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DG2013-02 推奨すべき標準溶液の調製法 大住孝彦 1, 上野聡子 2, 神波亜矢子 3, 栗山早織 4, 野田巧 6, 山口建 7, 山口高司 8, 若松明 9, 服部芳明 10 大塚製薬株式会社 1, 味の素製薬株式会社 2, 田辺三菱製薬株式会社 3, 日本新薬株式会社 4, 小野薬品工業株式会社 6, 株式会社住化分析センター 7, 日精バイリス株式会社 8, グラクソ スミスクライン株式会社 9, コアメッド株式会社, 元科研製薬株式会社 10 5 th JBF Symposium, DG2013-02 1

マイクロピペットの使用について プッシュボタン式液体用微量体積計 ( 以下 マイクロピペット ) には エアーディスプレイスメント方式およびポジティブディスプレイスメント方式が存在する ポジティブディスプレイスメント方式は ピストンが液体と直接接触するため 揮発性の高い有機溶媒などを使用した際のクロスコンタミネーションを完全に防ぐ また キャピラリー内部で完全にピストンを押し下げ 吸引した液体を残すことなく完全に吐き出すため エアーディスプレイスメント方式よりも高い精度を有する このため 本 DG(DG2013-02) に関する項目でマイクロピペットの記載がある際には ポジティブディスプレイスメント方式を推奨し それを意図するものである 5 th JBF Symposium, DG2013-02 2

メスフラスコとホールピペットの許容差 メスフラスコ 容量 10 20 50 100 200 250 500 1000 許容差 ±0.025 ±0.04 ±0.06 ±0.1 ±0.15 ±0.15 ±0.25 ±0.4 精度 (%) 0.25 0.2 0.12 0.1 0.075 0.06 0.05 0.04 ホールピペット 容量 0.5 2 5 10 20 25 50 許容差 ±0.005 ±0.01 ±0.015 ±0.02 ±0.03 ±0.03 ±0.05 精度 (%) 1 0.5 0.3 0.2 0.15 0.12 0.1 容量, 許容差の単位 :ml 上記の体積許容差はクラス A のもの (JIS R3505-1994) 精度 : 許容差 / 容量 100 ホールピペットは容量欄の表示最大容量で計算 5 th JBF Symposium, DG2013-02 3

マイクロピペットの種類と精度の一例 容量固定式マイクロピペット 容量 (μl) A 社製 B 社製 精度 (%) 再現性 (%) 精度 (%) 再現性 (%) 10 ±1.2 <0.6 ±1.0 <0.5 100 ±0.6 <0.2 ±0.6 <0.2 1000 ±0.6 <0.2 ±0.6 <0.2 容量可変式マイクロピペット 容量 (μl) 手動式 電動式 精度 (%) 再現性 (%) 精度 (%) 再現性 (%) 0.5~10 ±2.5(1) <1.8 ±2.5(0.5) <1.8 20~200 ±2.5(20) <0.7 ±1.5(10) <0.7 100~1000 ±3.0(100) <0.6 ±0.6(50) <0.5 精度 :() 内の容量における精度 メトロームジャパン株式会社 HP より一部引用 http://www.metrohm.jp/ic_application/column_14.html 5 th JBF Symposium, DG2013-02 4

DG2013-02 1. 標準物質の秤量作業 Trial DG:DG-1 標準溶液の調製手法 アンケート 1 秤量作業 山口高司服部芳明 日精バイリス株式会社元科研製薬株式会社現コアメッド株式会社 5 th JBF Symposium, DG2013-02 5

1-1 標準物質の秤量 1.4. 秤量に使用する天秤の種類 1.5. 使い分けの基準 1.10 標準物質の採取について よく用いられる秤量値と採取容器 標準物質の秤量値は 4 桁以上有することが推奨される 秤量値が 10 mg 以上の場合 セミミクロ天秤 ( 最終表示 0.01 mg まで ) 又はミクロ天秤 ( 最終表示 0.001 mg まで ) を使用する 秤量値が 10 mg 未満の場合 原則としてミクロ天秤を使用する 科学的に妥当 ( 例えば 相対誤差 :0.1% 以下など ) であると判断できれば 秤量値は 3 桁でも構わない したがって 秤量値が 10 mg 未満の場合でも セミミクロ天秤を使用できる 5 th JBF Symposium, DG2013-02 6

1-2 秤量操作 ( ミクロ天秤使用時 ) 1.11. 秤量操作 一定量を精密に採取 ( 天秤の精度に合わせて採取 ) する 例えば ミクロ天秤で 4 mg を秤量する場合 4.000 mg 採取する あるいは 目標秤量値より多く秤量し その秤量値に対して溶媒を添加する 例えば 秤量値が 4.040 mg となった場合 メスアップ後に追加で 1% 分の溶媒を添加する 添加には 精度に問題ないことが確認された器具 ( 例 : マイクロピペット ) を用いる 一定量を正確に採取 ( 指定した数値に合わせて採取 ) する 例えば ミクロ天秤で 4 mg を秤量する場合 3.995~4.004 mg の範囲で採取し 4.00 mg で取り扱う 5 th JBF Symposium, DG2013-02 7

1-2 秤量操作 ( ミクロ天秤使用時 ) ~ 続き ~ 1.11. 秤量操作 採取量に対して所定濃度となるように溶媒を添加する 例えば 調製濃度が 1 mg/ml で目標秤量値を 2.000 mg とした場合 実際の秤量値は 1.910 mg でも 2.200 mg でもよく その秤量値に合わせて 1.910 ml や 2.200 ml の溶媒を添加する 精度をより高めるため 溶媒の添加量は 10 ml 未満かつマイクロピペットの使用が推奨される * 代謝物のような量の少ない化合物をミクロ天秤で秤量する場合は 上記の方法が有用と考えられる 5 th JBF Symposium, DG2013-02 8

1-3 定量値の有効桁数の設定 1.12. 定量値の有効桁数の設定 秤量値の桁数は 定量値 ( 生体試料中の薬物濃度 ) の桁数より大きいことが推奨される 例えば 定量値を有効数字 3 桁で求める場合 秤量値は 4 桁以上であることが推奨される 秤量値の桁数と定量値の桁数は同じ 5 th JBF Symposium, DG2013-02 9

DG2013-02 2. 標準物質の純度の扱い Trial DG:DG-1 標準溶液調製 アンケート 2 秤取量補正 山口建上野聡子 株式会社住化分析センター味の素製薬株式会社 5 th JBF Symposium, DG2013-02 10

2-1 秤取量補正 2.1 秤取量補正の対象及びその測定方法 2.7 内標準物質の補正 2.2-3 秤取量補正の方法及び補正の規定値 2.8 標準原液の調製方法 2.4-6 目標秤量値 塩 ( 塩酸塩など ) や水和物を除いた遊離体量として量り取る 純度 補正を行う 補正の際に根拠とする数値は 有効 4 桁以上の数値を用いることが望ましい 標準操作手順書などで定めている基準を満たす場合 純度補正を行わない対応も可能である 量り取り及び有効数字に関しては上記の と同様とする 例 )1 塩酸塩化合物の補正遊離体分子量 :500.1 塩酸分子量 :36.41 純度 :90.00% 遊離体 10.00mg を溶媒 10mL に溶解させる場合の秤量値 塩 補正 10.73mg (10 536.5/500.1) & 純度 補正 11.92mg (10 536.5/500.1 1/0.9000) 5 th JBF Symposium, DG2013-02 11

2-2 複数化合物測定時の標準物質 *) *) 未変化体 / 代謝物の同時測定系の測定対象化合物を含有する場合 2.13 標準物質中に他の測定対象化合物が不純物として含まれる場合 未変化体 / 代謝物の同時測定系を立ち上げる場合 各々の測定対象物質の定量に影響を及ぼさない標準物質を用いる必要がある ある測定対象物質の標準物質中に他の測定対象物質が不純物として含有する場合は マトリックスへの添加量 / 濃度などを工夫し 各々の測定対象物質が定量可能な測定系の立ち上げを行う 5 th JBF Symposium, DG2013-02 12

2-3 秤取量補正の根拠数値の更新 2.14 リテストにて Certificate Of Analysis(COA) が発行された場合の数値の取り扱い 最新のリテストの純度を使用する バリデーション試験 /TK PK 測定などにおける試験に使用する純度の更新は リテスト直後の標準原液の調製時からとする 例えば 新たな COA 発行前に調製された標準原液 / 標準溶液については 調製時点の COA の純度を引き続き使用可能であり 更新された純度による TK/PK サンプル濃度の再計算は必要としない 標準操作手順書などで定めている基準を満たす場合 試験実施中は初期値を使用する 5 th JBF Symposium, DG2013-02 13

DG2013-02 3. 標準溶液調製 Trial DG:DG-1 標準溶液調製 アンケート 3 標準溶液調製 野田巧栗山早織 小野薬品工業株式会社日本新薬株式会社 5 th JBF Symposium, DG2013-02 14

3-1 標準原液を調製するときの容器 3.1 標準原液を調製するときの容器の規定は? 安定性 使用溶媒 吸着性などを考慮して使用する容器を選択し SOP あるいは試験計画書で規定する SOP 及び試験計画書で使用する容器を規定しなかった場合 使用した容器を生データに記録する 特になし 5 th JBF Symposium, DG2013-02 15

3-2 標準原液の調製方法 3.2 標準原液を調製するときの容器は? 3.4 どの器具をガラス製以外で使用? 3.3 ガラスへの吸着のある化合物の取扱いは? 4.4 標準原液を調製するときの添加器具は? 原則メスフラスコを用い 10 ml 以上を調製する 目標値より多く精密に秤量した場合 マイクロピペットを用いて必要な溶媒を添加する 吸着が懸念される場合 吸着しない容器あるいはコーティング ( シリル化など ) した容器を用いる 精密に採取した採取量に応じた溶媒をマイクロピペットを用いて添加する 特になし 5 th JBF Symposium, DG2013-02 16

3-3 超音波装置の使用 3.5 難溶解性物質の溶解方法について 超音波装置を用いる場合の取り決めは? 3.6 どこで取り決めていますか? 使用する超音波装置を SOP あるいは試験計画書に記載する SOP 及び試験計画書で使用する超音波装置を規定しなかった場合 使用した超音波装置を生データに記録する 特になし 5 th JBF Symposium, DG2013-02 17

3-4 標準溶液の希釈 3.8 標準溶液の希釈についての取り決めは? 3.10 最大希釈倍率は? 希釈回数は 3 回を上限とし 希釈倍率については上限を定めない 3 回を上回る希釈の妥当性が確認できる場合 希釈回数の制限を設けない 特になし 5 th JBF Symposium, DG2013-02 18

3-5 標準溶液の希釈に使用する器具 3.9 標準溶液の希釈に用いる器具は? 希釈に用いる器具を原則メスフラスコおよびホールピペットとする メスフラスコおよびマイクロピペットを用いて調製する マイクロピペットを用いて調製する その場合 溶解溶液と希釈溶液が同一でなければならない ( 異なる場合 混合によって容積変化が生じるため ) 5 th JBF Symposium, DG2013-02 19

3-6 標準溶液調製に使用する溶媒 3.11 希釈を行う際 原液を調製する溶媒と同じ溶媒を使用? 3.12 Yes の方 取り決めは? 3.13 No の方 何で希釈? 溶解度などに問題がない限り 標準原液と標準溶液の溶媒は同じであることが望ましい 化合物の溶解度 標準溶液の扱いやすさなどから 標準原液と標準溶液について異なる溶媒を選択する場合 使用する溶媒についてはあらかじめ規定しておく また 混合によって容積変化が生じるため メスアップを必須とする 特になし 5 th JBF Symposium, DG2013-02 20

3-7 標準原液調製の妥当性評価 3.14 標準原液調製の妥当性評価を実施しますか? 3.16 どのように実施? 3.15. どこで規定? 3.17. 何で確認? 標準原液調製の妥当性評価のため 同時に 2 系列の標準原液を調製し 試験に用いる機器で確認する 必ずしも 2 系列の標準原液を同時に調製する必要はないが 標準原液の妥当性評価を実施する 例えば 同じ試験ならびに別の試験で異なる時期 ( 安定性が確認されている期間内 ) に調製した標準原液を比較して確認する 特になし 5 th JBF Symposium, DG2013-02 21

3-8 標準原液調製の妥当性評価における基準 3.18 標準原液調製の妥当性評価の基準は? 同時に調製した 2 系列の標準原液を比較し ±5% 以内であれば適合とする 同時に調製した 2 系列の標準原液または異なる時期に調製した標準原液を比較し SOP や試験計画書で定めた基準以内であれば適合とする 前処理した検量線および QC 試料を測定し ±15% 以内であれば適合とする 5 th JBF Symposium, DG2013-02 22

3-9 標準溶液 (WS) の調製容量 3.19 標準溶液の調製容量は? WS を保存して使用する場合 調製容量は 10 ml 以上であることが望ましい 保存安定性の問題 マトリックスで希釈するなど WS を用時調製する場合 1 ml 以下であっても マイクロピペットを用いて調製できる 特になし 5 th JBF Symposium, DG2013-02 23

DG2013-02 4. 標準溶液の安定性評価 Trial DG:DG-1 標準溶液調製 アンケート 4 安定性評価 若松明神波亜矢子 ク ラクソ スミスクライン株式会社田辺三菱製薬株式会社 5 th JBF Symposium, DG2013-02 24

4-0 標準原液の有効期限 1.9. 標準物質の有効期限の取り扱い 標準原液は 有効期限内の標準物質を用いて調製する 標準原液の有効期限は 標準原液の安定性が保証された期間で規定する * ただし FDA が発出した BMV のドラフトガイダンスでは 標準物質の有効期限内に標準原液を使用することが推奨されている 5 th JBF Symposium, DG2013-02 25

4-1 標準原液の保管 ( 小分け, 容器の材質 ) 4.1. 標準原液 (Stock solution) 保管時の小分け 4.2. 標準原液 (Stock solution) の保存容器の材質は 化合物および溶媒の特性 ( 安定性 吸着性 揮発など ) やコンタミンの懸念に応じて 小分けを考慮する 標準原液 (Stock) の保存容器はガラスを基本とし 化合物の特性に応じて選択する. ガラス以外の容器を使用する場合, 保存容器からの溶出物が分析に影響を及ぼさないことを確認する 5 th JBF Symposium, DG2013-02 26

4-2 冷蔵 遮光保存標準原液, 標準溶液の使用時の取扱い 4.3. 標準原液 (Stock solution) が冷蔵 遮光保存の場合 使用時も同条件で使用するか? 4.7. 標準溶液 (Working solution) が冷蔵 遮光保存の場合 使用時も同条件で使用するか? 冷蔵保管の場合 室温に戻して使用する 遮光保存の化合物 光に弱い化合物を取り扱う際には, 暗室や UV カットランプの使用, 電灯を消すなどの対応をするなお 物性 安定性データにより光に弱いと特定されない化合物については 上記対応を必須としない 5 th JBF Symposium, DG2013-02 27

4-3 一定期間保管した標準原液 (Stock) を用いて調製した標準溶液 (Working) の使用期限は? 4.8. 標準原液を調製して 2 週間後に調製した標準溶液の使用期限は? ( 標準原液 (Stock) 標準溶液 (Working) の安定性はともに 1 カ月 ) 標準原液の安定性の期間内に標準溶液を使用する ( たとえば 標準原液 (Stock) 標準溶液 (Working) の安定性はともに 30 日間で 14 日間保管した標準原液から調製した標準溶液は 16 日以内 ( 原液調製後 30 日以内 ) に使用する ) 標準溶液の安定性に不安定な傾向が認められない場合に限り, 原液の安定性保証期間に依存することなく 標準溶液調製時からの安定性の保証期間使用可とする ( たとえば 標準原液 (Stock) 標準溶液 (Working) の安定性はともに 30 日間で 14 日間保管した標準原液から調製した標準溶液は 標準溶液調製時から 30 日間使用可とする ) 5 th JBF Symposium, DG2013-02 28

4-4 標準原液 標準溶液の安定性確認方法 ~その1~ 4.11. 標準原液 (Stock) の安定性の確認方法は?4.13. 標準原液 (Stock) の安定性評価の測定方法 4.14. 標準溶液 (Working) の安定性確認方法は?4.16. 標準溶液 (Working) の安定性評価の測定方法 分析試料標準原液 標準溶液とも LC 移動相 (GC の場合注入溶媒 ) で機器のダイナミックレンジ内になるよう適宜希釈したものを分析試料とする. 対照新たに標準物質から調製した標準原液 標準溶液を対照とする. 標準溶液の対照については 安定性の保証期間内である標準原液を用いて調製してもよい. 機器原則として試験に用いる機器で評価する 目的に応じて使用する機器を変更しても良い ( 標準原液の評価には LC/UV が有用の場合がある ). 5 th JBF Symposium, DG2013-02 29

4-4 標準原液 標準溶液の安定性確認方法 ~その2~ 4.11. 標準原液 (Stock) の安定性の確認方法は?4.13. 標準原液 (Stock) の安定性評価の測定方法 4.14. 標準溶液 (Working) の安定性確認方法は?4.16. 標準溶液 (Working) の安定性評価の測定方法 評価法 LC/MS,GC/MS で評価する場合は, 標準物質と内標準物質のピーク強度比で評価する.LC/UV,LC/FL などで評価する場合は, 標準物質のピーク強度で評価してもよい 条件化合物の特性, 使用予定期間, 使用時の保管条件に応じて設定する標準原液 (Stock), 標準溶液 (Working) を室温以外で保管する場合は, 使用時に室温に戻す必要があるため 室温における安定性 (24 時間など ) も確認する 5 th JBF Symposium, DG2013-02 30

4-5 標準原液 標準溶液の安定性の評価基準は? 4.12. 標準原液 (Stock) の安定性評価の判定基準は? 4.15. 標準溶液 (Working) の安定性評価の判定基準は? 新たに調製した溶液と保管溶液について その差が標準溶液では 5% 以内, 標準溶液では 10% 以内とする 不安定さが懸念される化合物 ばらつきの多い化合物では n=5 以上での実施を検討する 新たに調製した溶液と保管溶液について 妥当な比較法及び基準を SOP や試験計画書で定める 5 th JBF Symposium, DG2013-02 31

4-6 IS 原液 (IS Stock)IS 溶液 (IS Working) の安定性評価 4.17. IS 原液 (IS Stock) IS 溶液 (IS Working) の安定性評価の対応は? IS 原液 IS 溶液の安定性を確認する場合, 標準原液 標準溶液と同様の方法で確認する 測定バッチ内で測定に問題ないことを確認する ( たとえば 1 ラン (1 分析単位 ) 中の IS ピーク強度のばらつきが あらかじめ規定した範囲内であることを確認するなど ) 5 th JBF Symposium, DG2013-02 32

4-7 標準溶液 (Working) の安定性評価の濃度 ( 原液と溶液で溶媒同じ 異なる ) 4.18. 標準溶液 (Working) の安定性評価の濃度は? ( 標準原液 Stock と標準溶液 Working で溶媒が同じ場合 ) ( 標準原液 Stock と標準溶液 Working で溶媒が異なる場合 ) 標準溶液 (Working Solution) のうち最高と最低濃度で検討する. ただし 標準原液と標準溶液の溶媒が同じ場合は最高濃度評価に標準原液の評価結果 (*) を当てることができる (*)4-4 項. 標準原液 標準溶液の安定性確認方法参照 5 th JBF Symposium, DG2013-02 33

4-8 複数化合物の標準溶液 (Working) の安定性評価の方法は? 4.20. 複数化合物の標準溶液 (Working) の安定性評価の方法は? 混液で評価する単液で保管する場合は 単液で評価する 5 th JBF Symposium, DG2013-02 34

4-9 バリデーションにおいて混液で安定性を評価し 本測定において評価対象の化合物数を減らした場合の対応 4.21. 本測定で化合物数が減った場合 ハ リテ ーションと同じ化合物数の溶液? ( ハ リテ ーションで複数化合物の標準溶液 (Working) 安定性を確認した場合 ) 標準溶液の化合物数は減らさないバリデーションと同条件で標準溶液 (Working) を調製する 化合物を減らすことによる化合物間の相互の影響 測定への影響 安定性への影響 がないことを確認 したうえで 化合物数を減らした標準溶液を調製する ( 例えば 混液と単液として調製した標準溶液の各分析対象物のピーク強度を比較して確認するなど ) 5 th JBF Symposium, DG2013-02 35

4-10 凍結する溶媒 ( 水やDMSO) 使用時小分けする? その安定性は? 4.23. 凍結する溶媒 ( 水や DMSO) を使用した場合 小分けする? 4.24. 小分けしない場合の安定性評価方法 凍結する条件で保存する場合は,1 回の凍結融解の安定性を確保したうえで小分けする. または, 小分けせず凍結融解の安定性 ( 回数は使用する頻度による ) を評価する 5 th JBF Symposium, DG2013-02 36