3 年図画工作科実践事例 1. 単元すきな場面を - お話の絵 - ( 日本文教出版 3 4 年上 そのときの気持ちを大切に 関連 ) 2. 指導時期 5 月 3. 目標 読んだり聞いたりしたお話の 好きな場面を想像して絵に表すことを楽しむことができる イメージをふくらませて 想像したことを工夫して表すことができる 自分や友達の絵を見て表し方のよさに気付き 感想を話し合うこ とができる 4. 指導にあたって この時期の子ども達はお話を読んだり聞いたりすることが好きである 主人公と自分を 重ね合わせたり お話の続きを考えてみたりとお話に入り込んで楽しんでいる 本題材は お話の中の好きな場面を想像して絵に表そうというものである 児童の実態 に合わせ 取りあげるお話は一人一人が違ってもよいし 学級で同じものでもよい また 児童が読んだものであってもよいし 指導者が読み聞かせたものであってもよい お話の世界に慣れ親しんでいる子ども達は お話を読んだり聞いたりしている途中にも 次から次へとイメージを広げていることだろう 自分が表したい場面や表そうとするもの をはっきりともつだけではなく 場面の雰囲気や明るさ 風や温度 においまで次々とイメージをふくらませて想像の世界を楽しむことができると思われる 言語として受け取っ た情報を形や色に置き換えて表現するまでには イメージの整理が不可欠である そこで ワークシートを活用して表そうとするものをより明確にさせることにした 材料や用具については 子ども達のイメージを大切にする視点から いろいろなものを 使わせたい 色画用紙や和紙 ボール紙など紙の質が異なるだけでも子ども達の多様な表 現が生まれる 使い慣れたパスや絵の具 さらにはサインペン 墨汁など子どもの思いに合った描画材も選ばせてみたい その際 選んだ紙や描画材が自分の表現しようとするも のにどのように効果的なのかを子ども達が考えてから選ばせるようにしたい 作品が出来上がったら鑑賞し合い 友達の表現の工夫や面白さなどについて話し合い 互いの表現を認め合えるようにしたい この単元での基本重要語彙場面イメージ線描彩色和紙墨汁ボール紙 お話を読んだり聞いたりして 発想を広げたりイメー ジをふくらませたりする この単元で重視した言語活動 表現することを明確にするために イメージしたことを文や言葉で書きとめる 出来上がった作品を鑑賞し合い 形や色 表し方の面白さなどに気付き 話し合う
Ⅰ ( ) Ⅱ 5. 学習指導計画 ( 全 5 時間 ) 評価の観点 次時学習活動指導上の留意点 1 1. 読んだり聞いたりしたお 取りあげるお話は一人一人が違ってもよい 時 話の中から 絵に表した し 学級で同じものでもよい また 児童 間 い場面を思い出し 表し が読んだものであってもよいし 指導者が 本時 方を考える 読み聞かせたものであってもよい 自分の想像した場面のイメージを大切にす ワークシート1 イメージカード るように助言する 読んだり聞いたりしたお話の中から 絵に表したい場面を思い出してみましょう それはどんな場面でしたか イメージカードに言葉や文で書いてみましょう 一番表したいものを丸で囲みましょう どの場面を描こうかな 図書の時間に読んだ絵本の場面にしよう 不思議な世界に行くあのお話にしよう どんな表し方をするといいかな 使う紙や描画材は何がいいかな イメージカード に書くことで 表そうとするものがはっきりしてきたよ お話の場面を絵に表すことに興味 関心を もつ 3.5 2. 自分の思いに合った表し 自分の表現に効果的な紙や描画材を選ぶよ 時 間 方を考えて表現する イメージカードをもとにして線描や彩色などを うに助言する 表そうとするもののイメージに合わせて 工夫し 想像した場面を パスや絵の具を効果的に使うように助言す 思い通りに表す る 表したいものにぴったりの紙を選んでみましょう サインペンやパス 絵の具 墨汁など描く用具も工夫してみましょう 自分が表そうとする場面に合う表現を工夫しましょう
Ⅲ 楽しい雰囲気を表したいので ピンク色の画用紙に描こう 昔話の雰囲気を出したいので和紙に絵の具で描こう 穴の中の場面を表したいので 土の部分を茶色の色画用紙で貼ろう まず サインペンを使って線で描こう イメージカードを見たら 自分の描きたいものが思い出せたよ 強そうな鬼はパスで塗り込んで表現しよう 水の中の場面だから透きとおった感じを出そう 絵の具の色を混ぜて 怪しげな雰囲気を表す色づくりをしよう 線で描くときには ゆっくり丁寧に 一度き りの線で表現するようにする 表現しているうちにイメージカードに書い たことと違ってきても認めるようにする 描画材を選んだり表し方を工夫したりして 思いに合った表現をする 0.5 時 3. 互いに鑑賞して話し合う 自分や友達の表現を見て 友達の作品や自分の作品を見て よいところを見付けて話し合いましょう 間 工夫した表現や面白い表し方に気付く 明るい色で塗っていて 空を飛んでいる楽しさが表れているよ 大きく描いてあるので 強そうな鬼だな と思いました 和紙に描いたので 昔話の雰囲気が出ているよ 友達が描いたあのお話を 自分も読んでみたいな 自分や友達の作品のよさを感じ取ることができる
6. 本時の展開 (1/5) 使用するワークシート ワークシート1 学習活動指導上の留意点絵に表したいお話について話し合う 1. 読んだり聞いたりしたお話の中から 絵に表したいものについて話し合う お話の題名だけではなく 印象に残っている 場面やなぜ心に残っているのかなども 話し 合うようにする 読んだり聞いたりしたお話の中から 絵に表したいものを思い出してみよう 図書の時間に読んだ エルマーのぼうけん が面白かった 島ひきおに に出てくる鬼は強そうだったから 絵に描いてみたいです 不思議な世界に行くお話が忘れられないので それを描きます 読んだり聞いたりしたお話を思い出し 理由や根拠をあげて説明することが大切である 絵に表したい場面を想像し ワークシートに書く 2. 読んだり聞いたりしたお話から絵に描きたい場面を選び そのイメージを文や言葉で書く 思い出しにくい児童も 友達の話を聞くことをきっかけにしてお話の絵を描くことへの興味がもてるようにする 表すものや周りの様子 表し方の工夫など多面的に想像をふくらませるようにする いろいろな紙や描画材によって表現に違いが 生まれることを事前に知らせておき 自分の 思いに合ったものを選べるようにする 絵に描きたい場面のイメージを 文や言葉でワークシートに書きましょう いっせいに飛び立ったカモが羽ばたいているように表したいです 宝石のようにきらきら輝く海は 青と白の絵の具を重ねて描きます 土の中は薄暗くて 明かりをつけたところは暖かそうだったよ 周りは暖かそうな色にします 1 出てくるもの 2 周りの様子 3 表し方の工夫の視点にそって整理する 色や形で表現するときの手がかりとなる言葉を選んで書くようする ( 例 ) きらきら輝く海暖かそうな色色を重ねる
楽しい雰囲気を表したいので色画用紙に描きます 昔話の世界を表現するには 和紙や墨汁を使うといいと思います 強そうな鬼はパスでしっかり塗り込むと感じが出るだろうと思います 描きたい場面のイメージがだいぶはっきりしてきました 絵に表すのが楽しみです ワークシートで書き表せないところがあっても それを認め 絵に表す中で表現していくよう励ます 板書例 すきな場めんを ( お話の絵 ) 絵にあらわしたい場めんを考えましょう えらんだおはなし あらわしたい場めん 出てくるものや人 まわりのようす あらわしかたのくふう ( いろいろな紙や描画材の見本 )
ワークシート活用のポイント 図 -3 年ワークシート 1 すきな場めんを ( お話の絵 ) イメージカード 3 年組名前 ( ) 絵にあらわしたい場めんを思いうかべてみましょう えらんだおはなし エルマーのぼうけん 重視した言語活動 読んだり聞いたりしたお話から絵に描きたい場面を選び 文や言葉で書くことによってイメージをはっきりさせる あらわしたい場めん ジャングルで出会ったとら にチューインガムをあげる ところ あらわしかたのくふう ( 形 色 大きさ ざいりょうなど ) こわいとらを大きくかく ジャングルをみどりいろのがようしをちぎってあらわす 出てくる人やもの エルマー とら まわりのようす うすぐらくて気みの悪いジャングル イメージしたことを書くようにさせる 文として書けなくても 言葉を並べるだけでもよい ワークシートを全部書かせることよりも イメージを言葉で表現することを大切にしたい 書けない部分ができても認め 絵に表す中で表現していくよう励ます あらわしかたのくふう は 描画材のことなども書くとよい あらかじめ子ども達に 材料や用具による表現の違いなどを知らせておくようにする