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1 - 第 3 世代 IGBT ロームは IGBT の量産を 2009 年から開始しました また 第 2 世代より図 1 に示す通りライトパンチスルー構造を導入しました ライトパンチスルー構造は 低 V CE(sat) や高速スイッチングなど性能の利点を IGBT にもたらします これは ドリフト層におけるキャリア濃度勾配がエピタキシャル層を用いた従来のパンチスルー構造よりも小さくなることに起因します これにより 電子密度 ( 多数キャリア ) が増加し ホール密度 ( 少数キャリア ) が減少します 第 3 世代 IGBT では ライトパンチスルー構造に加えて セル構造の微細化を実施しています これによりデバイスの寄生容量を低減してスイッチン グ挙動を改善し ドライバ回路の設計負荷を軽減することができます 更に 第 2 世代品と比較してウエハ厚の 15% 削減を達成しています これ は導通時のデバイス損失を低減するだけでなく ターンオフ時に引き抜く必要のあるキャリア数が減少し スイッチング損失も低減することが出来ます IGBT Gen 1 IGBT Gen 2 IGBT Gen 3 Figure 1. ローム IGBT の技術改善トレンド 2 - 製品ラインアップ 第 3 世代 IGBT のラインナップ一覧を表 1にまとめています また デバイスの品番命名ルールを図 2に示します 電流定格を表す箇所は ケース温度 T C=100 における電流定格の2 倍の値を規定しています ( 他社の IGBT と比較して記載が異なる場合があります ) 各電流定格について IGBT 単体品とファストリカバリダイオード ( 以下 :FRD) 同梱品の2 種類を用意しています RGTV シリーズは 同梱 FRD の電流定格は IGBT と同じです RGW シリーズは 同梱 FRD の電流定格は IGBT の定格より小さいものを採用しており 各 FRD の電流定格値を表 1 の括弧内に記載しています なお 第 3 世代 IGBT は 2 つの製品シリーズに分類されます - RGTV シリーズ 高速スイッチング かつ短絡耐量保証 2μs - RGW シリーズ 超高速スイッチング 短絡耐量保証なし 上記の製品シリーズでは ケース温度 T C=100 で 30A から 80A までの電流定格品を TO-247N( 非絶縁タイプ ) と TO-3PFM( 絶縁タイ プ ) の両方のパッケージにてラインアップしています 2/12

Table 1. 第 3 世代 IGBT の製品ラインアップ RGTV シリーズ TO-247N TO-3PFM IGBT 単体品 FRD 同梱品 ( ダイオード電流定格 ) IGBT 単体品 FRD 同梱品 ( ダイオード電流定格 ) 30A RGTV60TS65 RGTV60TS65D (30A) RGTV60TK65 RGTV60TK65D (30A) 50A RGTV00TS65 RGTV00TS65D (50A) RGTV00TK65 RGTV00TK65D (50A) 80A RGTVX6TS65 RGTVX6TS65D (80A) - - RGW シリーズ TO-247N TO-3PFM IGBT 単体品 FRD 同梱品 ( ダイオード電流定格 ) IGBT 単体品 FRD 同梱品 ( ダイオード電流定格 ) 30A RGW60TS65 RGW60TS65D (20A) RGW60TK65 RGW60TK65D (20A) 40A RGW80TS65 RGW80TS65D (20A) RGW80TK65 RGW80TK65D (20A) 50A RGW00TS65 RGW00TS65D (30A) RGW00TK65 RGW00TK65D (30A) TO-247N TO-3PFM ROHM IGBT Twice rated current, in Ampere 00 50A @ T C =100 X6 80A @ T C =100 Voltage Class 65 650V X2 1200V R G TV 60 TS 65 D IGBT Series TV: High speed (SCWT 2 µs) W: Very high speed TH: High speed IGBT T: Drive IGBT (SCWT 5 µs) CL: Low V CE (sat) C: Reverse Conducting IGBT S: Automotive qualified P: Ignition IGBT Package TS: TO-247N TK: TO-3PFM BM: TO-252 NS: LPDS/TO-262 NL: LPDL TM: TO-220NFM anti-parallel FRD None: Without FRD (IGBT Single) D: Co-packed FRD Chip E: Built-in FRD Chip (Enlarge FRD) R: Integrated FRD (Reverse Conducting(RC) IGBT) C: SiC Schottky Barrier Diode Figure 2. ローム IGBT の品番命名ルール 3/12

Switching Frequency 3 - 第 3 世代デバイス ロームは様々な IGBT シリーズをリリースしており それぞれターゲットとしているアプリケーションおよび市場が異なります 短絡耐量 SCWT 飽和電圧 V CE(sat) スイッチング損失といったパラメータを各アプリケーションの要求に合わせ込んでいます 図 3はロームの各 IGBT シリーズを横軸 : 短絡耐量 縦軸 : スイッチング周波数で図示したものです 第 1 世代 IGBT は車載イグナイタ市場をターゲットにラインアップしており ブレイクダウン電圧の要求は 360V~560V 前後になります 第 2 世代 IGBT のうち RGCL シリーズは低 V CE(sat) に特化しています 一方でスイッチング損失を犠牲にしており 低いスイッチング周波数向けです RGTH シリーズは低スイッチング損失を実現し スイッチング電源 (SMPS) やバッテリー充電器といった産業機器分野にアプローチしています これらのアプリケーションでは一般的に短絡耐量の保証は必要ありません 一方で 産業機器モータードライブ回路では 5μs の短絡耐量を要求されるため RGT シリーズを推奨しています 最後に RGS シリーズは短絡耐量の保証に加えて車載信頼性を満足しているため 電動コンプレッサ やヒーター等の用途向けで車載システムに採用されています 図 3の通り 新開発の第 3 世代 IGBT は主に高効率の産業機器アプリケーションをターゲットにしています 例えば 太陽光発電パワーコンディショナー 単相電源 無停電電源 (UPS) バッテリー充電器 そして溶接機などです これらのアプリケーションにおける短絡耐量の要求はごく短時間 ( 2μs) もしくは0μs です その代わりに IGBT のパフォーマンスを最大限に引き出すことが要求されます これらの要求に応えるための 第 3 世代 IGBT の低導通損失と低スイッチング損失特性に関して次章から紹介していきます RGW Series Gen.3 650V RGTV Series RGTH Series Gen.3 650V Gen.2 650V RGT Series RGS Series RGCL Series Gen.2 600V Low V ce,sat Gen.2 650V AEC-Q101 650V 1200V RGP Series Gen.1 360V 560V Ignition Systems 0 µs 2 µs 5 µs 8 µs 10 µs SCWT Solar Systems, UPS, SMPS, Air conditioners Inverter, Motor Automotive Figure 3. アプリケーションマップおよびリリース済みのローム IGBT シリーズ 4/12

4 - IGBT のパフォーマンス 第 2 章で説明した通り 第 3 世代のデバイス構造によって IGBT における V CE(sat) ーターンオフ損失のトレードオフを改善することが出来ました こ れらのパラメータを最適化することで 低導通損失と低スイッチング損失を両立することが可能です 図 4 は 第 2 世代 RGTH シリーズと第 3 世代 RGTV シリーズの同じ電流定格品同士での比較です 左側のグラフは 室温 (25 ) と最大ジ ャンクション温度 (175 ) における コレクタ電流に対する V CE(sat) 特性をプロットしています 新製品の V CE(sat) は 25 で 0.1V( 約 6%) 175 で 0.25V( 約 12%) 改善しています 同様に 右側のグラフは同一条件におけるターンオフ波形の重ね合わせになります 第 3 世代のデバイス構造最適化による効果を確認することが 出来ます RGTV60TS65D はテール電流がほとんど無く コレクタ電流の立下りが高速になっています その結果として E off 損失の 10% 低減を 実現しています Figure 4. ロームの第 2 世代 IGBT と第 3 世代 IGBT の静特性および動特性比較 前章で示した通り RGW シリーズは超高速 IGBT 製品になります 図 5 の RGW シリーズと RGTV シリーズの 50A 定格品同士でのターンオフ波 形比較において その結果を証明しています 同一条件において RGW00TS65D は更に E off 損失の 25% 低減を実現しています Figure 5. 50A 定格品 IGBT における RGTV シリーズと RGW シリーズの波形比較 5/12

IGBT と同様に 同梱されているファストリカバリダイオード (FRD) 技術も改良されています 薄ウエハ化とフィールドストップ構造を適用した第 6 世代 FRD 技術を採用しています それにより 低い順方向電圧 V F と低い逆回復電荷 Q rr を両立しています これらの特長は インバータ回路においてダイオードの損失を下げるだけではなく 対向 IGBT の損失を下げる重要な役割も果たします それと同時に 第 6 世代 FRD はリカバリ波形が非常にスムーズです 高速かつソフトリカバリで FRD はもちろん IGBT におけるリンギングも抑制することが出来ます このことは 図 6のローム第 6 世代 FRD 第 3 世代 FRD および競合品 FRD の波形比較において確認することが出来ます 第 6 世代品では リカバリ時の電流 電圧波形のリンギングがほとんどありません それに加えて Q rr の温度依存性も小さくなっています Figure 6. 第 6 世代 FRD 技術の概要 ( 左 ) 30A 定格品 FRD の T j=25 C と T j=125 C におけるリカバリ波形 ( 右 ) IGBT の V CE(sat) と E off 特性改善 並びに同梱 FRD の Q rr 低減によりデバイスとしての損失を下げることができます それがシステムの高効率化 冷却機構の簡素化にも繋がります 例えば ヒートシンクや冷却ファンの小型化や削減が可能になります 次章では ポータブル溶接機と DC/AC インバータを用いて 第 3 世代 IGBT の各アプリケーションにおける効果を見ていきます 5 - ポータブル溶接機における利点 5.1 - 動作原理 ポータブル溶接機は絶縁型 AC/DC コンバータです 溶接用途によってティグ溶接 (TIG 溶接 ) や被覆アーク溶接 (MMA 溶接 ) 等が用いられます 図 7はポータブル溶接機の一般的な外観とハーフブリッジ方式の主回路です 入力電力は5kW に制限されており 基本的に単相入力の機器であり IGBT や MOSFET のディスクリート品がスイッチ S1 とスイッチ S2 に使用されます 同様に 2 次側のダイオードもディスクリート品が用いられます AC S1 D1 L1 Load S2 D2 (a) Figure 7. (a) ポータブル溶接機の外観 (b) ハーフブリッジ方式の簡易回路図 (b) 6/12

このような溶接機の主な動作波形が図 8になります この波形は図 7におけるローサイドスイッチ S2 における波形です t 1 でスイッチ S2 がターンオンします t 1 から t 2 の期間は S2 が導通しています t 2 で S2 がターンオフし S1 に逆並列接続している D1 にコイル電流が流れます ( 図 8には波形無し ) t 3 で D1 に流れる電流がゼロとなり S2 のコレクターエミッタ間の電圧共振が DC 電圧の半値で始まります t 4 でハイサイドスイッチ S1 がターンオン そして S2 が全電圧を保持します t 5 で S1 がターンオフします ここで S2 の逆接ダイオードの D2 が導通し始めます t 6 で D2 に流れる電流がゼロとなり 再度 S2 の V CE が共振を開始します t 7 で S2 がターンオンします この周期が繰り返されます Waveforms S2 ZCS Hard turn-off V CE Diode conduction I C V GE t 1 t 2 t 3 t 4 t 5 t 6 t 7 (t 1 ) Figure 8. ハーフブリッジ方式のポータブル溶接機における簡易波形図 5.2 - IGBT における損失と特性比較 図 8の波形に基づいて 1 次側の半導体デバイスで発生する損失を判別することが出来ます S2 がターンオンする時 (t 1 と t 7) 1 次側のコイルを通じての電流は流れていません つまり このスイッチング動作は電流値がゼロの時に起こり この動作における損失は無視出来ます 一方で S2 がターンオフする時 (t 2) 1 次側のコイル電流はゼロになり 一方で IGBT のコレクタ エミッタ間電圧が V CE(sat) から DC 電圧まで上昇します ここはもちろん損失の発生するプロセスであり 発生する電力損失は IGBT テクノロジーと電圧および電流 外付けゲート抵抗 寄生ループインダクダンス等の回路パラメータに左右されます これらのスイッチング損失に加えて t 1-t 2 間の IGBT の導通損失 t 5-t 6 間のダイオードの導通損失も存在します ダイオードの導通期間は IGBT と比較して短いため ダイオードの導通損失はシステム全体の損失への影響は少ないです 上記で説明した損失メカニズムから考えると 次の IGBT パラメータがポータブル溶接機の性能を左右します - V CE(sat) 導通損失の最小化 - E off スイッチング損失の最小化 それに加えて IGBT デバイスとヒートシンクの間に絶縁シートを使用しない場合は特に R th,jc もチップ温度を下げるために重要な役割を果たします 表 2は各 40A 定格品 IGBT デバイスのパラメータ表です 各特性値はインターネット上のデータシートを参照しています RGTH80TS65D と RGW80TS65D を比較することで 第 3 世代での特性改善を確認することが出来ます 競合品 A の V CE(sat) と E off 特性はロームの第 2 世代品と同等特性である一方 競合品 B は RGW80TS65D よりも更に低い E off を示しています 7/12

Overshoot [V] Table 2. 650V クラス 40A 定格品 IGBT における特性比較 デバイス V ce(sat) @ 40A E off @ 40A, 400V & 175 C R th,jc (max)* (25 C/175 C, typ)* (E off, R g,off)* RGW80TS65D 1.5 V / 1.85 V 910 µj, 10 Ω 0.70 K/W ( 第 3 世代品 ) RGTH80TS65D 1.6 V / 2.1 V 1200 µj, 10 Ω 0.64 K/W ( 第 2 世代品 ) 競合品 A 1.6 V / 2.1 V 1200 µj, 22 Ω 0.53 K/W 競合品 B 1.65 V / 1.95 V 625 µj, 15 Ω 0.65 K/W * インターネットに掲載されているデバイスのデータシートに基づく 5.3 - ポータブル溶接機を用いた回路試験 この章では ポータブル溶接機を用いた回路試験から得られたデータに基づいて議論します 前章の表 2 に記載した E off 損失は 異なる外付けゲート抵抗値で測定されています 図 9は 表 2に記載のデバイスにおける外付けゲート抵抗値と電圧オーバーシュート ( 溶接機での実測値 ) の関係をプロットしています この種類のシステムは 一般的に 100nH を超える回路上のループインダクタンスが存在しています そのため IGBT がターンオフする際の電流降下中に di C/dt 起因で大きな電圧スパイクが生じる場合があります ブレイクダウン電圧から 20% のマージンを確保するためには スパイク電圧は 520V を超えないように設計します 例えば入力電圧を 360V と考えた場合 電圧オーバーシュートは 160V を超えないようにする必要があります 図 9 に示している通り R g,off=10ω の条件下において電圧オーバーシュートが許容値より低いのは RGTH80TS65D と RGW80TS65D だ けです 一方 競合品 A と競合品 B は R g,off を 22Ω まで大きくする必要があります 300 Voltage Overshoot Comp. B 250 Comp. A RGTH80TS65D 200 RGW80TS65D 150 Allowed Overshoot 100 50 5 10 15 20 25 30 35 Off Resistance [Ω] Figure 9. 各 IGBT 使用時の外付けゲート抵抗とターンオフ時電圧オーバーシュートの関係 続いて 表 3 に示す回路パラメータの溶接機を使用して各 IGBT デバイスの性能を評価しました 冷却機構は強制空冷 IGBT は絶縁シート無 しで実装しています そのため ジャンクション温度を算出する際は IGBT デバイスの R th,jc 特性も重要となります 8/12

Case Temperature [ C] Delta Temperature [K] Table 3. IGBT の性能比較に用いた溶接機の回路パラメータ 回路パラメータ 設定値 回路方式 ハーフブリッジ 出力電流 175 A スイッチング周波数 50 khz 定格出力電力 2.5 kw デューティー比 ~ 40 % S1/S2 平均電流 ~ 16 A @ 定格電力 S1/S2 スイッチング電流 ~ 40 A @ 定格電力 ON/OFF ゲート電圧 15 V / 0 V 溶接機での試験時間は合計 3 分間で 手順としては最初の 1 分間は定格電力で駆動します その後の 1 分間 (2 分目 ) は回路駆動無し その後の 1 分間 (3 分目 ) に再度定格電力で回路を駆動させました 図 10 の左側は この 3 分間における IGBT のケース温度測定結果です ( ケース温度は実装されている裏面側はなくモールド表面側を測定しています ) 図 9 での結果を踏まえて R g,off 値は RGTH80TS65D と RGW80TS65D で 10Ω 競合品 A と競合品 B で 22Ωを適用しています 図 10 の右側は 3 分間試験における最終ケース温度とケース初期温度の差分を比較しています 予想通り RGW80TS65D( 第 3 世代品 ) は RGTH80TS65D( 第 2 世代品 ) よりも低い温度上昇を示しています 競合品 A の温度 上昇はロームの第 2 世代品よりは低いものの第 3 世代品よりは高くなっています 競合品 B は試験した中で温度上昇は最も低くなっています 110 100 90 80 70 60 50 40 Case Temperature RGTH80TS65D "Comp. A" RGW80TS65D "Comp. B" 90 80 70 60 50 78,7 ΔT C,END - ΔT C,BEG 72,3 66 55,2 RGTH80TS65D "Comp. A" RGW80TS65D "Comp. B" 30 0 30 60 90 120 150 180 210 40 Time [seconds] 30 (a) (b) Figure 10. (a) 各 IGBT 使用時の溶接機での 3 分間試験におけるケース温度 ( 表面側 ) (b) 同試験における最終ケース温度とケース初期温度の差分 ここで もう一つの重要特性である IGBT のターンオフ時における振る舞いについて比較していきます この振る舞いは コレクターエミッタ間やゲート ーエミッタ間で生じるリンギングに関係してきます 図 11 は 溶接機の回路上で評価した際の IGBT のコレクターエミッタ間およびゲートーエミッタ間の電圧波形です RGW80TS65D( 左 ) の 10Ωでの電圧波形と比較すると 競合品 B( 右 ) の 10Ωでの電圧波形は 2 倍以上の電圧オーバーシュートに加えて ピーク電圧に到達した後にリンギングが継続します 一方で RGW80TS65D は 最初の電圧オーバーシュートの後スムーズに DC リンク電圧へ近づいていきます この結果から 競合品 B が引き起こす EMI ノイズのレベルは RGW80TS65D よりも大きいことが予測されます それに加えて コレクターエミッタ間のリンギングはゲートーエミッタ間にもリンギングを発生させます 競合品 B のゲートーエミッタ間のリンギングは IGBT デバイスのしきい値電圧よりも大きくなっています それはつまり セット全体の回路そのものを破壊する可能性のある 寄生ターンオンおよび上下アーム短絡のリスクを示しています 9/12

リンギングの振幅低減は ターンオフ時の外付けゲート抵抗を大きくすることにより可能です それは図 11 右下の 33Ω での測定結果からも見て取 れます しかしながら 競合品 B は電圧オーバーシュートを低減しても V CE のリンギング期間は RGW80TS65D の 10Ω 条件下よりも長いままで した 加えて V GE のピーク電圧は依然として IGBT デバイスのしきい値よりも大きいままでした Figure 11. 溶接機での評価におけるターンオフ時の IGBT 波形 V CE ( 黄色 ) V GE ( 水色 ) 6 - DC/AC インバータにおける利点 太陽光発電パワーコンディショナーや無停電電源 (UPS) 等のシステムは 直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路を少なくとも1つは有しています インバータ回路で生み出されたエネルギーは パワーコンディショナーの場合は送電網に UPS の場合は交流負荷に提供されます 一般的に使用されている回路方式として 単相システムではハーフブリッジ回路 (HB) やフルブリッジ回路 (FB) 三相システムでは 3 レベル回路や中性点クランプ回路 (NPC) があります これらの用途において IGBT を用いたディスクリート品やモジュール品が広く普及しています 溶接機の回路とは違い これらの回路では IGBT はターンオン時もターンオフ時もハードスイッチングになります そのため IGBT に同梱されている逆接ダイオードの特性が重要な役割を果たします 第 4 章で触れたように 第 3 世代 IGBT に同梱されている第 6 世代 FRD は低い順方向電圧と逆回復電荷の低減を実現しています ハードスイッチング駆動における IGBT の性能を確認するために 単相のハーフブリッジ回路インバータを用いました 図 12 の左側は簡易回路図 右側は主な回路パラメータを示しています 10/12

S1 D1 Load 回路パラメータ入力電圧出力電圧定格電力 設定値 400 V DC 130 V AC 2 kw 周波数 24 khz D2 ON/OFF ゲート電圧 15 V / -3 V S2 Figure 12. 評価に使用したインバータの簡易回路図 ( 左 ) インバータの主な回路パラメータ ( 右 ) インバータ回路での比較評価においては 前述の溶接機と同じく RGW80TS65D( 第 3 世代品 ) と RGTH80TS65D( 第 2 世代品 ) を使用しました 加えて 競合他社からは競合品 B を含む最新シリーズの中から ソフトスイッチング版のデバイスを競合品 C として比較しました 前章の評価と同様に インバータ評価の前に適切な R g,off 値を選択しました このインバータ回路のループインダクタンスは 50nH 程度と溶接機よりも低いため RGW80TS65D と RGTH80TS65D は R g,off に 5Ωを使用しました ( 回路上でターンオフ時の電圧オーバーシュートが 650V 耐圧の 20% マージンを考慮した 520V 以下になる R g,off 値 ) 同様の考え方で 競合品 C の R g,off には 10Ωを使用しました R g,on は全てのデバイスで 5Ωです 上記の通り決定した外付けゲート抵抗値でインバータ回路の効率を測定しました 図 13 がその測定結果であり 負荷率は 10% から 100% まで 推移させています この結果には IGBT での損失に加えて出力フィルタ ケーブル コネクター等での損失も含まれていることになります ただし 評価 回路上における変更点は S1 および S2 に使用する IGBT デバイスと外付けゲート抵抗値のみです 図 13 より 第 3 世代品を用いた効率結果が第 2 世代品と比較して改善されていることが確認出来ます 低出力時で 1.4% 中 高出力時で 0.4% に及ぶ効率改善となりました 競合品 C と RGW80TS65D 間の差異は測定誤差の範囲内であり インバータ効率において同等と言えます +1.4% +0.4% +0.4% Figure 13. 第 2 世代品 第 3 世代品 競合品 C の 40A 定格 IGBT 間での効率比較 11/12

7 - 要約 ロームの第 3 世代 IGBT は特筆すべき技術の進化を遂げています TO-247N パッケージ品において RGTV シリーズは 80A RGW シリーズは 50A までの電流定格品を提供しています (T C=100 ) RGTV シリーズおよび RGW シリーズは 様々な産業機器アプリケーションにおける要求特性を満たすべく開発しました ( アプリケーション例 : 単相電源 太陽光発電パワーコンディショナー 無停電電源 (UPS) バッテリー充電器 そして溶接機など) DC/AC インバータやポータブル溶接機の回路を用いた比較評価結果からは ベンチマークである競合他社の高速スイッチング IGBT シリーズと比較して大差のないパフォーマンスを示すだけでなく ターンオフ波形がソフトかつリンギングを抑制した挙動となっていることが分かります 抵抗値の低い外付けゲート抵抗を用いた場合においても安定した動作を保証することが出来ます 同梱ダイオードに関しても リカバリ時の温度依存性が少なく かつソフトリカバリ特性を実現した第 6 世代 FRD の技術を取り入れました これらの結果 ロームの第 3 世代 IGBT は回路性能 回路設計の効率化 フィルタ設計の簡易化の観点において これら全ての最適化を実現出来るデバイスとなりました 12/12

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