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1 第 1 章 : (SEMG) 推薦図書 Biofeedback Tutor CD Core: Psychophysiology, Electricity Anatomy: Skeletal Muscles Clinical: Musculoskeletal, Neuromuscular 文献 Cram, J. (2003). The history of Surface electromyography. Applied Psychophysiology and Biofeedback, 28(2), 81-91. Kasman, G.S. (2002). Using Surface electromyography. Rehab Management The Interdisciplinary Journal of Rehabilitation. January. http://www.rehabpub.com/ltrehab/12002/5.asp Whatmore, G.B., & Kohli, D.R. (1979). Dysponesis: A neurophysiologic factor in functional disorders. In E. Peper, S. Ancoli, & M. Quinn (Eds.), Mind/body integration. New York: Plenum, 379-410. Peper, E. (1979). A beginner s behavioral test guide to biofeedback instrumentation. Adapted from E. Peper, S. Ancoli, & M. Quinn (Eds.), Mind/body integration, New York: Plenum, 231-235. はじめに 筋活動を電気信号として記録する方法は 1930 年代からすでにあり 一般に筋電位 (EMG) と呼ばれていました 筋電位測定には 筋肉の電気的活動を針やワイヤー電極で筋肉組織から直接記録する方法と 皮膚表面の電極から間接的に記録する方法があります 皮膚の表面から筋活動を記録する場合 (SEMG) と言います 当初 筋電位は神経筋疾患の確定診断法や基礎研究用の一手法として使用されていました (Basmajian & DeLuca, 1985) これよりさらに前の 1950 年代に 2 人の医師 シアトルの George Whatmore とロサンゼルスの Alberto Marinacci が筋電位をバイオフィードバックに使い始めました Whatmore は様々な患者の体の複数の位置から筋活動を記録しました Whatmore は 数多くの筋肉が 通常患者自身も気づかないうちに過剰に緊張していることに気づきました 彼の臨床治療プログラムは 患者に筋肉の不適切な緊張を防ぎ正す方法を教えることで全身の緊張レベルを下げることに焦点をあてていました Whatmore は Kohli の協力のもと 6~21 年間の追跡調査 ( 平均 13.4 年 ) を行い 長期にわたる臨床効果の維持が わずかな筋緊張の変化に気づき自分でそれをコントロールできる能力を治療終了時に習得していたかどうかということと密接な相関があるということを発見しました (Whatmore & Kohli, 1974) これとは別に 神経科医の Alberto A. Marinacci(1968) は 筋電位 (EMG) フィードバックをリハビリテーションに応用し 脳梗塞 ベル麻痺 ( 顔面神経麻痺 ) ポリオといったさまざまな神経筋疾患による運動機能障害の著しい改善を報告しました

2 Whatmore, Kohli, Marinacci といった医師達により何年もの間バイオフィードバック技術が使われ 実際に成果が上がっていましたが バイオフィードバックのコンセプトと手法が広く使われるようになったのは 1960 年代後半になってからです 一般的バイオフィードバックの分野 特に治療目的の筋電位測定 (EMG バイオフィードバック ) の分野が学問的に評価されるようになったのは John Basmajian 博士の独創的な研究が大きく影響しています Basmajian は 1963 年に単一運動単位 (SMU) の制御が可能であることを証明しました 具体的には Basmajian の研究対象者がフィードバック訓練により 単一の筋ニューロンをコントロールできるようになったのです バイオフィードバックの臨床応用として筋電位が有用だと広く受け入れられるようになったのは Thomas Budzynski, Johann Stoyva, Charles Adler (1970) らが EMG フィードバックを用いた緊張型頭痛治療の成功を報告してからです この時以降 緊張型頭痛だけでなく様々な運動障害の治療法として EMG フィードバックは薬や手術によらない治療法として認められるようになりました Budzynski, Stoyva, Adler による研究 (1970) は 生理機能の自己コントロールというコンセプトを科学界が受け入れる移行期とちょうど時を同じくしていました これは 自分の生理機能に関する情報をリアルタイムで知ることで 患者自身が生理機能の随意コントロールを学習することができ その結果健康状態を好転させることが可能となるというものでした 科学界におけるこの変化は 電子技術の進歩によって実現しました もはや生理信号は研究室の装置に限定されない携帯機器で記録できるようになり 例えば ファラデー箱 のように対象者を電気的に遮蔽された部屋へ収容しなくてもよくなったのです この時から EMG を使っての科学的調査と治療への応用は発展を続け 多くの教育や臨床分野において バイオフィードバック単独で もしくは認知行動療法やその他のカウンセリング形態 誘導イメージ法 漸進的筋弛緩法 瞑想といった技術と組み合わせての応用がなされてきました また スポーツや音楽領域における教育指導者達は 最高の能力 ( ピーク パフォーマンス ) を発揮できるトレーニング法として 臨床医達は脳梗塞後の筋リハビリテーションとして EMG フィードバックを取り入れてきました (Swartz & Andrasick, 2004; Criswell, 1995) 科学的手法に基づく EMG 研究により 以下のような多くの疾患への応用が可能であることが明らかになりました (Yucha & Gilbert, 2004) 不安 (Hiebert & Fitzsimmons, 1981; Hurley & Meminger, 1992) 反復動作性障害 (RSI)(Peper et al., 2003; Peper, Gibney, & Wilson, 2004) 脳性麻痺のリハビリテーション治療 ジストニア 脊髄損傷 脳梗塞 (Colborne, Wright & Naumann, 1994; Deepak & Behari, 1999; Brucker & Bulaeva, 1996) 頭痛 (Arena et al., 1995; Moreland, Thomson & Fuoco, 1998) 線維筋痛症 (Donaldson, Sella, & Mueller, 1998) 顎関節症 (TMD)(Crider & Glaros, 1999) 尿失禁 (Burgio, Locher & Goode, 2000) の臨床応用の第一人者である Glen Kassman (2002) は 理学療法士の立場から次のように述べています

3 EMG の記録は非侵襲性であり無痛である 臨床医は筋肉の運動機能評価から病因の推定を行うために SEMG を取り入れている 理学療法士は SEMG を集学的アプローチとして運動機能障害の治療に用いてきた 心理士は 精神生理学的に過剰な覚醒状態が起因する諸問題の治療に SEMG を採用している 作業療法士は機能的作業分析に SEMG を取り入れている リハビリテーション看護師やセラピストは SEMG のフィードバックを骨盤底筋群機能障害による失禁の治療に使用している リハビリテーション科医 整形外科医 神経科医なども 筋活動に影響を与える薬物療法や外科治療の効果を判定したり 運動障害の程度をより正確に診断したりするために SEMG の手法に関心を持つであろう 測定の生理学的基礎知識 検査 (SEMG) は筋肉が収縮する際に発生する生体電気活動を測定します 皮膚表面で記録されるこの電気信号は 同時に放電する多くの運動単位の総合的な活動を示しています 運動単位とは 横紋筋 ( 自己制御下にある骨格筋 ) の機能単位で 図 1.1 で図解されているように一個の運動ニューロン ( 一個の神経細胞 ) に支配されている横紋筋細胞の集合からなっています 一個の運動ニューロンの活性化がそのニューロンの支配下にある全ての筋肉細胞の収縮の発端となるのです この活性化がニューロンと筋肉細胞周辺の電位の変化を伴う筋肉収縮を引き起こします EMG 信号の基礎となっているのは筋肉細胞の生体電位の変化です シグナルの強度 ( 振幅 ) は同時に活性化された運動単位の数と正比例します 言い換えれば 活性化された筋肉細胞単位が多いほど信号の振幅と筋収縮の度合いが大きいことになります 従って EMG 信号は筋活動を目に見える形で示すものとして使われるのです 微細運動が必要な場合 例えば目の動きなどは 25 個の筋肉細胞が一個の運動ニューロンによって支配されています その一方で 大腿四頭筋などのようなもっと大きな筋肉の動きのためには数百もの筋細胞を 1 個の運動ニューロンが支配することになります

4 脊髄 神経細胞 ( 運動ニューロン ) 筋肉細胞 図 1.1. 一個の運動単位は 1 つの神経細胞と複数の筋肉細胞から構成される SEMG 電極 電極は筋肉から発生する電気信号を記録するためのものです 種類の違う 2 タイプの電極 ( 針電極と表面電極 ) を記録に使うことができます 針電極は筋肉に直接差し込んで一個の運動単位の活動を測定するのに使われます 表面電極は皮膚の表面で記録される筋収縮を測定します 表面電極によって記録された筋活動は 測定中の電極の下もしくは電極間にある大量の筋肉からの統合された電気活動です この実習テキストでは 表面電極を用いた方法を行います 電極のサイズや形は様々ですが 通常活性電極が 2 個 ( 筋腹といった電気的に活性の組織に置かれます ) と基準電極が 1 個 ( 骨などのように電気的に不活性な中性の組織上に置かれます ) が記録に使用されます 電極の置き方は 2 種類あります 一つは特定の筋肉の動きを記録するためにトライオ - ド 電極を使用し狭い間隔で置く方法 もう一つは電極用リード線を使って広い間隔で電極を置き 複数の筋肉から記録をとる方法です トライオ - ド 電極による狭い間隔で置く方法のメリットはよりピンポイントな記録が取れることだけでなく 装着が簡単にできること 電極用リード線を使用しないのでその影響 ( アーチファクト ) を受けないことということがあげられます この種の記録法は主動筋 ( 主に動作を始める際に動く筋肉 ) であれ 拮抗筋 ( 主動筋と反対の動きをする筋肉 ) であれ特定の筋肉を観察 訓練するのに非常に有効です 電極用リード線を使った広範囲電極配置法のメリットは 同時に複数の筋肉が観察できることです これは トレーニーの体のより広範囲な部位が いつリラックス状態にあるか 逆にいつ課題に不要な筋肉緊張が起こっているかを確認するのに有用です ト

5 レーニーがリラックスしようとしているにもかかわらず 筋活動が継続的に存在する場合は 電極を狭い間隔で置けば活性化している筋肉を突き止めることができます SEMG 信号に影響を与える要因 記録された SEMG 信号は 活性電極の下及び電極間の全ての電気活動を合わせたものです SEMG 信号は 当該の範囲における実際の生理的 SEMG 信号および生体電気信号 ( 心拍など ) とともに 電極 / 皮膚接触面の動き 電磁場内で動く電極電線による誘導電流 測定場所の既存電気信号 ( 例 :50 または 60 Hz の交流電源 ) などから発生する非生体電気信号が含まれます SEMG 記録に筋肉の活動の結果と無関係な電気的信号が見られる場合 不要なアーチファクトとして解釈します SEMG で記録する筋肉の電気的信号の振幅 ( 例 : 強度 ) は 筋肉の収縮の度合いだけでなく 信号が電極に到達するまでの距離によって決まります 一般的に 収縮した筋肉が表面に近いところにある場合の信号は 筋肉と皮膚の間に脂肪組織がある場合よりも強くなります 電極の配置と同様 活性電極間の間隔もまた電気信号の振幅に影響を与えます 例えば図 1.2 で示すように 2 つの電極が非常に近く置かれる場合 電極がずっと離れて置かれるよりも信号は小さく アーチファクトは少なくなり 電極の下の測定する領域はより小さくなります さらに 2 つの活性電極が測定する筋腹に 筋線維にそって平行に 筋腹のおよそ 1/3 と 2/3 の間隔に置かれるとき 電気信号は通常最も大きくなります 例えば筋肉の長さが 9 cm の場合 筋肉の起始 ( 動かない骨への筋肉の接続部 ) からおよそ 3 cm の場所に 1 つの活性電極を置き もう 1 方の活性電極を筋肉の停止部 ( 動く骨への筋肉の接続部 収縮により起始の方に動く部分 ) からおよそ 3 cm の場所に置きます 同様に 筋肉の長さが 5 cm の場合 筋肉の起始からおよそ 1.6cm の場所に 1 つの活性電極を置き もう 1 方の活性電極を筋肉の停止部からおよそ 1.6 cm の場所に置きます 広範囲測定 Wide electrode 電極配置法 placement Electrode 電極線のアーチファクト lead artifact Toe つま先の動き movement 狭間隔電極配置法 Narrow electrode placement

6 図 1.2. 電極の間隔が広い場合と狭い場合を右前脛骨筋から記録した場合の比較 トライオード 電極 (2 つの活動的電極間隔を 2 cm とする ) を右前脛骨筋中央に置き 一方には電極用リード線を使って電極を (2 つの活動的電極間隔を 12 cm とする ) 右前脛骨筋の 1/3 と 2/3 の場所に設置します 電極間隔が広い場合よりも狭い場合の記録の方が SEMG の振幅が小さく アーチファクトが少ないことに注目 SEMG 信号は多くの異なる筋肉の活動を表す場合があります つまり非常に狭い電極間 (2 つの電極の間隔 ) の間隔 (1cm) で設置しなければ または 電極を特定の筋肉に直接取付けられなければ SEMG 電極は同じ領域にある 2 つの筋肉を区別することができないことを意味します 残念ながら 特定の筋肉上に複数の電極を置くことは不可能な場合が多いです 通常筋肉の上下には別の筋肉が重なっているためです とはいえ複数の筋肉からの集約信号を使用することは可能です これは測定する領域でのリラクセーション訓練に有用な場合もあります 特定の筋肉か複数の筋肉からの記録かどうかにかかわらず 筋緊張の記録を見ればいつリラックスし いつリラックスしていないかがわかります 例えば 前腕の筋緊張の程度を評価するためには 前腕の屈筋群および伸筋群の電気活動を集約して記録します この場合 指や手首の過屈曲 過伸展をすると SEMG 活動が見られます とはいえ どの筋肉が全体的な SEMG 活動に関わっているかを特定することは不可能です 同一のトレーニーに繰り返し SEMG 測定を行うとかなり安定した記録が得られます つまり 特定の測定位置からの SEMG 信号の振幅は もしトレーニーが意識的に筋肉の緊張を変えようとしなければ 記録の回数によらず同じ振幅であるということです しかし 別のトレーニーに同じ手順で測定を行った場合 筋肉の収縮は微妙に異なるでしょう 言い換えると 任意の筋肉の収縮に絶対的な信号振幅 ( 正常値 ) はないということです 個々のトレーニー間で比較できる唯一の筋電位活動は 筋収縮のない信号振幅が 0 の状態です SEMG は 筋収縮時に一定の傾向を持つ振幅として観察されますが 個々のトレーニーごとに異なったパターンを示すという極めて個別性の高いものなのです 信号処理 センサーを使って測定された生理機能の生データは そのままではほとんど役に立ちません その生データ中に含まれる情報 ( 雑音など ) が多すぎるため 役に立つ情報を得るためには何らかの数学的処理を行う必要があるのです ( 心電計の信号から心拍数を抽出する など ) 最も一般的なバイオフィードバックの機能には増幅 フィルタリング 平均化があります さらに記録された信号は通常定量化して表示され 視覚的 聴覚的フィードバック ( 例 : グラフ アニメーション 音や音楽など ) として使用されます 信号処理についてのさらに詳しい説明は推薦図書やその他の資料に記載されています

7 増幅 ( 帯域 ) 皮膚で記録した EMG 信号は非常に微小なもので 通常 約 100 万分の 1 ボルト ( マイクロボルト µv と表示 ) で測定されます その結果 信号を処理するためには 図 1.3. のようにまず増幅しなければなりません しかし 対象となる筋活動信号を増幅すると 電極が感知する他の電気信号もすべて増幅されてしまいます この筋肉信号増幅とよく似た例は 人がマイクに向かって話す場合です 話者の声が増幅されるだけでなく 雑音など不要なものまでマイクが拾ってしまうのです 図 1.3. 記録信号を 4 倍増幅させたもの 左がもとの信号 右が増幅後の信号

8 フィルタリング 記録された信号は 筋肉から発生する生体電気信号 電極 電線内自体から発生する環境からの電気信号 および付近で発生するその他の生体電気信号 ( 例 : 心拍など ) などの電位の集合体です 筋肉から発生する電気信号以外の 電極の下あるいは電極間で記録される信号は すべてアーチファクトと見なされます そのようなアーチファクトを排除するために 信号をフィルタにかけることができます フィルタリングにより 必要なある一定の範囲の周波数だけを残して その他はすべて排除することができます アーチファクトをフィルタで除去するには帯域通過フィルタを使用します 機器の製造メーカーによって 固定式と可変式のどのタイプの帯域通過フィルタを採用しているかが違ってきます 可変式帯域通過フィルタには 2 タイプあり ハードウェア式アナログ フィルタでは実際の電子回路が変更されます またデジタル フィルタではフィルタのパラメータはソフトウェア的に設定されます いずれの場合も 設定されたカットオフ周波数帯域より低域の信号と高域の信号はすべて除去されます 帯域通過フィルタソフトウェアには必ず高帯域通過フィルタ設定が含まれており 設定周波数値以上の信号をすべて記録しそれ以下の信号を除去します 同様に 低帯域通過フィルタ設定により設定周波数値以下の信号をすべて記録し それ以上の信号をすべて除去します この 2 つの周波数を設定することで その間に含まれる信号だけを記録するのです 実際のカットオフ周波数は フィルタの種類がアナログかデジタルかによって異なります アナログフィルタは電子回路式のハードウェアフィルタであるため 設定周波数の上下の周波数を徐々に減衰します デジタルフィルタはソフトウェアフィルタで 設定周波数を境に即座に除去します 例えば 狭帯域通過フィルタは通常 100 ~ 200 Hz の間に設定され 心電図によるアーチファクト周波数を除去します この場合 高帯域通過フィルタは 100 Hz に設定され ( この設定値以下の周波数をすべて通過させる ) 低帯域通過フィルタは 200 Hz に設定されます ( この設定値以上の周波数をすべて通過させる ) この帯域通過フィルタ設定をすると 図 1.4. に示すように 100 Hz 以下と 200 Hz 以上の周波数が表示されなくなります つまりこのフィルタ設定により 100 Hz 以下であれば筋肉の収縮は表示されなくなります その結果 実際は収縮しているのに筋肉が弛緩しているように見える場合があります 広帯域通過フィルタの帯域幅は通常 20 ~500 Hz に設定され 心電図信号はほとんど除去されずに一緒に測定されてしまいます

9 図 1.4. 100 Hz 高域フィルタと 200 Hz 低域フィルタを備えたデジタル帯域通過フィルタを使ってフィルタリングを行った様子 帯域通過フィルタの範囲内の周波数だけが通過していることに注目 一般的に記録に最適なのは広帯域通過フィルタです ただし僧帽筋と斜角筋に電極を装着する広範囲電極配置法による測定では心電図記録のアーチファクトを除去する必要があるため 広帯域通過フィルタは適していません ほとんどの機器には 50 または 60 Hz ノッチフィルタが搭載されており 遍在する 100 ボルトの交流電源からの電気コードにより発生する 50 または 60 Hz アーチファクトを除去します 平滑化 信号の平均化とは フィードバック画面上に一定時間の平均値が表示されるという意味です 移動平均は直前の数秒間の平均値であり データは常に更新されています 信号が瞬時的に絶えず変化し続けている場合 平滑化を行うことで記録された急峻な信号の山と谷をなだらかな波に変えます 通常 平滑化は信号の高周波成分をフィルタにかけることによって行います 平滑化の効果の一例を図 1.5 に示します

10 図 1.5. 記録した信号の平滑化 実際の患者の記録からとった平滑化の例を図 1.6. に示します Smoothing OFF Smoothing Set at 8 Smoothing Set at 64 図 1.6. 信号画面上に示される平滑化の効果 この図は左斜角筋から右上部僧帽筋まで広範囲測定電極配置法の SEMG 記録を示す 平滑化の値が高くなるほど高周波数成分がより排除される 周波数スペクトル解析 周波数スペクトル解析は 生 EMG 信号を高速のフーリエ変換 (FFT) により処理することで 時間領域信号 ( 時間分布値 ) を周波数領域信号 ( 周波数分布値 ) に変えるものです FFT の計算出力は 処理される時間窓のサイズによって決まる最低周波数値と 特定の信号のタイプに使用するサンプリングレートによって決まる最大周波数値の間の周波数の棒グラフ ( スペクトルとも呼ばれる ) の分布で表示されます 毎秒 2048 サンプルの割合で抽出された 1 Hz~500 Hz の周波数帯域の EMG 生データの 1 秒間分が 一本の周波

11 数スペクトラムとして表示されます 多くのバイオフィードバックシステムはスライディング時間ウィンドウを使用し 1 秒間に何回もこの過程を繰り返します FFT プロセスの実例を図 1.7a 及び 1.7b に示します 図 1.7a b 上のグラフは 異なる 2 つの周波数の正弦波信号 ( 左 ) が 1 つの 生 信号 ( 右 ) として合わさった状態 下の図は 2 つの周波数成分が含まれている一つの時間領域信号の生データ ( 左 ) が 周波数領域に変換され 2 つの周波数を示す棒グラフとして表示 ( 右 ) されている 図 1.7b では 各周波数の棒グラフの高さがそれぞれの元の波の振幅の大きさと比例関係にあるということを示しています ( マイクロボルト表示ではない ) FFT と関連するもう一つの一般的な信号処理方法はパワースペクトルといい FFT 処理の結果を二乗した大きさの値として出力します 二乗することによって各周波数間の大きさのわずかな違いもより明白になるので有用です 他にも周波数領域にすることで様々な解析をすることができます 例えば周波数中央値からは筋肉疲労に関する情報が得られます 整流 BF 訓練では上記のような EMG 生信号を直接使用することはまずありません 周波数の変化が非常に大きい両極信号であるためです BF で EMG 信号を使う場合 ある種の振幅包絡線に変換することで観察し易くなります これは常に正の数値で 時間ごとに筋肉収縮の強さに比例して変化します この処理を行う方法は数多くありますが もっとも一般的なものは Peak-to-Peak 法と二乗平均平方根 (RMS) です Peak-to-Peak 法

12 は EEG 信号 ( 脳波 ) を処理する時に一般的に用いられます RMS は EMG 信号の処理方法として用いられます 図 1.8.a 及び 1.8b にこれらの処理方法を説明しています 図 S 1.8a b. Peak-to-Peak 法は両極信号の連続的な 波 の山から谷までの振幅を各周期毎に計算する RMS は 両極信号のマイナス側の波形をプラス側に折り返すことで整流し さらに連続した山の平均を取り平滑化された波にするという複雑なプロセスを要する Peak-to-Peak 法により出力される振幅は RMS による場合の約 2 倍の大きさとなる また RMS による値は Peak-to-Peak 法のおよそ 0.354 倍に等しい フィードバック画面と閾値 特定の筋肉から筋電位を記録すると 記録された信号は折れ線グラフとしてコンピュータ画面に直接表示されます 収縮が強くなるとグラフの線が上がり 筋肉が弛緩すると下がります さらに 記録された信号が意味する変化 ( 弛緩 緊張 ) をより直観的に理解できるように 測定信号をアニメーションによる笑顔の変化といった視覚的フィードバック 音や音楽などの聴覚的フィードバックや 振動や揺れといった感覚的フィードバックなどに変換することもできます 閾値の設定は 筋電位の振幅がある一定の値以上または以下になった時にフィードバック信号を発生させたい時に行います 例えば トレーニーの前腕伸筋群を弛緩させるトレーニングを行う場合 筋緊張が 3 V 以上になった場合にのみ 音などの聴覚信号

13 によるフィードバックが発生するように閾値を設定することで 意識的なリラクセーションの練習を行うことができます 終わりに 本章では 筋電位バイオィードバックを理解するために必要な筋電位測定の基本について概説しました ここで述べている内容は 本テキスト全体を通して共通した重要な事項や考え方を含んでいるため 最初の項目として選びました そのため 実際の筋電位の理論と概念についてはここではごく簡単にしか説明しておりません より理解を深め知識を増やすためには ぜひ参考図書を精読されるようお勧め致します 参考図書 Arena, J.G., Bruno, G.M., Hannah, S.L., & Meader, K.J. (1995). Comparison of frontal electromyographic biofeedback training, trapezius electromyographic biofeedback training, and progressive muscle relaxation therapy in the treatment of tension headache. Headache, 35(7), 411-419. Basmajian, J.V. (1963). Control and training fo individual motor units. Science, 141, 440-441. Basmajian, J.V., & De Luca, C. J. (1985). Muscles alive: Their functions revealed by electromyography (5th ed.). Baltimore: Williams and Wilkins. Brucker, B.S., & Bulaeva, N.V. (1966). Biofeedback effect on electromyography responses in patients with spinal cord injury. Archives of Physical Medical Rehabilitation, 77(2), 133-137. Budzynski, T., Stoyva, J., & Adler, C. (1970). Feedback induced relaxation: Application to tension headache. Journal of Behavior Therapy and Experimental Psychiatry, 1, 205. Colborne, G.R., Wright, F.V., & Naumann, S. (1994). Feedback triceps surface EMG in gait of children with cerebral palsy: Uncontrolled Study. Archives of Physical Medicine Rehbailitation,75(1), 40-45. Crider, A.G., & Glaros, A.G. (1999). A meta-analysis of EMG biofeedback treatment of temporamandibular disorders. Journal of Orofacial Pain, 13(1), 29-37. Criswell, E. (1995). Biofeedback and Somatics. Novato: Freeperson Press. Deepak, K.K., & Behari, M. (1999) Specific muscle EMG biofeedback for hand dystonia. Applied Psychophysiology and Biofeedback, 24(4), 267-280. Donaldson, C.C., Sella, G., & Mueller, H.H. (1998). Fibromyalgia: A retrospective Study of 252 consecutive referrals. Canadian Journal of Clinical Medicine, 5(6), 116-127. Hiebert, B.A,. & Fitzsimmons, G. (1981). A comparison of EMG feedback and alternative anxiety treatment programs. Biofeedback & Self-Regulation, 64, 501-516. Hurley, J. D., & Meminger, S.R. (1992). A relapse-prevention program: Effects of electromyographic training on high and low levels of State and trait anxiety. Perceptual and Motor Skills, 74(3 Pt 1), 699-705. Kassman, G. (2002). Using Surface electromyography. Rehab Management: The Interdisciplinary Journal of Rehabilitation. January. Marinacci, A. A. (1968). Applied electromyography. Philadelphia: Lea & Febiger.

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