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Transcription:

2018 年 4 月 10 日 自動運転車 に関する意識調査 ( アンケート調査 ) ~ 自動運転技術 に対する認知度はドイツの消費者の方が高いことが判明 ~ 損害保険ジャパン日本興亜株式会社 ( 社長 : 西澤敬二 以下 損保ジャパン日本興亜 ) は 4 月 10 日の 交通事故死ゼロを目指す日 を前に 事故のない安心 安全な社会の実現 の重要な手段と考えられている自動運転技術の普及促進に向けて 日本と状況が類似しており国内の法制度等の検討において比較されるケースの多いドイツで 自動運転車の社会受容性および法的責任に関する意識調査 ( アンケート調査 ) を実施し その結果を2017 年 2 月に日本で実施した同調査の結果 と比較しました 2017 年 2 月の日本の調査結果 :http://www.sjnk.co.jp/~/media/sjnk/files/news/2017/20170410_1.pdf 1. 調査実施の背景自動運転技術は 交通事故の削減 交通渋滞の緩和 高齢者や過疎地における移動手段の確保 物流業界の人材不足解消などさまざまな社会的効果が期待されることから 早期実現に向けた研究 開発が進められています また 自動運転利用中の事故における損害賠償責任の考え方についても 国土交通省の 自動運転における損害賠償責任に関する研究会 において 当面の 過渡期 においては自動車損害賠償保障法の 運行供用者責任 の考え方が維持され 迅速な被害者救済等は引き続き行われていくものと整理されています 1 一方 自動走行が社会に浸透していくためには 自動運転技術の開発 法制度の整備はもちろんのこと 消費者の認知や理解 自動運転車の購入ニーズ 事故時を含めた不安解消などの社会受容性の高まりがより重要になると考えられます これらは世界各国が共通に有する課題と考えられ 今回自動運転車普及時の制度等を検討するうえで日本と比較されるケースの多いドイツ 2 で受容性等の定量調査を実施しました 1:2025 年ごろまでの過渡期 ( 自動運転車と自動運転車でない車が混在する時期 ) を想定したものとされています 詳細は 自動運転における損害賠償責任に関する研究会報告書 を参照ください http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000048.html 2: ドイツを調査対象とした理由 ( 補足 ) 1 日本との類似性日本では1955 年に 自動車損害賠償保障法 が制定され 自動車事故における迅速な被害者救済のセーフティネットの役割を果たしています 同法の導入の検討時には それ以前に制定されていたドイツ自動車交通法の内容を参考にしており 枠組みには類似点が多いとされています また 主要な自動車製造者を国内に抱えている点についても 日本との類似性が高いとされています 2 直近の動向ドイツでは2017 年 6 月に道路交通法 (StVG) が改正され 自動走行機能を有する自動車の定義 自

動走行の機能を使用する際のの義務 走行データ保管期限 などが規定されました また 自動運転のソフトウェアが倫理面で遵守すべき要件が示されるなど 具体的な法改正等が進んでいます また SAE International レベル3の自動車の販売を開始する自動車メーカーも出てきており これらの動きが消費者の意識に影響を与えている可能性が考えられます (SAE International における自動運転レベルの定義の概要は巻末を参照ください ) 2. 調査概要 (1) 調査期間 :2018 年 2 月 (2) 調査方法 : インターネットアンケート調査 (3) 調査対象 : ドイツ在住の20~70 代男女一般生活者 ( ドライバー以外を含む ) (4) 回答数 :3,000サンプル( 下記 12 区分 各 250 名 ) 性別: 男性 女性 (2 区分 ) 年代:20~70 代 (20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代の計 6 区分 ) 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代男性 250 名 250 名 250 名 250 名 250 名 250 名女性 250 名 250 名 250 名 250 名 250 名 250 名 3. 調査結果 ( 注 : 比較には 2017 年 2 月に実施した日本における調査結果を使用しています ) (1) 自動車の運転に関する傾向 ( 運転頻度 運転の好み ) ドイツでは ほとんど毎日運転する と答えた方は51% と日本 (40%) を上回ります また 運転が好き と答えた方は58% と日本 (26%) の2 倍超となっています

(2) 自動運転技術に対する認知ドイツでは 自動運転車の技術レベル (SAE International レベル1~5を提示 ) について 知っている おおむね知っている と答えた方は57% と日本 (31%) を上回りました 自動車そのものに対する関心の高さだけでなく 近時の自動運転技術に対する報道の充実などが要因である可能性が考えられます (SAE International における自動運転レベルの定義の概要は巻末を参照ください ) (3) 自動運転に対する 期待 不安 自動運転中にしたいこと ドイツでも 交通事故の減少 を期待する方が日本と同様に最も多いことが分かりました 日本の場合 交通事故の減少 への期待が他を大きく上回っていますが ドイツにおいては 運転負荷の軽減 や 渋滞の緩和 にも 交通事故の減少 と同程度の期待が寄せられています なお ドイツでは自動運転中にしたいこととして テレビ DVDを見る ゲームをする 睡眠をとる 等の運転以外に集中力が向く事柄への受容性が低い傾向が見受けられました

(4) 完全自動運転車の事故の損害賠償責任の所在ドイツでは 日本と異なり 自動運転車の製造者 ( 自動車メーカー等 ) という回答が最も多い結果となりました 現在 ドイツでは 所有者が一時的に事故時の損害賠償責任を負う ことになりますが 社会受容性の観点からも 完全自動運転車の普及を見据えて 損害賠償責任の在り方に関し さらに検討する必要もあると考えられます

国土交通省自動車局保障制度参事官室佐藤典仁企画調整官のコメント ( 森 濱田松本法律事務所より出向中 ) 2018 年 3 月に公表した 自動運転における損害賠償責任に関する研究会 の報告書では 自動運転でも自動車の所有者等には運行支配および運行利益を認めることができること 迅速な被害者救済を実現する現在の枠組みは有効性が高いこと等の理由から 現在の運行供用者責任の枠組みを維持することが適当とされています また 自動運転の欠陥による事故の場合には 保険会社等は自動車メーカー等に対して求償することになりますが その実効性確保のための仕組みについては 関係省庁 関係団体等を交えて検討していく予定です なお 研究会の議論は レベル4までの自動運転車と自動運転車でない車が混在する 過渡期 を想定したものですが 報告書では 今後の自動運転車の普及状況等によっては 損害賠償責任に関して更なる検討が必要となる可能性もあることから 2020 年代前半を目途に検証する必要があるとされています 完全自動運転車の事故の損害賠償責任の所在についての調査結果では 日本とドイツでは異なる結果となっている一方で いずれにおいても 自動運転車の製造者 ( 自動車メーカーなど ) が責任を負うべきとの回答も一定数見られます 将来の検討にあたっては 完全自動運転車の普及を見据えた検討も必要になることも想定されますが 社会受容性等も考慮した検討のためには このような調査の意義は大きく 今後も定期的に実施されることを期待します 4. 今後について本調査の結果から 自動車そのものや自動運転車に対するドイツと日本の違いや共通点を明らかにすることができました 損保ジャパン日本興亜は 今回の調査結果を商品 サービスの開発につなげるだけでなく 国内外の情勢を注視しつつ 事故対応やロードアシスタンスサービスで蓄積した経験や 現在提供している安全運転支援サービスである ポータブルスマイリングロード 等による走行データを活用した各種サービス提供のノウハウも活用し さまざまなステークホルダーと連携して自動運転技術の普及および自動車に関する社会的課題の解決に向けて貢献していきます 以上 ( 参考 )SAE International における自動運転レベルの定義の概要 レベル 概要 安全運転に係る監視 対応主体 が全てあるいは一部のタスクを実施 SAE レベル 0 が全ての運転タスクを実施 運転自動化なし SAE レベル 1 が前後 左右いずれかの車両制御に係る運転タスクのサ 運転支援 ブタスクを実施 SAE レベル 2 部分運転自動化 が前後 左右の両方の車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施 自動運転が全ての運転タスクを実施 SAE レベル 3 条件付運転自動化 が全ての運転タスクを実施 ( 限定領域内 ) 作業継続が困難な場合のは の介入要求等に対して 適切に応答することが期待される ( 作業継続が困難な場合は ) SAE レベル 4 が全ての運転タスクを実施 ( 限定領域内 ) 高度運転自動化 作業継続が困難な場合 利用者が応答することは期待されない SAE レベル 5 完全運転自動化 が全ての運転タスクを実施 ( 限定領域内ではない ) 作業継続が困難な場合 利用者が応答することは期待されない