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3-4 クリニカルクエスチョンの設定 CQ-9 スコープで取り上げた重要臨床課題 (Key Clinical Issue) JCOG9907の結果より,Ⅱ/Ⅲ 胸部食道癌に対しては, 術後補助化学療法と比較して術前補助化学療法の有意性が示され, 術前補助化学療法 + 手術が現時点で日本において標準治療となっている. 欧米では術前補助化学放射線療法の有用性を検証したランダム化比較試験が報告されているが, わが国での術前化学放射線療法のランダム化比較試験はなく, 術前治療として推奨するだけの十分な根拠は得られていない. CQ の構成要素 P (Patients, Problem, Population) 性別年齢疾患 病態地理的要件その他 指定なし指定なし Ⅱ/Ⅲ 胸部食道癌に対して術前化学放射線療法を行った患者なしなし 術後化学放射線療法 / 手術単独 I (Interventions)/C (Comparisons, Controls) のリスト O (Outcomes) のリスト Outcomeの内容 益か害か 重要度 採用可否 O1 5 年生存率 益 10 点 O2 O3 O4 O5 O6 O7 O8 O9 O10 点点点点点点点点点 作成した CQ cⅡ, Ⅲ 食道癌に対して手術療法を中心とした治療を行う場合 術前化学療法 術後化学療法 術前化学放射線 療法の何れを推奨するか?

4-2 文献検索フローチャート PRISMA 声明を改変 NGC NICE PubMed Cochrane 医中誌 EMBASE WHO PsycINFO CINAHL Others( ) 376 266 87 Total records identified through Additional records identified through database searching (n = 729 ) other sources (n = 4 ) Records screened (1st Screening) Records excluded (n = 733 ) (n = 678 ) Full-text articles assessed for eligibility (2nd Screening) (n = 55 ) Full-text articles excluded, with reasons (n = 35 ) Studies included in qualitative synthesis (n = 20 ) Studies included in quantitative synthesis (meta-analysis) (n = 4 )

4-3 二次スクリーニング後の一覧表 文献研究デザイン P I C O 除外コメント Ando N et al. Ann Surg Oncol. 2012;19:68-74 Kelsen DP et al. N Engl J Med. 1998; 339(27): 1979-84. Law S et al. J thoracic Cardiovasc Surg. 1997; 114(2): 210-7. Medical Research Counsil Oesophageal Cancer Working Group. Lancet. 2002; 359(9319): 1727-33. Cunningham D et al. N Eng J Med. 2006; 355(1):11-20 Walsh TN et al. N Engl J Med. 1996; 335(7): 462-467. Shapiro J et al. Lancet Oncol. 2015; published online RCT 330. RCT 440. RCT 147 RCT 802 RCT 503 RCT 113 RCT 368 chemoradio thera preceded by alone alone alone alone alone chemoradia tion thera alone Tepper J et al. J Clin Oncol. 2008;26:1086-1092 RCT 56 chemoradia tion thera alone Bosset J et al. N Eng J Med. 1997;337:161-167 Urba SG et al. J Clin Oncol. 2001; 19(2): 305-313. RCT 297 RCT 100 Lee JL et al. Ann Oncol.2004; 15(6): 947-954. RCT 101. Burimeister BH et al. 2005; 6(9): 659-668. Le Prise E at al. Cancer. 1994; 73(7): 1779-84. RCT 128 RCT 86 chemoradia tion thera alone chemoradia tion thera alone chemoradia tion thera alone chemoradia tion thera alone chemoradia tion thera alone

Apipop C et al. Hepatogastroente rology. 1994; 41(4): 391-93. Nygaard K et al. World J Surg. 1992;16(6): 1104-9 Lv J et al. World J Gastroenterol. 2010;16:1649-54 Mariette C et al. J Clin Oncol. 2014; 32: 2416-2422 Natsugoe S et al. Diseases of Esophagus.2006;1 9:468-472 Stahl M et al. J Clin Oncol. 2009;27:851-856 RCT 69 RCT 186 RCT 238 RCT 195 RCT 53 RCT 126 chemoradia tion thera alone chemoradia tion thera alone chemoradia tion thera alone chemoradia tion thera alone chemoradia tion thera alone followed by chemoradio thera followed by Nakamura K et al. Jpn J Clin Oncol. 2013;43:752-755 RCT 501 will be accrued chemoradia tion thera followed by

4-5 評価シート介入研究 診療ガイドライン 食道癌診療ガイドライン対象 Ⅱ/Ⅲ 胸部食道癌介入術前化学放射線療法対照手術単独療法 * 各項目の評価は " 高 (-2)" " 中 / 疑い (-1)" " 低 (0)" の 3 段階まとめは " 高 (-2)" " 中 (-1)" " 低 (0)" の 3 段階でエビデンス総体に反映させる 各アウトカムごとに別紙にまとめる アウトカム 5 year 個別研究バイアスリスク * 研究コード 研究デザイン 選択バイアス ランダム化 コンシールメント 実行バイアス 盲検化 検出バイアス 盲検化 症例減少バイアス ITT アウトカム不完全報告 選択的アウトカム報告 その他 早期試験中止 その他のバイアス まとめ 非直接性 * 対象介入対照 アウまとトカムめ Shapiro J RCT 0 0-1 -1 0 0 0 0 0 0-1 -1 0 0 0 188 126 67 178 97 54 RR 0.98 0.84-1.15 Bosset J RCT 0 0-1 -1 0 0 0 0 0 0-1 -1 0 0 0 139 95 68 143 96 67 RR 0.71 0.37-1.35 Natsugoe S RCT 0-1 -1-1 -1 0 0 0 0 0-1 0 0 0 0 23 13 57 20 8 40 RR 0.94 0.79-1.11 Mariette C RCT 0 0-1 -1 0 0 0 0 0 0-1 0 0 0 0 96 73 76 98 70 71 RR 0.81 0.69-0.96 対照群分母 リスク人数 ( アウトカム率 ) 対照群分子 (%) 介入群分母 介入群分子 (%) 効果指標 ( 種類 ) 効果指標 ( 値 ) 信頼区間 コメント ( 該当するセルに記入 ) Shapiro J 盲検化は行われていなアウトいカムが 測定プラ者のセボ記載投与なしは非現実的である. Iを含み IIIBや IIICを含んでいない. carbo platin と paclit axel による化学療法を行っ ている. Bosset J センター割り付けでランダム化 盲検化は行われていなアウトいカムが 測定プラ者のセボ記載投与なしは非現実的である. 化学 療法 Iを含はみ CDD Pの IIIをみで含ん施行でいしてない. いる. Natsugoe S 登録センターや中央化の記載がなく不明. 盲検化は行われていないが プラセボ投与は非現実的である. アウトカム測定者の記載なし IV の患者も含まれている. Mariette C 盲検化は行われていなアウトいカムが 測定プラ者のセボ記載投与なしは非現実的である. I および II の患者を対象としている.

4-7 評価シートエビデンス総体 診療ガイドライン 食道癌診療ガイドライン 対象 Ⅱ/Ⅲ 胸部食道癌介入術前化学放射線療法対照手術単独療法 エビデンスの強さは RCT は " 強 (A)" からスタート 観察研究は弱 (C) からスタート * 各ドメインは " 高 (-2)" " 中 / 疑い (-1)" " 低 (0)" の 3 段階 ** エビデンスの強さは " 強 (A)" " 中 (B)" " 弱 (C)" " 非常に弱 (D)" の 4 段階 *** 重要性はアウトカムの重要性 (1~9) エビデンス総体 リスク人数 ( アウトカム率 ) アウトカム 研究デザイン / 研究数 バイアス 非一 不精 リスク貫性 * 確 * * 非直接性 * その他 ( 出版バイアスなど )* 上昇要因 ( 観察研究 )* 対照群分母 対照群分子 (%) 介入群分母 介入群分子 (%) 効果指標 ( 種類 ) 効果指標統合値 信頼区間 エビデンスの強さ ** 重要性 *** コメント 5 year RCT/ 4-1 0 0-1 0 0 446 307 69 439 271 62 RR 0.9 0.82-1.00 強 (A) 9 コメント ( 該当するセルに記入 )

4-8 定性的システマティックレビュー P cⅡ, Ⅲ 食道癌に対して手術療法を中心とした治療を行う場合 術前化学療法 術後 CQ 化学療法 術前化学放射線療法の何れを推奨するか? I IVの患者に対して手術を行った場合も含まれている. I C 日本では一般的に術後補助化学療法は CDDP+5-FU である. 術前補助化学療法と術後補助化学療法の比較. 術前化学放射線療法と手術単独の比較. 臨床的文脈 JCOG9907 の結果より Ⅱ/Ⅲ 胸部食道癌に対しては 術後補助化学療法に対して術前補助化学療法の有意性が示されており, 術前補助化学療法が標準的治療とされている. 術前補助化学放射線療法についてのわが国でのランダム化比較試験はないが, 術前化学放射線療法と手術単独の比較では術前化学放射線療法の有意性が示されている. O1 非直接性のまとめ バイアスリスクのまとめ 5 年生存率 エビデンス総体では pⅠ や Ⅳ が含まれている また術後補助化学療法にカルボプラチン, パクリタキセルが使用されているものがある. 術前化学放射線療法では放射線照射量は一定しない. バイアスリスクの少ない RCT が 4 つである. 非一貫性その他のまとめ コメント O2 O3

4-9 メタアナリシス CQ cⅡ, Ⅲ 食道癌に対して手術療法を中心とした治療を行う場合 術前化学療法 術後化学療法 術前化学放射線療法の何れを推奨するか? P C Ⅱ Ⅲ 胸部食道癌で手術を行った患者 手術単独 RCT 4 I O 術前化学放射線療法 5 年生存率 研究デザイン 文献数 番号 モデル ランダム効果 方法 Rev Man 5.2 効果指標 リスク比 統合値 0.90 ( 0.82-1.00 ) P= 0.05 Forest plot コメント : メタアナリシスでは手術単独の患者に対して術前化学放射線療法を行った患者の有意性は示されなかった. Funnel plot コメント : その他の解析 コメント : メタリグレッション 感度分析

4-10 SR レポートのまとめ SctageⅡ Ⅲ 胸部食道癌患者に対して, 術前補助化学療法, 術後補助化学療法, 術前化学放射線療法の何れが推奨されるかという CQ に対して文献検索を行ったところ, PubMed:376 件,Cochrane:266 件, 医中誌 :86 件, その他 :4 件が1 次スクリーニングされた. 2 次スクリーニングを終えて, 術前補助化学療法と術後補助化学療法を比較するRCT が1 件, 術前補助化学療法と術前化学放射線療法を比較するRCTが 1 件, 術前化学療法と手術単独を比較する RCTを 4 件, 術前化学放射線療法と手術単独を比較するRCTを 13 件抽出した. 術前補助化学療法と術後補助化学療法を比較するRCT(JCOG9907) の結果, 切除可能な II III 胸部食道癌症例ではシスプラチン,5-FUによる術前補助化学療法の施行により全生存期間が有意に改善することが示された. シスプラチン,5-FUによる術前補助化学療法はわが国での標準治療として位置付けられている. 一方で術前補助化学療法と術前化学放射線療法について比較するRCTでは術前化学放射線療法が有用である可能性が示されていが, 有意な差は認めなかった. 対象が食道胃接合部腺癌であること等などから, 本 CQで対象とする集団と異なっており, 現時点ではわが国での標準治療として推奨するだけの十分な報告は認めていなかった. 術前化学放射線療法についてはわが国でのRCT はなく, 術前化学放射線療法と手術単独を比較するRCTのうち5 年生存率をアウトカムとした4 件のRCTに対して定性的システマティックレビュー, メタアナリシスを行った.4 件のRCTはいずれも質の高いRCT であった. しかし一部 Iや IVが含まれており, また化学療法にカルボプラチン, パクリタキセルが使用されているものや, シスプラチンのみ使用するものが含まれていた. バイアスリスクは低かった.5 年生存率について有意差を認めていたのは 4つのRCTのうち1 つであり, メタアナリシスでは術前化学放射線療法により5 年生存率が延長する傾向はみられたものの有意な差は認めなかった. 現在進行中のJCOG1109は術前補助化学療法と術前化学放射線療法を比較するRCTであり, 結果がまたれる. 以上より推奨文以下のようになる. 推奨事項 : 切除可能 II III 胸部食道癌患者に対して術前補助化学療法を強く推奨する. わが国で 術前治療として術前化学放射線療法を推奨するだけの十分な根拠はない.

5-1 推奨文章案 1. CQ Ⅱ Ⅲ 食道癌に対して手術療法を中心とした治療を行う場合 術前化学療法 術後化学療法 術前化学放射線療法の何れを推奨するか? 2. 推奨草案 II III 食道癌に対して手術療法を中心とした治療を行う場合 術前化学療法を行うこと強く推奨する 3. 作成グループにおける 推奨に関連する価値観や好み ( 検討した各アウトカム別に 一連の価値観を想定する ) 本 CQ に対する推奨作成にあたっては 5 年全生存率 補助療法に伴う死亡率の増加を重要視した 4. CQ に対するエビデンスの総括 ( 重大なアウトカム全般に関する全体的なエビデンスの強さ ) A( 強 ) B( 中 ) C( 弱 ) D( 非常に弱い ) 5. 推奨の強さを決定するための評価項目 ( 下記の項目について総合して判定する ) 推奨の強さの決定に影響する要因判定説明 アウトカム全般に関する全体的なエビデンスが強い 全体的なエビデンスが強いほど推奨度は 強い とされる可能性が高くなる 逆に全体的なエビデンスが弱いほど 推奨度は 弱い とされる可能性が高くなる はい いいえ JCOG9907 によりエビデンスレベルは A 益と害のバランスが確実 ( コストは含まず ) 望ましい効果と望ましくない効果の差が大きければ大きいほど 推奨度が強くなる可能性が高い 正味の益が小さければ小さいほど 有害事象が大きいほど 益の確実性が減じられ 推奨度が 弱い とされる可能性が高くなる はい いいえ 術前化学療法と術後化学療法では益と害のバランスが確実 推奨の強さに考慮すべき要因患者の価値観や好み 負担の確実さ ( あるいは相違 ) 正味の利益がコストや資源に十分に見合ったものかどうかなど 術前化学療法と術後化学療法では患者の意向はあまり関与しないと考えられる 明らかに判定当てはまる場合 はい とし それ以外は どちらとも言えないを含め いいえ とする