BKL Kit (Blunting Kination Ligation Kit)

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Transcription:

製品コード 6126/6127 BKL Kit (Blunting Kination Ligation Kit) 説明書

PCR 産物を平滑末端ベクターにクローニングする場合 使用するポリメラーゼ酵素の種類により 3' 末端に余分に付加された塩基を除去し さらに 5' 末端をリン酸化する必要があります 本製品は これらの一連の反応を簡便に短時間に行うためのキットです PCR 産物の末端平滑化とリン酸化を同時に行うことにより 一度の反応でライゲーション可能な DNA 断片を得ることができます 反応に用いる PCR 産物は酵素の失活 未反応の dntp やプライマーの除去等の前処理の必要はなく 反応後はタンパク質除去用フィルター付遠心チューブ Micropure -EZ を使用することにより わずか 30 秒の遠心で酵素を除去することができます また ライゲーション反応には 効率の良い DNA Ligation Kit と同じものを使用しています このため ライゲーション反応までの操作を極めて短時間のうちに終了することができます I. キットの内容 ( 24 回分 ) TaKaRa BKL Kit( Blunting Kination Ligation Kit )( 製品コード 6126 ) A.BKL Kit 試薬セット 1.10 Blunting Kination Buffer 50 μl 2.Blunting Kination Enzyme Mix 25 μl 3.Ligation Solution I * 1 150 μl 4.Control Vector( puc118-hinc II/BAP ) 50 ng/μl 5 μl 5.Control Insert * 2 200 ng/μl 10 μl 6.ddH2O 500 μl B.Micropure -EZ 24 個 * 1:Ligation Solution I は DNA Ligation Kit Ver. 2.1( 製品コード 6022 ) に含まれる試薬と同じものです * 2:λ- DNA を鋳型として TaKaRa Taq で増幅した 500 bp の PCR フラグメント TaKaRa BKL 試薬セット ( 製品コード 6127 ) は上記 A. BKL 試薬セットのみの製品です B. Micropure -EZ は含まれておりません II. キット以外に必要な試薬 脱リン酸化平滑末端ベクターコンピテントセルまたはエレクトロセル SOC 培地 LB プレート III. 保存 BKL Kit 試薬セット 20 Micropure -EZ 室温 2

IV. 操作 IV-1. 操作手順 A.PCR 反応液をそのまま使用する場合 Blunting Kination 反応 1. マイクロチューブ内で以下の反応液を調製する PCR 反応液 2 μl 10 Blunting Kination Buffer 2 μl Blunting Kination Enzyme Mix 1 μl ddh2o 15 μl Total 20 μl 2. 37 で 10 分間保温する 3. Micropure -EZ のフィルターカップを付属のマイクロチューブにセットする 4. 2. の反応液を Micropure -EZ のフィルターカップ内に移す 5. 10,000 ~ 15,000 rpm で 30 秒間遠心する ライゲーション反応 6. 新しいマイクロチューブに 5. のろ液を 5 μl 入れる 7. 脱リン酸化した平滑末端ベクター ( 50 ~ 100 ng/μl )1 μl を加え 混合する 8. 6 μl の Ligation Solution I を加え 混合する 9. 16 で 1 時間保温する 10. 100 μl のコンピテントセルに対して 9. の溶液全量を用いて形質転換を行う エレクトロポレーション法により形質転換する場合は エタノール沈殿やフェノール抽出などのバッファー交換をしてから行う * PCR 産物に目的のバンド以外のバンドが混在している場合や 低分子のインサート DNA ばかりがクローニングされる場合には アガロースゲル電気泳動による目的フラグメントの精製を行ってください * PCR 反応液の使用量は 2 μl 程度が適当です 多量に用いた場合 反応効率が低下しますので 必要に応じてエタノール沈殿などによるバッファー交換を行ってください 3

B. 精製した DNA 断片を用いる場合 IV-2. 使用上の注意 Blunting kination 反応 1. マイクロチューブ内で以下の反応液を調製する DNA Fragment 0.2 ~ 20 pmol 10 Blunting Kination Buffer 2 μl Blunting Kination Enzyme Mix 1 μl ddh2o X μl Total 20 μl 2. 37 で 10 分間保温する 3. Micropure -EZ のフィルターカップを付属のマイクロチューブにセットする 4. 2. の反応液を Micropure -EZ のフィルターカップ内に移す 5. 10,000 ~ 15,000 rpm で 30 秒間遠心する ライゲーション反応 6. 新しいマイクロチューブに 5. のろ液を適当量入れる * 7. 脱リン酸化した平滑末端ベクター ( 50 ~ 100 ng/μl )1 μl を加え 混合する 8. 等量の Ligation Solution I を加え 混合する 9. 16 で 1 時間保温する 10. 100 μl のコンピテントセルに対して 9. の溶液全量を用いて形質転換を行う エレクトロポレーション法により形質転換する場合は エタノール沈殿やフェノール抽出などのバッファー交換をしてから行う * インサートとベクターの割合 ( モル比 ) は 2:1 ~ 10:1 が適当です 1. Ligation Solution I は氷水中で溶解し 撹拌してから使用してください 凍結融解による失活はありません 2. ライゲーションが起こりにくい場合は以下の方法をお試しください 反応時間を overnight まで延長してください ライゲーション反応後の溶液に終濃度 500 mm になるように NaCl を加えて形質転換を行ってください 塩を加えることにより 形質転換の効率を上げることができます 以上の操作で改善されない場合は DNA の再精製をお薦めします 3. lac Z を持つベクターを使い 短い DNA 断片をクローニングした場合 インサートが挿入されても停止コドンの出現 フレームシフト等が起こらずカラーセレクションプレート上で淡青色のコロニーを生じることがあります 4. 短い DNA 断片をクローニングした場合 インサート DNA 同士がライゲーションされ数個つながった状態のクローンが出現することがあります 5. PCR 反応にミネラルオイルを使用した場合は 反応液にミネラルオイルが混入しない様に注意してください 4

V. コントロール実験 1. 次の反応液を調製する Control Insert 2 μl 10 Blunting Kination Buffer 2 μl Blunting Kination Enzyme Mix 1 μl ddh2o 15 μl Total 20 μl 2.37 10 min インキュベートする 3. 反応液を Micropure -EZ のフィルターカップに移す 4.10,000 ~ 15,000 rpm で 30 秒間遠心する 5. ろ液を用いて次の反応液を調製する ろ液 Control Vector Ligation Solution I Total 5 μl 1 μl 6 μl 12 μl 6.16 1 hr インキュベートする 7. 全量を使用して E. coli JM109 Competent Cells 100 μl を形質転換する 8. アンピシリン X-Gal IPTG を含むプレートに塗付する 1 10 8 コロニー /μg puc118 DNA の形質転換効率を持つコンピテントセルを使用した場合 ベクター 50 ng あたり約 2 ~ 8 10 3 個のホワイトコロニーが得られます Control Insert の両末端の配列は 5'-GAC GTC-3' になっている このため 正しく処理された場合には Hinc II サイトが再生され インサートを切り出すことができます 5

VI. 鎖長の異なるフラグメントのクローニング例 λ-dna を鋳型として TaKaRa Taq を用いて増幅した 200 bp 500 bp 1,000 bp 1,500 bp 2,000 bp の PCR 産物を キットのプロトコールに従って平滑化 リン酸化を行い 脱リン酸化した puc118 の Hin c II サイトにクローニングし E.coli JM109 Competent Cells を形質転換させてカラーセレクションを行った また 1,000 bp 1,500 bp 2,000 bp の PCR 産物をアガロースゲル電気泳動後 ゲルから精製し ほぼ等量の DNA を用いて同様に実験をおこなった なお ゲルからの DNA の回収には SUPREC -01( 製品コード 9040 ) を用いた 結果 A.PCR 産物をそのまま用いた場合 B. アガロースゲルにより精製したフラグメントを用いた場合 インサート DNA 鎖長 ( bp ) 白色コロニー / 青色コロニー ( /50 ng puc118 DNA ) インサート / 白色コロニー 200 6.2 10 4 / 6.0 10 3 9/10 500 4.7 10 4 / 5.6 10 3 9/10 1,000 2.5 10 4 / 4.6 10 3 10/10 1,500 1.2 10 4 / 4.2 10 3 8/10 2,000 1.2 10 4 / 6.8 10 3 6/10 本実験で使用したコンピテントセルは 7.0 10 8 コロニー /μg puc118 インサート DNA 鎖長 ( bp ) 白色コロニー / 青色コロニー ( /50 ng puc118 DNA ) インサート / 白色コロニー 1,000 4.1 10 4 / 5.0 10 3 9/10 1,500 2.3 10 4 / 4.0 10 3 10/10 2,000 1.2 10 4 / 4.0 10 3 8/10 DNA の形質転換効率を持つ なお インサートの有無は PCR によって確認した ゲル精製により 効率が上がることがわかる 6

VII.PCR 反応に用いる酵素の比較 TaKaRa Taq TaKaRa Ex Taq TaKaRa LA Taq Pyrobest DNA Polymerase を用い λ-dna を鋳型として増幅した 1,000 bp の PCR 産物を本キットのプロトコルに従い puc118 の Hin c II サイトにクローニングし E. coli JM109 を形質転換してカラーセレクションをおこなった PCR に使用した DNA Polymerase 白色コロニー / 青色コロニー ( /50 ng puc118 DNA ) インサート / 白色コロニー TaKaRa Taq 6.9 10 3 / 1.2 10 3 5/6 TaKaRa Ex Taq 6.1 10 3 / 4.5 10 2 6/6 TaKaRa LA Taq 7.2 10 3 / 1.2 10 3 6/6 Pyrobest DNA Polymerase 7.1 10 3 /8.3 10 2 6/6 本実験で使用したコンピテントセルは 2.5 10 8 コロニー /μg puc118 DNA の形質転換効率を持つ なお インサートの有無は PCR によって確認した VIII. 関連製品 Micropure -EZ( 製品コード 42529/42530 ) E. coli JM109 Competent Cells( 製品コード 9052 ) E. coli JM109 Electro-Cells( 製品コード 9022 ) IPTG( 製品コード 9030 ) X-Gal( 製品コード 9031 ) SUPREC -PCR( 製品コード 9073 ) Microcon -100( 製品コード 42412/42413 ) SUPREC -01( 製品コード 9040 ) SUPREC -EZ( 製品コード 9140 ) EASYTRAP Ver. 2( 製品コード 9410 ) TaKaRa RECOCHIP( 製品コード 9039 ) puc118 Hinc II/BAP( 製品コード 3322 ) Mighty Cloning Kit( Blunt End )( 製品コード 6026 ) IX. 注意 本製品は研究用として販売しております ヒト 動物への医療 臨床診断用には使用しないようご注意ください また 食品 化粧品 家庭用品等として使用しないでください タカラバイオの承認を得ずに製品の再販 譲渡 再販 譲渡のための改変 商用製品の製造に使用することは禁止されています 7

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