Taro-H29公示_土浦・つくば・鹿行

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平成13年度地価調査の概要

平成13年度地価調査の概要

要が流れている傾向にあるが 地形的に平坦部が少ないため 住環境 利便性の優れる住宅地は人気が高く 高額での取引も見られる 一方 北部エリアと高台の住宅地は需要が向かず 下落率は相対的に高い 市街地の利便性の高い地域に一時期分譲マンション需要が高まっていたが 現状落ち着いている模様である a. 住宅地

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記者発表資料

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記者発表資料平成 31 年 3 月 19 日九州地方整備局 平成 31 年地価公示の概要 ( 九州地方整備局管内 ) 地価公示は 地価公示法に基づき 国土交通省土地鑑定委員会が都市計画区域等における標準地を選定して 毎年 1 月 1 日の正常価格を判定し公示するものです 地価公示の目的は 一般の土地

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県産材の需要拡大の推進について(枠組み)

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3 人口 10 万人以上の都市の動向 札幌市 住宅地は 5 年連続の上昇となっており 中央区の住宅価格の高騰から 相対的に割安感のある豊平区 白石区で高い上昇率となった 商業地も 5 年連続で上昇となったが 中央区は高いオフィス需要から引き続き高い上昇率となり 他区においても特に地下鉄駅周辺地域で高

図 1 平成 19 年首都圏地価分布 出所 ) 東急不動産株式会社作成 1963 年以来 毎年定期的に 1 月現在の地価調査を同社が行い その結果をまとめているもの 2

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Ⅱ. 茨城県南部各都市の地価動向 1. 龍ヶ崎市 (1) 住宅地市内全体として住宅地の供給が続いており 供給過剰な面がみられる その一方 地域経済の衰退等もあり需要は弱含みで推移しており 地価下落圧力が強まっている 龍ヶ崎市は佐貫地区を常磐線が通過している 佐貫駅周辺は住環境が良く一定以上の需要が見

平成 31 年地価公示の概要 1 根拠法令地価公示法 2 実施機関国土交通省土地鑑定委員会 3 目的土地鑑定委員会が毎年 1 回標準地の正常な価格を公示し 一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに 公共事業用地の取得価格算定の規準とされ また 国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地

73,800 円 / m2 幹線道路背後の住宅地域 については 77,600 円 / m2 という結論を得たものであり 幹線道路背後の住宅地域 の土地価格が 幹線道路沿線の商業地域 の土地価格よりも高いという内容であった 既述のとおり 土地価格の算定は 近傍類似の一般の取引事例をもとに算定しているこ

目 次 [Ⅰ] 調査方法 2 [Ⅱ] 地域区分図 3 [Ⅲ] アンケート調査票 4~5 [Ⅳ] 第 2 回不動産市況 DI 調査結果の概要 6 [Ⅴ] 設問ごとの回答内訳 [-1] 設問 2,3( 住宅地価格 ) 7~9 [-2] 設問 2,3( 商業地価格 ) 10~12 [-3] 設問 2,3(

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目 次 調査結果について 1 1. 調査実施の概要 3 2. 回答者の属性 3 (1) 主な事業地域 3 (2) 主な事業内容 3 3. 回答内容 4 (1) 地価動向の集計 4 1 岐阜県全域の集計 4 2 地域毎の集計 5 (2) 不動産取引 ( 取引件数 ) の動向 8 1 岐阜県全域の集計

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半年ごとの地価動向について 地価公示(1 月 1 日時点 ) と都道府県地価調査 (7 月 1 日時点 ) との共通の調査地点で見ると 三大都市圏の住宅地は平成 25 年の前半と後半がほぼ同率の上昇となり 商業地は平成 25 年後半に上昇率が拡大している また 地方圏の住宅地 商業地はともに下落した

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RETIO NO.104 地価の地域間の格差 ばらつき について 都道府県地価調査の結果を基に 姫野 和弘 総括研究理事 毎年 3月には地価公示 9月には都道府 ここでは 都道府県地価調査の結果を活用し 県地価調査の結果が公表され 新聞紙面を賑 て その地価の水準から 地域間の 価

目 次 1 背景 目的 1 2 計画の位置付け 2 (1) 計画の位置付け 2 3 現状の問題と課題 3 (1) 現状の問題 3 (2) 課題 3 4 市街化調整区域における土地利用方針 5 (1) ゾーンにおける土地利用方針 6 (2) 各ゾーンのイメージ 10 5 土地利用現況図 11 6 土地

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けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

一方 つくばエクスプレス線 ( 以下 TX と称する) の沿線地域は新規住宅地開発が進められており 沿線のつくばみらい市は昨年に引き続き 成長力第 2 位 を獲得するなど 更なる発展が期待される 他方 それらから離れた地域では依然として地元需要に依存しているのが現状である よって利便性に基づく二極化

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イ適用税率別の数と税割課税額税割は資本金の額により適用する税率を決めているので 適用税率別に集計することで資本規模による違いがわかります 税割の税率は標準税率 9.7%(12.3%) と制限税率 12.1%(14.7%) の 2 段階です 9.7% の税率は資本金の額が 1 億円以下のや資本金を有し

1. 研究の目的 東日本大震災の発生や台風 集中豪雨による災害の頻発をふまえ 災害対応 危機管理のための被害想定やハザードマップの作成が各地で進んでいる 不動産評価にも災害リスクが考慮されつつある一方で ハザードマップの公表や警戒区域の指定が不動産価値の低下につながることを懸念する声もある しかし

第 8 章地価の動向 1 地価公示及び地価調査のあらまし 目 的 地価公示は 地価公示法に基づき 都市及びその周辺地域等において標準地を選定し その正常な価格を公示することにより 一般の土地の取引価格に対して指標を与え 及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し

ニュースリリース 食品産業動向調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 2 6 日 株式会社日本政策金融公庫 食品産業景況 DI 4 半期連続でマイナス値 経常利益の悪化続く ~ 31 年上半期見通しはマイナス幅縮小 持ち直しの動き ~ < 食品産業動向調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日

(2) 小学校区別人口特性 2010 年の校区別総人口は 学校区の順に多い 2010 年の校区別人口密度は の順に高くなっており 学校区の殆どの区域と 学校区の一部区域は DID 地区となっている 2040 年の推計人口は 学校区で 2010 年人口を上回る若しくは横ばいの見込みであるが その他の殆

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目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

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平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved

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(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

指定標準 適用区域 建ぺい率 容積率 建築物の高さの最高限度 m 用途地域の変更に あたり導入を検討 すべき事項 ( 注 2) 1. 環境良好な一般的な低層住宅地として将来ともその環境を保護すべき区域 2. 農地等が多く 道路等の都市基盤が未整備な区域及び良好な樹林地等の保全を図る区域 3. 地区計

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目次 札幌中心部オフィスビルの市況及び相場 空室率は最低値を更新 札幌ビジネス地区のテナントの動向 札幌中心部オフィスビルは1 年 1 棟ペースで新築ビル供給が続く 2 札幌中心部オフィ

ニュースリリース 農業景況調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 1 8 日 株式会社日本政策金融公庫 平成 30 年農業景況 DI 天候不順響き大幅大幅低下 < 農業景況調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公庫 ) 農林水産事業は 融資先の担い手農業者

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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参考資料 ( 美祢都市計画区域 ) 目次 1. 区域区分の二次検討 25 23


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目次 方針策定の背景 1-1. 用途地域指定の基本的な考え方 1-2. 住居系 [ 第一種低層住居専用地域 ] [ 第二種低層住居専用地域 ] [ 第一種中高層住居専用地域 ] [ 第二種中高層住居専用地域 ] [ 第一種住居地域 ] [ 第二種住居地域 ] [ 準住居地域 ] [ 田園住居地域 ]

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大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

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1. 各都市の不動産市場トレンド 1-1. オフィス価格指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から 2016 年 10 月まで ) 図表 1-1は オフィス価格指数の各都市 対前回変動率 今回 (2016 年 10 月現在 ) 対前回変動率が最も高かったのは 東京 の +3.4% 次いで 大阪

2. 各学区のまちづくりの方向性と将来ビジョン 第 3 章で整理した各学区の現状 課題等を踏まえ 学区ごとにまちづくりの方向性 ( 基本方針の 3 つの柱の何に該当するのか ) を整理します 方向性を踏まえ 施策の柱ごとに具体的なビジョンを検討します (1) 常盤学区 1 まちづくりの方向性 1-1

Transcription:

平成 29 年地価公示における土浦 つくば 鹿行地区の地価動向 不動産鑑定士河村直行 Ⅰ. 土浦 つくば 鹿行地区全体の地価動向 当該地区公示地点の地価は全体として 横這い地点の増加 下落幅縮小 という傾向で 地価の下げ止まりの兆しが顕著となっている 住宅地は緩やかな景気回復基調が続くなか 低金利及び住宅ローン減税等の施策による住宅需要の下支えに加え 長期の地価下落によって一部地域で底値感が出ていることもあり 交通の利便性や住環境が良好な地域の需要が高まり 下落幅縮小の地点が多く見られた 商業地は緩和的な金融政策により資金調達環境が良好なことや景気回復基調が続くなか 総じて下落幅は縮小している 土浦市の上昇地点は昨年の9 地点から1 地点に減少し一服感が見られるが 横這い及び下落幅縮小地点は増加し つくば市の研究学園都市中心部では ほぼ全地点の地価が横這いで 地価の回復傾向が顕著であった 住環境 交通利便性等が劣り人口流出の大きいかすみがうら市 鉾田市 行方市などでは ほぼ昨年並みに地価が下落し 下落幅縮小の地点も見られるが 依然として地価の下落傾向が継続している 鹿行地区は 比較的平均価格が高い鹿島臨海工業地帯 ( 鹿嶋市 神栖市 ) と その他の農村地域に分けられるが 大部分は農業を主産業とする地域であるため 鹿嶋市の高台中心住宅地を除き全体としては地価の下落傾向が続いている なお 地区内の主な市の地価動向は以下のとおりである Ⅱ. 土浦 つくば地区 ( 土浦市 つくば市 石岡市 ) の地価動向 1. 土浦市 (1) 住宅地 ( 継続調査地点 31 地点 ) 平均変動率:-0.4%( 昨年 -0.1%) ( 上昇地点 :1 地点 横這い地点 :15 地点 下落地点 :15 地点 ) 住宅地 31 地点 ( 継続地点 ) のうち 1 地点で地価が上昇 15 地点で横這い 他も殆どの地点で下落率が縮小した 平均変動率は-0.4% と昨年の-0.1% へと下落幅がやや拡大したが 全体としては僅かな地価下落にとどまっている 長期間の継続下落により常磐線沿線の牛久市や取手市などに対する相対的な割安感が出ており 外部に流出していた需要回帰が鮮明となり横這い地点が大幅 - 1 -

に増加した 土浦駅圏の品等 利便性上位地域は引き続き堅調 神立駅圏については工業団地勤務者を中心に需要が回復しつつあり 荒川沖駅圏は隣接するつくば市 牛久市 阿見町等との競争が激しいこともあり 地価はやや弱含みに推移しているが 持ち直し傾向が見られる おおつ野地区は土浦協同病院の移転に伴い利便性のが向上等が期待されており 需要の高まりが見られる (2) 商業地 ( 継続調査地点 8 地点 ) 平均変動率:-0.1%( 昨年 -0.2%) ( 横這い地点 :5 地点 下落地点 :3 地点 ) 商業地 8 地点 ( 継続地点 ) の平均変動率は-0.2% から-0.1% へ下落幅が縮小し 下落率自体も小さい 中心商業地の空洞化 地盤沈下が進行したものの一定の繁華性を保っており 土浦市役所庁舎の駅前移転による活性化への期待及び相対的な割安感が出たことなどから土浦駅周辺の地点を中心に5 地点が横這いとなった 2. つくば市 (1) 住宅地 ( 継続調査地点 28 地点 ) 平均変動率:-0.6%( 昨年 -0.7%) ( 横這い地点 :9 地点 下落地点 :19 地点 ) 平均変動率は昨年の-0.7% から-0.6% へ下落幅が縮小 中心部の宅地需要は概ね堅調であるが 宅地の新規供給が増加しており一部に供給過剰感も出ており 市場が模様眺めの状態にある 地価の上昇地点はなく 横這いの地点も昨年と同じ9 地点 中心部では公務員宿舎跡地の売却に伴い 利便性上位地区での新規宅地分譲が増加し これによる供給過剰感があることなどから不動産市場は模様眺め感が強く 昨年まで上昇局面にあった地域も横這い傾向に転じている状態にある TX 研究学園駅周辺においても大量の宅地分譲があり 不動産市場はともに模様眺めの様相が強まっている状況にある TX 沿線地区 ( 研究学園 みどりの等 ) においては 駅から遠い地域は新規の宅地供給が多く その需給により地価は弱含み傾向にある 旧集落地区の既存住宅地に対する需要は少なく 地価の下落率は縮小傾向にあるが 依然として下落傾向が継続している (2) 商業地 ( 継続調査地点 6 地点 ) 平均変動率:-0.2%( 昨年 +0.1%) ( 横這い地点 :4 地点 下落地点 :2 地点 ) 平均変動率は+0.1% から-0.2% となり 3 年連続の上昇から僅かであるが下落に転じた 上昇地点はなく 横這い地点は4 地点 TXつくば駅周辺に大型商業施設の集積が進みエリアも限定的であるため稀少 - 2 -

性が高く 潜在的な用地需要はあるものの つくば駅前の百貨店 ( つくば西武 ) が閉店することになる影響や 繁華性の低い地域の下落が継続していることも あり 平均変動率がプラスからマイナスになった 3. 石岡市 (1) 住宅地 ( 継続調査地点 17 地点 ) 平均変動率:-1.2%( 昨年 -1.4%) ( 下落地点 :17 地点 ) 住宅地 17 地点 ( 継続地点 ) の全てが下落したが 平均変動率は-1.2% と昨年の -1.4% より下落幅が縮小した 石岡市の住宅地はJR 常磐線で東西に分けられ 西側は旧市街地と旧八郷地区 東側は新興の住宅地が多い 旧来の中心部は店舗等の撤退により空洞化が進行しており 地価の下落が継続している 旧八郷地区は旧来住宅地が中心で価格水準が低いため地価下落率は比較的小さいものの 下落傾向は継続している (2) 商業地 ( 継続調査地点 3 地点 ) 平均変動率:-0.8%( 昨年 -1.0%) ( 下落地点 :3 地点 ) 平均変動率は-1.0% から-0.8% へ縮小 石岡市の商業中心は旧市街地から国道 6 号線等の沿道にシフトしており 旧市街地の空洞化は顕著である 幹線道路沿いには大型店舗の新規出店が見られ 長期の継続下落により価格調整が進んだため地価下落率は縮小傾向にある 石岡駅舎改築事業( 橋上化 ) が進められ 平成 28 年 3 月に一部を除き供用が開始され 駅周辺の商業地域の活性化に繋がることが期待されているが 旧市街地の空洞化傾向に歯止めはかからず 今後も地価の下落傾向は続くものと思料される Ⅲ. 鹿行地区 ( 鹿嶋市 神栖市 潮来市 ) の地価動向 1. 鹿嶋市 (1) 住宅地 ( 継続調査地点 9 地点 ) 平均変動率:+0.2%( 昨年 -0.1%) ( 上昇地点 :4 地点 下落地点 :5 地点 ) 住宅地 9 地点のうち 4 地点で地価が上昇 沿岸部の低地の住宅地は依然高い下落を続けるが 高台の中心住宅地は周辺市町からの需要流入も見られるなど堅調な需要があり 平均変動率も+0.2% となった ( 昨年 -0.1%) 高台の住宅地は地価の上昇が続いており 周辺市及び市内の低地部分の需要が東日本大震災で地盤の液状化被害が少なかった高台住宅地に集中したことが主な原因と考えられる 宮中地区の市役所周辺の需要が強く 新規分譲の余地が - 3 -

ある宮津台等も人気があり 宅地開発用の素地を含めて取引が活発化している 高台以外の地区においては市場は低迷 東日本大震災による津波 液状化の影響を受けた平井地区 鉢形の低地部分等の需要は現在も弱く 地価の二極化が進行している状況にある 旧大野地区は中古住宅の取引が多く 圏外からの需要流入も見られるが 価格の低位安定化傾向があり 価格上昇の兆しは見られない 平均変動率:±0.0%( 昨年 -0.2%) ( 横這い地点 :2 地点 ) 平均変動率(2 地点 ) は ±0.0% となり 地価は比較的堅調に推移しているが 鹿島神宮周辺の旧来商店街は国道 124 号沿いの大型店舗への顧客の流出が続いており 閉鎖 撤退店舗が多く見られる 特に鹿島神宮駅及び鹿島神宮門前周辺の商業地域の空洞化は著しい状況にあり 既存の商業用地として需要は殆どないが 住宅用地としての需要はある 路線商業地域についても 需要は国道 124 号沿いのイオン周辺のエリア及び長栖地区の狭い範囲に限定され 隣接の神栖市の路線商業地域と代替 競争関係が強い 2. 神栖市 (1) 住宅地 ( 継続調査地点 12 地点 ) 平均変動率:-0.8%( 昨年 -0.8%) ( 下落地点 :12 地点 ) 住宅地は 全ての地点で下落したが 下落率は縮小傾向にある 平均変動率は昨年と同じ-0.8% で 旧神栖地区の下落幅が縮小した 震災による津波や液状化の影響があった堀割地区や深芝地区等では依然 取引が停滞しているのに対し 利便性が良好な大野原地区等では一定の需要があり 地価も比較的堅調に推移している 全体的に市街化調整区域内の区域指定エリアの取引が多く 住宅地需要が分散化する傾向が強まっており 現下では地価の下げ止まり感は見られず 震災による被害が少なく 社宅跡地の開発地が多い土合地区 ( 旧波崎地区 ) では震災後 需要が集中し 地価も堅調に推移していたが 社宅跡地を開発した分譲宅地の大量供給の影響から 現在では供給過剰の状態にあり 地価も下落に転じている模様である 平均変動率:-0.3%( 昨年 -0.5%) ( 横這い地点 :1 地点 下落地点 :1 地点 ) 商業地 2 地点の平均変動率は-0.5% から-0.3% へ縮小した 国道 124 号沿いの路線商業地域には店舗の新規進出等も見られ 商業施設の連たん性及び繁華性は比較的高い 昨今の経済情勢等を反映し 市況の回復傾向が見られるが 事 - 4 -

業用借地権を活用した新規店舗の出店が多く 業務用地の取引は少ない状況が 続いている 3. 潮来市 (1) 住宅地 ( 継続調査地点 12 地点 ) 平均変動率:-0.8%( 昨年 -1.1%) ( 横這い地点 :3 地点 下落地点 :9 地点 ) 住宅地の3 地点が横這い 下落幅も縮小した 平均変動率は-0.8%( 昨年 -1.1 %) 潮来市の住宅地は旧潮来地区の市街地を中心とする既成住宅地域 旧牛堀地区の市街地を中心とする既成住宅地域 JR 潮来駅地区 ( あやめ地区 ) JR 延方駅周辺地区 日の出地区 大塚野の住宅団地等がある 震災直後 震災の影響( 地盤液状化 ) を受けた日の出 潮来及びあやめ地区の需要が激減し 地盤が良好な大塚野 辻地区方面に需要が流出し これらの地区の地価が一時的に上昇した この地価上昇は現在は一巡しており 地価は横這い又は緩やかな下落傾向に戻っている 潮来市の住宅地に対する需要は一定量あり 川尾団地と延方駅周辺は地価が比較的堅調に推移している 市内最大の宅地供給地である日の出地区 ( 地盤液状化により甚大な被害を受けた地区 ) でも相場を下回る価格ではあるが 取引が見られるようになった 今後 行政による液状化対策事業が行われた同地区が完全復興すれば 宅地供給量が需要を大きく上回り 地価の下落が一層進行する懸念もある 平均変動率:-0.8%( 昨年 -0.8%) ( 下落地点 :2 地点 ) 平均変動率は昨年と同じ-0.8% 近年 鹿嶋市及び神栖市の国道 124 号沿いへの相次ぐ大型店の出店により 顧客が流出し 空洞化が進行している 市内においても商業の中心が上町 浜町等の旧来の商店街から幹線道路沿いへ移行しているため 旧来の商店街の地盤沈下は著しく 商業地の地価は住宅地水準まで落ち込んでいる 国道 51 号の沿道地域は長期下落による底値感があり 地価は概ね横這い圏内の動きとなっている 以 上 - 5 -