理学療法科学 22(1):33 38,2007 特集 脳卒中における機能障害と評価 Impairments and their Assessment in Stroke Patients 望月久 1) HISASHI MOCHIZUKI 1) 1) Department of Rehabilitat

Similar documents
2 片脚での体重支持 ( 立脚中期, 立脚終期 ) 60 3 下肢の振り出し ( 前遊脚期, 遊脚初期, 遊脚中期, 遊脚終期 ) 64 第 3 章ケーススタディ ❶ 変形性股関節症ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

選考会実施種目 強化指定標準記録 ( 女子 / 肢体不自由 視覚障がい ) 選考会実施種目 ( 選考会参加標準記録あり ) トラック 100m 200m 400m 800m 1500m T T T T33/34 24

Microsoft Word - p docx

背屈遊動 / 部分遊動 装具の良好な適合性 底屈制動 重心移動を容易にするには継手を用いる ただし痙性による可動域に抵抗が無い場合 装具の適合性は筋緊張の抑制に効果がある 出来るだけ正常歩行に近付けるため 痙性が軽度な場合に用いる 重度の痙性では内反を矯正しきれないので不安定感 ( 外 ) や足部外

復習問題

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

ストレッチング指導理論_本文.indb

rihabili_1213.pdf

332 理学療法科学第 22 巻 3 号 I. はじめに脳卒中後遺症者などの中枢神経系障害を持つ患者が示す臨床像は, 環境への適応行動が阻害され, その基盤となる姿勢制御の障害は著しい 理学療法士がその構成要素 (Components) を明確にし, 再構築のために運動療法を行っていくことは必須であ


ITTF Para Table Tennis クラス分けルール (2018 年発行版一部日本語訳 ) 翻訳 : 鈴木聖一 大野洋平 ( 日本肢体不自由者卓球協会チームドクター ) * 肢体不自由アスリート向けの部分のみ抜粋して日本語訳しました (

立石科学技術振興財団 Fig. 2 Phase division in walking motion (The left leg is colored with gray) Fig. 1 Robot Suit HAL for Well-being ベースにした両下肢支援用モデルを用いた Fig.1に

質疑回答 [ 肢体不自由 ] ( 肢体不自由全般 ) 1. 各関節の機能障害の認定について 関いずれか一方が該当すれば 認定可能で節可動域 (ROM) と 徒手筋力テスト (MMT) ある で具体例が示されているが 両方とも基準に該当する必要があるのか 2. 身体障害者診断書の 肢体不自由の状況 及

行為システムとしての 歩行を治療する 認知神経リハビリテーションの観点

リハビリテーション歩行訓練 片麻痺で歩行困難となった場合 麻痺側の足にしっかりと体重をかけて 適切な刺激を外から与えることで麻痺の回復を促進させていく必要があります 麻痺が重度の場合は体重をかけようとしても膝折れしてしまうため そのままでは適切な荷重訓練ができませんが 膝と足首を固定する長下肢装具を

...S.....\1_4.ai

理学療法科学 19(2):69 73,2004 研究論文 脳卒中片麻痺者における 30 秒椅子立ち上がりテストと歩行能力の関係 Relationship of a 30-second Chair-Stand Test to Gait Performance in Stroke Patients 増田

愛知県理学療法学会誌(29巻2号).indd

中枢神経系の可塑性 中枢神経系障害を持つ患者の不適切な介入は不適切な可塑性適応を起こす 運動コントロールの改善には治療中に行われる運動ができるだけ正常と同じ様に遂行される事や皮膚 関節 筋からの求心的情報を必要とする 中枢神経系が環境と相互作用する為には運動やバランス アライメント トーンの絶え間な

Ø Ø Ø

Microsoft PowerPoint - ①濱説明資料.pptx

6 腰椎用エクササイズパッケージ a. スポーツ選手の筋々膜性腰痛症 ワイパー運動 ワイパー運動 では 股関節の内外旋を繰り返すことにより 大腿骨頭の前後方向への可動範囲を拡大します 1. 基本姿勢から両下肢を伸展します 2. 踵を支店に 両股関節の内旋 外旋を繰り返します 3. 大腿骨頭の前後の移

【股関節の機能解剖】

研究成果報告書

要旨 [ 目的 ] 歩行中の足部の機能は 正常歩行において重要な役割を担っている プラスチック短下肢装具 (AFO) 装着により足関節の運動が制限されてしまう 本研究は AFO 装着により歩行立脚期における下肢関節運動への衝撃吸収作用や前方への推進作用に対しどのような影響を及ぼすかを検討した [ 対

Microsoft Word - 5肢体不自由.docx

M波H波解説

(Microsoft Word - \225\266\217\221 1)

2/5 猪狩もとみ 他 : 関節トルク測定法 表 1. 略号一覧 α I I T T g T g0 T g T g0 T I T I T total T total : knee angle when Biodex showed the torque of 0 : Inertia of subjec

<4D F736F F F696E74202D20838A836E D814091E63789F D8C8C8AC78FE18A C668EA697702E707074>

untitled

運動療法と電気療法の併用 ~シングルケース~

<4D F736F F D2091E F18DE98BCA8CA798568C928E7B90DD91E589EF94AD955C8E9697E12E646F6378>

000-はじめに.indd

2/5 沢田光思郎 他 : 日常診療における徒手筋力検査の信頼性 方法 1. 対象ポリオ経験者に対する検診は,2007 年からおよそ 4 ヵ月ごとに実施されている.2014 年 2 月までの参加者は 222 名で, うち 1 回のみの参加者は 69 名,2, 3,4 回の参加者はそれぞれ 43,10

一身体障害認定基準 ( 総括的解説 ) 1 肢体不自由は機能の障害の程度をもって判定するものであるが その判定は 強制されて行われた一時的能力でしてはならない 例えば 肢体不自由者が無理をすれば1kmの距離は歩行できるが そのために症状が悪化したり 又は疲労 疼痛等のために翌日は休業しなければならな

札幌鉄道病院 地域医療連携室だより           (1)

博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文

<4D F736F F D208FE18A B8982CC8C8892E882C982C282A282C45F967B95B65F2E646F63>

1/8 Japanese Journal of Comprehensive Rehabilitation Science (2014) Original Article 足関節硬さ測定装置の開発および生体力学モデルによる関節粘弾性と筋収縮要素の推定 富田豊, 1 谷野元一, 1,2,3 水野志保,

2011/9/9 Bobath Concept 脳卒中片麻痺患者の評価と治療 研修会 評価 治療の進め方と実際 誠愛リハビリテーション病院 PT 山下早百合 ボバース概念は 中枢神経系の損傷により失われた機能 運動 姿勢コントロールにおける個人個人の問題に対して 評価と治療を行う問題解決アプローチで

退院 在宅医療支援室主催小児医療ケア実技研修会 看護師のための 緊張が強いこどものポジショニング 神奈川県立こども医療センター 発達支援部理学療法科 脇口恭生 1

80 武凪沙, 他 態で腰椎のわずかな右側屈により 骨盤を右挙上させ下肢を後方へと振り出す これに対し本症例は 立位姿勢から上位胸椎部屈曲位 胸腰椎移行部屈曲 左非麻痺側 ( 以下 左 ) 側屈位を呈し体幹直立位保持が困難となっていた また右股関節 膝関節が左側と比べてより屈曲していることで骨盤右下

Microsoft Word - MEsymp2006-1c.doc

理学療法学43_supplement 1

春田みどり : 回復期リハビリテーション病棟に入院中の脳血管障害患者を対象とした車椅子移乗自立判断のための認知および身体機能評価のカットオフ値 27 研究報告 回復期リハビリテーション病棟に入院中の脳血管障害患者を対象とした 車椅子移乗自立判断のための認知および身体機能評価のカットオフ値 * 春田み

Microsoft Word - リハ_2002

04_06.indd

愛知県理学療法学会誌(29巻1号).indd

Microsoft Word - 博士論文概要.docx

1/8 Japanese Journal of Comprehensive Rehabilitation Science (2014) Original Article 回復期脳卒中片麻痺患者における歩行能力の経過 入院時の歩行能力および下肢運動麻痺の重症度別による検討 谷野元一, 1,2 園田茂,

携帯型組織硬度計を用いた痙縮筋の量的評価方法の妥当性

スライド タイトルなし

今日勉強すること 1. 反射弓と伸張反射 2. 屈曲反射 3. 膝蓋腱反射の調節機構 4. 大脳皮質運動野の機能

92 る (7,8) HAL は 腰部フレーム 下肢フレーム 床反力センサー付きの専用靴が一体化した装着型のロボットであり 膝関節と股関節部分のモーターが駆動し 動作支援を行う 装着者の状態に応じて 下肢のアライメント調整 股 膝関節屈曲伸展の角度制限設定 HAL からのトルクの最大出力上限設定 (

村上 ほか:片 麻痺 に対す る短下肢装具 の適応基準 2-2 反張膝 反張 膝 は立 脚 中期 か ら後期 にみ られ,下 肢 の支 持 性 の コ ン トロー ル が不 十 分 な場 合 に,膝 関節 を 最 大 伸 展 し軟 部 組 織 に よ る支 持 性 を求 め る結 果 と して起 こ

膝関節運動制限による下肢の関節運動と筋活動への影響

i


Wide Scanner TWAIN Source ユーザーズガイド

1 C H A PTER 第1部 脳卒中は早期の チームアプローチ で治療せよ 運動 感覚 構音障害 高次機能障害 失語 しびれ 感覚障害 片麻痺 これは 何ですか 構音障害 極める 1 臨床編 失認 あわ 麻痺した手足を早期に治療するには まずガイ ドラインを読み解け 極める 2 麻痺側肩関節の筋

04 諸角・他5名.indd

Ⅰ はじめに 臨床実習において 座位での膝関節伸展筋力の測定および筋力増強訓練を行っ た際に 体幹を後方に傾ける現象を体験した Helen ら1 によると 膝関節伸展 の徒手筋力測定法は 座位で患者の両手は身体の両脇に検査台の上に置き安定を はかるか あるいは台の縁をつかませる また 膝関節屈筋群の

論文題目 大学生のお金に対する信念が家計管理と社会参加に果たす役割 氏名 渡辺伸子 論文概要本論文では, お金に対する態度の中でも認知的な面での個人差を お金に対する信念 と呼び, お金に対する信念が家計管理および社会参加の領域でどのような役割を果たしているか明らかにすることを目指した つまり, お

藤田-実践報告.indd

足部について

本文/02 渡辺        001‐008

(Microsoft Word - \217C\220\263\224\216\216m\230_\225\26610S3067\216O\211Y\230a\201i\202Q\201j)

PowerPoint プレゼンテーション

MRC_score_日本語テキスト.indd

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2


関節リウマチ関節症関節炎 ( 肘機能スコア参考 参照 ) カルテNo. I. 疼痛 (3 ) 患者名 : 男女 歳 疾患名 ( 右左 ) 3 25 合併症 : 軽度 2 術 名 : 中等度 高度 手術年月日 年 月 日 利き手 : 右左 II. 機能 (2 ) [A]+[B] 日常作に


行不可能で車椅子使用の痙直型脳性麻痺者 1 名 平均年齢 27.4 歳男性 7 名であった その中でアテトーゼを主徴とする走行可能な脳性麻痺者 1 名 ( ジャパンパラリンピック参加レベル ) については 2002 年 12 月から 2004 年 3 月までに 3ヶ月ごとに定期的に以下の項目について

<4D F736F F F696E74202D20945D90AB9683E AFA92A58CF382C694AD92428C6F89DF88F38DFC B8CDD8AB B83685D>

要旨一般的に脚長差が3cm 以下であれば 著明な跛行は呈しにくいと考えられているが客観的な根拠を示すような報告は非常に少ない 本研究の目的は 脚長差が体幹加速度の変動性に与える影響を 加速度センサーを用いて定量化することである 対象者は 健常若年成人男性 12 名とした 腰部に加速度センサーを装着し


Microsoft Word - toukyuhyo

摂食嚥下訓練 排泄訓練等を開始します SCU で行うリハビリテーションの様子 ROM 訓練 ( 左 ) と端坐位訓練 ( 右 ) 急性期リハビリテーションプログラムの実際病棟訓練では 病棟において坐位 起立訓練を行い 坐位耐久性が30 分以上となればリハ訓練室へ移行します 訓練室訓練では訓練室におい

Microsoft PowerPoint - 「スライド」 蜂須賀先生.ppt

818 理学療法科学第 23 巻 6 号 I. はじめにバランスの評価は, 高齢者の転倒の指標として重要視され, 様々なバランス能力の評価の研究がなされている 2, 近年, 静的なバランス能力の評価と比較し, 動的なバランス能力の評価の重要性を示す研究が多くなってきている 4) しかしながら, これ

2. 方法生物学的製剤投与を受ける RA 患者 3 名に下肢のリウマチ体操を実施前評価時に指導した. また次回来院する 4 週間後まで 1 日 1 回疼痛の生じない範囲で行うよう注意を行った. リウマチ体操実施前と実施 1 か月後の両時点において圧痛関節数, 腫脹関節数,CRP, 疼痛 Visual

< F2D DC088CA95DB8E9D2E6A7464>

名 古 屋 学 院 大 学 論 集 いても,その 支 援 体 制 は 十 分 ではないことが 伺 え, 小 児 期 の 治 療 にくらべ 成 人 期 の 対 応 は 不 十 分 とい える 今 回, 近 年 まで 一 般 企 業 で 就 労 していたものの, 激 しい 疼 痛 により 退 職 を 余

タに Wilcoxon 順位和検定 名義データにカイ二乗検定を行った 帰結の指標 (BRS FIM 運動関連 および総入院日数 ) と rfa 値の関連について まず脳出血群と脳梗塞群のそれぞれで 次に両群の総計で Spearman の順位相関解析を行った いずれの解析においても P < 0.05

大阪府立大学大学院 総合リハビリテーション学研究科 博士論文 脳性麻痺児の歩行における けりだし強化に関する研究 Increased push-off improves gait in children with cerebral palsy 215 年 3 月 石原みさ子

1/5 Japanese Journal of Comprehensive Rehabilitation Science (2013) Original Article 脳卒中回復期リハビリテーションにおけるセラピストの臨床経験年数と FIM 利得 効率との関連性 河﨑靖範, 1,4 槌田義美, 1

Template

日産婦誌58巻9号研修コーナー

筑波技術大学 紀要 National University Corporation 3 レッドコード ニューラックとは レッドコードの正式名称はレッドコード ニューラックといい ノルウェーで生まれたスリングセラピーの新しい技術である スリングセラピーは ただ単に重力を免荷するだけではなく 適切な動き

<8FE18A5192F B892E786C73>

02 谷内・他4名.indd

原著論文 肩関節屈曲による交互滑車運動器使用時における肩甲骨の動きからみた肩甲上腕リズムの検討 寒川貴雄 (RPT) 1) 成末友祐 (RPT) 2) 新枝誠人 (RPT) 1) 原田貴志 (RPT) 1) 澤近知代 (RPT) 3) Key Word 交互滑車運動器 肩関節屈曲 肩甲骨の動き 肩甲

歩行およびランニングからのストップ動作に関する バイオメカニクス的研究

frontal (coronal) plane transverse (horizontal) plane sagittal plane 2) 2. 6) Chopart/Lisfranc 3. frontal (coronal) plane frontal (coronal) plane ever

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

でリハビリが行われてきました 症例の数もかかわった施設の数も少なく まだ手探りの分野といえます この治療は胸髄損傷の完全麻痺を対象としているので やはり歩行機能が再獲得されるのか という点がもっとも注目を集めるポイントになると思います 大阪大学の報告している8 例の中で半数以上の症例で移植後に何らか

Effects of restricted ankle joint mobility on lower extremities joint motions during a stop-jump task The purposes of this study were to examine the e

Transcription:

理学療法科学 22(1):33 38,2007 特集 脳卒中における機能障害と評価 Impairments and their Assessment in Stroke Patients 望月久 1) HISASHI MOCHIZUKI 1) 1) Department of Rehabilitation, Tokyo Metropolitan Bokutoh Hospital: 4 23 15, Koutoh-bashi, Sumida-Ku, Tokyo 130-8575, Japan. TEL +81 3-3633-6151 FAX +81 3-3633-6173 Rigakuryoho Kagaku 22(1): 33 38, 2007. Submitted Dec. 10, 2006. ABSTRACT: Impairments resulting from stroke are wide ranging. In this article, I discuss the nature of motor palsy and spasticity, which are the main impairments of stroke patients, and the assessment of them. For the assessment of motor palsy, Brunnstrom s recovery stages and motor function tests in the Stroke Impairment Assessment Set (SIAS) are compared; and for the assessment of spasticity, the Modified Ashworth Scale and the Modified Tardieu Scale are compared. I also discuss the assessment of balance ability in patients with stroke. Key words: stroke, impairment, spasticity, balance ability, assessment 要旨 : 脳卒中の機能障害は多岐に渡るが, 本稿では脳卒中の中核的機能障害である運動麻痺と痙縮に的を絞り, それらのとらえ方と評価法について検討する 運動麻痺についてはブルンストロームによる片麻痺の回復段階と脳卒中機能障害評価法 (Stroke Impairment Assessment Set, SIAS) の麻痺側運動機能評価, 痙縮についてはModified Ashworth ScaleとModified Tardieu Scaleを対比して検討する また, 脳卒中患者のバランス能力評価についても筆者らの研究結果も含めながら検討する キーワード : 脳卒中, 機能障害, 痙縮, バランス能力, 評価 1) 東京都立墨東病院リハビリテーション科 : 東京都墨田区江東橋 4-23-15( 130-8575) TEL 03-3633-6151 FAX 03-3633-6173 受付日 2006 年 12 月 10 日

34 理学療法科学第 22 巻 1 号 I. はじめに脳卒中片麻痺患者の機能障害の評価には, 運動 認知 情動といった脳機能全体の評価が含まれるが, 臨床の場でこれらの全ての検査を詳細に実施することは困難である 臨床の場では, 診断名をもとにコンピュータ断層撮影 (CT) や核磁気共鳴画像 (MRI) などの画像検査から得られる情報により患者の障害像を予測し, 実際の患者の状態を観察しながらスクリーニング的に検査を実施する そして, 必要に応じてより詳細な検査を実施して, 問題点の整理, 理学療法の目標の設定, 理学療法プログラムの作成を行っている 本稿では, 脳卒中片麻痺患者の中核的障害である中枢性運動麻痺と痙縮 ( 痙性 ) の臨床的測定法について検討する 中枢性運動麻痺の測定についてはブルンストロームによる回復段階と脳卒中機能評価セット (SIAS) の麻痺側運動機能評価を, 痙縮の測定ついてはModified Ashworth ScaleとModified Tardieu Scaleをとりあげ, 対比的に検討する また, 脳卒中片麻痺患者のバランス能力評価についても筆者らの研究結果も含めながら紹介する II. 脳卒中片麻痺患者の運動機能障害脳卒中片麻痺患者の運動機能障害は片側優位の中枢性麻痺で, 筋緊張および運動パターンの異常をともなう筋出力低下を特徴とする CarrとShepherd 1) は脳卒中片麻痺患者にみられる運動機能障害を上位運動ニューロン障害と捉え, 陽性徴候 positive feature, 陰性徴候 negative feature, 適応的徴候 adaptive featureに分け検討している 陽性徴候には伸張反射亢進 ( 狭義の痙縮 ), 陰性徴候には筋力 ( 筋出力 ) 低下 muscle weaknessと巧緻性の欠如 ( 協調性の障害 )loss of dexterity, 適応的徴候には筋と結合組織の変化 ( 機械的 機能的変化 ) 筋トーヌスの亢進 ( 他動運動に対する抵抗性 ) 運動パターンの変化などが含まれる 神経学的な意味での痙縮 ( 狭義の痙縮 ) は, 伸張反射が亢進し関節運動を介して筋を速く伸張すると抵抗感を感じるが, 伸張を続けると急に抵抗が低下する状態をさす 筋を速く伸張するほど初期の抵抗感が強く, ゆっくり伸張すると抵抗感が弱い このことを速度依存性という 痙縮はα 運動ニューロンの活動性の亢進の現れであるが,α 運動ニューロンが興奮する機序は確定的でない 2,3) 筋力低下は筋出力の絶対量が不足している状態で, 患 者は力を出そうと努力しても力を発揮できない 巧緻性の欠如は運動に際して筋活動の協調性がない状態で, 自由度の高い選択的な運動を実行できず, 患者は思うように身体を動かすことができない 運動麻痺が重度な場合は筋出力の低下が前景に立ち, 運動麻痺が軽度な場合は巧緻性の欠如が動作上の問題になりやすい 筋トーヌスの亢進は骨格筋の受動運動に対する抵抗性で, 筋や関節周囲組織の二次的変化の影響が強いとされる 臨床的に用いられる痙性 ( 痙縮 ) には, 伸張反射の亢進と筋トーヌスの亢進の両者が混在して用いられている 運動パターンの変化は, 筋力のアンバランス, 巧緻性の欠如, 筋トーヌスの亢進などにより, 患者の運動方法や姿勢が適応的に変化した状態をいう 脳卒中片麻痺患者の動作にみられる共同運動の影響, 分回し歩行や麻痺側の肩甲帯や骨盤帯が後退した歩行などが相当する III. 脳卒中片麻痺患者の運動麻痺の本質脳卒中片麻痺患者の陰性徴候としての筋出力低下と巧緻性の欠如について簡単なモデルを用いて考えてみたい 図 1の上段は, 脳内の運動の最終出力である一次運動野の運動ニューロン, 脊髄の運動ニューロン, 関節運動に関わる動筋と拮抗筋との神経線維連絡を示している ここで重要なことは, 末梢性運動神経麻痺では脊髄の運動ニューロンと筋 ( 筋線維 ) は1 対 1の対応関係にあるが, 中枢性運動神経麻痺では一次運動野の運動ニューロンと筋は1 対 1ではなく, 多対多の対応関係にあることである 添え字の数は, 一次運動野の各運動ニューロンが1レベルの興奮をすると脊髄運動ニューロンではそれらの神経活動が加算され, 最終的に動筋と拮抗筋に同じ5レベルの興奮が筋に伝わり, 動筋と拮抗筋が協調して収縮する様子を表している 脊髄運動ニューロンレベル以下の末梢性神経麻痺では, 脊髄運動ニューロンの活動性の低下や興奮伝達効率の低下が量的 比例的に筋の出力を低下させ, 機能障害として筋力低下が出現する これに対して中枢性運動麻痺では筋出力低下に加えて筋活動の協調性の低下が生じる 図 1の下段は脳血管障害により黒線の部分の一次運動野の運動ニューロンからの運動指令が失われた様子を表している 黒線の部分の情報が途絶えた結果, 脊髄の運動ニューロンの興奮性が変化し, 筋レベルでは動筋と拮抗筋の収縮のバランスが崩れて自由度の高い選択的な運動が阻害されてしまう このことが脳卒中片麻痺の運動麻痺の本質と考えられる 共同運動は本来的に

脳卒中における機能障害と評価 35 IV. 脳卒中片麻痺患者の運動機能障害の測定法 理学療法における運動機能障害の測定法には, 測定する内容が機能障害の本質に合っていること ( 妥当性 ) と測定結果が理学療法の目標設定やプログラムの立案などに役立つこと ( 実用性 ) が求められる この2つの視点から, 脳卒中片麻痺患者の運動麻痺の測定に用いられるブルンストロームによる片麻痺の回復段階 ( 以後 BRS) と脳卒中機能障害評価法 (Stroke Impairment Assessment Set, SIAS) の麻痺側運動機能評価, 痙縮の測定法であるModified Ashworth Scale( 以後 MASと略す ) とModified Tardieu Scale( 以後 MTSと略す ) を対比して検討する 1. ブルンストロームの片麻痺 (BRS) の回復段階 BRSは臨床的観察から, 脳卒中片麻痺患者に共通してみられる定型的運動要素である共同運動をキー概念として, 片麻痺の回復段階を6 段階に順序付けたものである 4) 日本の理学療法士の間では最も使用されている臨床的評価指標の1つであるが, 歩行機能との対応と運動の自由度の観点からの意味づけについて考えてみたい RBSと患者の歩行能力には概ね表 1のような関連性がある この関連性は臨床的な経験とRBSの各ステージの運動機能からの類推から得ることができる このような評価指標の値と歩行脳能力との対応は臨床上有用である また,BRSは定型的な共同運動から分離した自由度の高い運動へという, 運動麻痺の回復過程が示されており, 理学療法の方向性を与えてくれる 自由度の高い運動が可能なことは, そのことを可能にする情報処理能力を脳が有していることを表しており, 脳の情報処理能力の回復とも関連している 図 1 中枢性運動麻痺のモデル図上段は健常者, 下段は脳卒中による中枢性運動麻痺の状態を示す 下段の黒い部分が病巣部を示し, 傷害されたニューロンからの信号が途絶え, 筋出力の低下と協調性の低下が生じる 備わっている運動ニューロン間の線維連絡で, 脳血管障害により病巣部の運動ニューロン活動が失われたときに, 残存運動ニューロンの活動と解剖学的に定まる筋の走行により, 一定の運動様式が現れるものと考えることもできる 2. SIAS 麻痺側運動機能評価 SIASは脳卒中患者の総合的な評価法で, その中の一部として上肢 (2 項目 ) と下肢 (3 項目 ) の麻痺側運動機能測定項目がある ( 表 2) 5) 各測定項目とも共通して0 から5の6 段階の評定で, 各運動課題を非麻痺側と同等な筋力と協調性で実施できることが最高点の基準である 0から3までは徒手筋力検査 (MMT) 順じた基準,3から 5までは協調性の視点が加わっており, 筋出力と協調性の両面から脳卒中患者の運動機能を捉えている BRSには,1 共同運動を中心とした麻痺の一面を見ているだけに過ぎない,2 下肢の近位機能と遠位機能を分けていない,3 評価が煩雑である,4 順序尺度としての信頼性 妥当性が十分でない,5 必ずしも回復段階に沿って患者の機能改善が進むわけではない, などの問題点があり,

36 理学療法科学第 22 巻 1 号 表 1 ブルンストロームの片麻痺の回復段階 (BRS) と歩行能力との関連性 Ⅰ 下肢の BRS ステージ 弛緩性の麻痺の状態で連合反応も出現しない 予想される歩行能力 随意的な運動がなく, 麻痺側下肢の立脚期の支持性が得られないため, 長下肢装具でも歩行は困難 Ⅱ 連合反応による運動が出現する 連合反応や運動 姿勢の変換により筋の緊張状態が変化するため, 長下肢装具 ( 短下肢装具 ) での歩行の可能性がある Ⅲ 屈筋共同運動 伸筋共同運動による運動が可能 屈筋共同運動による遊脚期の振り出し, 伸筋共同運動による立脚期の支持が可能になり, 多くは短下肢装具での歩行が可能 Ⅳ 座位で 90 以上の膝屈曲, 足背屈が可能 股関節 膝関節 足関節の分離運動が一部可能になるため, 多くの症例で歩行は可能. 短下肢装具は必要なことが多い Ⅴ 立位で股伸展位の股屈曲, 足背屈が可能 さらに分離運動が可能となり, 簡便な短下肢装具などでほとんどの症例で歩行可能 Ⅵ 立位で股外転, 座位で股外内旋が足内反外反を伴って可能 装具なしで歩行可能で歩容も正常に近い * 臨床的な経験をまとめたもので, 体幹機能や非麻痺側機能により歩行能力は変化する 表 2 SIAS による下肢の麻痺側運動機能評価法 下肢近位 ( 股 )hip-flexion test 座位にて股関節を 90 より最大屈曲させる.3 回行う. 必要ならば座位保持のための介助をしてかまわない 0: 全く動かない 1: 大腿にわずかな動きがあるが足部は床から離れない 2: 股関節の屈曲運動があり, 足部は床から離れるが十分でない 3: 課題可能. 中等度または著明なぎこちなさあり 4: 課題可能. 軽度のぎこちなさあり 5: 健側と変わらず. 正常. 下肢近位 ( 膝 )knee-extension test 座位にて膝関節を 90 屈曲位から十分伸展 ( 10 程度まで ) させる. 必要ならば座位保持のための介助をしてかまわない 0: 全く動かない 1: 下腿にわずかな動きがあるが足部は床から離れない 2: 膝関節の伸展運動があり, 足部は床から離れるが十分でない 3 ~ 5:hip-flexion test の定義と同一. 下肢遠位 foot-pat test 座位または臥位. 座位は介助しても可. 踵部を床につけたまま, 足部の背屈運動を強調しながら背屈 底屈を 3 回繰り返し, その後なるべく速く背屈を繰り返す. 0: 全く動かない 1: わずかな背屈運動があるが前足部は床から離れない 2: 背屈運動があり, 前足部は床から離れるが十分でない 3 ~ 5:hip-flexion test の定義と同一.

脳卒中における機能障害と評価 37 表 3 下肢のブルンンストロームの回復段階と SIAS 運動機能評価との関連性 * SIAS の得点は間隔尺度ではないが便宜的に平均値を求めた (n = 56) これらに関して改善されている 共同運動という視点はないが, 筋出力 協調性の低下の中枢性運動麻痺に重要な特性を捉えており, 簡便に運動麻痺の全体像をつかむ上では使用しやすい 3. BRSとSIAS 運動機能評価との関連性表 3は筆者の調査した下肢のBRSとSIASの運動機能評価項目との関連性である SIASについては下肢の総合的な評価指標として, 股関節 膝関節 足関節の各得点および得点合計を使用した 下肢 BRSと下肢のSIAS 運動機能評価の合計点との相関はrs=0.953(p<0.01) となり, 強い相関を認めた また, 下肢のSIAS 運動機能評価の評点は股関節屈曲, 膝関節伸展, 足関節背屈の順で低下し, 遠位の運動麻痺が強い傾向を示した 6) 4. Modified Ashworth Scale(MAS) MASはAshworthによる原法をBohannonらが改定したものである 7) 関節の可動範囲を1 秒程度で他動的に屈伸させ, 伸張される筋の痙縮の度合いを0,1,1+,2,3, 4の5 段階に評定する順序尺度である ( 表 4) 評定の記載から分かるように, 神経学的な痙縮と筋の性状の変化の両者を混合して測定している 伸張速度も比較的遅いので, 拘縮も含めて筋や関節周囲組織の性状の変化に強く影響される 評価の信頼性については低いとする報告もある 8) 5. Modified Tardieu Scale(MTS) MTSは伸張速度を変えて痙縮の測定をするのが特徴である 筋の伸張速度は,V1: できるだけゆっくり, V2: 対象とする体節が重量で落下する速さ,V3: できるだけ速く, の3 種類である 痙縮の程度は, 伸張に対 表 4 Modified Ashworth Scaleの評定 0 : 筋緊張の亢進はない 1 : 可動域の終わりにわずかな抵抗感がある 1 +: 可動域の 1 / 2 以下でわずかな抵抗感がある 2 : 全可動域で抵抗感があるが, 運動は容易である 3 : 他動運動が困難なほど抵抗感がある 4 : 拘縮状態で屈曲 伸展は困難である表 5 Modified Tardieu Scaleによる痙縮の評定 0 : 他動運動中の抵抗を感じない 1 : 他動運動中のわずかな抵抗を感じるが明らかな引っかかりはない 2 : 他動運動に対する明らかな引っかかりがある 3 : 持続しない ( 伸張し続けた場合に 10 秒に満たない ) クローヌスがある 4 : 持続する ( 伸張し続けた場合に 10 秒以上の ) クローヌスがある ( 文献 10 より引用 ) する抵抗感やクローヌスの状態から5 段階に評定する ( 表 5) また,V3とV1の速度で筋を伸張したとき, 最初に抵抗感 ( 引っかかり感,catch) を示す関節角度 (R1:V3 の速度,R2:V1の速度) を測定する 9,10) V1は筋や関節を構成する軟部組織の粘弾性や伸長性に規定される非反射性要素 ( 拘縮 ) を,V3は伸張反射の亢進による反射性要素を反映するとされる 竹内ら 10) は足関節底屈筋に対してMASとMTSの測定を行い,MTSの信頼性, およびV1の伸張速度におけるMTSの痙縮の評定とMASの評定に強い相関があることを報告している

38 理学療法科学第 22 巻 1 号 6. 痙縮の臨床的意味 MASやMTSは筋の他動的伸張に対する抵抗感から痙縮の程度を測定しており, 安静時の筋の痙縮を評価している しかし理学療法士にとっては, 脳卒中患者の歩行の立脚期に麻痺側の下肢が伸展し足関節が内反底屈するような, 運動時の痙縮の状態と安静時の痙縮の程度がどのように関連するかが重要である 非反射性要素による抵抗感については関節可動範囲の減少 ( 拘縮 ) や運動に対する機械的抵抗として, 安静時の状態が運動時にも影響を及ぼすと考えられる 脳卒中患者の運動時に問題となるのは, 随意的な筋出力に対して不随意的に生じる筋出力が本来の運動を阻害することである この現象を臨床的には 痙性 と表現していると考えている MTSなどで測定される痙縮の反射性要素と 痙性 の関連性や 痙性 の評価方法の検討は, 理学療法士にとって大きな課題である V. 脳卒中片麻痺患者のバランス能力評価脳卒中片麻痺患者のバランス能力測定にはBRSのように理学療法士間で普遍的に使用されている測定法はないが, 直立検査,Fugl-Mayer 評価法のバランスの下位項目,Berg balance scale,functional reach,timed Up & Go test などが使用されつつある 11,12) 筆者らは, 主に重心動揺計を用いて脳卒中片麻痺患者のバランス能力測定を行なってきた 13,14) その結果からは, 脳卒中患者の歩行能力と麻痺側への重心移動能力に強い関連があり, 麻痺側足底の支持基底面内に身体重心線を納めることができる姿勢調節能力の獲得が歩行の改善に寄与することが示唆された また, このことは麻痺側片脚立位保持などの簡便な方法で, 脳卒中片麻痺患者のバランス能力や歩行能力の推定に関する重要な情報が得られることを示している VI. おわりに脳卒中片麻痺患者の運動機能障害の測定法について, 病態との関連と臨床的な意味づけを中心に私見を述べた 脳卒中片麻痺患者の障害像は複雑であり, 簡略にモ デル化しすぎた面もあるが, 障害像の本質を理解する上で参考になれば幸いである 神経科学や理学療法の進歩により病態や障害の理解が深まれば, それらの測定法もより的確で実用的なものになっていくと思う しかし, もう一方で現在ある評価指標の意味を考え, その結果が患者の機能障害や活動制限とどのような関連があるのかを追求し, 評価指標を実際に使える物指しにしていく作業も重要と考えている 引用文献 1) Carr JH, Shepherd RB: Stroke Rehabilitation. Butterworth-Heinemann, 2003. 2) 鴨下博 : 痙縮の新しい理解.Clin Rehabil,2002, 11(10): 893-899. 3) 関勝, 木村彰男 : 痙性片麻痺の筋緊張亢進状態. 総合リハ,2003, 31(12): 1107-1114. 4) 佐久間穣爾, 松村秩 ( 訳 ):Signe Brunnstrom 片麻痺の運動療法. 医歯薬出版, 東京,1974. 5) 千野直一 ( 編 ): 脳卒中患者の機能評価 SIASとFIMの実際. シュプリンガー フェアラーク東京, 東京,1997. 6) 望月久 他 : 脳卒中片麻痺患者の運動機能評価 (Brunnstrom stageとsias 運動機能評価の比較 ). 東京都衛生局学会誌, 1997, 99: 188-189. 7) Bohannon RW, Smith MB: Interrater reliability of a modified ashworth scale of muscle spasticity. Physical Therapy, 1987, 67: 206-207. 8) Blackburn M, Vliet P, Mockett SP: Reliability of movements obtained with the modified ashworth scale in the lower extremities of people with stroke. Physical Therapy, 2002, 82(1): 25-34. 9) Cornerstone Therapy Education: Assessment of Spasticity, Part 1: http://www.cornerstoneceu.com/spasticityassessment.htm( 閲覧日 2006 年 10 月 19 日 ). 10) 竹内伸行, 田中栄里, 桑原岳哉 他 :Modified Tardieu Scale の臨床的有用性の検討. 理学療法学,2006, 33(2): 53-61. 11) 藤澤宏幸, 武田京子, 前田里美 他 : 脳卒中片麻痺患者におけるFunctional Reach Testと片脚立位保持時間の測定の意義. 理学療法学,2005, 32(7): 416-422. 12) 杉本諭, 丸谷康平 : 慢性期脳卒中患者の歩行能力と Functional Balance Scaleの下位項目の関係.PTジャーナル, 2005, 39(6): 547-552. 13) 望月久 : 脳卒中片麻痺患者の歩行能力と重心動揺. 理学療法科学,1998, 13: 7-10. 14) 望月久 : 脳卒中のバランス障害の経過とその対応.PT ジャーナル,2000, 34(11): 771-776.