平成 29 年度下半期における相続に関する相談状況について 平成 30 年 5 月 28 日静岡市駿河区稲川一丁目 1 番 1 号静岡県司法書士会会長杉山陽一静岡県司法書士会では 平成 14 年から15 年以上に亘り 面談及び電話による無料相談を実施してまいりました ( 平成 17 年からは 司法書士総合相談センターしずおか を設置 ) 近年では 県民から年間 4000 件前後の相談が寄せられており 法的問題を取り扱う相談機関としては信頼と実績を積み重ねた相談機関となりました 相談内容は 民事紛争 登記 借金問題など様々ですが 相続に関する相談が3 分の1から4 分の 1 程度を占めております そこで 当会では 平成 25 年 4 月から 上半期 下半期における相続に関する相談の傾向を HANREPO として公表するとともに 相談の傾向を分析して県民のみなさんに情報を提供していくことといたしました このたび 平成 29 年度上半期 ( 平成 29 年 10 月から平成 30 年 3 月まで ) における相続に関する相談状況がまとまりましたのでご報告いたします 超高齢社会における相続の悩みは 尽きるところがないようです 当センターに寄せられる相談でも 相続や遺言などに関する相談は常に一定の高い割合を占めています 平成 29 年度下半期 ( 平成 29 年 10 月 ~ 平成 30 年 3 月 ) における相続に関する相談件数の割合は 1 遺産分割に関するものが 31.2% 2 相続登記に関するものが 28.4% 3 負債の承継に関するものが 13.3% 4 遺言に関するものが 11.5% となっています また 少数ではあるものの 5 葬式 法要 お墓といった葬儀に関する相談も増えています 相続に関する件数は 半期を通じて 1000 件弱と高水準を維持した状況となっています この理由としては 行政機関との連携を通じた当センターの周知といった要因のほか 相続による紛争を予防したり 相続放棄によって負債の承継を防ぐなど 相続人の自衛意識が強くなってきたからだと推察します このように 市民から寄せられる相談に対して 当センターは一定程度の法的支援を提供できたと考えております 一方で 判断能力が不十分な方のように法的支援を受ける必要性が高い方に対しても十分な支援を及ぼすことが 今後の当センターの課題として挙げられます もちろん 当センターのみによって市民に対する法的支援をなし得るものではありません 今日の多種多様な社会において 県内の隅々にまで法的支援が行き渡るようにするためには より多くの関係機関と連携することが必要不可欠となります 市民の適正な権利を実現するために 互いの協力体制の構築を目指していきたいと考えております 相談件数 1000 件に ~ 関係機関との連携の必要性 ~ 本件に関する連絡は下記までお願いいたします 司法書士総合相談センターしずおかセンター次長小出洋史電話 053-589-5745
HANREPO 平成 29 年度上半期及び下半期における相続に関する相談状況 相談内容 29 年 29 年度上半期件数 相続登記 278 293 どのような書類が必要か 44 いつまでにしなければならないか 8 15 費用の概算を知りたい 27 29 登記申請の仕方 75 110 131 95 遺産分割 306 352 一般的な手続きの進め方 89 80 誰が相続人になるか 28 相続人の判断能力が低下している 7 18 一部の相続人が行方不明である 8 11 相続人が海外に在住している 2 4 遺産の配分方法 23 14 遺産の内容を教えてくれない 3 3 遺産を調査する方法 5 9 遺産の評価の方法 2 5 生前に贈与を受けた相続人の相続分 6 3 生前に貢献した相続人の相続分 2 3 家業の跡継ぎ 1 0 話し合いがまとまらない 66 84 108 負債の承継 130 95 相続放棄をしたい 72 62 遺産が債務超過である 6 1 遺産が債務超過かどうかわからない 7 4 債権者から督促状が来た 8 5 23 遺言 113 116 遺言を作りたい 34 47 遺言が出てきた 12 9 遺言を作ってあるかどうかを知りたい 0 0 遺言を作る費用 1 0 遺言と異なる遺産分割をしたい 6 6 遺言の内容に不満がある 6 4 遺言の無効を主張したい 0 0 遺留分の請求 10 12 44 38 葬式 法要 お墓 11 9 葬式費用は誰が払うべきか 3 1 お墓は誰がみるか 0 3 だれが法要の費用を支払うべきか 0 1 8 4 相続税 32 24 110 120 980 1009
HANREPO 平成 27 年度 ~ 平成 29 年度下半期における相続に関する相談状況 27 年 28 年 29 年 相談内容 相続登記 188 253 278 どのような書類が必要か 42 61 いつまでにしなければならないか 18 20 8 費用の概算を知りたい 28 28 27 登記申請の仕方 84 125 75 16 19 131 遺産分割 353 436 306 一般的な手続きの進め方 118 133 89 誰が相続人になるか 28 66 相続人の判断能力が低下している 17 17 7 一部の相続人が行方不明である 4 19 8 相続人が海外に在住している 3 5 2 遺産の配分方法 36 33 23 遺産の内容を教えてくれない 17 12 3 遺産を調査する方法 12 13 5 遺産の評価の方法 12 12 2 生前に贈与を受けた相続人の相分 7 7 6 生前に貢献した相続人の相続分 6 5 2 家業の跡継ぎ 5 3 1 話し合いがまとまらない 72 83 16 28 84 負債の承継 113 144 130 相続放棄をしたい 66 77 72 遺産が債務超過である 10 17 6 遺産が債務超過かどうかわからい 13 18 7 債権者から督促状が来た 3 5 8 21 27 遺言 123 151 113 遺言を作りたい 49 62 34 遺言が出てきた 13 23 12 遺言を作ってあるかどうかを知りたい 2 1 0 遺言を作る費用 5 2 1 遺言と異なる遺産分割をしたい 7 2 6 遺言の内容に不満がある 12 11 6 遺言の無効を主張したい 11 1 0 遺留分の請求 20 35 10 4 14 44 葬式 法要 お墓 20 14 11 葬式費用は誰が払うべきか 4 4 3 お墓は誰がみるか 8 4 0 だれが法要の費用を支払うべきか 1 4 0 7 2 8 相続税 18 27 32 47 4 110 総 862 1029 980
HANREPO 平成 29 年度下半期 ( 平成 29 年 10 月から平成 30 年 3 月まで ) における相続に関する相談状況 静岡県司法書士会 司法書士総合相談センターしずおか調べ 相談分類 相続登記 278 具体的な相談内容 どのような書類が必要か 被相続人が台湾出身で日本国籍の場合 台湾から取り寄せる書類があるか いつまでにしなければならないか 8 相続登記をせずにいるとどうなるか 費用の概算を知りたい 27 土地 預貯金の相続手続きにかかる費用が心配 登記申請の仕方 75 相続する不動産が遠方にある場合 そちらの専門家にお願いしなければいけないか 131 法定相続情報証明制度を利用したい 30 年前の相続登記が未了のまま 次の相続 ( 二次相続 ) が発生してしまった 遺産分割 306 一般的な手続きの進め方 誰が相続人になるか 89 遺言書があっても あらためて遺産分割協議書を作成する必要はあるのか遺産分割協議書にマイナンバーの写しが必要か 相続人に未成年がいる場合 誰が未成年者の代理人として遺産分割の協議ができるのか内縁の夫が死亡した場合 内縁の妻は相続することができるのか 相続人の判断能力が低下している 7 唯一の相続人が認知症のため 手続きをどのように進めていいのか分からない 一部の相続人が行方不明である 8 夫の相続について 前妻との間に子がいることが判明したが連絡が取れない 相続人が海外に在住している 2 母が死亡したが 相続人の一人がベトナムに在住している 遺産の配分方法 23 遺産分割の際 葬儀費用はどのように取り扱われるのか生命保険を受け取った相続人は 遺産分割でどのように取り扱われるのか 遺産の内容を教えてくれない 3 遺産の配分に納得できないので 被相続人の財産の調査をしたい 遺産を調査する方法 5 別の相続人が財産を隠しているため 遺産の内容を把握できず 遺産分割協議がまとまらない 遺産の評価の方法 2 遺産である不動産の評価とは 市の固定資産評価額のことを指すのか 生前に贈与を受けた相続人の相続分 6 亡母の年金を兄が使っていた分は特別受益にならないのか 生前に貢献した相続人の相続分 2 どの程度 貢献すれば寄与分が認められるか 家業の跡継ぎ 1 会社経営をしていた弟が死亡した場合 会社の何が相続の対象になるのか 話し合いがまとまらない 84 親族と疎遠だったので 遺産分割協議の進め方をアドバイスしてほしい亡父名義の不動産の相続について 先妻の子と連絡がとれない 生前贈与を受けた不動産持分について 他の相続人から返還を求められている遺産分割未了の間に 葬儀費用を被相続人口座から出金可能か遺産分割協議の際に交わした約束を履行してくれないため 遺産分割のやり直しをしたい
相談分類負債の承継相続放棄をしたい遺産が債務超過である 130 72 6 具体的な相談内容 認知症の母が相続放棄をするにはどうすればいいか亡兄の滞納家賃について連帯保証人となっている場合 相続放棄すれば保証債務も免れるのか 経営していた会社について個人で負債を負っていたため 相続放棄をすると会社を承継することもできなくなるのか 遺産が債務超過かどうかわからない 7 連帯保証人になってないか心配 債権者から督促状が来た 8 被相続人の未払い賃料を請求された アパートに居住していた父が死亡し 相続人全員が相続放棄をしたが アパート内残留品の処理は誰がどうしたらよいのか数年前に他界した父の債権者から相続に関するお尋ねが届いたが 相続放棄は可能か 遺言 113 遺言を作りたい 34 自筆証書遺言を作成した後に 公正証書遺言を作成することができるのか公正証書遺言を作成したが預貯金を記載するのを忘れていたので追加をしたい 遺言が出てきた 遺言を作ってあるかどうかを知りたい 12 同じ日付の遺言書が 2 通出てきた 0 ( なし ) 遺言を作る費用 1 ( なし ) 遺言と異なる遺産分割をしたい 6 母の遺言によると私が全ての遺産を相続することになっているが 兄弟全員で遺産分割して配分したい 遺言の内容に不満がある 6 遺言の内容によると妻に相続させることになっているが 息子に相続させたい 遺言の無効を主張したい 0 ( なし ) 遺留分の請求 10 遺留分減殺請求を行使させない方法について知りたい 44 公正証書遺言の一部のコピーをもらうが全文を確認することができない場合 どうしたらよいか遺言が複数ある場合 いつ作成されたものが有効か 葬式 法要 お墓 葬式費用は誰が払うべきか 11 3 遠縁の親族が死亡したため葬儀の喪主となったが 葬儀費用は相続人に負担させることができるのか お墓は誰がみるか 0 夫のお墓の管理をしたくない だれが法要の費用を支払うべきか 0 姉妹 2 人で相続したが 2 人とも実家を離れているため祭祀承継とその費用が心配 8 夫のお墓の移転をしたいが 長男が管理する香典に対して請求できるか 相続税 32 110 父死亡時に相続税を法定相続割合で納め その後母死亡の際の遺産分割協議をした結果 兄が多くの遺産を取得したので 以前納めた相続税の清算をしたい 姉夫婦が相続財産を使い込んでいたのが発覚したいとこが亡くなったが相続人がいないため 遺品の整理をするための手続きを教えてほしい数十年前に死亡した祖父が近隣住民 11 名と近所の神社を共有していたが その共有持分を引き渡してしまいたい 980 相談件数は 1 件の相談につき複数の項目でカウントしている場合があります