やさしい日本語 で行う外国人のための防災講座事例 ( 公財 ) 福岡県国際交流センターの報告書をもとに作成 日時場所参加人数内容 平成 28 年度 ( 公財 ) 福岡県国際交流センター地域国際化推進活動支援事業 災害から私たちを守ろう~ 外国人と日本人がいっしょに考える地域づくり 2016 年 10 月 30 日午後 1 時から午後 4 時 30 分福岡市 NPO ボランティア交流センター あすみん ( 福岡市中央区今泉 1-19-22) 62 名 ( 福岡日本語支援ネットワーク会員 21 名 一般参加者 41 名 ) 日本人 16 名 : 福岡地域日本語の会 福岡県留学生サポートセンター 立命館アジア太平洋大学 大野城市安全安心課 日本語クラスメンバー ( 公財 ) 大宰府国際交流協会 宗像市グローバル人材育成係 福岡県国際交流センター その他一般参加者 外国人 25 名 : 中国 7ベトナム3 台湾 3 メリカ2 韓国 2 タイ1 ウガンダ1 インド4 ネパール2 Ⅰ やさしい日本語 研修会 (1) やさしい日本語 の生まれた背景 基本ルール 簡単な言葉にする 伝えたい情報 必要な情報から先に伝える 擬態語や擬音語を避ける あいまいな表現を避けるなど やさしい日本語 の 12 の基本ルールがある (2) 災害用語 注意報 警報 特別警報( 気象庁発表用語 ) 避難準備情報 避難勧告 避難指示( 市町村役場から発せられる用語 ) 災害時の用語は災害時にそのまま放送されるので やさしい言葉に変換しない 説明を加えてそのまま使う 言葉の意味を正しく理解させる ( 日本人でもあいまいなままにしていることが多い ) Ⅱ 防災ワークショップハザードマップ ( 福岡市中央区版 ) 防災グッズリストを見ながら やさしい日本語 を使って 以下について日本人が外国人に教える 説明するワーク (1) 住んでいる場所に近い避難場所を教える (2) 防災グッズについて 個々のグッズについてそれがなぜ必要なのか説明する 次いで 防災行動に関して学習する (3) 緊急地震速報がでたとき 地震が起こったときの対処方法最初にすることは 頭や体を守ること 次に 火を消す 3 番目に出入り口のドアを開けましょう (4) 災害の事前の備えとして 家 ( 部屋 ) の中 を安全にしておく倒れやすい家具がないか ベッドとの位置関係を確認し 危ない家具は固定する 1
(5) 非常時の防災用品 一つでもいいから災害に備えて準備することを始めてください (3) について 実際に机の下に入らせ体を守るということを体験的に学習させる (4) について 説明時のパワーポイント資料が非常にわかりやすいイラスト 動画で参加者の理解を促進した (5) について 防災グッズの現物を示し 説明と併せて直接触れさせることで理解を深めた ワークショップ最後に東日本大震災の津波動画 (4 分程度 ) を見る 最後の方で逃げ遅れた人々が描写されたショッングなもの 津波波警報は 30 分前に既に発令されており 逃げる時間は十分にあった その情報を受けて適切な避難行動を取ることが生死を左右した 適切な避難行動がいかに重要か理解できた 前半は 日本語ボランティア 一般者参加者向けのノーマルスピードで講習が進められた 時折 参加者へ質問を投げかける形で講習を進めていた 質問は 日本人 外国人を問わず数多く投げかけられたが 外国人も質問に窮する場面はなく応答はスムーズだった 後半 ( ワークショップ ) は 外国人にも伝わるような やさしい日本語 を用いて講習が進められた 外国人の反応が目に見えて良くなり 非常に活発なワークショップとなった 実施効果 成果 Ⅲ 意見交流会ワークショップ終了後 休憩時間を取ることなく意見交流会が始まる 既に各テーブルで 外国人と日本人との意見交換が始まっており 活発な意見交流なっていた クマル氏が進行役で CIP 紹介 留学生 ( 元留学生 ) の日本人との平素のコミュニケーションの現状 外国人の防災意識等について説明があった また 熊本地震被災地での自身のボランティア活動について説明があった (1) やさしい日本語 防災行動の理解 体験 やさしい日本語 に関して 情報を伝えるための言葉として 特に理解のしやすさが求められる非常時においてその有効性が伝わった また 平素のコミュニケーションにも役立つことが理解された 文を作る上では 基本ルール(12) に従って作ることが肝要であること 杉本講師が やさしい日本語 を使用してすすめたワークショップでは 外国人の反応が大変スムーズで 日本語ボランティア 一般参加者にとっても感じるところが大きかった 防災 に関して 基本的な災害用語については テレビ ラジオでもそのまま使用されることから 災害用語は そのまま理解しておいたほうがよいこと その際 意味内容をあいまいにせず正しく教えることが大事であることが理解できた 2
外国人が自分の住んでいる学区名や地域名 駅名等について知らないことが多い 何でもないことが非常時には重要になってくることを気づかされた 地震が起こったときの対処行動( 自分の命を守る行動 ) を体験的に学習できた 減災を図る上でのコミュニケーションの重要性 に関して 災害が起きた時の減災という点では 地域で助け合うことが求められ 平素から外国人と日本人が声をかけあうことができるような関係づくりが重要であることが理解できた (2) 外国人と日本人との協働活動 イベント参加者は外国人 25 名 日本語ボランティア 21 名 一般の方 16 名と様々な立場の人の参加があった いろんな立場の人が外国人に対する支援のあり方 災害時の助け合いなど ひとつの課題について考えを述べ合う場となった やさしい日本語 をベースにすることで 外国人にとっても会話内容が理解でき 日本人といっしょに考えるイベントとすることができた ワークショップでは 活発な意見交換がみられ 自然に交流を深めることができた 相互に相手を思いやり 自然な形で交流に入っていけることから 平時の顔の見える関係作りにもつながる可能性を感じることができた 講座の様子 アンケート結果 ( 対象 : 日本人 ) 1 部 やさしい日本語 研修会 ( アンケート回収数 29) 1. 研修を受講されて いかがでしたか 1たいへんよかった 20 2よかった9 3どちらともいえない 2. 災害時に外国人に説明する やさしい日本語 12 のルールを受講されて どのように思われましたか 1よく理解できた 21 2まあまあ理解できた7 3どちらともいえない1 4あまり理解できなかった 5 理解できなかった 3
3. 外国人に説明するときに必要な やさしい日本語 を自分で使うことができると思われましたか 1 思った 10 2まあまあ思った 15 3どちらともいえない4 4あまり思わなかった 5 思わなかった 4. 分からないことや疑問に思うことがございましたら お書きください 5. その他 感想がございましたらお書きください ついたくさんの事を伝えようとしてしまうので やさしい日本語 12 のルールはたいへん役に立ちます よく読み直して勉強します すごく勉強になりました あいまいな日本語気をつけます 言葉がはっきりしていて聞きやすかった 資料が参照しにくかった いろいろ勉強になりました 研修会に参加させていただき本当によかったです テーマとは別問題になるが外国の方がどこに住んでいるかわからないので伝えようがない ( 現在の福岡市 ) 資料にページを付けていただきたい 大きい地震が来たにもかかわらず異常は特にないのでそのまま 10 階のマンションにいても大丈夫ですか 出る必要がないと思うけど すごく勉強になりました! 今後の生活に活用できると思います 私たちの表現や常識が相手にとっては違うということを改めて感じました 違いをしっかりふまえなければならないと思いました 日本人では気づかないことがたくさんあることを理解しました 活用してみたいと思う 本日はありがとうございました PPT の文字を移す時間がないので少し残念でした 2 部ワークショップ ( アンケート回収数 28) 1. 第 2 部の研修を受講されて いかがでしたか 1たいへんよかった 17 2よかった 11 3どちらともいえない 2. 実際に外国の方と交流し話を聞く のワークを受けて 災害時の外国人の状況をどのように思われましたか 1よく理解できた 20 2まあまあ理解できた7 3どちらともいえない1 4あまり理解できなかった 5 理解できなかった 3. 災害時に必要なことを外国人にやさしい日本語で伝えることができる をグループワークしていかがでしたか 1たいへんよかった 14 2よかった 13 3どちらともいえない1 4. 分からないことや疑問に思うことがございましたら お書きください 4
5. その他 感想がございましたらお書きください 外国人にやさしい日本語で説明するのは難しかったこともありました 普段からやさしい日本語を意識したいです 現在 福岡市のあんしんリーダー会メンバー ( 防災士 ) ですが 外国人の方に防災出前講座等実施してみたいと思います 留学生で仕事で来日している方等 緩いネットワークの構築が必要だと思います 杉本さんの熱意あふれる活動に深い感銘を受けました 自分の知っている外国人が災害で命を落として欲しくない を原動力にされていらっしゃるとのこと 気持ちは同じです ボランティア教室の学習者やスタッフに伝えていきたいと思います 良い機会をありがとうございました 外国人の参加がもっとあったらよかった 災害が起こった時 日本人でも情報に惑わされたり判断を誤ったり 混乱をきたしてしまう 日本語が不十分であまり地域とのつながりが薄い外国人とってどんなに不安なのかと思わざるを得ませんでした 3 部意見交流会 ( 回答回収数 26) 1. 第 3 部の意見交流会に参加されていかがでしたか 1たいへんよかった 16 2よかった 10 3どちらともいえない 2. 外国の方の日本で災害に遭った時の気持ちが理解できましたか 1よく理解できた 15 2まあまあ理解できた 10 3どちらともいえない1 4あまり理解できなかった 5 理解できなかった 3. 災害時に必要なことを外国人と日本人がやさしい日本語で伝えあうことができる を基に意見交流していかがでしたか 1たいへんよかった 15 2よかった 11 3どちらともいえない 4. 分からないことや疑問に思うことがございましたら お書きください 5. その他 感想がございましたらお書きください 今回のイベントの趣旨に賛同します 留学生にとって日本語は難しいし 日本人の友達が少ないとのこと 言葉が通じなくてもジェスチャーがあるので お互いのコミュニケーションを取ろうという気持ちが大切ということを再認識しました 熊本地震での支援のお話は大変感動しました 初めて知った CIP 今後も注目していきたいと思います 今後の災害時の情報伝達に役立てたいと思います あんしんリーダー会( 防災士 ) メンバーだが 外国人向け出前講座とか行ってみたい 日本語支援ネ 5
ットワークや CIP の組織もご一緒できればありがたい Shy な性格ですが 自分とみんなの命を守るために これからは積極的に声をかけていこうと思います ありがとうございました アンケート結果 ( 対象 : 外国人 ) 1 部 やさしい日本語 研修会 ( アンケート回収数 11) 1. 研修を受講されて いかがでしたか 1たいへんよかった8 2よかった3 3どちらともいえない 2. あなたは災害時の言葉を理解できましたか 1 理解できた 7 2 まあまあ理解できた 4 3 どちらともいえない 4 あまり理解できなかった 5 理解できなかった 2 部ワークショップ ( アンケート回収数 10) 1. 第 2 部のワークショップを受講されて いかがでしたか 1たいへんよかった 10 2よかった 3どちらともいえない 一番大切なこと 自分の体を守ることが大切だということがわかった 2. あなたが実際に災害にあったとき あなたの状況が理解できましたか 1 よく理解できた 6 2 まあまあ理解できた 4 3 どちらともいえない 4 あまり理解できなかった 5 理解できなかった 3. 災害時に必要なことを聞き取ることができる をグループワークしてどうでしたか 1 たいへんよかった 6 2 よかった 4 3 どちらともいえない 4 あまりよくなかった 5 よくなかった 3 部意見交流会 ( アンケート回収数 10) 1. 第 3 部の意見交流会に参加されていかがでしたか 1たいへんよかった5 2よかった5 3どちらともいえない 2. 災害の時の自分の行動が理解できましたか 1 よく理解できた 7 2 まあまあ理解できた 3 3 どちらともいえない 4 あまり理解できなかった 5 理解できなかった 3. 災害時に必要なことを外国人と日本人がやさしい日本語で伝えあうことができる を基に あなたは意見交換してどうでしたか 1 たいへんよかった 7 2 よかった 3 3 どちらともいえない 4 あまりよくなかった 6