高齢者福祉施設入所者の食事摂取状況と排便習慣に対する乳酸菌含有飲料の影響

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重回帰分析による高校生のエネルギーおよび栄養素摂取量と食品群別摂取量との関係

233 第四回日露協約と英米協調路線の再考 石井菊次郎を中心に

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する指導の手引き でも高校生への食育については具体的にふれられていない. 高校進学率 ₉₈.₄%( 平成 ₂₅ 年度学校基本調査 ) である高校生は, 社会に巣立つ前に, 学校教育で一斉に健康に対する自己管理能力を養うことができる最後の機会である. 健康日本 ₂₁( 第二次 ) がめざす次世代の健康

別子銅山の産業遺産 東平 ( 新居浜市 ) 2017/ 9 Guarantee Information Column 地域の魅力発信 お知らせ平成 29 年 6 月 7 日から 7 月 27 日までの間の豪雨及び暴風雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定について経営安定関


2014年 希望小売価格表 クボタ

石鎚山 ( 西条市 ) 2019/ 1 Guarantee Information Column いろいろ日本百選 お知らせ 超長期借換保証 スーパーランディング 20 を創設しました 愛媛銀行女性行員との第 2 回合同研修会を開催しました伊予銀行法人融資アカデミーで講義を行いました愛媛大学ビジネス

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2016/ 4 Contents Guarantee Information 平 成 28 年 度 組 織 体 制 のご 案 内 050ダイヤルイン 番 号 表 変 更 のご 案 内 お 知 らせ 条 件 変 更 改 善 型 借 換 保 証 の 創 設 について 愛 媛 県 中 小 企 業 振 興

₂.₁ アンケート調査の目的広島県耐震改修促進計画の策定にあたり, 県内の住宅や特定建築物の所有者等の耐震診断 耐震改修に関する意識を調査し, 耐震化を促進する上で必要となる事項, 障害となる事項を抽出するために, アンケートによるサンプル調査を実施した ₂.₂ 調査対象 1 昭和 ₅₆ 年以前に建

仲下 中村 木山 北村 影響を及ぼす要因について検討することを目的とした. 減量成功に影響を及ぼす促進および阻害要因を明らかにすることは, 特定保健指導を効果的に実施するうえで有用と考えた. Ⅱ 方法 1. 研究デザインと対象本研究は縦断的研究デザインを用いた.₂₀₀₈ 年 ₄ 月から₂₀₀₉ 年

標準範囲のBMI でHbA1c 高値の若年女性の生活習慣病リスクに関する検討

上 野 山 崎 石 川 の 理 解 ₆,₁₃) や 医 療 従 事 者 との 良 好 な 関 係 ₁₄,₁₅), 治 療 への 参 加 意 識 ₃), 治 療 への 同 意 ₃) や 納 得 ₁₆), 疾 患 に 対 するリスクや 薬 の 必 要 性 についての 知 識 を 得 て いること ₃,₁

₁₀) 表 1. 穀類 100 あたりの栄養成分 エネルギー kcal タンパク質 脂質 炭水化物 カリウム m 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 大麦押麦 ₃₄₀ ₆.₂ ₁.₃ ₇₇.₈ ₁₇₀ ₆.₀ ₃.₆ 大麦米粒麦 ₃₄₀ ₇.₀ ₂.₁ ₇₆.₂ ₁₇₀ ₆.₀ ₂.₇ 小麦 ₃₃₇ ₁

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す, 搗く, 焼く, 茹でるの ₄ 種類に分けられ, ソルギトックは蒸して作る餅の基本であり米粉に水, 砂糖, 蜂蜜などを加えふるいにかけ, 型に入れてから蒸した餅である ₁₀)₁₁). 本研究では本来うるち米粉を蒸して作るソルギトックにもち米粉を加え, もち米で作った粘りのある餅を食べてきた日本人

山西央朗 山田裕也 清水斉 層 ₈ ₇ ₆ ₅ ₄ ₃ ₂ ₁ 表 ₁ 部材リスト 柱 梁 C₁, C₂ C₃ G₁ G₂ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₂ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₉ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₆ H-₄₅₀ ₂₅₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₁₂ ₂₂ -₄₀

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2016/ 5 Contents Guarantee Information 平 成 27 年 度 事 業 実 績 お 知 らせ 融 資 保 証 制 度 一 覧 ( 保 証 月 報 4 月 号 )のお 詫 びと 訂 正 経 営 安 定 関 連 4 号 に 規 定 する 災 害 及 び 地 域 の 指

石 橋 堀 口 丸 井 稲 田 を 明 らかにし 理 解 することが 必 要 である ₁₀,₁₁).リ スク 認 知 とは,リスクに 対 する 主 観 的 なイメージ であり, 認 知 心 理 学 より 発 達 し 研 究 されてきた. 一 般 の 人 々と 専 門 家 でリスク 認 知 が 違 う

図 ₁ 試験体 図 ₂ 試験体の接合金物 図 ₃ 鋼製金物詳細 表 ₁ 試験体名と形態 斜材 ( 段組数 ( 段 ) 設置形態 B₄₀-₃D ₄₀ ₁₀₅ ₃ 対角止め B₄₀-₃C₁ ₄₀ ₁₀₅ ₃ 中央止め B₄₀-₃C₂ ₄₀ ₁₀₅ ₃ 中央止め B₄₀-₁D ₄₀ ₁₀₅ ₁ 対角止め

2016/ 9 Contents Guarantee Information お知らせ経営安定関連保証制度 1 号に規定する 事業者 の指定について 創業者向けリーフレットを作成しました 事業成長支援保証 ( まるサポ 2000) をご活用ください 協会職員紹介 ❺ 新居浜支所 管理課 Q&A よく

石巻地域 COPD ネットワーク (ICON) における教育効果と増悪の関係 表 1 ICON 基幹病院パス ( 初回治療導入 逆紹介 ) 1 呼吸器内科外来 2 看護外来 3 ICON 外来 (2 から ₁₄ 日後 ) 4 ICON 外来 (3 から ₁₄ 日後 ) 呼吸器内科外来受診 ( 通常の

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刻な児童虐待であり, その防止が行政の最優先課題であることは異論がないであろう 児童虐待死亡ケースは, 家庭内で起きる 親による子殺し であるが, 日本における 殺人事件全体, 殺人事件の半数は家族親族の児童虐待, 100 間で起きる

32, 15, 3 EUS TIC 1 db,eus EG SR EUS 60, 27, 24 EUS EG SR 0. 11, , EUS EUS EG ₂₆ ₆ 1, 2, 1, 1, 3, 2, 4, 1 1, 2, 3, 4 FibroScan,

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₁₈ ₂ RI フード ( オークリッジ型 ) ₁₃₀ 万円 ( 本体 )~ ₁.₅ ヵ月 千代田テクノル ₁₈ ₂ 核医学施設向けセフティキャビネット SCシリーズ 別途打合 ₁.₅ヵ月 千代田テクノル ₁₈ ₂ フード ( オークリッジ型 ) NSO ₁₂₀₀ ₁₅₀₀ ₁₈₀₀ ₁₁₈ ₁₃₂

問 題 1 ₁ ₃ ₅ ₂ ₄ ₆ 問 題 2 ₁ ₂ ₃ 問 題 3 ₁ ₂ ₃ ₄ ₅ 2 2

ウォーキングに 対 する 恩 恵 認 知 尺 度 の 開 発 身 体 活 動 運 動 と 関 連 性 のある 恩 恵 を 同 定 するこ とが 重 要 である. 日 常 活 動 に 多 く 含 まれるウォーキングは, 最 も 基 本 的 な 身 体 活 動 であり ₈,₉),₆₀ 歳 代 においても

原日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2017 年第 26 巻第 3 号 慢性呼吸器疾患における Physical Activity Scale for the Elderly を用いた身体活動量評価の有用性に関する検証 甲南女子大学看護リハビリテーション学部 ₁), 国家公務員

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2 長田尚子 板橋衛 活用しつつ自給率の低い転作作物等の需要に応じた生産拡大が図られた.2010 年に戸別所得補償モデル対策が開始され, 米の 生産数量目標 に即した生産を行った販売農家 ( 集落営農を含む ) に対して所得補償を行い, 今後の戸別所得補償制度で米以外の多くの品目を広く組み込む方向を

北の国際協力拠点 ってなんだろう? 区に 国際協力の拠点があることをご存じですか今月は 開発途上国の課題解決や地域の活性化をお手伝いするJICA 北海道の活動をお知らせします JICAに関するお問い合わせ先 JICA 北海道 ( 札幌 )b₈₆₆ ₈333 c₈₆₆ ₈3₈₂ ホームページ www.

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世界のナマズ食文化とその歴史

入 門 都 市 計 画 サンプルページ この 本 の 定 価 判 型 などは, 以 下 の URL からご 覧 いただけます. このサンプルページの 内 容 は, 初 版 1 刷 発 行 時 のものです.

Vol. No. 校教育修了後の日常生活における, 手芸 裁縫活動の嗜好意識や実践度, 技能の習得状況等の調査を行い, 手芸 裁縫活動に対する意識と実態を明らかにすることを目的とした. それによって, 日常生活における ものづくり の意義や今日の手芸 裁縫活動及びそれらの技能の習得の意義について再考


Fire Department - - 広 報 ざ. 広 報 ざ. 室 定 先 着 順 講 無 期 間 氺 署 講 事 項 乙 訓 組 署 救 係 乙 訓 組 救 救 昼 間 初 式 優 良 体 育 館 初 式 式 典 頃 火 災 献 身 的 努 貢 献 優 良 次 敬 称 略 京 都 府 協 会

No. 2 2 型糖尿病では 病態の一つであるインスリンが作用する臓器の慢性炎症が問題となっており これには腸内フローラの乱れや腸内から血液中に移行した腸内細菌がリスクとなります そのため 腸内フローラを適切に維持し 血液中への細菌の移行を抑えることが慢性炎症の予防には必要です プロバイオティクス飲

ⅠⅠ 1 Ⅰ Ⅰ 2 Ⅰ 3 Ⅰ Ⅰ Ⅰ 4 Ⅰ 4 Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅰ Ⅲ 1 791

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2018,30,41-51 資料 におけるダイエット とメディアの を とした より 1 めぐみ 2 3 Dieting behaviors and the media influence in females: A cross-sectional study with female student

美作大学 美作大学短期大学部紀要 2011, Vol ~ 14 論 文 GABA(γ- アミノ酪酸 ) の味覚への関与について ~ 酸味と塩味への関与 ~ Involvement of GABA in taste sensation : interaction with acid ta

(1) ビフィズス菌および乳酸桿菌の菌数とうつ病リスク被験者の便を採取して ビフィズス菌と乳酸桿菌 ( ラクトバチルス ) の菌量を 16S rrna 遺伝子の逆転写定量的 PCR 法によって測定し比較しました 菌数の測定はそれぞれの検体が患者のものか健常者のものかについて測定者に知らされない状態で

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観 測 点 名 称 住 所 表 ₁ 防 災 科 学 研 究 所 強 震 ネットの 実 地 震 記 録 波 から 求 めた 計 測 震 度 計 測 震 度 震 度 階 ₃ 合 成 最 大 加 速 度 継 続 時 間 地 動 最 大 加 速 度 地 動 最 大 速 度 地 動 最 大 変 位 gal s

放射線管理用品 ₂₄ ₁ 多機能除染用ワイパー別途見積 ₁₀ 日 アトックス ₂₄ ₁ RI 実験衣 ₀.₄₅ 万円 ( 税抜 ) ₁₀ 日 アトックス ₂₄ ₁ 放射線管理区域標識別途見積別途打合医建エンジニアリング ₂₄ ₁ LED 表示灯 ( 使用中表示灯 ) 別途見積別途打合医建エンジニアリ

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338 西博行 生中雅也 西村良夫 H Br F 図 ₁ ラニレスタットの構造式 のエナンチオマー評価法の開発研究を行っている 本論文では, ラニレスタットの光学活性中間体につき, キラル HPLC を用いた評価法の検討を行った結果について報告する なお, ラニレスタットは, 糖尿病合併症薬として臨

原日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2016 年第 26 巻第 1 号 気管支喘息患者に対する看護師による吸入指導の効果 医療法人康曜会プラーナクリニック看護科 ₁), 医療法人康曜会プラーナクリニック呼吸器内科 ₂), 群馬大学医 ₃) 学部附属病院呼吸器 アレルギー内科 中

ヤクルト研究所研究報告集第 32 号,07 14(2014) らに 便秘患者または便が硬めの健常成人を対象とする LcS 含有乳酸菌飲料の摂取試験が国内外で実施され LcS の摂取による 硬い便が軟らかくなる作用 が報告されている 11~13) 一方 過去の LcS の摂取による整腸効果検証試験では

佐見 植田 結びつくと考えられている ₅). 畑は, その疾病をいかに深刻なものととらえていたとしても, 罹患の可能性がないと考えている場合には, その疾病への恐れは存在しないことになり, 結果としていかなる予防行動も起こりえないとしている. また, この 重大性 の自覚と 罹患性 の自覚の ₂ つ

項目 表 1 被験者背景 全体男性女性 人数 ( 人 ) 年齢 ( 歳 ) 40.0 ± ± ± 12.2 平均値 ± 標準偏差

実践女子短期大学紀要第 34 号 (2013) Ⅰ 緒言 BMI. BMI. Ⅱ 調査の方法 P.

目 次 ページ 1. 事業報告書 1 2. 収支計算書 6 3. 事業別収支計算書 8 4. 貸借対照表 財産目録 正味財産増減計算書 正味財産減少理由書 監査報告書 14

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2016 Vol.65 No.2 p < 資料 > 母体要因, 出生要因, 分娩様式と児の公衆衛生学的健康障害リスクとの関連についての研究 : 養育医療給付児での検討 高橋篤 ₁,2 ), 原澤和代 ₁ ), 原田明菜 ₁ ), 伊藤里加 ₁ ), 高橋雪子 ₁ ), 勅使河原洋子

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風間慶祐, 他 ながら,LACの安全性や忍容性の検討は, これまで主に ₇₅ 歳以下もしくは₈₀ 歳以下を対象に検討が行われてきた. 一方で, 加齢により ADLの低下が見られ有訴率は上昇し ₅), 全身臓器機能低下が予想され, 一般に術後合併症のリスクは増加すると言われている ₆). このため ₈



指定演題 1 D 2 経頭蓋直流電気刺激による歩行 認知課題の機能向上効果 篠田亮平 1) 松浦晃宏 1) 石川衛 1) 苅田哲也 1) 森大志 2) key word: 二重課題 経頭蓋直流電気刺激 歩行 1) 大山リハビリテーション病院 2) 県立広島大学 目的 歩きながら話をするなど 動作の遂



高流量鼻カニュラ酸素療法 ( ネーザルハイフロー ) 図 1 HFNC による換気パターンの変化 2) 健常人,COPD 患者,IPF 患者それぞれ ₁₂ 人の HFNC 前後の変化 量の増大が見られたが, 健常者では減少した. 全ての群で呼吸数と分時換気量は減少し,COPD と IPF 患者では毛

革新の高効率へシフトする NEW プロフロー シリーズ シフト 新設計のコントロールスプールが生み出す異次元のエアーセーブ能力 圧倒的な省エネ性能 ( 他社比で -60% のエアー消費量の削減 ) 全く新しいエアー切替システムによる効率革命 2

広島工業大学紀要教育編第 ₁₅ 巻 (₂₀₁₆)1 10 論文 同期型 CSCL を使った国際協調的外国語学習の実践 ツールの違いにおける社会的存在感と満足度との関係性 安部由美子 * 益子行弘 ** ( 平成 ₂₇ 年 ₁₀ 月 ₂₇ 日受付 ) International Collaborati

田中武 栗栖慎也 甲斐健 山崎勇 織田浩二 﨑将智 植月唯夫 に対する評価基準が異なっても良いと考えられる ₂ ) 体育館のスポーツ照明として,LED 光源を用い, ₁ ) 照明用光源の LED 素子単体が見えない状態にする ₂ ) 実際の直下照度を低下させない ことで, 体育館内の照度分布の達成,

広島工業大学紀要教育編第 ₁₂ 巻 (₂₀₁₃)21 27 論文 CIEDE2000 色差式を用いたディジタルシネマ画像の所要ビット長の評価 古川功 * 鈴木純司 ** Evaluation of Required Bit Depth for Digital Cinema using CIEDE20

情報 BOX 申込み方法 募集 講演 電話以外で申込む場合は次の応募事項を書いてください 名など ( コースも ) 氏名 ( ふりがな ) 電話番号 郵便番号 住所 年齢 小中学生は学校名 学年 福岡市政だより 2016( 平成 28) 年 7 月 1 日 14 講座 などで 特に記載がないものは

スライド 1

ニュージーランドにおける多国籍銀行の展開 現地通貨建て現地債権 の分析から 川本明人 ( 受付 ₂₀₁₄ 年 ₁₀ 月 ₃₁ 日 ) 目 次 はじめに Ⅰ ニュージーランドの銀行制度と特徴 Ⅱ ニュージーランドにおける銀行活動の歴史と現状 Ⅲ 多国籍銀行の理論とニュージーランド銀行 Ⅳ ニュージーラ

注意事項 法令等略記凡例

Ⅰ はじめに

Shokei College Investigation into the Physical Condition, Lifestyle and Dietary Habits of the Members of a Boy s Soccer Team and their Families (1) Ph

Vol.No. 2. 方法 ( 1 ) 調査対象と時期 A B ( 2 ) 調査内容 1 ) 食事の摂取状況 2 ) 食品群別摂取頻度 3 ) 生活習慣状況 4 ) 健康意識 ( 3 ) 解析 Dplus 3. 結果と考察 ( 1 ) 性別と全調査項目 p p p ( 2 ) 食事の摂取状況 p

バインダー2

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

小学生のカルシウム摂取量に寄与する食品の検討 小学生のカルシウム摂取量に寄与する食品の検討 小川瑞己 1 佐藤文佳 1 村山伸子 1 * 目的 小学生のカルシウム摂取の実態を把握し 平日と休日のカルシウム摂取量に寄与する食品を検討する 方法 2013 年に新潟県内 3 小学校の小学 5 年生全数 3

ヤクルト研究所研究報告集第 32 号,01 06(2014) なお 本試験は ( 株 ) ヤクルト本社中央研究所ヒト試験 倫理審査委員会の承認を受け 被験者から試験参加の同 意を得て実施された 量を測定後 9 倍量の PBS を添加してガラスチューブ 内で 10 倍希釈した さらに適宜希釈後 適当な

ごあいさつ 平 素 から 広 島 県 における 血 液 事 業 の 推 進 につきましては 献 血 者 の 皆 さまをはじめ 広 島 県 献 血 推 進 協 議 会 献 血 推 進 団 体 医 療 機 関 関 係 各 団 体 のご 理 解 とご 協 力 を 賜 り 厚 く 御 礼 申 し 上 げます

はじめに慶應義塾では, 海外で教育を受けた受験生の学歴背景を尊重し, 能力 適性等を多面的に評価することで, 広く多様性のある優秀な入学者受入れをすべく,₁₉₇₉ 年 ₄ 月より帰国生入試を実施しています この 募集要項 には, 入学試験の概要と, 出願準備から入学手続までのすべての事項を時間の流れ

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ネーザルハイフロー療法の適応と限界 図 1 左 : フィッシャーアンドパイケル社システム ( 出典 : 社内資料 ) 右 : パシフィックメディコ社システム ( 出典 : 社内資料 ) と酸素濃度計が付属している. ブレンダーには酸素配管と圧縮空気配管からのガスを混合させるものと, 酸素配管からの酸

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 庄司仁孝 論文審査担当者 主査深山治久副査倉林亨, 鈴木哲也 論文題目 The prognosis of dysphagia patients over 100 years old ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 日本人の平均寿命は世界で最も高い水準であり

別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 本資料の作成日 :2016 年 10 月 12 日商品名 : ビフィズス菌 BB( ビービー ) 12 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) による食経験の評価ビフィズス菌 BB-12

下里侑子, 他 写真 ₁ 胸痛自覚時の胸部 X 線右胸水を認めた. 写真 ₂ a を開始された. 移植 ₉ 年後より拘束性換気障害 (%VC ₄₁% FEV₁.₀ % ₁₁₆%) を認めたが, 慢性咳嗽の増悪はなく,SpO ₂は大気下で₉₈% と保たれ Activity of daily life

公 益 社 団 法 人 日 本 セラミックス 協 会 2014 年 年 会 特 別 講 演 第 1 回 男 女 共 同 参 画 シンポジウム 男 女 共 同 参 画 社 会 の 実 現 にむけて 2013 年 に 発 足 した 日 本 セラミックス 協 会 女 性 参 画 拡 大 検 討 委 員 会

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2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

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日本食生活学会誌第 ₂₉ 巻第 ₃ 号 1₄1 1₄₅(₂₀1₈) [ 論文 ] 庄司吏香 * *,** * 山中克己 早瀬須美子 河合光久 * * * *,** 瀬戸山裕美 高田敏彦 久代明 藤木理代 ( * 名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科, ** 名古屋学芸大学管理栄養学部, 愛知学泉短期大学, * ヤクルト本社中央研究所 ) ( 平成 ₃₀ 年 ₂ 月 1₄ 日受付, 平成 ₃₀ 年 ₇ 月 1₉ 日受理 ) The influence of dietary habits and the intake of fermented milk containing Lactobacillus casei strain Shirota on bowel habits in elderly nursing home residents Rika Shoji, Katsumi Yamanaka, Sumiko Hayase, Mitsuhisa Kawai, Hiromi Setoyama, Toshihiko Takada, Akira Kushiro, Kotoyo Fujiki * Graduate School of Nutritional Sciences, Nagoya University of Arts and Sciences Graduate School, ₅₇, Takenoyama, Iwasaki-cho, Nisshin-shi, Aichi, ₄₇₀-₀1₉₆ ** School of Nutritional Sciences, Nagoya University of Arts and Sciences, ₅₇, Takenoyama, Iwasaki-cho, Nisshin-shi, Aichi, ₄₇₀-₀1₉₆ Aichi Gakusen Junior College, ₂₈, Kamikawanari, Hegoshi-cho, Okazaki-shi, Aichi, ₄₄₄-₈₅₂₀ * Yakult Central Institute, ₅-11, Izumi, Kunitachi-shi, Tokyo, 1₈₆-₈₆₅₀ *,** ₄₇₀ ₀1₉₆ ₄₄₄ ₈₅₂₀ 愛知県日進市岩崎町竹ノ山 ₅₇ 愛知県岡崎市舳越町上川成 ₂₈ * 1₈₆ ₈₆₅₀ 東京都国立市泉 ₅ 11 This study aimed to clarify the influence of dietary habits and daily intake of fermented milk containing Lactobacillus casei strain Shirota, 1.5 1010 cfu/65 ml/ day, on bowel habits in elderly nursing home residents. A total of 20 elderly nursing home residents (2 men, 18 women, age 88.1±6.7 years)participated in this study. We recorded the amount of food intake and bowel habits (defecation frequency and laxative administration)of residents during a designated non-intake period (6 months) and an intake period (6 months). During the intake period, defecation frequency increased from 36.5±13.7 to 41.0±14.4% (p<0.05). Frequency of laxative administration decreased slightly from 26.6±13.0 to 24.9±14.2% (there is no significant difference). Among participants who had improved defecation frequency, the amount of food intake (individual eating rate)was slightly larger than that in those that did not improve defecation frequency (94.0±5.1% vs. 89.1±13.6%). These findings suggest that daily intake of fermented milk containing Lactobacillus casei strain Shirota might provide benefits including improved bowel habits in elderly nursing home residents. (1₃)1₄1

Vol. No. 1. 緒言現在の日本は少子高齢社会を迎え, 高齢者の慢性疾病の増加や施設 病院への入所者の増加がみられる 特に介護保険 ₃ 施設 ( 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 介護療養型医療施設 ) の介護予防サービスおよび介護サービスの年間累計受給者数は平成 ₂₈ 年度で₆₂,₂₇₃.₅ 千人に上る ( 介護予防サービス受給者数は1₂,₈₈₅.₈ 千人, 介護サービス受給者数は₄₉,₄1₃.₉ 千人 ) 加齢による消化管機能の低下 ( 腸管の蠕動運動の減弱, 腹圧の低下, 排便反射の低下 ), 薬の常用, 咀嚼力の低下, 食生活の貧困 ( 摂取量, 水分量, 食物繊維量の低下 ) は便秘の要因となる ₂,₃) 厚生労働省平成 ₂₈ 年度国民生活基礎調査によると, 性 年齢階級別にみた便秘者の数は高齢者になるほど高くなり,₈₀ 歳以上の女性の1,₀₀₀ 人に 1₀₈.₃ 人は便秘を訴えている ₄ ) 施設入所高齢者では便秘の傾向がさらに強く, 入所者の多くは下剤を常用している ₅,₆) また, 下剤の長期間の使用は薬への耐性ができ, 効果が低下することや, 排便回数や排便量等のコントロールが十分にできないといった問題もある ₇ ) 排便習慣に影響を及ぼす因子には, 食事, 乳酸菌含有食品, 水分摂取量などがある Lactobacillus や Bifidobacterium のような乳酸菌やビフィズス菌は古くから発酵食品として摂取されており, 整腸作用や免疫調節作用の有効性が認められている ₈ ) 特定保健用食品としてこれらの菌株を含む食品は多数あり, 便秘改善効果が報告されているが ₉ 1₃), 高齢者における食習慣との相互作用についての報告は少ない そこで, 本研究では整腸作用をもつ特定保健用食品として広く流通し, 高齢者にも馴染みのある L. カゼイ シロタ株含有飲料を用いて, 特別養護老人ホーム入所者における, 排便習慣改善効果と食事摂取状況との関係を検討した 2. 方法 ( 対象特別養護老人ホーム M 園 ( 静岡県浜松市 ) の入所者 ₂₀ 名 ( 男性 ₂ 名, 女性 1₈ 名, 平均年齢は₈₈.1±₆.₃ 歳, 最大値 ₉₉ 歳, 最小値 ₇₆ 歳 ) を対象とした 対象者の介護度は, 介護度 ₅ の者は1₀ 名, 介護度 ₄ の者は ₆ 名, 介護度 ₃ 以下の者は ₄ 名であった 対象者の喫食形態は, 常食の者は ₉ 名, きざみ食の者は ₇ 名, ミキサー食の者は ₄ 名, 主食が米飯の者は ₆ 名 ( 内小盛りは 1 名 ), 粥食の者は1₄ 名 ( 内小盛りは ₂ 名 ) であった 文書により研究の説明し, 同意を得た ( 2 ) 試験飲料試験飲料は₆₅ ml 中に乳酸菌シロタ株 (L. カゼイ YIT₉₀₂₉) を1₅₀ 億個以上含有した乳酸菌含有飲料を用いた その他の成分は, ぶどう糖果糖液糖, 砂糖, 脱脂 粉乳, 香料等で, 熱量 ₅₀ kcal, たんぱく質 ₀.₈ g, 脂質 ₀.1 g, 炭水化物 11.₅ g, ナトリウム1₂ mg を含有している ( 3 ) 調査項目 排便調査排便回数および排便処置 ( 下剤, 浣腸, 座薬, 摘便, 内服薬 ) について頻度調査を行った 試験期間は季節変動も考え, 乳酸菌含有飲料を摂取しない摂取前期間の平成 ₂₃ 年 ₇ 月 1 日 ~1₂ 月 ₃1 日までの ₆ か月間の調査記録と, 乳酸菌含有飲料を摂取した摂取期間の平成 ₂₄ 年 ₇ 月 1 日 ~1₂ 月 ₃1 日までの ₆ か月間の同時期の調査記録と比較検討した 排便調査は, 施設職員が日常業務の中で記録している施設入所者の排便の有無, 連続して排便がなかった日数, 排便処置 ( 下剤, 浣腸, 摘便, 座薬, 内服薬使用 ) の記録票を用いた 2 ) 食事 水分摂取量調査施設職員が日常業務の中で記録している施設入所者の総喫食率 ( 朝食 昼食 夕食の主食と副食, 間食 ) を1₀ 段階で評価, 水分摂取量は ml 記録された調査票を解析に用いた 対象者の食事形態は, 常食 きざみ食 ミキサー食の別に, 主食は米飯 粥食と区分した 調査票の記録方法は施設で形式が定められており, 本調査期間中変更はなかった 食事の提供量は, 食事摂取基準(₂₀1₀ 年版 ) に準拠し, エネルギー量は1,₄₅₀ kcal( 主食が小盛りおよび粥の者, ミキサー食の者は1,₀₀₀~1,₃₀₀ kcal), 食物繊維は 1₇ g( ミキサー食では1₂ g) が提供された ( 4 ) 解析方法 排便率, 下剤 浣腸などの排便処置率については, 排便日数, 排便処置の回数を, 記録日数当たりの割合で算出し, 平均値 ± 標準偏差で表した 試験飲料摂取前後の排便率, 排便処置率, 総喫食率および水分摂取量の比較には Paired の t 検定を用いた p<₀.₀₅を有意差ありと判定した 排便率と総喫食率, 排便率と水分摂取量, 排便処置率と総喫食率, 排便処置率と水分摂取量の相関は Spearman の順位相関係数を用いて検定した p<₀.₀₅ を有意差ありと判定した ₂ 群間の差の検定には Unpaired の t 検定を用いた p<₀.₀₅を有意差ありと判定した 統計ソフトは SPSS Statistics ₂₂ for Windows(IBM 社 ) を用いた ( 5 ) 倫理的配慮 被験者には研究の目的や方法を文書および口頭で説明し, 研究への参加の同意を得た 本研究は, 個人の識別に ID を用いることで, 個人情報を特定できない形式にした 1₄₂(1₄)

本研究の内容および計画は, 名古屋学芸大学の 研究倫理に係る審査 の承認を得た ( 承認番号 :₅₇) 3. 結果 ( 排便状況排便改善効果が認められた者 ( 排便率が上昇した者 ) は1₃ 人, 排便改善効果が認められなかった者 ( 排便率が変わらない, または減少した者 ) は ₇ 名であった 乳酸菌含有飲料摂取前の平均排便率 ( 排便日数 / 記録日数 1₀₀) は₃₆.₅±1₃.₇%, 乳酸菌含有飲料摂取後の平均排便率は₄1.₀±1₄.₄% であり, 乳酸菌含有飲料摂取後に排便率は有意に増加した ( 図 また月ごとのデータを表 1 に示す 乳酸菌含有飲料摂取前後の排便率の分布を表 ₂ に示した 乳酸菌含有飲料摂取後の平均排便率が₂₅% 未満の者はいなくなり, 平均排便率が₃₃% を超える者の人数が ₉ 人から1₂ 人に増えた ( 2 ) 排便処置状況乳酸菌含有飲料摂取前の平均排便処置率 ( 排便処置日 数 / 記録日数 1₀₀) は₂₆.₆±1₃.₀%, 乳酸菌含有飲料摂取後の平均排便処置率は₂₄.₉±1₄.₂% であり, 介入後に減少傾向にあったが有意ではなかった 月ごとのデータを表 ₃ に示す 乳酸菌含有飲料摂取前後の排便処置率の分布を表 ₄ に示した 乳酸菌含有飲料摂取後, 平均排便処置率が₂₅% を超える者の人数が1₂ 人から ₉ 人に減ったが, 介入前後ともに, 処置率 ₂₀% 未満と, 処置率 ₃₃% 以上の者の割合は高く, 二極化していた ( 3 ) 排便率と総喫食率および水分摂取量の関係乳酸菌含有飲料摂取前後とも, 排便率と総喫食率の間に有意な相関は認められなかった ( 摂取前 :R ₂ =₀.₀₂₉₂, 摂取後 :R ₂ =₀.₀₀₂₂) が, 乳酸菌含有飲料摂取後に排便改善効果があった者の総喫食率は₉₄.₀±₅.1%, 排便改善効果が認められなかった者の総喫食率は₈₉.1±1₃.₆% で, 総喫食率は排便改善効果があった者で高い傾向にあった ( 図 ₂ ) 乳酸菌含有飲料摂取前後とも, 排便率と水分摂取量の間に有意な相関は認められなかった また, 乳酸菌飲料摂取後に排便改善効果があった者の水分摂取量は 1,₀₈₈.₃±1₀₄.₃ ml, 排便改善効果が認められなかった者の水分摂取量は1,1₂₃.₄±11₄.₅ ml であり, ₂ 群間に有意な差は認められなかった ( 4 ) 排便処置率と総喫食率および水分摂取量の関係 乳酸菌含有飲料摂取前後に, 排便処置率と総喫食率および水分摂取量の間に有意な相関は認められなかった 表 2 乳酸菌含有飲料摂取前後の排便率の分布 ( 人 ) 排便率 ₂₅% 未満 ₂₅% 以上 ₃₃% 未満 ₃₃% 以上 ₅₀% 未満 ₅₀% 以上 図 1 乳酸菌含有飲料摂取前後の排便率の変化 乳酸菌含有飲料摂取前 ₂ ₉ ₆ ₃ 乳酸菌含有飲料摂取後 ₀ ₈ ₇ ₅ 排便率 : 排便日数 / 記録日数 1₀₀ 表 1 乳酸菌含有飲料摂取介入前後の排便率 (%) ₇ 月 ₈ 月 ₉ 月 1₀ 月 11 月 1₂ 月 平均 乳酸菌含有飲料摂取前全体 (n=₂₀) ₃₇.₆±1₃.₂ ₃₇.₇±1₅.₈ ₃₅.₃±1₄.₄ ₃₇.₃±1₆.1 ₃₅.₀±1₅.1 ₃₆.₉±1₆.₃ ₃₆.₅±1₃.₇ 男 (n=₂) ₃₃.₉±11.₄ ₃₂.₃±1₃.₇ ₃1.₇±₇.1 ₃₀.₆±11.₄ ₃1.₇±1₆.₅ ₃₂.₃±₄.₆ ₃₂.1±1₀.₈ 女 (n=1₈) ₃₈.₀±1₃.₆ ₃₈.₄±1₂.₆ ₃₅.₇±1₅.1 ₃₈.1±1₆.₆ ₃₅.₄±1₅.₄ ₃₆.₃±1₇.₂ ₃₇.₀±1₄.₂ 乳酸菌含有飲料摂取後全体 (n=₂₀) ₄₂.₅±1₇.₃ ₄₂.₇±1₈.₅ ₄₂.₆±1₃.₈ ** ₄₀.₈±₂₀.₄ ₃₆.₅±1₆.₇ ₄₀.₉±1₂.₈ * ₄1.₀±1₄.₄ * 男 (n=₂) ₃₃.₉±₆.₈ ₃₃.₉±₆.₈ ₃₈.₃±₂.₄ ₄₅.₂±₃1.₉ ₄₀.₀±1₈.₉ ₄₀.₃±1₆.₀ ₃₈.₆±1₃.₀ 女 (n=1₈) ₄₃.₅±1₇.₉ ₄₃.₇±1₉.₂ ₄₃.1±1₄.₅ ₄₀.₃±₂₀.₀ ₃₆.1±1₇.₀ ₄₀.₉±1₂.₉ ₄1.₃±1₄.₈ 排便率 : 排便日数 / 記録日数 1₀₀ 平均値 ± 標準偏差 * p<₀.₀₅, ** p<₀.₀1( 乳酸菌含有飲料摂取前との比較 ) (1₅)1₄₃

Vol. No. 表 3 乳酸菌含有飲料摂取介入前後の排便処置率 (%) ₇ 月 ₈ 月 ₉ 月 1₀ 月 11 月 1₂ 月平均 乳酸菌含有飲料摂取前全体 (n=₂₀) ₂₄.₆±1₃.₀ ₂₇.₆±1₅.₈ ₂₉.₈±1₆.₈ ₂₃.₂±1₅.₅ ₂₄.₅±1₆.₀ ₂₉.₇±₂₃.₂ ₂₆.₆±1₃.₀ 男 (n=₂) ₃₈.₇±₀.₀ ₄₀.₃±₂.₃ ₃1.₇±₇.1 ₃₅.₅±₄.₆ ₃₅.₀±₂.₄ ₃₅.₅±₄.₆ ₃₆.1±₄.1 女 (n=1₈) ₂₃.₀±1₂.₇ ₂₆.₂±1₆.1 ₂₉.₆±1₇.₆ ₂1.₈±1₅.₇ ₂₃.₃±1₆.₅ ₂₉.1±₂₄.₄ ₂₅.₅±1₃.₃ 乳酸菌含有飲料摂取後全体 (n=₂₀) ₂₃.1±1₆.₅ ₂₅.₀±1₇.₃ ₂₂.₃±1₆.₇ ₂₆.₆±1₇.₅ ₂₉.₈±1₇.₅ ₂₂.₄±1₄.₂ ₂₄.₉±1₄.₂ 男 (n=₂) ₃₈.₇±₂₂.₈ ₄₀.₃±1₆.₀ ₄₀.₀±₉.₄ ₂₉.₀±₂₂.₈ ₂1.₇±₂₅.₉ ₂1.₀±1₆.₀ ₃1.₈±1₈.₈ 女 (n=1₈) ₂1.₄±1₅.₆ ₂₃.₃±1₇.₀ ₂₀.₄±1₆.₃ ₂₆.₃±1₇.₆ ₃₀.₇±1₇.₂ ₂₂.₆±1₄.₅ ₂₄.1±1₄.₄ 排便処置率 : 排便処置日数 / 記録日数 1₀₀ 平均値 ± 標準偏差 表 4 乳酸菌含有飲料摂取前後の排便処置率の分布 ( 人 ) 排便処置率 ₂₀% 以上 ₂₅% 以上 ₂₀% 未満 ₃₃% 以上 ₂₅% 未満 ₃₃% 未満 乳酸菌含有飲料摂取前 ₇ 1 ₄ ₈ 乳酸菌含有飲料摂取後 ₈ ₃ ₃ ₆ 排便処置率 : 排便処置日数 / 記録日数 1₀₀ 4. 考察 図 2 総喫食率と乳酸菌含有飲料摂取による排便率改善効果の関係 高齢者は身体活動の低下や食事摂取量の減少などにより, 便秘を呈する者が多い 1₄ 1₆) 便秘は生活の質(QOL) を左右する因子であり, 適切なケアが必要である ₆ ) 施設で使用されている主な下剤は, 塩化マグネシウム, センノサイドやラキソベロンで, 利用者の排便状況別に下剤が使い分けられていた 本試験対象者のほとんどは, 下剤などの処置を日常的に行われており, 他の介護老人保健施設の入所者の現状と同様であった ₅,₆,1₄) プロバイオティクスと便秘改善効果については,L. カゼイ シロタ株含有飲料摂取による, 排便頻度の上 ₉,1₀) 昇, ブルガリアヨーグルトの摂取による糞便中ビフィ 11) ズス菌数の増加と便秘改善効果などが報告されている 高齢者を対象にした研究については, 高齢者福祉施設入所者を対象に,L. カゼイ シロタ株とラクトバチルス GG 株含有食品両者の摂取が, 排便回数の上昇, 座薬の使用回数の減少をもたらすこと 1₇), フィズス菌摂取により, ほぼ寝たきりの高齢者で, 自然排便者および便秘薬常用者ともに, 摂取前と比べ排便回数の有意な増加が認められたこと 1₂), 便秘傾向の₆₀ 歳以上の健常男女において, 排便量の増加, 排便頻度の増加, 排便リズムの安定化などの便秘改善効果がみられたことが報告されている 1₃) 排便習慣にはプレバイオティクスも大きく影響することから, 食物繊維摂取量の減少は腸内プロバイオティクスの活動性および増殖性を低下させ, 便秘や排便リズムの不規則化を生じさせる 1₈) 平成 ₂₇ 年の国民健康 栄養調査では,₇₀ 歳以上の高齢者が 1 日に摂取している平均食物繊維量は, 男性 1₇.₀ g, 女性 1₆.1 g で 1 日平均目標量 ( 男性 1₉ g 以上, 女性 1₇ g 以上 ) を達成できていない 1₉) 加齢に伴う口腔機能の低下は, 野菜や果物の摂取不足を招く ₂₀,₂1) プレバイオティクスと便秘改善効果については, 施設 ₂₂) 入所高齢者において, 排便回数や平均推定排便量増加, ₂₃) 便秘傾向の高齢者の排便日数, 排便回数, 排便量増加, 下剤常用者の排便回数の増加, 下剤追加投与の減少といった報告がある ₂₄) このように, 排便状況の改善にはプロバイオティクスだけではなく, 食物繊維などのプレバイオティクスの摂取も必要である 女子大学生および高齢者を対象とした研究において,L. カゼイ シロタ株含有飲料とガラクトオリゴ糖の同時摂取による, 排便頻度の上昇が報告されている ₂₅) 本研究では, 乳酸菌含有飲料を ₆ か月間飲用することでみられる, 排便改善効果の個人差に喫食量や水分摂取量がどのように影響するかを検討した その結果, 乳酸菌含有飲料摂取により排便率の上昇が認められた ( 図 排便率と総喫食率の間に有意な相関は認められなかったが, 改善効果があった者はなかった者に比べ, 総喫食率が高い傾向にあった ( 図 ₂ ) 1₄₄(1₆)

喫食内容 ( 主食, 副食 ) 別, 喫食形態 ( 常食, きざみ食, ミキサー食 ) 別の検討においては, 大きく影響する項目は認められなかった また, 排便率と水分摂取量との間にも有意な相関は認められなかった 排便処置率は乳酸菌含有飲料摂取によって減少傾向がみられた ( 表 ₃ ) 下剤, 浣腸, 座薬, 摘便, 内服薬などの排便処置内容別の検討では, 大きく変化した項目は認められなかった 本研究では, 特別養護老人ホーム入所者の排便状況と食事摂取状況の関わり, および乳酸菌含有飲料摂取による影響を ₆ か月間にわたり調査した 乳酸菌含有飲料摂取前の状況との比較については, 季節変動を考え, 前年の同時期の調査記録を用いて検討した 調査は当初 ₃₃ 名を対象に始めたが, 調査期間中に死亡または医療機関への入院により退所した入所者を除く₂₀ 人の解析となった この₂₀ 名においても外泊 ( 一時帰宅 ) した日が数日あったため, 排便頻度は, 排便日数を記録日数で除して求めた このように, 特別養護老人ホーム入所者を対象に長期にわたり調査, 介入試験を実施することは困難であるため, このような研究は少ない 排便や排便処置には多くの要素が関与している 今後さらにさまざまな角度から分析を進める必要がある 5. 結論 L. カゼイ シロタ株含有飲料の継続的な飲用は, 介護施設入所高齢者における, 良好な排便習慣の形成に有効であることが示唆された 文献 厚生労働省 : 平成 ₂₈ 年度介護給付費等実態調査,http:// www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/1₆/dl/₀₂. pdf ₂ ) 須藤紀子 : 高齢者の排尿 排便障害, 日本老年医学会雑誌, 49,₅₈₂ ₅₈₅ (₂₀1₂) ₃ ) 渡邊昌 : 高齢者における食養生, 日本老年医学会雑誌, 51,1₃₈ 1₄₀ (₂₀1₄) ₄ ) 厚生労働省 : 国民生活基礎調査 ( 平成 ₂₈ 年 ), http://www. mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa1₆/dl/1₆.pdf ₅ ) 榊原千秋, 塚崎恵子 : 介護老人保健施設における要介護高齢者の便の性状と関連要因, 金沢大学つるま保健学会誌, 34(, ₃₉ ₄₉ (₂₀1₀) ₆ ) 陶山啓子, 加藤基子, 赤松公子, 西田佳世 : 介護施設で生活する高齢者の排便障害の実態とその要因, 老年看護学, 10( ₂ ), ₃₄ ₄₀ (₂₀₀₆) ₇ ) 名尾良憲, 村上善次 : 老人の便秘,Geriatric Medicine, 11,₇₂ ₇₇ (1₉₇₃) ₈ ) 辨野義己 : プロバイオティクスとして用いられる乳酸菌の分類と効能, モダンメディア,57,₂₇₇ ₂₈₇ (₂₀11) ₉ ) Koebnick C, Wgner l, Leitzmann P, Stern U, Zunft HF: Probiotic bevarage containing Lactobacillus casei shirota improves gastrointestinal symptoms in patients with chronic constipation, Can J Gastroenterol, 17, ₆₅₅-₆₅₉ (₂₀₀₃) 1₀) Matsumoto K, Takada T, Shimizu K, Kado Y, Kawakami K, Makino I, Yamaoka Y, Hirano K, Nomoto K, Nishimura A, Kajimoto O: The effects of a probiotic milk product containing Lactobacillus casei strain Shirota on defecation frequency and intestinal microflora of sub-optimal health state volunteers: a randomized placebo-controlled cross-over study, Bioscience Microflora, 25, 1₃₇-1₄₆ (₂₀₀₆) 11) 飯野久和, 青木萌, 重野千奈美ほか : ブルガリアヨーグルト摂取による糞便中ビフィズス菌の増加作用を検証するプラセボ対照二重盲検比較試験, 栄養学雑誌,71,1₇1 1₈₄ (₂₀1₃) 1₂) 田中隆一郎, 下坂国雄 : 寝たきり高齢者の排便傾向とビフィズス菌醗酵乳の排便回数に対する飲用効果, 日本老年医学会雑誌,19,₅₇₇ ₅₈₂ (1₉₈₂) 1₃) 河合光久, 瀬戸山裕美, 高田敏彦ほか : ビフィズス菌を含有するはっ酵乳の摂取が便秘傾向の健常人の排便症状に及ぼす影響, 腸内細菌学雑誌,25,1₈1 1₈₇ (₂₀11) 1₄) 名尾良憲, 村上善次 : 老人の便秘,Geriatric Medicine, 11,₇₂ ₇₇ (1₉₇₃) 1₅) 須藤紀子 : 老年症候群と診療 便秘, 総合臨床,52, ₂1₄₂ ₂1₄₉ (₂₀₀₃) 1₆) 正田良介 : 高齢者消化管疾患の今日的課題 高齢者の便通異常の成因と対策,Geriatric Medicine, 47,₅₈₇ ₅₉₂ (₂₀₀₉) 1₇) 関田頼子, 時田佳代子, 時田純, 西山八重子, 生田目圭子, 内田加代子, 久代明, 饗場直美 : 発酵乳製品継続摂取による高齢者福祉施設入居者の排便状況の改善, 日本栄養士会雑誌,58,₄₂ ₄₇ (₂₀1₅) 1₈) 光岡知足 : プレバイオティクスと腸内フローラ, 腸内細菌学雑誌,16,1 1₀ (₂₀₀₂) 1₉) 厚生労働省 : 平成 ₂₇ 年国民健康 栄養調査,http://www. mhlw.go.jp/file/₀₄-houdouhappyou-1₀₉₀₄₇₅₀-kenkoukyoku- Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou.pdf ₂₀) 高松美穂, 香西みどり, 畑江敬子 : 高齢者の口腔内状態の分類と野菜の食べやすさ, 日本家政学会誌,59,₉₆₉ ₉₇₈ (₂₀₀₈) ₂1) 神森秀樹, 葭原明弘, 安藤雄一, 宮崎秀夫 : 健常高齢者における咀嚼能力が栄養摂取に及ぼす影響, 口腔衛生学会雑誌,53,1₃ ₂₂ (₂₀₀₃) ₂₂) 橋本多美子, 遠藤千鶴 : ポリデキストロース含有ゼリーの摂取が施設入所高齢者の便通に及ぼす影響, 日本食生活学会,18,₂₄ ₂₉ (₂₀₀₈) ₂₃) 大池敦子, 石原知恵, 村田智恵ほか : ラクトロース摂取による便秘傾向を有する高齢者の排便状況の改善効果, 日本食物繊維研究会雑誌, 7,₉₇ 1₀1 (₂₀₀₃) ₂₄) 本間康代, 本間香織, 岡野明子ほか : 緩下剤を常用している便秘症高齢者への援助 ~ 食物繊維が豊富なひじき羊羹摂取の効果 ~, 厚生連医誌,15,₃1 ₃₅ (₂₀₀₆) ₂₅) Terue Shioiri, Keiko Yahagi, Sachie Nakayama, Takashi Asahara, Norikatsu Yuki, Koji Kawakami, Yoshitaku Yamaoka, Yuko Sakai, Koji Nomoto, Masumi Totani: The Effects of a Synbiotic Fermented Milk Beverage Containing Lactobacillus casei Strain Shirota and Transgalactosylated Oligosaccharides on Defecation Frequency, Intestinal Microflora, Organic Acid Concentrations, and Putrefactive Metabolites of Sub Optimal Health State Volunteers: A Randomized Placebo Controlled Cross-Over Study, Bioscience Microflora, 25, 1₃₇-1₄₆ (₂₀₀₆) (1₇)1₄₅