地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

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一般会計負担の考え方

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山梨県地域医療再生計画 ( 峡南医療圏 : 救急 在宅医療に重点化 ) 現状 社保鰍沢病院 (158 床 ) 常勤医 9 名 実施後 社保鰍沢病院 峡南病院 (40 床 ) 3 名 市川三郷町立病院 (100 床 ) 7 名 峡南病院 救急の重点化 県下で最も過疎 高齢化が進行 飯富病院 (87 床

目 次 調査結果について 1 1. 調査実施の概要 3 2. 回答者の属性 3 (1) 主な事業地域 3 (2) 主な事業内容 3 3. 回答内容 4 (1) 地価動向の集計 4 1 岐阜県全域の集計 4 2 地域毎の集計 5 (2) 不動産取引 ( 取引件数 ) の動向 8 1 岐阜県全域の集計

01 【北海道】

第 2 部 医療圏と基準病床数 ( 第 1 章医療圏 ) 第 2 部 医療圏と基準病床数 医療圏とは 地域の医療需要に対応して包括的な医療を提供していくための区域であり 具体的には 医療資源の適正な配置と医療提供体制の体系化を図るための 地域的単位のこ とです 医療圏は 医療法により 初期の診断 治

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平成 29 年度第 1 回徳島県医療審議会 質疑 調整会議での議論を待たずしてかなりの病床の移動が起こりつつある それをコントロールできないと 調整会議そのものが意味をなさなくなるのではないか 1 当会議の運営要領を定めてはどうか 2 病床機能分化 連携推進体制整備事業について当会議の審議事項として

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京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

地域医療構想(序章~1章)医療審議会用

二次医 市町村名 初期救急医療体制 第二次救急医療体制 第三次救急 療圏名 休日夜間急患センター等 在宅当番医制等 二次救急医療圏名 施設名 医療体制 中濃関市美濃市 初期夜間急病診療支援室 ( 中濃厚生病院 武儀医師会 (40 施設 ) 中濃 ( 病院群輪番制参加施設 ) 美濃市立美濃病院関中央病

07佐渡

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2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

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飛騨 下呂市立金山病院下呂市金山町金山 国民健康保険飛騨市民病院飛騨市神岡町東町 糖尿病療養を担当する医師がおり 糖尿病教育 血糖コントロール 合併症精査などを行う 4 基幹的医療機能 ( 更新日平成 28 年 12 月 1 日

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本推計は 医療 介護情報の分析 検討ワーキンググループにおける検討内容について ( 第 4 回医療 介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会資料 2 松田委員提出資料 ) 地域医療構想策定ガイドライン等について ( 平成 27 年 3 月 31 日付け医政発 0331 第 53 号 ) 及び

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第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」


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千葉大学医学部附属病院の基本情報 医療機関名 : 千葉大学医学部附属病院開設主体 : 国立大学法人千葉大学所在地 : 千葉県千葉市中央区亥鼻 許可病床数 :850 床 ( 病床の種別 ) 一般病床 800 床 精神病床 45 床 感染症病床 5 床 ( うち ICU18 床 CCU4 床

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第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

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介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

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目次 西美濃厚生病院の基本情報 1 1. 現状と課題 (1) 構想区域の現状 3 (2) 西濃圏域の課題 7 (3) 自施設の現状 1 自施設の診療実績 8 2 自施設の特徴及び地域の現状 11 3 自施設の担う政策医療 14 4 救急医療 17 5 他機関との連携 18 6 在宅医療 18 (4)

入院時生活療養費の見直し内容について(厚生労働省保険局保険課:H29.4.7)

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歯科中間報告(案)概要

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月


地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後


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このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

されるなど 公営企業に対する環境や評価については 今後ますます厳しくなることが予想される こうした状況の変化にも対応できるだけの経営体力を醸成することはもちろんであるが 一方で採算性の面で課題のある分野についても 公立病院が引き続き担わざるを得ない分野があると考えられる 特に救急分野においては 和歌

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高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

1.2 回答者の属性回答病院の設置主体は医療法人が 81.7% 社会福祉法人が 7.4% 社会医療法人が 5.7% であった ( 図表 1) ( 図表 1) 設置主体 5.7% 4.6% 0.6% n=175 医療法人 7.4% 社会福祉法人 ( 図表 3) 療養病床割合 ( 対総病床数 ) n=1

スライド 1

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

区分

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群馬県地域医療構想

の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

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アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

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概要

改定事項 基本報酬 1 入居者の医療ニーズへの対応 2 生活機能向上連携加算の創設 3 機能訓練指導員の確保の促進 4 若年性認知症入居者受入加算の創設 5 口腔衛生管理の充実 6 栄養改善の取組の推進 7 短期利用特定施設入居者生活介護の利用者数の上限の見直し 8 身体的拘束等の適正化 9 運営推

13【東京都再修正版】平成28年度第2回精神障害者の地域移行担当者等会議【事前課題】シート290222

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都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

■● 糖尿病

Transcription:

地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体制を 構想区域 (= 二次医療圏 ) を設定して策定することとされた 策定及び実現に向けての取組を検討する場として 各圏域に地域医療構想調整会議を設置 2 地域医療構想で定める事項 (1) 入院患者数の推計 国の推計方法に則り 2025 年 ( 平成 37 年 ) における推計入院患者数を圏域ごとに推計 (2) 医療需要 ( 必要病床数 ) の推計 ( 目標参考値 ) 推計入院患者数を基に 都道府県間や構想区域間において患者数を調整した上で 国の推計方法に則り 圏域内の機能区分ごと ( 高度急性期 急性期 回復期 慢性期 ) の必要病床数を推計 現在の病床数と必要病床数について 現時点 ( 平成 26 年 7 月 1 日時点 ) での本県の病床数は 1 万 8 千床強 2025 年の本県の必要病床数は 1 万 5 千床程度と推計 病床の機能区分について 現時点での病床数 2025 年の必要病床数 高度急性期 約 2,200 床 約 1,700 床 急性期 約 10,200 床 約 5,800 床 回復期 約 1,100 床 約 4,800 床 慢性期 約 3,700 床 約 2,700 床 区分未回答約 800 床 0 床合計約 18,000 床約 15,000 床 - 1 -

(3) 将来あるべき医療提供体制を実現するための施策 地域医療介護総合確保基金等を活用して必要な施策を検討 病床の機能分化 連携の推進 在宅医療 介護体制の充実 医療従事者等の育成 確保 介護施設設備 人材確保対策 資質向上 健康づくりの推進 3 2025 年の必要病床数の考え方〇国ガイドラインに基づく 2025 年の必要病床数は 療養病床に入院している比較的軽症の長期療養が必要な高齢者について 将来は介護施設を含めた在宅等で医療を受けつつ療養することを前提とするなど 必ずしも本県の実態に即したものではないとの指摘もあるところ 〇このため 今回の構想での必要病床数は 国ガイドラインで示された人口推計等を代入した計算方法による参考値であると捉え むしろ 適正で効率的な医療提供体制を確立するための施策に重点を置いて取り組む 〇具体的には 各医療機関の自主的な取組みを基本として 主に以下の 2 点の取組みを支援する施策を講じていく 1 急性期病床から回復期病床へ 急性期病床が多く 回復期病床が不足しているため 適正なバランスを確保 2 慢性期病床から在宅医療等へ 療養病床等の必要性を十分踏まえたうえで 介護施設を含む在宅医療等を充実 4 医療提供体制の見直しの方向性 (1) 適正な役割分担 各圏域ごとに主として急性期を担う病院に加え 特定の診療分野や政策医療分野で貢献している病院や 地理的要因から急性期を担う病院以外は 各地域における救急医療体制の確保に配慮しつつ 回復期中心への転換を検討する (2) 病床規模の適正化 病床の稼働状況も踏まえ 休床状態にある病床の取扱い等について地域医療構想調整会議で検討する - 2 -

(3) 経営基盤の効率化 今後の医療提供体制を考える場合 医療機関相互の機能の分担と業務の連携が特に重要であることから 例えば 平成 29 年 4 月から施行される地域医療連携推進法人制度の導入や 病院の再編等も含めて研究 検討を行う 5 各圏域の方向性 (1) 岐阜圏域 急性期医療 岐阜大学医学部附属病院 [ 県全体 ] 県総合医療センター 岐阜市民病院 松波総合病院 ( 特定分野等 ) 岐阜赤十字病院 ( 災害拠点 感染症 ) 長良医療センター ( 周産期 ) 村上記念病院 ( 脳卒中 ) 岐阜ハートセンター ( 心疾患 ) ( 地理的要因 ) 羽島市民病院 ( 羽島市 ) 東海中央病院 ( 各務原市 ) 岐北厚生病院 ( 山県市 ) 病院間連携 岐阜大学医学部附属病院 県総合医療センター 岐阜市民病院 松波総合病院において 病院間の関係整理 位置づけについて研究 検討 ( 地域医療連携推進法人制度の導入についても検討 ) (2) 西濃圏域 急性期医療 大垣市民病院 ( 地理的要因 ) 大垣徳洲会病院 ( 大垣市 ) 海津市医師会病院 ( 海津市 ) 西美濃厚生病院 ( 養老郡 ) 博愛会病院 ( 不破郡 ) 関ケ原病院 ( 不破郡 ) 揖斐厚生病院 ( 揖斐郡 ) 病院間連携 大垣市民病院以外の病院において 病院間の関係整理 位置づけについて研究 検討 (3) 中濃圏域 急性期医療 木沢記念病院 ( 可茂地域 ) 中濃厚生病院 ( 関 美濃地域 ) 郡上市民病院 ( 郡上地域 ) ( 地理的要因 ) 市立美濃病院 ( 美濃市 ) 可児とうのう病院 ( 可児市 ) 鷲見病院 ( 郡上市 ) 病院間連携 郡上市民病院と国保白鳥病院 ( 設置主体同一 ) において 病院間の関係整理 位置づけについて研究 検討 - 3 -

(4) 東濃圏域 急性期医療 県立多治見病院 ( 地理的要因 ) 多治見市民病院 ( 多治見市 ) 土岐市立総合病院 ( 土岐市 ) 東濃厚生病院 ( 瑞浪市 ) 市立恵那病院 ( 恵那市 ) 中津川市民病院 ( 中津川市 ) 病院間連携 県立多治見病院と多治見市民病院 ( 同一市内 ) 中津川市民病院と坂下病院 ( 設置主体同一 ) 市立恵那病院と上矢作病院 ( 設置主体同一 ) において 病院間の関係整理 位置づけについて研究 検討 (5) 飛騨圏域 急性期医療 高山赤十字病院 ( 久美愛厚生病院と連携 ) ( 地理的要因 ) 県立下呂温泉病院 ( 下呂市 ) 市立金山病院 ( 下呂市 ) 飛騨市民病院 ( 飛騨市 ) 病院間連携 高山赤十字病院と久美愛厚生病院 県立下呂温泉病院と市立金山病院 ( 同一市内 ) 久美愛厚生病院と高山厚生病院 ( 同一市内 設置主体同一 ) において 病院間の関係整理 位置づけについて研究 検討 ( 地域医療連携推進法人制度の導入についても検討 ) 6 将来あるべき医療提供体制を実現するための施策の内容 (5 つの柱 ) (1) 病床の機能分化 連携の推進 病床機能の転換の促進 医療機関相互の機能の分担及び連携 地域における特定の医療機能の強化 地域医療構想の推進 周知及び啓発 (2) 在宅医療 介護体制の充実 地域包括ケアシステム ( 在宅医療 在宅介護体制 ) の構築 在宅医療を担う医療機関への支援 在宅医療を支える人材育成の推進 在宅歯科医療の推進による口腔機能向上 在宅医療の普及 啓発 在宅療養者や在宅療養を支える家族への支援 認知症の方への円滑な医療 介護連携体制の構築 介護予防の推進 - 4 -

(3) 医療従事者等の育成 確保 医師の総数の拡大 ( 県内人材の育成 確保 ) 医師偏在への対応 ( 地域偏在の解消 診療科偏在の解消 ) 勤務医の県内定着 ( 勤務環境の整備 女性医師の活躍支援 ) 看護職員の養成支援 看護職員の確保対策 ( 県内就業促進 離職防止 再就業支援 ) 看護職員の資質向上 その他医療従事者の確保 養成 (4) 介護施設整備 人材確保対策 資質向上 介護施設等の整備に対する支援 介護人材の育成 確保 勤務環境の改善等による離職防止 介護職員の資質向上 介護の仕事に関する理解の促進 在宅介護サービスの充実 (5) 健康づくりの推進 望ましい生活習慣の定着 生活習慣病対策の推進 データヘルスの推進 - 5 -