第 14 章柱同寸筋かいの接合方法と壁倍率に関する検討 510

Similar documents
接合部性能試験報告書

1. 一般事項 1) 接合金物 名称 : フラットプレートスリム合板仕様 用途 : 在来軸組工法建築物における軸組材相互の接合 補強 2) 試験依頼者 名称 : 株式会社タナカ 所在地 : 茨城県土浦市大畑 連絡先 : TEL ) 試験の目的

接合部性能試験報告書

<4D F736F F D D891A291CF97CD95C78B7982D182BB82CC947B97A682CC8E8E8CB D89BF8BC696B195FB96408F91>

を 0.1% から 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% まで増大する正負交番繰り返し それぞれ 3 回の加力サイクルとした 加力図および加力サイクルは図に示すとおりである その荷重 - 変位曲線結果を図 4a から 4c に示す R6-1,2,3 は歪度が 1.0% までは安定した履歴を示した

木造の耐力壁及びその倊率 試験業務方法書

<4D F736F F D2082B982F192668E8E8CB195F18D908F D88C9A8B5A8CA4816A>

<4D F736F F D2082B982F192668E8E8CB195F18D908F F E836D838D B816A>

ブロック断面図 嵌合部水平方向あそび ブロック下凹部 ブロック上凸部 試験中ブロック ボルト鉄筋の挙動 あそびの合計幅

<4D F736F F D2082B982F192668E8E8CB195F18D908F A836C A>

奈良県森技セ研報 No.41 (2012) 37 スギ異樹種集成材を用いた門型ラーメン架構の水平加力試験 *1 中田欣作 奥田一博 国産スギ材とカラマツおよびベイマツ材を組合せた異樹種集成材を作製し 一般住宅でのラーメン構造としての利用の可能性を検討するために これらの集成材を用いた門型ラーメン架構

(Microsoft Word - \221\346\202R\225\322\221\346\202Q\217\315.docx)

接合部性能試験報告書

接合部性能試験報告書

<4D F736F F D20342E335F937995C782CC90C393498C4A82E895D482B589C197CD8EC08CB >

強化プラスチック裏込め材の 耐荷実験 実験報告書 平成 26 年 6 月 5 日 ( 株 ) アスモ建築事務所石橋一彦建築構造研究室千葉工業大学名誉教授石橋一彦

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

3 高強度耐力壁 3 高強度耐力壁 3.1 基本設計 以下は 柱の横架材 ( 土台 桁など ) へのめり込み変形 強度が無視できる場合の設計法である 柱の横架材へのめり込みが無視できない場合は これらを考慮した解析が必要である なお 靱性による低減係数 K d を別途求める必要がある チェック項目

<4D F736F F D F B982F192668E8E8CB15F95F18D908F91>

CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 2)~ 構造設計法の開発 ~ 平成 26 年度建築研究所講演会 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 2)~ 構造設計法の開発 ~ 構造研究グループ荒木康弘 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 2)~ 構造設計法の開発 ~

Microsoft Word - 3_木造軸組構法の損傷限界・安全限界変形に関する実験

水平打ち継ぎを行った RC 梁の実験 近畿大学建築学部建築学科鉄筋コンクリート第 2 研究室 福田幹夫 1. はじめに鉄筋コンクリート ( 以下 RC) 造建物のコンクリート打設施工においては 打ち継ぎを行うことが避けられない 特に 地下階の施工においては 山留め のために 腹起し や 切ばり があ

Microsoft Word - 0 プラットフォーム報告書-表紙・目次

1

Microsoft PowerPoint - 課題S6スラブ協力幅_修正

コンクリート実験演習 レポート

第 5 章大型有開口パネル実大構面水平加力実験 83

第 章金物試験による仕様の検討

-

<4D F736F F D C082CC8BC882B08B7982D182B982F192668E8E8CB12E646F63>

強化 LVL 接合板および接合ピンを用いた木質構造フレームの開発 奈良県森林技術センター中田欣作 1. はじめに集成材を用いた木質構造で一般的に用いられている金物の代わりに スギ材単板を積層熱圧した強化 LVL を接合部材として用いる接合方法を開発した この接合方法では 集成材と接合板である強化 L

コンクリート工学年次論文集 Vol.24

国土技術政策総合研究所資料

Microsoft Word - 建築研究資料143-1章以外

Microsoft Word - (23)久保田淳.doc

AP 工法 による増設壁補強計算例 (1) 設計フロー RC 耐震改修設計指針に示された 中低層鉄筋コンクリート造建物を対象とした開口付き増設壁に AP 工法 を用いて強度抵抗型補強とする場合の補強壁 ( せん断壁 ) の設計フローを示す 周辺架構から補強壁に期待できる耐力の目安をつけ プロポーショ

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E6328FCD2E646F63>

コンクリート工学年次論文集 Vol.29

Super Build/FA1出力サンプル

コンクリート工学年次論文集 Vol.30

<4D F736F F D2096D88E4F BE095A88D C982E682E989A189CB8DDE8B7982D197C090DA8D878BE095A882CC8C9F92E8>

Microsoft Word - 4_構造特性係数の設定方法に関する検討.doc

<4D F736F F D20362E332E DB782B58A9B8B8F82F08ADC82DE908282EA95C782CC908595BD82B982F AB945C82C9975E82A682E995948DDE82CC8

コンクリート工学年次論文集 Vol.33

コンクリート工学年次論文集 Vol.30

道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月

コンクリート工学年次論文集 Vol.31

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D2095BD90AC E8D918CF08D9091E D862E646F63>

Microsoft Word - A doc

コンクリート工学年次論文集 Vol.31

CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐火性能の評価 ~ 平成 26 年度建築研究所講演会 CLTによる木造建築物の設計法の開発 ( その 3) ~ 防耐火性能の評価 ~ 建築防火研究グループ上席研究員成瀬友宏 1 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐

<312E955C8E86>

Microsoft PowerPoint - zairiki_11

コンクリート工学年次論文集 Vol.29

屋根ブレース偏心接合の研究開発

目次 1 章設計条件 形状寸法 上部工反力 設計水平震度 単位重量他 柱 使用材料 鉄筋 柱躯体自重 章柱の設計 ( レベル 1 地震

<4D F736F F F696E74202D BD E838A815B836791A28D9C916782CC94F190FC8C6089F090CD288C9A8CA4292E707074>

RC 規準 3 条改定案 平成 0 年 3 月 3 日 /4 月 日第 回公開小委員会提出用 5. 前各項の算定のほか, 梁は次の限度に従うこと. () 長期荷重時に正負最大曲げモーメントを受ける部分の引張鉄筋断面積は,0.004 bd または存在応力によって必要とされる量の 4/3 倍のうち, 小

全学ゼミ 構造デザイン入門 構造解析ソフトの紹介 解析ソフト 1

コンクリート工学年次論文集 Vol.29

<4D F736F F D208D7E959A82A882E682D18F498BC78BC882B B BE98C60816A2E646F63>

Microsoft PowerPoint - fuseitei_6

Taro-2012RC課題.jtd

構造番号質疑回答 3 講習会資料 P5 判定事例の対応集 横補剛材について屋根ブレース等により水平移動が拘束された大梁に対して 例えば図 1 のよう下図 a 又は b 又は a b 材共に ( 梁に ) 対する横補剛材として c の火打ち材をに大梁せいの中心位置に横補剛材を設け 補剛材

構造力学Ⅰ第12回

Microsoft Word 木造継ぎ手( )●.docx

コンクリート工学年次論文集 Vol.27

コンクリート工学年次論文集 Vol.33

スライド 1

<4D F736F F F696E74202D20824F CF89CE90DD8C A5B93C782DD8EE682E890EA97705D>

説明書 ( 耐震性 ) 在来木造一戸建て用 ( 第二面 ) 基礎根入れ深さ深さ ( mm ) 住宅工事仕様書 適 基礎の 立上り部分 高さ ( mm ) 厚さ ( mm ) 基礎伏図 不適 各部寸法底盤の寸法厚さ ( mm ) 幅 ( mm ) 基礎詳細図 基礎の配筋主筋 ( 径 mm ) 矩計図

第 2 章 構造解析 8

静的載荷実験に基づく杭頭部の損傷度評価法の検討 柏尚稔 1) 坂下雅信 2) 向井智久 3) 平出務 4) 1) 正会員国土交通省国土技術政策総合研究所 主任研究員博士 ( 工学 ) 2) 正会員国立研究開発法人建築研究所 主任研

注意事項 P4-2 ホームズ君 構造 EX ( 以下 本ソフトウェア ) は 財団法人日本住宅 木材技術センターが実施している 木造建築物電算プログラム認定 において 関係法令や評価方法基準に準拠しているとして 認定書 ( 認定番号 :P4-2) の交付を受けております 認定対象の計算書 図面には用

コンクリート工学年次論文集 Vol.30

Microsoft Word - 建築研究資料143-1章以外

OSB とは OSB(Oriented Strand Board 配向性ストランドボード ) は 北米で住宅の構造用下地材として開発された木質系面材です 原木を ストランド と呼ばれる短冊状の削片に切削し 繊維方向の向きを揃えて層を構成し 3 ~ 5 層を直交に積層して製造しています 木材は繊維方向

1.2 耐荷力の算定対象となる柱部材の危険断面における耐荷力を算定する場合, 曲げ耐力 ( 課題 1にて学習した方法 ) およびせん断耐力 ( 課題 2の方法 ) を求め, 両者のうち小なる耐荷力がその部材の終局耐荷力となる. 別途設定された設計外力に対して十分な耐荷力を有することはもちろんのこと,

三井住友建設技術研究開発報告第 15 号 試験体 梁断面 梁鋼種 H SS4 H S 梁の幅厚比 フランジ 表 -1 試験体の一覧 ウェブ 梁の材長 L o 3,3 スチフナ厚さ ヒ ッチ 弱軸細長比 λ y 横座屈細長比 λ b

コンクリート工学年次論文集 Vol.29

事例に基づく耐震性能の評価と被災度区分判定および復旧計画

第 3 章広葉樹材の品質制御方法に関する検討 25

コンクリート工学年次論文集 Vol.29

図 1に示すように 木材孔に挿入接着した厚肉鋼パイプを円弧状の長孔加工を施した添板で挟み 鋼パイプを貫通させて高力ボルトにより摩擦接合する 鋼パイプは木材母材表面より僅かに突出した位置で固定をすることで 木材を介すること無く鋼パイプのみにボルト張力を支持させる構造とし ボルト張力低下を回避する さら

<4D F736F F D CC82E898678E77906A E DD8C7697E181698F4390B3816A312E646F63>

コンクリート工学年次論文集 Vol.29

建築支保工一部1a計算書

コンクリート工学年次論文集Vol.35

コンクリート工学年次論文集 Vol.30

組立ブレ材接合具部材接合部屋根柱梁ース壁床集成LVL 材合板集成材 / スギ / E65-F255 / / LSB 4 本 (LSB) 要 問い合わせ先 URL 理論式材32 33 使用材 母材 1500mm 120mm 240mm( スギ E65-F255) 要素モデル

<4D F736F F D20819A30208D82979C208CA48B CC82CC8A E646F63>

CLTパネル構法の構造性能と設計法に関する調査

2.1 全体構成及び部材配置 (1) 構成概要図 に CLT 制震壁の全体構成及び部材配置図を示す CLT 制震壁は 鉄骨造建物の一つのフレーム ( 柱と梁に囲まれた部分 ) に配置することを想定した 頭部鋼板ビス打ちせん断金物 < ビス接合部 > CLT 制震壁の範囲 鉄骨造梁 CLT

PowerPoint プレゼンテーション

目次構成

じるとする考え方とは異なり, 曲げモーメントに対する抵抗機構の最大抵抗モーメントにより接合部の終局強度が決まる je De De C M e = ( ) + C (1) 2 2 2bbσ cb T T C + N 0 (2) b = M b Lb = M e (3) L D b c σ

極厚H形鋼・NSGH®鋼・NS-TWH®鋼

<4D F736F F D2091E682528FCD81408D8291CF97CD434C5491CF97CD95C782CC8D5C91A290AB945C955D89BF82C98AD682B782E989F090CD93498C9F93A22E646

Transcription:

第 14 章柱同寸筋かいの接合方法と壁倍率に関する検討 5

14.1 検討の背景と目的 9 mm角以上の木材のたすき掛け筋かいは 施行令第 46 条第 4 項表 1においてその仕様と耐力が規定されている 既往の研究 1では 9 mm角筋かい耐力壁の壁倍率が 5. を満たさないことが報告されているが 筋かい端部の仕様が告示第 146 号の仕様と異なっている 本報では告示どおりの仕様とし 9 mm角以上の筋かいたすき掛けの基礎的なデータの取得を目的として検討を行った 14.2 試験体の仕様試験体の仕様は図 14.2-1 図 14.2-2 の 2 種類とする 軸組の仕様は耐力壁の大臣認定の業務方法書に記載された試験の例と同一仕様とした 筋かい端部の仕様は両方共に筋かい上端部の顎部を柱に差して M12 ボルト締め 筋かい下端部は突き付けとし M12 ボルト締めとしている 標準型の筋かい交差部は大入れした上に短ざく金物を付けた仕様であり 2 連層型はたすき掛け筋かいを上下に 2 連層したものであり筋かい交差部は相欠きの上にビス止めとしている 試験体数は各 3 体ずつとした 16 16 2- ボルト孔 φ18 角座金 8 8 t=9 2- ボルト孔 φ18 角座金 8 8 t=9 29 2767.5 18 9 2625 4 梁 : ベイマツ 18 152.3 5 52.3 大入れ 筋かい : スギ E7 9 9 長ほぞ : 長さ9 幅 厚さ ビス止めホールダウン15kN 15 75 15 筋かいのアゴ 柱 4 75 柱断面 29 2767.5 9 2625 4 大入れ 梁 : ベイマツ 18 6 39.4 筋かい : スギ E7 9 9 パネリード L=9 長ほぞ : 長さ9 幅 厚さ ビス止めホールダウン15kN 15 75 15 筋かいのアゴ 柱 4 75 柱断面 2- 短ざく金物 柱 : スギ E7 8 1-M16 六角ボルト強度区分 4.6 柱 : スギ E7 1-M12 六角ボルト 71.68 2- 通しボルト孔 φ18 角座金 8 8 t=9 54.73 2- 通しボルト孔 φ18 角座金 8 8 t=9 52.5 1 土台 : スギ製材 E7 9 固定ボルト孔 φ18 固定ボルトM16 52.5 8 土台 : スギ製材 E7 9 固定ボルト孔 φ18 固定ボルトM16 15 15 < 正面 > 図 14.2-1 筋かい耐力壁 (1-9C) < 側面 > < 正面 > 図 14.2-2 筋かい耐力壁 (2-9C) < 側面 > 14.3 試験方法試験方法図は図 14.3-1 14.3-2 に示すとおりである 試験体は 柱 土台 ホールダウン用アンカーボルトと土台固定用ボルト M16 をそれぞれ鉄骨架台に固定した 加力はオイルジャッキを用いて正負交番繰り返し加力とした 繰り返しは 正負変形時の見かけのせん断変形角 1/45 1/ 1/ 1/15 1/ 1/75 1/5rad の時点で 3 回繰り返しを行い その後引きの方向に加力し 最大荷重に達してから 最大荷重の 8% に低下するか または変形角が 1/15rad に達するまで加力した 標準型は左右非対称であり 繰り返し加力の後の引ききり方向は短ざく金物が引張抵抗する側とした 511

図 14.2-1 1-9C の変位計配置図 図 14.3-2 2-9C の変位計配置図 14.4 試験結果各試験体の特性値を表 14.4-1 荷重- 変位曲線を図 14.4-1~ 図 14.4-6 に包絡線の比較を図 14.4-7~ 図 14.4-8 に示す 破壊性状は写真 4.2.3-1~ 写真 4.2.3-8 に示すとおりである 表 14.4-1 1-9C の特性値 試験体記号 1-9C 標準偏変動係ばらつき 5% 平均値項目 1 2 3 差数係数下限値 P 1/1 (kn) 8.51 9.82 8.14 8.8.88..953 8.3 2/3Pm (kn) 19.46 18.47 19.17 19..51.27.987 18.7 2/3δm (mm) 63.66 63.15 78.11 68.31 8.49 Pm (kn) 29.19 27.71 29.38 28.8.91 δm (mm) 157.94 168.27 184.5 17.24 13.39 δu (mm) 184.5 184.5 184.5 184.5. 降伏耐力 Py (kn) 17.12 15.54 17.84 16.8 1.18.7.967 16.2 δy (mm) 52.99 48.63 68.74 56.79.58 Pu*(.2/Ds) (kn). 9.69 8.6 9.4.74.79.963 9. 終局耐力 Pu (kn) 26.51 25.68 26.67 26.3.53..991 26. 初期剛性 K (kn/mm) 3.23 3. 2.6 3.1.36 降伏点変位 δv (mm) 82.5 8.4 2.75 88.4 12.45 塑性率 μ=δu/δv 2.25 2.29 1.8 2.11.27 構造特性係数 Ds.53.53.62.56.5 表 14.4-2 2-9C の特性値 試験体記号 2-9C 標準偏変動係ばらつき 5% 平均値項目 1 2 3 差数係数下限値 P 1/1 (kn).77 12.13 12.55 11.8.93.79.963 11.3 2/3Pm (kn) 19.49 21.8 18.65. 1.63.82.961 19.2 2/3δm (mm) 46.26 43.43 4.5 43.4 2.88 Pm (kn) 29.24 32.84 27.98. 2.52 δm (mm) 115.86 184.12 89.34 129.77 48.9 δu (mm) 116.46 184.5 6.54 135.83 42.44 降伏耐力 Py (kn).25 21.56 16.21 19.3 2.79.145.932 17.9 δy (mm) 48.21 42.54 31.85 4.87 8.31 Pu*(.2/Ds) (kn) 8.63 13.42 9..4 2.62.252.881 9.1 終局耐力 Pu (kn) 25.45 28.86 25.29 26.5 2.2.76.964 25.5 初期剛性 K (kn/mm) 4. 5.7 5.9 4.79.51 降伏点変位 δv (mm) 6.6 56.94 49.68 55.74 5.56 塑性率 μ=δu/δv 1.92 3.24 2.14 2.43.71 構造特性係数 Ds.59.43.55.52.8 基準耐力 壁倍率 8.3 4.7 基準耐力 壁倍率 9.1 5.1 512

1-9C-1 1-9C-2 - - - 4 5 6 7 8 9 1 - - - 4 5 6 7 8 9 1 - - 圧縮筋かいの座屈 - - 明確な荷重低下なし - - 変位 ( mm ) 図 14.4-1 1-9C-1 の荷重 - 変位曲線 変位 ( mm ) 図 14.4-2 1-9C-2 の荷重 - 変位曲線 1-9C-3 2-9C-1 - - - 4 5 6 7 8 9 1 - - 筋かい端部の割れ - - - 4 5 6 7 8 9 1 - - 柱の折れ - - 変位 ( mm ) 図 14.4-3 1-9C-3 の荷重 - 変位曲線 みかけの変形角 ( -3 rad) 図 14.4-4 2-9C-1 の荷重 - 変位曲線 2-9C-2 2-9C-3 - - - 4 5 6 7 8 9 1 - - - 柱頭ほぞ部の柱の折れせん断 - - - 4 5 6 7 8 9 1 - - - 引張筋かいの 引張破壊 圧縮筋かいの座屈 みかけの変形角 ( -3 rad) みかけの変形角 ( -3 rad) 図 14.4-5 2-9C-2 の荷重 - 変位曲線 図 14.4-6 2-9C-3 の荷重 - 変位曲線 1-9C 2-9C 1-9C -1 1-9C -2 1-9C -3 2-9C -1 2-9C -2 2-9C -3 4 6 8 1 みかけの変形角 ( -3 rad) 4 6 8 1 みかけの変形角 ( -3 rad) 図 14.4-7 1-9C 包絡線の比較 図 14.4-4 2-9C-1 包絡線の比較 513

写真 14.4-1 1-9C-1 試験後 写真 14.4-2 1-9C-1 筋かい端部のめり込み 写真 14.4-3 1-9C-1 筋かい交差部の座屈写真 14.4-4 1-9C-1 圧縮筋かいの座屈に伴う引張筋かい端部の割れ 写真 14.4-5 1-9C-2 試験後 写真 14.4-6 1-9C-2 圧縮筋かい端部の割れ 514

写真 14.4-7 1-9C-3 試験後 写真 14.4-8 1-9C-3 圧縮筋かい端部の割れ 写真 14.4-9 2-9C-1 試験後 写真 14.4-2-9C-1 柱の曲げ破壊 写真 14.4-11 2-9C-2 試験後 写真 14.4-12 2-9C-2 上段圧縮筋かい端部の割れ 柱の割れ 515

写真 14.4-13 2-9C-2 柱の曲げ破壊 写真 14.4-14 2-9C-2 柱頭ほぞのせん断 写真 14.4-15 2-9C-3 試験後 写真 14.4-16 2-9C-3 上段圧縮筋かい端部の割れ 柱の割れ 写真 14.4-17 2-9C-3 柱頭ほぞのせん断 写真 14.4-18 2-9C-3 引張筋かいの引張破断 圧縮筋かいの座屈 516

14.5 考察 今後の課題 2-9C は壁倍率 5. 倍以上となったが 1-9C は満たさない結果となった 1-9CはP 1/1 で基準耐力が決定しているため 剛性を向上させない限りこれ以上基準耐力の上昇をさせることは困難である 剛性を向上させるためには筋かい断面を増やすことが必須と考えられるため この形状での筋かい耐力壁は 5. 倍を満たすことはほぼ無理だと思われる 一方 2-9C は Pu*(.2/Ds) で決定しており 柱中央部の座堀による断面欠損の減少と柱頭部を梁に大入れすることで最大荷重及び塑性率を上げると思われ 低減係数 α を乗じた後でも必要壁倍率を満たすことができると考えられる 今後の課題としては上記の改良を行った上での実証実験の実施が望まれる 517