国語第 1 学年安芸高田市立美土里中学校指導者妹尾美和 単元名 表現から作者のメッセージを読み取ろう 大人になれなかった弟たちに 米倉斉加年著 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力, 協調性 平成 28 年 10 月 7 日 ( 金 ) 第 4 校時 第 1 学年男子 9 名女子 10

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中学校第 3 学年国語科学習指導案 日時平成 28 年 月 日第 校時対象第 3 学年 組学校名 中学校授業者 1 教材名 故郷 2 単元の目標 情景や人物を描写する語句や表現を読み取り 内容への理解を深めることができる 作品を通して 社会の中での人間の生き方について考え 自分の意見をもつことができ

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Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

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知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

第○学年 ○○科指導計画

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価 がら読んでいる 語句には性質や役割の上で類別 規 文章を読んで考えたこ があることを理解している 準 とを発表し合い 一人 指示語や接続語が文と文との意 一人の感じ方につい 味のつながりに果たす役割を理 て 違いのあることに 解し 使っている 気付いている 学 登場人物の思いを想像し 時代の状況

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3 指導観本単元では C 読むこと ウ場面の移り変わりに注意しながら 登場人物の性格や気持ちの変化 情景など について 叙述を基に想像して読むこと の力を身につけさせることをねらいとしているそこで本単元では まず 3 年生の国語の教材 モチモチの木 で物語文の読み取り方を想起させる本学級は情景描写か

第 1 学年国語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 1 年 2 組教室 学級 1 年 2 組 ( 男子 17 名女子 13 名計 30 名 ) 授業者佐々木朋子 1 単元名いにしえの心にふれる蓬莱の玉の枝 竹取物語 から 2 単元

3 僕が蝶を一つ一つつぶしたのは償いのためであとすこれらは 生徒の感想や疑問をもとに教師が設定した人物像 行動 結末の意図に焦点を当てて3つに絞ったそれぞれを賛成 反対 2つの視点から読み進めていくには 討論会の形式で提示すことが有効であ討論会の班編成は まず課題に対して自分が肯定か否定かを考えさせ

指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相

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国語科学習指導案

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の一部のみであるしたがって教科書の本文だけから小説 こころ の全体像を浮かび上がらせることは難しいしかし 掲載された部分だけでも 先生 と という二人の青年の揺れ動く こころ を描き 生徒たちを作品の中に引き込む力は群を抜いたものであると考える高校 3 年生である生徒たちは 心の葛藤というものを多く

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

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d 単元について 第 2 学年 5 組国語科学習指導案単元名 : 謎解きインタビュー記事を書こう教材文 : 走れメロス 男子 21 名女子 16 名計 37 名 指導者水田陽子 単元観本単元は, 中学校学習指導要領国語科第二学年, C 読むこと の指導事項 イ文章全体と部分との関係, 例示や描写の効

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平成23年度第2回学力向上対策会議協議資料  <遠野市立綾織小学校>

第○学年○組 学習指導案

本単元における本質的な問い 芭蕉はどのような思いで おくのほそ道 を書いたのだろうか 永続的理解 芭蕉は俳句の芸術性を高めるため旅に出て, 推敲を重ねて虚構を交えることで文学的価値を高めようとした パフォーマンス課題 江戸時代前期, 松尾芭蕉の書いた俳諧紀行文 おくのほそ道 は, 多くの人に愛され,

英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中

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国語科第 1 学年熊野町立熊野中学校指導者森島登紀子 単元名 根拠を明確にして書こう 本単元で育成する資質 能力 自ら考え判断する力, 読解力 情報収集能力 1 日 時平成 29 年 11 月 16 日 5 校時 2 場 所 1 年 3 組教室 3 学年 学級第 1 学年 3 組 (27 名男子 1

2 児童への事前調査 調 査 事 項 好き どちらかとどちらかというと好きいうと嫌い 嫌い Q1 国語の学習は, 好きですか Q2 説明文の学習は, 好きですか Q3 物語の学習は, 好きですか Q4 話し合う学習は, 好きですか Q

第 1 学年 国語科学習指導案 1 単元名 オツベルと象 を読む ~ 読みの交流を通して~ 学習指導要領との関連 C 読むこと (1) エ文章の構成や展開 表現の特徴について 自分の考えを持つこと 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項イ ( ア ) 音声の働きや仕組みについて関心を持ち 理解を深

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平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

さらに自ら調べようと意欲を高めるだろう 2 児童観児童は 文字を50 音すべて学習し 少しずつ読める字や書ける字が増えてきた これまでに音読をしたり 想像したことを話したりしながら ある程度のまとまった文章がよめるようになってきている 5 月の教材 とんこととん では 登場人物のしたことを中心に想像

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

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第○学年 ○○科指導計画

5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

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作品の情景をよりわかりやすく伝える手だてともなる 指導にあたって 1 では まず 俳句は17 音で作ることや季語を入れることと言ったきまりをおさえる そして 教科書の例を読み 想像した情景や作者の思いを想像し 良いと思うところ 工夫されていると思うところを発表できるようにする 2 の俳句を作る場面で

第1学年国語科学習指導案

(2) 指導の実際 1 話すこと 聞くこと の実践ア協働による教材研究の柱 モデルの提示について対話のためのスキルの定着や対話の深まりを目指し, 教師や代表グループによる対話のモデルを提示し, 気付いたことや発見したことを基に自分たちの対話や話合いの様子を振り返らせ, 学びの充実を図るようにする 共

第 9 章 外国語 第 1 教科目標, 評価の観点及びその趣旨等 1 教科目標外国語を通じて, 言語や文化に対する理解を深め, 積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り, 聞くこと, 話すこと, 読むこと, 書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う 2 評価の観点及びその趣旨

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そのために, 児童が感じたおもしろさを分類し, それらを読みの視点として, 物語のおもしろさを見付けながら読むことを通して, より深く登場人物の心情を読み取ったり, 想像豊かに読んだりしながら物語のおもしろさを味わうことができるようにする さらに, 見付けた物語のおもしろさを, で紹介し合う活動を取

(2) 児童観児童は1 年生 1 月に おはなしをつくろう で 昔話をもとにして 人物と出来事を考えて簡単に物語を書く学習を行っている また 2 年生の1 学期には じゅんじょよく書こう の学習で はじめ 中 おわり の構成を考え 自分の経験を伝える文章を書く学習をしてきている この学習を通して 順

第 6 学年 2 組国語科学習指導案平成 29 年 2 月 1 日 ( 水 )2 校時単元名 : ぼくのわたしのプロフェッショナルとは プロフェッショナルたち 単元について 指導者渡邉圭 本単元は, 小学校学習指導要領国語科第 5 学年及び第 6 学年 C 読むこと の指導事項 オ本や文章を読んで考

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

第 6 学年 1 組国語科学習指導案 単元名 : さすがプロ, ここがすごい!~ 自分の夢を追って ~ プロフェッショナルたち 男子 19 名女子 17 名計 36 名 単元について 指導者松本典子 本単元は, 小学校学習指導要領国語編第 5 学年及び第 6 学年, C 読むこと の言語活動例 ア伝

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児童は, これらの 読みの観点 を使いながら, 物語のしくみや中心人物の心情の変化を捉える経験を積んできている しかし, 作品の価値や作者の思いに気付いたりすることは十分ではない (2) 教材観本単元で取り扱う教材は, 作者である小林豊氏がアフガニスタンを訪問した際の経験を基に書いた三部作の中から教

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項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

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第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

第 2 学年英語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 2 年 3 組教室 学級 2 年 3 組 ( 男子 17 名女子 18 名計 35 名 ) 授業者小田島篤史 1 単元名 PROGRAM 7 If You Wish to See

指導方法等の改善計画について

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考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

ICTを軸にした小中連携

問い1, 問い2のどちらも誤答した児童は, しかし や ~が というような逆説の接続詞の意味を読み取ることができずその前に書かれている内容を選択している また, 問い3では, 文章の一部を読んだだけで答えを選択している児童が多かった これらのことから, 本学級の児童は, 接続詞の意味をしっかりと捉え

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

単元の目標 カレーライスを作ることに興味 関心をもち, 進んで活動する カレーライスの作り方を調べ, 作り方, 材料, 用具を発表することができる カレーライス作りの活動を通して, 食材を知ったり, 道具を使う仕事にふれたりして, 生活経験を豊かにする 人との関わりを通してコミュニケーション能力を身

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第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

補充資料 2-1 単元 Let's Read 1 の指導展開案 (1) 単元 Let's Read 1 A Magic Box 1 の指導展開案(1/5 時間 ) (1) 目標 物語を読んで 場面展開を読み取ることができる 昨日の日記 というトピックに基づき 自分について英語で書いて表現できる (2

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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第○学年 ○○科指導計画

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

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6 指導計画 (7 時間扱い ) (1) 単元の 1: 字手紙 のねらいの確認と受取人決定指導計画 2: 手紙の基本知識の確認と書くことの内容の整理 3: 時候の挨拶作成 ひと文字練習と下書き 4: ひと文字練習と下書き 5: 相互評価 推敲 ( 本時 ) 6: 推敲および清書 7: 清書と宛名書き

自己紹介をしよう

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

2、協同的探究学習について

3 人権教育の視点英語科の授業を通して 文化や習慣には多様性があることを理解させる そしてその中から 表現の仕方の違いや考え方の違いに気づかせ 互いに違いを認め合い尊重しながら共に生きようとする態度 他者 文化に興味 関心をもち 良い人間関係を築きながら生活する力を持った生徒を育成したい そこでこの

教科 : 外国語科目 : コミュニケーション英語 Ⅰ 別紙 1 話すこと 学習指導要領ウ聞いたり読んだりしたこと 学んだことや経験したことに基づき 情報や考えなどについて 話し合ったり意見の交換をしたりする 都立工芸高校学力スタンダード 300~600 語程度の教科書の文章の内容を理解した後に 英語

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭柚中朗 1 日時平成 30 年 1 月 24 日 ( 水 ) 2 学年第 2 学年 1 組 ( 男子 14 名女子 18 名計 32 名 ) 3 単元名天気とその変化 ~ 大気の動きと日本の天気 ~ 4 単元について (1) 単元観本単元は, 学習指導要領

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伝わっていないと感じられたなら 繰り返し述べたり分かりやすく言い換えたりすればいいこ とも学ばせたい また 聞いて得た情報を整理して組み立てる段階 スピーチメモを作る段階 練習の段階 それぞれの段階で 互いに考えた内容を伝え合い 質問や助言などの意見の交流をすることでよりよいスピーチをめざしたい 発

生徒の活動

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国語科学習指導案 平成 25 年 6 月 25 日 ( 火 ) 5 校時 第 3 学年 A 組 ( 男子 12 名, 女子 15 名計 27 名 ) 授業教室 3A 教室 指導者相田健太郎 (T1) 柿内香予 (T2) 1 単元の学習指導について (1) 単元名 近現代の短歌 俳句 読もう 詠もう短

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国語第 学年安芸高田市立美土里中学校指導者妹尾美和 単元名 表現から作者のメッセージを読み取ろう 大人になれなかった弟たちに 米倉斉加年著 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力, 協調性 平成 2 年 0 月 7 日 ( 金 ) 第 4 校時 第 学年男子 9 名女子 0 名計 9 名 研究主題 主体的に学び, 表現する児童生徒の育成 ~ 課題発見 解決学習 を取り入れ, 資質 能力の育成を目指す 学び合い の授業づくりを通して ~ 単元観 2 生徒観 本単元は, 国語科学習指導要領中学校第 学年 C 本学級の生徒は, おおむね落ち着いた雰囲気で授 読むこと の ウ場面の展開や登場人物などの描 業を受けることができており, 意欲的に作品を読 写に注意して読み, 内容の理解に役立てること み, 内容について考えようとする姿勢がみられる エ文章の構成や展開, 表現の特徴について, 自 今まで 花曇りの向こう や 光る地平線, 星 分の考えを持つこと また, 伝統的な言語文化と の花が降るころに などで, 文中の表現から読み 国語の特質に関する事項 イ言葉の特徴やきまり 取りをし, 交流するという授業を実施してきたが, に関する事項 の ( ウ ) 事象や行為などを表す多 その際には自分の言葉でしっかりと読み取り, 解 様な語句について理解を深めるとともに, 話や文 釈したことを書ける生徒が多い中, 口頭では表現 章の中の語彙について関心を持つこと という 3 できるが文章として書くことが難しい, という生 つの内容をねらいとする 徒が数名見られた 今回学習する作品は, 戦争という状況の中で作者 学期の定期テストの結果から, 条件に従って登 が体験した 弟の死 を中心として書かれたもの 場人物の心情を記述する設問の正答率が低かっ である 母や作者自身の弟に対する思いが話し口 た これは, 授業では穴埋め形式だった設問を記 調で書かれており, 展開が理解しやすくなってい 述式にしたため, 対応できなかったものと思われ るため, 生徒たちが無理なく作品に入ることので る きる教材と言える また, 当時の作者と本学年の 学期に行った生徒アンケートでは, 友だちの 生徒の年齢が近いことや, 幼い兄弟に対する思い 発表を聞いたり自分の意見を述べたりしている が書かれていることから, 生徒が自分自身に重ね の項目で,9 人中 5 人が肯定的な回答をしてい て読み深めるのに適した作品であると考え, この る 本単元でも, 文中の表現を根拠にして登場人 単元を設定した 物の心情を自分なりに考え, 表現し, 他者との意 見交流を通してさらに考えを深めさせたい 3 指導観指導にあたっては, 次の3 点に留意して指導をしていく () 本単元では, 単元全体を通した問いを設定し, 毎時間それを意識した読みをさせるため, 作品を何度も範読することで読み浸らせ, さらに繰り返し音読させることで作品に入り込めるようにしたい また, 作品を場面ごとに整理し, 登場人物相互の関係や, 語句 表現技法についての理解を徹底させる (2) 読み取らせる描写を精選し, 作品全体の解釈につながるような発問を行う そして, その描写から読み取れることや自分の考えをじっくりと記述させる その際, 自分なりに考えた言葉で丁寧に表現させたい 机間指導の際には,

キーワードや良い表現をその都度評価し, そこから自分の表現でより深く書き込めるように誘導する (3) 個で読み取った後はペアで交流し, 聞き取った意見をもとに解釈を深めさせる その後の全体交流では, 学びがつながっていくような意図的指名を行い, その中で読みを共有し, 考えの深まりを実感できるようにする そのために, 机間指導中には生徒の記述した文章を素早く見取り, 読みが深まるような発言の順番が組み立てられるように注意したい 4 単元の目標 学習指導要領との関連 作品を読んで内容について考え, 感想を交流して考えを広げようとする 国語への関心 意欲 態度 人物の言動や様子, 心情を表す語句に着目して読み, その人柄や心情を捉えることができる C 読むことウ 文章中の表現から, その言葉の持つ意味について読み取り, 自分の考えをもつことができる C 読むことエ 使われている表現の意味を正しく理解し, 内容の読み取りをしている 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 5 単元の評価規準国語への関心 意欲 態度 読む能力 言語についての知識 理解 技能 登場人物の心情を読み取る ことを通して, 作品から受け取った作者の意図やメッセージ, それに対する自分たちの 考えを交流する言語活動 を通した指導 作品を読んで, 登場人物の心情や 描写の効果, 登場人物の言動の意 文中の語句について, その文脈上 考えを読み取り, 自分のものの見 味などを考え, 内容の理解に役立 の意味を正しく理解している 方や考え方と比較しようとして てている いる 2 文章に表れているものの見方や 考え方をとらえ, 自分の考えを広 げている 6 本単元において育成しようとする資質 能力とのかかわり 本校で育成したい資質 能力は, 基礎学力の定着 2 課題発見 解決力 3 コミュニケーション 能力 4 協調性 5 適応力 6 学ぶ楽しさ の自覚の 6 つである そのうち, 本単元で重点的に 指導したい資質 能力は以下の 2 つである ス キ ル 意 欲 育成したい資質 能力 3 コミュニケーショ ン能力 4 協調性 本単元の学習を通して目指す姿 ( ) と育成するための支援 工夫 ( ) 発表者は自信を持って自分の意見を発表し, 聞き手は自分との表現の違いに注意して 聞き, 考えを深めている まずペアで発表することで互いの意見を聞き取り, 肯定的な聴き方でその考えを共有 させる ペアや全体で自他の考えを交流する際に, 共感的 肯定的な反応を返しながら聴いた り, 自分の表現と比較したりするなどして自分の考えを深めている 文章の表現から読み取りをする学習活動において, 他者と考えを交流し合う場面を積

態 度 極的に仕組んでいく そこから自分の文章を推敲することにより, 他者との関わり合 いの中で自分の考えが深まった事を実感させる 7 指導と評価の計画 ( 全 5 時間 ) 次時学習内容生徒の思考の流れ 評価規準 ( 評価方法 ) 資質 能力の評価 ( 評価方法 ) 課題の設定 作品を読み, 感想を書く 戦争はいけない 何もいいこ 作品の時代背景や登場人物の とがない 関係などを理解して感想を書 弟もだが, 僕 もかわいそ いている ( ノート ) 関 知 うだ 戦争はむごい 第 一 次 2 情報の収集整理 分析 感想交流をし, 内容や語句の意 母はつらかったと思うが強 他者の感想を聞いて自分の考え 味 表現技法などを確認 理解し い人だ を深め, さらに文中の表現につ た上で, 表現の中で気になる点が なぜ弟の名前がカタカナなの いて考えている ( 行動観察 ) ないか探す だろうか 関 単元を貫く課題設定 母親や作者の心情を読み取ることを通して, 弟の名前をカタカナ表記にした作者の意図を考え, どん なメッセージが込められているのかを読み取ろう 情報の収集 整理 分析 3 母の表情について書かれた場面 から, 母の心情を読み取る なぜ母親は何も言わずに立ち去ったのだろう 悔しさ 悲しみ 強い 悲しい悲しい という表現から, 母親の心情を読み取っている ( ノート ) 読 ペアや全体で自他の考えを交流 第 二 次 いきどおり あきらめ 怒り 孤独感 する際に, 共感的 肯定的な反応を返しながら聴いたり, 自分の表現と比較したりするなどして自分の考えを深めている ( 行動観察 ) 協調性 発表者は自信を持って自分の意見を発表し, 聞き手は自分との表現の違いに注意して聞き, 考えを深めている ( 行動観察 ) コ

ミュニケーション能力 情報の収集 整理 分析 4 弟を棺に入れる場面での母と作 者の心情を読み取る ( 本時 ) 大きくなっていたわが子を見て, 母はどのような思いだったのだろう 悲しみ 怒り 謝罪 今まで泣いたことのない母親が泣く姿を見て, 作者はどういう気持ちだったのだろう 謝罪 後悔 使命感 初めて という表現に着目し, 登場人物それぞれの心情を読み取っている ( ノート ) 読 ペアや全体で自他の考えを交流する際に, 共感的 肯定的な反応を返しながら聴いたり, 自分の表現と比較するなどして自分の考えを深めている ( 行動観察 ) 協調性 発表者は自信を持って自分の意見を発表し, 聞き手は自分との表現の違いに注意して聞き, 考えを深めている ( 行動観察 ) コミュニケーション能力 まとめ 創造 表現 振り返り 5 弟の名前がなぜカタカナ表記になっているのかを考え, 作者が作品に込めたメッセージを読み取る ヒロシマやナガサキも同じようにカタカナ表記になっている 作者はどのような意味を込めているのだろう 弟の死を強調 戦争の象徴 読み取ったことを踏まえながら, 作者がどういう意図でカタカナ表記にしたのかを考え, 込められたメッセージについて自分なりの意見を書いている ( ノート ) 読 第 三 次 罪のないすべての戦死者 に対する弔い ペアや全体で自他の考えを交流する際に, 共感的 肯定的な反応を返しながら聴いたり, 自分の表現と比較するなどして自分の考えを深めている ( 行動観察 ) 協調性 発表者は自信を持って自分の意見を発表し, 聞き手は自分との表現の違いに注意して聞き, 考えを深めている ( 行動観察 ) コミュニケーション能力

本時の学習 () 本時の目標 作品の中に込められた言葉から, 母親と作者 ( 僕 ) の心情を読み取る (2) 観点別評価規準 初めて という表現に着目し, そこから母親と作者 ( 僕 ) の心情を読み取っている 読 (3) 学習の展開分 予想される生徒の反応 2 学習目標を確認し, 前時までの学習を振り返る 指導上の留意点 配慮を要する生徒への支援 評価規準 ( 方法 ) 教科の指導事項 資質 能力 目標 母と僕の心情を読み取ろう 5 2 学習場面の範読を聞き, 場面を想像し 場面をイメージできるように, 抑揚や ながら読む 強弱に気を付けて範読する 2 3 母が, 初めて泣きました の 読み取りをする部分に線を引き, 視写 部分を繰り返し音読する させる 着目すべきキーワードを予想させる 悔やむ気持ち 申し訳ない気持ち 謝罪の気持ち 悲しみの気持ち 4 初めて という表現に着目し, 母の 机間指導をし, 良い表現は評価する 初めて という 心情を読み取る 個人 ノートに本文中の言葉に注目させなが 表現に着目し, 母 守ってあげられなかったと悔やむ気持 ら記述させる の心情を読み取っ ち 個別に声をかけ, 書きやすいように他 ている ( ノート ) 大きく育ててあげられなくて申し訳ない のキーワードを提示する 読 という気持ち 満足に食べさせてあげられなくてごめん ねという謝罪の気持ち 食べ物がない中でもけなげに育っていた わが子がもうこれ以上大きくなれない ことを改めて思い知らされた悲しみの 気持ち 5 共通点や相違点を意識しながらグル キーワード ( 悔やみ, 謝罪, 悲しみな 他者の意見を聞き ープで交流する グループ 全体 ど ) で似ているものを分類させたり, 取り, 良い表現など 分類しながらキーワードを出させたり を書き取っている する ( 行動観察 ) コミ 個別に声をかけ, 書きやすいように他 ュニケーション能

のキーワードを提示する 力 協調性 6 読み取った 母 の心情を踏まえなが 母 の心情との関係で, 僕 の心情 母 の心情を踏 ら, 僕 の心情を読み取る 個人 を本文中の言葉に注目させながらノー まえて 僕 の心情 僕のせいで弟の食べ物がなくなってしま トへ整理させる を読み取っている って申し訳なく思う気持ち 机間指導をし, 良い表現は評価する ( ノート ) 読 僕が盗み飲みさえしなければ, という後 個別に声をかけ, 書きやすいように他 悔の気持ち のキーワードを提示する 弟だけでなく母にまでも悪いことをして しまったという罪悪感 母を泣かせてしまったのは, 盗み飲みを してしまった僕のせいでもある これか らは弟の分まで母を支えていかなければ ならないという気持ち 7 読み取ったことをグループで交流し 母 の心情と対比させながら, キー 他者の意見を聞き た後, 全体で交流する グループ 全 ワード ( 謝罪, 後悔, 罪悪感, 決意な 取り, 良い表現など 体 ど ) で似ているものを分類させたり, を書き取っている 分類しながらキーワードを出させたり ( 行動観察 ) コミ する ュニケーション能 力 協調性 4 自分の解釈を見直す ( 書きまとめる ) グループや全体での交流からの気づき を赤ペンでノートに書き込ませること で整理させ, もう一度自分が書いた文 章の見直しをさせる 5 9 学習場面の範読を再度聞き, 読み取っ 読み取った内容を確認しながら読む た内容を確認しながら振り返りをする 予想される生徒の振り返り 母や僕の気持ちをしっかりと読み取ることができた さんの という意見になるほどと思った 私も さんと同じような意見だった でも, 表現の仕方が違っていたので, 次回, 取り入れてみようと思った 今回読み取った心情をもとに, 次の時間は作者の意図を考えていきたい

(4) 板書計画目標母と僕の心情を読み取ろう大人になれなかった弟たちに 米倉斉加年母が, おおきくなっていたんだね, とヒロユキのひざを曲げて棺に入れました そのとき, 母は初めて泣きました 母の心情作者 ( 僕 ) の心情その際, 悲しみ, 怒り, 謝罪などの 全体で交流する 単元目標弟の名前をカタカナ表記にした作者の意図を考えよう 3~5 行 3~5 行