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平成 28 年度 第 3 回一宮川流域浸水対策協議会資料 平成 28 年 6 月 20 日 長生合同庁舎 4 階大会議室 一宮川流域浸水対策協議会

よしのがわ 吉野川流域の概要 早明浦ダム再生事業事業概要 (1) あがわぐんかめがもりいけだ 吉野川は その源を高知県吾川郡の瓶ヶ森に発し 四国山地に沿って東に流れ 北に向きを変えて四国山地を横断し 徳島県池田にお だいじゅう いて再び東に向かい 徳島平野に出て第十地点で旧吉野川を分派し 紀伊水道に

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第 4 回仁淀川流域学識者会議 那賀川河川事務所 資料 -5 の内水対策について 浸水被害の検証について 対策の考え方について 対策の内容検討について ( 計画段階評価 ) 平成 27 年 1 月 28 日 国土交通省四国地方整備局高知県

那賀川河川事務所 浸水被害の検証について 1 の流域特性 い げ 神母樋門 放水路 は 仁淀川河口より 14.2km付近で合流する右支川 で 流域面積38.0km2 幹線流 路長11.7kmの一級河川 凡例 口 戸梶川合流 標高 T.P.m すじちがい 30.0 筋違橋 B C 27.0 30.0 派川 24.0 27.0 21.0 24.0 氾濫原は 上流に向かうほど地 盤高が低くなる典型的な低奥地 形で 河川勾配は約1/3000程 度と緩やか 放水路 D 18.0 21.0 B 15.0 18.0 15.0 C 古くから頻発する浸水被害に悩 まされてきた D うまごえ おかばな 馬越調整池 岡花調整池 いわ め じ 岩目地観測所 水位 雨量 流域の地盤高標高図 地形縦断図 A A 神母樋門 放水路 口 戸梶川合流 筋違橋 仁淀川HWL 14.2k 26 地形横断図 C C 35 24 22 30 浸水位 平成26年台風12号 D D 地盤高 観測水位(H26T12) 現況最深河床高 地盤高 16 C C B B 14 現況最深河床高 上流 7.50 7.00 6.50 6.00 5.50 5.00 4.50 4.00 3.50 3.00 2.50 2.00 1.50 1.00 0.50 浸水位 国道33号 15 12 下流 左岸 右岸 0.00 0.3 0.4 地形横断図 D D 35 地形横断図 B B 平成26年台風12号 JR土讃線 0.5 0.6 0.7 0.8 距離(km) 35 30 工場 30 トマト集荷場 25 トマトビニールハウス 15 浸水位 平成26年台風12号 国道33号 JR土讃線 左岸 標高 T.P.m 25 標高 T.P.m 8.50 8.00 距離(km) 25 標高 T.P.m 18 標高 T.P.m 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 右岸 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 浸水位 平成26年台風12号 国道33号 15 右岸 左岸 0 1.2 距離(km) 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 距離(km) 1

浸水被害の検証について 2. 現在までの改修経緯 昭和 21 年の南海地震による地盤変動対策事業により 仁淀川に分流する派川放水路が昭和 36 年に完成 昭和 50 年 8 月の大洪水を契機に 昭和 51 年に河川激甚災害対策特別緊急事業が採択され 放水路の建設に着手し 昭和 57 年に完成 河道の改修は 中小河川改修事業として昭和 50 年に着工し 戸梶川合流点より上流部及び支川戸梶川の暫定改修を実施 河道への流量負担軽減を目的として 平おかばな成 年に岡花調整池が完成し 平成 23 うまごえ年に馬越調整池が完成 流域 A=38.0km 2 那賀川河川事務所 うまごえ馬越調整池 出水履歴 改修経緯 M 年神母閘門築造南海地震地盤変動対策事業 (S28~S36 年 )( 県 ) S36 年 ( 県 ) 派川完成 S50.8 台風 5 号床上 659 戸 S51.9 台風 17 号床上 515 戸 S50 年 ( 県 ) 中小河川改修事業着手 放水路の設置によって 昭和 50 年 8 月洪水が再来しても 軒下浸水を解消し 内水被害の大幅な軽減を図る 河川激甚災害対策特別緊急事業 (S52~S57 年 )( 国 ) S57 年 ( 国 ) 放水路完成 S62 年 ( 国 ) 神母樋門完成 H 9. 9 豪雨床上 3 戸 H 年 ( 県 ) 岡花調整池完成 H15. 5 台風 4 号床上 8 戸 H16. 8 台風 号床上 2 戸 H16. 9 台風 21 号床上 5 戸 H16. 台風 23 号床上 9 戸近年 低いところに建てられた家屋の床上浸水被害が発生 H17. 9 台風 14 号床上 4 戸 H18. 4 豪雨床上 1 戸 H19. 7 台風 4 号床上 4 戸 H23 年 ( 県 ) 馬越調整池完成 H25 年 12 月仁淀川水系河川整備計画策定 ( 改修計画を含む ) 広域河川改修事業にて整備を推進 放水路 ( 呑み口 ) 放水路 ( 呑み口付近 ) 放水路呑み口 H26.8 台風 12 号床上 9 戸 H26.8 台風 11 号床上 18 戸 1 週間に 2 度の床上浸水被害発生 戸梶川 2

浸水被害の検証について 3. 地域開発の状況 高知市のベットタウンとして 主要幹線道路沿いを中心に宅地化が進行 企業誘致により工業団地が立地 低平地部に 地域特産のトマト栽培ハウス及び選果場が建設 凡 例 那賀川河川事務所 : 宅地化の進行が顕著な箇所 : 工業団地が進出した箇所 : トマト栽培ハウス 集荷場が立地した箇所 日高村中心部 沖名地区 JR 土讃線 本郷地区 日高村役場 岩目地地区 馬越調整池 至 : 四万十 下分地区 至 : 高知 国道 33 号 清水工業団地 沖名工業団地 至 : 松山 沖名地区 馬越調整池 昭和 50 年 (1975 年 ) 宅地化の進行 工業団地の進出 トマト集荷場の建設等 トマト栽培ハウス シュガートマト選果場 JR 土讃線 本郷地区 日高村役場 至 : 四万十 岩目地地区 下分地区 至 : 高知 村の駅ひだか 村の駅ひだか の店内 国道 33 号 岡花調整池 村の駅ひだか シュガートマト選果場 清水工業団地 沖名地区 馬越調整池 至 : 松山 平成 24 年 (12 年 ) 沖名工業団地 3

浸水被害の検証について 4. 出水概要 那賀川河川事務所 台風 12 号の影響により 8 月 3 日にかけて大雨となり 浸水家屋 159 戸 ( 床上 9 戸 床下 50 戸 ) 浸水面積は 274ha の甚大な被害が発生 浸水被害状況 ( ) 台風 12 号 河川名 台風名 市町浸水面積浸水家屋 ( 戸 ) 浸水村名 (ha) 床上床下小計原因 日高村 231 9 50 159 内水 12 号 佐川町 43 0 0 0 内水 合計 274 9 50 159 雨量と水位の状況 ( ) 台風 12 号 時間最大雨量 :48.0 mm (8 月 3 日 7~8 時 ) 最高水位 :19.23m (8 月 3 日 15 時 00 分 ) おかばな うまごえ 4

浸水被害の検証について 5. 浸水被害要因分析 1 岩目地雨量観測所において 690mm/2 日を記録 岩目地雨量観測所において観測史上最大を記録 ( 昭和 30 年 ~ 平成 26 年 :60 年間 ) 岩目地観測所は昭和 58 年以降の観測開始であり それ以前は佐川雨量観測所雨量を補完 那賀川河川事務所 年最大雨量の比較 (2 日雨量 ) ( 岩目地雨量観測所 : 5.4km 地点 ) 2 日雨量 (mm/2day) 800 700 600 500 400 300 0 0 0 240 173 169164 394 218 351 233 531 昭和 57 年以前は佐川観測所雨量 S36 年 : 派川 ( 県 ) 完成 239 246 440 152 294 4 3 428 422 昭和 50 年 8 月洪水 640mm/2 日浸水家屋 780 戸 雨量 水位の状況 ( 岩目地雨量観測所岩目地水位観測所 : 5.4km 地点 ) 212 250 640 567 S57 年 : 放水路 ( 国 ) 完成 360 265 306 312 335 334 279 267 245 221 187 161158 424 179 304 392 357 254 143 304 277 513 316 221 6 5 471 415 393 347 126 406 345 362 289 230 S30 S31 S32 S33 S34 S35 S36 S37 S38 S39 S40 S41 S42 S43 S44 S45 S46 S47 S48 S49 S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H01 H02 H03 H04 H05 H06 H07 H08 H09 H H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H H21 H22 H23 H24 H25 H26 年最大雨量グラフ (2 日雨量 ) 8 月 2~3 日で 690 mm 平成 26 年 8 月台風 12 号 690mm/2 日 : 観測史上最大 690 岩目地 HWL : TP17.1m 8 月 3 日の降雨で水位が急上昇 5

浸水被害の検証について 5. 浸水被害要因分析 2 雨量 (mm/hr) 仁淀川本川水位は 8 月 2 日から高くなり 神母樋門は 8 月 2 日の午前 2 時頃から閉鎖 その後 8 月 3 日を中心に 30mm を超過する降雨が継続 流域からの流出量は最大で約 450m 3 /s と推定され 既設の排水施設 ( 放水路 派川 ) の排水量を著しく超過 流域の湛水位は家屋が増加する敷高約 TP.18.4m を超過 大規模な家屋浸水被害が発生 平成 26 年台風 12 号による雨量 水位ハイドロ図 水位 (TPm) 0 30 40 50 60 24 22 18 16 14 神母樋門閉鎖 12 8 既設放水路からの排水量 6 8/1 18:00 岩目地雨量 8/2 0:00 8/2 6:00 既設の放水路の排水量約 140m 3 /s 8/2 12:00 8/2 18:00 8 月 3 日に 30 mmを超過する降雨が継続 神母樋門閉鎖期間 ( 約 43 時間 ) 家屋増加変化高約 TP+18.4m 外水位 ( 仁淀川水位 ) 内水位 ( 水位 ) 8/3 0:00 8/3 6:00 内水位が急上昇 8/3 12:00 8/3 18:00 8/4 0:00 仁淀川本川水位 ( 神母樋門地点 ) 内水位 ( 神母樋門地点 ) 900 流出量 ( はん濫戻し推定流量 ) 800 既設放水路からの排水量 ( 推定 ) 700 の流出量は 8 月 3 日の降雨により最大で約 450m 3 /s と推定 8 月 3 日に 30 mmを超過する降雨が継続し 流出量が増大 ( 最大約 450m 3 /s と推定 ) 既設の放水路からの排水量を著しく超過 ( 約 140m 3 /s) 排水できない流出量が流域に湛水 ( 斜線部 ) 8/4 6:00 8/4 12:00 600 500 400 300 0 0 0 推定流量 (m3/s) 標高 (TP.m) 最低国道路盤高 TP+18.2m 最低家屋高 TP+17.3m 那賀川河川事務所 流域の家屋敷高と既往の水害との関係 参考 : 昭和 50 年台風 5 号水位 TP+21.5m ( 浸水家屋床上 659 戸 床下 121 戸計 780 戸 ) 約 TP+18.4m を超えると家屋が増加 国道 33 号 ( 岡花調整池付近 ) 写真 家屋は高い箇所に存在 平成 26 年台風 12 号水位 TP+19.1m ( 浸水家屋床上 9 戸 床下 50 戸計 159 戸 ) 家屋増加高 TP+18.4m 累加家屋数 放水路等の整備により水位低減 参考 : 平成 16 年台風 23 号水位 TP+18.3m ( 浸水家屋床上 9 戸 床下 26 戸計 35 戸 ) 水位は日高村役場付近の水位を示す累加家屋数 ( 戸 ) 6

H26年台風12号実績降雨による浸水区域の時系列変化 那賀川河川事務所 時系列変化 整備前のシミュレーション結果 H26年8月3日 6時 H26年8月3日 8時 浸水範囲 浸水範囲 戸梶川 H26年8月3日時 戸梶川 H26年8月3日13時 浸水範囲最大 浸水範囲 浸水範囲 戸梶川 戸梶川 7

対策の考え方について 6. 整備方針 那賀川河川事務所 整備目標 : 国 高知県 日高村が連携して ハード ソフト対策が一体となった総合的な内水対策を進めることにより 台風 12 号による床上浸水被害の解消を図るとともに その機能を維持させる整備方針 : ハード対策として 国は放水路の整備を行う また 高知県は放水路から円滑に放流を行うための河川改修を行う なお 日高村は国 高知県の整備後も残る局所的に低い箇所の床上浸水対策を行う さらに 整備後の内水安全度を低下させないよう 地域住民への啓発活動等適切なソフト対策を日高村と連携して実施する 1 国による対策 整備目標 : 排水能力向上による水位低下整備内容 : 放水路の新設 2 高知県による対策 整備目標 : 排水施設の導水効果の向上整備内容 : 河川整備計画に位置付けている 戸梶川の河川改修の推進 ( 河道掘削等 ) 平成 26 年 8 月台風 12 号による床上浸水被害を大幅に軽減 ( 局所的に低い箇所の床上浸水家屋が残る ) 3 日高村による流域対策 ( 案 ) 整備目標 : 局所的に低い家屋の床上浸水対策及び内水安全度の維持 整備内容 : ハード 浸水防止壁 周囲堤 ( 各戸対策 ) 等 ソフト 地域住民への啓発活動等適切なソフト対策を国と連携して実施 国 高知県 日高村が連携して 平成 26 年 8 月台風 12 号による床上浸水被害の解消及び機能を維持 8

対策の考え方について 7. 関係機関の整備メニュー 国の整備 : からの排水能力向上のための放水路を新設高知県の整備 : 中 上流部 戸梶川の河川改修の推進日高村の整備 : 局所的低い家屋の浸水防止対策や地域住民への啓発活動等適切なソフト対策を国と連携して実施 那賀川河川事務所 台風 12 号による床上浸水被害の解消を図るとともに その機能を維持 日高村 < ハード対策 > 局所的に低い家屋の床上浸水対策 < ソフト対策 > 地域住民への啓発活動等適切なソフト対策を国と連携して実施 放水路制水門 ( 国 ) 放水路排水門 ( 国 ) 高知県 河道掘削等 ( 延長 =4.4 km ) 戸梶川河道掘削等 ( 延長 =2.1 km ) 国 からの内水処理対策放水路 ( 延長 =5.3km 直径 =7.0m) 9

対策の考え方について 那賀川河川事務所 8. 整備の効果 ( 国 高知県による整備前後のシミュレーション結果 ) 国による新規放水路整備及び高知県による河川改修整備の実施前後について 平成 26 年 8 月台風 12 号と同規模の降雨が発生した場合を想定したシミュレーションを実施 大幅に床上浸水家屋が軽減 局所的に低い箇所の床上浸水家屋については 日高村による流域対策により解消を図る 整備実施前後のシミュレーション結果 ( 浸水区域図 ) 平成 26 年台風 12 号浸水区域図 : 浸水範囲 1 地点 ( 国道 33 号 ) 日高村役場 既設放水路直径 =3.2m 既設放水路直径 =7.0m 整備実施前後のシミュレーション結果 ( 浸水家屋 ) 施設状況 床上 ( 戸 ) 浸水家屋数 床下 ( 戸 ) 計 ( 戸 ) 現状の施設 9 50 159 国 高知県による整備後 11 30 41 日高村による流域対策 1 地点 ( 国道 33 号 ) 浸水位約 1m 低下 国道 33 号路面高 浸水時間減少 の河川改修 岩目地地区 平成 26 年台風 12 号対策後浸水区域図 本郷地区 1 地点 戸梶川の河川改修 日高村役場 沖名地区 国による新規放水路整備 高知県による河川改修整備 大幅に床上浸水が軽減 ( 局所的に低い箇所が残る ) 流域対策で解消を図る既設放水路直径 =3.2m 下分地区 新規放水路直径 =7.0m : 浸水範囲 : 床上浸水残箇所 既設放水路直径 =7.0m 日高村による流域対策 浸水家屋数(戸)( シミュレーション ) 0 30 30

対策の内容検討について ( 計画段階評価 ) 11

仁淀川河川改修事業 ( ) における計画段階評価 1. 流域及び河川の概要 によどがわ 1 仁淀川流域の概要 仁淀川流域の年間平均降水量は約 2,500mmで全国有数の多雨地帯 上流域に比べ 中 下流域の降水量が多い 仁淀川の河床勾配は 上流部 1/0~1/150 程度 下流部 1/1,000 程度の急流河川 一方で下流域で合流する支川の河床勾配は 宇治川 1/2,000 程度 1/3,000 程度 波介川 1/,000 程度と緩やか 下流域で合流する支川沿いに形成された平野は 仁淀川から離れるほど地盤が低くなる低奥型地形を呈しており 仁淀川からの背水の影響を受けやすい 1. 流域及び河川の概要 仁淀川の河川概要 流域面積 :1,560km 2 幹川流路延長 :124km 流域内人口 : 約 9.7 万人流域内資産額 : 約 18,261 億円主な市町村 : 土佐市 いの町 日高村 佐川町等 愛媛県 面河ダム ( 農水省 ) 石鎚山 1,982m 高知県 仁淀川 土居川 いの町 くまこうげん久万高原町 によどかわ仁淀川町 仁淀川 お ち 越知町 うちこ内子町 柳谷ダム ( 四国電力 ) 面河第三ダム ( 四国電力 ) 大渡ダム ( 国交省 ) 筏津ダム ( 四国電力 ) ひだか日高村 伊野加田 宇治川 せいよ西予市 黒川 桐見ダム ( 高知県 ) さかわ佐川町 とさ 土佐市 波介川 八田堰 こうち 高知市 土讃線 仁淀川 四国の年平均降雨量分布 ( 平均降雨量分布図の出典は 気象庁アメダス平均値 1981 年 ~ 年 ) 仁淀川流域図 12

仁淀川河川改修事業 ( ) における計画段階評価 1. 流域及び河川の概要 1. 流域及び河川の概要 くさかがわ 2 流域の概要 は 一級水系仁淀川の一次支川で 日高村の中央を貫流 主要交通網の国道 33 号 JR 土讃線がに沿って縦走 氾濫原は 上流に向かうほど地盤高が低くなる低奥地形で 河川勾配は約 1/3000 程度と緩やか 洪水発生時には 神母( いげ ) 樋門が閉鎖され 内水排除は既設放水路 (2 基 ) のみ 平成 26 年台風 12 号では 日高村の生活圏域のほとんどの区域が浸水 流域の地盤高標高図 凡例 標高 (T.P.m) 30.0~ 27.0~30.0 24.0~27.0 21.0~24.0 18.0~21.0 15.0~18.0 ~15.0 すじちがい筋違橋 おかばな岡花調整池 放水路口戸梶川合流 B B うまごえ馬越調整池 いげ神母樋門 放水路 派川 の河川概要 いわめじ岩目地観測所 ( 水位 雨量 ) 流域面積 :38km 2 幹川流路延長 :11.7km 流域内人口 : 約 6.4 千人流域内一般資産額 : 約 1,236 億円ひだかむらさかわちょう主な市町村 : 日高村 佐川町 筋違橋 浸水位 ( 平成 26 年台風 12 号 ) 仁淀川 HWL(14.2k) 放水路口戸梶川合流 神母樋門 26 24 22 佐川町 日高村 神母樋門 ( 国 ) いの町 地盤高観測水位 (H26T12) 現況最深河床高地盤高 上流 現況最深河床高 8.50 8.00 7.50 7.00 距離 (km) 6.50 6.00 5.50 5.00 4.50 4.00 3.50 地形縦断図 (A A ) 3.00 B B 2.50 2.00 1.50 1.00 下流 0.50 18 16 14 12 0.00 標高 (T.P.m) 35 30 工場 国道 33 号 JR 土讃線 地盤高 トマト集荷場 標高 (T.P.m) 25 トマトビニールハウス 浸水位 ( 平成 26 年台風 12 号 ) 流域図 土佐市 波介川 国土地理院電子国土ポータル Web 地図利用 15 左岸 右岸 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 地形横断図 (B B ) 距離 (km) 13

仁淀川河川改修事業 ( ) における計画段階評価 3 主な洪水と改修経緯 昭和 21 年の南海地震による地盤変動対策事業により 昭和 36 年に県が派川を整備 昭和 50 年洪水を契機に 河川激甚災害対策特別緊急事業により 昭和 57 年に国が放水路を整備 昭和 50 年より 県が河川改修に着手し 現在までに調整池等を整備 平成 26 年 8 月台風 12 号では 床上 9 戸 床下 50 戸の甚大な浸水被害が発生 その一週間後の台風 11 号でも 床上 18 戸 床下 47 戸の浸水被害が発生 1 国道 33 号の冠水状況 4 2 県道の冠水状況 5 3 避難状況 出水履歴 S50.8 台風 5 号床上 659 戸 S51.9 台風 17 号床上 515 戸 放水路の設置によって 昭和 50 年 8 月洪水が再来しても 軒下浸水を解消し 内水被害の大幅な軽減を図る 1. 流域及び河川の概要 改修経緯 M 年神母閘門築造南海地震地盤変動対策事業 (S28~S36 年 ) S36 年 ( 県 ) 派川完成 S50 年 ( 県 ) 中小河川改修事業着手 河川激甚災害対策特別緊急事業 (S52~S57 年 )( 国 ) S57 年 ( 国 ) 放水路完成 S62 年 ( 国 ) 神母樋門完成 H 9. 9 豪雨床上 3 戸 H 年 ( 県 ) 岡花調整池完成 H15. 5 台風 4 号床上 8 戸 H16. 8 台風 号床上 2 戸 H16. 9 台風 21 号床上 5 戸 H16. 台風 23 号床上 9 戸近年 低いところに建てられた家屋の床上浸水被害が発生 H17. 9 台風 14 号床上 4 戸 H18. 4 豪雨床上 1 戸 H19. 7 台風 4 号床上 4 戸 H23 年 ( 県 ) 馬越調整池完成 H26.8 台風 12 号床上 9 戸 H26.8 台風 11 号床上 18 戸 H25 年 12 月仁淀川水系河川整備計画策定 ( 改修計画を含む ) 1 週間に 2 度の床上浸水被害発生 広域河川改修事業にて整備を推進 いげ神母樋門 トマト集荷場の浸水状況 JR 土讃線の冠水状況 H26.8 台風 12 号による浸水被害状況写真 1 :H26.8 台風 12 号浸水区域 :H26.8 台風 11 号浸水区域 日高村役場 5 4 3 おかばな岡花調整池 2 うまこえ馬越調整池 洪水名 平成 26 年 8 月 ( 台風 12 号 ) 平成 26 年 8 月 ( 台風 11 号 ) 被害状況 床上戸数 床下戸数 浸水戸数計 浸水面積 9 戸 50 戸 159 戸 274.4ha 18 戸 47 戸 65 戸 214ha 14

仁淀川河川改修事業 ( ) における計画段階評価 4 地域開発の状況 高知市のベッドタウンとして 主要幹線道路沿いを中心に宅地化が進行 企業誘致により工業団地が立地 低平地部に 地域特産のトマト栽培ハウス及び選果場が建設 凡 1. 流域及び河川の概要例 : 宅地化の進行が顕著な箇所 : 工業団地が進出した箇所 : トマト栽培ハウス 集荷場が立地した箇所 JR 土讃線 日高村役場本郷地区 1 日高村中心部 放水路呑口 馬越調整池 至 : 四万十 岩目地地区 下分地区 至 : 高知 1 日高村中心部 2 沖名地区 国道 33 号 至 : 松山 2 沖名地区 昭和 50 年 (1975 年 ) 3 村の駅ひだか 3 村の駅ひだか の店内 宅地化の進行 工業団地の進出 トマト集荷場の建設等 馬越調整池 至 : 四万十 JR 土讃線 岩目地地区 本郷地区 1 日高村中心部 日高村役場 下分地区 至 : 高知 4 清水工業団地 5 沖名工業団地 国道 33 号 岡花調整池 3 村の駅ひだか 6 トマト栽培ハウス 7 シュガートマト選果場 4 清水工業団地 2 沖名地区 馬越調整池 至 : 松山 平成 24 年 (12 年 ) 5 沖名工業団地 6 トマト栽培ハウス 7 シュガートマト選果場 15

仁淀川河川改修事業 ( ) における計画段階評価 2. 課題の把握 原因の分析 1 課題の把握 平成 26 年 8 月の台風 12 号 台風 11 号に対して の仁淀川本川への排水能力が不足 2. 課題の把握 原因の分析 3. 政策目標の明確化 具体的な達成目標の設定 2 原因の分析 既設放水路(2 基 ) の排水能力を超過する降雨が発生 仁淀川とは洪水ピークが重なりやすく 仁淀川からの逆流防止のため神母樋門が閉鎖 戸梶川の流下能力不足による溢水により氾濫が発生 標高 (T.P.m) 25 15 筋違橋 5 9000 8000 距離 (m) 沢樋ノ口橋 左岸堤防高 右岸堤防高 計画高水位 最深河床高 観測水位 (H26T12) 7000 岩目地観測所 岡花調整池 6000 約 2m 5000 放水路口 戸梶川合流点 既設の放水路は 満管で排水していたにも関わらず排水能力不足 4000 3000 平成 26 年台風 12 号による実績浸水位縦断図 放水路 00 国岡橋 トンネル径 7.0m 約 3m 00 神母樋門 仁淀川 (14.2k) HWL TP+22.71m T12 号外水位 TP+.18m 放水路排水門 仁淀川 (9.0k) HWL TP+16.30m 0 T12 号外水位 TP+13.31m 雨量 (mm/hr) 水位 (TPm) 0 30 40 50 60 24 22 18 16 14 12 8 6 8/1 12:00 最低家屋敷高 TP17.3m 最低堤内地盤高 TP16.2m 8/1 18:00 8/2 0:00 8/2 6:00 神母樋門閉鎖期間 ( 約 43 時間 ) 内水位が急上昇 推定最大排水量約 140m 3 /s 程度 8/2 12:00 8/2 18:00 8/3 0:00 8/3 6:00 8/3 12:00 8 月 3 日 8 時 48mm/hr 8/3 18:00 8/4 0:00 岩目地雨量 実績神母樋門外水位 (TPm) 900 実績神母樋門内水位 (TPm) 800 流出計算流量 氾濫戻し推定流量 全排水量全放流量 推定合計 700 既設放水路の排水能力を超過して 内水位上昇の要因となった湛水量 8/4 6:00 8/4 12:00 8/4 18:00 8/5 0:00 600 500 400 300 0 0 0 推定流量 (m3/s) 3. 政策目標の明確化 具体的な達成目標の設定 1 達成すべき政策目標 頻発する内水氾濫に対するの治水安全度の向上 2 具体的な達成目標 平成 26 年台風 12 号による降雨 水位ハイドロ図 国 高知県 日高村が連携し 平成 26 年 8 月の台風 12 号と同規模の降雨が発生した場合においても 床上浸水被害を防止 このうち 国においては 年超過確率 1/ 規模の降雨が発生した場合において 床上浸水被害を防止 16

仁淀川河川改修事業 ( ) における計画段階評価 4. 複数案の提示 比較 評価 4. 複数案の提示 比較 評価 における適用性を考慮し 複数の治水対策案を立案 複数の治水対策案に対して 実現可能性等の観点で概略評価を実施 対策案の具体的な検討方法 メニューグループ治水対策案 での選定河川整備メニュ完成までに要する費用 ( 億円 ) 実現可能性 概略評価 排水機場を中排水機場 1 心とする案放水路を中心新規放水路 2 とする案ー新規洪水調節施設 3 洪水調節施設を中心とする案 4 排水機場放水路新規ダム群 + 放水路 既設調整池の容量拡大 + 新規調整池 (2 箇所 ) + 放水路 ( 直径 4m) 神母樋門に併設して排水機場 (0m3/s) を新設する 仁淀川右岸を吐口とする放水路トンネル ( 直径 7m) を新設する 上流に新規ダム (9 基 ) を建設し 不足する水位低下分は放水路トンネル ( 直径 3m) を新設する 既設調整池の容量拡大とともに 調整池を新設 (2 箇所 ) し 不足する水位低下分は放水路トンネル ( 直径 4m) を新設する 170 億円 6 億円 735 億円 コストが高い ダム 1 基あたりの集水面積が小さいため 洪水調節効果は小さい 171 億円 流域対策メニュー流域対策 5 6 雨水貯留施設 + 放水路 水田等の保水機能の向上 + 放水路 流域に雨水貯留施設 ( 校庭表面貯留 ) を新設 (6 箇所 ) し 不足する水位低下分は放水路トンネル ( 直径 7m) を新設する 現状の浸水区域内の水田を保全し 不足する水位低下分は放水路トンネル ( 直径 7m) を新設する 7 億円 7 億円 雨水貯留施設は 流域に適地が少なく 効果はほとんど無いため 治水対策案 2 とほぼ同内容となる 水田等の保水機能の向上は 現状でほとんどの水田が浸水域に含まれており 効果はほとんど無いため 治水対策案 2 とほぼ同内容となる : 概略評価での選定案 < 参考 > 上記の各治水対策案のほか 高知県による 支川戸梶川の河川改修 日高村による 局所的に低い地域にある家屋の浸水被害に対する浸水防止壁 周囲堤の整備等 を実施することで平成 26 年 8 月の台風 12 号と同規模の降雨が発生した場合においても床上浸水被害の防止が可能 17

仁淀川河川改修事業 ( ) における計画段階評価 4. 複数案の提示 比較 評価 項目 1 排水機場を中心とする案 2 放水路を中心とする案 4 洪水調節施設を中心とする案 排水機場新設 (0m3/s) 放水路新設 ( 直径 7m) 既設調整池の容量拡大 + 新規調整池 (2 箇所 ) + 放水路新設 ( 直径 4m) : 既設調整池の容量拡大 ( 増強 ) : 新設調整池 岡花調整池 岡花調整池 岡花調整池 治水対策案の概要 馬越調整池 排水機場新設 P 神母樋門 馬越調整池 放水路トンネル 神母樋門 馬越調整池 放水路トンネル 神母樋門 [ 事業内容 ] 排水機場新設 0m 3 /s [ 事業内容 ] 放水路トンネル L=5.3km( 直径 7m) [ 実施内容 ] 既設調整池 (2 箇所 ) 増強容量 88 万 m 3 調整池 (2 箇所 ) 新設容量 67 万 m 3 放水路トンネル延長 L=5.3km( 直径 4m) 18

仁淀川河川改修事業 ( ) における計画段階評価 4. 複数案の提示 比較 評価 5. 対応方針 ( 原案 ) 治水対策案 1 排水機場を中心とする案 2 放水路を中心とする案 4 洪水調節施設を中心とする案 評価軸 排水機場新設 (0m3/s) 放水路新設 (L=5.3km 直径 7m) 既設調整池 (2 箇所 ) の容量増強 + 調整池新設 (2 箇所 ) + 放水路新設 (L=5.3km 直径 4m) 治水安全度 ( 年超過確率 1/ 規模の降雨に対する被害軽減効果 ) 目標とする治水安全度を確保浸水家屋数床上 85 戸 0 戸 対策効果は 事業完了時点で発現 目標とする治水安全度を確保浸水家屋数床上 85 戸 0 戸 対策効果は 事業完了時点で発現 目標とする治水安全度を確保浸水家屋数床上 85 戸 0 戸 対策効果は 事業完了時点で発現 コスト 完成までに要する費用約 170 億円維持管理に要する費用約 34 億円 /50 年 完成までに要する費用約 6 億円維持管理に要する費用約 7 億円 /50 年 完成までに要する費用約 171 億円維持管理に要する費用約 7 億円 /50 年 実現性 持続性 排水機場の用地取得をこれから実施するものの 事業実施の 放水路の用地取得 家屋補償等の調整をこれから実施する必大きな障害とならない 要はあるが 近傍に放水路の設置実績があり 大きな 法制度上 技術上の観点から実現性の隘路となる要素はない 障害とならない 法制度上 技術上の観点から実現性の隘路となる要素はない 調整池の用地取得 地役権設定等の調整をこれから実施するため 多大な時間を要する 放水路の用地取得 家屋補償等の調整をこれから実施する必要はあるが 近傍に放水路の設置実績があり 大きな障害とならない 法制度上 技術上の観点から実現性の隘路となる要素はない ポンプ設備等の機器の更新が必要であるが 管理実績があり 放水路トンネル内の土砂堆積等の持続可能な監視 観測が必 調整池の土砂堆積等の持続的な監視 観測が必要であるが 適切な維持管理により持続可能 要となるが 管理実績があり 適切な維持管理により持続可能 管理実績があり 適切な維持管理により持続可能 放水路トンネル内の土砂堆積等の持続可能な監視 観測が必要となるが 管理実績があり 適切な維持管理により持続可能 柔軟性 地域社会への影響 排水機場の増強 性能の改良等により 一定程度の柔軟な対応が可能 排水機場の整備地と受益地が一致するため地域間の利害の不衝平の調整は生じない 治水安全度の向上が地域振興に資すると考えられる 放水路トンネルの追加改良は困難であり 柔軟な対応は容易ではない 放水路トンネルの整備地と受益地の間で 地域間の利害の衝平の調整が必要となるが 放水路の設置実績がある 治水安全度の向上が地域振興に資すると考えられる 調整池は地形上 構造上の掘削量の調整により 一定程度柔軟な対応が可能 放水路トンネルの追加改良は困難であり 柔軟な対応は容易ではない 調整池の整備にあたり 耕作地の減少を強いられる整備地と受益地との間で 利害の衡平の調整が必要 放水路トンネルの整備地と受益地の間で 地域間の利害の衝平の調整が必要となるが 放水路の設置実績がある 治水安全度の向上が地域振興に資すると考えられる 環境への影響 環境 景観に与える影響は限定的と考えられる 環境 景観に与える影響は限定的と考えられる 調整池の整備により景観が変化するが 影響は限定的と考え られる 総合評価 高知県による 支川戸梶川の河川改修 日高村による 局所的に低い地域にある家屋の浸水被害に対する浸水防止壁 周囲堤の整備等 の実施後 国の治水対策案を行った場合の床上浸水家屋の解消戸数 5. 対応方針 ( 原案 ) コスト について最も有利な案は 案 2( 放水路を中心とする案 ) であり 他の評価項目でも当該評価を覆すほどの要素がないと考えられるため 案 2 による対策が妥当 19