提言

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<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

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を誘発すると共に 家屋等の災害廃棄物とともに港内外水域に漂流 沈没することとなり 航路や泊地等の水域施設が使用不可能な状況となった また 押し波 引き波により 航路や泊地等の水域施設において 洗掘あるいは埋没が発生し 洗掘された箇所では 防波堤の転倒等が誘発され 埋没した箇所では 計画水深の確保のた

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1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2

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2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

国土技術政策総合研究所 研究資料

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

過去に経験のない規模の巨大地震 津波が発生 東日本大震災の概要 死者 行方不明者数 死者 15,355 名 行方不明者 8,281 名 (6 月 4 日現在 警察庁調べ ) 建築物被害 ( 住家 ) 全壊 10 万 9,147 棟 半壊 6 万 9,789 棟 一部破損 31 万 7,710 棟 全

資料 2 東海管内における農業水利施設の防災 減災の取組 ( 農村地域防災減災事業 海岸事業 ) 平成 27 年 2 月東海農政局整備部防災課

東日本大震災 (H ) 地震時の情報収集や提供に関する課題 国 地方公共団体などが連携した被災者や物資輸送者への交通関係情報の提供 大震災直後は 各管理者から別々に通行止め情報等が提供されたため 被災地までの輸送ルートの選定が困難な状況 国が集約して提供を始めたのは10 日以上過ぎた3/

2. 大規模津波防災総合訓練実行委員会設立準備会 日 場 時 : 平成 29 年 12 月 19 日 ( 火 ) 午後 1 時 30 分 ~ 午後 3 時 所 : 四日市市役所 6F 本部員会議室 準備会参加機関 : 中部管区警察局 陸上自衛隊第 10 師団海上自衛隊横須賀地方総監部 航空自衛隊中部

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近畿地方の港湾における 地震 津波対策の基本方針 平成 24 年 11 月 19 日 近畿地方の港湾における地震 津波対策検討会議

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大阪湾広域臨海環境整備センターは、昭和57年3月に設立されて以来、30年余りにわたって、全国で唯一の府県域を超えた広域的な廃棄物の適正な最終処分を海面埋立てにより行う「フェニックス事業」を地方公共団体及び港湾管理者と一体となって推進してきたところであり

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スライド 1

Taro-【資料-5】①中表紙

7 制御不能な二次災害を発生させない 7-1) 市街地での大規模火災の発生 7-2) 海上 臨海部の広域複合災害の発生 7-3) 沿線 沿道の建物倒壊による直接的な被害及び交通麻痺 7-4) ため池 ダム 防災施設 天然ダム等の損壊 機能不全による二次災害の発生 7-5) 有害物質の大規模拡散 流出

重点項目表紙

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Microsoft PowerPoint - 青森港ビジョン概要版(A4版)

地震被害予測システムにより建物被災度を予測 また 携帯電話と地図を利用した 被害情報集約システム では GPS 機能と地理情報システムとの連係により 現在位置周辺にある同社施工済物件を検索し 物件や周辺の被害状況を文字 静止画 動画を添付して報告することができる これら被害情報を地理情報システムに集

国土技術政策総合研究所 研究資料

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

地区概況 7-6 ( 旧 ) 平三小学校 大字 平蔵 米原 小草畑 概要市の南東部に位置し 長南町 大多喜町に接している 丘陵地と平蔵川沿いの低地からなり 丘陵地にはゴルフ場が複数立地し 低地では 民家や農地が分布する 地区を南北に国道 297 号が通り 国道 297 号沿いには小規模な造成宅地があ

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平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

平成23年東北地方太平洋沖地震の概要について

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建築物等震災対策事業について

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目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

目次 第 1 章対策計画の位置づけ等 首都直下地震が発生した場合の国家的危機 対策計画の意義 位置づけ 対象とする地震 2 第 2 章首都直下地震が発生した場合に想定される事態 直下で発生する地震 太平洋沿岸に押し寄せる津波 4 (1) 想定されている

重ねるハザードマップ 大雨が降ったときに危険な場所を知る 浸水のおそれがある場所 土砂災害の危険がある場所 通行止めになるおそれがある道路 が 1 つの地図上で 分かります 土石流による道路寸断のイメージ 事前通行規制区間のイメージ 道路冠水想定箇所のイメージ 浸水のイメージ 洪水時に浸水のおそれが

(3) 技術開発項目 長周期波の解明と対策 沿岸 漁場の高度利用 ライフサイクルコストに基づく施設整備と診断技術 自然災害( 流氷 地震 津波など ) に強いみなとづくり 等 30 項目 技術開発項目として 30 項目の中から 今後 特に重点的 積極的に取り組んでいく必要のある技術開発項目として 1

☆配布資料_熊本地震検証

宮城県総合防災情報システム(MIDORI)

病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

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防災業務計画 株式会社ローソン

国の法令改正等の反映近年行われた国の法令改正や防災基本計画の修正内容を反映しました 市町村が 指定緊急避難場所及び指定避難所の指定を進めることを追加 市町村が 被災者の被害状況 配慮事項等を一元的に集約した被災者台帳を作成し 総合的かつ効果的な支援の実施に努めることを追加 首都直下地震対策特別措置法

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

一太郎 10/9/8 文書

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2011 年 12 月 15 日発行 東日本大震災リスク レポート ( 第 5 号 ) 次の大地震 大津波への対応 : 防災計画の見直しと企業に求められる対応 発行 : 三菱商事インシュアランス株式会社リスクコンサルティング室 はじめに 1 本年 3 月 11 日 ( 金 ) の東日本大震災の発生か

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( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

第 3 次 山形県総合発展計画 短期アクションプラン ( 平成 25 年度 ~28 年度 ) 平成 2 5 年 3 月 山形県

本ワーキンググループにおけるこれまでの検討事項

目次 1 はじめに 2 地区協議会意見のまとめ 2.1 津波対策の基本方針案 2.2 津波対策の基本方針案の詳細 3 津波対策の方針 結論 ( 参考資料 ) 参 1 津波被害想定 参 1.1 津波浸水想定とレベル 1 津波必要堤防高 参 1.2 津波避難困難地域 参 2 津波避難マップ 参 3 検討

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東北地方太平洋沖地震への 気象庁の対応について ( 報告 ) 気象業務の評価に関する懇談会 平成 23 年 5 月 31 日 気象庁 1

津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

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その一方で 防災行政無線の聞き取り状況の調 査では 図 3に示すように20% の人が放送内容を聞き取れなかったと答えており 今後の改善 もしくは代替え手段の充実の必要性を示唆している なお 情報の入手先としてテレビの割合が低いのは地震による停電 ( 岩手県 宮城県では95% 以上が停電 ) が原因と

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3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

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Microsoft Word - 資料2 第二次報告の想定結果(概要)  最終(確定).doc

北栄町耐震改修促進計画の目的等 目的 本計画は 町民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある地震被害から 町民の生命 財産を保護するとともに 地震による被害を軽減し 社会秩序の維持と公共の福祉に資するため 建築物の計画的な耐震化を促進することを目的とします 計画の実施期間 本計画の実施期間は 国及び県の実

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新たな津波浸水想定を踏まえた見直しの概要 資料 1-2 H23 の想定 対象断層県設置の有識者検討会設置の有識者検討会の検討の検討結果を踏まえた 4 断層 ( 日本海東縁部 能登半島東方沖 能登半島北方沖 石川県西方海東縁部 能登半島東方沖 能登半島北方沖 石川県西方沖 ) 想定の手法土木学会の手法

Microsoft Word 最終【資料-4】.docx

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資料 4 安全 安心の確保 ~ 道路の防災 震災対策 ~ Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

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緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

北海道開発局津波対策検討委員会 ( 平成 23 年第 1 回 ) 議事要旨 1. 委員会概要 日時 :2011 年 9 月 20 日 ( 火 ) 14:00~17:00 場所 : 第 1 合同北海道開発局 4F 災害対策本部室 出席者 : 河田惠昭 委員長 関西大学教授社会安全学部長 谷岡勇市郎 委

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土砂災害防止法よくある質問と回答 土砂災害防止法 ( 正式名称 : 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関 する法律 ) について よくいただく質問をまとめたものです Ⅰ. 土砂災害防止法について Q1. 土砂災害は年間どれくらい発生しているのですか? A. 全国では 年間約 1,00

基本方針


東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4

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大規模地震に伴う被害の防止 軽減に対する課題 資料 5 中国地方において 想定した大規模地震に伴う被害を防止 軽減するためには 東日本大震災の教訓 ( 発生した被害や防災対策の課題など ) に加え 中国地方特有の防災 減災上の課題を踏まえて それらに対する有効な対策を講じる必要がある 本検討委員会では それらの対策のあり方を検討するために まず東日本大震災の教訓 およびそれらを踏まえた中国地方における防災 減災対策の課題を整理した 教訓 課題は 実施すべき対策 の目的 役割が明確になるように 災害発生前 ~ 災害発生後 ~ 復旧 復興までの時間の流れを考慮し 災害予防 と 災害対応 に大別した ( 図 -3.1 参照 ) ここで 災害予防 では 地震に伴って発生する被害( 倒壊 津波 液状化等 ) を構造物で防止する対策の課題を整理した 一方 災害対応 では 地震発生後および被害発生後の対応 ( 避難 人命救助 道路啓開等 ) により 被害を最小限に食い止める対策の課題を整理した なお ハザードマップの作成 公表や情報提供等は 直接避難行動に影響を与える事項であるため それらは 災害対応 に分類することとした 地震動被害 津波被害 避難行動 災害予防 液状化被害 災害対応 初動対応 土砂災害 応急復旧 複合災害 地震発生後および被害発生後の対応により 被害を最小限に食い止地震に伴って発生する被害を構造めるための対策の課題を整理物で防止する対策の課題を整理 (a) 災害予防 (b) 災害対応図 -3.1 教訓や課題の整理項目 3.1 災害予防本提言における災害予防は 2 章において整理した災害要因に対して直接被災を受ける施設や被害を軽減や防護する施設等を対象としている 3.1.1 地震動被害 (1) 耐震対策 1 重要施設 1

中国地方においては 防災拠点機能を担う庁舎 消防署 警察署等の重要施設の耐震化が遅れている 2 公共施設 東日本大震災では 阪神淡路大震災以降の公共施設の耐震化の効果を発揮した 中国地方においては 遅れている公共施設 ( 河川 道路 港湾 下水道 鉄道 空港施設 ) の耐震対策への取り組み強化が必要であり 計画的な耐震化が課題である 高度成長期に集中して整備された公共施設が今後耐用年数に近づくため 老朽化した施設の効率的な補修が課題である 東日本大震災では 耐震岸壁は被災していないが背後の施設や道路が被災し機能しなくなったため 岸壁の耐震強化だけでなく 背後アクセスや荷さばき用地の耐震性の確保 液状化対策を含めた物流機能全体としての対策が課題である 東日本大震災では 下水道処理場の復旧の遅れや堤防水門等の被災により 生活や環境に影響を及ぼした また 中国地方の下水道処理場の耐震化率は 34%(256 施設に対して 86 施設が耐震化実施済み ) であり 防潮堤水門など ライフラインの重点となる施設は安全度の再評価が課題である 3 住宅等建築物 東日本大震災では 阪神淡路大震災に比べ建物倒壊は少なく 耐震対策等が有効だった 中国地方では 住宅等建築物の耐震対策が遅れている (2) 長周期地震動対策 東日本大震災では 震源から離れた千葉のコンビナートや大阪の高層建築物などに被害を被った 大規模な地震の場合 震源から遠く離れた地域においても長大橋梁 高層建築物 石油タンクの長周期地震動の被害が予測される 3.1.2 津波被害 (1) 津波防護対策 1 津波高さの設定 中国地方の津波防護対策について 発生頻度の高い津波 最大クラスの津波 の区分を議論の上 見直すことが課題である 中国地方の海岸の堤防 護岸の天端高は技術上の基準で決定されているが 所要の天端高の不足している護岸が存在する また 津波と高潮の同時生起は 施設計画では設定していない 2 水門閉鎖 防護施設東日本大震災の経験から次の課題 施設効果があった 水門等の迅速な閉鎖のあり方について検討が課題である 河川管理施設( 排水機場 ) の電源確保 ( 二重化 ) 耐水化 操作盤の倒壊防止など 地震時の施設の確実な操作機能の向上が課題である 2

水門の管理者や防災担当者が津波から逃げ遅れることのないような安全策を講じる必要がある 津波による越水や戻り水( 引き波 ) による防潮堤や河川堤防や防波堤の全壊を防御するための構造検討が課題である 高速道路は 津波防御ライン 避難地 避難路としての重要な機能を果たす 釜石港湾口防波堤は 計画を超える津波に対して崩壊はしたが 災害の低減効果を果たした 3 公共施設 東日本大震災では 電気 ガス 水道に比べ下水道の復旧が遅れた (2) 津波漂流物対策 1 津波漂流物の発生 瀬戸内海は かき筏 等をはじめ養殖 栽培漁業が多くあることから 大量の津波浮遊物の発生が懸念され 避難海域の選定等が課題となる 瀬戸内海では 危険物運搬船の被災や大規模な油流出 コンテナ貨物の流出に備えた安全対策が課題である 2 津波漂流物の 2 次被害 東日本大震災では 大量の津波漂流物が発生し 漂流物に火災が発生した 3.1.3 液状化被害 (1) 液状化による住宅等建築物 公共施設 瀬戸内海沿岸部等に若年干拓 埋立て地が分布 護岸の老朽化 陳腐化等による 耐震性能不足 液状化への対応が課題である 東日本大震災では 津波被害以外にも 液状化による河川 港湾施設の被害が多数発生した 東日本大震災では 液状化により住宅や公共施設への被害が多数発生した 住宅等建築物や道路等公共施設の液状化被害箇所の推定と応急復旧等の対策が課題である (2) 液状化の 2 次被害 東日本大震災では 液状化等による護岸の沈下や倒壊によって 護岸が津波や高潮に対して防護できないケースがあり 中国地方でも同様の恐れがある 3.1.4 土砂災害 (1) 土砂災害危険箇所 東日本大震災でも各地に土砂災害が発生した 中国地方は全国で最も土砂災害危険箇所が多く 地震動による直接被害に加えて地震前 地震後の降雨による土砂災害発生や 降雨 降雪により地盤が弛んでいる状態での地震発生による土砂災害発生が課題である 3

(2) 宅地造成地 東日本大震災では 宅地造成地での斜面崩壊が多数発生した 広島市 呉市等には山間での開発地が多く 地震動による斜面崩壊の恐れが高い 3.1.5 複合災害東日本大震災では 地震の後の津波や液状化 火災など複合災害による被害の拡大が発生した とりわけ 瀬戸内海臨海部には石油化学コンビナート等や物流拠点港が多数存在しており 2 次 3 次災害の危険性が高く 閉鎖的海域であることから 被害の長期化が懸念される 3.2 災害対応本提言における災害対応については 災害発生直後からの 避難行動 初動対応 応急対応 といった時系列的な区分で整理した 3.2.1 避難行動 (1) 津波避難対策 1 津波高さの設定 避難にあたっては 防護施設計画等は高潮と津波の同時生起は考慮していないため 津波遡上高さについては 避難対策上の想定として設定することが今後の課題である 2 被災者 避難者 東日本大震災や過去の災害において 被災者は災害弱者が多数を占めた( 逃げ遅れ ) 中国地方は 高齢化率や過疎化が進んでおり 災害弱者対策が課題である 3 避難所 東日本大震災では 臨海部に位置する避難所以外の国の庁舎等への避難があった 4 情報提供 ハザードマップ 南海トラフで発生する地震に対しては 緊急地震速報の活用が有効であるが 広く普及していない 東日本大震災では 警報やハザードマップの情報が想定以上の津波来襲に対し 適切な避難の妨げとなった実態もあった 東日本大震災では 避難所に指定された場所で被災を受けたケースもあり 避難所の質的情報 ( 高さなどの安心度 ) も含めた避難所確保が課題である 東日本大震災では 交通渋滞に巻き込まれ津波にのまれたケースもあり 津波に伴う 道路の通行止めの情報提供 広報が必要である (2) 地震避難対策 1 被災者 避難者 中国地方の中山間地域では 土砂災害等の被災による被災者の孤立が課題である 4

2 情報提供 ハザードマップ 地上デジタル放送化によって衛星放送のみの利用となった中山間地集落では テレビによる地域情報伝達が難しくなっている 3 帰宅困難者 首都圏での帰宅困難者が大量に発生した 中国地方においてもこの検討が必要である 3.2.2 初動対応 ( 情報収集 体制確立含む ) (1) 初動体制の整備 1 自治体支援 東日本大震災では 被災した自治体へリエゾン( 情報連絡員 ) 派遣し 情報収集にあたったことで 緊急排水作業など迅速な対応に効果があった そのため 災害時のリエゾン派遣などの協定締結 日頃からの情報連絡等支援準備や訓練などが課題である 2 被災調査 東日本大震災では 国交省ヘリコプターによる初期情報により 被害規模を把握し その後の初動対応を効果的に行った 被災時の初期調査は重要であり 体制整備とともに ヘリコプターの整備等の拡充が課題である 3 中枢機能の確保 東日本大震災では 市町村役場の被災による中枢機能の障害が発生した 4 通信の確保 東日本大震災では 衛星通信による被災地の通信手段確保が重要となった 5 情報の共有化 情報発信 東日本大震災では 道路迂回情報 復旧情報の共有化が重要となった 3.2.3 応急復旧対応 ( 救助 救出等含む ) (1) 防災支援体制の整備東日本大震災の経験から次の課題 効果があった 1 TEC-FORCE の活動 全国から TEC-FORCE が集結し 災害支援活動に従事した TEC-FORCE については 被災地の経験から点検の上 拡充が課題である 2 津波湛水域の排水 仙台空港 東松島市等での集中排水支援が有効であった 3 漂流物の回収 全国の整備局が海面清掃船等を派遣し 漂流物を回収した 津波漂流物による航路通行障害が発生した 4 災害廃棄物や浮遊物処理 大量の災害廃棄物発生による仮置場や処分場の確保が困難となった ま 5

た 復旧作業の支障となった 5 応急物資等支援 緊急物資の調達 配給が遅れた 物資輸送 航路啓開船舶の燃料油の確保が問題となった 6 ライフラインの復旧 電気 ガス 水道等ライフラインの途絶が問題となった 自治体の支援 電気 ガス等については同業者等の支援が実施された 7 関係機関の協力 関係機関からなる広域的な防災連絡体制が課題となった 民間建設業との災害協力協定が有効であったが 発災直後は協力依頼に混乱もあった 民間船舶業者からの輸送船舶確保が有効であった 復旧 復興の原動力である地域の建設業者の弱体化 保有機械の減少が続いており 防災体制の再構築が課題となっている 災害対応には 住民 行政 専門家とともにマスコミの協力が重要となっている 8 仮設住宅の確保 想定以上の住宅被害に伴い 仮設住宅が不足した 9 被災者の移転 近隣県による住居の確保が有効であった 10 孤立集落の支援体制 中国地方においては 市町村合併が進み市町村面積が拡大している そのため 旧市町村役場が支所となり 防災拠点機能が低下している (2) 緊急輸送道路の確保 中国地方の都市 産業配置や中山間地域等の地域構造を踏まえた道路の啓開 優先順位の検討が課題である 災害時に孤立化する限界集落への救済は急務であり 体制づくり等が課題となっている 特に生命線となる重要なルートについては 斜面崩壊防止や落橋防止などの対策を徹底しておく必要がある (3) 物流機能の確保 東日本大震災では 道路 港湾や鉄道などの施設被害により物流ネットワークが断絶した 東日本大震災では 高速道路の緊急輸送機能の効果を発揮した 高速道路ネットワークの重要性が認識された 東日本大震災では 東北地方の日本海側の施設が被災した太平洋側の機能を補完した 同様に 瀬戸内海側と日本海側の港湾と道路網の連携によるリダンダンシー ( 代理機能 ) の確保など 被災時の物流ネットワークは道 6

路 港湾の連携も含め総合的に考えるべきである 災害に強いバイパスの整備が課題である ( 特に迂回路のない山陰地方 ) 山陰自動車道等国道のミッシングリンク( 未整備の部分 未連結区間 ) の解消が急務である 中国地方は 我が国のエネルギー 資源の調達拠点となる国際バルク戦略港湾も多くあり 防災機能の強化が課題である 瀬戸内海 海の路の利用振興を通じた 平時の観光ルート 非常時の物資等輸送ルートなどの防災ネットワークの強化が課題である (4) 防災拠点の確保 東日本大震災においては 全国から集結した自衛隊や消防 警察などの活動拠点としてSAや道の駅が利用された 応急復旧 災害広域支援を効率的に行うためには 防災拠点 ( 高速 SA 道の駅 みなとオアシス 河川防災ステーションなど ) の確保が重要である 臨海部の避難施設の確保 施設避難における非常電源 物資等の備蓄が課題である 堤防の耐震補強等により信頼度の向上を図り 救助や救援に活用できる施設として連携することが重要である (5) 事業継続の取組の推進 東日本大震災では 生産分業システムの混乱が生じた 企業 BCP だけでなく サプライチェーンや地域の防災力強化のための広域 BCP( 港湾 BCP など ) の促進が重要である (6) 事業評価 事業評価にあっては 平時の機能だけでなく防災時の機能や観点も含め総合的に評価を行うべきである 7

大規模地震に伴う被害の防止 軽減に対する課題に関する資料 観点 東日本大震災の教訓被災 3 県 ( 岩手 宮城 福島 ) の被害被災 3 県以外の被害被災 3 県への支援 中国地方の過去の自然災害 中国地方の課題 ( カッコ書きは特徴 ) 災害 被害発生 1( 津波の一般被害 ) 1 従来の想定を超えた津波被害 2 大量のがれきの発生仮置き場 処分地の問題 2( 盛土崩壊 ) 1 仙台市周辺などの宅地造成の盛土崩壊 3( 津波漂流物 ) 1 津波漂流物からの火災 ( 気仙沼市 ) 4( 液状化 ) 1 液状化による河川 港湾施設の被害 1( 津波の一般被害 ) 3 津波の第 2 第 3 波による人的被害 ( 茨城 千葉 ) 2( 土砂災害 ) 2 茨城 長野で 余震 誘発地震により 地滑りや斜面崩壊が発生 3( コンビナート等における災害 ) 2 千葉でのタンク火災 ( 液状化や側方流動等による被害の甚大性について報道 ) 4( 液状化 ) 2 阪神淡路大震災と比べ 大きな揺れが繰り返し長く継続したため 関東地方 ( 特に臨海部 ) で広範囲に液状化被害が拡大 3 浦安市の若年埋立地での液状化による下水道管の浮上 家屋傾斜 5( 長周期地震動 ) 1 大阪 WTCビルが長周期地震動による被害 25( 高潮災害 ) 1 広島市は平成 3 年 台風 19 号及び平成 16 年台風 18 号により 臨海地域が浸水 2 岡山県の倉敷市, 玉野市をはじめ広範囲で 平成 16 年 台風 16 号および台風 18 号により 高潮で浸水 ( 津波対策 ) 1 海岸保全区域内に含まれていない民有護岸が存在 海岸の防御施設が施設管理者 ( 民間含む ) によって まちまちであり 一体とした防御ラインの整備が必要 2 現在の施設は 高潮と津波の同時生起は考慮していないため 想定外の事象として留意が必要 30( 中国地方の海岸堤防は 高潮計画で決定 計画天端高不足の護岸が存在 ) 3 水門等の耐震検討や迅速な閉鎖のあり方について検討が必要 26( 土砂災害 ) ( 土砂災害 ) 1 平成 13 年芸予地震で 広島市 呉市で土砂 1 中国地方は全国で最も土砂災害危険区域が多く 地震 地震後の降雨による土砂災災害害が課題 2 平成 11 年 6.29 豪雨により 広島で土砂害発 2 広島市 呉市等には山間での開発地が多く 斜面崩壊の恐れが高い 生 ( 土砂法制定 ) 31( 中国地方は全国でも土砂災害危険区域数が多い ) ( 津波漂流物 ) 1 瀬戸内海はカキ筏等をはじめ養殖 栽培漁業が多くあることから 大量の津波浮遊物の発生が懸念 2 石油コンビナート等における防災機能の強化が必要 3 危険物運搬船の被災や大規模な油流出 コンテナ貨物の流出に備えた安全対策が必要 ( コンビナート等における災害 ) 1 瀬戸内海臨海部には化学コンビナート等や物流拠点港が多数存在しており 2 次 3 次災害の危険性が高く 閉鎖的海域であることから 被害の長期化が懸念 32( 瀬戸内海臨海部には化学工場が集積 ) 27( 液状化 ) ( 液状化 ) 1 弓浜半島でH12 鳥取西部地震による液状化 1 瀬戸内海沿岸部等に若年干拓 埋立地が分布 護岸の老朽化 陳腐化等による 耐発生 震性能不足 液状化への対応が課題 33( 瀬戸内海沿岸部に広がる干拓地 埋め立て 液状化の評価 ) 2 液状化等による護岸の沈下や倒壊によって 護岸が津波や高潮に対して防護できないおそれがある ( 長周期震動 ) 2 南海トラフで発生する地震では 長周期震動の被害も予測される 34( 住宅の耐震化率 ) 災害による機能障害 6( 中枢機能 ) 6( 市町村支援 ) ( 自治体支援 ) 1 市町村役場の被災による中枢機能の障害 2 リエゾン等市町村支援 1 リエゾン派遣など協定 普段からの情報連絡等支援準備や訓練などが必要 7( 仮設住宅 ) 7( 被災者の移転 ) ( 重要施設の安全度確保 ) 1 仮設住宅の不足 8( ライフライン途絶 ) 2 近隣県による住居の確保 8( ライフライン支援 ) 1 下水道処理施設の耐震化率は34% 程度であり や防潮堤 水門など ライフラインの重点となる施設は安全度の再評価が必要 2 河川管理施設 ( 排水機場 ) の電源確保 ( 二重化 ) 耐水化 操作盤の倒壊防止など 地震時の施設の確実な操作機能の向上が必要 35( 海岸沿いに立地する下水道処理場や役場 ) 1 電気 ガス 水道等ライフラインの途絶 2 自治体の支援 電気 ガス等については同業者等の支援 ( 避難等重要施設の耐震化 ) 1 重要施設の耐震化が遅れており 早急な整備が必要 2 堤防の耐震補強等により信頼度の向上を図り 救助や救援に活用できる施設として 連携する 36( 施設の耐震化率 ) 9( 物流機能 ) 1 津波漂流物による航路通行障害 2 道路 港湾や鉄道などの施設被害により物流ネットワークが断絶 10( 経済活動 ) 1 生産分業システムの混乱 11( 帰宅困難者 ) 1 首都圏での帰宅困難者の大量発生 9( 物流機能 ) 3 被災地港湾等が復旧するまでの間 日本海側の港湾と道路網が緊急輸送物資や燃料等の代替輸送を担務 10( 経済活動 ) 2 中国地方の臨海部産業による燃料の増産 仮設住宅用資材の増産による被災地生産機能のバックアップ 28( 交通マヒ ) 1 平成 23 年雪害により 国道 9 号が42 時間通行規制 ( 物流機能 ) 1 瀬戸内海側と日本海側の港湾と道路網の連携によるリダンダンシーの確保など 被災時の物流ネットワークは道路 港湾の連携も含め総合的に考えるべきである ( リダンダンシーの確保 ) 1 防災機能の高いバイパスの整備が必要 37( 瀬戸内海臨海部にはコンテナ バルク基地が集中 ) 38( 中国地方には 国際バルク戦略港湾 10 港のうち 4 港が所在 ) 39( 山陰道並行区間の状況 ) 8

観点 東日本大震災の教訓被災 3 県 ( 岩手 宮城 福島 ) の被害被災 3 県以外の被害被災 3 県への支援 中国地方の過去の自然災害 中国地方の課題 ( カッコ書きは特徴 ) 応急復旧 12( 緊急輸送道路の確保 ) ( 緊急輸送道路 ) 1 道路の くしの歯 作戦 13( 応急物資等支援 ) 13( 応急物資等支援 ) 29( 応急対応 ) 1 緊急物資の調達 配給 3 支援基地 ( 道の駅 SA 等 ) 1 平成 7 年阪神大震災で 道路清掃車を給水車として活用 2 河川 道路 港湾の応急復旧 2 平成 21 年九州北部山口豪雨災害で 国道 484 号へ応急仮設橋梁の架設や照明車 排 水ポンプ車による支援を実施 14( ガレキや浮遊物処理 ) 1 大量のガレキ発生による仮置場や処分場の確保困難が復 旧作業に支障 15( 排水 ) 1 仙台空港 東松島市等での集中排水 16( ライフラインの復旧 ) 1 電気 ガス 水道に比べ下水道の復旧が遅れ 17( 応急復旧 ) 1 全国から TEC-FORCE の派遣 支援 1 中国地方の都市 産業配置や中山間地域等の地域構造を踏まえた緊急輸送道路の確保が重要 ( 広域支援 ) 1 南海トラフで発生する地震に対しては より大きな被災を受ける地域への支援という視点が重要 2 大規模災害時における災害対策資材の輸送ルートの検討も必要 ( 防災拠点 ) 1 応急復旧 災害広域支援を効率的に行うためには 防災拠点 ( 高速 SA 道の駅 みなとオアシス 河川防災ステーションなど ) の確保が重要 40( 中国においては8か所の道の駅が防災拠点 ) 41( みなとオアシス16カ所において防災機能の充実が期待 ) (TEC-FORCE) 1 被災地の経験から点検の上 拡充が必要 施設計画に関する教訓 18( 施設の防災効果の再評価 ) ( 津波防災計画 ) 1 高速道路による津波防御ライン 避難地 避難路 1 中国地方の津波防御計画について L1 L2の議論の上 見直す必要 2 計画を超える津波に対し 低減効果を果たした釜石港 2 民有護岸等に関する海岸保全区域の指定等 海岸防護に関する状況把握と対応が湾口防波堤必要 3 津波による越水や戻り水 ( 引き波 ) による防潮堤や河川堤防が全壊を防御するための構造検討が必要 42( 津波高の検討 民有護岸等により 海岸防護ラインの脆弱 ) 4 事業評価にあっては 平時の機能だけでなく防災時の機能や観点も含め総合的に評価 19( 耐震対策の効果 ) ( 施設等の耐震対策 整備の推進 ) 1 構造物の耐震対策が効果を発揮 1 遅れている社会資本施設 ( 港湾 河川等護岸や橋梁など ) の耐震対策が急務であり 計画的な耐震化が必要 河川 道路 港湾 鉄道 空港 43( 河川施設等の耐震点検の遅れ ) 44( 道路橋 耐震強化岸壁などの耐震対策状況 ) 2 岸壁の等耐震強化だけでなく 背後アクセスや荷さば 2 老朽化した施設の効率的な更新が必要き用地を含めた物流機能全体としての耐震が不十分 20( ネットワークの構築 ) 1 高速道路ネットワークの重要性 ( ネットワークの構築 ) 1 山陰自動車道等のミッシングリンクの解消が急務 45( 建設から 50 年以上経過した橋梁 ) 46( 山陰道などの ミッシングリンク ) 避難 ソフト対策等 21( 被災者 ) ( 地域の防災体制の再構築 ) 1 被災者は災害弱者が多数 ( 逃げ遅れ ) 1 災害時に孤立化する限界集落への救済は急務である 救援のための道路整備や体制づくり等が課題 2 警報やハザードマップの情報が想定以上の津波来襲 47( 中山間地域の限界集落 高齢化 ) に対し 適切な避難の妨げとなった可能性 3 水門の管理者や防災担当者が津波から逃げ遅れた 48( 平成の大合併による災害対応力の低下 ) 4 避難所以外の国の庁舎等への避難があった 2 復旧 復興の原動力である地域の建設業者の弱体化 保有機械の減少が続いており 防災体制の再構築が課題 49( 地元建設業者の弱体化 保有機械の減少 ) 3 臨海部の避難施設の確保 施設避難における非常電源 物資等の備蓄が必要 22( 被災調査 ) 22( 被災調査 ) ( 被災調査 ) 1 ヘリコプターによる災害直後の被災調査 2 TEC-FORCEによる被災地調査 1 被災時の初期調査は重要であり 体制整備とともに ヘリコプターの整備等の拡充が必要 23( 情報の共有化 情報発信 ) 22( 通信 ) ( ハザードマップ ) 1 道路迂回情報 復旧情報の共有化 3 衛星通信による被災地の通信手段確保 1 避難所の質的情報 ( 高さなどの安心度 ) も含めた避難所確保が必要 2 東北地方整備局のHP 活用した首長のメッセージ 24( 関係機関の協力 ) 1 民間建設業との災害協力協定 2 民間船舶業者からの輸送船舶確保 3 全国の整備局が海面清掃船等を派遣し 漂流物を回収 24( 経済活動 ) 4 中国地方国際物流戦略チームによる取組み ( 関係機関の協力 ) 1 災害対応には 住民 行政 専門家とともにマスコミの協力も必要 2 瀬戸内海 海の路の利用振興を通じた 平時の観光ルート 非常時の物資等輸送ルートなどの防災ネットワークの強化が必要 50( 海の路ネットワーク推進協議会 ) 3 企業 BCP だけでなく サプライチェーンや地域の防災力強化のための広域 BCP( 港湾 BCP など ) を促進が必要 51( 港湾 BCP) 9