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車体の構造 主要寸法 特性な旅客設腰掛ロングシート クロスシート ( 展望席 ) 空) 固有振動数 (Hz) 曲げ :20 ねじり :5.9 主備137 構体 材料アルミニウム合金形式 / 質量 ( kg ) ES9236-A-M / 41.3 主幹制御器構造 工法ダブルスキン FSW そ方式 T 形ワンハンドル 大阪高速鉄道 ( 大阪モノレール ) 3000 系車両 車両の前面 材料アルミニウム合金の速度計装置直動式指示計 ( 車内信号付き ) 他形状非常用貫通扉付きの車両情報制モニタ装置モニタシステム 天井アルミニウム合金主御システムモニタ表示器液晶カラーモニタ客室の要側 妻メラミン化粧板設前部標識灯白色 LED 内装材床塩化ビニル樹脂系床敷物備標識灯後部標識灯赤色 LED 長さ ( mm ) その他先頭車 14 800 その他青色 LED( 装飾灯 ) 中間車 13 900 非常用脱出装置 ( 脱出シュータ スローダン 空先頭車 15 500 気形式 / 質量 ( kg ) URC800D-I / 325 連結面間距離 ( mm ) 電動中間車 14 600 ブ圧縮機容量 1 002 リットル / min レ空気圧縮機心皿間距離 ( mm ) 9 600 ー圧縮機方式スクロール式一段圧縮 ( オイルフリー式 ) 車体幅 ( mm ) 2 900 キ元空気タンク 165 リットル設空気タンク屋根高さ 5 010( スカート下部から ) 備供給空気タンク 90 リットル 5 190 ブレーキ制御装置形式 / 質量 ( kg ) E115 / 67 高さ ( mm ) 屋根 ( スカート下部から空調装動台車 HAF-47 取付品上面形式置まで ) 付随台車 HAF-48 床面高さ ( mm ) 1 130 車体支持装置 ボルスタレス方式 相当曲げ剛性 (MN m 2 ) 442 けん引装置 中心ピン及び緩衝ゴム 相当ねじり剛性 (MN m 2 /rad) 233.7 枕ばね方式 空気ばね 上下枕ばね定数 / 動台車 - 送風方式天井ダクト : ラインフロー吹出し動台車 - 制輪子照明方式直接照明付随台車 - 室内灯灯具方式 LED ブレーキシ動台車 2 側窓 中間 : 固定式 妻寄 : 下降式 台車片側 (N/ mm ) 付随台車 - 側扉戸閉め装置 形式 DP-45RSU 動台車 - コイルばね方式電磁空気式単動直結式上下軸ばね付随台車 - 構造両引戸 1 300 mm軸箱支持方式 - 片側数 2 軸ばね方式 - 妻引戸片引戸定数 / 軸箱動台車 - ゴムばね ( 空車時 ) 付随台車 - 空形式 / 質量 ( kg ) HRB501-7 2 / 300 台(N/ mm ) 動台車 - 調総合装搭載方式屋根上準集中式 ( 埋込式 ) 付随台車 - 調置特徴マイコン制御軸距 ( mm ) 1 500 換車気容量 (kw/ 両 ) 37.2 台車最大長さ ( mm ) 3 544.5 シ暖車輪径 ( mm ) 新製時 :1 006 計算用 :982 ス房空調装置内暖房機能 / 座席下テ装方式反射形ヒータ / パネルヒータ基礎動台車ディスクブレーキム置容量 (kw/ 両 ) 先頭車 9.7 中間車 9.1 ブレーキ付随台車ディスクブレーキ 換気方式 自然換気 ブレーキ倍率 キャリパ方式 非常通報装置 通話機能付き非常通報装置 リンダの数 付随台車 2 車内案内表示 液晶式 15 インチ 駆動方式 2 段減速直角駆動式 放送設備 車内向けスピーカ 24 台 ( 自動放送付き ) 歯数比 ( 減速比 ) 6.55 車外向けスピーカ 8 台継手 TD 継手 前面フルカラー LED 軸受円すいころ軸受行先表示器側面フルカラー LED 動台車 5 000( 主電動機 集電装置等を除く ) 質量 ( kg ) 主な移動等車椅子 ベビーカースペース 付随台車 4 600( 主電動機 集電装置等を除く ) 円滑化対応設備扉開閉予告 音声案内装置など先頭部密着連結器車両間連結装置主な設備 - 便所汚物処理 - その他 4 か国語対応の案内表示空気清浄機 中間部緩衝器付き棒連結器記事

図 2-1 形式図 3600(Mc1) 3100(Tc2) 図 2-2 形式図 3500(M2) 3200(M1) 138 2019-3 車両技術 257 号

図 3 路線図 ( 出典 : 鉄道要覧 ) 今回の 3000 系は ラッシュ時間帯の輸送力増強を目的とし また 1000 形の老朽化に伴う置換え用車両の試作車として 2000 系最終増備車以来 8 年ぶりに新造した デザインの検討に当たっては 2015 年に 当社の乗務員 駅係員 事務員及び車両保守担当員で男女混成の車両デザインワーキングチームを設置し 外観 内装デザインの方向性を約 2 年半に渡って議論した 当社は大阪空港駅を起点に 通勤通学だけでなく 沿線の商業施設 観光名所などを訪れる多様なお客さまが日々利用しているが やさしさ おもてなし 清潔感 開放感 楽しさ チャレンジ などをキーワードに 社員がお客さま視点で考えて 誰もが使いやすいユーティリティまち性をもたせた設計とし 人と人 人と沿線をつなぐ新たなシンボルに をデザインコンセプトとした 2 編成及び車両性能と主な特徴編成は 3M1T の 4 両固定編成で 大阪空港寄りから Mc1-M2-M1-Tc2 と構成している 定員は先頭車 95 人 ( 座席定員 26 人 ) 中間車 105 人 ( 座席定員 36 人 ) で 編成定員は 400 人 ( 座席定員 124 人 ) である 車両性能は 最高運転速度 75 km /h 加速度 0.83 m/s 2 減速度 1.11 m/s( 2 常用 ) 1.25 m/s( 2 非常 ) である 3 デザイン 3.1 エクステリアデザイン外観は 無塗装のヘアライン仕上げを採用してアルミニウムの質感を生かしたデザインとし カラーリングについては コーポレートカラーのマリンブルー及びアクセントカラーのアザレアパープルを踏襲した 先頭部は 親しみやすい大きな丸みのある形でやさしさ 写真 3 装飾灯を点灯したところを表現し 側面には編成全長にわたって大きな円弧を配し 大阪北部の環状路線としてのつながりを表現した 前面部は 窓下部に LED 前部標識灯を 4 灯 ( ハイビーム ロービーム各 2 灯 ) 配置し その外側に LED 後部標識灯を 前後部標識灯上部周りに LED 装飾灯を配置した また 前面窓上部に行先表示器を配置した 3.2 インテリアデザイン室内空間は 白を基調としつつアクセントで木目を使用し 腰掛袖仕切り及び荷物棚にはガラス仕上げを採用したほか 腰掛を片持ち支持方式とすることで 明るく開放的な空間としている 4 車体構造 4.1 主要寸法主要寸法は 車体長 14 800 mm ( 中間車 13 900 mm ) 車体 大阪高速鉄道 ( 大阪モノレール ) 3000 系車両 139

図 4 車体断面 写真 4 5 半自動ドアスイッチ ( 車外 / 車内 ) 写真 6 乗降口横ミラー 140 2019-3 車両技術 257 号

幅 2 900 屋根高さ 5 010 軌道上面からの床面高さ 1 130 である 4.2 構体 構体は 軽量で耐食性に優れたアルミニウム合金製と かく はん し 溶接には FSW 摩擦撹 拌 接合 を用いることで 溶 接歪みが少なく外観の美観向上が期待できる構体構造とし ている また 既存車両 1000 形及び 2000 系の構体は シ ングルスキン構体であったが 3000 系では剛性を増して 歪みが少ないダブルスキン構体を採用し安全性を高めた 5 客室 5.1 客室構造 客室内張板は 軽合金基板のメラミン樹脂化粧板及びア ルミニウム合金製板材の塗装板で構成している 天井は モジュールぎ装構造を採用し 将来の室内設備改造を容易 な構造としている 客室照明は フラットタイプの LED を採用し 従来の 蛍光灯よりも省エネ化を図っている 5.2 室内設備 腰掛は ロングシート及び先頭車の展望席にクロスシー トを配置している 表地はナイロンモケット 詰め物には ウレタンフォームを採用し 座面には S ばねを用いて座 り心地を高めた また ロングシートの座席幅は既存車両 の 440 狭小部位 から 480 へ拡大した 運転室後方には これまでの展望席に加えて 床を 200 高くした展望スペースを新設し 幼少期のお子様でも前 方及び運転室内を見ることができるようにした また 展 望スペース仕切壁に腰当てを設置し 居心地の良さ 家族 が近くで見守れる工夫 ベビーカー使用のお客さまに利用 しやすい空間とした さらに展望席及び腰当てクッション の表地柄に大阪を表すアイテムを用いることで楽しさを演 出した また 各車両の乗降口横には 身だしなみをチェックで きるミラーを取付けた 写真 6 参照 5.3 窓及び扉 側窓は 既存車両の上部内倒れ窓から固定窓 展望席及 び車端部は下降窓 に変更し 脱出シュータ搭載部に開放 式窓を採用している カーテンは フリーストップ方式を 採用し 下降窓では降下時の物品落下防止のため カーテ ンと連動させる構造としている 側入口は 既存車両と同様に両引戸で 今回の 3000 系 から半自動ドアスイッチを各乗降口横に配置した 写真 4 写真 5 参照 有効幅は 1 300 である 貫通扉は 有効幅 900 で 車内温度保持並びに車外騒 音の遮断を目的に 全車間部に設けた アルミニウム合金 製形材の枠に 6.5 の耐熱強化ガラスを固定した構造で 開放的イメージを感じられるようにした また エアダン パ戸閉め装置によって 自然に閉じる構造としている 5.4 バリアフリー ユニバーサルデザイン対応設備 車椅子スペースは 先頭車に 1 か所配置しており 同ス ペースには 非常通報装置及び 2 段手すりを設置してい る 優先席は 先頭車 1 か所 中間車 2 か所に設け シー ト つり手及びスタンションポールの色を変え 視覚的に 認識を高めた つり手は 一般部の 1 610 より 20 低 く 荷物棚も一般部の 1 800 より 80 低く設定し 高 齢者 女性のお客さまなどに配慮した仕様としている 乗降口のかもい下部には 扉の開閉時に点滅する開閉予 告灯を設け お客さまに注意喚起している また 乗降口 の床敷物は 黄色を配して 乗降口であることを認識しや すくしている 6 運転室設備 写真 7 展望スペース 当路線は 全線島式ホームでワンマン運転に対応するた め 既存車両と同様に運転席を右側に配置した 運転台の 写真 8 展望席腰掛表地 写真 9 貫通扉と優先席 大阪高速鉄道 大阪モノレール 3000 系車両 141

写真 10 運転台写真 11 戸閉め操作箱 図 5 運転室機器配置 142 2019-3 車両技術 257 号

印の機器は 台車取付けを示す 図 6 床下機器配置 大阪高速鉄道 ( 大阪モノレール ) 3000 系車両 143

印の機器は 台車取付けを示す 図 6 床下機器配置 ( 続き ) 144 2019-3 車両技術 257 号

a) 屋根上機器配置 Mc1 Tc2 b) 屋根上機器配置 M2 M1 図 7 屋根上機器配置 設計に当たっては 実物大のモックアップを作製し 計器及びスイッチの配置 操作性について 全運転士を対象に意見 要望を集約して決定した 前面ガラスは 大形の曲面合わせガラスを左右に配し 運転席正面及び貫通扉にどんは 電熱線入りの防曇ガラスを採用した 主幹制御器は T 形ワンハンドルを採用し 計器パネルには車両の動態監視をする 10.4 インチカラー LCD モニタを配置した 運転台廻りは 黒色を基調とし落ち着きのあるものとした 戸閉め操作箱には 半自動ドアの導入に伴い自動 半自動の切換スイッチ及び表示灯を追加した 7 機器配置 7.1 床下機器配置 3000 系は 3M1T の 4 両固定編成で 主回路制御装置及びフィルタリアクトルを Mc1 車 M2 車 M1 車に 補助電源装置を Tc2 車に搭載した ATC 装置は 既存車両では両運転室内に配置していたが 3000 系では Mc1 車 Tc2 車の床下に配置することで 両運転室長さを 150 mm縮小して客室スペースを拡張した 7.2 屋根上機器配置屋根上機器は 両先頭車中央部に列車無線アンテナを設置し 各車両の車端寄りに準集中式空調装置を各 1 台 編成あたり合計 8 台搭載した 7.3 車両間設備車両間には 貫通ほろ 渡り板及び手すりを設置し 安全に通行できるようにするとともに 火災時の延焼及び煙の移動を防止するため 妻引戸を両車端部に設けた 8 主要機器 8.1 主制御装置主制御装置は IGBT 素子を用いた 2 レベル VVVF インバータ制御装置を採用し M 車である Mc1 車 M2 車 M1 車に搭載した 主制御装置は 1C2M 制御インバータ 2 群を一体箱で構成し 遮断器及び高速度遮断器は電磁式接触器を採用して保守低減を図った また 2000 系は 1C2M 制御インバータを先頭車に 1 群 中間車に 2 群配置して先頭車 2 台 中間車 4 台の主電動機を制御していたが 3000 系では Tc 車を設け M 車に 1C2M 制御インバータ 2 群を配置し 主電動機を 4 台制御 することによって 車両間配線の削減を図ったほか 装置 の小形化により省スペース化を図った 8.2 主電動機 主電動機は 出力 105 kw の三相かご形誘導電動機を搭 載した 主電動機の冷却は 自己通風冷却方式で フィル じん あい タレス塵埃排出構造を採用したことで保守性の向上が期待 できる 8.3 集電装置 集電装置は 既存車両と同様 軌道桁の側面に横向きに 取付けた電車線をしゅう動するパンタグラフ方式で 1 編 成当たりプラス側 4 台 マイナス側 4 台を設置して並列集 電する方式である パンタグラフは 跨 こ ざ座 形モノレールの特殊な車両限界内 で作用するためシングルアーム形 (Z 形 ) 構造の小形軽量パ ンタグラフである 3000 系では プラス側パンタグラフを常時上昇状態と するため スイッチ操作による上昇 下降する構造を廃止 し 電車線からの受電遮断は接触器によって行う構造へ変 更し 電磁かぎ外し及び空気降下装置を省略した また トロリ線の波状摩耗によって発生する離線対策と して すり板取付けピッチを従来の 100 mmから 125 mmとす ることで トロリ線の波状摩耗の抑制及びすり板の長寿命 化を図っている 8.4 ブレーキ装置 ブレーキ方式は 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレ ーキとし 常用 非常ブレーキ機能を有するブレーキ制御 装置を各車両に 1 台 保安ブレーキ機能を有する保安ブレ ーキ装置を各車両に 1 台搭載した また 各車両には駐車 ブレーキ機能も有している デジタル演算処理方式ブレーキ受量器は 1 台で 1 両分 写真 12 主制御装置 写真 13 主電動機 大阪高速鉄道 ( 大阪モノレール ) 3000 系車両 145

歯車装置 非常用補助輪 集電装置 安定用ガイド輪 主電動機 台車枠 案内車輪 写真 14 空気ばね走行車輪 図 8 動台車 (HAF-47) 146 2019-3 車両技術 257 号

非常用補助輪 安定用ガイド輪 案内車輪 台車枠 写真 15 空気ばね走行車輪 図 9 付随台車 (HAF-48) 大阪高速鉄道 ( 大阪モノレール ) 3000 系車両 147

図 10 主回路つなぎ 148 2019-3 車両技術 257 号

大阪高速鉄道 ( 大阪モノレール ) 3000 系車両 149 図 11 力行性能曲線図 12 ブレーキ性能曲線

のブレーキ制御を行い 編成で 4 台のブレーキ受量器間の 伝送によって 4 両ユニット 3M1T ユニット 単位での電 空協調制御を行う 8.5 電動空気圧縮機 オイルフリースクロール式の電動空気圧縮機を M2 車 M1 車に各 1 台搭載している 潤滑油を使用しないこと で 除湿装置から排出される水分中に油分は含まれず 環 境負荷の低減を図っている 8.6 補助電源装置 補助電源装置は IGBT 素子を使用した静止形 3 レベル インバ ー タ で 制 御 方式 PWM 制御 DDC 制御 と し Tc2 車に搭載している 容量は 130 kva で 交流 200 V 交流 100 V 直流 100 V 及び直流 24 V を出力し 制御部 の冗長方式は待機二重系である 8.7 蓄電池 蓄電池は 焼結式ニッケルカドミウムアルカリ蓄電池を採 用し Mc1 車に直流 24 V 用 30 Ah Tc2 車に直流 100 V 用 80 Ah を設置している 8.8 空調装置及び暖房装置 冷房装置は 既存車両と同様に屋根上準集中式を採用 し 1 台当たり冷房能力 18.6 kw のものを 各車両の車端 寄りに 2 台搭載している また 3000 系から 冬季の早 朝時に 車内を速やかに暖められるよう 急速暖房機能を 追加した さらに 各車両中央部の天井には 付着臭の脱臭 花 粉 ダニの死骸などのアレルギー物質の抑制の効果が期待 できる空気清浄機 商品名 ナノイー を 6 台設置し 目に 見えないサービスの向上を図った 8.9 戸閉め装置 戸閉め装置は 既存車両と同様に空気式ドアエンジンを 採用し 駆動シリンダ部 ラック ピニオン引分機構部 戸閉め電磁弁 戸閉めスイッチなどを機能別に取り付けた ユニット構造で 再開閉機能も有する 今回の 3000 系から 新たに半自動ドアを採用し 車外 に開用ドアスイッチ 車内に開閉用ドアスイッチを設け 停車時間の長い終端駅で車内温度を保持させるとともに 冷暖房時の消費電力削減を目指した 8.10 車両情報制御システム モニタシステム モニタシステムは 先頭車に設けたモニタ制御装置 運 転台表示装置 各車両に設けたモニタ端末器 正面行先表 示器側面行先表示器及び車内案内表示器 運行用及び広告 用 で構成している 主な機能としては 車両に搭載した各機器間で作動情報 の収集 授受を行い その情報を運転台に設置した運転台 表示装置に表示するとともに 現在位置 行先から運行パ ターンを認識し 速度発電機からの出力に基づいて走行距 離及びドア開閉条件から現在位置を把握し 車内案内表示 器 運行用 に表示する モニタ制御装置とモニタ端末器との基幹伝送は 2.5 Mbps のアークネットを モニタ端末器と各機器間との支線伝送 は RS-485 と し て い る ま た 広 告 用 の 車 内 表 示 器 間 は 100 Mbps のイーサネットで伝送する 10.4 インチカラー LCD 運転台表示装置には 元空気圧 力 空気ブレーキ圧力などの車両の動態表示に加え 空調 制御機能も有している また これまで既存車両の各装置 150 の試験は 地上側に設置した車両自動検査装置を用いてい たが 3000 系では 車上側で指令 演算処理 記録でき る車上試験機能を追加し 車庫検査線に制約されずに各装 置の試験を可能とし 保守の効率化を図っている さらにモニタシステムには 運転状況記録の機能も有 し 入力されるデジタル情報 伝送情報を一定周期でサン プリングし 時刻とともに CF Compact Flash カードに 記録できる 8.11 運転保安装置 ATC 装置は 既存車両と同様に閉そく区間ごとに設置 した地上側 軌道桁上部 のループ線からの ATC 信号波を 車上アンテナで受信し デジタル信号処理をする ATC 受 信装置 ATC 制御装置で構成し いずれも二重系として いる 地上からの制御速度条件を受信して車内信号装置に現示 するとともに 列車速度を照査して 自動的に列車を減速 又は停止させ 列車の安全運転を確保する また ATC 指令に基づく最大ブレーキを回避すること で 乗り心地の改善及び運転士の負担低減を目的とした ATC 予告機能を既存車両に改造搭載しているが この機 能を 3000 系にも搭載している ATC 予告情報は 先行列 車の遅れなどで発生する閉そく区間の信号現示ダウンを運 転台表示器及びスピーカに表示及び警報を行う 8.12 車内案内表示装置 車内案内表示装置は 各乗降口かもい部に運行用 広告 用の 15 インチカラー LCD を設置し 運行用には行先案 内 次停車駅案内 乗換え案内などを 4 か国語 日本語 英語 中国語及び韓国語 表示するとともに 非常ブレー キ動作時には 注意喚起も表示する また 広告用には 動画広告を表示する 8.13 行先表示器 行先表示器は 前面及び側面ともにフルカラー LED 方 式を採用し イベント列車時に対応できるよう ビール 列車 遠足 などの多彩な表示を可能としている 8.14 放送装置及び非常通報装置 放送装置は 既存車両と同様に自動放送装置を搭載し 手動放送の機能としては 車内外放送機能を有している また 非常ブレーキ動作時は 注意喚起放送が鳴動する 非常通報装置は 各車両に 1 台設置している この装置 は 運転室の乗務員と通話が可能であるが 乗務員の異常 ミラー 半自動ドアスイッチ 写真 16 2019-3 車両技術 257 号 車内案内表示装置

8.15 非常用脱出装置駅以外の場所で列車が停止し お客さまを救出する必要が生じた場合に備え 直接地上に降りられる緩降装置に加え 既存車両にも改造搭載している非常用脱出シュータを先頭車 ( 編成で 2 か所 ) に搭載した 非常用脱出シュータ使用時は 側窓 ( 非常窓 ) を開放して器具を車外に張りだし 筒形の袋を地上に下ろす その中をらせん状に滑り降りる構造である 基本的には乗務員が扱うことを想定しているが ワンマン運転での使用であること 乗務員又は指令員の指示のもとお客さまの扱いも可能とする仕様である 9 台車台車は 既存車両と同様に 2 軸ボギー式ボルスタレス台車である 3000 系の車体支持装置は 乗り心地向上を目的に 空気ばねとオイルダンパとの配置について最適化を行った 写真 17 非常用脱出シュータ 時には 一定時間後に運輸指令につながり 無線を介して の通話を可能としている 10 おわりに 3000 系は 2018 年 10 月 21 日 万博記念公園駅での出発式の直後から営業運転を開始した 幸いなことにこれまでご利用いただいたお客さまからご好評をいただいているとともに 2018 年度グッドデザイン賞を受賞した 今後の計画としては 1000 形第 1~8 編成 ( 編成番号 : 01~06 31 32) を 2020 年以降 順次 3000 系に置き換える計画である この場をお借りして 製造に関わっていただいた多くの関係者の皆様へ感謝する また 本車両が多くのお客さまから親しみをもって長きにわたりご利用いただけるよう 安全 安心 安定輸送に努めてまいりたい 大阪高速鉄道 ( 大阪モノレール ) 3000 系車両 151