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RL78 開発環境移行ガイド R8C/M16C, H8S/H8SXからRL78への移行 ( 統合開発環境編 ) (High-performance Embedded Workshop CS+) 2017/4/7 R20UT2087JJ0103 ソフトウェア事業部ソフトウエア技術部ルネサスシステムデザイン株式会社

はじめに 本資料は 統合開発環境 High-performance Embedded Workshop ( 以降 HEW) で作成したプロジェクトを統合開発環境 CS+ の RL78ファミリ用コンパイラ ( 以降 CC-RL) のプロジェクトに移行する際の注意事項を記載しています HEW プロジェクト RXファミリ用 SuperHファミリ用 R8C,M16Cファミリ用 R32Cファミリ用 M32R ファミリ用 本資料で対象とする CS+/HEW/CC-RLのバージョンは以下の通りです CS+ for CC V5.00.00 HEW V4.09.01.007 CC-RL V1.04.00 H8SX,H8S,H8 ファミリ用 CS+ プロジェクト RL78ファミリ用 RXファミリ用 RH850ファミリ用 プロジェクト移行 本資料で説明 ページ 2

アジェンダ セクション配置ページ 04 マイコン制御機能ページ 08 - 周辺機能制御ページ 09 - 割り込み制御ページ 11 -オンチップデバッグ設定ページ 13 ページ 3

セクション配置

セクション配置 (1/3) プログラムやデータのセクションの配置の指定は プロパティのリンクオプションで設定してください 配置は コンパイラが生成するセクション名を指定 任意のアドレスに任意のセクションを指定可能 ページ 5

セクション配置 (2/3) CC-RL では デフォルト セクション名でセクションを生成します デフォルト セクション名再配置属性内容.callt0 CALLT0 callt 関数呼び出しのテーブル用セクション.text TEXT コード部用セクション (near 領域配置 ).textf TEXTF コード部用セクション (far 領域配置 ).textf_unit64kp TEXTF_UNIT64KP コード部用セクション ( セクションを先頭が偶数番地になるように, 64KB-1 境界にまたがらないように配置 ).const CONST ROM データ (near 領域配置 )( ミラー領域内 ).constf CONSTF ROM データ (far 領域配置 ).data DATA 初期化データ用セクション ( 初期値あり near 領域配置 ).dataf DATAF 初期化データ用セクション ( 初期値あり far 領域配置 ).sdata SDATA 初期化データ用セクション ( 初期値あり saddr 配置変数 ).sbss_bit SBSS_BIT ビットデータ領域用セクション ( 初期値なし,saddr 配置変数 ).bss_bit BSS_BIT ビットデータ領域用セクション ( 初期値なし,near 領域配置 ) ページ 6

セクション配置 (3/3) デフォルト セクション名再配置属性内容.bss BSS データ領域用セクション ( 初期値なし,near 領域配置 ).bssf BSSF データ領域用セクション ( 初期値なし,far 領域配置 ).sbss SBSS データ領域用セクション ( 初期値なし,saddr 配置変数 ).option_byte OPT_BYTE ユーザ オプション バイト, およびオンチップ デバッグ指定専用セクショ ン.security_id SECUR_ID セキュリティ ID 指定専用セクション.vect 注 AT 割り込みベクタテーブル.dataR DATA 初期化データRAM 用セクション ( 初期値あり near 領域配置 ) スタートアップファイルで定義.sdataR DATA 初期化データRAM 用セクション ( 初期値あり saddr 領域配置 ) スタートアップファイルで定義.RLIB 注 TEXTF ランタイム ライブラリコード用セクション.SLIB 注 TEXTF 標準ライブラリコード用セクション 注 #pragma section でセクション名を変更することができません ページ 7

マイコン制御機能

周辺機能制御 CS+ でプロジェクトを作成時に iodefine.h ファイルが生成されます このファイルをインクルード することで 周辺 IOに対応したシンボルでのアクセスが可能となります 記述するレジスタ名称は マニュアルに記載されているレジスタ略称名およびビット名称です 四角印のビットについては ビット名での記述が可能 #include iodefine.h // 周辺 I/O レジスタ定義ファイルの指定 PER0 = 0x01; TAU0EN = 0; // レジスタ全体のアクセス // 1 ビットのみアクセス ページ 9

周辺機能制御アクセス例 四角印がないビットに対してのアクセス例 #include iodefine.h // 周辺 I/O レジスタ定義ファイルの指定 PM5_bit.no0 = 0; // PM5 レジスタのビット 0 のみ 0 クリア iodefine.h で定義されている _bit の名前の付いたバイトとワードの予約語を利用してアクセスしてください ページ 10

割り込み制御 割り込み禁止 許可を行う組み込み関数 void DI(void); 割り込み禁止 void EI(void); 割り込み許可 割り込み関数のベクタ登録と割り込み前後処理のコード出力 #pragma interrupt [(] 割り込みハンドラ名 [( 割り込み仕様 [,...])][)] < 割り込み仕様 > 項目 ベクタテーブル指定 形式 vect= アドレス 割り込み仕様に応じて ベクタに関数の先頭番地を登録 レジスタの退避 回復と RETI 命令などのコードを出力 レジスタ バンク指定 bank={ RB0 RB1 RB2 RB3 } 多重割り込み許可指定 enable={ true false } ページ 11

割り込み制御プログラム記述例 #include iodefine.h // 周辺 I/Oレジスタ定義ファイルの指定 // ベクタ登録 & 割り込み関数指定 #pragma interrupt intp0_int(vect=intp0) 割り込み仕様 void main(void) { : EI(); while(1); } void intp0_int(void) { : } 割り込み関数名 // 割り込み許可 // INTP0 割り込み ページ 12

オンチップデバッグ設定 オンチップデバッグの動作制御を行う オンチップ デバッグ オプション バイト レジスタの値をビルド ツール リンク オプション タブの デバイス カテゴリで設定します また ユーザ オプション バイト レジスタの値も設定し 高速内蔵発信回路の周波数の設定と デバッグ用にウォッチ ドッグ タイマを停止しておきます はい を選択し 制御値は 84h ( オンチップデバッグの動作を許可 ) を設定 はい を選択し 値は EEFFE8h( ウォッチドッグタイマ停止 高速内蔵発振 :32MHz) を設定 ページ 13

ルネサスシステムデザイン株式会社