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(2) ベースラインエネルギー使用量 それぞれの排出起源のベースラインエネルギー使用量の算定方法は以下のとおり 1) 発電電力起源 EL BL = EL ( 式 1) 記号定義単位 ELBL ベースライン電力使用量 kwh/ 年 EL 事業実施後のコージェネレーションによる発電量 kwh/ 年 2)

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Transcription:

1-1. 1-2. 1-3. 1-4. 1-5. 1-6. 1-7. 1-8. 1-9. 1-10. 1-11. 京都メカニズムとはクリーン開発メカニズム (CDM) とは CDMプロジェクト活動の分類項目 ( スコープ ) 新規植林 / 再植林 CDM(A/R CDM) プロジェクト活動とは A/R CDMプロジェクト活動の適格地クレジット獲得量の算定方法クレジット期間 A/R CDMにおいて発行される期限付きクレジット (tcer 及びlCER) tcer 及びlCERの発行追加性の証明 A/R CDMプロジェクト活動を実施する際の留意事項 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 3

1-1. 京都メカニズムとは 温室効果ガス削減プロジェクト 京都議定書附属書 Ⅰ 国 ( 先進国 ) に 温室効果ガスの削減目標を設定 京都メカニズム削減目標を達成するための費用対効果のより高い国際的な取り組み 具体的には 3 種類のメカニズムがある 排出量取引 ( 先進国間での取引 ) 共同実施 (JI) ( 先進国におけるプロジェクト ) クリーン開発メカニズム (CDM) 4 ( 途上国におけるプロジェクト )

1-2. クリーン開発メカニズム (CDM) とは 先進国が途上国で温室効果ガス削減事業に投資し 削減分を排出量目標数値達成に利用できる制度 発展途上国における個々の CDM プロジェクト活動 CER 発行 附属書 Ⅰ 国側へ移転 CDM プロジェクト活動を通して CER 取得分が増える 出CER 量プロジェクト活見排動実施による通出CER 排出量の削減認証された総排出枠排出削減量しベースライン量プロジェクトの持続可能な発展 に寄与することとされている 排(CDMの実施 によって シナリオ シナリオ 生じた 排出削減量 非附属書 Ⅰ 国 ( 発展途上国 ) 総排出枠の規定がない に基づくクレジット ) 附属書 Ⅰ 国 ( 先進国 ) 総排出枠が規定されている 附属書 Ⅰ 国 ( 先進国 ) が関与し 非附属書 Ⅰ 国 ( 発展途上国 ) においてCDMプロジェクト活動が実施される 排出削減量が検証 認証され それに基づいてクレジット (CER) が発行される 附属書 Ⅰ 国 ( 先進国 ) は京都議定書の数値目標達成のために CERを活用可能である 非附属書 Ⅰ 国 ( 発展途上国 ) 独自でプロジェクトを形成し クレジットを発生させることも可能である 5 環境省 (2006) 図説京都メカニズム第 5.1 版 P4を編集

1-3. CDM プロジェクト活動の分類項目 ( スコープ ) 現在 CDM には以下のような分類項目 ( スコープ ) がある 排出源 CDM 1. エネルギー生産 ( 再生可能エネルギー 非再生可能エネルギー ) 2. エネルギー輸送 3. エネルギー需要 4. 製造業 5. 化学工業 6. 建設 7. 交通 8. 鉱業 / 鉱物生産 9. 金属製造 10. 燃料からの漏洩 11. 炭素化合物及び 6 フッ化硫黄の生産 消費からの漏洩 12. 触媒使用 13. 廃棄物処理 処分 15. 農業 吸収源 CDM 14. 新規植林 再植林 6

1-4. 新規植林 / 再植林 CDM(A/R CDM) プロジェクト活動とは 1 林冠率 10% - 30% 以上 2 森林のまとまり 0.05ha - 1.0ha 以上 (3 つの基準を満たさない ) 森林でない場所 3 成熟時の樹高 2m - 5m 以上 (3 つの基準を満たす ) 森林地を造成するプロジェクト活動のこと 人為的な植林活動等を実施し 森林の 3 つの基準値は 非附属書 Ⅰ 国 ( 途上国 ) それぞれが決定 7

1-5. A/R CDM プロジェクト活動の適格地 第一約束期間 (2008-2012 年 ) においては 下記を対象とする 新規植林 (Afforestation) 過去 50 年間 森林でない土地への植林活動 再植林 (Reforestation) 1989 年 12 月 31 日以降 森林でない土地への植林活動 50 年前 プロジェクト開始時 森林でない 森林でない 新規植林の適格地 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 西暦 ( 年 ) 森林でない 森林でない 再植林の適格地 8

純人為的吸収量 1-6. クレジット獲得量の算定方法 A/R CDMにおけるクレジット (tcer lcer) は 純人為的吸収量 に基づいて発行される 純人為的吸収量 =+ 現実純吸収量 ( プロジェクト シナリオにおけるプロジェクト境界内での炭素蓄積量の変化 - 温室効果ガス排出量の増加 ) - ベースライン純吸収量 ( ベースライン シナリオにおけるプロジェクト境界内での炭素蓄積量の変化 ) - リーケッジ ( プロジェクト境界外における温室効果ガスの排出量の増加 ) プロジェクトを実施した場合のシナリオ プロジェクト シナリオ 800 + 現実純吸収量 600 トン CO 2 換算 400 200 - ベースライン純吸収量 - リーケッジ = 0-200 2006 2011 2016 2021 2026 2031 2036 年 ベースライン シナリオ プロジェクトがなかった場合のシナリオ 9

1-7. クレジット期間 A/R CDM プロジェクト活動のクレジット期間は A/R CDM プロジェクトの開始時点から 下記のいずれかまでである (a) 20 年間 (2 回の更新が可能 このため最長で 60 年間 ) (b) 30 年間 ( 更新なし ) プロジェクト開始第 1 クレジット期間開始 第 1 クレジット期間終了 第 2 クレジット期間終了 プロジェクト終了第 3 クレジット期間終了 最長 60 年間 (a) 更新可能なクレジット期間 20 年間 20 年間 20 年間 更新 更新 西暦 ( 年 ) 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 (b) 更新なしのクレジット期間 30 年間 プロジェクト開始クレジット期間開始 プロジェクト終了クレジット期間終了 10

1-8. A/R CDM の非永続性に対応して発行される期限付きクレジット (tcer 及び lcer) A/R CDM プロジェクト活動の場合 温室効果ガス ( 森林に吸収した炭素など ) の純人為的吸収量の達成が 森林伐採や森林火災などの影響で大気中に再放出される可能性がある ( 下記参照 ) 植林作業 若齢林 純人為的吸収の達成 温室効果ガスの放出 森林へ 伐採や火災 非永続性 A/R CDM プロジェクト活動の実施 この非永続性に対応するため A/R CDM プロジェクトで発行される CER には期限が設定されている 下記 2 種類の長期と短期の期限を持つ CER が設定されている [CDM A/R M&P, p24 para38] 1 短期期限付き CER(Temporary CER, tcer): 発行した約束期間の次の約束期間末で失効する 失効前に tcer もしくは他のクレジットで補填しなければならない (lcer で tcer を補填することはできない ) 2 長期期限付き CER(long-term CER, lcer): 当該クレジット期間の終了時 または更新可能なクレジット期間が選択された場合は 当該プロジェクトの最終クレジット期間の最終日に失効する 失効前に 他のクレジットもしくは同じプロジェクト活動からの lcer で補填しなければならない プロジェクト参加者は tcerまたはlcerを選択できるが 選択したCERの種類をクレジット期間中に変更することはできない 11 tcer 及びlCERは次の約束期間に繰り越することはできない

1-9. tcer 及び lcer の発行 tcer と lcer は 純人為的吸収量の モニタリング 検証 認証 を経て発行される 第 1 回目の検証 認証時期はプロジェクト参加者が選べる 第 2 回目以降は 5 年ごとに実施される tcer 発行 : プロジェクト開始時以降達成された純人為的吸収量に相当する tcer が毎回発行される 純人為的吸収量 ( トン CO 2 換算 ) + tcer + tcer + tcer プロジェクト開始 第 1 回目検証 認証 第 2 回目 ( 第 1 回目から 5 年後 ) 第 3 回目 ( 第 2 回目から 5 年後 ) lcer 発行 : 前回の認証時以降達成された純人為的吸収量に相当する lcer が発行される 純人為的吸収量が減少した場合は 補填しなければならない 純人為的吸収量 ( トン CO 2 換算 ) + lcer + lcer -lcer プロジェクト開始 第 1 回目検証 認証 第 2 回目 ( 第 1 回目から 5 年後 ) 第 3 回目 ( 第 2 回目から 5 年後 ) 12

1-10. 追加性の証明 プロジェクト参加者は A/R CDM プロジェクト活動の要件の一つとして 下記の追加性を証明しなければならない 1 A/R CDM プロジェクト活動による純人為的吸収量が それが行われなかった場合に比べて増加すること プロジェクト シナリオとベースラインシナリオとを比較することで証明 2 提案するプロジェクト活動が A/R CDM プロジェクト活動として承認 登録されることによって ( はじめて ) そのプロジェクト活動が実施可能になること 投資分析 and/or バリア分析 を通して証明 投資分析の例 バリア分析の例 内部収益率 (IRR) ベンチマーク ベースライン シナリオ プロジェクト シナリオ tcer lcer の販売による金銭的利益により 内部収益率 (IRR) がベンチマークを上回り プロジェクト活動の実施が可能となることを証明する 投資バリア ( 投資分析における経済 財務バリア以外 ) 制度上のバリア 技術的バリア 地域の伝統に関係するバリア 一般的な慣習によるバリア 地域の生態的条件によるバリア 社会的条件によるバリア 土地保有 所有 相続 財産権に関連するバリア A/R CDM プロジェクト活動として登録されることにより 上記のバリアが取り除かれ プロジェクト活動の実施が可能となることを証明する 追加性の証明方法として 2005 年 9 月にCDM 理事会が開発した 追加性証明ツール の使用が奨励 [A/R additionality tool] <http://cdm.unfccc.int/methodologies/armethodologies/additionalitytools/additionality_tool.pdf> 13

1-11. A/R CDM プロジェクト活動を実施する際の留意事項 1. プロジェクト設計書 (PDD) に下記事項を説明 記述する (CDMの理念として ) ホスト国の持続的な発展に貢献すること 環境影響を分析し もし顕著なマイナス影響がある場合は 環境影響評価を実施し 対応策をこうじること 社会 経済影響を分析し もし顕著なマイナス影響がある場合は 環境影響評価を実施し 対応策をこうじること ステークホルダーのコメントに対して対応策を講じること プロジェクト活動実施にあたり公的資金を用いる場合 ODA( 政府開発援助 ) の流用 であってはならない 2. 森林の造成には長期間を要するため 森林火災 違法伐採などで森林が損なわれることのないよう万全のプロジェクト運営管理体制を構築する 14