ダニエル書は終末についてどのように語っているか No.2 御使いガブリエルが告げた 七十週 の預言 聖書箇所 9 章 20 節 ~27 節 はじめに 前回はダニエル書 2 章から バビロンの王ネブカデネザルの見た正夢に ついて学びました その正夢は終わりの日に起こることを示されたものでした ダニエル

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2011 年 10 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 )42 ローマ人への手紙 11:25~36 拒否の解決 (3) イスラエルの救い 1. はじめに (1)10 月 13 日 ( 木 ) の日没から仮庵の祭りが始まった 1 第 7 の月の 15 日 満月 2 満月を眺めながら イスラエル

2017 年 10 月 8 日 ( 日 ) 9 日 ( 月 ) 15 回さらにすぐれた契約 さらにすぐれた契約 ヘブル 8:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし (2) ユダヤ教の 3 つの柱

2018 年 5 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) 14 回 ペテロの第 2 のメッセージ (2) ペテロの第 2 のメッセージ (2) 使徒 3:17~26 1. はじめに (1) ペンテコステの日に教会が誕生した 1ペテロの第 1 回目のメッセージにより 3,000 人ほどの人たち

* ユダヤ人の歴史家ヨセフスもまた同じような書き方をしている 5 テオピロは ルカの執筆活動を支援するパトロンであった可能性が高い 6 もしそうなら テオピロはローマ人クリスチャンであったと思われる (2)1~2 節は ルカの福音書の要約である 1 前の書 というのは ルカの福音書 のことである 2

2013 年 3 月 10 日 ( 日 ) 11 日 ( 月 ) 51 回目 Ⅵ-054 山上の垂訓 山上の垂訓 054 マタ 5:1~2 ルカ 6:17~19 1. はじめに (1) 呼び名について 1マタ 5:1~8:1 は 通常 山上の垂訓 ( 説教 ) と呼ばれる 2しかし この名称は 説教

* ダニエル書 3 捕囚期後 (3) * ハガイ書 * ゼカリヤ書 * マラキ書 (5) 預言者たちが語ったメッセージの要約 1 神の主権と聖なるご性質 2 契約の民イスラエルの不従順の罪 3 悔い改めへの招き 4 迫り来る神の裁きと捕囚 5イスラエルの民を攻撃する周辺国への裁き 6 捕囚からのレム

Ⅱ. 信仰生活の再建 : エズラの指導 (7~10 章 ) 1. エルサレムに到着するエズラ (7~8 章 ) 2. 民の罪を告白するエズラ (9 章 ) 3. 国を清めるエズラ (10 章 ) 結論 : 私たちへの適用 1. 悔い改めの力 2. みことばの力 エズラ記を通して リバイバルの原則につ

2011 年 06 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )26 ローマ人への手紙 7:14~25 律法からの解放 (3) ロマ書 7 章クリスチャン 1. はじめに (1) 聖化 に関する 5 回目の学びである 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は

神学総合演習・聖霊降臨後最終主日                  2005/11/16

使徒パウロは この 反キリスト のことを 不法の人 つまり 滅びの子 と表現しています (Ⅱテサロニケ 2:3) 反キリストは サタンによって権威と力を与えられた息子的存在で さまざまな超能力を持って人々を惑わします ちなみに預言者ダニエルは これを 荒らす憎むべき ( 忌むべき ) 者 ( ダニエ

2012 年 1 月 22 日 ( 日 ) 23 日 ( 月 )54 ローマ人への手紙 15:4~13 希望から希望へ 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)14:1~15:13 は 雑多な問題を扱っている 1 超道徳

(1) 千年王国の最後に サタンが底知れぬ所から再び解き放たれる 1 その理由は 再び人類を試すためである 2 神は 人類がいかに堕落しているかを証明される (2) 千年王国にも罪は存在する 1 千年王国が始まった時点では 未信者は存在しない 2 千年王国では ほぼ理想に近いような生活環境が実現する

* オバデヤがヨエルやエレミヤよりも前の預言者であることを考えると 前者の可能性が高いと思われる * オバデヤ書は 前 845 年前後に執筆されたと考えてよいだろう 4オバデヤは 小預言書の 12 人の預言者の中で最初に登場する預言者である (4) オバデヤ書のテーマ 1イスラエルに敵対する不信仰な

2017 年 6 月 11 日 ( 日 ) 12 日 ( 月 ) 39 回 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 黙 22:1~5 1. はじめに (1) 旧約聖書の預言のハイライトは メシア的王国である 1 黙示 20 章は メシア的王国が千年で終わることを啓

2010 年 4 月 18 日 ( 日 ) 19 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 19 出エジ 19 出エジプト記 14 章 15 節 ~15 章 21 節 紅海を渡る 1. 文脈の確認 (1) イスラエルの民は 430 年後にエジプトを脱出した (2) エジプト脱出の記録は

1.1 節 Rev 14:1 また私は見た 見よ 小羊がシオンの山の上に立っていた また小羊とともに十四万四千人の人たちがいて その額には小羊の名と 小羊の父の名とがしるしてあった (1) ヨハネは キリストの再臨後の状況を見ている 1 実際にキリストの再臨が起こるのは 19 章になってからである

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2011 年 07 月 17 日 ( 日 ) 18 日 ( 月 )29 ローマ人への手紙 8:12~17 聖化の力 ( 聖霊 )(3) 養子の霊 1. はじめに (1) 聖化 に関する 8 回目の学びである 最終回 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は ク

2017 年 7 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 1 回 ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル 1:1~3 1. はじめに (1) 著者 1いくつかの名が上げられてきた * パウロ * ルカ ( パウロがヘブル語で書いたものを ルカがギリシア語に翻訳した ) * バ

2008 年 7 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京創世記 8 創世記 8 創世記 3 章 14 節 ~24 節 アダム契約 イントロ : 1. 前回までの復習 (1) 創世記には 11 の区分 ( トルドット ) がある (2) 第 1のトルドットには 人類の

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創世記5 創世記2章4節b~25

Rev 7:1 この後 私は見た 四人の御使いが地の四隅に立って 地の四方の風を堅く押さえ 地にも海にもどんな木にも 吹きつけないようにしていた (1) この後 私は見た 1 物事の時間的流れではなく ヨハネが見た幻の順番を示している 2この幻は 神の裁きが迫っていることを示唆している 3 地の四方

1 パンの家 という意味 農業生産の豊かな地 ダビデの町とも呼ばれた 2ガリラヤのベツレヘムと区別するために ユダヤのベツレヘムと書かれている 年代 200 軒の家 クリスチャンとイスラム教徒が平和に住んでいる 4 今日 パレスチナ自治区 2 万 2 千人 クリスチャンは迫害に会っている

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2017 年 2 月 21 日 ( 火 ) 60 分でわかる旧約聖書 (24) エレミヤ書 60 分でわかる旧約聖書 (24) エレミヤ書 1. はじめに (1) 預言者たちの中でのエレミヤの位置づけ 1 預言書を書いた預言者 (the writing prophet) * 王国が南北に分裂して以降

1イエスがバプテスマを受けたとき 天が開かれて聖霊が鳩のように下った 2ここでは 天が開かれて再臨のメシアが地に下ってこられる 3 黙 4:1 では ヨハネを招くために天が開かれた 4ここでは キリストが地に下るために天が開いた (2) 白い馬に乗った方 1ローマ軍の将軍は 白い馬に乗った 2 再臨

2016 年 10 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 7 回 フィラデルフィアの教会 フィラデルフィアにある教会 黙 3:7~13 1. はじめに (1) 黙示録の 3 区分 1 黙 1:19 は 黙示録を 3 区分している Rev 1:19 そこで あなたの見た事 今ある事 この後に起こ

このメッセージは メシアの義とパリサイ人の義について学ぼうとするものである Ⅰ. 真の信仰者の特徴 (5:13~16) 1. 地の塩 (13 節 ) あなたがたは 地の塩です もし塩が塩けをなくしたら 何によって塩けをつけるのでしょう もう何の役にも立たず 外に捨てられて 人々に踏みつけられるだけで

牧会の祈り

Rev 17:2 地の王たちは この女と不品行を行い 地に住む人々も この女の不品行のぶどう酒に酔ったのです (1) 大淫婦と不品行 1 旧約聖書では 淫婦 は 偽の宗教 を象徴する言葉である 2 淫行 は 偶像礼拝を象徴する言葉である 霊的姦淫である * 通常は 真の神を信じると告白しながら 偶像

2012 年 7 月 1 日 ( 日 ) 2 日 ( 月 ) 17 回目 Ⅴ-020~021 バプテスマのヨハネの登場 バプテスマのヨハネの登場 ルカ 3:1~2 マコ 1:2~6 1. はじめに (1) 文脈の確認 1バプテスマのヨハネの誕生 2イエスの誕生 3イエスの幼少期 (2) 今日の箇所は

Heb 11:7 信仰によって ノアは まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたとき 恐れかしこんで その家族の救いのために箱舟を造り その箱舟によって 世の罪を定め 信仰による義を相続する者となりました (1) ノアは 神から警告を受けた 1 創 6:17 Gen 6:17 わたしは今 いの

2016 年 12 月 10 日 ( 日 ) 11 日 ( 月 ) 16 回 ラッパの裁き 5 ラッパの裁き 5 黙 9:1~11 1. はじめに (1)6 章から 9 章までの流れ 16 章で 巻き物の封印が解かれる 最初の 6 つの封印 * ここから大患難時代が始まる 27 章は 挿入句である

いでしょう (1)2 重の質問 1 弟子たちは いくつかのたとえ話とその解き明かしを聞いてきた 2ここでイエスは 弟子たちに考えるチャンスを与えている 3 弟子たちは 奥義としての王国 の性質について考え始める (2) イエスのたとえ話は 弟子たちが想像したものとは大いに異なる 1 種のたとえでは

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ヨハネの手紙講解 神のあかし ヨハネの手紙第一 5:1~21 1. 油注がれた者 新改訳改訂第 3 版 Ⅰヨハネ 5:1 イエスがキリストであると信じる者はだれでも 神によって生まれたのです 生んでくださった方を愛する者はだれでも その方によって生まれた者をも愛します イエスがキリストであると信じる

ヨハネの福音書講解 ヨハネの福音 ヨハネの福音書 21:15~25 1. 愛する 新改訳改訂第 3 版 ヨハネ 21:15 彼らが食事を済ませたとき イエスはシモン ペテロに言われた ヨハネの子シモン あなたは この人たち以上に わたしを愛しますか ペテロはイエスに言った はい 主よ 私があなたを愛

(1) 獣の形状 (1~2 節 ) (2) 獣の復活 (3~4 節 ) (3) 獣の支配 (5~8 節 ) (4) 励ましのことば (9~10 節 ) 3. 結論 : 反キリストはキリストの真似をする 反キリストの働きについて学ぶ Ⅰ. 獣の形状 (1~2 節 ) 1.1 節 Rev 13:1 また

2017 年 2 月 5 日 ( 日 ) 6 日 ( 月 ) 22 回 イスラエルに対する戦い (2) イスラエルに対する戦い (2) 黙 12:7~17 1. はじめに (1) キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている 110 章 ~14 章は 挿入箇所である * 物語の進展はなく 状況の説明が

2017 年 8 月 13 日 ( 日 ) 14 日 ( 月 ) 7 回 第 2 の警告 (2) 第 2 の警告 (2) ヘブル 4:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と誤

2 奇跡 3 父 4 聖書 4. メッセージのゴール (1) イエスを誰だと言うか (2) イエスを信じる者の幸いとは何か このメッセージは イエスの業と主張について考えようとするものである Ⅰ. イエスと父は一体である (19~29 節 ) 1. 行動において まことに まことに あなたがたに告げ

た 義認 の祝福を述べたものでしょうか しかしこの 1 節は 2 節の頭に なぜなら という言葉があるように 2 節と密接に関連しています ですから 2 節を見て行くことによって 1 節の意味を確かめることができます 2 節が述べていることは何でしょうか それは罪と死の原理からの解放です 私たちが

3 仲介者としての祭司たちが存在していた (2) 新約時代の状態 1すべての信者が まことの聖所に入ることができる * 天の聖所で 神の臨在の前に出ることができる 2これは 万人祭司の教えである 3 訳文の比較 こういうわけですから 兄弟たち 私たちは イエスの血によって 大胆にまことの聖所に入るこ

(1) 神殿の聖所と至聖所を分ける幕である 1 長さが約 18 メートル 厚さが約 10 センチ 2この幕の内側に入れたのは 大祭司だけである それも年に一度だけ 3 大祭司 アロンの家系 ケハテ氏族 レビ族 イスラエルの民 全人類 (2) この幕が 上から下まで真っ二つに裂けた 1 神の御手がこれ

2010 年 2 月 21 日 ( 日 ) 22 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 13 出エジ 13 出エジプト記 9 章 13 節 ~10 章 29 節 最後の 3 つの災い 1. 文脈の確認 (1) エジプトに主からの 10 の災いが下る (2)10 の災いの記述は 考え抜

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4きょう取り上げる 3~5のパターンは ユダヤ的に解釈する必要がある 5イエス時代のユダヤ教のラビたちの旧約聖書引用法 * 直接引用とその成就 * その箇所の解釈ではなく 適用である * きょうの3~5 のパターンは すべて適用である 6マタイは 5 つの引用によってイエスのメシア性を証明しようとし

2. アウトライン (1) 過去の回顧 (1~4 章 ) (2) 律法の解説 (5~26 章 ) (3) 未来の展望 (27~30 章 ) (4) 指導者の交代 (31~34 章 ) 3. 結論 (1) 律法の本質 (2) イスラエルの将来 (3) 申命記とイエスの教え 申命記を通して イエスの教え

* ペリシテ人の古代都市ガザは 前 93 年に破壊され 前 57 年に再建された * この道路は ガザの遺跡を通過し 新ガザに至る荒野の道である 5 ピリポは その命令に従順に従った 2.27b~28 節 Act 8:27b すると そこに エチオピヤ人の女王カンダケの高官で 女王の財産全部を管理し

Microsoft Word - ◎中高科

2011年度 牧羊者 第Ⅳ巻

としたこと それに対してイエスは 今は 止めないでほしい 正しい ことをすべて行うのは 我々にふさわしいことです ( マタイ 3 15) と 言って ヨハネから洗礼をお受けになったと伝えています しかしマルコ福音書は そういうことは何も伝えていません イエス は ユダヤの全地方から集まって来た大勢の

2012 年 1 月 15 日 ( 日 ) 16 日 ( 月 )53 ローマ人への手紙 14:13~15:3 キリスト者の自由 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)12 章は 基本的には教会内の行動についての勧めであ

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比喩:その他

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が それだけではなく 初めに来られた初臨についての約束もきわだっています メシヤ預言 キ リストについての預言が数多くあります ゼカリヤ書は あまり注目されない書物ですが 私は 神がエルサレムを愛しているその感情が大きく表現されている預言なので いつも励まされ 慰められ 大いにわくわくします 黙示的

2019 年 7 月 28 日 ( 日 ) 29 日 ( 月 ) 70 回 12 人の弟子たちの救い 12 人の弟子たちの救い 使徒 19:1~7 1. はじめに (1) 第三次伝道旅行が始まった 1 使 18:23~21:17( 紀元 53 年の春から 56 年の春 ) 2パウロは ひとりで出かけ

6ユダヤ人は 人種的 宗教的理由によって サマリヤ人を軽蔑した * ユダヤの格言 私の目が サマリヤ人を見ることがないように 7サマリヤ人も ユダヤ人を軽蔑し 敵対した * ユダヤ人がエルサレムから下ることは許したが 上ることは許さなかった 8 現代もサマリヤ人の子孫たちが存在している ( 千名以下

2012 年 2 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )59 ローマ人への手紙総まとめ 総まとめ 1. はじめに (1) 執筆の意図 1 使徒としての使命 * 所々 かなり大胆に書いた (15:15) 2 使徒としての奉仕の原則 * 他人の土台の上に建てない (15:20) * これまで ロ

は歯が痛くなるとズキンズキンとして何をしていても繰り返し襲って来る痛みに悩まされますが そのように 絶えず痛みがある と言わずにいられないような痛みを感じ続けていた 一体それはどんな悲しみ 痛みだったのでしょうか それが同胞ユダヤ人の不信仰に関することでした パウロがどんなに同胞 同国人のことを思っ

2017 年 7 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 ) 3 回 御使いに勝る御子 (2) 御使いに勝る御子 (2) ヘブル 2:1~9 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と

イエスさまの公的な活動は 2 年から 3 年と言われます その短い時間の中で人々に与えた影響は 考えられないほど大きいものでした ここに今日 わたしたちが集まって礼拝しているのも そのせいです けれどもその 2 年ないし 3 年のイエスさまの活動はずっと順調であったわけではありません イエスを愛し慕

Nah 1:2 主 はねたみ 復讐する神 / 主 は復讐し 憤る方 / 主 はその仇に復讐する方 / 敵に怒りを保つ方 (1) ナホムは 傲慢な町ニネベに対して 滅び の預言を語ろうとしている 1ニネベを滅ぼす神は どういうお方なのかという情報を冒頭に置いている (2) 主 はねたみの神 復讐する神

な声で私に呼びかけるのが聞こえたあの初めの声が言った ここに上れ この後 必ず起こる事をあなたに示そう (1) ヨハネは 7 つの教会への手紙の啓示を聞いた後 天の御座の幻を見た 1 その後 私は見た とは 時間の流れを示す言葉である (2) 招きの言葉がかかった 1 一つの開いた門があった * ヨ

1 それは キリストにのみ適用される御名である (2) 旧約聖書では 御使いたちは 神の子たち と呼ばれた Job 38:7 そのとき 明けの星々が共に喜び歌い / 神の子たちはみな喜び叫んだ 1 新約聖書では 信者が 神の子たち と呼ばれる ( ヨハ 11:52) 2しかし 御子 ( ヒュイオス

創世記5 創世記2章4節b~25

2 イエスの戒めを守るなら イエスの愛に留まることになる (2) その教えを話した理由は 弟子たちが喜びに満たされるためである 1イエスは 自分が経験している喜びを弟子たちに与えようとしている 2イエスの喜びは 父なる神への従順 ( 喜ばせること ) によって生まれる 3ヘブ 12:2 Heb 12

シリーズ キリストの再臨と終末の預言 -No.2( 改訂 ) キリストの空中再臨と教会の携挙 ( その二 ) 教会の 携挙 についての聖書的根拠 ベレーシート 前回は シリーズ キリストの再臨と終末の預言 の第一回目として キリストの空中再臨と教会の携挙 について学びました このことはとても重要な教

(2) ロマ 7:1~6 の要約 1 律法の大原則 * 律法は 人に対して権限を持つ * 律法は 死んだ人には権限を持たない 2 結婚関係の例話 * 夫が生きている間は 結婚の律法によって制約されている * それを破れば 姦淫の女と呼ばれる * 夫が死ねば 結婚の律法から解放される * 再婚しても

JD Farag 牧師中東アップデート 2017 年 4 月 2 日公開 新しいアメリカ大統領に相対する 新しい世界平和の推進 今日お伝えするのは 新しいアメリカ大統領に相対する 新しい世界平和の推進 です 皆さんも恐らく私と同じだと思いますが ここ数年の間の 中東平和に対する あくなき探求 を追っ

2018 年 2 月 4 日 ( 日 ) 5 日 ( 月 ) 29 回 善行の勧めと信仰上の勧め 善行の勧めと信仰上の勧め ヘブル 13:1~17 1. はじめに (1) この手紙は ユダヤ教への回帰を考えていた第 2 世代のメシアニック ジューたちを励ますために書かれた 1 教理的学び 2 学んだ

牧会の祈り

子たちも オリーブ山から神殿を眺めて これはまあ 何とみごとな石でしょう 何とすばらしい建物でしょう ( マルコ 13:1) と感嘆の声を挙げました しかし イエス様は この大きな建物を見ているのですか 石がくずされずに 積まれたままで残ることは決してありません ( マルコ 13:2) と言われたの

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1:14 ことばは人となって 私たちの間に住まわれた 私たちはこの方の栄光を見た 父のみもとから来られた ひとり子としての栄光である この方は恵みとまことに満ちておられた 今日はこの後 神が人となってくださったことについて考えたいと思いますが まずこの聖句にある 住まわ れた について ご一緒に考え

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聖書に聞く会 ( 第 2 回 ) マルコによる福音書 1 章 1-8 節 2014 年 5 月 8 日 古本靖久 1 聖歌 60 番 ヨルダンのほとりヨハネはさけべり 2 お祈り 3 テキストの位置 今日の箇所はマルコ福音書のはじめの部分であり この福音書は何について書くのか決定づける所です 特に

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神殿とは 神の住まいです 自分の中に神が住まわれたということが救いであり このよ うにしてイエス様とつながっているから イエス キリストを知ることができるようになる のです 神とのつながりを断ち切ることはできない わたしは彼らに永遠のいのちを与えます 彼らは決して滅びることがなく また だれ もわた

2014 年 10 月 7 日 ( 火 ) 60 分で分かる創世記 60 分で分かる創世記 1. はじめに (1) 60 分で分かる〇〇 のシリーズを開始する 11 節 1 節の解説も重要であるが 鳥瞰図的な理解も必要である 2その場合重要なのは センス オブ プロポーション である (2) 創世記

24:24 それで わたしたちの仲間が数人 墓に行って見ますと 果して女たちが言ったとおりで イエスは見当りませんでした 24:25 そこでイエスが言われた ああ 愚かで心のにぶいため 預言者たちが説いたすべての事を信じられない者たちよ 24:26 キリストは必ず これらの苦難を受けて その栄光に入

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2 A. その正体この獣について その正体 いったいだれのことなのかを見ていきましょう 黙示録 16:13を見てください また 私は竜の口と 獣の口と にせ預言者の口とから かえるのような汚れた霊どもが三つ出て来るのを見た 竜の口 獣の口 にせ預言者の口 と書かれています すでに 私たちは竜はサタン

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ゼカリヤ書 3-4 章 主の二人の指導者 1A 義と認められる神 3 1B 大祭司の清め 1-5 1C サタンの訴えを責める主 1-2 2C 新たな礼服 3-5 2B 一つの若枝 C 宮を治める者 6-7 2C 七つの目のある石 A 御霊による働き 4 1B 油注がれる燭台

新約聖書の学び

ミドラーシュ(4月27日)

B2 神はどのようなお方か 1Chro.29:10-12 Dt.10:12-13 Ps.95:1-7 B3 イエス キリストはどのようなお方か John.14:8-10 Mk.6:31-56 John.10:30-33 Heb.2: John.4:2-3 2John.7-10 B4 三位

牧会の祈り

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牧会の祈り

を与えられて 祈りつつ取り組んで行くように導かれる ですから私たちは自分の願い事を一方的に神に祈る祈りはやめて まず聖書を通してまず神を見上げること 御名を賛美することから始めたいのです そのような神への賛美また信仰告白から始まる祈りこそ祝福される祈りの基礎です さて第 2 の祈りは 御国が来ますよ

Heb 11:23 信仰によって モーセは生まれてから 両親によって三か月の間隠されていました 彼らはその子の美しいのを見たからです 彼らは王の命令をも恐れませんでした (1) この節は モーセの信仰ではなく モーセの両親の信仰を記録している 1 彼らは その子の美しいのを見た * ギリシア語で ア

Rev 11:19 それから 天にある 神の神殿が開かれた 神殿の中に 契約の箱が見えた また いなずま 声 雷鳴 地震が起こり 大きな雹が降った 1これは 鉢の裁きが始まる前の天の神殿の状況描写である 2 默 15:1 は それを引き継いでいる (2) 天にもう一つの巨大な驚くべきしるしを見た 1

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ダニエル書は終末についてどのように語っているか No.2 御使いガブリエルが告げた 七十週 の預言 聖書箇所 9 章 20 節 ~27 節 はじめに 前回はダニエル書 2 章から バビロンの王ネブカデネザルの見た正夢に ついて学びました その正夢は終わりの日に起こることを示されたものでした ダニエル書は終末について どのように教えているか 今回はダニエル書 9 章から 七十週の預言 について学びます ダニエルはネブカデネザルが最初にバビロンに人質として連れて行った有能な若者でした ダニエルはバビ ロンの王に仕えていました バビロンがメディア ペルシャによって滅びた後も そのメディア ペルシャの 王にも仕えていた人物でした ダニエル書 9 章 23 節は 御使いガブリエルが神から遣わされてダニエルのところに来て語ったことばです 9 章 1 節でダニエルは ダリユス王の治世の元年に 預言者エレミヤのことばによって 70 年の捕囚が終わる事を知りました これはおそらく預言者エレミヤがバビロンの捕囚となった人々に宛てた手紙によってだと思われます エレミヤ書 29 章 10 節には バビロンに七十年の満ちるころもわたしはあなたがたを顧み あなたがたをこの所 ( エルサレム ) に帰らせる と記されています 当時の偽預言者ハナヌヤは二年ほどで捕囚となった人々は解放されると人々に安易に語っていましたが エレミヤはハナヌヤの語っていることは偽りであることを人々に告げ知らせました 事実 捕囚の 70 年 ( 実際は 50 数年程 ) は神が意図をもって定めたものであり 神の民に心を尽くして神を捜し求めさせるためでした しかもそれは彼らにとって将来と希望を与えるためのものだったのです ダニエルは その手紙 ( 文書 ) によって イスラエルへの帰還が近い事を知り 主に祈ったのです そのことが 9 章 3~19 節に記されています ダニエルは神の民の罪を悔い改め あわれみを示して下さるように神に祈りました 1. 御使いガブリエルが伝えた 七十週の預言 ダニエルがそのような祈りをささげていたときに 御使いガブリエルが神から遣わされてダニエルに近づいて来て 次のように告げました 22~23 節 ダニエルよ 私は今 あなたに悟りを授けるために出て来た あなたが願いの祈りを始めたとき 一つのみことばが述べられたので 私はそれを伝えに来た あなたは神に愛されている人だからだ そのみことばを聞き分け 幻を語れ 6

ガブリエルの来訪の目的は ダニエルに 悟りを授けるため ( 新改訳 ) でした 新共同訳では 目覚めさせるために と訳しています ダニエルを目覚めさせる神からの 一つのみことば とは神の奥義 すなわち 隠された神の秘密 です それはダニエルが祈り始めたときにすでに神から発せられたものでしたが それをダニエルに悟らせるために御使いガブリエルによって届けられたのです その内容はダニエルが考えているものとは異なっていました いったい何が異なっていたのでしょう それは 七十年 という理解です ダニエルはエレミヤの手紙を通して 70 年の捕囚が終わることが近いことを知って 悔い改めの祈りをし その祈りの中で 主ご自身のために 御顔の光を 荒れ果てたエルサレムに輝かせ 治めてください と願いました しかし御使いガブリエルが神から遣わされて 70 年の捕囚が終わるのを知って祈っているダニエルに向かって 実はそれは間違いであることを教えます あなたの民とあなたの聖なる都 ( エルサレム ) については 七十週が定められています このことばを聞き分け 幻を悟るようにと御使いガブリエルはダニエルに伝えました つまり ダニエルは 七十年 ではなく 七十週 正確に言うならば 七十週年 (490 年 ) だということを知らされたのです したがってダニエル書における終末の教えは この 七十週 をいかに正しく理解するかにかかっています 2. 七十週 が定められているのは 神の民と聖都エルサレムに対して 22 節と 23 節に 3 度 ビーン (@ybi ) というヘブル動詞が出てきます これは神の奥義を理解し その秘密を悟ることを意味します その秘密の内容は 24 節にあるように あなたの民とあなたの聖なる都については 七十週が定められている というものです あなたの民 とはイスラエルの民 ( ユダヤ人 ) のことです また 聖なる都 とはエルサレム あるいは エルサレム神殿のことです どちらか一方の事柄でなく 二つの事柄が合わさっての預言なのです この二つの事柄について 七十週が定められているとはどういう意味なのでしょうか (1) 七十週の預言 にある六つの計画 七十週 という意味について 聖書の中では 1 日を 1 年と見なす解釈があります ( 民数記 14:34 およびエゼキエル書 4:6 を参照 ) とすれば 単純に計算すれば 7 日 70 週 =490 日で 490 年を意味しています つまり 七十週が定められている とは 490 年経つとメシア王国が到来することを意味しています 24 節には 七十週の預言 にある六つの計画 ( あるいは目的 ) が記されています つまり 七十週 (490 年 ) が終わると 右の図にあるように 六つのことがなされるということです No.1~3 まではメシアの初臨によって神の側では実現していますが 神の民イスラエルはまだそれを民族的に受け取っていません ( ヘブル 9~10 章 ) No.4~6 はやがて再臨されるメシアによって実現するものです ( ヘブル 9:28) 永遠の義 は完全なメシア王国でしか成り立ちません 幻と預言とを確証する とは聖書のすべての幻と預言が成就するということです 最後の 至聖所に油を注ぐ とは メシア王国 ( 千年王国 ) の時代に建てられる第四神殿において 神のシャハイナ グローリーが現わ 7

れるところに特別な油が注がれることを意味しています ソロモン時代の第一神殿ではその献堂式においてシャハイナ グローリーが現われました そこで仕えている祭司たちが立っていられないほどの主のご臨在がありました しかし捕囚からの帰還後に建てられた第二神殿 および 終末に反キリストがユダヤ人のために建てるとされる第三神殿においてもそれは現われません 再び シャハイナ グローリーが現わされるのはメシア王国 ( 千年王国 ) に建てられる第四神殿と考えられます これが 七十週 の意味する預言です (2) 三つの時期に分けられた 七十週 七十週 の預言は三つの時期に分けられています 最初は 七週 (49 年間 ) 次に 六十二週 (434 年 間 ) そして最後の 一週 (7 年間 ) の三つです なぜ このように分けられているのかが重要なポイントです 1 七十週の起算点 について エルサレムの神殿再建命令 すなわち 70 週の起点となる年は以下のようにさまざまな異論があります (1) B.C.457 ペルシャの王アルタシャスタ王の第七年目と理解する説 ( ダニエル 9:25/ エズラ記 7:11~26) この説に従えば 7 週と 62 週の後に すなわち 483 年後である A.D.27 年にメシアは公の働きを初め その 3 年後に十字架に磔にされることによって 油注がれた者は断たれます ( ダニエル 9:25~26) という預言が成就します (2) B.C.445 神殿と城壁 エルサレムの再建をアルタシャスタ王が命じた時と理解する説 ( ネヘミヤ 2:1~8/ エズラ 4:7~23) (3) B.C.539 クロス王による勅令の時と理解する説 (Ⅱ 歴代誌 36:22~23/ エズラ 1:1~4 6:3~5) この説の根拠とするところは エレミヤ書の 70 年の捕囚預言 ( エレミヤ 25:11, 12/29:10) と イザヤ書の わたしはクロスに向かっては わたしの牧者 わたしの望む事をみな成し遂げる と言う エルサレムに向かっては 再建される 神殿は その基が据えられる と言う ( イザヤ 44:28) の預言の成就という観点からです (4) B.C.519/518 ダリヨス王による勅令 ( エズラ 5:3~17 6:1~12) 2 A.D.70 年にエルサレムの神殿はローマ軍によって完全に破壊され ユダヤ人は世界に離散するようになりました それ以来 歴史は止まったままの状態です 1948 年のイスラエル建国以来 ユダヤ人たちはエルサレムに帰還しつつありますが エルサレムの神殿は未だ再建されていません 歴史が再び動き出すのは ユダヤ人の帰還と神殿の再建というこの二つがそろった時です つまり 最後の 1 週 (7 年間 ) 以降と言えます 8

3. ダニエル書 9 章 25 節 ~27 節までの注解 新改訳改訂第 3 版 ダニエル書 9 章 25~27 節 25 それゆえ 知れ 悟れ 引き揚げてエルサレムを再建せよ との命令が出てから 油そそがれた者 君主の来るまでが七週 また六十二週の間 その苦しみの時代に再び広場とほりが建て直される 26 その六十二週の後 油そそがれた者は断たれ 彼には何も残らない やがて来たるべき君主の民が町と聖所を破壊する その終わりには洪水が起こり その終わりまで戦いが続いて 荒廃が定められている 27 彼は一週の間 多くの者と堅い契約を結び 半週の間 いけにえとささげ物とをやめさせる 荒らす忌むべき者が翼に現れる ついに 定められた絶滅が 荒らす者の上にふりかかる (1)25 節 25 節にある 七週 は 7 日 7 週 =49 日となり 49 年間を意味します また 六十二週 は 7 日 62 週 =434 日となり 434 年を意味します 七週 と 六十二週 を合わせると 六十九週 となり 49+ 434=483( 年 ) となります なぜここで二つの期間に分けられたのか それはおそらく 広場とほり が二度建て直されたからと考えられます 25 節の 油そそがれた者 君主 とは おそらくアルタシャスタ王ですが 彼が来るまでに 聖なる都 ( 神殿 ) は二度 苦しいところを通りながら建て直されたことを意味しています (2)26 節 26 節の その六十二週の後 油そそがれた者は断たれ 彼には何も残らない とは イェシュアが油注がれて三年半にわたる宣教活動を経て十字架の死にかかられることを預言しています 彼には何も残らない とは イェシュアは死から復活して天に昇られたために この地上では目に見える姿として何もないという意味 9

です 続いて やがて来たるべき君主の民が町と聖所を破壊する の 君主 とは 偽キリスト ( 反キリスト ) のことです そして その終わりまで戦いが続いて 荒廃が定められている とは 異邦人の時が終わるまで エルサレムは異邦人に踏み荒らされることを意味します 異邦人の時が終わる時までとは 反キリストがキリストの再臨によって滅ぼされる時までです それまでは 異邦人の時 なのです 70 週目に入るまでの歴史の時計は止まった状態です なぜなら この時計は神の民ユダヤ人と聖なる都エルサレムがいっしょにある時にのみ動く時計だからです つまり 七十週の預言 は 神の民と聖なる神の都エルサレムが同時に存在しているときに関するものなのです (3) 27 節 27 節 彼は一週の間 の 彼 とは反キリストのことであり 続く 一週の間 とは七十週預言の最後の一週 (7 年間 ) のことです つまり 反キリストの支配が 7 年間に及ぶことを意味しています ただし 7 年の前半の 半週の間 ( つまり 3 年半 ) は平和的なメシアの様相を呈しています おそらくすべての宗教的混淆による平和がもたらされると考えられます この平和的メシア ( 実は 偽メシアです ) は 神の選びの民であるユダヤ人のために第三神殿を建てることまでします そしてユダヤ人を完全に信用させます しかし後の 半週の間 (3 年半 ) は 偽メシアとしての本性を顕わにします 荒らす忌むべき者が翼に現われる にある 翼 とは 神殿 のことです すなわち 偽メシアが 神殿 の座に着き 自らを神と称して人々に礼拝を強要するようになることを意味しています その時こそまさにユダヤ人にとって大患難の時を迎えるのです 患難期前携挙説 では 異邦人クリスチャンは天に引き上げられるために患難には遭わないと考えますが 患難期後携挙説 では 異邦人クリスチャンも患難に遭うと考えます しかし ついに 定められた絶滅が 荒らす者の上にふりかかり ます それは再臨されるメシア ( キリスト ) によって反キリストは完全に滅ぼされるということを意味しています 終わりに 終わりの日の預言がダニエルに示され このことを悟り 理解するようにと告げられたのです 現代に生きる 神に愛されている 私たちも ダニエルと同様にこのことを悟る必要があります なぜなら 神のご計画のマスタープランを知ることによって自分の立ち位置が見えてくるからです ゴールが見えることで 目に見えることに一喜一憂することなく 将来と希望を 確信をもって生きることができるようになるからです 敵であるサタンはこの学びを快く思わないはずです 神は 地理的にも 歴史的にも 必ずイスラエルを中心としてご自身のご計画を進められます 神のご計画のマスタープラン ( 全体像 ) 特に 終わりの日についての理解が希薄であれば 自信をもって生きるキリスト者にはなれません なぜなら 聖書理解 ( 解釈 ) において脆弱性をかかえていることになるからです 終末預言は決してやさしくはありません とても複雑です それゆえ 繰り返し 繰り返し 根気強く学ぶ必要があります 10