図形の線対称( 小 6 年 ) ことができる ( 技 ) ノート 点と直線の距離( 中 1 年 ) 9 点と直線の距離 点と直線の距離を理解している 平行移動( 中 1 年 ) ( 知 ) 発言 ワークシート 5 10 円の方程式の表す図形 円の方程式を二元二次方程式で表すこ 円( 中 3 年 ) とができる ( 技 ) ワークシート 三平方の定理( 中 3 年 ) 与えられた条件を満たす円の方程式の 平方完成( 数 Ⅰ) 求め方を理解している ( 知 ) ワークシート 11 三点を通る円の方程式 三点を通る円の方程式を求めることが 三元一次方程式( 数 Ⅰ) できる 三角形の外接円( 数 A) ( 技 ) 発言 ワークシート 6 12 円と直線の共有点の座標 円と直線の共有点の座標を求めること 連立方程式( 中 2 年 ) ができる ( 技 ) ワークシート 二次方程式の解( 中 3 年 ) 13 円と直線の位置関係 円と直線の位置関係を, 判別式や距離 二次方程式の判別( 数 Ⅰ) と半径の大小関係から調べることがで 直線の方程式( 第 5 時 ) きる ( 技 ) ワークシート 14 円の接線の方程式 円の接線の方程式を求めることができ る ( 技 ) 発言 ワークシート 7 15 二つの円の位置関係 二つの円の位置関係について考えるこ 円の位置関係( 数 A) とができる ( 考 ) ワークシート 二点間の距離( 第 4 時 ) 中心間の距離と半径の関係から, 円の方程式を求めることができる ( 技 ) 発言 ワークシート 8 16 座標平面上の点の軌跡 座標平面上の点の軌跡を方程式を満た 作図( 中 1 年 ) す点の集合として捉えることができる ( 考 ) ワークシート 17 二定点から等距離にある 条件を満たす点の軌跡を求めることが 点の軌跡 できる ( 技 ) ワークシート 9 18 直線を境界線とする領域 座標平面上の領域を, 不等式を満たす 不等式( 数 Ⅰ) 点の集合として見ることができる 直線の方程式( 第 5 時 ) ( 考 ) ワークシート 円の方程式( 第 10 時 ) 19 円を境界線とする領域 不等式の表す領域を図示することがで 交点の座標( 中 2 年 ) きる ( 技 ) ワークシート 20 連立不等式の表す領域 連立不等式の表す領域を求めることが 本 でき, その理由について説明すること 時 ができる ( 考 ) ワークシート 21 領域における最大 最小 連立不等式が満たす領域内にある点に対して,x,yで表される一次式の最大 最小について考察することができる ( 考 ) 発言 ワークシート - 3 -
5 本時の指導 (1) 目標 連立不等式の表す領域を求めることができ, その理由について説明することができ る おおむね満足できる 状況 不等式の表す領域と境界線の関係に着目して, 連立不等式のそれぞれの不等式を 満たす領域を正しく判断し, 連立不等式の表す領域を選択肢から選び, その理由に ついて説明することができる (2) 準備 資料 ワークシート (3) 展開 学習活動 内容 指導上の留意点 評価 1 不等式の表す領域について復習する ノートをとらずに教師の板書に注目する 3x-y+3 0 の表す領域を求める ように伝える 境界線は何か 発問をいくつかの視点に分け, 既習事項 y 切片はいくつか で不明な点があるかどうかを確認する x=1の時の y の値は何か 生徒の反応を確認しながら, 発問をする 求める領域はどこか 2 学習問題を確認する 学習問題を配付し, 問題の内容について説明する 連立不等式 y >-x+2 黒板にグラフをかきながら, 問題の説明 y < x を進めるようにする の表す領域は, 下図 の斜線部分である グラフをかいてから答えを求めるのでは ( ただし, 境界線を含まない ) なく, 連立不等式が表す領域を図の中に ある記号の中から選択する問題であるこ とを伝える 連立不等式が表す領域を選んだら, 選択 した理由について記述することを確認す る 今までにない種類の出題形式となるため, 疑問や質問があるかどうかを確認する 3 選んだ理由について考える 机間指導を行い, 理由の説明がうまくまとめられていない生徒には, 上の不等式が表す領域は, 下の不等式が表す領域は, 二つの 部分は だから といった説明のモデルを示す 4 選んだ理由について話し合う 選択肢を選んだ理由に焦点化して説明し 隣の人と選んだ選択肢と理由を話し合 合うようにする - 4 -
う 正解した生徒の発表だけでなく, 間違え 選んだ選択肢と理由を発表する た生徒の考えも取り上げるようにする 考え方の手順, 正解を確認する 発表を聞いて矛盾点や疑問点をもった生 他の選択肢が不正解である理由を確認 徒の意見を取り上げ, 検討する する 正解と説明の仕方を確認する 模範解答 他の選択肢の領域を連立不等式で表す は板書せず, ワークシートで確認する とどうなるかを考える 不正解である理由について, 既習の内容 を確認しながら話し合うようにする 他の選択肢の領域を連立不等式で表すこ とを考えることで, 正解の根拠を明確に し, 数学的な表現ができるようにする 評正しい選択肢を選び, 選んだ理由が説明 できる ( 発表の観察, ワークシート記 述の分析 ) 5 本時のまとめをする 6 適用問題に取り組む 適用問題は, 学習課題と同様に焦点化した内容とする 問題を多く設定することで, 問題を解く速さに関する個人差に対 応できるようにする - 5 -