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平成 24 年 5 月 1 日 問い合わせ先 国土交通省土地 建設産業局土地市場課課長補佐松本浩 係長長瀨裕太代表 : ( 内線 :30-214) 直通 : 土地取引動向調査 ( 平成 24 年 3 月調査 ) の結果について 1. 調査目的 本調査は

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別紙 Ⅰ 対象事業の概要環境影響評価法 ( 平成 9 年法律第 81 号 以下 法 という ) 第 15 条に基づき 事業者である国土交通省関東地方整備局及び横浜市から 平成 30 年 6 月 22 日に送付のあった環境影響評価準備書 ( 以下 準備書 という ) の概要は次のとおりである 1 事業

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3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

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総論 地方拠点強化税制とは? 税制等の支援措置を受けるためには? 3ページ 4ページ 拡充型事業とは? 5 ページ 移転型事業とは? 6 ページ 目次 各論 ステップ 1 ( 整備計画 ) 本社機能とは? どのような支援措置があるの? 支援のメリットについて整備計画の認定はいつまでに受ければいいの?

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イ適用税率別の数と税割課税額税割は資本金の額により適用する税率を決めているので 適用税率別に集計することで資本規模による違いがわかります 税割の税率は標準税率 9.7%(12.3%) と制限税率 12.1%(14.7%) の 2 段階です 9.7% の税率は資本金の額が 1 億円以下のや資本金を有し

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30付属統計表(全体)


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平成 22 年 11 月 12 日 問い合わせ先 国土交通省土地 水資源局土地市場課課長補佐小酒井淑乃 係長塩野進代表 : ( 内線 :30-214) 直通 : 土地取引動向調査 (*) ( 平成 22 年 9 月調査 ) の結果について 1. 調査目

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Ⅰ 調査の概要 1


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第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

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はじめに 都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域は 都市再生特別措置法 ( 平成 14 年 4 月 5 日公布 平成 14 年 6 月 1 日施行 以下 法 という ) に基づき 国が政令で指定するものです 1 都市再生緊急整備地域 趣旨 都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図るため

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平成 24 年 3 月改訂 茅ヶ崎海岸グランドプラン 西浜駐車場跡地北側に位置する茅ヶ崎警察署職員公舎が取り壊され 平成 23 年 3 月には グランドプランで駐車場機能の確保として位置づけのあった県営茅ヶ崎西浜駐車場が閉鎖された これを受け 海岸利用者のための駐車場を維持し かつ国道 134 号南

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Transcription:

5 糸満市の企業立地環境評価と立地の可能性 糸満市における新たな企業立地の可能性を調査するため 地域の優位性を整理するとともに 計画地区とした真栄里地区に係る企業立地意向アンケートを実施しました (1) 国際物流拠点産業集積計画における位置付け平成 24 年 4 月に沖縄振興特別措置法の改正に伴い それまでの自由貿易地域及び特別自由貿易地域が解消され 新たな特区として国際物流拠点産業集積地域制度が創設されました 国際物流拠点産業集積計画の計画期間は 平成 26 年 6 月から平成 33 年度末までとなっています 国際物流拠点産業集積地域として 那覇 浦添 豊見城 宜野湾 糸満地区と うるま 沖縄地区 ( 中城湾港新港地区 ) が指定されています 糸満市は他の4 市とともに 那覇空港及び那覇港との近接性 土地確保の容易性 労働力確保の容易性 輸送道路の整備の推進 沖縄の経済 産業の拠点として 今後さらに発展することが期待されている等の理由により指定されたものです 国際物流拠点産業集積地域においては 国際貨物ハブを活用する高付加価値型の臨空 臨港型産業 ( 国際物流拠点産業 ) の集積を図るため 優遇税制 ( 国税 関税 地方税 ) の措置があります 国際物流拠点産業集積地域に指定されている糸満市は 新たな物流拠点産業集積地域を形成するに当たり 有利な環境であると考えられます 国際物流拠点産業集積地域の指定区域 沖縄県公式 HP 国際物流拠点産業集積地域について より -22-

国際物流拠点産業集積地域に指定する基本的考え方 国際物流拠点産業集積計画 ( 平成 26 年 6 月 沖縄県 ) より抜粋 1 相当量の貨物を取り扱う開港又は税関空港との隣接 近接性関税法に規定する開港である那覇港及び税関空港である那覇空港は 平成 24 年の国際貨物取扱量がそれぞれ約 119 万トン ( 全国第 79 位 なお コンテナ単位では約 8 万 6 千 TEU で全国第 15 位 ) 及び約 15 万トン ( 全国第 4 位 ) と 相当量の貨物取扱がある 那覇港及び那覇空港が立地する那覇市 浦添市及び豊見城市はもとより これと隣り合う宜野湾市及び糸満市も 両施設から約 10 km圏内にあり かつ幹線道路で一体的に連結されていることから 臨空 臨港型産業 ( 国際物流拠点産業 ) の集積に適した地域である 2 土地確保の容易性那覇市 浦添市 豊見城市 宜野湾市及び糸満市の 5 つの市は 沖縄振興開発計画 ( 昭和 4 7 年沖縄開発庁 ) 以後になされた公有水面埋立面積の合計が 597ha( 順におよそ 77ha 106ha 216ha 79ha 及び 119ha) となるなど 土地利用の拡大が重点的に図られてきた地域であり 都市計画法に基づく工業地域及び商業地域等が 5 市合計で約 1,743ha( 順におよそ 約 768ha 343ha 95ha 274ha 及び 263ha) 確保されているとともに 工場立地法に基づく工場適地等が約 195ha( 豊見城市 12ha 宜野湾市 37ha 及び糸満市 1 46ha) ある 那覇港及び那覇空港の隣接 近接地域として物流施設や工業施設の一定の集積が見られるとともに 今後のさらなるインフラ整備や新たな土地利用が見込めることから 臨空 臨港型産業 ( 国際物流拠点産業 ) の用に関する土地の確保が比較的容易な地域である 3 労働力確保の容易性那覇市 浦添市 豊見城市 宜野湾市及び糸満市の 5 つの市は 県全体の約 46% に相当する約 65 万人の人口を有しているとともに 那覇公共職業安定所管内 ( 那覇市 浦添市 豊見城市 糸満市等 ) における平成 25 年度の新規求職申込件数は 45,659 件となっており 相当数の求職者を有している また 5 つの市及びこれと隣接する町村には 琉球大学を始めとする 8 つの大学 短期大学や 35 の高等学校などの各種教育機関が所在し 毎年多数の卒業生を輩出していることから 労働力の確保が容易である 4 輸送施設等の整備那覇市 浦添市 豊見城市 宜野湾市及び糸満市の 5 つの市は これらを南北に縦断する幹線道路である国道 58 号 同 331 号及び同 332 号が道路交通基盤の骨格を形成し 主要な県道 市道と合わせて高機能な輸送施設が整備されており 沖縄県内の経済 産業活動において 最大かつ一体的な中心拠点となっている このことに加えて 沖縄本島中南部の西海岸沿岸部を縦断する地域高規格道路である沖縄西海岸道路の整備が進み 糸満道路 豊見城道路 那覇西道路 ( 那覇港臨港道路 ( 空港線 )) 及び宜野湾バイパスは既に供用されており 那覇港及び那覇空港と 5 つの市との連結が強化されている 今後 さらなる整備の進展により 那覇港及び那覇空港と 5 つの市とを結ぶ輸送施設の機能がより一層高まることとなる 5 沖縄における産業及び貿易の振興に資するための必要性沖縄が 東アジアの中心に位置する地理的優位性を最大限に活かして魅力的な国際物流拠点を形成するためには アジアの玄関口としての那覇港及び那覇空港の物流機能をさらに強化するとともに 周辺地域において臨空 臨港型産業 ( 国際物流拠点産業 ) の集積を図ることが不可欠である 那覇市 浦添市 豊見城市 宜野湾市及び糸満市の 5 つの市は 那覇港及び那覇空港と隣接 近接するとともに 幹線道路等の充実した陸上交通網により一体的に連結されていることから 臨空 臨港型産業 ( 国際物流拠点産業 ) の集積を図る区域として十分に有機的な結合が実現している また これら 5 つの市は これまで沖縄の経済 産業の中心拠点としての役割を担ってきており 今後 さらに経済 産業 貿易の中心拠点として発展することが期待されている 以上を踏まえ これら 5 つの市を新たに国際物流拠点産業集積地域の区域に定めることにより 那覇港及び那覇空港周辺への臨空 臨港型産業 ( 国際物流拠点産業 ) のさらなる集積を図ることとしたい -23-

(2) 国際物流拠点産業集積地域優遇措置と支援制度 1 国際物流拠点産業集積地域を対象とした税制の優遇措置 沖縄県企業立地ガイド ( 平成 29 年 3 月 ) より -24-

2 企業立地 移転に対する助成 沖縄県企業立地促進条例に基づき 工場等を建設し 操業するために取得した投下固定資産の経費等に対する助成があります 沖縄県企業立地ガイド ( 平成 29 年 3 月 ) より -25-

(3) 沖縄県企業立地促進条例 本条例は 産業の振興と雇用の増大を目的に企業の立地を促すため 企業立地促進地域に進出する企業への助成措置や融資等の優遇措置を位置付けています 上記条例の有効期限は 平成 31 年 3 月 31 日となっています -26-

4 新糸満市企業誘致条例 本条例は 産業の振興と雇用の増大を目的に企業の立地を促すため 特定の地域に立 地する企業に対し 課税の免除や助成金等の優遇措置を位置付けています 上記条例の有効期限は 平成 34 年 3 月 31 日となっています -27-

(5) 企業立地意向アンケート調査の概要 1 糸満市物流団地に係る企業立地意向アンケート調査 調査の目的本調査は 計画地区のうち 物流団地地区 への企業の立地意向等を把握することを目的としています 調査対象者沖縄本島内の流通関連事業所及び県外事業所 418 件を調査対象者としています 抽出方法 平成 29 年度東商企業要覧 ( 沖縄県版 ) の営業種目に 卸売 小売 を含む事業所と 運輸要覧 ( 平成 29 年 12 月 ) の 倉庫業者一覧表 等から抽出しました 調査期間及び調査手法調査期間 : 第 1 期調査 平成 30 年 2 月 6 日 ( 火 )~ 平成 30 年 2 月 23 日 ( 金 ) 第 2 期調査 平成 30 年 3 月 27 日 ( 火 )~ 平成 30 年 4 月 13 日 ( 金 ) 調査手法 : 郵送による配布回収 郵送による配布回収 以外の事業所も調査対象者とするため 糸満市ホームページにアンケート調査票を掲載し FAX メールでも調査票の提出を受け付けました 回収状況配布件数 :424 件有効回収数 :150 件 ( 内 6 件を FAX メール等 郵送以外で回収 ) 有効回収率 :35.4% -28-

2 糸満市物流団地に係る企業立地意向アンケート調査結果 1) 調査対象 : 沖縄本島内の流通関連事業所及び県外事業所 ( 運輸 卸売 小売 ) 2) 回収状況 : 配布件数 424 件有効回収数 150 件 ( 内 6 件を FAX メール等 郵送以外で回収 ) 有効回収率 35.4% 郵送等による回収状況 3) 調査結果 本社所在地本社所在地は 南部 ( 糸満市除く ) が 4 割強 (44.7%) と多く 次いで 中部 (40.0%) 糸満市 (11.3%) となっています また 県外事業所の回答もわずか (0.7%) に見られます 本社所在地 -29-

事務所 物流施設 工場等の新設 移転意向新設または移転の予定については 予定 ( 検討 ) していない が 6 割強 (64.7% 97 件 ) を占めています 一方 検討している 関心がある は4 割弱 (35.3% 53 件 ) 見られます 業種別で見ると 検討している 関心がある で回答が多いのは 運輸業 (66.7% 20 件 ) で 次いで 小売業 (29.7% 11 件 ) 卸売業 (26.8% 22 件 ) となっています また 運輸業 の中でも 道路貨物運送業 は 事業拡大にむけて新設を予定 検討している (33.3% 5 件 ) 新規拠点にむけた新設を予定 検討している (26.7% 4 件 ) の回答が多くなっています 事務所 物流施設 工場等の新設 移転意向 糸満市物流団地への進出意向新設または移転を検討する 53 件の事業所の糸満市物流団地が新設または移転の候補地となる可能性を見ると 現段階ではわからない が約 5 割 (49.1% 26 件 ) と多くなっていますが ある と回答した事業所も4 割強 (43.4% 23 件 ) 見られます 一方 ない と回答した事業所は1 割未満 (7.5% 4 件 ) となっており 新設または移転を検討している事業所において 糸満市物流団地は候補地の可能性が高いことが伺えます 業種別で見ると ある の回答が多いのは 卸売業 の 5 割弱 (45.5% 10 件 ) となっており 次いで 運輸業 (45.0% 9 件 ) 小売業 (36.4% 4 件 ) となっています また 道路貨物運送業 (5 件 ) や 倉庫業 (4 件 ) 機械器具卸売業 (3 件 ) の回答が多く見られます -30-

糸満市物流団地への進出意向 新設または移転する場合の時期新設または移転を検討している時期を見ると 5 年以内 が6 割弱 (57.1% 28 件 ) と多く 次いで 未定 (24.5% 12 件 ) 6 年以内 (10.2% 5 件 ) となっています また 業種別 事業内容別 本社所在地別で見ても 事業所の半数は5 年以内に新設または移転を検討していることが伺えます 新設または移転する場合の時期 -31-

用地の希望面積新設または移転を検討している事業所へ用地の希望面積を尋ねたところ 希望面積を示した事業所は 35 件となっており 希望面積は 5,000 m2未満 (40.8% 20 件 ) が多くなっています また 35 件の合計面積は 196,204 m2 ( 約 19.6ha) となっており 1 事業所当たりの平均面積は 5,605 m2 ( 約 0.56ha) となっています 未定を平均面積と想定した場合 希望する総面積は 274,686 m2 ( 約 27.4ha) となります 糸満市物流団地の想定面積約 34.1ha のうち 分譲想定面積は約 22ha( 約 6 割 ) としていることから 希望面積が分譲想定面積を上回っていることが伺えます 用地の希望面積 希望分譲価格 1 m2当たりの希望分譲価格を尋ねたところ 30,000 円 / m2以内 (24.5% 12 件 ) が多く 次いで 50,000 円 / m2以内 (12.2% 6 件 ) となっています また 具体的な希望分譲価格を示した事業所 21 件の平均額を見ると 35,264 円 / m2となっています 希望分譲価格 -32-

4) まとめアンケート結果から糸満市物流団地へ関心を持っている企業は 糸満市を除く南部が多いですが 中部の企業も同等の関心を持っていることが分かりました これは 南部 中部ともに那覇空港及び那覇港に近いことが一つの要因だと考えられます 新設 移転を検討している49 事業所の事業展開を見ると 物流施設 (65.3% 32 件 ) が最も多いことが分かりました また 新設 移転の時期が 5 年以内であることから 那覇空港のハブ空港としての整備 那覇港の国際コンテナターミナルの整備等による物流拠点地域としての立地が高く評価されていることが伺えます さらに 糸満市は 国際物流拠点産業集積地域 に指定され 税制の優遇措置があることも一つの要因だと考えられます 用地の希望面積は 0.5ha が 40.8% 1ha 未満が 16.3% で合わせると 57.1% となり 全体の約 6 割の企業が 1ha(10,000 m2 ) 未満を希望していることが分かりました 1 事業所当たりの平均希望面積は 5,605 m2 ( 約 0.56ha) となっており 総希望面積は 274,686 m2 ( 約 27.4ha) でした 糸満市物流団地の想定面積約 34.1 ha のうち 分譲想定面積は約 22ha としていることから 総希望面積が分譲想定面積を上回っていることが伺えます -33-

3 糸満市公共交通ターミナルに係る企業立地意向アンケート調査 調査の目的本調査は 計画地区のうち 公共交通ターミナル地区 への企業の立地意向等を把握することを目的としています 調査対象者沖縄本島中南部の交通事業所 100 件 ( バス事業所 33 件 タクシー事業所 41 件 レンタカー事業所 26 件 ) を調査対象者としています 抽出方法 バス事業所 : 運輸要覧( 平成 28 年 12 月 ) タクシー事業所 : 運輸要覧( 平成 28 年 12 月 ) 一般社団法人沖縄県ハイヤー タクシー協会ホームページ 平成 29 年度東商企業要覧 ( 沖縄県版 ) レンタカー事業所 : 一般社団法人沖縄県レンタカー協会ホームページ 調査期間及び調査手法調査期間 : 平成 30 年 2 月 6 日 ( 火 )~ 平成 30 年 2 月 23 日 ( 金 ) 調査手法 : 郵送による配布回収 郵送による配布回収 以外の事業所も調査対象者とするため 糸満市ホームページにアンケート調査票を掲載し FAX メールでも調査票の提出を受け付けました 回収状況配布件数 :100 件有効回収数 : 32 件有効回収率 :32.0% 郵送以外によるアンケート調査への回答はありません -34-

4 糸満市公共交通ターミナルに係る企業立地意向アンケート調査結果 1) 調査対象 : 沖縄本島内の交通関連事業所 ( バス タクシー レンタカー ) 2) 回収状況 : 配布件数 100 件有効回収数 32 件有効回収率 32.0% 郵送による回収状況 3) 調査結果 本社所在地本社所在地を見ると 南部 ( 糸満市を除く ) が7 割弱 (65.6% 21 件 ) と多く 次いで 中部 (25.0% 8 件 ) 糸満市 (9.4% 3 件 ) となっています 本社所在地 -35-

事務所 整備工場 駐車場等の新設 移転意向新設または移転の予定については 予定 ( 検討 ) していない が 5 割弱 (46.9% 15 件 ) と多く 次いで 当面はないが 新規拠点地を検討しているため 移転に関心がある (18.8% 6 件 ) 新規拠点にむけた移転を予定 検討している (12.5% 4 件 ) となっています これらを 検討している 関心がある として見ると5 割強 (53.1% 17 件 ) の回答が見られることから 多くの事業所が新設や移転の可能性を示していることも伺えます 事務所 整備工場 駐車場等の新設 移転意向 糸満市公共交通ターミナル地区への進出意向新設や移転の予定 検討をしている及び関心があると回答した17 事業所の公共交通ターミナルへの新設または移転の候補地となる可能性を見ると 現状ではわからない (47.1% 8 件 ) が多く 次いで ない (35.3% 6 件 ) となっています 一方 ある (17.6% 3 件 ) の回答が少ないため 調査段階においては 公共交通ターミナルが新設や移転候補地となる可能性は明確ではありません しかしながら 現状ではわからない の回答が多いことから 今後 新設または移転の候補地となる可能性があるとも考えられます 業種別で見ると 一般乗合旅客自動車運送事業 ( 乗合 路線バス ) は ある の回答が2 件見られます また 一般貸切旅客自動車運送事業 ( 貸切バス ) は 現状ではわからない の回答が5 件見られるため 今後 新設または移転の候補地となる可能性があるとも考えられます -36-

糸満市公共交通ターミナル地区への進出意向 新設または移転する場合の時期新設または移転を検討している時期を見ると 5 年以内 (45.5% 5 件 ) 及び 未定 (45.5% 5 件 ) が多く 新設または移転を検討している事業所のほぼ半数は5 年以内に新設または移転を検討している状況です 業種別で見ると 5 年以内 を検討しているのは 一般乗合旅客自動車運送事業 ( 乗合 路線バス ) 及び 一般貸切旅客自動車運送事業( 貸切バス ) 自動車賃貸業 ( レンタカー業 自動車リース業 ) となっています 新設または移転する場合の時期 -37-

用地の希望面積新設または移転を検討している 11 事業所へ用地の希望面積を尋ねたところ 希望面積を示した事業所は7 件となっており 希望面積は最小で 1,000 m2 最大で 6,000 m2 となっています また 具体的な面積を示した事業所数で平均面積を算出すると 3,544 m2 となり 未定を平均面積に換算して想定した場合 合計面積は 38,982 m2 ( 約 3.9ha) となります 糸満市公共交通ターミナル地区約 4.5ha のうち 分譲想定面積は約 3.0ha( 約 6 割 ) としていることから 希望面積が分譲想定面積を上回っていることが伺えます 用地の希望面積 希望分譲価格 1 m2当たりの希望分譲価格を見ると わからない (72.7% 8 件 ) が多くなっており 具体的な価格を示した事業所 3 件の平均額を見ると 20,000 円 / m2となっています 希望分譲価格 -38-

4) まとめアンケート結果から 糸満市公共交通ターミナルへの新設または移転について 検討している 関心がある と回答した企業は 17 件 (53.2%) となっています 新設または移転の時期については 5 年以内が多くなっています また 用地の希望面積は 平均面積を算出すると 3,544 m2 となり 未定を平均面積に換算して想定した場合 合計面積は 38,982 m2 ( 約 3.9ha) となります 糸満市公共交通ターミナル地区約 4.5ha のうち 分譲想定面積は約 3.0ha( 約 6 割 ) としていることから 希望面積が分譲想定面積を上回っていることが伺えます 糸満市公共交通ターミナル地区へのニーズが一定程度あることが確認された一方 公共交通ターミナル の趣旨が明確ではないことや 交通量が増えることによる渋滞発生を懸念する意見等がありました (6) 真栄里地区における企業立地の可能性 真栄里地区においては 国際物流拠点産業集積地域としての税制優遇措置や支援制度等の活用の可能性があることや 企業立地意向アンケート調査結果から 糸満市物流団地 糸満市公共交通ターミナルのいずれも希望面積が分譲想定面積を上回っていることから 企業立地の可能性はあると考えられます -39-