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01 施行通知(都道府県宛)

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食品に残留する農薬等について ( 補足資料 ) 1 残留農薬規制の仕組み関係 2 1

基準値の決め方 ( 食品残留農薬の例 ) 個々の農薬毎に 登録保留基準や諸外国の基準を考慮して検討する 農薬 A 基準値 (ppm) 参考基準国 小麦 1 海外 (EU) はくさい 1 国内 ( 作物残留試験 ) みかん 茶 0.5 2 Codex( 柑橘類 ) 登録保留基準 3 基準値の決め方ー 2 理論最大一日摂取量方式 (TMDI) 基準設定の対象となる農産物の摂取量に基準値案を乗じてたしあわせ (1) 農薬の摂取量がADI(2) を越えないことを確認して 基準を設定する 国民平均についての理論最大一日摂取量方式 (TMDI) の計算例 農産物摂取量 A 農薬の基準値 = 農産物をつうじた農薬の摂取量 小麦 0.1168 kg 1 ppm(mg/kg) 0.1168 mg はくさい 0.0294 kg 1 ppm(mg/kg) 0.0294mg みかん 0.0416 kg 0.5 ppm(mg/kg) 0.0208mg 茶 0.003 kg 2 ppm(mg/kg) 0.006mg ( 合計 ) 0.173 mg 1 A 農薬の ADI 日本国民の平均体重 = 1 人あたりの許容一日摂取量 0.02 mg/kg/day 53.3 kg 1.066 mg/ 人 /day 2 4 2

基準値の決め方ー 3 日本型推定一日摂取量方式 (EDI) 基準設定の対象となる農産物の摂取量に推定される農薬の残留量を乗じてたしあわせるなどにより推定される農薬の摂取量がADIを越えないことを確認して 基準を設定する 農薬の摂取量の推定は 作物残留試験での残留レベル 可食部の残留レベル 調理加工の影響などを考えて行われる 5 基準値の決め方ー 4 国民平均 幼小児 妊婦 高齢者について TMDI 試算 [ 第一段階 ] 全て TMDI/ADI 80% いずれか TMDI/ADI>80% 国民平均 幼小児 妊婦 高齢者について EDI 試算 [ 第二段階 ] 全て EDI/ADI 80% いずれか EDI/ADI>80% 基準値案の再検討 [ 第三段階 ] 基準値案の採用 6 3

ポジティブリスト制度関係 7 一律基準とは? 8 4

一律基準設定の前提 国内外で使用される農薬等 使用に先立ち 毒性などの評価の実施 使用対象作物や使用量などの制限 使用方法や食品に残留する限度 ( 残留基準 ) を設定 9 一律基準が適用される場合 1 いずれの農作物等にも残留基準が設定されていない農薬等が農作物等に残留する場合 2 一部の農作物等には残留基準が設定されている農薬等が 当該農薬等に関する基準が設定されていない農作物等に残留する場合 10 5

食品衛生法第 11 条第 1 項の規定に基づき定める残留基準 ( 暫定基準を含む ) の主な類型 1 農薬等 農作物等ごとに定める基準 2 許容一日摂取量 (ADI) を設定できない農薬等に定める 不検出 の基準 3 抗生物質等 (1の基準を定められているものを除く ) を対象とする 含有してはならない とする基準 11 一律基準設定の考え方 ( 最終案 ) 許容量の検討 国際的な評価に基づく 許容される暴露量 - JECFA による香料の評価 - 米国 FDA による間接添加物の評価 国内又は JMPR 若しくは JECFA でこれまで評価された ADI 許容量の目安として 1.5 μg /day を用いることが妥当 暴露評価の検討国民の摂取量を踏まえ 一律基準によって規制される農薬等の摂取量が 1.5 μg /day を超えることがないよう 一律基準として 0.01ppm を定めることとする 12 6

一律基準設定の留意事項 - JECFA 等に ADI が 0.03 μg /kg/day 未満の農薬等基準を設けない農産物等があるものについては 個別に分析法を定め 不検出 として管理する - 地方公共団体等による監視指導に際して用いられる分析法の定量限界により 一律基準最終案 (0.01ppm) まで分析が困難と考えられるものについては 各分析法の定量限界に相当すると考えられる値をもって実質的に一律基準最終案 (0.01ppm) に取って代わる基準を定める 対象外物質とは? 14 7

対象外物質指定の考え方 ( 最終案 ) 一般に使用されている農薬等及びその農薬等が化学的に変化して生成したもののうち その残留の状態や程度などからみて 農畜水産物にある程度残留したとしても 人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものを指定する 1) 食品安全基本法第 11 条の規定に基づく食品健康影響評価により許容一日摂取量 (ADI) の設定が不要とされた農薬等 2) 農薬取締法に規定する特定農薬 3) 残留の程度等により人の健康を損なうおそれのないことが明らかである農薬等 15 暫定基準とは? 16 8

不検出 とする農薬等 - 遺伝毒性を有する発がん性物質であるなど 閾値が設定できない農薬等 - 国際機関で ADI が設定できないと評価されている農薬等 ( 食品健康影響評価を優先的に依頼するものを除く ) - 国際機関において ADI が 0.03 μg /kg/day 未満とされた農薬等又は既に 不検出 とする基準が基準設定対象農作物等以外の農作物等に設定されている農薬等 17 農作物 ( 原材料原材料 ) 農作物ごとに基準値を設定 加工食品への残留基準値の適用について 加工 ( 製造 ) 残留基準 ( ポジティブリスト制度 ) 残留基準 ( ポジティブリスト制度 ) ゆでる 煮る 乾燥する 水による希釈 他の材料との混合等 原材料の比率 加工の方法等により残留農薬の量が変化 1 他の材料との混合による量の低下 2 乾燥による濃縮 3 加工による消失 等 加工食品 ポジティブリスト制度の対象 多種多様な加工食品に個別の基準値を設定することは困難 使用された農作物の基準値が判断の基本 例 1 りんご ( 基準値 )A 農薬 :0.2ppm 果汁を水で希釈等 10% りんご果汁 違反蓋然性 A 農薬が検出 ( 検出値 0.05ppm) ( 判断基準 )0.2ppm 10%=0.02ppm あり 18 例 2 小麦うどん ( 小麦 65% 使用 ) 小麦粉 300g 水 150g 塩 10g ( 基準値 )B 農薬 :1.0ppm B 農薬が検出 ( 検出値 0.5ppm) ( 判断基準 )1.0ppm 65%=0.65ppm なし 9

国外で使用されている農薬等に関する残留基準設定等を要請する制度 我が国に輸出が想定される農畜水産物に対する使用が新たに認められた農薬等については 我が国においても残留基準の設定及び改正を行うよう国外から要請することができる 国外で使用される農薬等に係る残留基準の設定及び改正に関する指針について ( 平成 16 年 2 月 厚生労働省食品安全部長通知 ) 19 内閣府食品安全委員会による調査審議 20 10

食品に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度の導入に対する食品安全委員会の意見 食品安全基本法第 23 条第 1 項第 5 号の規定に基づく調査審議 平成 17 年 4 月 28 日 厚生労働大臣に対して以下の内容を意見具申 1 暫定基準設定物質の再点検 2 暫定基準リスク評価計画の策定 3 対象外物質の指定根拠の明確化 4 暫定基準に関する公定検査法の策定 5 リスクコミュニケーションの実施 6 食品安全委員会への報告 分析法の開発 国立医薬品食品衛生研究所を中心に検討 一斉分析法をできるだけ採用するとともに 高感度かつ実用可能な方法の採用 標準品は 試験法の開発と併せて整備 平成 17 年 8 月に分析法のこれまでの検討状況を公表 可能な限り 告示日 ( 施行は 6 ヶ月後 ) までにとりまとめ 22 11

食品中における農薬の残留実態 23 平成 12 年度及び平成 13 年度残留農薬調査結果と暫定基準 ( 第 2 次案 ) 等との比較 調査年度 平成 12 年度 平成 13 年度 国産 輸入の別 基準超過が見つかった農薬 農作物の組み合わせ 国産 34 輸入 17 国産 30 輸入 32 基準超過となった基準の種類 注 1 一律基準 19 コーデックス 1 登録保留基準 6 海外基準 2 現行基準 6 一律基準 9 コーデックス 3 登録保留基準 2 海外基準 3 現行基準 0 一律基準 20 コーデックス 1 登録保留基準 5 海外基準 2 現行基準 2 一律基準 23 コーデックス 4 登録保留基準 2 海外基準 3 現行基準 0 注 1) 一律基準を仮に 0.01ppm とした場合 注 2)( 補正 ) は 超過件数の約 8 割を占める組み合わせを除いた場合 基準超過が見つかった農薬 農作物の組み合わせ 検査実施件数中の基準超過率 ( 超過件数 / 検査件数 ) 注 2 0.02%(54/231,166) 0.05%(126/236,015) ( 補正 ) 0.01%(30/236,015) 0.02%(40/225,071) 0.15%(450/306,694) ( 補正 ) 0.02%(58/306,694) 24 12