平成18年度 独立行政法人

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計画の今後の方向性

ボランティア行動等実態調査【速報】

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附帯調査

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

富山県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 ( 様式 ) 1 市区町村名 富山市 2 人口 ( 1) 322,059 人 ( 平成 25 年 3 月末現在 ) ( 8,253 人 ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上 26.1% ( 30.3% ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれにつ

附帯調査

平成19年5月1日

平成19年5月1日

計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

「北朝鮮による日本人拉致問題に関する特別世論調査」の概要


アイヌ政策に関する世論調査 の概要 平成 3 0 年 8 月内閣府政府広報室 調査対象 全国 18 歳以上の日本国籍を有する者 3,000 人 有効回収数 1,710 人 ( 回収率 57.0%) 調査時期平成 30 年 6 月 28 日 ~7 月 8 日 ( 調査員による個別面接聴取 ) 調査目的

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

「教育資金贈与信託」、資産の世代間移行を後押し


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千葉県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 1 市区町村名 銚子市 2 人口 ( 1) 68,930 人平成 25 年 4 月 1 日現在 ( ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上人口 20,936 人 ( 高齢化率 30.37%) ( ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれについて記載

目次 目次 2 調査概要 3 調査サマリー 4 歩きスマホ は危ないと思うか? / 歩きスマホ をしたことがあるか? 5 歩きスマホ をしてしまう理由は? 6 歩きスマホ をしている人に対して危ないと感じたことはあるか? 7 歩きスマホ が危ないと感じたのはどのようなシーンか? 8 歩きスマホ によ

平成 28 年度 自殺予防週間 実施要綱 1 趣旨平成 28 年 4 月 1 日に施行された自殺対策基本法の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 11 号 以下 改正法 という ) において 自殺予防週間を9 月 10 日から9 月 16 日までとし 国及び地方公共団体は 啓発活動を広く展開

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スライド 1

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ファーストケアチーム 事業実施マニュアル 阿南市保健福祉部福祉事務所 介護 ながいき課 平成 28 年 6 月作成

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

3 高齢者 介護保険を取り巻く現状 1 人口 高齢化率本市は高齢化率が 45% を超えており 本計画の最終年度である 2020( 平成 32) 年度には 高齢化率 48.0% 2025( 平成 37) 年度には高齢化率 49.7% まで増加することが推計されます また 2018( 平成 30) 年以

1 人権問題に対する関心度と人権尊重の程度 回答者の 6 割以上が人権問題に高い関心を示しているが 約 3 割 5 分の回答者は人権問題に あまり関心がない か まったく関心がない と回答している ( 図表 1-1) 特に 若年層から中年層 (20 歳代 ~40 歳代 ) における関心度の低さが目立

Microsoft PowerPoint 訪問サービス事業所向け研修会資料

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利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

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区分

< 図 Ⅳ-16-2> 性別 年齢別 / 家族構成別 / 居住地域別 現在, 参加している今は参加していないが, 今後ぜひ参加したい今は参加していないが, 今後機会があれば参加したい参加したいとは思わない参加できないわからない無回答 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80

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統計調査ニュース No.319 4月 24 日 水 住宅 土地統計調査の広報がキックオフ 住宅 土地統計調 査の実施に向け 国 都道府県及び市町村 が連携し 効果的な 広報活動を進めてい くために 都道府県 の担当者を招いて 広報事務打合せ会 を開催しました まず 国勢統計課の広報担当から 今後実施

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

調査概要 : 東日本大震災発生後の生活者調査 東日本大震災後の暮らしと生活意識に関する調査概要 調査期間 :2011 年 4 月 15 日 ~19 日 クローズドモニターに対するインターネット調査 回収割付 男性 女性 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 20 代 30 代 40 代

附帯調査

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

社会通信教育に関する実態調査 報告書

1 取組の背景 東日本大震災(H ) ソーシャルメディア等インターネットを活用して安否確認が行われるなど 情報通信技術 (ICT) に基づく情報伝達手段が広範囲に活用される 一方 緊急時における情報の途絶や錯綜による不安感の増大 混乱から迅速 確実な情報伝達手段の確保の必要性 もしもの時

市からのお知らせについて 市からのお知らせについて 西宮市では 市民のみなさまに市政への理解と関心を深めてもらうために 市政ニュー スやホームページなどさまざまな媒体を活用して情報発信をしています みなさまからい ただいたご意見を踏まえ より効果的で分かりやすい情報提供に努めてまいります 問 22

1 マイナンバーの提示について (1) マイナンバーの提示状況問 1 あなたは マイナンバーをどのような手続で届け出たり 記載したことがありますか この中からいくつでもあげてください ( 複数回答 ) ( 上位 2 項目 ) 職場やアルバイト先で給料や社会保険の手続をしたとき 29.1% 年末調整や

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地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

多くの大学においては 新入生のオリエンテーション時やサークルの代表者に 未成年者の飲酒の防止と イッキ飲み 等過剰飲酒の禁止に関する指導や啓発が行われています また 平成 27 年度からは 県保健所 精神保健福祉センター等が中心となり 大学生向けのアルコール健康障害や適正飲酒の知識に関する出前講座を

平成 18 年 1 月 デジタル アドバタイジング コンソーシアム株式会社 インターネット動画広告の効果を 複数の動画配信サービスにおいて本格検証! テレビ CM とインターネット動画広告の組み合わせで 15.1% 認知が向上 インターネット動画広告のみでも 12.4% の認知を獲得 など インター

板橋区版 AIP の構築に向けた取組に関する検討報告書 < 概要版 > 平成 28 年 2 月 板橋区

概要と特徴 リクルーター養成ゼミ の成果として ゼミの中で学んだことを活かした自社メッセージを 県内学生に発表する 企業の魅力発表会 を開催した この発表会の最大の目的は 非利用者アンケート を収集できる点にある 求人企業からのメッセージを聞いても 興味 関心が高まらず 応募に至らない生徒 学生たち

フレイルのみかた

1 ジカウイルス感染症の認知度 問 1 あなたは, ジカウイルス感染症, いわゆるジカ熱を知っていますか この中から 1 つだけお答えください どのような病気か詳しく知っている 9.1% どのような病気かある程度知っている 44.9% 名前だけ知っているが, どのような病気かは知らない 37.7%

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特別世論調査

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

高齢者の健康及び長寿医療制度アンケート調査のご協力のお願い

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高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

「標準的な研修プログラム《

1 運転免許証の自主返納制度について (1) 運転免許証の自主返納制度の認知度 問 1 あなたは 運転免許証の自主返納制度について知っていますか それとも知りませんか この中から 1 つだけお答えください 知っている( 小計 ) 93.2% 制度の内容も含めて知っている 73.0% 内容はよく知らな

(1) ほのぼのネット事業 目的事業内容経過方法と時期 担当係: 地域係 地域でサポートを必要としている人の発見 見守り 交流活動を 地域で暮らす住民自らが主体となって取り組む ほのぼのネット活動 の推進を通じて 住民の手による 福祉のまちづくり を展開します 1 ほのぼのネット班 28 班による見

Microsoft PowerPoint - 【資料3】運転免許証の自主返納に関するアンケート調査結果

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

地域包括ケア構築に向けた実態調査の実施 ひとり暮らし高齢者 高齢者のみ世帯 の全てを訪問形式で調査 地域全体で生活支援等必要なサービス内容を検討 H24 年度 H24.7 月 ~ひとり暮らし実態調査 ( 訪問 ) 集計 解析 ( 名古屋大学 )1 H 福祉を考える集会 ( 住民 関係者

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問 3 あなたの家族構成は ひとり暮らし世帯 7.5% 夫婦のみの世帯 29.3% 2 世代同居世帯 48.3% 3 世代同居世帯 13.3% 1.0% 0.6% 家族構成は 2 世代同居世帯 が 48.3% と最も比率が高く 以下 夫婦のみの世帯

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資料 2 東区まちづくり推進事業の検証結果について ( 平成 29 年度第 2 回東区まちづくり懇話会 ) 開催概要 開催日時 : 平成 29 年 9 月 15( 金 ) 午前 9 時 30 分 場 所 : 東区役所 3 階すこやかホール 熊本市東区役所

応募方法 応募先 応募期間 発表 主催 後援 協議会ホームページ : 下記ホームページ内の 応募フォーム に必要事項を記入のうえ送信してください 電子メールまたはハガキ : ( 個人部門のみ受付 ) 標語のほか 必須事項として郵便番号 住所 氏名 ( フリガナ ) 年齢 職業 性別 電話番号を必ず記

敬老館利用者 ( 個人 団体 ) アンケート集計結果 アンケート実施期間 平成 22 年 1 月 4 日 ~1 月 15 日 配付数 個人利用者 1,000 枚 ( 各館に 100 枚を送付 ) 団体利用者 292 枚 ( 来館した団体に配付 ) 回収数 930 枚 回答率 71.9% 1 回答者の

平成19年5月1日

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見直しの状況 1 平成 24 年度公開プロセスにおける 取りまとめコメント 税に関する作文等について そのあり方の検証や見直しの検討を行うとともに 広報についてはその対象を明確化し 効果の高い媒体 手段等への選択を図るなど コスト削減に努める 作文等 学校教育関係者や生徒等に対するアンケートの結果等

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寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

埼玉県の福祉政策について

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか


資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

平成 26 年 3 月 28 日 気象庁 特別警報の認知度等に関する調査結果 ( 概要 ) I 調査の概要 1 目的 国民の特別警報に対する認知度 理解度を把握し 今後の特別警報の運用や利活用の促進 当庁 の周知 広報活動に資するための資料の収集 2 調査内容 (1) 特別警報の認知状況 (2) 特

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第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

実施要綱

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基本的な考え方 羽田空港の機能強化は 首都圏だけでなく日本全体にとって不可欠であり 機能強化の必要性やその実現方策等について 関係自治体の協力も得ながら できる限り多くの方々に知って頂くように努める 基本的な考え方 1 羽田空港の機能強化の必要性やその実現方策等について できる限り多くの方々に知って

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歯科中間報告(案)概要

1 老後の生活設計について (1) 何歳まで仕事をしたいか ( したか ) 問 1 あなたは 何歳頃まで収入を伴う仕事をしたいと考えますか 既に退職し 今後働く予定のない方は 何歳頃に収入を伴う仕事を退職しましたか この中から 1 つだけお答えください 30 歳以下 2.6% 31 歳 ~40 歳

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資料1 第1回会議のポイントについて

平成 28 年度第 3 回弘前市ケアマネジャー研修会 1. ケアプランの軽微な変更の内容について ( ケアプランの作成 ) 最新情報 vol.155 p.3 参照 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について( 平成 11 年 7 月 29 日老企 22 号厚生省老人保健福祉局企画課長

Transcription:

平成 26 年度老人保健事業推進費等補助金 ( 老人保健健康増進等事業 ) 国民を対象とした認知症に関する情報発信に関する調査研究事業 報告書 平成 27 年 3 月 特定非営利活動法人地域ケア政策ネットワーク 全国キャラバン メイト連絡協議会

1. 事業の目的 認知症についての正しい知識の啓蒙啓発については 認知症サポーターの養成等により成果がみられるが 一方で 認知症に関し全く興味を持たない層を含む全国民が一定の認知症の理解をもつことが 社会の偏見をなくすだけでなく 本人 家族が認知症についてオープンにすることを促し 早期発見 対応に結びつくと考えられる 全国民を対象とする広報事業に向けて内容 方策を検討し 作成を行うことにより 認知症の正しい理解の常識化を図ることを目指す マスメディアを活用した全国規模の認知症に関する啓発事業の実施により 認知症の人を含む誰もが地域での暮らしを継続できる住民主体の地域づくりを促進する 国民が認知症に関心をもつことをきっかけに 正しい理解が浸透することにより 早期発見 対応へと結びつける事業となる効果が見込まれる これらの意義を踏まえて 公益の広告活動実施機関である AC ジャパン通じて広報事業を実施した 2. 事業の概要 (1) 認知症の正しい理解を効果的に促進するための広報内容の検討下記の要点について 広報内容の検討を行った 認知症は誰もがかかる可能性があるが 周囲が正しい知識をもち適切に対応することで穏やかに地域で暮らすことが可能であることをわかりやすく周知する マスメディアを使った認知症への理解の広報は 日本国内では初めての取り組みであるため 認知症についてまったく予備知識のない人にとっても誤解を招くことのないよう配慮する 認知症について暗い おそろしいものであるようなイメージ 誤解を招かない表現とする 日常生活あるいは職場で 誰もが認知症についての理解と対応スキルを生かして認知症の人への支援が可能であることを広く広報する TV ラジオのコマーシャル 新聞 雑誌等 交通広告 映画館広告等 媒体ごとに効果的な広報内容を検討する 1

広告作成においては 下記の内容に焦点をあてることとした 1 広告活動の目的 みんなが認知症について正しい知識をもち 偏見をもたず 助けあうことができる社会をつくる さらに 認知症の正しい知識を身につけた人 認知症サポーター の周知を図る 2 訴求点 認知症を正しく理解し 偏見をもたずに認知症の人やその家族に接してほしい 誰もがなる可能性のある認知症は 他人事ではない 自分たちの問題として受けとめ 近所あるいは職場で 小さなことからできる手助けを考えてみよう 市町村や職場で 認知症の正しい知識 対応の仕方の基本を学ぶ 認知症サポーター講座 が受けられる ( オレンジリングは その受講の証 ) < 関連情報 > 世界一の長寿大国日本は 多数の認知症高齢者を抱える国 国内の認知症の人の数は 2015 年に 345 万人 2025 年に 470 万人と推計され その半数は地域で暮らしている 80 歳以上の 4 人に 1 人が認知症である ( 日本の平均寿命は男性 79.44 歳 女性 85.90 歳 ) 認知症の人は 記憶障害 認知障害などから日常生活に支障を来たし 周りの人との関係が損なわれることもしばしば起こる しかし 周囲の理解とちょっとした手助けがあれば 穏やかに住み慣れた地域で暮らしていくことは可能である 認知症の人と 認知症サポーター の割合は 1 対 1 さらにそれ以上へと増加することは 社会の偏見をなくすだけでなく 家族が認知症についてオープンにすることを促し 認知症の早期発見にもつながる 3ターゲット全国民をターゲットとする 地域で暮らす住民 ( 小学生から高齢者まで ) また認知症の人の生活に直接関わる業種の企業団体等がおもな対象となる 4 表現上の留意点 認知症 を恐ろしい病気 暗いイメージのものとしてとらえる表現は避ける 2

( 高齢になれば誰もがかかる可能性がある また 適切な支援 環境により 認知症になっても住み慣れた地域で穏やかに暮らすことは可能である ) (2) 全国民を対象とする広告の作成 (1) を踏まえた広報事業を 次の媒体を用いて実施した 1テレビ ラジオコマーシャル テレビコマーシャル:DVD 添付 ラジオコマーシャル( 別紙 1) 2 新聞 雑誌 新聞広告( 別紙 2) 雑誌広告( 別紙 3) 3 交通広告首都圏を中心とした鉄道各社において 駅構内ポスター (B 全 約 800 枚 ) 車内吊り広告 (B3 約 41,000 枚 ) を掲示した ( 別紙 4) 3

4 映画館広告 ( 映画館での CM 放映 ) 内容はテレビコマーシャルと同様 上映期間 : 平成 26 年 7 月 ~9 月 都道府県地区劇場名 スクリーン数 座席数 千葉柏 MOVIX 柏の葉 大阪八尾 MOVIX 八尾 山口周南 MOVIX 周南 10 2,009 12 2,436 7 1,550 上映期間 : 平成 26 年 10 月 ~12 月 都道府県地区劇場名 スクリーン数 座席数 東京昭島 MOVIX 昭島 茨城つくば MOVIX つくば 12 2,429 9 1,632 上映期間 : 平成 26 年 10 月 11 月 都道府県地区劇場名スクリーン数座席数 兵庫 神戸 OSシネマズ神戸ハーバーラ ンド 9 1,400 上映期間 : 平成 26 年 12 月 都道府県地区劇場名 スクリーン数 座席数 福岡福岡福岡中洲大洋映画劇場 4 596 上映期間 : 平成 27 年 1 月 ~3 月 都道府県地区劇場名 スクリーン数 座席数 東京銀座東劇 東京錦糸町楽天地シネマズ錦糸町 兵庫神戸神戸国際松竹 1 435 4 966 4 516 4

3. 事業の効果 全国民を対象とする認知症の正しい理解に関する情報発信を実施することにより 認知症について関心をもたない層の国民の意識に働きかける効果が得られている また 特に新聞広告等において認知症についての正しい解説を読んだ読者からは 知識を得たことにより さらなる学習への希望 地域での支援への興味を持つ例も見られた テレビ ラジオ 新聞 雑誌 映画館広告 交通広告のいずれかを見て 地域ケア政策ネットワークに平成 26 年 7 月 ~ 平成 27 年 3 月に約 110 件の電話照会があった 視聴した媒体としてはテレビ 5 件 ラジオ 15 件 新聞 90 件 交通広告 5 件となる 問い合わせ内容としては 1 認知症について勉強してみたいので どのような方法があるか 認知症の人のために何かボランティアができると思う 等 学習や実践に関する相談先について約 15 件 2 家族が認知症であり対応に苦慮している 自分が認知症かもしれないので相談先を知りたい 等の認知症に関する相談機関について約 40 件あった 1の問い合わせに対しては 市区町村の 認知症サポーターキャラバン 担当課連絡先を伝え 2の内容の問い合わせには相談者の最寄りの地域包括支援センター等相談機関を紹介する対応を事務局にて行ってきた 認知症サポーターの年間養成数は 平成 25 年度 850,296 人に対し平成 26 年度 1,106,566 と約 1.3 倍に増加しており 平成 25 年度における前年度比 ( 約 1.05 倍 ) 平成 24 年度における前年度比 ( 約 1.06 倍 ) を大きく上回るところにも 全国民向け情報発信の効果があらわれていると考えられる 5

( 別紙 1 ラジオ広告 ) 6

7 ( 別紙 2 新聞広告 )

8 ( 別紙 2 新聞広告 )

9 ( 別紙 3 雑誌広告 )

10 ( 別紙 3 雑誌広告 )

11 ( 別紙 3 雑誌広告 )

12 ( 別紙 3 雑誌広告 )

13 ( 別紙 3 雑誌広告 )

( 別紙 4 交通広告 ) 渋谷駅構内広告 14

東急田園都市線車内吊り広告 ( 別紙 4 交通広告 ) 15

国民を対象とした認知症に関する情報発信に関する調査研究事業 報告書 平成 26 年度老人保健事業推進費等補助金 ( 老人保健健康増進等事業 ) 平成 27 年 3 月 特定非営利活動法人地域ケア政策ネットワーク 162-0843 東京都新宿区市谷田町 2-7-15 近代科学社ビル 4 階 TEL 03-3266-1651 FAX 03-3266-1670