平成 25 年 5 月 27 日 ( 月 ) 活用促進委員会 技術士業務報酬アンケート調査報告 < 概要 > 技術士の報酬の実態を調査するため平成 25 年 2 月に実施された 技術士業務報酬調査 の結果をまとめた 1. まえがき平成 13 年 10 月 24 日 ( 水 ) 付けで 公正取引委員会より 資格者団体の活動に関する独占禁止法上の考え方 なる通達が出され その中で業務報酬の表示について (1) 独占禁止法上問題となる場合 として 資格者団体が [2] 会則に資格者の収受する報酬に関する基準を記載することが法定されていない場合において 標準額 目標額等 会員の収受する報酬について共通の目安となるような基準を設定すること とし 一方で (2) 独占禁止法上問題とならない場合 として 資格者団体が [1] 需要者 会員等に対して過去の報酬に関する情報を提供するため 会員から報酬に関わる過去の事実に関する概括的な情報を任意に収集して 客観的に統計処理し 報酬の高低の分布や動向を正しく示し かつ 個々の会員の報酬を明示することなく 概括的に 需要者を含めて提供すること ( 会員間に報酬についての共通の目安を与えるようなことのないものに限る また 価格制限行為の監視のための情報活動に該当するものを除く ) と示した なお ここで言う資格者団体とは 法律上業務独占が認められている事務系の専門職業のうち 公認会計士 行政書士 弁護士 司法書士 土地家屋調査士 税理士 社会保険労務士及び弁理士の 8 資格については 資格者を会員とする団体の設立が義務づけられ 資格者には当該団体への入会が義務づけられている このような性格を持つ 8 資格の団体を 資格者団体 という ( 公正取引委員会の定義 ) この通達公布後 上記 8 資格者団体のみならず 業務非独占の士業団体も それま 1/9
での標準業務報酬の掲示から 業務報酬調査結果を掲示する方向に切り替えている 以上を鑑み 日本技術士会でも 技術士報酬実態調査結果の掲示が必要と認識した 2. 業務報酬アンケート調査日本技術士会では 今まで業務報酬の調査を実施したことはなく 今回新たに技術士会のアンケートシステムを用いて業務報酬アンケート調査を行うこととし 次のような内容の結果が得られるよう 設問を作成した 1 契約上の作業時間と業務報酬総額から名目時間あたり報酬額を収集する 2 出来るだけ業務時間を正しく収集するために 他の業務との時間の切り分けがやりやすいと思われる 独立技術士 ( 開業技術士 ) のみを対象とする 3 報酬データは平成 23 年度分とし 一人あたり 3 ケースを限度に記入出来るようにする アンケート調査は同報メールにて メールアドレスを持つ全会員にお願いをして 平成 25 年 2 月 7 日から 28 日まで日本技術士会 HP 上でデータを収集した 2.1. アンケート設問の概要アンケート項目は 上記 1~3を念頭に 以下のような構成を取った なお 詳細な質問項目は 2.3 アンケート結果において詳述しているので参照されたい 1) 回答者の属性 Q1 所属機関と Q2 主たる収入源を質問とした 2) 受託業務について : ここからは回答者 1 人あたり 3 件まで報告可とした 受託年度は平成 23 年度に限った Q3 依頼元 Q4 業務内容 Q5 Q6 で一部の業務につきさらに細分化した Qq1 業務の契約あるいは受託期間 Qq2 請負執務時間 Qq3 実質総執務時間 Qq4 当業務の請負金額 ( 所得税 消費税含む ) Qq5 報酬額 2/9
2.3. アンケート結果 Q1 ご所属の機関を選択してください Q1 所属機関 その他 2% 独立 個人事務所 98% Q2 主たる収入源は次のいずれでしょうか? ( 受託収入とは 技術士としての受託業務による収入をいいます ) Q2 主たる収入源 その他 受託収入のみ 21% 年金 + 受託収入 72% 3/9
Q3 依頼元は次のうちのどれでしょうか? Q3 依頼元 自治体又はその外郭団体その他 4% 8% 市民団体 2% 産業団体 大学 研究機関 省庁又はその外郭団体 11% 大手企業 20% 中小企業 3 Q4 業務内容は次のうちのどれでしょうか? Q4 業務内容 委員会活動 4% 設計 積算 3% 工事監理 0% その他 14% 指導 教育 24% コンサルテーション 55% 4/9
Q5 上記の設問で コンサルテーション を選択した場合 その内容を更に詳しく選択して下さい Q5 コンサルテーション内容 調査研究 6% 申請支援 6% 顧問 10% 経営相談 16% 技術相談 62% Q6 上記の設問で 指導 教育 を選択した場合 その内容を更に詳しく選択して下さい Q6 指導 教育内容 小 中学校 4% 高校 0% 大学 大学院 2 セミナー等 6 5/9
Qq1 契約期間または受託期間の月数をご記入下さい 期間は最長 1 年間とします Qq1 業務の契約期間 / 受託期間 62% 1 20% ~3カ月 ~6ヵ月 ~9カ月 ~12カ月 1% Qq2 設問 Qq1 の期間内で 依頼先から要求された執務時間数の総合計をご記入ください Qq2 1% 1% 4% 6% 4% 6% 30% 請負執務時間 ~50 時間 (1 週相当 ) ~100 時間 ( 約 0.5 月 ) ~150 時間 (3 周相当 ) 41% ~200 時間 ( 約 1ヵ月 ) ~250 時間 ~300 時間 ~350 時間 ~400 時間 400 時間超 6/9
Qq3 受託業務を遂行する上での執務時間数の総合計をご記入下さい 設問 Q4の執務時間に準備 整理期間を加えたものとします 0% 2% 2% 4% 5% 3% 1% 8% Qq3 実質執務時間数 ~50 時間 (1 週相当 ) ~100 時間 ( 約 0.5 月 ) ~150 時間 (3 周相当 ) ~200 時間 ( 約 1ヵ月 ) 31% ~250 時間 ~300 時間 ~350 時間 ~400 時間 ~450 時間 ~500 時間 23% ~550 時間 ~600 時間 600 時間超 Qq4 請負金額を円単位でご記入下さい 金額には所得税及び消費税を含むものとします 2% 3% 13% Qq4 請負額 6% 1 2 21% ~10 万円 ~50 万円 ~100 万円 ~150 万円 ~200 万円 ~250 万円 ~300 万円 300 万円超 7/9
Qq5 報酬額を時間単価で決めている場合は その金額を円単位でご記入ください Qq5 回答 業務時間単価が設定され もしくは条件付けされている例は少ない (24 件 全回答の約 1/5) ため ここでは最大値 最小値を示す 回答件数 ( 時間単価 )= 24 件 回答単位 最大値 最小値 時間単価 円 31500 1000 日単価 円 200000 20000 統計処理値 ( 最大値 最小値 平均値 ) 時間単価集計結果 ( 想定含む ) 有効 91 件 最大値 40,000 円 最小値 1,250 円 平均 11,701 円 業務時間単価集計結果 11% 0% 1% ~5000 円 8% ~10000 円 2 ~15000 円 ~20000 円 ~25000 円 33% ~30000 円 ~35000 円 ~40000 円 8/9
4. まとめ 3.1. データ数得られた結果は 47 人から合計 91 データであった 3.2. 各種統計値得られたデータの統計値は以下の通り 平均値 11,701 円 / 時間最大値 40,000 円 / 時間最小値 1,250 円 / 時間 なお 時間あたり名目報酬額の度数分布は以下のようになる 25 度数 20 15 10 5 系列 1 0 単位 : 円 / 時間 3.3. データ取り扱い上の注意このデータは初めての業務報酬調査で 独立技術士のみを対象としており データは限定されたものである あくまでも実情を調査した結果の参考値として取り扱って頂きたい また 技術士業務報酬は 業務の難易度をはじめとする様々な要素を元に依頼元との協議の結果決定されるものである その点で 上述の平均値などは 平均的な難易度の業務に対する業務報酬の参考例と理解すべきであろう また この結果を提示しながら業務報酬交渉を行うことは本来の趣旨に反することであることにもご留意頂きたい 以上 9/9