The Treatment of Mallet Finger after Distal Phalanx Fracture Tsugutake MORISHITA, Hiroaki MAEDA and Yuzuru MATSUI by Department of Orthopedic Surgery Unnan General Hospital Shimane Japan Abstract Young people sometimes suffer from mallet finger after a distal phalanx fracture, but in some cases satisfactory results are not achieved. Since 1987, we have treated 14 mallet fingers after a distal phalanx fracture using both conservative and surgical methods. They were studied retrospectively, and clinical results were evaluated in ROM recovery and roentgenographic alignment. Five cases were treated conservatively with splint and brace. ROM limitation remained in 2 cases, especially with extension. Malalignment of the joint surface was also detected in 3 cases. Nine cases were treated surgically. Five were treated by the pull-out wiring method (1987-1988), and 4 by the tension band wiring method (1988-1990). Flexion was limited in 4 of the pull-out wiring method cases and in 1 of the tension band wiring method case. Malalignment of the joint surface was not detected in these surgical cases. The results of the tension band wiring method cases were better than those of the pull-out wiring method cases.
森下 表2 嗣威, 他 375 治療 法 お よび治療 成績 a b 図2 手術 的治 療例 a) 症 例2: ワ イ ヤ ー 引 き抜 き法(術 後2週) b) 症 例3: ワ イ ヤ ー ひ き よせ 締 結 法(術 後 2週) <症 例3> 12歳 女性 ドッチ ボー ル 中受 傷. 右 中指 末 節 骨 骨 折 に 対 しワ イ ヤ ー ひ きよせ 締 結 法 を行 い, 外 固定 を併 用 した. 2週 に て 外 固定 を 除 去 し, 可 動 域 訓 練 を 開 始 図1 保 存 的治療例: 症例1 (固定 後8週) し た. 可 動 域 制 限, 変 形 等 は認 め て い な い(図 2-b). を残 した (図1). 考 <症 例2> 14歳 女性 ソ フ トボ ー ル 中受 傷. 察 指 末 節 骨 骨 折 に伴 う mallet finger は, 腫 脹, 右 中指 末 節 骨 骨 折 を 認 め, 伸 展 位 で 整 復 で きな 疼 痛 が 比 較 的 軽 微 な こ と もあ り, 単 に 突 き指 と か っ た た め, ワ イ ヤー 引 き抜 き法 を行 い, さ ら し て放 置 され た り, 医療 機 関 に お いて も, 小外 にDIP関 傷 と して 比較 的 軽 視 され が ち で あ る. 節 を軽 度 過 伸 展 位 に て Kirschner 線 固定 を行 っ た. 術 後3週 で Kirschner 鋼 鋼 線抜 しか し, 赤 堀 ら1,2),Hamas4), 扇 内8)が 述 べ 去 後, 外 固定 を併 用 しな が ら可 動 域 訓 練 を開 始 て い る よ うに, 小 関 節 とい え ど も関節 内骨 折 で した. 6週 に て ワ イ ヤ ー 抜 去 した. 可 動 域 制 限, あ り, 放 置 され た り不 確 実 な 治 療 が な され た場 変 形 等 は 認 め て い な い(図2-a). 合, 偽 関 節 や 変 形 性 関 節 症 を生 じ, 疼 痛 の 原 因
376 手 指 末 節 骨 骨 折 後 の Mallet Finger に 対す る治療 経 験 る よ うに, 医 師, 患 者 双 方 が 協 力 し, 熱 意 を も って 治 療 に あ た らな け れ ば, 良 好 な結 果 を得 る こ とが難 し い. 我 々 は ワ イヤ ー ひ き よせ 締 結 法 を採 用 して か ら, 後 療 法 が 早 期 に行 え る ため か, 良 好 な 成 績 を得 る こ とが で きた の で本 法 を推 賞 した い. な お 症 例 が 少 な い が, さ ら に症 例 を重 ね検 討 し た い. ま 1) 図3 と め 手 指 末 節 骨 骨 折 に よ る mallet finger 14 例 に つ い て, 治 療 法 お よび 術 後 成 績 に つ い て検 手 術 的治療例 (中指受 傷 術 後3ヵ 月) 討 し報 告 した. 2) ワ イ ヤ ー ひ き よせ 締 結 法 に て 良好 な結 果 を得 た. とな りう る. 本 骨 折 が 比 較 的 若 年 者 に 多 く, 将 来 の後 遺 症 を少 しで も減 らす た め に, で き るか ぎ り解 剖 学 的整 復位 を得 る こ とが 大 切 で あ る4).前 述 した よ うに, 容 易 に解 剖 学 的 に整 復 で き た場 合, 御校 閲 を賜 りま した岡山大 学整 形外 科学教 室井 上 一教 授 に深謝致 します. (本論文 の主 旨は第7回 島根 スポー ツ医学 フ ォー また は 手 術 を拒 否 した 場 合 に は保 存 療 法 を行 うが, ラムにお いて 発表 した.) 解 剖 学 的 に整 復 で き な い場 合 に は手 術 療 法 の 適 文 献 応 とな る. 保 存 療 法 を行 っ た症 例 の う ち, 伸 展 制 限 が 残 1) 29: 1224, その ま ま保 存 療 法 を継 続 した症 例 で あ っ た. 南 2) Kirschner 鋼 線 を用 い てDIP関 赤堀 3) 節伸展位 固定に 現 在最 も一 般 的 に行 わ れ て い る と思 わ れ る ワ 5: 89-96, Green, D. P.: 2069, 4) 1986. Operative Hand Livingstone, R. S., Horrell, E. D. and Pierret め, 骨 片 に破 損 を生 じる場 合 が あ る な ど, 手 術 intraarticular 手 技 が 難 しい. また, ワ イヤ ー 固定 だ け で は 骨 J. Hand Surg., 3: 361-363, 節 を確 実 に 固 5) 従 って, 我 々 は Kirschner 追 加 して い る. しか し, この ため か, 我 々 の 症 得 られ, Mallet finger の治 療 は, 津 下10)も 述 べ て い mallet R. S. and Engber, mallet finger due to of the distal phalanx. finger. W. D.: Hyperex- Orthop., 6: 1426- 三 浦 隆 行: 手 の 外 傷, 医 歯 薬 出 版, 178-180, 土 田 博 和: 槌 指 の 治 療. 整 形 外 科, 1982. 7) 南 條 文 昭, 29: ま た早 期 に 可動 域 訓 練 が 開 始 で きる の で, 比 較 的 良 好 な結 果 を得 た (図3). of fracture G. 1431, 1983. 6) 例 で は, 屈 曲制 限 の 残 存 す る もの が あ っ た. ワ イ ヤー ひ き よせ 締 結 法 は, 適 切 な 整 復 位 が Lange, tension 鋼 線 で伸 展位 固定 を 2nd 1988. Hamas, P.: Treatment 定 し な い と,骨 片 の再 転 位 を生 じ る こ とが 多い. Surgery. New York, 2060- イ ヤ ー 引 き抜 き法 は, 骨 片 に ワ イヤ ー を通 す た 片 の 固 定 が 不 十分 で あ り, DIP関 整 形 外 科, 治, 橋 詰 博 行, 檀 浦 生 日: 槌 指 の 治 療. ed, Churchill 変 更 した 方 が よ い. 進: 伸 筋 腱 付 着 部 剥 離 骨 折 に finger の 手 術 的 治療. 関 節 外 科, と して は, 時 に 骨 折 部 背 面 に, 圧 迫 に よ る小 皮 膚 壊 死 を生 じる こ とで あ る. こ う した場 合 に は, 治, 大 島 よ る mallet 存 し た もの は, 治 療 中 に 骨 片 の再 転 位 を きた し 條 ら7)が 述 べ て い る ご と く, 本法 の 他 の合 併症 赤堀 8) 1220-1223, 扇 内 幹 夫, fracture 藤 巻 悦 夫, 片 桐耿 を 伴 う mallet finger 他: Avulsion の 治 療 経 験. 整
11) Wehbe, M. A. and Schneider, L. H.: Mallet Finger, J. Bone Joint Surg., 66-A: 658-669, 1984.