青文字は、長谷川が修正したものです

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設 機能の見直しハード面の効率化財源確保1-3. 再配置パターン ( 手法 ) の考え方 再配置計画の検討に向けて 公共施設の再配置を う場合の基本的なパターン ( 手法 ) について整理し それらの効果についても確認していきます 施設の再配置にあたっては 厳しい財政状況の中 人口が減少傾向にあるこ


イ使用年数基準で更新する施設 ( ア ) 使用年数基準の設定使用年数基準で更新する施設については 将来の更新需要を把握するためにも 更新するまでの使用年数を定める必要がありますが 現時点では 施設の寿命に関する技術的な知見がないことから 独自に設定する必要があります このため あらかじめ施設を 耐久

資料 5 公共施設更新コスト試算 1 試算ケース ケース1: 旧耐震基準のうち 築 60 年以上は建替え それ以外は大規模改修 新耐震基準は老朽箇所修繕 耐用年数を 60 年と想定した場合 旧耐震基準の施設のうち 築 60 年以上の施設は 築 60 年が経過した施設から建替える 建替え対象以外の旧耐

改訂履歴施行年月日 改訂理由 内容 平成 25 年 10 月 22 日 制定 平成 27 年 5 月 29 日 一部改正 第 1 項 2 項 3 項及び4 項に空調施設の整備に関 する内容を追加

第3章 長寿命化改修と併せて検討したいこと

(3) 中規模改修工事費 建設年代別にm2単価を設定する 大規模改修後及び改築後は 水準別にm2単価を設定し 冷房設備ありの場合は別途m2単価を設定して加算する 表 中規模改修工事費 大規模改修前 大規模改修後 改築後 中規模改修建設年代改築後改築後大規模改修後円 / m2従来改築一般施

美里町学校施設長寿命化計画 ( 案 ) 検討資料編 平成 30 年 月 美里町教育委員会

H28秋_24地方税財源

1

構造 用途 鉄筋コンクリート造鉄骨 鉄筋コンクリート造 高品質の場合 普通の品質の場合 高品質の場合 重量鉄骨 鉄骨造 普通の品質の場合 軽量鉄骨 ブロック造れんが造 木造 学校庁舎 Y 100 以上 Y 60 以上 Y 100 以上 Y 60 以上 Y 40 以上 Y 60 以上 Y 60 以上

Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

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Microsoft Word - 【外務省】インフラ長寿命化(行動計画)

橋 梁 長 寿 命 化 修 繕 計 画

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図 維持管理の流れと診断の位置付け 1) 22 22

3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

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[ 図表 35: 見直しのイメージ ] 質の高い施設 安心安全で コストの最適化 施設を安心安全に利用するため 点検 診断を実施し その結果に基づき 必要な対策を適切な時期に着実かつ効率的 効果的に実施します また これらの取組を通じて得られた施設の状態や対策履歴等の情報を記録し 次の点検 診断等に

事務事業調書平成 27 年度 事業 No 647 課 総務課 係 施設係 起案者 石原久仁夫 決裁者早川雅己 事務事業名 小学校施設耐震補強事業 事業種別 施設整備 1 事業概要 総合計画体系 根拠法令 法定受託事務 公約 議会答弁 陳情 市民要望実施方法実施期間 求める成果 ( 目的 ) 4 個性

表紙

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保全の基本方針

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施設名 棟数 延べ床面積 ( m2 ) 建築年 経過年 池上小学校 8 5,410 昭和 55 年 36 年 南池田中学校 15 8,105 昭和 58 年 33 年 光明台北小学校 12 6,364 昭和 60 年 31 年 いぶき野小学校 15 7,683 平成 4 年 24 年 北池田中学校

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第 4 章保全に係る基準の設定 保全に係る基準の設定フロー 前章の老朽化状況の把握からの保全に係る基準の設定フローを以下に示します 老朽化状況の把握 1 躯体の健全性調査 2 躯体以外の劣化状況調査 残存耐用年数 躯体の健全性調査による残存耐用年数 構造別の目標耐用年数の設定 ( 長寿命化 ) 長寿

5.4章.xdw

目 次 1 個別計画策定の趣旨及び概要 1 (1) 策定の趣旨 1 (2) 概要 1 2 施設別財産状況 2 3 各種分析結果 5 (1) 築年数別状況 5 (2) 利用状況 6 (3)1 m2当たりの運営コスト状況 7 (4) 消防団員 1 人当たりの運営コスト状況 8 (5) 施設配置状況 9

3-1 2 修繕工事の実態 ( ヒアリング ) 計画修繕は 定期点検等で明らかになった建物の劣化の補修のため 調査 診断 修繕計画の作成 工事の実施へと 区分所有者の合意を形成しつつ 進められる 当勉強会で実施したヒアリングより 管理会社による点検 定期点検は 1 回 / 年の頻度で行っている 目視

施策の体系 本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち179

資料1-2 「学校施設の長寿命化計画策定に係る手引」(案)」(事例・参考資料等)(4/5)

P5 26 行目 なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等の関係から なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等から P5 27 行目 複式学級は 小規模化による学習面 生活面のデメリットがより顕著となる 複式学級は 教育上の課題が大きいことから ことが懸念されるなど 教育上の課題が大きいことから P

第 4 章公共施設の老朽化状況の把握 建築物の老朽化状況については 1 躯体の健全性把握調査と 2 躯体以外の劣化状況把握 調査の 2 つの調査を実施し 実態を把握の上 評価しました 1 公共施設の保有状況公共施設の保有状況 築年別用途別規模別築年別用途別規模別 躯体の健全性の把握 3

§1 業務概要

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耐震化整備計画の策定について

流動資産 3 流動比率 (%) 流動負債短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 当該指標は 1 年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示す 100% 以上であることが必要である 一般的に 100% を下回るということは 1 年以内に現金化できる資産で 1 年以内に支

1 個別施設計画の基本的な考え方本計画は 公共施設等総合管理計画の内容を基本とし 同計画に示す類型のうち中分類を基本に現状の施設管理者を勘案して個別に策定した 計画の基本的考え方として 個別具体の方向性を示し 原則 長寿命化を推進し 鉄筋コンクリート造の建築物は目標供用年数を 80 年とし 長寿命化

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2/9 学校 ( 幼稚園 ) 名久保小学校長江小学校土堂小学校 棟用途 棟面積第一次診断第二次診断改修改修後建築年月構造階数区分番号枝番 ( m2 ) 年度 Is 値年度 Is 値年度 普通 特別 管理教室棟 1 1 S8.1 R 3 2,950 旧基準 H H 屋内運動

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各取組は PDCA サイクルを回し効果を評価し 目標が達成できない見通しとなったときは さらなる総量の縮減や取組 体制の強化等 基本方針等を見直します [ 図表 40] [ 図表 40:PDCA サイクル ] 計画修正 Action 計画修正 Action Plan Check 計画等修正 Acti

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雲仙市公共施設等総合管理計画 概要版 平成 29 年 3 月 雲仙市

(1)

(2) 施設の状況 幼稚園施設は 昭和 50 年前後に建築され 築 30 年以上が経過しています ( 表 2) ( 表 2) 公立幼稚園施設一覧 施設名称 竣工年月 構造 階数 酒匂幼稚園 昭和 48 年 2 月 鉄筋コンクリート造 ( 一部鉄骨造 ) 地上 2 階 東富水幼稚園 昭和 46 年 3

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3.記載事例・参考事例(6)(7)

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24 7 団地の修繕 改良UR 都市機構では 主に昭和 40 年代から 50 年代前半に管理開始した賃貸住宅について 居住水準の向上に資することを目的として お住まいの方からのお申し込みに基づき 浴室 設備の改良 ( シャワー付ふろがま 大型浴槽 ( シャワー付 ) の設置 ) を行っています なお

第 3 回検討会でご意見を頂いた内容に対する対応方針 ( 案 ) 中長期保全計画の策定において 更新 修繕 といった言葉の使い分けは明確にすべき その際 部位による使い分けや ライフサイクルコストの視点を踏まえた 更新 修繕 のレベル設定にも留意すること 建物を 使える 状態に維持するという観点から

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特別養護老人ホーム外川園

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

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目次 第 章計画の目的 第 章施設の設置目的 第 章対象施設一覧 第 4 章施設の現状と課題 第 5 章施設を取り巻く状況 第 6 章施設の一次評価の実施 4 第 7 章今後の施設の方向性 7 第 8 章計画期間 7 第 9 章その他 7 参考資料 個別施設の一次評価の検討内容 8

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平成 28 年度予算編成方針 我が国の経済は 景気は引き続き緩やかな回復基調を維持しているが その影響が地方経済にまで十分に行き渡っているとは言えず 我々地方の行財政運営の基本となる税等一般財源を確保するためには 臨時財政対策債に頼らざるを得ない状況が続くものと考える また 税制改正も予測されること

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手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

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2) 管理数量 下水道 終末処理場には汚水と雨水用の施設があります 管理数量は次のとおりで す 表 2-26 下水道 終末処理場の管理数量 施設名種別数量備考 下水道 ( 汚水 ) 下水道 ( 雨水 ) 汚水管きょ下水道終末処理場中継ポンプ場汚水低地排水ポンプ雨水管きょ雨水低地排水ポンプ雨水ゲート

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第 1 公共施設の保全 1. 公共施設の現状と課題 1 2. 公共施設の実態把握 1 (1) 対象施設 (2) 調査項目 (3) 評価基準 (4) 施設調査カルテ 第 2 公共施設の長寿命化 3 1. 目標耐用年数の設定 3 (1) 更新時期 (2) 耐用年数 (3) 目標耐用年数 2. 維持管理

Transcription:

桶川市学校施設老朽化対策基本計画 概要版 ( 案 ) 桶川市教育委員会 平成 28 年月

1. 目的 本市は 40 棟の学校施設 ( 小学校 27 棟 中学校 13 棟 ) を有しており このうち約 9 割の建物が建築後 30 年を経過するなど老朽化が進みつつあります 老朽化した施設を整備するには多額の費用を要しますが 限られた予算の中でこれらの施設を更新していく必要があります 一方で 学校に対するニーズは多様化しており 多様な学習内容 学習形態への対応 快適化 バリアフリー化 防災対策 環境負荷の低減など さまざまな配慮が求められています また 平成 24 年度までに全ての学校の耐震化が完了し 安全性が確保されたことから 今後は老朽化対策が求められるとともに 学校施設については 現状 65 年の改築サイクルを延長するなど 長寿命化を図り施設整備にかかるコストを総合的に抑制していく必要があります このため 学校施設の効率的な維持保全の実現に向けて 本市の関連計画と整合を図りながら 平成 27 年に実施した学校施設の劣化診断の調査結果を踏まえ 桶川市学校施設老朽化対策基本計画を策定します 2. 桶川市学校施設老朽化対策基本計画の位置づけ 桶川市学校施設老朽化対策基本計画 ( 以下 基本計画という ) は 下記計画を上位計画および関連計画として 整合を図りながら策定するものとします 3. 対象範囲 基本計画 の主な対象範囲は 校舎 ( 付属棟含む ) 体育館 給食室 プール 校庭 外構を対象 としています 4. 計画期間 本基本計画は建物の寿命が数十年におよび また学習環境の変化に対応していくことが必要なため 中長期的な視点が不可欠です そのため 計画期間を設けることがふさわしくないことから 平成 29 年度以降については本計画をもとに事業を推進していき 5 年ごとに計画の見直しを行うことを基本としています 老朽化 対策基 本計画 平成 28 年度第 1 期第 2 期第 3 期第 4 期 劣化診断調査 LCC 算定 方針決定 老朽化対策基本 計画策定 平成 29 年度 平成 33 年度 平成 34 年度 平成 38 年度 平成 39 年度 平成 43 年度 平成 44 年度 平成 48 年度 1

5. 計画の推進体制 基本計画を策定し 改修 建替えを行うサイクルを構築するとともに 学校や関係課等との連携 協力体制の充実を図り 本計画を推進します また P( 計画 ) D( 実施 ) C( 評価 ) A( 改善 ) サイクルにより見直しを行います 6. 現状 (1) 学校施設の現状 昭和 50 年代前半に学校建設のピークがあり 現在 校舎については築 30 年以上が約 87%( 築 40 年以上は全体の約 41%) を占めており 同時期に多くの学校施設が建設されてきました 耐震化については 現在までに校舎と体育館の耐震改修工事を完了しています 一方 校舎の大規模改修工事についてはほとんど実施できていない状況となっています 児童数は既に減少傾向となっており 今後も減少していくことが予測されています 本市の年度別校舎建設棟数と延床面積の推移 ( 建設棟数 ) ( m2 ) (2) 老朽化の実態 学校の施設や設備は 築年数が経過するほど経年劣化により使用上での支障が表面化します たとえば 外壁モルタルのひび割れや剥がれ 窓枠等のゆがみや床材の剥がれなどが発生し 大きな事故につながる危険性が高くなっています また 設備についても同様に トイレや給食室等の給水排水設備の劣化による漏水や腐食の傾向が見られるほか 消防設備や機械設備等の保守点検における指摘事項も増加傾向にあることから 設備の更新を含めた抜本的な対策を講じなければならない時期にあります 7. 学校の目指すべき姿 これまでは 校舎等の耐震化を最優先課題として位置づけて取り組んできましたが 今後は学校施設の長寿命化に向けて老朽化対策 ( 経年により通常発生する損耗 機能低下への対応 ) に取り組んでいきます また老朽化対策だけでなく 安全面 教育面 防災面 環境面および衛生面など時代のニーズに対応した施設整備を行っていきます 学校施設の目指すべき姿は下記のとおりです 1 誰もが安全で快適に利用できる施設づくり 2 多様な学習内容 学習形態による活動が可能となる環境整備 3 環境負荷の少ない学校施設づくりと学校施設を利用した環境教育の推進 4 災害時の拠点として機能する施設整備 5 適正な学校施設規模による整備 校舎建設棟数校舎延床面積 ( m2 ) 2

8. 課題 老朽化対策に伴う更新費用の集中期への対応 質的改善 ( バリアフリー化 トイレ改修 多様な学習内容 学習形態への対応 防災機能強化 ) 環境配慮 (LED 照明や太陽光発電 内装の木質化等 ) 適正規模化と適正配置 ( 児童生徒数減少への対応 ) を視野に入れた計画とする必要があります 9. 老朽化対策の基本的な考え方 (1) 学校施設の改修等の方針 本市の 公共施設維持保全基本方針 は以下のとおりとしています 保有する公共施設について 需要動向を踏まえた施設機能の見直しや統合 改修及び更新時におけるライフサイクルコストの比較検証 施設の長寿命化など財政負荷の軽減に取り組む 大規模施設や災害時における避難先等 防災機能を有する公共施設は 不具合が顕在化する前に修繕を行う 予防保全による維持保全 を導入 管理台帳などを整備し 施設や部位の耐用年数の到来や保全の履歴を管理 効率的な維持保全を推進 課題を解決するため 国の方針 政策や本市の 公共施設維持保全基本方針 等の方針 計画の考え方を考慮し 学校施設改修等の方針は以下のとおりとします 1 計画的整備従来の改築を中心とした老朽化対策では厳しい財政状況の下で対応しきれない学校施設が増加していく一方となることが想定され 今後はできる限り長く使うため 適切な維持管理を行っていくことが重要となります そこで建物の損傷が顕在化した後の補修や改修だけでなく 予防保全 を中心とした維持修繕にシフトしていくとともに 耐用年数の中間期に大規模改修工事を計画的に実施していきます 2 長寿命化維持管理費用の縮減や予算の平準化を図るため 長寿命化へ転換し 計画的に大規模改修工事を実施していきます 3 学校施設の目標耐用年数の設定建物が何年使用できるかについては 法定耐用年数 が用いられることがあります 法定耐用年数 は 減価償却資産の耐用年数等に関する省令 ( 昭和 40 年大蔵省令第一五号 ) で定められていますが 減価償却のための年数であり 建物の物理的な使用可能年数とは異なります 建築工事標準仕様書 (JASS5 鉄筋コンクリート工事 2009 年 日本建築学会 ) によると 鉄筋コンクリート造ではおよそ 65 年としています 本計画では 施設改修等の方針を作成し 日本建築学会 建築物の耐久計画に関する考え方 をもとに 鉄筋コンクリート造の校舎については 目標耐用年数を 80 年と設定します ( なお 鉄骨造の体育館については 現行通り 65 年とします ) 4 学校施設整備費用施設数や規模 ( 面積 ) に比例して施設整備にかかる費用は大きくなります 厳しい財政状況の中で計画的に学校施設の改修等を実施していくためには 財政面や社会の状況 ( 少子化等 ) に配慮し 効率的な改修等を進め 整備費用を縮減する必要があります そのため 全小中学校の施設をすべて改修するのではなく 改修時点での児童生徒数や学級数等を考慮し 改修や改築 校舎の集約化 小 中一貫教育のための小 中学校の統合などを検討し施設整備を実施します (2) 学校施設規模 配置計画等の方針学校施設の長寿命化を図っていくためには 少子化に対応した学校づくりや学校を中心として他の公共施設と複合化 共用化について検討した結果を反映させることが必要であるため 今後の学校の適正規模や適正な配置の検討が進んだ段階で 各学校の児童生徒数の推移を見極めながら随時 計画を見直していきます 1 少子化に対応した学校づくり今後も児童生徒数の減少が見込まれています 学校の適正規模 適正配置の検討は 当該校の児童生徒 保護者 地域住民の十分な理解と 互いの共通認識の下に協議を行い 様々な課題を解決しながら 円滑に進められなければならない問題であります 適正な規模への改築や減築 集約化等施設の転用等の見込みを十分に考慮し 施設の維持管理 整備にかかる経費や人件費といった運営コストの削減が図れることが予想されることから 適切な改修の範囲や方法等を検討していきます 3

2 他の公共施設との複合化今後 児童生徒数の減少により学校施設に余裕スペースが生じることを念頭に 再整備 ( 主には改築 ) にあたっては将来的に学校施設の一部を地域コミュニティや他の公共施設と複合化できるように 転用可能なエリア分けや動線等 児童生徒の安全性を考慮した配置 平面計画の検討を行っていき 地域の実情に応じた公共施設と複合化を検討していきます 3 小中一貫制度の導入現在 全国の自治体で小中学校の教育を一体とした小中一貫校の導入の動きが広まっており 平成 28 年度現在 設置数は全国で 115 件 ( 併設型 ) となっています 文部科学省においても 小中一貫教育を実施することを目的とする義務教育学校制度の創設や 小中一貫教育に適した学校施設の在り方の基本的考え方や計画 設計上の留意点を示すため 学校施設整備指針 が改訂されるなど 小中一貫教育を推進しています 小中一貫制度を導入することで 小学校から中学校への接続の円滑化や 地域コミュニティの弱体化や核家族化の進行による児童生徒の人間関係の固定化等の社会的な課題に対しても効果があるとされており また規模の適正化による施設の維持管理 整備にかかる経費や人件費といった運営コストの削減が図れることが予想されることから 本市においても 児童生徒数の減少や地域社会の課題に柔軟に対応できるよう 小中一貫制度の導入を検討していきます 4 1 学校 1 施設 ( プール ) のあり方現在 本市では原則 1 学校 1 施設 ( プール ) が設置されています しかし プール施設は水道代等のコストに加え ろ過設備やプール水槽等 施設部位ごとの更新周期が比較的短く 更新費用の単価も大きいことから利用頻度に対して維持管理費が高い施設と言えます そのため今後 児童生徒数の減少に対応した適正規模化や適正配置化を図る上でも 1 学校 1 施設 ( プール ) のあり方の見直しも視野に入れていく必要があると考えられます また 本市のプール施設は建築後 40 年前後の施設が多く老朽化が進行しているため 建替えの際には民間プールとの連携やプール施設の統廃合による複数校の共同利用も含めてプールのあり方を検討していきます 10. 学校施設整備の実施計画 (1) 実施計画の基本的な考え方基本計画の 老朽化対策の基本的な考え方 に基づき 実施計画 を策定していきますが 11 校について長期の財政状況の見通しや実行性の検証も難しいことから 実施計画の計画期間を 5 年ごとに区切り 随時見直しを行いながら老朽化対策を進めていくこととします 施設別の学校施設整備実施計画の基本的な考え方は以下のとおりです 分類 校舎 体育館 実施計画の基本的考え方 校舎は 以下の項目を組み合わせて改修を実施します 1 長寿命化及び学校施設に求められる質的な整備を目的とする大規模改修 2 建物の耐久性に大きな影響を与える屋上防水や外壁補修などの外装部を改修する予防保全 3 トイレ ( 給排水設備含む ) 等の生活環境の整備 以上の改修を実施することにより 長寿命化とライフサイクルコストの縮減を図り 建物を安全で快適に 利用できる期間を延長していきます 長寿命化にあたっては 躯体の健全性について確認します 確認した結果 長期利用が可能な場合は大規 模改修を実施するとともに 本計画の方針に基づき計画的に予防保全を実施し 耐用年数 80 年まで延長し て使用した後改築しますが 長期利用が不可能な場合は予防保全により 65 年まで使用して改築します 校舎と一体で建築された付属棟については 校舎の大規模改修と併せて改修します 別棟で建築された付 属棟については 機能の低下が顕在化した後に 機能低下個所の補修 工事を行って機能回復させる管理手 法の事後保全で改修します 鉄骨造の体育館は 築後 65 年後の改築を目指し 大規模改修を行った後予防保全のサイクルで改修しま す 給食室 校舎と構造が一体で建築された給食室については 校舎の大規模改修と併せて改修します 別棟で建築さ れた給食室については 築後 65 年後の改築を目指し 大規模改修を行った後予防保全のサイクルで改修 します 4

プール 校庭 外構 プールは 築後 65 年後の改築を目指し 大規模改修を行った後予防保全のサイクルで改修します なお ろ過機については平成 28 年度までに小学校分は改修が完了するので 平成 29 年度より中学校のろ過機の改修工事を行います 限られた財源の中で効率的な老朽化対策を進めるため 今後 学校プールのあり方について 検討を行っていきます 校庭は 校庭機能の低下が顕在化した後に 機能低下個所の補修 工事を行って機能回復させる管理手法の事後保全で改修します 外構は 外構機能の低下が顕在化した後に 機能低下個所の補修 工事を行って機能回復させる管理手法の事後保全で改修します 長寿命化を前提とした予防保全のイメージ 改修サイクルのイメージ (2) 改修順序の基本的な考え方改修順序の基本的な考えについては 以下の点を考慮し決定しています 本計画の劣化診断結果 建築年次 過去の改修履歴大規模改修は基本的に棟単位とし 学校施設の長寿命化を図ります なお 屋上防水改修 外壁改修およびトイレ改修については耐久性や生活環境向上の観点から大規模改修より以前でも必要に応じて実施します 本計画は 10 年以上の長期におよぶため 5 年ごとに計画の見直しを図り 時点修正をかけることとします (3) 実施計画の導出劣化診断調査の結果より LCC( ライフサイクルコスト ) を検討し 導出の手順は以下のように行います 第 1 段階基本的な LCC の検討 目標耐用年数を 新築後 80 年に設定し 予防保全サイクルを逆算します 予防保全サイクルは 改修する部材の耐用年数を揃え無駄のないサイクルとします 大規模改修は 上記予防保全サイクルの最初に設定します 基本的 LCC での大規模改修の優先度は 劣化診断結果 建築年次および過去の改修履歴により選定します 第 2 段階 LCC の平準化の検討 基本的な LCC の改修コストをもとに年間改修等費用の平準化をします 平準化の手法は以下の通りとします 1) 平準化にあたっては 建築 機械設備 電気設備の総合的な劣化状況により優先度を選定 2) 改修する部材ごとに予防保全サイクルを使い分け平準化を補完 3) 大規模改修や予防保全の工事内容を分解して平準化を補完第 3 段階今後 10 年間の実施計画 平準化された LCC ならびに主要部分の劣化状況等を総合的に判断し 今後 5 年間の実施計画を導出します 緊急補修は大規模改修を実施する前に全校を対象に 初期 2 年間での実施を前提とします 5