庄原市立東小学校校内研修会 小学校第 5 学年体育科学習指導案 保健 ~ けがの防止 ~ 東小けが 0 プロジェクト!
小学校第 5 学年体育科学習指導案 G 保健 (2) けがの防止 日 時 平成 30 年 1 月 18 日 ( 木 )5 校時 (13:30 ~ 14:15) 場 所 5 年教室 学 年 第 5 学年 ( 男子 11 名女子 9 名計 20 名 ) 単元名 東小けが0プロジェクト! 教諭田邊有紗 (T1) 養護教諭谷川典子 (T2) 単元についての概要 単元設定の意図私たちには, いつどんなところでも交通事故や身の回りの生活の危険が原因となって起こるけがを負う可能性がある ニュースでは, 連日のように交通事故や犯罪, 自然災害等によるけが等の被害について報道され, 私たちにとって身近な問題となっている また, 児童にとって一番身近なけがは普段の生活にあり, 学校や家庭の中で非常に多くのけがが発生している そこで本単元では, 自分たちの生活の中でのけがは 人の行動 や 環境 等さまざまな原因によって引き起こされていることに気付き, 的確な判断の下に安全に行動したり, 環境を安全に整えたりすることの大切さを知らせていきたい また, 心の状態 や 体の調子 が的確な判断や行動に影響を及ぼすことや, 危険の回避が難しいだけでなく, 危険な行動の誘発にもつながることも理解させていきたい したがって, この単元では, 交通事故や身の回りの生活の危険が原因となって起こったけがの実態や体験を基にして, けがの起こり方とその防止, けがの悪化を防ぐための簡単な手当などについて理解させるとともに, 手当ての技能を身に付け, けがを未然に防止するための思考力 判断力を育てることをねらいとしている 児童の実態 質問項目肯定的回答 ( 人 ) けがをして保健室に行ったことがありますか 20/20 友達にけがの手当をしてもらったことがありますか 6/20 以上の結果より, 全ての児童が学校内でけがをした経験があるが, 友達からけがの手当をしてもらった経験のある児童は少ないことが分かる このことから, けがをした友達に手当をしたことのある児童も少ないことが予測される けがの手当のしかたを知っていますか けがの種類 肯定的回答 ( 人 ) 主な回答 すり傷 16/20 消毒する, 水で洗う, 絆創膏を貼る 切り傷 10/20 絆創膏を貼る, 水で洗う 打撲, ねんざ 7/20 湿布を貼る, 放っておく, こする 鼻血 11/20 ティッシュをつめる, 止まるまで下を向く やけど 8/20 氷で冷やす
以上の結果より, 児童は, けがの手当について何となく知っていたり, 分かっていたりする程度で, それが本当に有効な手立てかどうかについて正しい知識をもっている者は少ないことが分かる また, 学校生活ではすり傷や切り傷などのけがをした際に, 傷口を洗浄せず保健室へ行く児童が多い けがの程度を自分で判断し, 自ら手当てをしている児童が少ないのが現状である 単元ゴールに設定した活動に係る実態としては, 国語科 書くこと に関する領域の 資料を使ってまとめる活動 の学習に対して意欲的に取り組む児童が多い 一方, 一人で資料を収集したり, 資料を関連付けて精選したりすることには課題がある児童が多い グループでの活動を仕組むと, グループ内でそれぞれの得意が生かせるような役割を決めて分担し, 活動する様子が見られている 指導上の留意点 単元のゴール設定 東小けが 0 プロジェクト! と題し, 全校児童に対して, けが防止の呼びかけを行うことを単元ゴールとして設定し, 目的意識をもたせることで児童の主体的な活動を促したい 単元終末で作成するポスターについては, 各学級の朝会の場で全校児童に発表し, けがを防ぐ方法について呼びかけていく このように, 本校のけがの現状や危険箇所, けがの防止策や対処法について知ったことを, 今後どのように実生活に生かしていくのか自ら考える活動を仕組むことで, 自分自身で行動を判断しながら生活していく力を育てていきたい 児童同士による学び合いを促す工夫 本校のけがに関する課題を見付けたり, 防止策を検討したりする活動では, グループを活用する まず, グループで本校敷地内の危険箇所を写真に撮る活動を仕組む なぜその場所の写真を撮るのか明らかにしながら活動させることで, 本校のけがに関する課題や防止策に気付くことができるようにする また, 資料を基に, 起こりうるけがやその防止策など, 具体的な視点をもった話し合いを深めることで, 全校児童へけがの防止を呼びかけるという単元ゴールへとつなげていく 他教科との関連 本単元の学習は, 国語科や算数科と関連を図り横断的な学習となるよう工夫する 算数科では, 割合 の単元の学習と関連付け, 東小学校で起こったけがを百分率で表す課題を設定し, 百分率で結果を表す良さを実感させたい 国語科では, 資料を生かして考えたことを書こう の単元で, 全校に呼びかけるために自分の考えを伝えるために必要な資料を選んだり, 聞き手に伝えるための効果的な構成を工夫して書いたりする 資料を用いて書くことにより具体的に本校のけがの現状を伝えることができるという, よさに気付かせたい 単元の目標 健康 安全への関心 意欲 態度 けがの防止やけがの手当について, 資料を調べたり, 進んで課題解決に取り組んだりすることができるようにする 健康 安全についての思考 判断 けがを防止するために, 危険の予測や回避の方法を考え, それらを表現することができるようにする 健康安全についての知識 理解 交通事故や身の回りの生活の危険が原因となって起こるけがの防止には, 周囲の危険に気付くこと, 的確な判断の下に安全に行動すること, 環境を安全に整えることが必要であること また, けがの簡単な手当は速やかに行う必要があることについて理解できるようにするとともに, 簡単な手当をすることができるようにする
単元の評価規準健康 安全への関心 意欲 態度 1けがの防止について, 教科笙や資料などを見たり, 自分の生活を振り返ったりする学習活動に進んで取り組もうとしている 2けがの防止について, 課題の解決に向けての話合いや発表などの学習活動に進んで取り組もうとしている 健康 安全についての思考 判断 1 人の行動や環境などから, けがの防止に関わる課題を見付け, 危険の予測や回避の方法を考えたり, 選んだりしている 健康安全についての知識 理解 1 交通事故や身の回りの生活の危険が原因となって起こるけがとその防止について, 理解したことを言ったり, 書いたりしている 2けがの手当について理解したことを言ったり, 書いたりしている 3けがの手当について, 自らできる簡単な手当ができる 本単元において育成を目指す資質能力とのかかわり既習の学習事項 生活体験と新たな資料から気付いたこととを関連付け, 獲得力本時の学習課題を設定することができる 協働する力 活用力 グループで意見を出し合い, 多面的に危険の予測をしたり, けがの防止策を考えたりすることができる けがの防止 で学習したことを他教科の学習に関連させ, 東小学校のけがを減らす取組について考えたことについて資料を効果的に活用して表現することができる
指導と評価の計画 ( 第 5 学年 ) 東小けが 0 プロジェクト! ( 本時 4/5) 一 時 間 の 学 習 の 流 れ 評価 時間 1 2 3 4( 本時 ) ( 算数 ) 5 ( 国語 ) 1. 知っているけが 1. 資料 ( グラフ ) か 1. 本校で起きたけ 1. 前時に撮影した危 1. 養護教諭がまと 1. 手当できそうなけが 1. 算数で作った百 の種類についてグ ら, 小学生の交通事 がの事例を養護 険箇所の写真を見 めた, けがの件数 と, そうでないけがに 分率のグラフを ループで話し合 故の実態を読み取 教諭から聞く る に関する表を見 分類する 見る う る る 10 15 20 25 30 35 40 導 入 展 開 45 と 2. めあての確認 どうしてけがや事故が交通事故を防ぐために東小の危険はどこ東小のけがを減らすた東小で起こったけが 起こるの? どうしたらいい? にかくれている? めにどうすればいい? を割合を使って表そう 3. 東小のけがの実態について養護教諭から話を聞く 4. 単元ゴールを考えて学習の見通しをもつ 5. 資料からけがの原因を考え, 分類する 6. 単元ゴールに向けた振り返りをする これまでの自分のけがについて振り返ったこと 3. 資料から, 交通事故につながる危険な行動について考える 4. 資料から, 安全な環境を整えるための工夫について知る 5. 交通事故の防止のために大切なことを話し合い, まとめる 6. 単元ゴールに向けた振り返りをする けが 0 に向けて生活に生かしたいこと 3. グループごとに分かれて, 校内の危険箇所の写真を撮影する 視点 1 人の行動が原因となってけがが起こりそうな場所 視点 2 環境が原因となってけがが起こりそうな場所 外,1 階,2 階, 特別教室 体育館等の場所ごとにグル ープを分けて危険箇所を探 すようにする 4. 本時の学習内容をふり返り, 次時につなげる 3. 危険箇所についてグループで検討する 視点 1 どんなけがが発生する可能性があるか 視点 2 どんな防止策が考えられるか 4. グループで考えたことを交流し考えた防止策を分類する 5. 単元ゴールに向けた振り返りをする けが 0 のために全校に呼びかけたいこと 関意態 1 1 2 思 判 1 3. グループそれぞれに別の資料を与え, 計算方法について見通しをもつ 4. 問題を解く 5. 考えを交流し, 結果をグラフに表わす 6. 結果を紹介し, 百分率のよさを全体でまとめる 7. 本時の振り返りをする 見の回りの百分率を使えそうな事柄 けがの件数を百分率に置き換え, 円グラフに表わしている けがが起こった時, どのように手当したらいいの? 3. 養護教諭からけがの手当のしかたについて説明を受けながら, 練習する 4. 自分達で手当できないけがについて考え, その対処方法について知る 5. 単元ゴールに向けた振り返りをする 普段の生活に生かしたいこと 知理 1 ( 技能 ) 23 東小の危険を全校のみんなに知らせるために資料を使ってまとめよう 3. 伝えたいことの中心を考え, 必要な資料を選ぶ 4. けがの防止を呼びかけるための資料の解説文を書く 5. グループで読み合い, 推敲する 6. 再考しながら, 資料の解説文を完成させる 7. 本時の振り返りをする 資料を選ぶときに気を付けたことや気付き 目的に応じて資料を選び, 数値に着目しながら資料を解説する文を書いている ( 書くこと )
本時の学習 ( 本時 4/5) 本時の目標自分のけがに関する経験を振り返ったり学習したことを活用したりしながら, 危険の予測や回避の方法について考え, それらを表現することができるようにする 健康 安全についての思考 判断 本時の学習内容 導 入 学習活動 1 前時の学習の振り返り 2 めあての確認 指導上の留意点 努力を要する状況と判断した児童への手立て 前時に見付けた危険箇所を提示し, 見合うことで学習内容を想起させる T2 が実際に起きたけがについて写真を提示して紹介することで, 本時の学習の見通しをもたせる めあて東小のけがを減らすためにどうすればいい? 評価規準 ( 方法 ) 獲得力 3 グループで思考する グループごとに違う写真を 1 枚ずつ配る 配られた写真を基に,2 つの視点に沿って危険の予測や回避の方法について検討できるようにする 1 どんなけがが発生する可能性があるか 2 どんな防止策が考えられるか 協働する力 展開 4 考えを全体で交流し, 考えた防止策について分類する けがが起こる 2 つの要因 ( 人の行動, 環境 ) を整理させ, 既習事項と関連付けて考えさせることによって, 多面的に危険を予測できるようにする グループで検討した危険箇所について 2 つの視点に沿って発表させる 考えた防止策を分類し, けがを減らすための方法について一般化していく まとめ危ない行動をなくしたり, 環境を安全に整えたりすることが, けが 0 につながる 終末 5 学習の振り返りと交流 けが 0 のために全校に呼びかけたいこと を視点に, 学習した内容を実生活に生かせるようにする ~ 予想される児童の振り返り記述内容 ~ 児童玄関の曲がり角は, 教室に戻る人と階段を下りてきた人がぶつかって打撲などのけがをする可能性があります このけがを 0 にするために, 歩いて右側通行することを全校に呼びかけたいです T2 が本時の学習を踏まえて話をし, 次時でけがの手当の学習をする見通しをもたせる 活用力 友達と交流したことを基に, 危険の予測や回避の方法について, 全校へ呼びかけたいことを学習カードに書いている ( ふり返りへの記入事項 )
本時の板書計画 めあて東小のけがを減らすためにどうすればいい? 写真 3 なくす 危ない行動を 写真 1 怪我 すりきず 防止策 タイルを貼り直す 写真 2 怪我 防止策 怪我 写真 4 整える 環境を安全に 防止策 怪我 防止策 まとめ 危ない行動をなくしたり, 環境を安全に整え たりすることが, けが 0 につながる