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1 2015.5.13. 第 4 回 : 宇宙観の変遷 (2) 近代から現代へ

2 目 次 1. 地球中心から太陽中心へ 1 ギリシャ天文学がイスラム圏へ東ローマ帝国 ユスティニアヌス大帝の弾圧 (530:) 2イスラム圏の拡大とヨーロッパとの文化交流 3ギリシャ天文学 ギリシャ哲学の再興 -ルネサンス( 文芸復興 ) 4ギリシャ天文学批判としての太陽中心説 2. 惑星運動と力学の誕生 3. 太陽系から星の世界へ 4. 銀河と銀河系の認識 5. 宇宙膨張の発見

3 1 ギリシャ天文学がイスラム圏へヨーロッパから消えた研究者と古代天文学ユスティニアヌス大帝の弾圧 (530:) 東ローマ帝国 イスラム圏へ移る ヨーロッパからプラトンも アリストテレスも アルマゲストも消えた 十字軍などによる東西交流の中からアルマゲスト発見 ルネサンスへ 1200 年頃 サン ヴィターレ聖堂 イタリア

4 2 イスラム圏の拡大とヨーロッパとの文化交流ヨーロッパ 中近東 アフリカ

5 3 ギリシャ天文学 ギリシャ哲学の再興 - ルネサンス ( 文芸復興 ) Nicolaus Copernicus 1473 -- 1543 Tycho Brahe 1546 1601 Johannes Kepler 1571 1630 Galileo Galilei 1564 1642 Sir Isaac Newton 1642 1727

6 4 ギリシャ天文学批判としての太陽中心説ニコラウス コペルニクス (1473-1543) ポーランド カトリック司祭 司教座聖堂参事会員 ( カノン ) 知事 長官 法学者 占星術師 医者 1496~1503 イタリア ボローニャ大学 パドヴァ大学へ留学 法律 医学 天文学者ドメーニコ マリーア ノヴァーラと出会う ネオプラトン主義 地動説に傾倒 完全な円軌道に拘泥 幾何学的宇宙観に留まる 1543 主著 天体の回転について 1616 年 ガリレオ ガリレイに対する裁判 天体の回転について は閲覧一時停止 のち 純粋に数学的な仮定との注釈つきで 数年後に再び許可

7 観測事実 1. 太陽 月 星等の日周運動 2. 年周運動 - 特に惑星の運動 太陽 月 星は東から出て 西に沈む 太陽の周期は 1 日 月はそれより 50 分長く 星は 4 分短い それらは北極星を中心にめぐる 5 つの惑星は特別な星で 恒星の間を 1 年に毎に西 東 ( 順行 ) 西 ( 逆行 ) 東 ( 順行 ) とループを描きながら進む 太陽と惑星は恒星を間を移動するが その移動量は水星 金星 太陽 火星 木星 土星の順である 水星と金星は太陽を中心に左右に移動し 太陽から大きく離れることはない 地球は球体

8 1. 太陽 月 星等の日周運動 天頂 天の北極 西 南 北 東

9 2. 年周運動 - 特に惑星の運動 2003 年 火星の逆行 ( 大接近 みずがめ座 天王星と共に )

10 古代の宇宙観 = 日周 年周運動を地球中心に考える 機械的宇宙観 = 地球中心説の完成

11 周転円の導入

12 太陽中心説 日周運動 年周運動を太陽が不動として考える すると 地球が宇宙空間で動くとしなければならない

13 日周運動は地球の自転 天頂 天の北極 西 北極 南 北 南極 東 地平線

14 年周運動は? 古代ギリシャ アリスタルコスの復活 太陽中心説に基づくアルマゲストの書き換え ネオプラトン主義者 地球が太陽を巡るとどんな現象が起こるか? 太陽が中心にある証拠は?

大切 : 惑星の視運動の太陽中心説に基づく説明 15

16 1543 年

17 コペルニクス的転回 コペルニクス的転回 ( コペルニクスてきてんかい 独 : Kopernikanische Wende) とは 物事の見方が 180 度変わってしまう事を比喩した言葉 概要 [ 編集 ] 元々は哲学者のイマヌエル カントが自らの哲学を評した言葉であった ニコラウス コペルニクスは それまでの常識であった地球中心説に対して太陽中心説を唱えた天文学者である 認識論において 人間の認識は外部にある対象を受け入れるものだという従来の哲学の常識に対し カントは人間は物自体を認識することはできず 人間の認識が現象を構成するのだと説いた 人間の認識自体を問う近代的な認識論が成立した これから派生して 物事の見方が180 度変わってしまうような場合にも使われる ( パラダイム転換と同じような意味 ) 現在ではカントの哲学の事ではなく この派生した使い方で主に用いられる なお 実際にはコペルニクスに先行して太陽中心説を提唱した学者は大勢おり コペルニクスの独創ではない またコペルニクスも天体は円運動をするという固定観念に縛られており これを修正し実際には楕円運動をしている事を発見したのはヨハネス ケプラーであった

18 De Revolutionibus Orbium Coelestium 2013 年 2 億円!

19 目 次 1. 地球中心から太陽中心へ 2. 惑星運動と力学の誕生 1ティコの精密な惑星位置観測 2ケプラーによる惑星運動の3 法則 3ガリレオによる古い運動学の打破と新天体 新現象の発見 4ニュートンによる力学の構築 3. 太陽系から星の世界へ 4. 銀河と銀河系の認識 5. 宇宙膨張の発見

20 1 ティコの精密な惑星位置観測 垂直四分儀 高度測定用 16inch(40cm) 60cm 165cm 210cm 小型は横回転 大型は固定 210cm 壁四分儀 - 子午線方向 - 精度 10 ( 目盛 0.1mm!)( 図 ) sighting plateも工夫 時計 : 恒星時

21 2 ケプラーによる惑星運動の 3 法則ヨハネス ケプラー (1571-1630) ドイツ 1599 年 ティコ ブラーエ (1546-1601) の助手 ティコの惑星観測の結果 (1576~1597) から 惑星の運行に関する 3 法則を

22 第 1 法則 ( 楕円軌道の法則 ) 惑星は 太陽をひとつの焦点とする楕円軌道上を動く ニュートンが解決 ピタゴラスからの脱却

23 第 2 法則 ( 面積速度一定の法則 ) 惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は 一定である ( 面積速度一定 ) 太陽 - 惑星間の力の存在を示唆 ケプラーは磁気的なものを ニュートンが解決

24 第 3 法則 ( 調和の法則 ) 惑星の公転周期の 2 乗は 軌道の長半径の 3 乗に比例 太陽 惑星間距離がわかるように 理由はニュートンが

25 ケプラーの貢献 惑星運動が精密に理解できるようになった 万有引力の法則 現代の運動の法則を築く基礎になった 幾何学的宇宙構造から運動学的構造へ アルマゲストがようやく不要になった 古代ギリシャを乗り越えたのはケプラー ニュートン力学の準備

26 3 ガリレオによる古い運動学の打破と新天体 新現象の発見ガリレオ ガリレイ (1564-1642) 1609 天体望遠鏡製作 1610 星界の報告 出版 1616 第 1 回異端審問所審査 以後 地動説を唱えないよう注意 1632 天文対話 刊行 1633 第 2 回異端審問所審査 終身刑 ( 後 軟禁に減刑 )

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28

29 ガリレオの運動学 自由落下 - 質量によらない - 速度が時間に比例 - 落下距離が時間の 2 乗に比例 慣性の法則 - 地球が自転しても風は吹かない - 船で物を落下させても真下に落ちる つまり 地球が自転 公転しても皆が心配するようなことは起こらない アリストテレスの説明と矛盾

30 古代哲学者 アリストテレスの説明と矛盾 E pur si muove 数値的とらえ方を導入 太陽中心説補強 ( 円に固執 反ケプラー ) 天を神の世界から解放 地上と同じ法則がはたらくことを示唆 ニュートン力学への準備

31 4 ニュートンによる力学の構築アイザック ニュートン (1643-1727) 1665 万有引力発見 微分および微分積分学へと発展 1687 自然哲学の数学的諸原理 刊行 1704 光学(Opticks) 刊行

32 重力 = 万有引力 運動の法則 ケプラーの 3 法則を全て理論的に導く これを一般化し 天体 地上までの運動法則を導き 近代科学の祖となった 太陽中心説 = 地動説の確立

33 大航海時代と国家天文台 パリ天文台 ( フランス ) 1671 竣工 1679 世界初の国の海事暦 ( 木星の衛星による食現象を利用した経度決定法 ) グリニッジ天文台 ( イギリス ) 1675 設立経度の原点 (0 度 )

34 目 次 1. 地球中心から太陽中心へ 2. 惑星運動と力学の誕生 3. 太陽系から星の世界へ 4. 銀河と銀河系の認識 5. 宇宙膨張の発見

35 1.W. ハーシェル (1738-1822)

36 夜空に星が見える それだけ? 36 天文学概論 Ⅰ 加藤賢一

37 オリオン座風景 天文学概論 Ⅰ 加藤賢一

38 星雲の大規模なカタログ編纂 太陽系の外へ多様な星の世界 二重星の研究 - ケプラー運動が太陽系外でも成立 恒星の固有運動の研究 - 太陽系の運動 天の川の構造を研究

39 目 次 1. 地球中心から太陽中心へ 2. 惑星運動と力学の誕生 3. 太陽系から星の世界へ 4. 銀河と銀河系の認識 5. 宇宙膨張の発見

この天体の正体は? 40

41 銀河は宇宙全体か 一部か?

42 目 次 1. 地球中心から太陽中心へ 2. 惑星運動と力学の誕生 3. 太陽系から星の世界へ 4. 銀河と銀河系の認識 5. 宇宙膨張の発見 1 後退する銀河の発見 2ハッブルの法則と膨張宇宙 3ビッグバン理論の誕生 4ビッグバン理論の精緻化

43 1 後退する銀河の発見パーシヴァル ローウェル (1855-1916) ヴェスト スライファー 日本に5 回 火星人 1912 1920 年代 銀河の運動検出 約 50 銀河 後退

44 2 ハッブルの法則と膨張宇宙 1924 年 アンドロメダ銀河までの距離 銀河は遠い天体! 銀河系 銀河の確立

45 遠い銀河ほど速く遠ざかる! 1929

46 膨張する宇宙 46 宇宙の誕生と進化 加藤賢一

47 3 ビッグバン理論の誕生先駆者ルメートルアインシュタインの失敗と後悔 1905 年特殊相対論 1915 年一般相対論 宇宙項の導入 1917 1 R μν Rgμν + Λgμν = 2 8πG c 4 T μν

48 4 ビッグバン理論の精緻化ガモフ (1904-68) 1948 ガモフの成功と失敗 H He はでき He 量の説明に成功 でも 他の元素はダメだった 宇宙の温度を 5K と予言 48

49 1965 宇宙の温度計測に成功 1978 年ノーベル賞 Bell 研究所 ペンジャス ウィルソン 49

50 火の玉宇宙論 ビッグバン宇宙論の確立宇宙の温度は絶対温度 2.7 度だった 宇宙が 1 万度くらいの時の光が宇宙膨張で薄められ 2.7 度に見える 非常にきれいな黒体放射 全天のあちこちから 50

51 今日の課題 太陽中心説の立場から以下の現象を図を交えて説明せよ 1 太陽 月 星などの日周運動 2 惑星の順行 逆行運動