教育課程研究集会資料 平成 23 年 8 月 学習評価の方向性 学習評価の意義や現在の学習評価の在り方が小 中学校を中心に定着 新学習指導要領における学習評価について 次代を担う児童 生徒に 生きる力 をはぐくむ理念を引き継ぐ 今回の学習評価の改善に係る 3 つの基本的な考え方 現在行われている学習評価の在り方を基本的に維持しつつ, その深化を図る 新しい学習指導要領における改善事項を反映 教育は, 地域や学校, 児童生徒の実態に応じて効果的に行われることが重要 徳島県立総合教育センター 学習評価の方向性 学習評価の改善について ( 平成 22.5.11 通知 ) 学習評価を通じて, 学習指導の在り方を見直すこと個に応じた指導の充実を図ること学校における教育活動を組織として改善することが重要である 新学習指導要領を踏まえた観点の設定 各教科の内容等に即して思考 判断したことについて, その内容を言語活動を中心とする表現に係る活動と一体的に評価する観点として, 思考 判断 表現 を設定 従来の 技能 表現 の観点の 表現 との混同を避けるため, 技能 に改める 新しい観点 知識 理解 技能 思考 判断 表現 関心 意欲 態度 各教科の評価の観点は上に示した観点を基本としつつ教科の特性に応じて設定 1
学力の 3 つの要素との整理 知識 理解 評価の4 観点 知識 理解 技能 表現 技能 学力の 3 要素 基礎的 基本的な知識 技能 各教科で習得すべき知識や重要な概念等を理解しているかどうかを評価する 現在の 知識 理解 の趣旨を踏まえた評価を引き続き行う 思考 判断 表現 思考 判断 思考力 判断力 表現力等 関心 意欲 態度 主体的に学習に取り組む態度 各教科の内容等に即して思考 判断したことについて, その内容を言語活動を中心とする表現に係る活動と一体的に評価する観点として, 思考 判断 表現 を設定したことから, 従来の 技能 表現 の観点の 表現 との混同を避けるために, 技能 に改める 技能 思考 判断 表現 教科の知識 技能を活用して課題を解決するために必要な思考力 判断力 表現力を身に付けているかを評価する 言語活動を中心とした表現に係わる活動や作品と一体的に評価する 各教科で習得すべき技能を身につけているかを評価する 現在の 技能 表現 で評価している内容は, 引き続き 技能 で評価する 思考 判断 表現 の評価は, 教科の知識 技能を活用する論述 発表 討論 観察 実験 レポートの作成など, 新しい学習指導要領において充実が求められている学習活動を積極的に取り入れ, 目標に照らして評価する 算数 数学 式やグラフに表すこと 理科 観察 実験の過程や結果を的確に記録し, 整理すること 学習指導の改善を図る 2
関心 意欲 態度 様式中学校 未定 ( 平成 24 年度から全学年 ) 各教科の学習内容に関心をもち, 自ら課題に取り組もうとする意欲や態度を身に付けているかを評価する 評価にあたっては, 学習内容に対する児童の取組状況を通じて評価することを基本とする 作成 保存 手書きや電子化等の作成 保存については, 設置者である教育委員会の判断になる 評価方法 授業や面談における発言や行動等の観察を通じて評価する ワークシートやレポートの作成, 発表等の学習活動を通じて評価する 電子化への対応のために, 設置者である教育委員会や学校において, セキュリティポリシー等を作成し, その周知を徹底する必要がある 授業中の挙手や発言回数などの表面的な状況のみに着目しない 電子化を進める場合, 平成 22 年 9 月に文科省から示された 指導要録の電子化に関する参考資料 を参考にする 教科の特性や内容も踏まえ, ある程度長い区切りの中で適切な頻度で おおむね満足できる 状況等にあるかを評価する 総合的な学習の時間 学校において, 学習活動 評価の観点を記載し, 文章の記述により評価を行う 評価の観点として, 学習方法に関すること 等目標に沿って育てようとする資質や能力の視点を例示しており, これらの視点に沿って各校で評価の観点を定める 学習方法に関すること 自分自身に関すること 他者や社会とのかかわりに関すること 1 2 総合的な学習の時間 ( 中学校様式例 ) 中学校学習指導要領等に示す総合的な学習の時間の目標を踏まえ, 各学校において具体的に定めた目標 内容に基づいて定める 生徒の学習状況に顕著な事項がある場合などにその特徴を記入する等, 生徒にどのような力が身に付いたかを文章で記述する よりよく問題を解決する資質や能力 学び方やものの考え方 主体的, 創造的, 協同的に取り組む態度 自己の生き方 学習方法に関すること 自分自身に関すること 他者や社会とのかかわりに関すること 関心 意欲 態度 思考 判断 表現 技能 知識 理解 3
特別活動特別活動の各活動 学校行事に新たに目標が規定された 学習指導要領の目標及び特別活動の特質に沿って, 各校において評価の観点を定める 各活動 学校行事ごとに評価する 特別活動 各学校で育てたい子どもの力を明確にし, 設定した観点について, 学校全体で共通理解を図る 観点に照らして実現状況を評価するとともに, 具体的な事実について 総合所見及び指導上参考となる諸事項 に記す生徒の十分満足できる活動の状況を積極的に認めるようにする 特別活動の記録 ( 様式例 ) 評価規準の作成のための参考資料 各校で評価の観点を設定する 平成 22 年 11 月 国立教育政策研究所教育課程研究センター 学校として重点化した内容を踏まえ育てようとする資質や能力等に即し, より具体的に定めてもよい 評価の観点を変更することを想定して余白を取る 小学校 中学校 ( 各教科及び特別活動 ) ダウンロード用 URL http://www.nier.go.jp/kaihatsu/shidousiryou.html 十分満足できる状況にあれば を記入 4
学習評価の進め方及び留意点 評価規準を適切に設定する 評価方法の工夫改善を進める 評価結果を教師同士で検討する 実践事例を着実に継承する 教師の力量の向上を図る 単元 ( 題材 ) ごとに評価規準を設定 指導と評価の計画 の作成 学習指導の過程や学習の結果を継続的 総合的に把握する 学習評価を学校の教育活動 全体の改善に結びつける 指導と評価の着実な実施 効果的 効率的な評価 単元 ( 題材 ) の目標に応じた観点別の評価規準の設定 学習活動に即した評価規準の設定 評価方法の設定 平成 23 年 7 月 国立教育政策研究所教育課程研究センター 中学校 ( 各教科, 特別活動, 総合的な学習の時間 ) ダウンロード用 URL http://www.nier.go.jp/kaihatsu/shidousiryou.html ( 評価規準の作成のための参考資料と同じ ) 評価方法の工夫改善について 評価方法の工夫改善について 評価方法 自己評価や相互評価も工夫する 観察 生徒との対話 ノート ワークシート学習カード 作品 レポート ペーパーテスト質問紙 面接など その場面における生徒の学習状況を的確に評価できる方法を選択する ペーパーテストの結果 目標に準拠した評価における学習状況の全てを表すものではない 例えば, ワークシート等への記述内容は, 知識 理解 の評価だけでなく, 関心 意欲 態度 思考 判断 表現 技能 の評価にも活用する 多様な評価を行い, 多くの情報を得ることは重要であるが, 評価に追われて, 十分な指導ができなくなるおそれもある 生徒の学習状況を適切に評価し, その評価を指導に生かす 1 つの観点に限定するのではなく, 生徒の資質や能力を多面的に把握できるように工夫し, 活用する 5
指導と評価の工夫改善について 効果的 効率的な評価 指導と評価の一体化 教師の共通理解と力量の向上 保護者や生徒への情報の提供 妥当性 信頼性 1 各観点の評価をバランスよく実施する 2 学習評価を学習指導の改善に生かす 3 教育活動全体の改善に結び付ける 4 教師が指導の過程や評価方法を見直し指導の在り方について工夫改善を図る 1 学習評価が学習指導の目標に対応して行われる 2 評価方法が評価の対象である資質や能力を適切に把握するものとしてふさわしい 3 指導の目標や内容と対応した評価規準を設定する 4 資質や能力に合った評価方法を選択する 教師が無理なく生徒の学習状況を評価できるよう, 評価規準を設定し評価方法を選択する 1 単位時間の評価規準は 1~2 観点 実践を踏まえ, 評価規準や評価方法を検討し見直す ノート レポート ワークシート 作品など, 授業後に教師が確認しながら評価できる方法と, 授業中の見取りを適切に組み合わせ, 生徒の特性にも配慮した評価方法を設定する 評価方法と評価規準を組み合わせて設定する 総括 1 観点別学習状況の評価の観点ごとの総括 ア単元 ( 題材 ) における観点ごとの評価の総括 ( ア ) 評価結果の A,B,C の数 ( 組み合わせ ) ( イ ) 評価結果の A,B,C を数値に表す イ学期末における観点ごとの評価の総括 ウ学年末における観点ごとの評価の総括 2 観点別学習状況の評価の評定への総括 中学校 5 段階 学年末に観点ごとに総括した評価の結果をもとに評定する (A,B,C の組み合わせや A,B,C の数値化に基づいて総括 ) 6