研究背景
現行技術とその問題点
研究開発の原点 フリー回転ジョイント機構 介護リフト型歩行車アルファローラの改良 傾斜回転 胸部支持パッド 昇降制御 1 軸フリー回転可能な胸部支持パッドを有する歩行車がミハマ社より開発された 利用者の歩行を促進する効果 準免荷式 起立 移乗 歩行アシストが可能 低価格 ( 15,) 従来の研究において歩行促進効果についての主観評価を行ったが 歩行器にセンサ類がないため 定量的な客観評価を行っていない
回転センサの取り付け 傾斜回転 フリー回転ジョイント機構 Attachment of the cover plate Rotation axis of the chest pad 胸部支持パッド 昇降制御 Rotation axis fittimg Rotation sensor Sensor cover Linear motor 歩行促進の効果を定量的に評価するため, まず胸部支持パッドの回転量を正確に測る必要がある. 支持パッドの回転角を計測するため角度センサ (CPP-45B, 緑測器 ) を用いる. 左図に示すように, 胸部支持パッド背面の連結機構にあわせてセンサ固定用台座とカバーなどのパーツを設計し,3D プリンタによって作成した. 上図に示すように, 歩行中の胸部支持パッドの回転角や圧力などの情報を取得するため, センサからの信号に対して A/D 変換を行う必要がある. 本稿では上図示すインタフェース増幅回路を製作し, パソコン,A/D 変換ボード (AD12-16(PCI), コンテック ), 直流電源を用いてデータ入力システムを構築した.
歩行計測 Vector n2 of S2 Vector n2 of S4 Vector n2 of S1 Walking Direction.3.25.2.3.3.25.25.2.2.15.15 Normal vector n1 q1 P1.15.1.1.5.5 -.5 -.5 S1 P3.1 Walking Direction x.5 -.5 Walking Direction -.1 -.1 -.15 -.15 -.2.7 -.2.7 -.15.8.9 1 1 1.1 1.2.5.15.1 1.1.5.45.4.35.3.25.2 P4.9.9 1 q2 -.2.7.8.8 Walking direction Normal vector n2 -.1 1.2.5.1.15.2.25.3.35.4.45.5 1.1 1.2.5.1.15.2.25.3.35.4.45 P5.5 S2 y z P6 Vector n2 of S3 Vector n2 of S5.3.3.25.25.2.2.15.15.1.1.5.5 -.5 -.15 x Walking Direction -.15 z -.2.7.8.8.9.9 1 1 1.1 1.2.5.1.15.2.25.3.35.4.45 P7 br P8 Sb -.1 -.2.7 bl y -.5 Walking Direction -.1 P2.5 1.1 1.2.5.1.15.2.25.3.35.4.45.5 P9 P1 Results of θ1 are wild ups and downs because the muscle contracts and relaxes during walk 歩行アシストで歩行したときの腰スイングの幅が最大約16 であり 従来に開発された介助 マニピュレータの制御アルゴリズム用いられた骨盤旋回角度より大きく上回ったことが分か った これは歩行アシストの胸パッドに1自由度の回転機構を加えることで腰部のスイング効 果の促進に一定な効果が得られたと考えられる
研究開発の原点 フリー回転ジョイント機構 介護リフト型歩行車アルファローラの改良 傾斜回転 胸部支持パッド 昇降制御 1 軸フリー回転可能な胸部支持パッドを有する歩行車がミハマ社より開発された 利用者の歩行を促進する効果 準免荷式 起立 移乗 歩行アシストが可能 低価格 ( 15,) 歩行促進効果について従来の研究で検証を行ったが 歩行促進効果の影響要因が定量的に特定できない 角度センサと圧力センサ類の追加 機構設計の見直しを含めて新しい歩行車の設計と試作は必要
従来機器の問題点と機構の改良 回転角 支持パッド 2 方向の回転量を測るため 角度センサ 2 つを付ける CPP-45B, 緑測器 圧力 支持パッドに掛かっている体圧情報を検出ため ロードセル 2 つをつける センサを有しない LMA-A-5N, 共和電業 利用者の身長 15cm~16cm 機構設計の見直しによって身長 17cm の利用者まで対応できるように アクチュエータ 静音性と出力パワーとも高いリニアモータなので 本研究でも利用する LA31,LINAK Co.
リンク機構の再計算
シミュレーション結果
歩行車の設計と試作
胸部支持パッド
ロードセルのキャリブレーション
歩行計測環境 歩行時の身体運動を計測するため, 毎秒 6 フレームで測定可能な小型 CCD カメラ (XC-HR57,Sony) 6 台を有するモーションキャプチャシステム (PRO-TrackerⅡ, ディテクト ( 株 )) を用いる.
測定方法 P 1 Walking direction P 2 y x P 3 b l S b P 4 b r P 5 z P 6 P 7 図に示すように歩行者の進行方向に画像計測システムが設置される. 歩行時の体の運動をモーションキャプチャーによって測定するため, 歩行者の背中に光反射マーカーを取り付ける. 従来の研究と同様に, 腰部に 3 個, 下肢部左右ひざの裏に 1 個ずつ, 両足の踵に 1 個ずつの計 7 個の光反射マーカーを貼り付ける. 歩行時に被験者は約 2.5m 先の目標に向かって進む.
解析方法
Pad rotation [deg] Force [N] Pad rotation [deg] Force [N] 実験結果 (1) Pad FT1 FT2 ΔF 5-1 25-2 -3-25 -4-5 5 1 15 Time [s] 2 Pad FT1 FT2 ΔF 5 1-1 25-2 -25 2 4 6 8 1 Time [s] 支持パッドの左右に取り付けているロードセル FT1 と FT2 のデータは歩行運動の周期的な変化に連れてリズム的に変化しており, その差 ΔF=F2-F1 は胸部支持パッドの左右回転とほぼ同期的に変化している
Knee extension [deg] Heel height [mm] Pad rotation [deg] Heel heighte [mm] 実験結果 (2) 18 16 Knee L L-heel Knee R R-heel 15 125 1-1 Pad R-heel R-heel 15 125 1 14 75-2 75 12 5 25-3 5 25 1 2 4 6 8 1 Time [s] -4 5 1 15 Time [s] 被験者の左右踵の持ち上げ高さが示されており, ひざ関節角の変化と同時に左右踵を持ち上げていることが確認された
Pad rotation [deg] Heel eight [mm] Pad rotation [deg] Heel height [mm] Pad rotation [deg] Heel heighte [mm] 実験結果 (3) -3-4 Pad R-heel L-heel 15 125 1-1 Pad R-heel R-heel 15 125 1-5 75-2 75-6 5 25-3 5 25-7 2 4 6 8 1 Time [s] -4 4 8 12 Time [s] 2 1-1 -2 15 Pad R-heel L-heel 125 1 75 5 25 2 4 6 8 1 Time [s] 踵持ち上げ高さと支持パッド回転角の結果から, 支持パッドの周期は左右踵の 1 回ずつ交替運動時間の合計とほぼ同じであり, 強い関連性を示す.
考察 表解析で得られた主な結果 (1) 歩行運動時に歩行者が最大で体重の約 1% を胸部支持パッドに掛けたことが表 1 より分かった. ただし, 今回の結果は若い健常者で歩行した実験で得られた数値であり, 下肢筋力の弱い利用者が歩行した場合体幹部がもっと支持パッドに掛けると考えられる. (2) 旧型歩行車を用いた歩行実験でのひざ関節伸展角や踵持ち上げ高さの結果に比べてほぼ同じ程度でありながら, 新型歩行車の場合支持パッドの回転角が旧型歩行車を用いた場合の約半分であったことが分かった. これは, 新型歩行車は旧型歩行車より高身長の利用者に対応できたため, 利用者は無理に上体を振る必要がなくなった結果と考えられる.
考察 Inclination 1'DOF free rotating How to enhance the effectiveness of walk assistance? Chest pad rotates during walk Chest support pad Weight lift Waist swing is naturally induced. Pulling belt and dragging legs The results demonstrated that the swing amplitude is greatly influenced by the following factors. Stimulating walk motivation But, it is a passive assistance Some factors 1) Suitable Body Height: 15cm-16cm 2) Inclination of the chest pad 3) Wearing state (tighten/loosen) of the belt Further Investigation is needed in future study
想定される用途 歩行者の歩行意欲の向上を期待できる 日常生活での利用をしながら歩行訓練も可能 製品化を実現すれば, 利用者自ら動ける喜びを実感できるとともに, 介護者の労力軽減や介護現場の人手不足の解消や寝たきり防止により医療費の軽減に寄与できる.
実用化に向けた技術課題 従来型の歩行車の胸部支持パッドの回転は受動的な機構であり 腰部のスイングを自然に引き出すことを特徴としているが 歩行車の支えで少しなら歩ける利用者に限定しており 歩きたくても足を踏み出せない利用者の自立歩行まで励起するものではない 実用化 商品化を実現するため 低価格になるための機器構成を新たに検討する必要がある
企業への期待 医療福祉制度の改善 福祉介護機器マーケットの動向 福祉介護機器のメーカーがとの共同研究を希望
本技術に関する知的財産権 Kindai University 発明の名称 : 歩行車 出願番号 : 特願 217-3852 出願人 : 近畿大学 発明者 : 黄健 小谷内範穗 宮野直樹
産学連携の経歴 214/11-215/9 215/1-216/9 216/1~ 現在 ミハマ社と共同研究実施 JSTマッチングプランナープログラムに採択ミハマ社と連携研究
お問い合わせ先 近畿大学次世代基盤技術研究所社会連携センター長小川恭宏 TEL 82-434 -75 FAX 82-434 -72 e-mail y-ogawa@hiro.kindai.ac.jp