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風 力 発 電 電 力 系 統 安 定 化 等 技 術 開 発 - 気 象 予 測 システム- 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 量 予 測 システムの 開 発 風 力 発 電 出 力 予 測 技 術 ガイドブック 平 成 20 年 3 月 国 立 大 学 法 人 東 京 大 学 伊 藤 忠 テクノソリューションズ 株 式 会 社 財 団 法 人 電 力 中 央 研 究 所 財 団 法 人 日 本 気 象 協 会 イー アンド イー ソリューションズ 株 式 会 社

はじめに わが 国 では エネルギー 源 の 多 様 化 によるエネルギー 安 定 供 給 の 確 保 や 地 球 温 暖 化 対 策 に 資 するた め 風 力 発 電 をはじめとする 新 エネルギーの 導 入 が 積 極 的 に 促 進 されています 平 成 13 年 6 月 に 取 り まとめられた 総 合 資 源 エネルギー 調 査 会 新 エネルギー 部 会 報 告 書 ( 平 成 13 年 6 月 )では 平 成 22 年 度 における 風 力 発 電 導 入 目 標 量 は 300 万 kw とされています 風 力 発 電 の 導 入 実 績 に 関 しては 1996 年 度 に 1.4 万 kw でありました 設 備 容 量 が 2006 年 度 末 には 約 149 万 kw(1, 314 基 )に 達 し 現 在 既 に 電 力 会 社 と 需 給 契 約 済 みの 容 量 と 風 力 発 電 追 加 契 約 予 定 量 の 2 つの 導 入 見 込 み 量 を 合 わせると 約 166 万 kw と 想 定 され 2010 年 の 風 力 発 電 導 入 目 標 量 (300 万 kw)の 約 半 分 に 達 する 規 模 です しかし 電 力 システムの 観 点 から 見 ますと 風 力 発 電 は 出 力 変 動 が 大 きい 電 源 であるために 電 力 系 統 に 連 系 した 場 合 には 電 圧 や 周 波 数 などの 電 力 品 質 等 に 影 響 を 及 ぼすことが 懸 念 されます 平 成 16 年 7 月 の 総 合 資 源 エネルギー 調 査 会 新 エネルギー 部 会 風 力 発 電 系 統 連 系 対 策 小 委 員 会 中 間 報 告 におい ては 周 波 数 変 動 対 策 オプションの 一 つとして 局 地 気 象 予 測 を 精 緻 化 し 風 力 発 電 の 出 力 変 動 の 予 見 可 能 性 を 向 上 することにより 一 定 の 調 整 力 の 下 での 風 力 発 電 連 系 可 能 量 を 拡 大 できる 可 能 性 がある と 指 摘 しています 本 ガイドブックは このような 背 景 のもと 風 まかせの 発 電 電 力 を 事 前 に 予 測 することによって 電 力 系 統 側 の 調 整 力 を 計 画 的 に 運 用 可 能 にすることを 目 的 として 平 成 17 年 度 から 19 年 度 の 3 ヶ 年 プ ロジェクトとして 始 まりました 風 力 発 電 電 力 系 統 安 定 化 等 技 術 開 発 - 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 量 予 測 システムの 開 発 事 業 の 一 部 成 果 として 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 量 予 測 システムの 利 用 者 ( 導 入 者 )やサービス 提 供 者 が 必 要 とする 参 考 書 的 なものとしてとりまとめました なお 風 力 発 電 電 力 系 統 安 定 化 等 技 術 開 発 - 気 象 予 測 システム- 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 量 予 測 システムの 開 発 事 業 は 東 京 大 学 伊 藤 忠 テクノソリューションズ ( 財 ) 電 力 中 央 研 究 所 ( 財 ) 日 本 気 象 協 会 およびイー アンド イー ソリューションズ が 新 エネルギー 産 業 技 術 総 合 開 発 機 構 からの 受 託 調 査 の 一 部 として 実 施 したものです 最 後 に 本 事 業 においてご 助 言 を 頂 きました 風 力 発 電 出 力 予 測 実 行 委 員 会 および 風 力 発 電 出 力 予 測 電 力 共 同 WG の 有 識 者 皆 様 に 心 よりお 礼 申 し 上 げます

風 力 発 電 出 力 予 測 実 行 委 員 会 委 員 名 簿 役 名 氏 名 所 属 委 員 長 牛 山 泉 足 利 工 業 大 学 総 合 研 究 センター センター 長 委 員 オブザーバ 中 西 幹 郎 大 山 力 岡 本 浩 秋 山 康 人 * 市 川 嘉 則 秋 田 耕 児 * 一 戸 昌 則 小 倉 良 夫 * 福 田 一 二 三 高 原 景 滋 白 石 一 雄 * 安 藤 和 正 小 松 崎 勇 一 蜂 屋 一 雄 久 家 秀 海 斉 藤 哲 夫 本 田 明 弘 加 藤 裕 司 北 村 真 一 千 葉 康 司 岩 崎 敏 泰 諸 住 哲 山 下 充 利 防 衛 大 学 校 地 球 海 洋 学 科 助 教 授 横 浜 国 立 大 学 教 授 東 京 電 力 株 式 会 社 系 統 技 術 グループ マネージャー 東 北 電 力 株 式 会 社 電 力 流 通 本 部 電 力 システム 部 課 長 東 北 電 力 株 式 会 社 電 力 流 通 本 部 電 力 システム 部 制 御 技 術 課 長 北 海 道 電 力 株 式 会 社 工 務 部 給 電 計 画 グループリーダ 北 海 道 電 力 株 式 会 社 工 務 部 給 電 計 画 グループリーダー 九 州 電 力 株 式 会 社 経 営 企 画 室 エネルギー 戦 略 グループ 長 九 州 電 力 株 式 会 社 電 力 輸 送 本 部 系 統 運 用 部 電 力 品 質 グループ 副 長 沖 縄 電 力 株 式 会 社 研 究 開 発 部 技 術 開 発 グループリーダー 課 長 四 国 電 力 株 式 会 社 電 力 輸 送 本 部 系 統 運 用 部 調 査 グループリーダー 四 国 電 力 株 式 会 社 電 力 輸 送 本 部 系 統 運 用 部 調 査 グループリーダー 株 式 会 社 ユーラスエナジージャパン 技 術 部 部 長 電 源 開 発 株 式 会 社 環 境 エネルギー 事 業 部 風 力 事 業 室 長 代 理 兼 技 術 発 電 ク ルーフ リータ ー エコ パワー 株 式 会 社 技 術 部 長 中 間 法 人 日 本 風 力 発 電 協 会 事 務 局 企 画 室 長 三 菱 重 工 業 株 式 会 社 技 術 本 部 長 崎 研 究 所 流 体 研 究 室 室 長 富 士 重 工 業 株 式 会 社 エコテクノロジーカンパニー 風 力 発 電 プロジェクトマネージャー サミットウィンドパワー 酒 田 株 式 会 社 代 表 取 締 役 独 立 行 政 法 人 新 エネルギー 産 業 技 術 総 合 開 発 機 構 新 エネルギー 技 術 開 発 部 系 統 連 系 技 術 グループ 主 査 独 立 行 政 法 人 新 エネルギー 産 業 技 術 総 合 開 発 機 構 新 エネルギー 技 術 開 発 部 系 統 連 系 技 術 グループ 主 査 独 立 行 政 法 人 新 エネルギー 産 業 技 術 総 合 開 発 機 構 新 エネルギー 技 術 開 発 部 系 統 連 系 技 術 グループ 主 任 研 究 員 経 済 産 業 省 資 源 エネルギー 庁 省 エネルギー 新 エネルギー 部 新 エネルギー 対 策 課 課 長 補 佐

事 務 局 (*) 途 中 退 任 荒 川 忠 一 七 原 俊 也 石 原 孟 藤 野 陽 三 山 口 敦 飯 田 誠 福 田 寿 谷 川 亮 一 田 中 伸 和 平 口 博 丸 服 部 康 男 橋 本 篤 門 倉 真 二 鈴 木 靖 * 林 宏 典 * 黒 田 幸 夫 叶 木 律 子 工 藤 泰 子 中 尾 徹 飛 田 実 梶 原 史 洋 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 (プロジェクトリーダー) 電 力 中 央 研 究 所 システム 技 術 研 究 所 需 要 家 システム 領 域 リーダー(プロジェクトリーダー 代 行 ) 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 准 教 授 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 助 教 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 特 任 講 師 伊 藤 忠 テクノソリューションズ 株 式 会 社 科 学 システム 事 業 部 地 球 科 学 部 応 用 気 象 課 課 長 伊 藤 忠 テクノソリューションズ 株 式 会 社 科 学 システム 事 業 部 地 球 科 学 部 応 用 気 象 課 財 団 法 人 電 力 中 央 研 究 所 地 球 工 学 研 究 所 首 席 研 究 員 財 団 法 人 電 力 中 央 研 究 所 地 球 工 学 研 究 所 流 体 科 学 領 域 上 席 研 究 員 財 団 法 人 電 力 中 央 研 究 所 地 球 工 学 研 究 所 流 体 科 学 領 域 主 任 研 究 員 財 団 法 人 電 力 中 央 研 究 所 地 球 工 学 研 究 所 流 体 科 学 領 域 特 別 契 約 研 究 員 環 境 科 学 研 究 所 物 理 環 境 領 域 主 任 研 究 員 財 団 法 人 日 本 気 象 協 会 首 都 圏 支 社 調 査 部 長 財 団 法 人 日 本 気 象 協 会 首 都 圏 支 社 調 査 部 環 境 調 査 課 主 任 技 師 財 団 法 人 日 本 気 象 協 会 首 都 圏 支 社 ソリューション 部 長 代 理 財 団 法 人 日 本 気 象 協 会 首 都 圏 支 社 ソリューション 部 応 用 気 象 課 技 師 財 団 法 人 日 本 気 象 協 会 首 都 圏 支 社 ソリューション 部 環 境 技 術 課 技 師 環 境 事 業 部 技 師 長 環 境 事 業 部 副 事 業 部 長 環 境 事 業 部 温 暖 化 エネルキ ー 対 策 ク ルーフ 主 任 研 究 員

風 力 発 電 出 力 予 測 電 力 共 同 WG 委 員 名 簿 氏 名 所 属 岡 本 浩 秋 山 康 人 * 市 川 嘉 則 秋 田 耕 児 * 一 戸 昌 則 小 倉 良 夫 * 福 田 一 二 三 高 原 景 滋 白 石 一 雄 * 東 京 電 力 株 式 会 社 系 統 技 術 グループ マネージャー 東 北 電 力 株 式 会 社 電 力 流 通 本 部 電 力 システム 部 課 長 東 北 電 力 株 式 会 社 電 力 流 通 本 部 電 力 システム 部 制 御 技 術 課 長 北 海 道 電 力 株 式 会 社 工 務 部 給 電 計 画 グループリーダ 北 海 道 電 力 株 式 会 社 工 務 部 給 電 計 画 グループリーダー 九 州 電 力 株 式 会 社 経 営 企 画 室 エネルギー 戦 略 グループ 長 九 州 電 力 株 式 会 社 電 力 輸 送 本 部 系 統 運 用 部 電 力 品 質 グループ 副 長 沖 縄 電 力 株 式 会 社 研 究 開 発 部 技 術 開 発 グループリーダー 課 長 四 国 電 力 株 式 会 社 電 力 輸 送 本 部 系 統 運 用 部 調 査 グループリーダー (*) 途 中 退 任

調 査 担 当 者 名 簿 (1) 国 立 大 学 法 人 東 京 大 学 平 成 20 年 3 月 20 日 現 在 氏 名 所 属 役 職 ( 職 名 ) 藤 野 陽 三 荒 川 忠 一 石 原 孟 飯 田 誠 山 口 敦 小 川 豪 酒 井 和 也 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 同 教 授 同 准 教 授 同 特 任 講 師 同 助 教 同 産 学 官 連 携 研 究 員 同 産 学 官 連 携 研 究 員 [ 業 務 管 理 者 ] 藤 野 陽 三 : 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 社 会 基 盤 学 専 攻 教 授 [ 内 容 についての 問 い 合 わせ 先 ] 石 原 孟 : 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 総 合 研 究 機 構 准 教 授 113-8656 東 京 都 文 京 区 弥 生 2-11-16 TEL 03-5841-1145 FAX 03-5841-1147

(2) 伊 藤 忠 テクノソリューションズ 株 式 会 社 平 成 20 年 3 月 20 日 現 在 氏 名 所 属 役 職 ( 職 名 ) 福 田 寿 谷 川 亮 一 劉 発 華 早 崎 宣 之 高 木 哲 郎 北 谷 匠 子 結 城 陽 介 青 木 功 久 保 博 司 児 玉 総 司 磯 和 充 横 塚 透 科 学 システム 事 業 部 地 球 科 学 部 応 用 気 象 課 課 長 同 主 任 研 究 員 同 主 任 研 究 員 同 主 任 研 究 員 同 主 任 研 究 員 同 副 主 任 研 究 員 同 副 主 任 研 究 員 同 副 主 任 研 究 員 同 副 主 任 研 究 員 科 学 システム 事 業 部 地 球 科 学 部 応 用 技 術 課 主 任 研 究 員 同 主 任 研 究 員 同 主 任 研 究 員 [ 業 務 管 理 者 ] 福 田 寿 科 学 システム 事 業 部 地 球 科 学 部 応 用 気 象 課 課 長 [ 内 容 についての 問 い 合 わせ 先 ] 谷 川 亮 一 科 学 システム 事 業 部 地 球 科 学 部 応 用 気 象 課 主 任 研 究 員 100-6080 東 京 都 千 代 田 区 霞 が 関 3-2-5 霞 が 関 ビル TEL 03-6203-7555 FAX 03-3539-5174

(3) 財 団 法 人 電 力 中 央 研 究 所 平 成 20 年 3 月 20 日 現 在 氏 名 所 属 役 職 ( 職 名 ) 田 中 伸 和 七 原 俊 也 平 口 博 丸 江 口 譲 豊 田 康 嗣 服 部 康 男 田 村 英 寿 杉 本 聡 一 郎 和 田 浩 治 須 藤 仁 橋 本 篤 門 倉 真 二 地 球 工 学 研 究 所 首 席 研 究 員 システム 技 術 研 究 所 需 要 家 システム 領 域 リーダー 上 席 研 究 員 地 球 工 学 研 究 所 流 体 科 学 領 域 リーダー 上 席 研 究 員 同 流 体 科 学 領 域 上 席 研 究 員 同 流 体 科 学 領 域 主 任 研 究 員 同 流 体 科 学 領 域 主 任 研 究 員 同 流 体 科 学 領 域 主 任 研 究 員 同 流 体 科 学 領 域 主 任 研 究 員 同 流 体 科 学 領 域 主 任 研 究 員 同 流 体 科 学 領 域 主 任 研 究 員 同 流 体 科 学 領 域 特 別 契 約 研 究 員 環 境 科 学 研 究 所 物 理 環 境 領 域 主 任 研 究 員 [ 業 務 管 理 者 ] 田 中 伸 和 : 地 球 工 学 研 究 所 首 席 研 究 員 [ 内 容 についての 問 い 合 わせ 先 ] 服 部 康 男 地 球 工 学 研 究 所 流 体 科 学 領 域 主 任 研 究 員 270-1194 千 葉 県 我 孫 子 市 我 孫 子 1646 Tel: 04-7182-1181 ( 代 表 ) Fax: 04-7184-7142

(4) 財 団 法 人 日 本 気 象 協 会 平 成 20 年 3 月 20 日 現 在 氏 名 所 属 役 職 ( 職 名 ) 奥 山 和 彦 首 都 圏 支 社 ソリューション 部 部 長 黒 田 幸 夫 同 ソリューション 部 部 長 代 理 是 永 司 同 ソリューション 部 部 長 代 理 佐 藤 隆 光 同 ソリューション 部 部 長 代 理 筑 紫 文 夫 同 ソリューション 部 環 境 技 術 課 小 島 啓 美 同 ソリューション 部 環 境 技 術 課 主 任 技 師 工 藤 泰 子 同 ソリューション 部 環 境 技 術 課 技 師 齋 藤 重 雄 同 ソリューション 部 環 境 技 術 課 山 口 高 明 同 ソリューション 部 環 境 技 術 課 技 師 宇 都 宮 好 博 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 主 任 技 師 叶 木 律 子 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 技 師 坂 本 豊 美 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 技 師 松 藤 絵 里 子 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 技 師 窪 田 和 彦 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 技 師 村 山 貴 彦 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 技 師 松 浦 邦 明 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 主 任 技 師 冨 田 雄 一 郎 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 技 師 乙 津 孝 之 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 技 師 中 野 俊 夫 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 技 師 滝 谷 克 幸 北 海 道 支 社 ソリューション 部 専 任 主 任 技 師 宮 畑 信 吾 同 ソリューション 部 情 報 開 発 課 課 長 西 山 直 樹 同 ソリューション 部 情 報 開 発 課 技 師 中 村 一 樹 同 ソリューション 部 気 象 情 報 課 課 長 中 田 琢 志 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 技 師 山 口 浩 司 同 ソリューション 部 応 用 気 象 課 技 師 [ 業 務 管 理 者 ] 奥 山 和 彦 首 都 圏 支 社 ソリューション 部 長 [ 内 容 についての 問 い 合 わせ 先 ] 黒 田 幸 夫 首 都 圏 支 社 ソリューション 部 部 長 代 理 170-6055 東 京 都 豊 島 区 東 池 袋 3-1-1 サンシャイン 60 55F TEL 03-5958-8151 FAX 03-5958-8157

(5)イー アンド イー ソリューションズ 株 式 会 社 平 成 20 年 3 月 20 日 現 在 氏 名 所 属 役 職 ( 職 名 ) 飛 田 実 中 尾 徹 梶 原 史 洋 橋 本 真 也 渡 辺 尚 道 臼 井 健 加 藤 秀 樹 天 春 成 樹 阪 口 幸 三 長 田 悠 子 久 松 信 介 近 藤 敦 環 境 事 業 部 副 事 業 部 長 環 境 事 業 部 技 師 長 環 境 事 業 部 温 暖 化 エネルキ ー 対 策 ク ルーフ 主 任 研 究 員 環 境 事 業 部 主 席 研 究 員 環 境 事 業 部 温 暖 化 エネルキ ー 対 策 ク ルーフ 主 席 研 究 員 同 主 任 技 師 同 主 任 研 究 員 同 主 任 研 究 員 同 主 任 研 究 員 同 研 究 員 同 研 究 員 環 境 事 業 部 CSR 環 境 審 査 ク ルーフ 主 任 研 究 員 [ 業 務 管 理 者 ] 飛 田 実 環 境 事 業 部 副 事 業 部 長 [ 内 容 についての 問 い 合 わせ 先 ] 梶 原 史 洋 環 境 事 業 部 温 暖 化 エネルキ ー 対 策 ク ルーフ 主 任 研 究 員 101-0021 東 京 都 千 代 田 区 外 神 田 4 丁 目 14 番 1 号 秋 葉 原 UDX ビル TEL 03-6328-0080 FAX 03-5295-205

目 次 第 1 部 ガイドブックの 目 的 1 1. 風 力 発 電 出 力 予 測 技 術 ガイドブックの 目 的 1 2. 本 書 の 対 象 読 者 1 3. 本 書 の 構 成 1 第 2 部 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 基 本 事 項 3 4 本 書 でのシステム 構 築 適 用 範 囲 3 5 関 連 法 規 等 4 5.1 気 象 業 務 法 4 5.2 不 正 アクセス 行 為 の 禁 止 等 に 関 する 法 律 4 6 用 語 の 定 義 5 7 システム 導 入 の 目 的 と 留 意 点 8 7.1 目 的 8 7.2 対 象 とする 範 囲 9 7.3 留 意 点 9 8 システム 導 入 の 基 本 事 項 11 8.1 気 象 予 測 と 個 別 のモデルの 概 要 11 8.1.1 数 値 気 象 予 報 モデル 14 8.1.2 メソスケール 気 象 モデル 14 8.2 ウィンドファーム 予 測 モデルと 制 御 エリア 予 測 モデルの 概 要 16 8.2.1 ウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 モデル 16 8.2.2 電 力 系 統 制 御 エリア 発 電 出 力 予 測 モデル 18 8.2.3 予 測 結 果 の 利 用 ( 表 示 ) 20 8.3 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 のシステム 化 25 8.3.1 ウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 システム 28 8.3.2 電 力 系 統 制 御 エリア 発 電 出 力 予 測 システム 30 第 3 部 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システム 構 築 運 用 の 例 32 9 オンライン 観 測 通 信 システムの 構 築 運 用 32 10 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 構 築 運 用 38 11 風 力 発 電 出 力 予 測 プラットフォーム 41 12 運 用 障 害 事 例 と 解 析 結 果 43 13 予 測 システムの 構 築 運 用 に 関 する 留 意 事 項 49 付 録 風 力 発 電 出 力 予 測 プラットフォーム マニュアル i

第 1 部 風 力 発 電 出 力 予 測 技 術 ガイドブックの 目 的 1 風 力 発 電 出 力 予 測 技 術 ガイドブックの 目 的 風 力 発 電 出 力 予 測 技 術 ガイドブック( 以 下 本 書 と 称 します )は 気 象 予 測 に 基 づいた2 日 先 までの 風 力 発 電 を 予 測 するシステムの 利 用 者 ( 導 入 者 )やサービス 提 供 者 に 対 して 日 本 の 風 況 特 性 に 適 合 した 高 精 度 な 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 の 技 術 や 情 報 およびその 組 み 合 わせに よるシステム 構 築 運 用 方 法 のありかたを 提 示 することとして オンライン 情 報 収 集 通 信 シ ステムの 構 築 等 の 留 意 点 の 他 ウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 モデル 電 力 系 統 制 御 エリア 発 電 出 力 予 測 モデルの 各 モデルの 特 徴 等 を 含 めた 参 考 書 的 なものとしました 2 本 書 の 対 象 読 者 本 書 の 対 象 読 者 は 気 象 予 測 に 基 づいた 風 力 発 電 予 測 システムの 利 用 者 ( 導 入 者 )や 風 力 発 電 量 予 測 値 の 提 供 をサービスとして 行 う 方 々が 対 象 となります 3 本 書 の 構 成 本 書 の 構 成 は まず 本 書 の 目 的 は 何 なのか? 誰 を 対 象 としているのか? 構 成 はどうなっている のか?という 本 書 自 体 を 第 1 部 で 説 明 しています ですから 風 力 発 電 予 測 システムを 理 解 し たり 導 入 構 築 運 用 をどのようにするのか?といったことは 第 2 部 以 降 で 説 明 しています 第 2 部 では 2 日 先 までの 風 力 発 電 を 予 測 するシステムとは どういうものなのか? と いうことを 主 眼 においています 具 体 的 には 1 知 っておくべき 法 規 や 用 語 2システムの 導 入 や 利 用 前 に 考 慮 すべきこと 3システムを 構 成 する 基 本 計 算 モデルの 種 類 とその 特 徴 そして4 基 本 的 な 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システム( 風 力 発 電 出 力 予 測 の 流 れ)を 理 解 するという 構 成 とし ています 最 後 に 第 3 部 ですが ここでは 実 際 に 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システムを 構 築 して 運 用 および 評 価 をした 事 例 を 示 し トラブル 事 例 やその 対 応 方 法 そして 考 えられる 対 策 を 留 意 事 項 とし てまとめてあります なお 本 書 には 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システムをWindows PCで 体 験 ( 簡 易 予 測 モデ ルが 格 納 されているサンプルデータに 対 し 実 際 に 計 算 します )でき また 実 際 に 気 象 庁 GPVデータの 入 電 とWFの 情 報 ( 総 発 電 出 力 等 )のオンラインシステムを 構 築 することで 実 態 に 気 象 予 測 に 基 づいた 風 力 発 電 出 力 を 簡 易 的 に 予 測 ができる 風 力 発 電 出 力 予 測 プラットフォーム のマニュアルを 付 録 として 付 け 加 えてあります このマニュアルには 風 力 発 電 出 力 予 測 プラットフォーム(ソフトウェア)のインストールや 設 定 方 法 が 含 まれますので 具 体 的 な 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 構 築 方 法 の 一 例 ですので 参 考 になることでしょう -1-

本 ガイドブックの 目 的 対 象 とする 読 者 本 書 構 成 第 1 部 風 力 発 電 出 力 予 測 技 術 ガイドブックの 目 的 1. 風 力 発 電 出 力 予 測 技 術 ガイドブックの 目 的 2. 本 書 の 対 象 読 者 3. 本 書 の 構 成 本 ガイドブックで 説 明 するシステムの 範 囲 予 測 システムの 基 礎 知 識 第 2 部 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 基 本 事 項 4. 本 書 でのシステム 構 築 適 用 範 囲 5. 関 連 法 規 等 6. 用 語 の 定 義 7. システム 導 入 の 目 的 と 留 意 点 8. システム 導 入 の 基 本 事 項 風 力 発 電 量 予 測 システムの 構 築 運 用 評 価 の 事 例 第 3 部 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システム 構 築 運 用 の 例 9. オンライン 観 測 通 信 システムの 構 築 運 用 10. 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 構 築 運 用 11. 風 力 発 電 出 力 予 測 プラットフォーム 12. 運 用 障 害 事 例 と 解 析 結 果 13. 予 測 システムの 構 築 運 用 に 関 する 留 意 事 項 風 力 発 電 量 予 測 システムの 体 験 付 録 風 力 発 電 出 力 予 測 プラットフォーム マニュアル 図 3-1 本 書 の 構 成 ( 流 れ) -2-

第 2 部 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 基 本 事 項 4 本 書 でのシステム 構 築 適 用 範 囲 本 書 で 取 り 扱 うシステム 構 築 の 適 用 範 囲 は 1SCADAシステムから 排 出 される 必 要 情 報 を 伝 送 サ ーバ 等 で 受 渡 してもらった 以 降 2ウィンドファームの 総 発 電 出 力 情 報 の 入 手 以 降 および3 気 象 業 務 センターが 定 期 的 に 配 信 する 気 象 庁 GPVの 入 電 以 降 とします 適 用 範 囲 を 図 4-1に 示 しまし た 図 4-1 本 書 でのシステム 構 築 適 用 範 囲 -3-

5 関 連 法 規 等 5.1 気 象 業 務 法 気 象 業 務 法 において 予 報 とは 観 測 の 成 果 に 基 づく 現 象 の 予 想 の 発 表 と 定 義 されていま す 具 体 的 には 時 と 場 所 を 特 定 して 今 後 生 じる 自 然 現 象 の 状 況 を 観 測 の 成 果 を 基 に 自 然 科 学 的 方 法 によって 予 想 し その 結 果 をその 発 表 手 段 や 営 利 か 非 営 利 を 問 わず 通 報 する 場 合 には 予 報 業 務 許 可 の 対 象 となります 1 なお 同 法 において 業 務 とは 定 時 的 または 非 定 時 的 に 反 復 継 続 して 行 われる 行 為 をいいます ただし 予 報 業 務 許 可 申 請 の 手 引 き 1 では 予 想 を 行 う 人 が 例 えば 自 分 の 所 属 する 学 校 や 会 社 あるいは 家 庭 内 等 内 部 のみで 自 らの 予 想 を 利 用 する 限 りは 部 外 への 発 表 行 為 を 伴 わない 自 家 用 の 予 想 と 見 なされ 許 可 は 不 要 と 記 載 されている 従 いまして 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 は 気 象 庁 が 日 々 運 用 している 気 象 予 報 システ ムによる 予 測 結 果 を 気 象 モデルの 初 期 値 境 界 値 として 用 いて 風 向 風 速 を 算 出 し 最 終 的 に 発 電 出 力 を 予 想 しますので 気 象 庁 以 外 の 者 が 予 想 結 果 を 定 期 的 または 非 定 期 的 に 第 三 者 に 気 象 情 報 とともに 報 じる 場 合 には 気 象 業 務 法 第 十 七 条 により 予 報 業 務 許 可 の 対 象 となることに 注 意 す る 必 要 があります 気 象 業 務 法 第 十 七 条 ( 予 報 業 務 の 許 可 ) 気 象 庁 以 外 の 者 が 気 象 地 象 津 波 高 潮 波 浪 又 は 洪 水 の 予 報 の 業 務 ( 以 下 予 報 業 務 と いう )を 行 おうとする 場 合 は 気 象 庁 長 官 の 許 可 を 受 けなければならない なお 風 力 発 電 出 力 予 測 結 果 のみを 第 三 者 に 報 じる 場 合 には 明 確 に 定 義 されていませんが 風 力 発 電 出 力 は 観 測 の 成 果 に 基 づく 現 象 に 相 当 すると 思 われます 風 力 発 電 出 力 予 測 システム を 構 築 して 発 電 出 力 予 測 結 果 のみを 第 三 者 へ 報 じる 場 合 には 気 象 庁 の 判 断 が 必 要 となりま すので 必 ず 気 象 庁 に 問 い 合 わせ 下 さい 1 予 報 業 務 許 可 申 請 の 手 引 き ( 平 成 17 年 11 月 8 日 改 訂 版 ) 気 象 庁 総 務 部 民 間 事 業 振 興 課 民 間 気 象 業 務 推 進 係 5.2 不 正 アクセス 行 為 の 禁 止 等 に 関 する 法 律 風 力 発 電 出 力 予 測 システムはオンラインネットワークシステムですので 予 測 対 象 ウィンドファームや 関 係 事 業 会 社 などのネットワークに 接 続 しています もし 不 正 アクセスされますとコンピュータの 破 壊 データ 破 壊 データ 漏 えい データ 改 ざ ん または 勝 手 に 操 作 されてしまう 可 能 性 があります なかには 不 正 アクセスされたコンピュ ータを 踏 み 台 にされて 他 のコンピュータシステム( 例 えば 風 力 発 電 所 を 制 御 するシステム) に 不 正 アクセスされて 勝 手 に 操 作 される 可 能 性 もあります このように 不 正 アクセスされますと 業 務 に 重 大 な 支 障 が 発 生 する 社 会 的 に 信 用 が 低 下 する 損 害 賠 償 責 任 が 生 じる など 多 大 な 損 失 を 受 ける 可 能 性 があります そこで 不 正 アクセスを 防 止 するために 1 不 正 アクセス 行 為 の 禁 止 ( 第 三 条 ) 2 不 正 アクセ ス 行 為 を 助 長 する 行 為 の 禁 止 ( 第 四 条 ) 3アクセス 管 理 者 による 防 御 措 置 ( 第 五 条 ) 4 都 道 府 県 公 安 委 員 会 による 援 助 等 ( 第 六 七 条 )および5 罰 則 ( 第 八 条 )から 構 成 される 不 正 アク セス 行 為 の 禁 止 等 に 関 する 法 律 ( 不 正 アクセス 禁 止 法 )が 平 成 12 年 に 施 行 されています 参 考 資 料 : 警 察 庁 サイバー 犯 罪 対 策 (http://www.npa.go.jp/cyber/legislation/) -4-

6 用 語 の 定 義 用 語 定 義 説 明 関 連 JIS 番 号 [ア 行 ] ウィンドファーム 風 力 発 電 所 一 般 には, 複 数 の 風 力 発 電 装 置 をいう (ウィンドパークと 呼 ばれることもある ) 108 ( 風 力 発 電 システムの) 一 般 には 製 造 業 者 によって 指 定 される, 機 器 又 は 装 置 の 所 定 の 418 定 格 出 力 運 転 状 態 における 出 力 の 値 10 分 間 平 均 風 速 風 速 の 10 分 間 平 均 値 205 CFD モデル NuWiCC: NuWiCC(Numerical Wind Simulation Code in CRIEPI)は 電 中 研 において 開 発 されたモデルである 基 礎 式 に Boussinesq 近 似 を 施 した 連 続 の 式 N. S. 式 およびエネルギ 方 程 式 を 用 いており 高 Re 数 型 k-ε2 方 程 式 モデルにより 乱 流 過 程 を 再 現 している MOS Model Output Statistics の 略 で モデルの 予 測 結 果 と 観 測 値 との 関 係 を 調 べ 予 測 結 果 から 系 統 的 な 予 測 誤 差 を 取 り 除 く 手 法 の 一 つ 一 般 には 重 回 帰 式 による 予 測 式 を 用 いた 補 正 方 法 を 示 す NCEP NCEP ( 米 国 環 境 予 報 セ ン タ ー ) と は National Centers for Environmental Prediction の 略 である アップスケールモデル オンライン 観 測 データを 得 られる 一 部 の 代 表 的 ウィンドファームの 発 電 出 力 の 予 測 値 を 用 いて エリア 全 体 の 発 電 出 力 を 精 度 よく 予 測 する 手 法 の 一 つである 一 部 の 代 表 的 ウィンドファームから エリア 全 体 の 発 電 出 力 を 予 測 できるのが 特 徴 である エリアモデル 電 力 系 統 制 御 エリアを 対 象 とした 発 電 出 力 予 測 モデルであり オ ンライン 観 測 データとしてウィンドファーム 総 出 力 のみを 用 いるの が 特 徴 である 観 測 から 得 られたウィンドファーム 総 出 力 に 加 え 気 象 予 測 から 得 られたウィンドファームにおける 代 表 風 速 および ウィンドファーム 位 置 や 設 備 容 量 などの 情 報 を 入 力 データとし て ウィンドファームにおける 発 電 出 力 を 求 める このようにして 得 られた 個 々のウィンドファームの 発 電 出 力 に 基 づき アップスケー ルモデルにより エリア 全 体 における 発 電 出 力 を 求 める [カ 行 ] カットアウト 風 速 風 車 が 利 用 可 能 な 動 力 を 生 むハブ 高 さにおける 最 大 の 風 速 133 カットイン 風 速 風 車 が 利 用 可 能 な 動 力 を 生 むハブ 高 さにおける 最 小 の 風 速 143 気 象 庁 が 配 信 している 数 値 予 報 モデル(またはその 計 算 結 果 ) RSM(Regional Spectral Model; 領 域 スペクトルモデル)は 日 本 付 近 について 1 日 2 回 (00,12Z) 計 算 され 51 時 間 先 までの 1 時 気 象 庁 GPV データ (RSM) 間 毎 の 予 測 値 が 格 子 点 値 として 配 信 されている 日 本 において 局 地 気 象 モデルによる 詳 細 計 算 を 行 う 場 合 しばしば RSM が 初 期 境 界 値 として 使 用 される RSM データのことを 特 に RSM-GPV と 呼 ぶ 場 合 もある なお 2007 年 11 月 より RSM は GSM(Global Spectral Model; 全 球 スペクトルモデル)に 統 合 された 可 変 ピッチ ピッチ 角 が 可 変 であるプロペラ 形 風 車 のロータ 形 式 415 可 変 速 風 車 ロータ 回 転 速 度 が 変 化 する 風 車 413 気 象 モデル WRF: WRF(Weather Research and Forecasting)は 米 国 大 気 研 究 センタ ーNCAR(National Center for Atmospheric Research)などにより 開 発 が 進 められている 気 象 モデルである 客 観 解 析 値 を 初 期 値 境 界 値 として 主 にメソスケール 気 象 を 予 測 することができる 入 力 値 としては 海 面 水 温 などが 必 要 である -5-

用 語 局 地 気 象 モデル ANEMOS 工 学 モデル LAWEPS 定 義 説 明 ANEMOS ( Area-oriented Numerical prediction and Environmental assessment Modeling System)は 財 団 法 人 日 本 気 象 協 会 で 開 発 された 局 地 気 象 モデルである 客 観 解 析 値 を 初 期 値 境 界 値 として 主 にメソスケール 気 象 を 予 測 することができる 入 力 値 としては 他 に 標 高 土 地 利 用 雪 面 情 報 海 面 水 温 が 必 要 である LAWEPS (Local Area Wind Energy Prediction System)は NEDO 局 所 的 風 況 予 測 モデル 開 発 プロジェクトチームにおいて 開 発 さ れた 風 況 予 測 システム LAWEPS は 複 雑 地 形 上 においても 年 平 均 風 速 が 高 精 度 で 予 測 できる 1~5 次 の 多 段 階 ネスティングモ デルで 適 切 なネスティング 手 順 を 踏 むことにより 10m メッシュモ デル(5 次 領 域 )において 観 測 値 との 年 平 均 風 速 誤 差 が±10% 以 内 になるように 設 計 されている [サ 行 ] サンプリング 周 波 数 データを 計 測 する 周 波 数 関 連 JIS 番 号 423 計 測 装 置 が 計 測 データを 取 得 する 周 波 数 最 大 出 力 正 常 な 運 転 状 態 にある 風 車 が 発 生 する 正 味 出 力 の 最 大 値 419 出 力 風 力 発 電 装 置 が 発 生 する 電 気 出 力 404 出 力 曲 線 パワーカー 横 軸 に 風 速, 縦 軸 に 風 車 出 力 をとり, 両 者 の 関 数 関 係 を 示 す 曲 405 ブ 線 又 はプロットされたデータ 群 精 度 測 定 結 果 と 測 定 対 象 の 真 値 との 間 の 一 致 の 度 合 い 425 設 備 利 用 率 ある 期 間 中 における 風 車 総 発 電 量 の, 同 期 間 中 に 定 格 出 力 で 運 421 転 したと 仮 定 して 風 車 が 発 生 可 能 な 発 電 量 に 対 する 比 増 速 機 入 力 軸 の 回 転 速 度 を, 増 速 して 出 力 軸 に 動 力 伝 達 する 装 置 ロ ータの 回 転 速 度 よりも 発 電 機 の 回 転 速 度 が 高 い 場 合 に, 主 軸 の 回 転 速 度 を 増 速 して 動 力 を 伝 達 する 装 置 305 測 定 期 間 [タ 行 ] タワー 統 計 的 に 意 味 のあるデータベースを 収 録 するのに 必 要 な 性 能 試 験 の 期 間 風 車 ロータ, 動 力 伝 達 装 置, 発 電 機 などを 地 上 から 適 切 な 高 さに 312 支 持 するための 架 台 定 格 風 速 風 車 の 定 格 出 力 が 発 生 するハブ 高 さにおける 規 定 の 風 速 414 電 力 系 統 発 電 所, 変 電 所 及 び 負 荷 とこれらを 結 ぶ 電 線 路 からなり, 発 電 電 315 力 を 負 荷 に 送 る 電 力 設 備 網 データセット ある 期 間 に 連 続 的 に 採 取 されたデータの 集 合 431 [ナ 行 ] ナセル 310 年 平 均 水 平 軸 風 車 において,タワーの 上 部 に 配 置 され, 動 力 伝 達 装 置, 発 電 機, 制 御 装 置 などを 格 納 するもの, 並 びにその 内 容 物 の 総 称 十 分 な 期 間 にわたって 集 めた 十 分 な 量 の 測 定 データセットを 平 均 した 値 であって, 測 定 対 象 の 期 待 値 を 推 定 できるもの 平 均 を 計 算 する 期 間 は, 季 節 差 などの 非 定 常 効 果 をならすため, 年 数 は 整 数 とする 年 平 均 風 速 年 平 均 の 用 語 の 定 義 に 従 って 平 均 した 風 速 207 [ハ 行 ] 発 電 機 機 械 動 力 ( 風 車 ロータの 回 転 力 )を 受 けて 電 力 を 発 生 する 回 転 306 風 向 機 観 測 者 から 見 て, 風 が 向 かってくる 方 向 例 えば," 北 風 とは 北 か ら 吹 く 風 ", " 山 風 とは 山 から 谷 に 向 かって 吹 く 風 "の 意 味 である 438 206 216-6-

用 語 風 車 後 流 (ウェイク) 定 義 説 明 風 車 に 流 入 した 空 気 流 の 風 車 ロータの 後 方 流 れであり, 風 車 前 方 の 自 由 気 流 と 比 較 して, 一 般 的 に 風 速 が 低 く, 乱 流 強 度 が 強 い 関 連 JIS 番 号 412 風 速 空 気 が 移 動 した 距 離 とそれに 要 した 時 間 の 比 ( 単 位 は 通 常 m/s) 201 複 雑 な 地 形 地 形 が 変 化 に 富 み, 又 は 障 害 物 が 存 在 し,それらによって 風 が 430 ゆがめられやすい 風 車 サイトの 地 理 形 状 平 均 風 速 風 速 の 瞬 間 値 を, 所 定 期 間 内 で 統 計 的 に 平 均 したもの 所 定 期 203 間 は 数 秒 から 数 年 の 場 合 がある 補 正 量 低 減 化 最 新 の 実 況 値 と 予 測 値 との 差 を 補 正 量 とし N 時 間 後 にもとの 予 測 値 と 一 致 するように 補 正 量 を 減 らしながら 予 測 値 を 修 正 する 手 法 何 らかの 原 因 で システムにおける 予 測 モデルの1つ(あるいは バックアップモデル 複 数 )が 正 常 終 了 しなくても 最 終 的 な 予 測 結 果 が 得 られるように 構 築 された 予 備 的 モデルのこと ハブ ブレードをロータ 軸 に 固 定 する 部 分 303 ハブ 高 さ 風 車 ロータ 中 心 の 地 上 高 さ 垂 直 軸 ダリウス 風 車 の 場 合 には, 赤 道 面 の 高 さ 403-7-

7 システム 導 入 の 目 的 と 留 意 点 7.1 目 的 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システムは 風 まかせの 発 電 電 力 を 事 前 に 予 測 することによ り 電 力 系 統 側 の 調 整 力 を 計 画 的 に 運 用 可 能 としたり ウィンドファームの 運 営 に 役 立 つシステム です 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 導 入 実 施 においては 導 入 検 討 者 が 達 成 すべき 目 的 を 明 確 にすることが 必 要 です 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 一 般 的 な 目 的 の 例 として 以 下 のことが 挙 げられます (1) 電 力 系 統 運 用 への 貢 献 1 風 力 発 電 の 予 測 困 難 性 に 伴 なう 系 統 運 用 への 影 響 の 緩 和 2 風 力 発 電 量 予 測 システムの 周 波 数 変 動 対 策 オプション 2 に 対 する 貢 献 より 効 率 的 な 電 源 運 用 による 調 整 力 の 有 効 活 用 に 貢 献 予 定 解 列 出 力 抑 制 開 始 と 終 了 時 刻 の 予 測 に 活 用 可 能 風 力 発 電 の 短 周 期 変 動 や 発 電 量 予 測 誤 差 の 吸 収 など 蓄 電 池 の 効 率 的 な 運 用 に 活 用 可 能 2 総 合 資 源 エネルギー 調 査 会 新 エネルギー 部 会 風 力 発 電 系 統 連 系 対 策 小 委 員 会 中 間 報 告 ( 平 成 16 年 7 月 )において 以 下 の7 項 目 に 関 する 周 波 数 変 動 対 策 オプションが 掲 げられた (1) 周 波 数 変 動 の 観 点 から 見 た 風 力 発 電 連 系 可 能 量 の 正 確 な 把 握 (2) 解 列 枠 の 募 集 (3) 蓄 電 池 等 の 導 入 (4) 会 社 間 連 系 線 の 活 用 (5) 調 整 力 の 拡 大 に 向 けた 電 源 運 用 (6) 周 波 数 変 動 による 導 入 制 約 のない 地 域 での 風 力 発 電 の 立 地 (7) 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 量 予 測 システムの 調 査 研 究 (2)ウィンドファーム 運 営 の 向 上 1 逸 失 機 会 発 電 量 の 逓 減 支 援 保 守 改 修 工 事 などにおける 着 手 時 期 決 定 の 補 完 情 報 として 利 用 定 期 メンテナンス 時 における 対 象 機 順 番 決 定 の 補 完 情 報 として 利 用 日 常 保 守 管 理 作 業 における 安 全 面 確 保 支 援 その 他 停 止 時 間 調 整 強 風 / 暴 風 時 の 停 止 時 間 最 小 化 の 補 完 情 報 として 利 用 2 設 備 利 用 率 向 上 支 援 各 風 力 発 電 機 の 出 力 特 性 実 績 値 の 収 集 および 経 時 変 化 の 検 証 各 種 エラー 故 障 情 報 の 蓄 積 に 対 して 気 象 との 関 連 トレンドなどを 検 証 系 統 制 限 解 列 制 限 などの 電 力 規 制 下 での 活 用 3 風 力 発 電 併 用 型 PPSの 検 討 および 運 用 の 可 能 性 -8-

(3) 業 務 の 効 率 性 の 向 上 への 寄 与 今 まで ただ 単 に 風 力 発 電 電 力 量 の 実 績 値 によってウィンドファームの 運 営 管 理 をしてきた のに 対 し 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システムによって 気 象 予 測 に 基 づいた 出 力 予 測 を 織 り 込 めますので 短 期 的 な 計 画 をすることが 可 能 になります これによって 費 用 の 節 減 やリスク 管 理 向 上 などの 効 果 が 期 待 できます なお 期 間 平 均 的 な 予 測 精 度 を 高 めることと 瞬 時 における 予 測 値 が 大 はずれする 可 能 性 が 生 じ てしまうこととは 裏 表 の 関 係 で 両 方 を 同 時 に 追 求 することは 難 しいことです これについては 入 手 観 測 データの 特 性 やオンラインデータ 収 集 システムの 状 態 運 営 管 理 者 の 要 望 によって 目 的 に 対 する 優 先 順 位 が 異 なることがありますので 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システム の 導 入 構 築 にあたっては 取 組 主 体 がこれらを 考 慮 してどのような 目 的 に 重 点 をおくかを 定 め ておく 必 要 があります 7.2 対 象 とする 範 囲 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システムを 導 入 するにあたり システムの 対 象 とする 範 囲 を 明 確 にすることが 重 要 です 具 体 的 には 以 下 の 項 目 が 考 えられます 予 測 対 象 項 目 ( 出 力 風 速 風 向 その 他 ) 予 測 対 象 単 位 ( 風 車 単 位 ウィンドファーム 単 位 その 他 ) 予 測 時 間 単 位 (30 分 1 時 間 その 他 ) 予 測 時 間 範 囲 (24 時 間 48 時 間 その 他 ) オンラインデータ 種 類 ( 送 電 端 出 力 SCADA 気 象 観 測 その 他 ) 停 止 情 報 の 活 用 有 無 ( 計 画 / 実 績 : 風 車 停 止 計 画 停 電 その 他 ) 予 測 誤 差 精 度 ( 絶 対 平 均 誤 差 低 減 持 続 予 報 に 対 する 改 善 率 向 上 大 はずれ 防 止 ) 予 測 情 報 配 信 場 所 ( 管 理 事 務 所 作 業 員 本 社 / 系 列 会 社 その 他 ) なお より 広 い 範 囲 をカバーするシステムを 構 築 することが 理 想 ですが 設 定 した 目 的 や さ まざまな 技 術 的 経 済 的 制 約 を 考 慮 した 場 合 範 囲 を 限 定 することが 現 実 的 です そのような 場 合 には まず 一 部 の 範 囲 を 対 象 として 開 始 し 次 第 に 範 囲 を 拡 張 できるシステムを 設 計 し 必 要 に 応 じて 順 次 拡 張 していくことが 有 効 です 7.3 留 意 点 (1) 企 業 内 コミットメントと 継 続 的 改 善 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 導 入 と 実 施 およびその 継 続 的 な 改 善 に 対 して 以 下 のことが 必 要 で す 1 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 重 要 性 を 事 業 所 内 で 周 知 させることが 必 要 です 2 実 施 計 画 が 確 実 に 定 められるようにします 3 経 営 資 源 ( 人 員 財 源 機 械 設 備 ソフトウェア 技 術 技 法 )の 用 意 が 必 要 です -9-

(2) 制 約 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 導 入 は 効 果 的 な 手 段 といえますが 予 測 対 象 の 規 模 機 器 の 種 類 や 特 性 収 集 データの 特 性 や 品 質 業 務 規 模 および 体 制 現 地 管 理 の 固 有 の 性 質 などによって 適 用 のしやすさが 異 なるなど 制 約 や 問 題 が 生 じます 取 組 主 体 は 起 こりえる 問 題 や 制 約 などを 十 分 に 留 意 することが 必 要 です どのような 制 約 があるかを 把 握 した 上 で そのようなことを 視 野 に 入 れて 創 意 工 夫 したり 将 来 的 な 展 望 をもっておくことが 望 ましいのです 経 済 的 な 制 約 としては より 精 緻 なレベルで 予 測 しようとすると 必 要 な 費 用 が 大 きくなって しまう 可 能 性 が 高 くなります 以 下 のように 費 用 と 効 果 を 考 慮 したシステムづくりを 進 めること が 重 要 です なお 新 しい 技 術 や 管 理 方 法 などが 開 発 されると 制 約 が 除 かれる 場 合 もあります (3) 費 用 と 効 果 の 考 慮 取 組 主 体 は 達 成 すべき 目 的 と 効 果 必 要 な 費 用 を 予 測 し 相 互 に 比 較 しながら 自 らの 風 力 発 電 出 力 予 測 システムを 導 入 します 得 られる 効 果 風 力 発 電 出 力 予 測 システムを 導 入 する 目 的 と それら 目 的 を 達 成 することによって 得 られる 効 果 を 十 分 に 吟 味 しておく 必 要 があります 導 入 費 用 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 導 入 に 必 要 な 主 な 費 用 は 以 下 のとおりです 1 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 基 本 構 想 書 や 手 順 書 の 作 成 費 用 2 各 種 モデルやソフトウェアの 開 発 や 機 器 ( 観 測 機 器 情 報 処 理 機 器 など)の 整 備 費 用 3 教 育 研 修 などの 費 用 運 用 費 用 導 入 後 の 運 用 における 主 な 費 用 は 以 下 の 通 りです 1 システム 管 理 および 運 用 に 係 わる 人 件 費 2 セキュリティー 対 策 費 通 信 費 電 気 代 消 耗 品 費 その 他 3 機 器 やソフトウェアの 保 守 更 新 費 用 4 システムの 信 頼 性 を 保 証 するためのモニタリングや 監 査 の 費 用 (4) 電 力 系 統 運 用 またはウィンドファーム 運 営 管 理 を 目 的 としたシステムとの 関 連 風 力 発 電 出 力 予 測 システムは あくまで 数 十 時 間 先 までの 風 力 発 電 出 力 を 予 測 するシステムです 電 力 系 統 の 運 用 管 理 やウィンドファーム 運 営 管 理 に 有 効 活 用 するためには 対 象 とする 運 用 管 理 システムや 業 務 プロセスの 何 処 に どのタイミングで どの 程 度 の 精 度 のものが どのように 組 み 込 まれるかを 十 分 に 吟 味 することが 必 要 です (5) 関 連 法 規 の 遵 守 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 運 用 にあたって 関 連 法 規 と 社 会 的 倫 理 を 遵 守 することが 必 要 です -10-

8 システム 導 入 の 基 本 事 項 8.1 気 象 予 測 と 個 別 のモデルの 概 要 数 値 気 象 予 報 (Numerical Weather Prediction:NWP) 提 供 時 間 分 の WF 発 電 出 力 の 予 測 は 単 純 に WF 総 発 電 量 = 風 況 予 測 値 (NWP) メーカー 提 供 パワーカーブ 単 機 出 力 基 数 で 算 出 することは 可 能 です しかし WF 発 電 出 力 を 精 度 良 く 予 測 するには 以 下 を 考 慮 することになります 1) NWP 予 報 値 の 水 平 解 像 度 は 20km 程 度 なので WF 内 の 風 況 を 細 かく 再 現 していません 2) 風 速 から( 送 電 端 ) 発 電 出 力 までの 過 程 の 全 物 理 的 事 象 をモデリングすることは 不 可 能 であ り 予 測 誤 差 の 低 減 には 統 計 手 法 が 必 要 となります 3) 風 車 の 稼 動 状 況 や 出 力 制 御 を 無 視 した 場 合 には 誤 差 が 大 きくなることを 例 として 風 況 予 測 の 精 度 を 高 めたからといって 発 電 出 力 予 測 結 果 が 良 くなる 訳 ではありません 4) 目 的 や 予 算 に 対 して 利 活 用 可 能 データ 各 種 算 出 モデルおよびシステム 構 成 を 設 計 する ことになります 一 般 的 に 気 象 庁 GPV の 利 用 ( 図 中 気 象 庁 GPV) 気 象 モデルの 利 用 ( 図 中 気 象 モデル) 実 測 値 に 基 づくパワーカーブの 利 用 ( 図 中 パワーカーブ 補 正 ) そしてリアルタイム 観 測 データ の 利 用 ( 図 中 観 測 データ 補 正 )といったように 各 手 法 (モデル)を 複 数 重 ねることによって 予 測 値 の 絶 対 平 均 誤 差 が 低 減 されることが 分 かっています( 図 8-1 参 照 ) 絶 対 平 均 誤 差 ( 25 20 気 象 庁 GPV 気 象 モデル パワーカーブモデル 補 正 持 続 モデル 観 測 データ 補 正 % ) 15 10 5 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 時 間 (Hr) 図 8-1 各 手 法 による 予 測 精 度 の 向 上 ( 一 般 論 ) 従 いまして 風 力 発 電 出 力 を 精 度 良 く 予 測 するには 複 数 の 手 法 を 組 み 合 わせ それに 必 要 な データをリアルタイムで 入 手 する 必 要 があります -11-

以 上 のことを 背 景 に WF の 発 電 出 力 を 精 度 良 く 予 測 するためには 以 下 の1~5が 必 要 となり ます 1 ウィンドファームの 総 発 電 出 力 や SCADA(Supervisory Control and Data Acquisition) のデータ 2 数 値 気 象 予 報 (NWP)データ 3 ウィンドファーム 情 報 ( 風 車 情 報 地 形 情 報 等 ) などを 入 力 データとして 当 該 地 域 の 気 象 を 気 象 予 測 モデルなどから 算 出 し 4 NWP の 提 供 時 間 分 ( 本 事 業 では 51 時 間 分 ) 3 の 風 力 発 電 出 力 ( 風 力 発 電 機 や 風 力 発 電 所 全 体 )を 予 測 することになります 5 なお この 発 電 出 力 予 測 は 数 十 時 間 先 を 予 測 するものなので 予 測 誤 差 は 必 ずあると 考 え なければなりません これについては 予 測 した 値 の 不 確 かさや 信 頼 区 間 を 同 時 に 表 記 した り 予 測 精 度 は 落 ちますが 大 はずれの 度 合 いを 低 減 させる 方 法 など 運 用 目 的 に 応 じた 予 測 値 の 評 価 を 付 加 することが 必 要 となります これら1~5の 関 係 は 図 8-2 となり これは 基 本 的 な 風 力 発 電 出 力 予 測 算 出 のフローに 相 当 します 3 WF 情 報 ( 風 車 地 形 制 御 な どの 既 知 情 報 ) 2 NWP 1 WF 総 発 電 出 力 SCADAデータ などのリアルタイム 情 報 4 気 象 予 測 4 発 電 出 力 予 測 5 予 測 値 の 評 価 図 8-2 基 本 的 な 風 力 発 電 出 力 予 測 フロー( 概 念 図 ) 3 本 事 業 では 領 域 数 値 予 報 モデル GPV RSM (2007 年 11 月 21 日 廃 止 )を 利 用 しました RSMデータの 内 容 初 期 値 00UTC,12UTC 予 報 時 間 51 時 間 予 報 地 上 1 時 間 間 隔 P 面 3 時 間 間 隔 領 域 北 緯 50 度 東 経 120 度 ~ 北 緯 20 度 東 経 150 度 格 子 系 等 緯 度 等 経 度 ( 地 上 0.2 0.25 度 P 面 0.4 0.5 度 格 子 ) 地 上 物 理 量 P 面 物 理 量 海 面 更 正 気 圧 (Pmsl) 風 気 温 相 対 湿 度 時 間 降 水 量 (RR1) 数 値 予 報 雲 量 (Cloud) 高 度 (Z) 風 (U,V) 気 温 (T) 11 層 相 対 湿 度 (RH) 上 昇 流 (Omg) 7 層 -12-

なお 風 力 発 電 予 測 モデルを 構 築 するには ウィンドファームの 所 有 者 が 運 営 管 理 を 目 的 に したもの(ウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 モデル:WF 予 測 モデル)と 系 統 運 用 者 が 利 用 するこ とを 目 的 にしたもの( 電 力 系 統 制 御 エリア 発 電 出 力 予 測 モデル:エリア 予 測 モデル)とに 分 ける ことができます( 図 8-3) 数 値 気 象 予 報 データ 単 機 出 力 /ナセル 風 速 データ ファームⅢ a b c d WF 総 出 力 データ ファームⅢ ファームⅠ ファームⅣ ファームⅡ 数 値 気 象 予 報 データ 単 機 出 力 予 測 値 a b c d WF 総 出 力 予 測 値 ファームⅠ ファームⅡ ファームⅢ ファームⅣ ファームⅢ WF 総 出 力 予 測 値 (a+b+c+d) エリア 総 出 力 予 測 値 (Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ+Ⅳ) WF 予 測 モデルの 概 念 エリア 予 測 モデルの 概 念 図 8-3 WF 予 測 モデル と エリア 予 測 モデル ( 概 念 図 ) 両 者 のモデルの 大 きな 違 いとしては ウィンドファーム 内 での 風 車 の SCADA データの 取 り 扱 いがあります WF 予 測 モデルは 風 車 各 機 のナセル 風 速 出 力 等 のウィンドファーム 内 の 詳 細 な SCADA データが 得 られます 一 方 エリア 予 測 モデルは ウィンドファームの 所 有 者 ではな いので 総 出 力 のデータしか 得 られません 風 力 発 電 電 力 系 統 安 定 化 等 技 術 開 発 - 気 象 予 測 システム- 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 量 予 測 システムの 開 発 事 業 ( 以 下 本 事 業 とします )では これらのことを 前 提 として WF 予 測 モ デルとエリア 予 測 モデルの 風 況 予 測 モデル 発 電 出 力 予 測 モデルの 各 モデルの 精 緻 化 高 速 化 お よび 発 電 出 力 精 度 向 上 を 図 り 実 証 検 証 および 評 価 を 行 いました それらの 方 法 や 結 果 につい ての 詳 細 は 成 果 報 告 書 に 記 載 されていますので 本 節 では これらの 予 測 モデルのコンポーネン トとなる 数 値 気 象 予 報 モデル(NWP データの 算 出 モデル) メソスケール 気 象 モデル の 説 明 や 注 意 点 を 重 点 におきました -13-

8.1.1 数 値 気 象 予 報 モデル 数 値 天 気 予 報 に 用 いる 気 象 モデルは 地 球 全 体 を 対 象 として 地 球 規 模 での 気 象 変 化 を 予 測 可 能 な 全 球 モデルと 特 定 の 領 域 を 対 象 として 詳 細 な 気 象 場 を 計 算 可 能 な 領 域 モデルに 対 象 となる 領 域 で 大 きく2つに 分 類 されます 全 球 モデルは 多 くの 計 算 資 源 や 観 測 値 を 必 要 とすることから その 運 用 は 日 本 の 気 象 庁 や 米 国 の NCEP および 欧 州 の ECMWF などの 主 たる 予 報 センターで 行 われています 初 期 値 境 界 値 (a) 全 球 モデルの 予 測 ( 気 象 庁 ) (b) 領 域 モデルの 予 測 図 8-4 各 モデルのイメージ 図 気 象 庁 では 2007 年 11 月 にデータ 形 式 が 変 更 されて 本 事 業 で 調 べたものと 現 在 の 配 信 内 容 は 異 なりますが 気 象 庁 では 全 球 予 報 モデル GSM により 1 日 4 回 予 測 データが 配 信 され 日 本 域 を 対 象 として 84 時 間 予 測 までについて 空 間 格 子 解 像 度 0.2 度 0.25 度 ( 緯 度 経 度 ) で 地 上 は1 時 間 間 隔 気 圧 面 は3 時 間 間 隔 のデータを 提 供 しています -14-

8.1.2 メソスケール 気 象 モデル メソスケール 気 象 モデルは 気 象 予 報 センターから 配 信 される 数 値 気 象 予 報 データ(GPV)を 初 期 値 境 界 値 とし 流 体 力 学 や 熱 力 学 などの 物 理 法 則 に 基 づく 数 値 シミュレーションにより 風 速 風 向 だけでなく 気 温 気 圧 水 蒸 気 量 などの 大 気 の 3 次 元 的 な 気 象 場 を 予 測 するモデルです ウィンドファームを 対 象 とした WF 予 測 モデルでは メソスケール( 水 平 規 模 2~2,000km)の 気 象 現 象 を 取 り 扱 うメソスケール 気 象 モデルを 用 いています この 気 象 モデルが 対 象 とするメソ スケールの 気 象 現 象 とは 台 風 前 線 および 海 陸 風 などであり WF 予 測 モデルを 構 築 する 上 で 気 象 モデルは 重 要 な 役 割 を 担 うことになります メソスケール 気 象 モデル 取 り 扱 い 時 の 注 意 : 気 象 モデルは 降 水 過 程 や 大 気 境 界 層 過 程 など 様 々な 過 程 を 考 慮 していて 複 数 の 物 理 オプショ ンを 使 い 分 けることが 可 能 なモデルです この 物 理 オプションの 設 定 次 第 では 予 報 精 度 に 大 きく 影 響 を 与 えてしまう 場 合 があります 従 いまして これらを 変 更 する 場 合 には 慎 重 な 取 り 扱 いが 必 要 となります 計 算 負 荷 を 低 減 するために 降 水 過 程 を 無 しにした 場 合 に 計 算 精 度 が 悪 化 した 事 例 ( 図 8-5 参 照 ): 本 事 例 は 台 風 の 通 過 に 伴 う 風 速 の 時 間 変 化 について 示 しております 降 水 なしのケースは 降 水 ありのケースと 比 較 して 計 算 時 間 の 短 縮 が 期 待 できます 但 し 本 事 例 では 水 蒸 気 が 水 滴 に 変 化 する 過 程 で 発 生 するエネルギーの 供 給 がないため 降 水 ありのケー スと 比 較 して 予 測 時 間 の 経 過 とともに 台 風 の 勢 力 が 弱 まっていることがわかります このことは ウィンドプロファイラ 観 測 値 との 比 較 からも 確 認 することができます 上 述 事 例 のように メソスケール 気 象 モデルの 領 域 計 算 条 件 などを 設 定 する 場 合 には 計 算 時 間 及 びそこから 得 られる 計 算 精 度 を 十 分 に 考 慮 した 上 で 慎 重 に 決 定 することが 重 要 となります (a) 初 期 値 (b)12 時 間 後 ( 降 水 あり) (c)12 時 間 後 ( 降 水 なし) 図 8-5 気 象 モデルによる 風 速 分 布 の 比 較 [m/s]( 地 上 高 1576m) -15-

8.2 ウィンドファーム 予 測 モデルと 制 御 エリア 予 測 モデルの 概 要 本 節 では ウィンドファーム 予 測 モデルと 制 御 エリア 予 測 モデルについて 概 要 をまとめます 8.2.1 ウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 モデル ウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 モデルは 気 象 庁 などの 気 象 予 報 センターから 配 信 される GPV 等 の 数 値 気 象 予 報 データを 初 期 値 境 界 条 件 として 高 解 像 度 のメソスケール 気 象 モデル( 以 下 気 象 モデル) 局 所 風 況 予 測 モデル(CFD モデル ウェイクモデル)などの 物 理 モデルを 用 いて 各 風 車 位 置 および 高 度 での 風 速 風 向 を 算 出 します そして この 風 速 を 統 計 モデルの 適 用 により 修 正 して SCADA データを 元 にした 経 験 的 パワーカーブを 用 いて 当 日 翌 日 の 単 基 出 力 および 総 発 電 出 力 を 求 める 予 測 モデルです また 本 モデルでは 各 風 車 の SCADA データで 得 られる 風 向 風 速 や 発 電 出 力 などの 実 況 値 メンテナンスによる 風 車 の 停 止 状 況 や 各 風 車 の 運 用 制 御 状 況 の 情 報 を 活 用 することにより 精 度 向 上 を 図 りました 本 書 で 対 象 とする WF 予 測 モデルは 気 象 庁 などの 気 象 予 報 センターから 配 信 される GPV 等 の 数 値 予 報 気 象 データを 初 期 値 境 界 条 件 として メソスケールの 気 象 モデル( 以 下 気 象 モデル) CFD モデル ウェイクモデルなどの 物 理 モデルなどを 用 いて 各 風 車 での 風 速 風 向 を 得 るもので す そして 統 計 モデルの 適 用 により 修 正 された 風 速 と SCADA データを 元 にした 経 験 的 パワー カーブを 用 いて 当 日 翌 日 の 単 基 出 力 および 総 発 電 出 力 を 求 める 方 法 です また 本 予 測 モデルでは 各 風 車 の SCADA データで 得 られる 風 向 風 速 や 発 電 出 力 などの 実 況 値 メンテナンスによる 風 車 の 停 止 状 況 や 各 風 車 の 運 用 制 御 状 況 の 情 報 を 活 用 することにより 精 度 向 上 を 図 っています 本 書 で 述 べる WF 予 測 モデルおよび 予 測 システムの 仕 様 を 表 8-1 に 示 します また 図 8-6に 計 算 の 流 れを 表 8-2にウィンドファーム 予 測 システムの 構 成 例 を 示 します 表 8-1 ウィンドファーム 予 測 システムの 構 成 対 象 スケール 予 測 モデルの 構 成 物 理 モデル 入 力 データ 時 間 スケール 風 車 データ(SCADA データ) ウィンドファーム 気 象 モデル 局 所 風 況 予 測 モデル(CFD モデル wake モデル) 統 計 モデル 数 値 予 報 データ(GPV: Grid Point Value) 海 面 温 度 データ(SST: Sea Surface Temperature) 地 形 データ 風 車 の 配 置 当 日 モデル: 30 分 後 ~24 時 間 後 (30 分 間 隔 で 出 力 ) 翌 日 モデル: 翌 日 24 時 間 (30 分 間 隔 で 出 力 ) 風 力 発 電 機 の 風 向 風 速 発 電 出 力 データ 風 力 発 電 機 情 報 (カタログパワーカーブ ハブ 高 など) -16-

1 広 域 気 象 データ 受 信 気 象 庁 GPV 網 掛 けのデータはオフラインで 別 途 作 成 しておくもの 気 象 モデル 計 算 2 気 象 モデル 計 算 現 地 観 測 データ 10 分 毎 参 照 点 風 向 風 速 30 分 毎 51 時 間 先 まで 工 学 モデル DB ( 風 向 別 風 速 比 ) WF 内 風 速 分 布 (3 次 元 ) 推 定 30 分 毎 3 工 学 モデル 計 算 風 車 位 置 における 風 速 推 定 30 分 毎 バックアップモデル 4 統 計 モデル 計 算 統 計 モデル 計 算 30 分 毎 経 験 的 パワーカーブ 信 頼 区 間 情 報 DB 各 風 車 の 発 電 量 30 分 毎 5 信 頼 区 間 情 報 を 付 加 して 出 力 WF 発 電 量 予 測 値 + 信 頼 区 間 情 報 30 分 毎 図 8-6 ウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 モデルフロー 図 -17-

表 8-2 予 測 システム 構 成 例 JWA CRIEPI 対 象 期 間 当 日 モデル 翌 日 モデル 入 力 データ GPV(RSM)データ GPV(RSM)データ 気 象 モデル ANEMOS 水 平 分 解 能 (1) 5km WRF 水 平 分 解 能 10km 水 平 分 解 能 (2) 1km CFD モデル 非 線 形 モデル(LAWEPS) 水 平 分 解 能 100m 非 線 形 モデル(NuWiCC) 水 平 分 解 能 約 100m 統 計 手 法 MOS MOS (1) 気 象 モデル ウィンドファームを 対 象 とした WF 予 測 システムでは 気 象 モデルとしてメソスケール( 水 平 規 模 2~2,000km)の 気 象 現 象 を 取 り 扱 うメソスケール 気 象 モデル( 以 後 気 象 モデル)を 用 いていま す この 気 象 モデルが 対 象 とするメソスケールの 気 象 現 象 とは 台 風 前 線 および 海 陸 風 などであ り WF 予 測 モデルを 構 築 する 上 で 重 要 な 役 割 を 担 います (2) 局 所 風 況 予 測 モデル(CFD モデル ウェイクモデル) 気 象 モデルで 計 算 された 風 速 と 風 向 は 広 範 囲 を 対 象 とした 値 であり 現 地 の 状 況 に 合 わせる 必 要 があります 現 地 の 障 害 物 ( 構 造 物 風 の 減 少 など)の 影 響 地 表 面 粗 度 の 影 響 地 表 面 粗 度 の 変 化 などを 反 映 させて 各 風 車 における 風 速 と 風 向 を 計 算 します 急 峻 で 複 雑 な 地 形 の 多 い 日 本 では ヨーロッパで 開 発 された 線 形 モデルをそのまま 適 用 するの は 困 難 なので 複 雑 な 地 形 においても 適 用 可 能 な 国 内 で 開 発 された 非 線 形 の 局 所 風 況 予 測 モデル を 用 いることをお 勧 めします (3) 統 計 モデル 一 般 に 気 象 モデル 局 所 風 況 モデルといった 物 理 モデルでは 地 形 表 現 や 物 理 方 程 式 の 表 現 における 近 似 のため 流 れの 場 の 表 現 には 限 界 があります これに 対 する 方 策 としては 過 去 の 観 測 データとモデル 出 力 の 統 計 的 対 応 関 係 を 将 来 の 予 測 に 適 用 してモデル 出 力 を 補 正 するとい った 統 計 モデルを 組 み 込 むことが 有 効 です -18-

8.2.2 電 力 系 統 制 御 エリア 発 電 出 力 予 測 モデル 本 ガイドブックで 対 象 とする 電 力 系 統 制 御 エリア 発 電 出 力 予 測 モデルは 各 風 車 での 風 向 風 速 や 発 電 出 力 などの SCADA データを 用 いないでウィンドファームの 総 発 電 出 力 観 測 値 と 代 表 的 な 風 況 予 測 値 そしてウィンドファーム 情 報 を 入 力 データとして 電 力 系 統 制 御 エリア 全 体 の 当 日 翌 日 の 総 発 電 出 力 を 求 める 予 測 モデルです 本 モデルでは WF 予 測 モデルと 同 様 に 気 象 モデルなどの 物 理 モデルを 用 いて 風 況 を 予 測 し てから 過 去 の 観 測 値 と 予 測 値 から 予 測 の 誤 差 傾 向 を 把 握 した 後 に 予 測 修 正 をおこなっています ただし 予 測 対 象 とする 範 囲 が WF 予 測 モデルより 広 いので 一 般 に WF 予 測 モデルと 比 べ て 気 象 モデルの 計 算 対 象 範 囲 は 広 く 格 子 間 隔 は 粗 くなっています 本 ガイドブックで 述 べるエリア 予 測 モデルと 予 測 システムの 仕 様 を 表 8-3に 示 し 図 に 計 算 の 流 れの 構 成 例 を 示 します 表 8-3 電 力 系 統 制 御 エリア 発 電 出 力 予 測 システムの 構 成 対 象 スケール 電 力 系 統 制 御 エリア 予 測 モデルの 構 成 気 象 モデル 統 計 モデル 数 値 予 報 データ(GPV: Grid Point Value) 物 理 モデル 入 力 データ 海 面 温 度 データ(SST: Sea Surface Temperature) 地 形 データ 風 車 の 配 置 時 間 スケール 当 日 モデル: 30 分 後 ~24 時 間 後 (30 分 間 隔 で 出 力 ) 翌 日 モデル: 翌 日 24 時 間 (30 分 間 隔 で 出 力 ) ウィンドファームデータ 総 発 電 出 力 観 測 値 風 況 予 測 値 ( 総 発 電 出 力 データ) 風 力 発 電 機 情 報 (カタログパワーカーブ ハブ 高 など) -19-

地 形 データ 土 地 利 用 データ 気 象 庁 GPVデータ 日 本 域,20kmメッシュ 局 地 気 象 予 測 計 算 ( 電 力 系 統 制 御 エリア) 各 WF 風 予 測 値 各 WF 総 発 電 出 力 値 取 得 (10 分 毎 ) パワーカーブ 発 電 出 力 変 換 & エリア 発 電 出 力 算 出 エリア 発 電 出 力 予 測 値 各 WF 総 発 電 出 力 実 績 値 エリア 発 電 出 力 実 績 値 の 算 出 定 時 予 測 用 予 測 の 最 適 化 ( 統 計 モデル 計 算 ) エリア 発 電 出 力 実 績 値 WF: Wind Farmの 略 エリア 発 電 出 力 予 測 値 (6 時,18 時 発 表 ) 更 新 予 測 用 統 計 モデル 計 算 (30 分 毎 更 新 ) エリア 発 電 出 力 予 測 値 (30 分 毎 更 新 ) 図 8-7 電 力 系 統 制 御 エリア 発 電 出 力 予 測 モデルフロー 図 8.2.3 予 測 結 果 の 利 用 ( 表 示 ) 風 力 発 電 の 出 力 予 測 は 数 時 間 ~ 十 時 間 先 を 予 測 するもので 予 測 誤 差 は 必 ずあると 考 えなけれ ばなりませんから 予 測 結 果 だけをプロットしたものを 使 うのはお 勧 めできません 予 測 誤 差 のある 風 力 発 電 の 出 力 予 測 結 果 を 利 用 する 場 合 には 例 えば 予 測 値 の 外 れ 傾 向 が 高 め(または 低 め)なのか?その 度 合 いが 大 きく(または 小 さく)と 予 想 されるのか?それと も 予 測 値 は 当 たりそうなのだが 時 間 的 なずれが 生 じそうなのか?などが 解 れば 目 的 用 途 に 沿 っ て 予 測 結 果 を 利 用 することができると 考 えられます 従 いまして 予 測 値 の 誤 差 傾 向 や 度 合 いなどを 同 時 に 鑑 みながら 予 測 結 果 を 利 用 できればよい -20-

ので 予 測 した 値 の 不 確 かさや 信 頼 区 間 を 同 時 に 表 記 したり 利 用 目 的 に 応 じた 予 測 値 の 評 価 を 予 測 結 果 と 共 に 付 加 すれば 効 果 的 です そして 過 去 の 傾 向 を 統 計 的 に 分 析 した 結 果 を 表 記 する ことも 機 能 として 付 け 加 えれば 利 用 者 の 助 けとなります なお 気 象 モデルの 予 測 値 と 実 測 値 を 用 いて 統 計 的 に 最 適 化 された 予 測 値 は 平 均 誤 差 を 最 小 化 して 積 極 的 に 実 測 値 に 追 従 することを 目 指 しています 従 いまして 想 定 外 の 風 力 発 電 出 力 の 急 変 があった 場 合 には 予 測 の 大 外 しが 発 生 する 原 因 となりえます そこで 予 測 精 度 は 落 ちま すが 大 はずれの 度 合 いを 低 減 させるために 大 まかな 実 測 の 変 化 傾 向 を 捉 えている 予 測 の 平 均 値 成 分 に 着 目 し 大 外 し 低 減 予 測 手 法 を 用 いて 大 外 しの 割 合 を 少 なくできることが 可 能 となりま す 風 力 発 電 出 力 予 測 結 果 の 表 示 例 や 統 計 的 に 分 析 した 結 果 の 表 記 例 を 図 8-8~8-13に 示 します 図 8-8 風 力 発 電 出 力 予 測 の 表 示 ( 過 去 6 時 間 の 予 測 値 と 実 測 値 24 時 間 先 までの 予 測 結 果 と 信 頼 区 間 ) -21-

図 8-9 風 力 発 電 出 力 予 測 の 表 示 ( 過 去 24 時 間 の 予 測 値 と 実 測 値 ) 図 8-10 時 間 別 風 力 発 電 出 力 予 測 結 果 の 誤 差 評 価 表 示 -22-

図 8-11 風 力 発 電 出 力 予 測 結 果 の 誤 差 評 価 表 示 ( 誤 差 頻 度 分 布 ) 100% 実 績 値 予 測 値 ( 統 計 補 正 済 み) 予 測 の 日 平 均 成 分 大 外 し 低 減 予 測 (α=0.4) 80% エリア 発 電 出 力 60% 40% 20% 0% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 日 図 8-12 過 去 1ヶ 月 の 風 力 発 電 出 力 予 測 の 表 示 ( 予 測 値 実 測 値 日 平 均 成 分 値 大 はずし 低 減 予 測 値 ) -23-

Power / Rated Power (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 2/1 2/2 2/3 2/4 2/5 2/6 2/7 Time 出 現 頻 度 ( 回 ) 10000 予 測 時 間 別 信 頼 区 間 予 測 時 間 別 予 測 1000 風 速 別 信 頼 区 間 100 観 測 値 が 信 頼 区 間 上 限 値 か ら 逸 脱 した 場 合 の 信 頼 区 間 upper の 残 差 ( d 1 ) meas P P upper 1 d 1 upper 1 観 測 値 が 信 頼 区 間 下 限 値 か ら 逸 脱 した 場 合 の 信 頼 区 間 lower の 残 差 ( d 2 ) P lower 2 信 頼 区 間 上 限 値 予 測 値 観 測 値 10 P meas 2 d lower 2 信 頼 区 間 下 限 値 1-80 -60-40 -20 0 20 40 60 80 信 頼 区 間 の 残 差 / 定 格 出 力 (%) 観 測 値 が 信 頼 区 間 上 限 値 から 逸 脱 した 場 合 観 測 値 が 信 頼 区 間 下 限 値 か ら 逸 脱 した 場 合 図 8-13 過 去 1 週 間 の 信 頼 区 間 の 評 価 ( 信 頼 区 間 の 残 差 分 布 ) -24-

8.3 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 のシステム 化 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 の 流 れは 8.1 項 ( 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 モデル の 種 類 とその 特 徴 )で 説 明 しましたので 本 節 では 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 量 をリアルタイムで 予 測 する 手 法 のシステム 化 について 説 明 します 具 体 的 には 12 ページの 図 8-2 に 示 してある 基 本 的 な 風 力 発 電 出 力 予 測 算 出 の 流 れをシステム 化 するということになります 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 に 必 要 なデータやモデルの 種 類 を 含 め 風 力 発 電 出 力 予 測 シ ステムの 例 は 図 8-14 のとおりです 図 8-14 基 本 的 な 風 力 発 電 出 力 予 測 システム( 概 念 図 ) -25-

< 説 明 > 1 ウィンドファームの 総 発 電 出 力 や SCADA データをオンラインで 入 手 して 予 測 計 算 モデルに 自 動 で 利 用 できるようにシステム 化 2 数 値 気 象 予 報 (NWP)のデータをオンラインで 入 手 および 予 測 計 算 モデルに 自 動 で 利 用 できるよ うにシステム 化 3 ウィンドファーム 情 報 ( 風 車 情 報 地 形 情 報 等 )などのデータを 事 前 にモデリング 化 しておき メソ スケール 気 象 モデルや 発 電 出 力 モデルに 内 装 4 上 記 1~3を 利 用 して 当 該 地 域 の 気 象 を 気 象 予 測 モデルなどから 自 動 で 予 測 計 算 できるように システム 化 5 次 いで 4の 計 算 結 果 と1のデータを 利 用 して NWP の 提 供 時 間 分 の 風 力 発 電 出 力 ( 風 力 発 電 機 や 風 力 発 電 所 全 体 )を 自 動 で 予 測 計 算 できるようにシステム 化 6 5の 予 測 値 の 不 確 かさや 信 頼 区 間 を 同 時 に 表 記 したり 予 測 精 度 は 落 ちますが 大 はずれの 度 合 いを 低 減 させる 方 法 など 運 用 目 的 に 応 じた 予 測 値 の 評 価 を 付 加 するモデルを 定 期 的 に 自 動 計 算 して 図 表 などに 表 現 できるようにシステム 化 なお WFの 発 電 出 力 の 情 報 が 入 手 できるたびに 予 測 計 算 の 更 新 をすることで 期 間 平 均 の 予 測 精 度 が 向 上 します この 予 測 計 算 更 新 は 数 値 気 象 予 報 (NWP)のデータ 更 新 に 基 づく 予 測 計 算 更 新 と 予 測 対 象 ウィンドファームの 発 電 量 や 風 況 データの 更 新 に 基 づく 予 測 計 算 更 新 があります 数 値 気 象 予 報 (NWP)のデータ 更 新 に 基 づく 予 測 計 算 更 新 で 向 上 する 精 度 は 図 8-15の 灰 色 の 部 分 に 相 当 します この 更 新 には 数 値 気 象 予 報 (NWP)を 初 期 値 としてメソスケール 気 象 モデ ルなどの 物 理 モデルの 計 算 を 実 施 しますので 数 時 間 かかりますが 時 々 刻 々と 変 化 する 気 象 予 測 情 報 更 新 を 基 に 予 測 するものですから 大 変 重 要 となります 絶 対 平 均 誤 差 (%) 予 測 計 算 を 更 新 更 新 による 予 測 精 度 向 上 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 時 間 (Hr) 図 8-15 数 値 気 象 のデータ 更 新 に 基 づく 予 測 計 算 更 新 による 精 度 向 上 ( 概 念 図 ) -26-

一 方 予 測 対 象 ウィンドファームの 発 電 量 や 風 況 データの 更 新 に 基 づく 予 測 計 算 更 新 に 関 し ては 数 値 気 象 予 報 (NWP)を 初 期 値 として 予 測 した 値 を 発 電 量 や 風 況 データなどの 実 測 データ と 照 らし 合 わせて 逐 次 補 正 するものです この 更 新 による 精 度 向 上 は 図 8-16の 灰 色 部 分 に 相 当 し ます 絶 対 平 均 誤 差 (%) 図 8-16 観 測 データのみを 利 用 した 予 測 計 算 更 新 による 精 度 向 上 ( 概 念 図 ) 前 述 2 種 類 の 予 測 計 算 の 更 新 スケジュールは 運 用 目 的 と 予 測 計 算 をするコンピュータの 計 算 処 理 能 力 を 考 慮 して 決 めることになりますが 一 般 的 には 数 値 気 象 予 報 のデータ 更 新 に 基 づく 予 測 計 算 は 毎 回 更 新 予 測 対 象 ウィンドファームの 発 電 量 や 風 況 データの 更 新 に 基 づく 予 測 計 算 は30 分 または1 時 間 毎 更 新 になると 思 います 図 8-17は 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 計 算 スケジュールの 例 です 時 間 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 UTC 時 刻 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 0 1 2 JST 時 刻 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 初 期 値 数 値 気 象 予 報 モデル 計 算 ( 気 象 庁 GPV) 入 電 メソスケール 気 象 モデル~ 発 電 量 予 測 モデル 計 算 計 算 開 始 計 算 終 了 オンライン 観 測 データを 利 用 した 統 計 モデル 計 算 更 新 更 新 初 期 値 数 値 気 象 予 報 モデル 計 算 ( 気 象 庁 GPV) 入 電 メソスケール 気 象 モデル~ 発 電 量 予 測 モデル 計 算 計 算 開 始 計 算 終 了 更 新 オンライン 観 測 データを 利 用 した 統 計 モデル 計 算 更 新 数 値 気 象 予 報 モデル 計 算 ( 気 象 庁 GPV) 初 期 値 入 電 メソスケール 気 象 モデル~ 発 電 量 予 測 モデル 計 算 計 算 開 始 計 算 終 了 更 新 更 新 更 新 オンライン 観 測 データを 利 用 した 統 計 モデル 計 算 更 新 数 値 気 象 予 報 モデル 計 算 ( 気 象 庁 GPV) 初 期 値 入 電 メソスケール 気 象 モデル~ 発 電 量 予 測 モデル 計 算 計 算 開 始 計 算 終 了 更 新 更 新 オンライン 観 測 データを 利 用 した 統 計 モデル 計 算 更 新 図 8-17 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 計 算 スケジュール 例 (NWP 初 期 値 利 用 :12 時 間 毎 観 測 データ 利 用 補 正 :1 時 間 毎 とした 例 ) -27-

-100-50 0 50 100 定 格 比 発 電 量 予 測 誤 差 (%) 8.3.1 ウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 システム WF 予 測 モデルの 実 運 用 においては 以 下 の 手 順 に 従 ってウィンドファーム 内 の 発 電 出 力 を 予 測 します 1 広 域 気 象 予 報 データ( 気 象 庁 )を 受 信 して 初 期 値 等 を 設 定 する 2 気 象 モデルによる 計 算 を 行 い 3 局 所 風 況 予 測 モデル(CFD モデル ウェイクモデル)によるウィンドファーム 内 の 風 系 を 詳 細 に 計 算 し 各 風 車 位 置 における 風 速 を 得 る 事 前 に 風 向 別 に 局 所 風 況 予 測 モデルの 計 算 を 行 い 各 風 車 位 置 における 風 速 比 データベースを 作 成 しておき 計 算 時 間 を 短 縮 する そして 各 風 車 について 4 統 計 モデルの 適 用 により 修 正 された 風 速 に 過 去 の 予 測 結 果 と SCADA データから 得 られた 経 験 的 パワーカーブモデルを 用 いて 発 電 出 力 に 変 換 する さらに 各 風 車 の SCADA デー タから 得 られた 風 車 情 報 をもとにした 稼 動 予 測 を 組 み 合 わせることによりウィンドファ ーム 総 発 電 出 力 を 求 める 最 後 に 5 予 測 結 果 に 信 頼 区 間 情 報 を 付 加 して 出 力 する 参 考 として 一 般 的 なウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 モデルの 計 算 手 順 を 図 8-18 に システム の 構 成 を 図 8-19 に 示 しておきます 発 電 量 (kw) 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 0 5 10 15 20 25 風 速 (m/s) 図 8-18 一 般 的 なウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 モデルの 計 算 手 順 -28-

風 況 発 電 出 力 予 測 (オンライン)データ 収 集 NWPデータ 風 況 観 測 データ 発 電 量 データ 地 理 情 報 DB ウィンドファーム 発 電 量 予 測 モデル 風 況 シミュレーション ( 物 理 モデル) 風 況 DB 風 況 DB 実 測 データ ( 過 去 現 在 ) 予 測 データ ( 過 去 現 在 ) 実 測 データ ( 過 去 現 在 ) 予 測 データ ( 過 去 現 在 ) 発 電 出 力 DB 発 電 機 毎 発 電 量 予 測 ウィンドファーム 風 況 発 電 量 情 報 WF DB ウィンドファーム 発 電 量 予 測 発 電 出 力 DB ウィンドファーム 稼 動 状 況 報 告 風 車 計 画 停 止 情 報 風 車 メンテナンス 情 報 等 発 電 量 評 価 WF 稼 動 状 況 DB 風 車 計 画 外 停 止 情 報 風 車 事 故 停 止 情 報 等 : モジュール/モデル :データ : データベース ウィンドファーム 稼 動 状 況 図 8-19 一 般 的 なウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 システムの 構 成 -29-

8.3.2 電 力 系 統 制 御 エリア 発 電 出 力 予 測 システム 電 力 系 統 制 御 エリア 発 電 出 力 予 測 モデル( 以 下,エリア 予 測 モデル)の 実 運 用 においては 以 下 の 手 順 に 従 ってウィンドファーム 内 の 発 電 出 力 を 予 測 します 1 気 象 庁 RSMデータを 気 象 業 務 支 援 センターより 受 信 を 行 う(2 回 / 日 ) 2 電 力 系 統 制 御 エリアを 含 む 全 ての 領 域 ( 本 システムでは 東 北 地 方 全 体 )を 気 象 モデルによ る 計 算 を 行 う (2 回 / 日 ) 3 各 WFにおけるWT 毎 のハブ 高 さの 風 予 測 データを 出 力 する (2 回 / 日 ) 4 WT 毎 のパワーカーブデータに 基 づいて 発 電 出 力 をWT 毎 に 出 力 し さらに WF 毎 に 積 算 す ることで WF 総 発 電 出 力 を 出 力 する その 後 電 力 系 統 制 御 エリアの 総 発 電 出 力 をWF 総 発 電 出 力 を 積 算 し エリア 総 発 電 出 力 として 出 力 を 行 う (2 回 / 日 ) 5 定 時 予 測 用 の 統 計 モデル 計 算 を 実 施 するために 過 去 の 各 WF 総 発 電 出 力 を10 分 毎 オンラ インにてデータを 取 得 し エリア 発 電 出 力 実 測 データを 算 出 しておく 6 エリア 総 発 電 出 力 の 予 測 データと 実 測 データを 統 計 モデル 計 算 により 誤 差 修 正 を 行 い 毎 日 6 時 18 時 にエリア 発 電 出 力 予 測 データを 算 出 する 7 また 30 分 ごとに 予 測 を 更 新 するため 30 分 前 までのエリア 発 電 出 力 実 測 データを 入 力 値 として30 分 毎 更 新 のエリア 発 電 出 力 データを 算 出 する 参 考 として 一 般 的 なエリア 予 測 モデルの 計 算 手 順 を 図 8-8-20に システムの 構 成 を 図 8-21に 示 しておきます RSMデータ 取 得 (2 回 / 日 ) RSMデータ 地 形 データ 土 地 利 用 データ 気 象 モデル 計 算 (2 回 / 日 ) 各 WF 風 予 測 データ 各 WF 総 発 電 出 力 データ 取 得 (10 分 毎 ) パワーカーブ 発 電 出 力 変 換 & エリア 発 電 出 力 算 出 各 WF 総 発 電 出 力 データ エリア 発 電 出 力 予 測 データ エリア 発 電 出 力 算 出 定 時 予 測 用 統 計 モデル 計 算 (2 回 / 日 ) エリア 発 電 出 力 実 測 データ エリア 発 電 出 力 予 測 データ (6 時,18 時 発 表 ) 更 新 予 測 用 統 計 モデル 計 算 (30 分 毎 更 新 ) エリア 発 電 出 力 予 測 データ (30 分 毎 更 新 ) 図 8-20 一 般 的 なエリア 予 測 モデルの 計 算 手 順 -30-

電 力 系 統 エリア 予 測 システム NWPデータ NWPデータ 収 集 地 理 情 報 DB 電 力 系 統 制 御 エリア 発 電 量 予 測 モデル 風 況 シミュレーション ( 物 理 モデル) 風 況 DB データ 収 集 システム 発 電 量 データ ウィンドファーム 発 電 量 予 測 ウィンドフ ァーム 発 電 量 発 電 量 収 集 WF DB 系 統 制 御 エリア 発 電 量 予 測 発 電 出 力 DB 発 電 出 力 DB 実 測 データ ( 過 去 現 在 ) 予 測 データ ( 過 去 現 在 ) 発 電 量 評 価 系 統 運 用 関 係 各 所 へ 通 告 : モジュール 系 統 領 域 発 電 量 : データ : データベース 図 8-21 一 般 的 なエリア 予 測 システムの 構 成 -31-

第 3 部 気 象 予 測 に 基 づく 風 力 発 電 出 力 予 測 システム 構 築 運 用 の 例 ~ 風 力 発 電 量 予 測 システムの 実 証 試 験 と 評 価 ~ 9 オンライン 観 測 通 信 システム 本 章 では 対 象 ウィンドファーム 風 力 発 電 量 予 測 計 算 ( 更 新 )に 必 要 な 総 発 電 出 力 データや 風 車 SCADAデ ータをオンライン 通 信 によって 収 集 するシステムの 概 要 をまとめました (1) SCADA データ 収 集 伝 送 システム 通 常 ウィンドファームは 風 車 用 SCADA システムによって 各 風 車 の 運 転 状 況 を 監 視 したり 制 御 し ています この SCADA システムは 様 々な 監 視 項 目 (ナセル 風 速 ヨー 角 ピッチ 各 発 電 機 回 転 数 発 電 量 など)の 10 分 統 計 値 を 10 分 毎 に 更 新 するデータベース 機 能 をもっています 図 9-1 風 車 用 SCADAシステムの 例 出 典 : 特 高 連 系 風 力 発 電 所 監 視 システムの 開 発, 渡 部 拓 郎 他, エバラ 時 報 No. 218(2008-1) -32-

この SCADA システムのデータベースから 風 力 発 電 量 予 測 計 算 ( 更 新 )に 必 要 な 項 目 (ナセル 風 速 発 電 量 など)を 予 測 計 算 をする 計 算 機 に 定 期 的 に 伝 送 することは 技 術 的 に 可 能 です ただし SCADA システムは 主 に 各 風 車 の 運 転 状 況 の 監 視 と 制 御 を 目 的 として 各 風 車 メーカー が 独 自 に 開 発 したシステムですので 風 力 発 電 量 予 測 計 算 ( 更 新 )に 必 要 な 項 目 データの 取 得 に 関 して 対 応 する 仕 組 みを 用 意 しているものと していないものがあります また 必 要 項 目 データの 取 得 に 対 応 して いても 風 力 発 電 事 業 者 と 風 車 メーカーとの 契 約 内 容 を 見 直 す 必 要 がある 場 合 があります SCADA システムのデータベースから 風 力 発 電 量 予 測 計 算 ( 更 新 )に 必 要 な 項 目 を 予 測 計 算 をする 計 算 機 に 定 期 的 に 伝 送 するシステム( 以 下 SCADA データ 収 集 伝 送 システム)の 構 築 に 際 しては データベ ースおよびネットワークシステムの 専 門 知 識 を 有 する 人 ( 専 門 家 )が 風 車 メーカーと 協 議 しながら SCADA データ 収 集 伝 送 システムの 設 計 が 出 来 るようにして 下 さい 以 下 は 本 事 業 で 構 築 した SCADA データ 収 集 伝 送 システムの 概 念 と 仕 様 です 図 9-2 SCADA データ 収 集 伝 送 システムの 概 念 表 9-1 SCADA データ 収 集 伝 送 システムの 仕 様 項 目 仕 様 取 得 データ 項 目 取 得 データ 間 隔 データ 取 得 データ 送 信 通 信 方 式 発 電 量 ナセル 風 速 風 向 ヨー 角 など 10 分 既 設 SCADA 装 置 のデータベース(mdb ファイルなど)をコピーしたも のを 利 用 し 元 のデータベースを 編 集 することはしない 各 風 力 発 電 サイトから 上 記 データの 10 分 平 均 値 を 10 分 毎 に 東 京 の データセンターに 向 けて 通 信 回 線 を 経 由 して 送 信 主 に インターネット 上 に VPN を 構 築 し データセンターと 接 続 通 信 プロトコルは FTP(PUT)を 採 用 VPN の 採 用 により 情 報 漏 洩 ウィルス 感 染 を 防 止 有 線 回 線 を 推 奨 -33-

項 目 仕 様 接 続 形 態 ISDN/ADSL/ 光 などの 有 線 通 信 回 線 によりインターネットへの 常 時 接 続 場 所 によって 無 線 携 帯 電 話 通 信 ( 専 用 回 線 )を 使 用 10 分 間 隔 で 定 期 的 に 接 続 送 出 する 通 信 はインターネットプロトコル で 行 い 風 力 発 電 サイトと 東 京 のデータセンター 間 は 一 般 のインターネ ット 回 線 と 異 なる 閉 域 網 を 利 用 し セキュリティを 保 つ そして 以 下 の2 例 は 本 事 業 で 実 際 に 構 築 した SCADA データ 取 得 方 法 です SCADA データ 取 得 方 法 例 (その1) <SCADA データの 取 得 伝 送 の 手 順 > 1 SCADA 装 置 ( 既 設 )から 伝 送 サーバ( 持 込 )のディスクに SCADA データを 書 き 込 めるよう SCADA 装 置 上 で ネットワークドライブの 割 り 当 て ( 下 図 1 以 下 X ドライブと 呼 ぶ) 2 SCADA データコピープログラムによって SCADA データ(MS-Access の mdb 形 式 ファイルな ど)を 10 分 毎 に 共 有 設 定 をした 伝 送 サーバのディスク(X ドライブ)にコピー( 下 図 2) 3 伝 送 サーバの SCADA データファイル 解 析 プログラムで SCADA データを CSV ファイルに 変 換 し 通 信 回 線 経 由 で 伝 送 ( 下 図 3 4) SCADA 装 置 ( 既 設 ) 伝 送 サーバー( 当 社 持 込 ) 2 SCADAデータ コピープログラム ( 新 規 ) SCADAデータ mdbファイル ( 既 存 ) LAN 接 続 3 SCADAデータファイル 解 析 プログラム SCADAデータ mdbファイル DISK 共 有 (ネットワークト ライ フ の 割 当 て) 1 X:ドライブ SCADAデータ mdbファイル 4 通 信 回 線 経 由 で 送 出 図 9-3 SCADA データ 取 得 方 法 (その1) 概 要 図 < 風 車 SCADA 側 対 応 事 項 > SCADA データコピープログラムの 作 成 と 導 入 SCADA 装 置 から 伝 送 サーバのディスクを 参 照 するために SCADA 装 置 にワークグループ 設 定 (ユーザーID パスワード) SCADA 装 置 から 伝 送 サーバのディスクを 共 有 する 設 定 ( ネットワークト ライフ の 割 り 当 て ) 伝 送 サーバ 用 の IP アドレスを1つ 付 与 (SCADA 装 置 と 同 セグメント) SCADA 装 置 のサーバ 情 報 (IP アドレス) 開 示 SCADA 装 置 のワークグループ 設 定 情 報 (ユーザーID パスワード) 開 示 SCADA データの 仕 様 (データベース 仕 様 ) 開 示 既 設 SCADA 装 置 のデータベース(mdb ファイルなど)をコピーしたものを 利 用 し 元 のデータベ ースを 編 集 することはしない -34-

SCADA データ 取 得 方 法 例 (その2) <SCADA データの 取 得 伝 送 の 手 順 > 1 SCADA 装 置 ( 既 設 )の SCADA データ(MS-Access の mdb 形 式 )の 格 納 フォルダを 伝 送 サーバ ( 持 込 )から 読 めるように SCADA 装 置 上 で 共 有 設 定 ( このフォルタ を 共 有 する )を 選 択 ( 下 図 1) その 際 アクセス 許 可 は 読 み 取 り 専 用 とし 外 部 からのデータの 書 き 換 え 等 をおこなえないように する 2 SCADA データコピープログラムによって SCADA データ(MS-Access の mdb 形 式 ファイルなど) を 10 分 毎 に 共 有 設 定 をした 伝 送 サーバのディスク(X ドライブ)にコピー( 下 図 2) 3 伝 送 サーバの SCADA データファイル 解 析 プログラムで SCADA データを CSV ファイルに 変 換 し 通 信 回 線 経 由 で 伝 送 ( 下 図 3 4) SCADA 装 置 ( 既 設 ) SCADAデータ mdbファイル ( 既 存 ) 1 DISK 共 有 (このフォルタ を 共 有 する) 伝 送 サーバー( 当 社 持 込 ) X:ドライブ SCADAデータ mdbファイル 3 SCADAデータファイル 解 析 プログラム LAN 接 続 SCADAデータ コピープログラム SCADAデータ mdbファイル 2 4 通 信 回 線 経 由 で 送 出 図 9-4 SCADA データ 取 得 方 法 (その 2) 概 要 図 < 風 車 SCADA 側 対 応 事 項 > SCADA データコピープログラムの 作 成 と 導 入 SCADA 装 置 から 伝 送 サーバのディスクを 参 照 するために SCADA 装 置 にワークグループ 設 定 (ユーザーID パスワード) SCADA 装 置 から 伝 送 サーバのディスクを 共 有 する 設 定 ( ネットワークト ライフ の 割 り 当 て ) 伝 送 サーバ 用 の IP アドレスを1つ 付 与 (SCADA 装 置 と 同 セグメント) SCADA 装 置 のサーバ 情 報 (IP アドレス) 開 示 SCADA 装 置 のワークグループ 設 定 情 報 (ユーザーID パスワード) 開 示 SCADA データの 仕 様 (データベース 仕 様 ) 開 示 既 設 SCADA 装 置 のデータベース(mdb ファイルなど)をコピーしたものを 利 用 し 元 のデータベ ースを 編 集 することはしない -35-

(2) ウィンドファーム 総 発 電 出 力 データ 収 集 伝 送 システム ウィンドファームは 風 車 用 SCADAシステムのほかに 全 電 力 系 統 電 気 設 備 を 監 視 するための 監 視 装 置 を 併 設 しています 図 9-5 変 電 設 備 監 視 システム 表 示 画 面 の 例 出 典 : 特 高 連 系 風 力 発 電 所 監 視 システムの 開 発, 渡 部 拓 郎 他, エバラ 時 報 No. 218(2008-1) 前 述 した 風 車 用 の SCADA データ 収 集 伝 送 システムと 同 様 に 全 電 力 系 統 電 気 設 備 を 監 視 するシ ステムのデータベースから 風 力 発 電 量 予 測 計 算 ( 更 新 )に 必 要 な 総 発 電 出 力 データを 予 測 計 算 をする 計 算 機 に 定 期 的 に 伝 送 することは 技 術 的 に 可 能 です この 場 合 は 9.1 節 を 参 考 として 下 さい なお ウィンドファームの 系 統 連 系 地 点 において 有 効 電 力 変 換 器 などを 設 置 してアナログ 信 号 をデ ジタル 情 報 に 変 換 して 計 測 用 PC やデータロガーでウィンドファーム 総 発 電 出 力 の 測 定 データ 収 集 そしてデータ 伝 送 をすることが 可 能 です 参 考 として 以 下 に 概 念 ( 図 9-6)とシステム 構 成 例 ( 図 9-6 表 9-2)を 示 しました 図 9-6 ウィンドファーム 総 発 電 出 力 収 集 システムの 概 念 図 -36-

特 高 送 電 線 有 効 電 力 トランスデューサー( 新 設 ) 風 力 発 電 量 予 測 システム WF 側 設 備 CT CTT 51H 51L WH W A VarH Var F W/TD Var/TD A/TD SCADA インターネット/VPN DS GCB アナログ 信 号 -0.5V-10V VCT Wh Wh 59 27 95H 95L V/TD V WF 総 発 電 出 力 データ 収 集 システム EVT WTG1 64 Vo 受 電 設 備 WTG2 WTG3 WTG n 図 9-7 ウィンドファーム 総 発 電 出 力 データ 収 集 システムの 構 成 ( 例 ) 項 目 表 9-2 総 発 電 出 力 データ 収 集 システムの 仕 様 ( 例 ) 仕 様 取 得 データ ウィンドファーム 総 出 力 (kw) サンプリング 間 隔 1 秒 平 均 化 時 間 10 分 ( 全 1 秒 サンプリング 値 の 平 均 ) データ 送 信 10 分 平 均 値 は 10 分 毎 に データセンターに 送 信 データ 収 集 伝 送 方 式 PC(アナログ 入 力 タイプ)またはデータロガー( 通 信 可 能 ) インターネット 上 に VPN を 構 築 し データセンターと 接 続 通 信 プロトコルは 通 信 方 式 FTP(PUT)を 採 用 VPN の 採 用 により 情 報 漏 洩 ウィルス 感 染 を 防 止 有 線 回 線 を 推 奨 接 続 形 態 フレッツ ISDN によりインターネットへの 常 時 接 続 により 接 続 < 必 要 情 報 ( 例 )> WF 全 体 定 格 発 電 出 力 (kw) 電 力 需 給 用 計 器 パルス 変 換 器 VCT 比 パルス 定 数 (pulse/kwh) 分 配 出 力 使 用 時 (1KWh 当 パルス 数 (pulse/kwh) 1パルス 当 (KWh:KWh/pulse)) 定 格 出 力 時 のパルス 数 (1 秒 間 電 力 (KWh/sec) 1 秒 間 パルス 数 (pulse/sec)) -37-

10 風 力 発 電 出 力 予 測 システムの 構 築 運 用 本 節 は 本 事 業 で 実 施 しましたウィンドファーム 発 電 出 力 予 測 システム( 以 下 WF 予 測 システム) の 構 築 および 運 用 を 例 として 紹 介 します 本 事 業 で 構 築 しました WF 予 測 システムは 観 測 値 の 取 得 気 象 モデル 工 学 モデル 統 計 モデル の 各 機 能 によって 構 成 されるシステムです システムの 主 幹 となる 予 測 モデルはウィンド ファーム 発 電 出 力 予 測 モデル(WF 予 測 モデル)は 30 分 毎 の 当 日 および 翌 日 の 風 車 別 発 電 出 力 を 算 出 します 図 10-1 に WF 予 測 システムの 概 要 を 示 します Aサイト 工 学 モデル LAWEPS(5 次 ) 16 方 位 別 風 車 別 対 応 データベース Nサイト Gサイト 気 象 モデル 計 算 5kmメッシュ 1kmメッシュ 風 車 別 風 向 風 速 データ 統 計 モデル 風 速 補 正 風 車 稼 働 予 測 補 正 量 低 減 化 バックアップモデル 発 電 量 (kw) 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 パワーカーブ 0 5 10 15 20 25 風 速 (m/s) 観 測 値 気 象 庁 GPVデータ SCADAデータ 30 分 毎 に 観 測 値 更 新 図 10-1 WF 予 測 システムの 概 要 なお WF 予 測 システムにおける 気 象 モデルと 工 学 モデル 計 算 に 時 間 を 要 しますので 当 日 および 翌 日 の 発 電 出 力 を 30 分 毎 に 予 測 するには 計 算 時 間 の 短 縮 を 図 る 必 要 がありました そこで 最 も 計 算 時 間 のかかる 工 学 モデルの 計 算 については 事 前 に 工 学 モデルを 用 いて 対 象 WF 内 の 風 向 別 風 車 別 に 風 速 比 を 求 めた 計 算 データベースを 作 成 しておき 予 測 計 算 ( 更 新 ) 毎 にこのデータベースを 利 用 することで 計 算 時 間 を 短 縮 しています -38-

(1) ハードウェア 構 成 気 象 モデル 計 算 マシン CRAY XD1 ( 管 理 ノード 1(2CPU) 計 算 ノード 5(10CPU)) 統 計 モデル 計 算 マシン CPU:Intel(R) Pentium(R) 4 CPU 3.20GHz メモリ:2.0GB OS:Linux (CentOS 4.4) (2) オンライン 観 測 データの 概 要 3 サイトを 対 象 として SCADA データ 収 集 伝 送 システムを 構 築 してナセル 風 速 ヨー 角 発 電 量 の 10 分 データおよび 1 日 分 を 取 りまとめたデータを 自 動 取 得 しました データの 転 送 経 路 は まずは 対 称 サイトからデータセンターに 伝 送 し 全 データをデータセンタ ーに 集 約 させました そしてデータセンターと WF 予 測 システムを 構 築 した( 財 ) 日 本 気 象 協 会 ( 以 下 JWA)の 間 を IP-VPN 網 で 接 続 して ftp を 用 いたデータ 転 送 方 法 によって 観 測 データを 取 得 す るようにしました なお 複 数 のアクセス 者 が 同 時 に 同 一 プラットフォームで 予 測 結 果 の 一 括 表 示 を 可 能 とするために 逐 次 計 算 結 果 を 同 回 線 を 用 いてデータセンターに ftp/put するようにしてい ます (3) 気 象 モデルの 概 要 気 象 モデルは JWA の 局 地 気 象 モデル ANEMOS を 使 用 しました 気 象 モデルの 計 算 は 1 日 2 回 51 時 間 先 までの 予 測 を 実 証 試 験 対 象 WF 毎 に 行 い 参 照 点 における 30 分 毎 の 風 向 風 速 を 出 力 し ました (4) 工 学 モデルの 概 要 工 学 モデルは NEDO 局 所 風 況 ワーキンググループが 開 発 した LAWEPS(4 次 領 域 モデルおよび 5 次 領 域 モデル)を 使 用 していますが 計 算 時 間 短 縮 のために 予 めウィンドファーム 内 の 風 車 毎 に LAWEPS を 用 いて 作 成 した 風 向 別 風 速 データベースをシステム 内 に 格 納 しました なお この 風 車 別 風 速 データベースは 計 算 毎 に 更 新 するものではありません( 図 10-2) 1 WF 計 算 格 子 予 め 計 算 しておく 2 流 入 気 流 プロファイル 3 16 風 向 流 入 気 流 に 対 するWF 内 の 風 向 風 速 分 布 計 算 発 電 量 予 測 計 算 気 象 モデル51 時 間 予 測 結 果 の 参 照 点 における 時 系 列 4 WF 内 参 照 点 における 気 象 モデル 風 向 風 速 を 用 いた 工 学 モデルの 計 算 結 果 の 修 正 統 計 モデル 計 算 5 風 車 ハブ 高 さの 風 速 算 出 評 価 が 困 難 であるため ウェーク の 補 正 を 行 わないデータを 統 計 モ デルへ 引 き 渡 す 図 10-2 工 学 モデル 処 理 フローの 例 -39-