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70 頭頸部放射線療法 放射線化学療法

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佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

2) 抄読会への参加 発表 4) 優良歯科医講習会に参加 1 本会 ( 月 1 回開催 ) に参加し 歯学日本歯科放射線学会教育委員会主催領域の知識や情報を獲得するとともエックス線優良歯科医講習会に参加に 論文作成法について学ぶ し 撮影原理 解剖 診断の基礎を学 2 発表経験を通して プロダクトの

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

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一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

外来在宅化学療法の実際

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

要望番号 ;Ⅱ-24 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 8 位 ( 全 33 要望中

北海道医療大学歯学部シラバス

口腔インプラント学講座

頭頚部がん1部[ ].indd

密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

プログラム

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がん登録実務について

医科_第20次(追加)審査情報提供(広報用)

インプラント周囲炎を惹起してから 1 ヶ月毎に 4 ヶ月間 放射線学的周囲骨レベル probing depth clinical attachment level modified gingival index を測定した 実験 2: インプラント周囲炎の進行状況の評価結紮線によってインプラント周囲

1 BNCT の内容 特長 Q1-1 BNCT とは? A1-1 原子炉や加速器から発生する中性子と反応しやすいホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませ 中性子とホウ素薬剤との反応を利用して 正常細胞にあまり損傷を与えず がん細胞を選択的に破壊する治療法です この治療法は がん細胞と正常細胞が混在している悪

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10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

1 BNCT の内容 特長 QA Q1-1 BNCT とは? A1-1 原子炉や加速器から発生する中性子と反応しやすいホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませ 中性子とホウ素薬剤との反応を利用して 正常細胞にあまり損傷を与えず がん細胞を選択的に破壊する治療法です この治療法は がん細胞と正常細胞が混在して

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

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10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

小児の難治性白血病を引き起こす MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見 ポイント 小児がんのなかでも 最も頻度が高い急性リンパ性白血病を起こす新たな原因として MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見しました MEF2D-BCL9 融合遺伝子は 治療中に再発する難治性の白血病を引き起こしますが 新しい

よる感染症は これまでは多くの有効な抗菌薬がありましたが ESBL 産生菌による場合はカルバペネム系薬でないと治療困難という状況になっています CLSI 標準法さて このような薬剤耐性菌を患者検体から検出するには 微生物検査という臨床検査が不可欠です 微生物検査は 患者検体から感染症の原因となる起炎

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1)表紙14年v0

るため各種検査では同定できないような細胞レベルでの転移に対しても効果が期待でき 投与方法が簡単ということです 欠点としては抗癌剤が全身に行きわたることによる全身的な副作用 食欲不振 倦怠感 悪心嘔吐などが起こることです また動脈投与と異なり 一度肝臓で解毒されてから癌細胞に対して攻撃を行いますから本

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

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セッション 6 / ホールセッション されてきました しかしながら これらの薬物療法の治療費が比較的高くなっていることから この薬物療法の臨床的有用性の評価 ( 臨床的に有用と評価されています ) とともに医療経済学的評価を受けることが必要ではないかと思いまして この医療経済学的評価を行うことを本研

094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

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ただし 対象となることを希望されないご連絡が 2016 年 5 月 31 日以降にな った場合には 研究に使用される可能性があることをご了承ください 研究期間 研究を行う期間は医学部長承認日より 2019 年 3 月 31 日までです 研究に用いる試料 情報の項目群馬大学医学部附属病院産科婦人科で行

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

膵臓癌について

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

1. はじめに近畿ブロック ( 福井県 滋賀県 京都府 奈良県 和歌山県 ) で指定を受けた小児がん拠点病院 ( 以下 拠点病院 ) は 京都府立医科大学附属病院 京都大学医学部附属病院 立こども病院 大阪市立総合医療センター 立母子保健総合医療センターの 5 施設 ( 順不同 ) であり 全国 7

するものであり 分子標的治療薬の 標的 とする分子です 表 : 日本で承認されている分子標的治療薬 薬剤名 ( 商品の名称 ) 一般名 ( 国際的に用いられる名称 ) 分類 主な標的分子 対象となるがん イレッサ ゲフィニチブ 低分子 EGFR 非小細胞肺がん タルセバ エルロチニブ 低分子 EGF

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

情報提供の例

原発不明がん はじめに がんが最初に発生した場所を 原発部位 その病巣を 原発巣 と呼びます また 原発巣のがん細胞が リンパの流れや血液の流れを介して別の場所に生着した結果つくられる病巣を 転移巣 と呼びます 通常は がんがどこから発生しているのかがはっきりしている場合が多いので その原発部位によ

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

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第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

第 8 回ライフサイエンス シンポジウム 石川ひろの 13:45-14:30 講演 (2) 健康を決める力 としてのヘルスリテラシー 東京大学大学院医学系研究科准教授 石川ひろの

がん患者会・がん患者サポートグループ共催 がん医療セミナー

Practical Guideline of Febrile Neutropenia(FN) Japanese Society of Medical Oncology, 2012 Published by Nankodo Co., Ltd., Tokyo, 2012

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 の相対生存率は 1998 年以降やや向上した 日本で

70% の患者は 20 歳未満で 30 歳以上の患者はまれです 症状は 病巣部位の間欠的な痛みや腫れが特徴です 間欠的な痛みの場合や 骨盤などに発症し かなり大きくならないと触れにくい場合は 診断が遅れることがあります 時に発熱を伴うこともあります 胸部に発症するとがん性胸水を伴う胸膜浸潤を合併する

6 月 25 日胸腺腫 胸腺がん患者の情報交換会 & 勉強会質疑 応答 奥村教授にお聞きしたいこと 奥村教授の話 1 特徴 (1) 胸腺腫 胸腺がん カルチノイドの違いについて 胸腺腫はがんの種類か 病理学的には胸腺腫はがんではなくて正常と区別つかず機能を残したまま腫瘍化したもの 一部 転移するもの

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

精神医学研究 教育と精神医療を繋ぐ 双方向の対話 10:00 11:00 特別講演 3 司会 尾崎 紀夫 JSL3 名古屋大学大学院医学系研究科精神医学 親と子どもの心療学分野 AMED のミッション 情報共有と分散統合 末松 誠 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 11:10 12:10 特別講

学位論文の要旨 Combined Analyses of hent1, TS, and DPD Predict Outcomes of Borderline-resectable Pancreatic Cancer (hent1,ts,dpd の組み合わせ検討による切除可能境界膵癌の予後予測 ) Y

2015 年 7 月 8 日放送 抗 MRS 薬 最近の進歩 昭和大学内科学臨床感染症学部門教授二木芳人はじめに MRSA 感染症は 今日においてももっとも頻繁に遭遇する院内感染症の一つであり また時に患者状態を反映して重症化し そのような症例では予後不良であったり 難治化するなどの可能性を含んだ感

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

130724放射線治療説明書.pptx

訪問審査当日の進行表 審査体制区分 1: 主機能のみ < 訪問 2 日目 > 時間 内容 8:50~9:00 10 分程度休憩を入れる可能性があります 9:00~10:30 薬剤部門 臨床検査部門 画像診断部門 地域医療連携室 相談室 リハビリテーション部門 医療機器管理部門 中央滅菌材料部門 =

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

EBウイルス関連胃癌の分子生物学的・病理学的検討

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9章 その他のまれな腫瘍

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

<4D F736F F F696E74202D2088F38DFC B2D6E FA8ECB90FC8EA197C C93E0292E B8CDD8AB B83685D>

第15回日本臨床腫瘍学会 記録集

Rinku General Medical Center

企業等からの資金提供状況報告 ( 平成 29 年 4 月 ~ 平成 30 年 3 月分 ) 1. 受託研究等 (1) 受託研究 総件数 286 件 総額 259,135 千円 (2) 共同研究 総件数 2 件 総額 0 千円 (3) 受託事業 共同事業 総件数 6 件 総額 2,060 千円 2.

18F-FDGPETによる骨髄炎と癌の顎骨浸潤との鑑別

はじめに 近年 がんに対する治療の進歩によって 多くの患者さんが がん を克服することができるようになっています しかし がん治療の内容によっては 造精機能 ( 精子をつくる機能のことです ) が低下し 妊娠しにくくなったり 妊娠できなくなることがあります また 手術の内容によっては術後に性交障害を

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

(別添様式1)

018_整形外科学系

長野県がん診療連携拠点病院整備検討委員会機能評価 会議記録(要旨)

-119-

2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ

助成研究演題 - 平成 27 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 改良型 STOPP を用いた戦略的ポリファーマシー解消法 木村丈司神戸大学医学部附属病院薬剤部主任 スライド 1 スライド 2 スライド1, 2 ポリファーマシーは 言葉の意味だけを捉えると 薬の数が多いというところで注目されがちで

9 2 安 藤 勤 他 家族歴 特記事項はない の強い神経内分泌腫瘍と診断した 腫瘍細胞は切除断端 現病歴 2 0 1X 年7月2 8日に他院で右上眼瞼部の腫瘤を に露出しており 腫瘍が残存していると考えられた 図 指摘され精査目的で当院へ紹介された 約1cm の硬い 1 腫瘍で皮膚の色調は正常であ

頭頸部扁平上皮がん術後再発高危険症例における術後化学放射線同時併用療法の検討

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

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岸和田徳洲会病院 当院では以下の研究に協力し情報を提供しております この研究は 国が定めた指針に基づき 対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得るかわりに 研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開しています 研究結果は学会等で発表されることがありますが その際も個人を特定する情報は公表し

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学術セミナー 学術セミナー 1 座長桐田忠昭 学術セミナー 2 座長小澤幸彦 学術セミナー 3 座長藤内祝 学術セミナー 4 座長桐田忠昭 学術セミナー 5 座長金子明寛 学術セミナー 6 座長森良之 学術セミナー 7 座長光藤健司 学術セミナー 8 座長嶋田淳

第 34 回日本口腔腫瘍学会総会 学術大会 学術セミナー 1 共催メルクセローノ株式会社 GS1 頭頸部がん薬物療法ガイダンスを踏まえた再発 転移頭頸部がんへの治療戦略 : セツキシマブ ( アービタックス ) 併用化学療法のバリエーション 仲野兼司がん研有明病院化学療法部総合腫瘍科 2015 年 7 月に 頭頸部がん薬物療法ガイダンス が発表された これは頭頸部癌への薬物療法について 具体的な薬剤の選択 用量設定 スケジュールなどについてまとめられており 既存の 頭頸部癌診療ガイドライン 口腔癌診療ガイドライン の内容を補完するものとなっている 現在のがん診療 特に薬物療法においては エビデンスに基づいた治療が求められているが 必ずしもすべての患者が臨床試験に沿った適格基準を満たしている訳ではない 特に 頭頸部がんにおいては 合併症や病変部位 社会的背景などによって必ずしもエビデンスレベルの高い治療を行うことが適切ではない事態に遭遇することがしばしば見られる 現在 再発 転移頭頸部がんへの治療においては 抗 EGFR 抗体薬のセツキシマブ ( アービタックス ) を用いた薬物療法が治療の主軸となっているが その際に併用する抗がん剤の選択に際しては患者状態とエビデンスの双方を理解した上で バランスの取れた治療戦略を取ることが求められる 本セミナーでは セツキシマブ ( アービタックス ) を用いた治療戦略のうち 最もエビデンスレベルの高い EXTREME 試験に基づいた治療レジメンと タキサン系抗がん剤を併用するレジメンを主に取り上げ それぞれの適切な選択基準について 頭頸部がん薬物療法ガイダンス に基づいて解説する 略歴 2000/4 京都大学医学部医学科入学 2006/3 京都大学医学部医学科卒業 2006/4/1-2008/3/31 静岡県立総合病院初期研修医 2008/4/1-2012/3/31 癌研有明病院化学療法科 血液腫瘍科レジデント 2012/4/1 がん研有明病院化学療法部総合腫瘍科医員学会日本内科学会内科認定医 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医論文 Nakano K, Sato Ya, Toshiyasu T, Sato Yu, Inagaki L, Tomomatsu J, Sasaki T, Shimbashi W, Fukushima H, Yonekawa H, Mitani H, Kawabata K, Takahashi S. Predictive factors of head and neck squamous cell carcinoma patients tolerance to high-dose cisplatin in concurrent chemoradiotherapy. Molecular and Clinical Oncology 2015. In press. Nakano K, Motoi N, Inagaki L, Tomomatsu J, Gokita T, Ae K, Tanizawa T, Shomoji T, Matsumoto S, Takahashi S. Differences in the responses to pazopanib and the prognoses of soft tissue sarcomas by their histological eligibility for the PALETTE study. Jpn J Clin Oncol 2015; 45: 449-55. Nakano K, Motoi N, Takahashi S. The CYVADIC regimen as a combination-chemotherapy treatment option for advanced soft-tissue sarcomas originating from nonextremities. Intern Med 2015; 54: 187-93. Nakagawa T, Nakano T, Masuda R, Iwazaki M, Kumahira I, Nakamura N, Nakano K. Pyothorax-associated lymphoma: complete remission achieved by chemotherapy alone. Gen Thorac Cardiovasc Surg 2014; 62: 258-61. Nakano K, Inagaki L, Tomomatsu J, Motoi N, Gokita T, Ae K, Tanizawa T, Shimoji T, Matsumoto S, Takahashi S. Incidence of Pneumothorax in Advanced and/or Metastatic Soft Tissue Sarcoma Patients during Pazopanib Treatment. Clin Oncol (R coll Radiol) 2014; 26: 357. Nakano K, Takahashi S, Yuasa T, Nishimura N, Mishima Y, Sakajiri S, Yokoyama M, Tshuyama N, Ishikawa Y, Hatake K. Feasibility and Efficacy of Combined Cisplatin and Irinotecan Chemotherapy for Poorly Differentiated Neuroendocrine Carcinomas. Jpn J Clin Oncol 2012; 42: 697-703. 国際学会 Nakano K, Kawai A, Araki N, Ando Y, Machida M, Yoshida P. Clinical outocome of pazopanib for liposarcoma patients from post-marketing surveillance sub-analysis. Poster presentation, abstract ID: POSTER 79. CTOS 20th Annual Meeting, 2015, Salt Lake City, Utah, the United States. Takahashi S, Tahara M, Kiyota N, Yamazaki T, Chayahara N, Nakano K, Inagaki L, Toda K, Enokida T, Minami H, Imamura Y, Sasaki T, Suzuki T, Fujino K, Dutcus C. Phase Ⅱ study of lenvatinib (LEN), a multi-targeted tyrosine kinase inhibitor, in patients (pts) with all histologic subtypes of advanced thyroid cancer (differentiated, medullary and anaplastic). Poster discussion sesson, abstract number: 995PD. 39th ESMO Congress 2014, Madrid, Spain. Nakano K, Sato Ya, Sato Yu, Toshiyasu T, Kawabata K, Takahashi S. Predictive factors of cisplatin completion/discontinuation in concurrent chemoradiotherapy to locally advanced head and neck cancer patients. Poster session, abstract number: 3.175. 17th ECCO-38th ESMO-32nd ESTRO European Cancer Congress 2013, Amsterdam, The Netherlands. Nakano K, Yuasa T, Nishimura N, Mishima Y, Sakajiri S, Yokoyama M, Hatake K. Efficacy and Feasibility of Combined Irinotecan and Cisplatin therapy for Extrapulmonary Small Cell Carcinomas. Poster session, abstract number: 9.332. 16th ECCO-36th ESMO-30th ESTRO European Cancer Congress 2011, Stockholm, Sweden. 166

2 ジウム学術セミナー ワークショップ学術セミナーイブニングセミナーアフタヌーンセミナー看護師 歯科衛生士セッションノミネートポスターディスカッション一般演題発表者別索引The 34th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology 共催医療法人社団ゆうあい会ゆうあいクリニック GS2 放射線医学領域のTheranosticsと課題 -RSNA/QIBAの活動の重要性- 井上登美夫横浜市立大学大学院医学研究科放射線医学我が国の PET 検査は FDG を中心に 現在では全国で年間 50 万件を超える PET 検査が行われるようになっている PET / CT の出現が PET 検査の普及の大きな要因となったのは疑う余地はないが 最近のトピックスとしては PET と MRI を同時撮影する PET/MR の薬事承認ならびに保険適用がなされたことがあげられる この一体型 PET / MR の臨床的有用性は PET 薬剤や MRI 装置の新規技術開発によって相乗的に高まることが期待される 一方で 乳がんのハーセプチン治療に代表される Theranostics と言われる分子標的薬治療と診断の一体化の概念は 放射線医学領域でも導入され その研究が活性化されつつある 特に分子標的薬と免疫 PET 分子標的 RI 内用療法と PET の研究が注目されてきている このような Theranostics の概念に基づく医療を普及するにあたり 治療効果の客観的かつ高精度な判定が求められる 北米放射線学会が 2007 年に Quantitative Imaging Biomarker Alliance (QIBA) という組織を立ち上げ 例えば FDG-PET の SUV のような画像データから抽出される定量データを普遍化し バイオマーカとしていく作業を進めている その対象は CT,MRI,PET,US と多岐にわたっており その国際化に向け日本への協力が求められている ご案内プログラム特別講演招聘講演シンポ略歴 昭和 52 年 3 月 群馬大学医学部卒業 同年 4 月 群馬大学教務部医学部放射線医学講座入局 昭和 55 年 1 月 群馬大学医学部附属病院中央放射線部助手 昭和 57 年 7 月 ~ 昭和 60 年関東逓信病院放射線科 昭和 60 年 5 月 群馬大学医学部核医学講座助手 平成 1 年 同 講師 平成 4 年 同 助教授 同上附属病院放射線部助教授 ( 兼任 ) 平成 6 年 6 月より7 年 8 月まで 米国テキサス大学 M.D.Andersonがんセンター 診断放射線部核医学部門に留学 Post-doctorial fellow 平成 7 年 9 月 群馬大学医学部核医学講座助教授 同上附属病院放射線部助教授 ( 兼任 ) 平成 13 年 9 月 横浜市立大学医学部放射線医学講座教授 同上附属病院放射線部教授 ( 兼任 ) 平成 15 年 4 月 横浜市立大学大学院医学研究科放射線医学教授 平成 20 年 8 月より23 年 4 月まで横浜市立大学先端医科学研究センター長 ( 兼任 ) 平成 26 年 4 月より 横浜市立大学附属市民総合医療センター病院長 ( 兼任 ) ( 学会活動 ) ( 賞 ) 平成 23 年 10 月より日本核医学会理事長平成 24 年 4 月より日本医学放射線学会理事 昭和 58 年平成 15 年 3 月 第 21 回日本核医学会賞貢献賞 : 第 35 回日本原子力学会賞 社 ) 日本原子力学会より 167

第 34 回日本口腔腫瘍学会総会 学術大会 学術セミナー 3 共催山本ビニター株式会社 GS3 癌治療におけるハイパーサーミアの役割 今田肇戸畑共立病院がん治療センター ハイパーサーミアは 1990 年代までは放射線治療の増感として 43 の腫瘍温度を達成できれば 著明な局所効果が達成できることは広く知られ 頭頸部癌 乳癌などで高いエビデンスが得られてきた しかし 実際には有効な温度上昇を得ることができないことの方が多く 臨床的に使用する機会が徐々に減少していった その後 40 程度の比較的低い温度で 抗癌剤の増感が期待できることから マイルドハイパーサーミアという概念で化学療法と使用されることが多くなっている 化学療法と温熱療法の併用によるメリットは 薬剤の増感効果による抗腫瘍効果だけにとどまらず 副作用のために化学療法ができない患者においても 低容量の抗癌剤での十分な治療効果の確保が実現できる点 また 薬剤耐性がおきにくいため 長期にわたって治療が継続できる点があげられる 当院では 化学放射線治療との根治治療での併用 癌化学療法との集学的治療として広く使用しており 特に頭頸部腫瘍に比重を置いて その経験を報告する 温熱療法により 癌治療根幹が大きく変わるわけではないが 患者のライフスタイルに合った優しい治療を提供でき 患者満足度の高い補助療法であるといえる 標準治療に適応すれば治療効果の上乗せが期待でき 標準治療から逸脱した症例でも 低容量の化学療法でも一定の効果が得られる点で もっと広く認知されるべき治療であろう 略歴 1987 年 (S62) 3 月 産業医科大学卒業 1987 年 4 月 産業医科大学放射線科入局 1990 年 (H2) 4 月 放射線衛生学助手 1994 年 (H6) 放射線科助手 1997 年 放射線科講師 2003 年 放射線科助教授 2008 年 4 月 戸畑共立病院がん治療センターセンター長 2014 年 戸畑共立病院副院長 がん治療センターセンター長 168

4 ジウム学術セミナー ワークショップ学術セミナーイブニングセミナーアフタヌーンセミナー看護師 歯科衛生士セッションノミネートポスターディスカッション一般演題発表者別索引The 34th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology 共催ジョンソン エンド ジョンソン株式会社 GS4 科学的根拠に基づいた口腔癌の切除と再建 栗田浩信州大学医学部歯科口腔外科学教室 抄録 口腔扁平上皮癌 (OSCC) の完全切除は局所制御しいては患者の予後に重要である 腫瘍の完全切除には 大きな安全域を伴った拡大切除が望ましい しかし反面 過度の拡大切除は 機能障害や審美障害を惹起し QOL を大きく損なう そのため OSCC の切除においては最小かつ適切な安全域の設定が必要である また OSCC では癌の周囲に異形成上皮を伴うことが多くその扱いも苦慮することが多い Upile は 頭頸部癌の切除に metric approach と barrier approach という概念を提唱している metric approach は いわゆる 量 的な切除で 腫瘍周囲の安全域の量を確保した切除であり barrier approach は 解剖 / 病理学的な防御構造を目安とした切除である 本セミナーでは 上記の概念を念頭に OSCC 切除時の切除範囲の設定および適切な安全域量 および 現在の標準治療について考える 主な内容 1 切除断端の状態が予後に与える影響 2 癌周囲の異型成上皮の扱い 3 Metric approach- 適切な安全域の量 4 癌及び周囲の異型成上皮の完全切除におけるヨード染色の有用性 5 Barrier, Anatomic, biological approach 6 現在の標準治療 ご案内プログラム特別講演招聘講演シンポ略歴 1987 年 3 月新潟大学歯学部歯学科卒業 1987 年 6 月信州大学医学部附属病院医員 1995 年 4 月信州大学医学部附属病院助手 1996 年 11 月医学博士 博士 ( 医学 )[ 信州大学 ] 1997 年 4 月信州大学医学部附属病院講師 1997 年 10 月文部省在外研究員スウェーデンカロリンスカ大学歯学部 2001 年 6 月信州大学医学部准教授 2011 年 7 月信州大学医学部教授現在に至る 主な所属学会 専門医など 日本口腔外科学会 指導医 日本口腔腫瘍学会 口腔腫瘍専門医 日本頭頸部癌学会 日本癌治療学会 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 暫定教育医 ( 歯科口腔外科 ) 日本口腔科学会 日本顎顔面インプラント学会認定医 指導医 日本口腔インプラント学会 指導医 日本顎関節学会 指導医 日本有病者歯科医療学会 専門医 日本口腔ケア学会 など 169

第 34 回日本口腔腫瘍学会総会 学術大会 学術セミナー 5 共催第一三共株式会社 GS5 顎骨骨髄炎に対する超選択的動注法を用いた抗菌療法 廣田誠横浜市立大学大学院医学研究科顎顔面口腔機能制御学 慢性下顎骨骨髄炎はしばしば難治性であり治療に難渋することが多い 近年はクラブ酸カリウム アモキシシリン メトロニダゾール シタフロキサシンなど顎骨内への抗菌効果が期待できる薬剤が使用されているが それでもなお骨髄炎が遷延する場合も少なくない 浅側頭動脈からの逆向性超選択的動注法は 舌 顔面 顎動脈に特殊なカテーテルを留置することによって 口腔内の病変に高濃度の薬剤を持続的に投与できる治療方法である 近年 放射線との同時併用による抗がん剤の投与は口腔がん治療において優れた治療成績を残しているが われわれは抗菌薬療法を施行するも経過不良であった慢性下顎骨骨髄炎に応用し 下顎骨への超選択的動注化学療法を行っている この発表では 難治性となった下顎骨骨髄炎に対して動注化学療法が奏功した症例を紹介し 広い範囲の顎骨切除が適応となる顎骨骨髄炎における手術回避の治療方法としての動注法の有効性について検討したので報告する 経歴 1998 年 3 月 日本大学松戸歯学部卒業 2002 年 3 月 横浜市立大学大学院医学研究科 ( 口腔外科学専攻 ) 修了 2002 年 4 月 横浜市立大学助手 ( 医学部口腔外科学 ) 2004 年 9 月 同講師 2007 年 4 月 公立大学法人横浜市立大学准教授 現在に至る 研究留学 2006 年 10 月 2007 年 3 月ドイツ, エアランゲン ニュルンベルク大学歯学部顎顔面口腔外科 2012 年 4 月 2013 年 9 月米国, カリフォルニア大学ロサンゼルス校歯学部 weintraub center 受賞歴 2013 年第 95 回米国顎顔面口腔外科学会年次集会 E-poster Award 170

6 ジウム学術セミナー ワークショップ学術セミナーイブニングセミナーアフタヌーンセミナー看護師 歯科衛生士セッションノミネートポスターディスカッション一般演題発表者別索引The 34th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology 共催協和発酵キリン株式会社 GS6 口腔がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制を目指して -ペグフィルグラスチム ( ジーラスタ ) を用いた支持療法 - 小泉敏之横浜市立大学大学院医学研究科顎顔面口腔機能制御学がん化学療法を行う多くの患者さんで好中球減少症が発現する 特に 発熱を伴う好中球減少症は 発熱性好中球減少症 (febrile neutropenia;fn) と呼ばれ 感染リスクが高まり 時に生命の危険を及ぼすがん化学療法の重大な合併症である そのため 好中球減少症が認められた場合には がん化学療法剤の減量や投与間隔の延長を余儀なくされる場合があり 十分な治療効果が得られないことによる生存率の低下が危惧されていた 既存の G-CSF 製剤 [ フィルグラスチム ( グラン ) 等 ] は がん化学療法後の好中球減少症を中心とする各種の好中球減少症の治療および造血幹細胞の末梢血中への動員に対して広く使用されているが 口腔がんの FN に対する予防投与が認められておらず がん腫やレジメンによらず FN 発現リスクに基づき予防投与が可能な G-CSF 製剤の適応が求められていた ペグフィルグラスチム ( ジーラスタ ) は フィルグラスチムの血中半減期を延長する目的で Amgen Inc. ( 米国 ) が創製した薬剤で 本邦では がん腫やがん化学療法レジメンを問わず がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制 の効能 効果で 2014 年 9 月に承認された 使用にあたっては日本癌治療学会 G-CSF 適正使用ガイドライン に従い判断されていると思われるが 実際には施設ごとで使用状況にはばらつきがあるものと考えられる 本セミナーでは FN の問題点やリスク さらに FN 発症の抑制を目指したペグフィルグラスチム使用の実際について述べる ご案内プログラム特別講演招聘講演シンポ経歴 1994 年北海道大学歯学部歯学科卒業東京大学医学部附属病院口腔外科医員 ( 研修医 ) 2000 年東京大学大学院医学系研究科外科学専攻修了東京大学医学部口腔外科学講座助手 2004 年三井記念病院歯科口腔外科医長 2009 年横浜市立大学附属病院歯科 口腔外科助教 2012 年東京医科大学医学部口腔外科学講座講師 2014 年横浜市立大学附属病院歯科 口腔外科 矯正歯科講師 171

第 34 回日本口腔腫瘍学会総会 学術大会 学術セミナー 7 共催東レ株式会社 / 東レ メディカル株式会社 GS7 頭頸部癌に対する動注併用放射線治療の役割 不破信和伊勢赤十字病院放射線治療科 悪性腫瘍に対する抗がん剤の動注療法は 1950 年代から始まったが 頭頸部癌から開始された 当初は X 線透視下ではなく 色素を入れることで位置を確認する方法が行われてきたこともあり 高い臨床的評価を得ることは出来なかった 1980 年代に入り 米国でセルジンガー方式による大腿動脈からカテーテルを挿入する方法が 日本では浅側頭動脈から腫瘍の栄養動脈にカテーテルを選択的に挿入する方式が開発された また Robbins らは高用量の CDDP と その中和剤であるチオ硫酸ナトリウムを同時に静脈から投与する方法 (RADPLAT) を開発し 動注療法は再び注目されるようになった 近年 頭頸部進行癌に対する全身投与の化学療法と放射線治療の併用による化学放射線療法の有効性が確認されつつあるが 亜部位により その感受性は大きく異なる 感受性の乏しい亜部位は声門癌 舌癌に代表される口腔癌 上顎癌であり これらが動注療法の良い適応と考えて良いであろう 選択的に栄養動脈に薬剤を投与することが 治療効果に大きく寄与するが 浅側頭動脈からの動注において 複数の栄養動脈がある場合は外頚動脈からの投与が一般的であった しかし その治療効果は症例により差があることは避けられなかった 我々は長期留置が可能で かつフレキシブルな材質であるアンスロン PU カテを用いたシースと マイクロカテを世界で最初に開発し 臨床応用を開始した 本ランチョンセミナーでは頭頸部癌動注療法の現状と課題 新規開発したシースの使用経験と役割について述べる 略歴昭和 56 年 6 月同年 9 月昭和 59 年 7 月平成 10 年 4 月平成 18 年 4 月平成 19 年 9 月平成 24 年 4 月平成 27 年 4 月 三重大学病院研修医浜松医科大学放射線科入局愛知がんセンター放射線治療部勤務同部長同副院長兼務南東北がん陽子線治療センター長兵庫県立粒子線医療センター院長同名誉院長 伊勢赤十字病院放射線治療科部長 172

8 ジウム学術セミナー ワークショップ学術セミナーイブニングセミナーアフタヌーンセミナー看護師 歯科衛生士セッションノミネートポスターディスカッション一般演題発表者別索引The 34th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology 共催ウシオ電機株式会社 GS8 紫外線照射によるチタンインプラントの光機能化, 基礎と臨床 廣田誠横浜市立大学大学院医学研究科顎顔面口腔機能制御学デンタルインプラントの成功の鍵を握る大きな要素として チタンと顎骨との結合 ;osseointegration の強さが挙げられるが チタン表面が骨組織と結合する能力はインプラントの製造後 経時的に劣化していくことが近年明らかにされた チタンエイジングと呼ばれるこの現象はチタン材料の製造後早期から起こるとされ これを改善し チタンが本来持つ骨組織との結合力を獲得するための手段として紫外線照射によるインプラントの光機能化技術が考案された 光機能化は 複数の特定波長の紫外線を一定の強度 時間でチタン表面に照射することで得られる この処理により表面の化学的汚染が取り除かれ インプラント表面は超親水性となって血液との親和性が著しく向上し さらに表面電荷が変わることにより骨芽細胞の接着性も向上し その結果 骨 インプラント接触率が飛躍的に上昇する 光機能化によって得られる osseointegration は より早く より強固なものであり 臨床の場においては初期固定が得られにくい埋入部位などにおいてその効果が発揮されるものと考えられる ご案内プログラム特別講演招聘講演シンポ経歴 1998 年 3 月 日本大学松戸歯学部卒業 2002 年 3 月 横浜市立大学大学院医学研究科 ( 口腔外科学専攻 ) 修了 2002 年 4 月 横浜市立大学助手 ( 医学部口腔外科学 ) 2004 年 9 月 同講師 2007 年 4 月 公立大学法人横浜市立大学准教授 現在に至る 研究留学 2006 年 10 月 2007 年 3 月ドイツ, エアランゲン ニュルンベルク大学歯学部顎顔面口腔外科 2012 年 4 月 2013 年 9 月米国, カリフォルニア大学ロサンゼルス校歯学部 weintraub center 受賞歴 2013 年第 95 回米国顎顔面口腔外科学会年次集会 E-poster Award 173