会 計 制 度 委 員 会 報 告 第 12 号 研 究 開 発 費 及 びソフトウェアの 会 計 処 理 に 関 する 実 務 指 針 平 成 11 年 3 月 31 日 改 正 平 成 23 年 3 月 29 日 日 本 公 認 会 計 士 協 会 目 次 項 Ⅰ 研 究 開 発 費 及 びソフトウェアの 会 計 処 理 に 関 する 実 務 指 針 はじめに 1-1-2 研 究 開 発 の 範 囲 2 研 究 開 発 費 の 会 計 処 理 及 び 表 示 等 3-4 特 定 の 研 究 開 発 目 的 の 機 械 装 置 等 の 会 計 処 理 5 ソフトウェアの 会 計 処 理 及 び 表 示 6-22 ソフトウェアの 概 念 範 囲 6-7 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 取 扱 い 8-10 資 産 計 上 することとなる 自 社 利 用 のソフトウェアの 取 扱 い 11-13 ソフトウェアの 導 入 費 用 の 取 扱 い 14-16 機 器 組 込 みソフトウェアの 取 扱 い 17 ソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 18-22 適 用 23-23-2 経 過 措 置 24-25 Ⅱ 結 論 の 背 景 研 究 開 発 の 範 囲 26 繰 延 処 理 される 開 発 費 の 範 囲 27 特 定 の 研 究 開 発 目 的 の 機 械 装 置 等 の 会 計 処 理 28 ソフトウェアの 会 計 処 理 及 び 表 示 29-46 ソフトウェアの 概 念 範 囲 29-31 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 取 扱 い 32-35 資 産 計 上 することとなる 自 社 利 用 のソフトウェアの 取 扱 い 36-37 ソフトウェアの 導 入 費 用 の 取 扱 い 38-40 機 器 組 込 みソフトウェアの 取 扱 い 41 ソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 42-46
Ⅲ 設 例 による 解 説 設 例 1 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 (その1) 販 売 開 始 時 における 見 込 みどおりに 各 年 度 の 販 売 収 益 が 計 上 された 場 合 設 例 2 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 (その2) 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 額 の 制 限 を 受 ける 場 合 設 例 3 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 (その3) 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )の 変 動 による 償 却 費 の 補 正 計 算 を 行 う 場 合 設 例 4 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 (その4) 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )が 著 しく 減 少 した 場 合 設 例 5 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 (その5) 各 年 度 末 の 未 償 却 残 高 が 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 を 上 回 ることとなった 場 合 設 例 6 自 社 利 用 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法
Ⅰ 研 究 開 発 費 及 びソフトウェアの 会 計 処 理 に 関 する 実 務 指 針 はじめに 1. 企 業 会 計 審 議 会 は 平 成 10 年 3 月 13 日 に 研 究 開 発 費 等 に 係 る 会 計 基 準 の 設 定 に 関 する 意 見 書 ( 以 下 意 見 書 という )を 公 表 し 企 業 の 経 営 方 針 や 将 来 の 収 益 予 測 に 関 す る 重 要 な 情 報 と 位 置 付 けられている 研 究 開 発 費 及 びソフトウェアの 制 作 費 に 係 る 会 計 処 理 を 明 確 にするために 研 究 開 発 費 等 に 係 る 会 計 基 準 を 設 定 した また これを 受 けて 平 成 10 年 11 月 24 日 付 けで 財 務 諸 表 等 の 用 語 様 式 及 び 作 成 方 法 に 関 する 規 則 ( 以 下 財 務 諸 表 等 規 則 という )が 改 正 され 関 連 する 表 示 等 の 内 容 が 明 らかにされた 平 成 11 年 公 表 の 本 報 告 は これらを 踏 まえ 研 究 開 発 費 及 びソフトウェアの 会 計 処 理 等 についての 具 体 的 な 取 扱 いを 明 らかにすることにより 実 務 上 の 指 針 を 提 供 することを 目 的 として 取 りまとめたものである 1-2. 平 成 23 年 改 正 の 本 報 告 は 企 業 会 計 基 準 委 員 会 から 平 成 21 年 12 月 に 公 表 された 企 業 会 計 基 準 第 24 号 会 計 上 の 変 更 及 び 誤 謬 の 訂 正 に 関 する 会 計 基 準 ( 以 下 過 年 度 遡 及 会 計 基 準 という ) 及 び 企 業 会 計 基 準 適 用 指 針 第 24 号 会 計 上 の 変 更 及 び 誤 謬 の 訂 正 に 関 す る 会 計 基 準 の 適 用 指 針 に 対 応 するための 改 正 を 行 った 研 究 開 発 の 範 囲 2. 研 究 とは 新 しい 知 識 の 発 見 を 目 的 とした 計 画 的 な 調 査 及 び 探 究 であり 開 発 とは 新 しい 製 品 サービス 生 産 方 法 ( 以 下 製 品 等 という )についての 計 画 若 しく は 設 計 又 は 既 存 の 製 品 等 を 著 しく 改 良 するための 計 画 若 しくは 設 計 として 研 究 の 成 果 そ の 他 の 知 識 を 具 体 化 すること とされているが これら 研 究 開 発 の 典 型 例 としては 以 下 のものを 挙 げることができる 1 従 来 にはない 製 品 サービスに 関 する 発 想 を 導 き 出 すための 調 査 探 究 2 新 しい 知 識 の 調 査 探 究 の 結 果 を 受 け 製 品 化 又 は 業 務 化 等 を 行 うための 活 動 3 従 来 の 製 品 に 比 較 して 著 しい 違 いを 作 り 出 す 製 造 方 法 の 具 体 化 4 従 来 と 異 なる 原 材 料 の 使 用 方 法 又 は 部 品 の 製 造 方 法 の 具 体 化 5 既 存 の 製 品 部 品 に 係 る 従 来 と 異 なる 使 用 方 法 の 具 体 化 6 工 具 治 具 金 型 等 について 従 来 と 異 なる 使 用 方 法 の 具 体 化 7 新 製 品 の 試 作 品 の 設 計 製 作 及 び 実 験 8 商 業 生 産 化 するために 行 うパイロットプラントの 設 計 建 設 等 の 計 画 9 取 得 した 特 許 を 基 にして 販 売 可 能 な 製 品 を 製 造 するための 技 術 的 活 動 研 究 開 発 費 の 会 計 処 理 及 び 表 示 等 3. 研 究 開 発 費 はすべて 発 生 時 に 費 用 として 処 理 しなければならない したがって 例 えば 外 部 に 研 究 開 発 を 委 託 した 場 合 は 研 究 開 発 の 内 容 について 検 収 を 行 い 利 用 可 能 になっ た 時 点 で 費 用 として 処 理 すべきであり 契 約 金 等 は 前 渡 金 として 処 理 しなければならない 4. 研 究 開 発 費 は 新 製 品 の 計 画 設 計 又 は 既 存 製 品 の 著 しい 改 良 等 のために 発 生 する 費 用 - 3 -
であり 一 般 的 には 原 価 性 がないと 考 えられるため 通 常 一 般 管 理 費 として 計 上 する ただし 製 造 現 場 において 研 究 開 発 活 動 が 行 われ かつ 当 該 研 究 開 発 に 要 した 費 用 を 一 括 して 製 造 現 場 で 発 生 する 原 価 に 含 めて 計 上 しているような 場 合 があることから 研 究 開 発 費 を 当 期 製 造 費 用 に 算 入 することが 認 められている この 場 合 当 期 製 造 費 用 に 算 入 するに 当 たっては 研 究 開 発 費 としての 内 容 を 十 分 に 検 討 してその 範 囲 を 明 確 にすることとし 製 造 現 場 で 発 生 していても 製 造 原 価 に 含 めること が 不 合 理 であると 認 められる 研 究 開 発 費 については 当 期 製 造 費 用 に 算 入 してはならない こととなる 特 に 研 究 開 発 費 を 当 期 製 造 費 用 として 処 理 し 当 該 製 造 費 用 の 大 部 分 が 期 末 仕 掛 品 等 として 資 産 計 上 されることとなる 場 合 には 従 来 の 繰 延 資 産 等 として 資 産 計 上 する 処 理 と 結 果 的 に 変 わらないこととなるため 妥 当 な 会 計 処 理 とは 認 められないことに 留 意 する 必 要 がある 具 体 的 には ソフトウェア 制 作 費 のうち 研 究 開 発 に 係 る 部 分 について 当 期 製 造 費 用 として 処 理 し 結 果 的 にその 大 部 分 が 資 産 計 上 されることとなる 場 合 が 該 当 する 研 究 開 発 費 の 開 示 に 当 たっては 当 期 に 発 生 した 研 究 開 発 費 として 一 般 管 理 費 及 び 当 期 製 造 費 用 に 計 上 した 額 を 総 額 で 注 記 する なお 研 究 開 発 費 は 当 期 製 造 費 用 として 処 理 したものを 除 き 一 般 管 理 費 として 当 該 科 目 名 を 付 して 記 載 する 特 定 の 研 究 開 発 目 的 の 機 械 装 置 等 の 会 計 処 理 5. 特 定 の 研 究 開 発 目 的 にのみ 使 用 され 他 の 目 的 に 使 用 できない 機 械 装 置 や 特 許 権 等 を 取 得 した 場 合 の 原 価 は 取 得 時 の 研 究 開 発 費 として 処 理 する ここでいう 特 定 の 研 究 開 発 目 的 にのみ 使 用 され 他 の 目 的 に 使 用 できない とは 特 定 の 研 究 開 発 プロジェクトの 目 的 のみに 使 用 され 他 の 研 究 開 発 プロジェクトには 使 用 することが 機 能 的 物 理 的 にでき ないことをいう ソフトウェアの 会 計 処 理 及 び 表 示 ソフトウェアの 概 念 範 囲 6. 本 報 告 におけるソフトウェアとは コンピュータ ソフトウェアをいい その 範 囲 は 次 のとおりとする 1 コンピュータに 一 定 の 仕 事 を 行 わせるためのプログラム 2 システム 仕 様 書 フローチャート 等 の 関 連 文 書 7.コンテンツは ソフトウェアとは 別 個 のものとして 取 り 扱 い 本 報 告 におけるソフト ウェアには 含 めない ただし ソフトウェアとコンテンツが 経 済 的 機 能 的 に 一 体 不 可 分 と 認 められるような 場 合 には 両 者 を 一 体 として 取 り 扱 うことができる 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 取 扱 い ( 研 究 開 発 の 終 了 時 点 ) 8. 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 制 作 に 係 る 研 究 開 発 の 終 了 時 点 は 製 品 番 号 を 付 すこと - 4 -
等 により 販 売 の 意 思 が 明 らかにされた 製 品 マスター すなわち 最 初 に 製 品 化 された 製 品 マスター の 完 成 時 点 である この 時 点 までの 制 作 活 動 は 研 究 開 発 と 考 えられるため こ こまでに 発 生 した 費 用 は 研 究 開 発 費 として 処 理 する 最 初 に 製 品 化 された 製 品 マスター の 完 成 時 点 は 具 体 的 には 次 の2 点 によって 判 断 する 1 製 品 性 を 判 断 できる 程 度 のプロトタイプが 完 成 していること 2 プロトタイプを 制 作 しない 場 合 は 製 品 として 販 売 するための 重 要 な 機 能 が 完 成 し ており かつ 重 要 な 不 具 合 を 解 消 していること ( 製 品 マスター 完 成 後 の 制 作 費 に 係 る 処 理 ) 9. 製 品 マスター 又 は 購 入 したソフトウェアの 機 能 の 改 良 強 化 を 行 う 制 作 活 動 のための 費 用 は 原 則 として 資 産 に 計 上 する ただし 著 しい 改 良 と 認 められる 場 合 は 著 しい 改 良 が 終 了 するまでは 第 8 項 の 研 究 開 発 の 終 了 時 点 に 達 していないこととなるため 研 究 開 発 費 として 処 理 する ( 製 品 マスターの 制 作 原 価 ) 10. 製 品 マスターについては 適 正 な 原 価 計 算 によってその 取 得 原 価 を 算 定 する 製 品 マス ターの 制 作 原 価 は 制 作 仕 掛 品 についてはソフトウェア 仮 勘 定 などの 勘 定 科 目 により ま た 完 成 品 についてはソフトウェアなどの 勘 定 科 目 によって いずれも 無 形 固 定 資 産 とし て 計 上 する なお 無 形 固 定 資 産 としての 表 示 に 当 たっては 製 品 マスターの 制 作 仕 掛 品 と 完 成 品 を 区 分 することなく 一 括 してソフトウェアその 他 当 該 資 産 を 示 す 名 称 を 付 した 科 目 で 掲 げることとするが 制 作 仕 掛 品 に 重 要 性 がある 場 合 にはこれを 区 分 して 表 示 すること が 望 ましい 資 産 計 上 することとなる 自 社 利 用 のソフトウェアの 取 扱 い 11. 自 社 利 用 のソフトウェアの 資 産 計 上 の 検 討 に 際 しては そのソフトウェアの 利 用 により 将 来 の 収 益 獲 得 又 は 費 用 削 減 が 確 実 であることが 認 められるという 要 件 が 満 たされている か 否 かを 判 断 する 必 要 がある その 結 果 将 来 の 収 益 獲 得 又 は 費 用 削 減 が 確 実 と 認 められ る 場 合 は 無 形 固 定 資 産 に 計 上 し 確 実 であると 認 められない 場 合 又 は 確 実 であるかどうか 不 明 な 場 合 には 費 用 処 理 する ソフトウェアが 資 産 計 上 される 場 合 の 一 般 的 な 例 を 示 すと 以 下 のとおりである 1 通 信 ソフトウェア 又 は 第 三 者 への 業 務 処 理 サービスの 提 供 に 用 いるソフトウェア 等 を 利 用 することにより 会 社 (ソフトウェアを 利 用 した 情 報 処 理 サービスの 提 供 者 ) が 契 約 に 基 づいて 情 報 等 の 提 供 を 行 い 受 益 者 からその 対 価 を 得 ることとなる 場 合 2 自 社 で 利 用 するためにソフトウェアを 制 作 し 当 初 意 図 した 使 途 に 継 続 して 利 用 す ることにより 当 該 ソフトウェアを 利 用 する 前 と 比 較 して 会 社 (ソフトウェアの 利 用 者 )の 業 務 を 効 率 的 又 は 効 果 的 に 遂 行 することができると 明 確 に 認 められる 場 合 例 えば 当 該 ソフトウェアを 利 用 することにより 利 用 する 前 に 比 し 間 接 人 員 の 削 減 による 人 件 費 の 削 減 効 果 が 確 実 に 見 込 まれる 場 合 複 数 業 務 を 統 合 するシステムを - 5 -
採 用 することにより 入 力 業 務 等 の 効 率 化 が 図 れる 場 合 従 来 なかったデータベース ネットワークを 構 築 することにより 今 後 の 業 務 を 効 率 的 又 は 効 果 的 に 行 える 場 合 等 が 考 えられ ソフトウェア 制 作 の 意 思 決 定 の 段 階 から 制 作 の 意 図 効 果 が 明 確 になって いる 場 合 である 3 市 場 で 販 売 しているソフトウェアを 購 入 し かつ 予 定 した 使 途 に 継 続 して 利 用 す ることによって 会 社 (ソフトウェアの 利 用 者 )の 業 務 を 効 率 的 又 は 効 果 的 に 遂 行 す ることができると 認 められる 場 合 12. 自 社 利 用 のソフトウェアに 係 る 資 産 計 上 の 開 始 時 点 は 将 来 の 収 益 獲 得 又 は 費 用 削 減 が 確 実 であると 認 められる 状 況 になった 時 点 であり そのことを 立 証 できる 証 憑 に 基 づいて 決 定 する そのような 証 憑 としては 例 えば ソフトウェアの 制 作 予 算 が 承 認 された 社 内 稟 議 書 又 はソフトウェアの 制 作 原 価 を 集 計 するための 制 作 番 号 を 記 入 した 管 理 台 帳 等 が 考 えられる 13. 自 社 利 用 のソフトウェアに 係 る 資 産 計 上 の 終 了 時 点 は 実 質 的 にソフトウェアの 制 作 作 業 が 完 了 したと 認 められる 状 況 になった 時 点 であり そのことを 立 証 できる 証 憑 に 基 づい て 決 定 する そのような 証 憑 としては 例 えば ソフトウェア 作 業 完 了 報 告 書 最 終 テス ト 報 告 書 等 が 考 えられる ソフトウェアの 導 入 費 用 の 取 扱 い ( 購 入 ソフトウェアの 設 定 等 に 係 る 費 用 の 会 計 処 理 ) 14. 外 部 から 購 入 したソフトウェアについて そのソフトウェアの 導 入 に 当 たって 必 要 とさ れる 設 定 作 業 及 び 自 社 の 仕 様 に 合 わせるために 行 う 付 随 的 な 修 正 作 業 等 の 費 用 は 購 入 ソ フトウェアを 取 得 するための 費 用 として 当 該 ソフトウェアの 取 得 価 額 に 含 める ただし これらの 費 用 について 重 要 性 が 乏 しい 場 合 には 費 用 処 理 することができる (ソフトウェアを 大 幅 に 変 更 して 自 社 仕 様 にするための 費 用 の 会 計 処 理 ) 15. 自 社 で 過 去 に 制 作 したソフトウェア 又 は 市 場 で 販 売 されているパッケージソフトウェア の 仕 様 を 大 幅 に 変 更 して 自 社 のニーズに 合 わせた 新 しいソフトウェアを 制 作 するための 費 用 は それによる 将 来 の 収 益 獲 得 又 は 費 用 削 減 が 確 実 であると 認 められる 場 合 を 除 き 研 究 開 発 目 的 のための 費 用 と 考 えられるため 購 入 ソフトウェアの 価 額 も 含 めて 費 用 処 理 する 将 来 の 収 益 獲 得 又 は 費 用 削 減 が 確 実 であると 認 められる 場 合 には 購 入 ソフトウェ アの 価 額 を 含 めて 当 該 費 用 を 無 形 固 定 資 産 として 計 上 する (その 他 の 導 入 費 用 の 会 計 処 理 ) 16.ソフトウェアを 利 用 するために 必 要 なその 他 の 導 入 費 用 については 次 のとおり 処 理 す る (1) データをコンバートするための 費 用 新 しいシステムでデータを 利 用 するために 旧 システムのデータをコンバートするため の 費 用 については 発 生 した 事 業 年 度 の 費 用 とする (2) トレーニングのための 費 用 - 6 -
ソフトウェアの 操 作 をトレーニングするための 費 用 は 発 生 した 事 業 年 度 の 費 用 とす る 機 器 組 込 みソフトウェアの 取 扱 い ( 購 入 者 の 会 計 処 理 ( 自 社 利 用 )) 17. 有 機 的 一 体 として 機 能 する 機 器 組 込 みソフトウェア( 機 械 又 は 器 具 備 品 等 に 組 み 込 まれ ているソフトウェア)は 独 立 した 科 目 として 区 分 するのではなく 当 該 機 械 等 の 取 得 原 価 に 算 入 し 機 械 及 び 装 置 等 の 科 目 を 用 いて 処 理 する ソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 ( 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 ( 設 例 1 及 び 設 例 2 参 照 )) 18. 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアに 関 しては ソフトウェアの 性 格 に 応 じて 最 も 合 理 的 と 考 えられる 減 価 償 却 の 方 法 を 採 用 すべきである 合 理 的 な 償 却 方 法 としては 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 方 法 のほか 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 償 却 方 法 も 認 められる ただし 毎 期 の 減 価 償 却 額 は 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 額 を 下 回 ってはならない したがって 毎 期 の 減 価 償 却 額 は 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )に 基 づく 償 却 額 と 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 額 とを 比 較 し いずれか 大 きい 額 を 計 上 することになる この 場 合 当 初 における 販 売 可 能 な 有 効 期 間 の 見 積 りは 原 則 として3 年 以 内 の 年 数 と し 3 年 を 超 える 年 数 とするときには 合 理 的 な 根 拠 に 基 づくことが 必 要 である ( 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )の 見 直 しの 結 果 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 ) を 変 更 した 場 合 の 減 価 償 却 の 方 法 ( 設 例 3 参 照 )) 19. 無 形 固 定 資 産 として 計 上 したソフトウェアの 取 得 原 価 を 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )に 基 づき 減 価 償 却 を 実 施 する 場 合 適 宜 行 われる 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 ) の 見 直 しの 結 果 販 売 開 始 時 の 総 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 総 見 込 販 売 収 益 )を 変 更 することが ある 例 えば 新 たに 入 手 可 能 となった 情 報 に 基 づいて 当 第 2 四 半 期 会 計 期 間 末 において 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )を 変 更 した 場 合 には 以 下 の 計 算 式 により 当 第 2 四 半 期 累 計 期 間 及 び 当 第 3 四 半 期 以 降 の 減 価 償 却 額 を 算 定 する 当 第 2 四 半 期 累 計 期 間 の 減 価 償 却 額 = 当 期 首 にお ける 未 償 却 残 高 当 第 2 四 半 期 累 計 期 間 の 実 績 販 売 数 量 ( 又 は 実 績 販 売 収 益 ) 当 期 首 における 変 更 前 の 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 ) 当 第 3 四 半 期 以 降 の 減 価 償 却 額 = 当 第 3 四 半 期 の 期 首 に おける 未 償 却 残 高 当 第 3 四 半 期 以 降 の 実 績 販 売 数 量 ( 又 は 実 績 販 売 収 益 ) 当 第 3 四 半 期 の 期 首 における 変 更 後 の 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 ) なお 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )の 変 更 について 過 去 に 見 積 った 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )がその 時 点 での 合 理 的 な 見 積 りに 基 づくものでなく これを 事 後 的 に 合 理 的 な 見 積 りに 基 づいたものに 変 更 する 場 合 には 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 ではなく 過 去 の 誤 謬 の 訂 正 に 該 当 することに 留 意 する - 7 -
( 各 事 業 年 度 末 の 未 償 却 残 高 が 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 を 上 回 ることとなった 場 合 の 当 該 超 過 額 の 費 用 又 は 損 失 の 処 理 方 法 ( 設 例 5 参 照 )) 20. 販 売 期 間 の 経 過 に 伴 い 減 価 償 却 を 実 施 した 後 の 未 償 却 残 高 が 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 の 額 を 上 回 った 場 合 当 該 超 過 額 は 一 時 の 費 用 又 は 損 失 として 処 理 する ( 自 社 利 用 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 ( 設 例 6 参 照 )) 21. 自 社 利 用 のソフトウェアについては その 利 用 の 実 態 に 応 じて 最 も 合 理 的 と 考 えられる 減 価 償 却 の 方 法 を 採 用 すべきであるが 一 般 的 には 定 額 法 による 償 却 が 合 理 的 である 償 却 の 基 礎 となる 耐 用 年 数 としては 当 該 ソフトウェアの 利 用 可 能 期 間 によるべきであ るが 原 則 として5 年 以 内 の 年 数 とし 5 年 を 超 える 年 数 とするときには 合 理 的 な 根 拠 に 基 づくことが 必 要 である 利 用 可 能 期 間 については 適 宜 見 直 しを 行 う 利 用 可 能 期 間 の 見 直 しの 結 果 例 えば 新 たに 入 手 可 能 となった 情 報 に 基 づいて 当 事 業 年 度 末 において 耐 用 年 数 を 変 更 した 場 合 に は 以 下 の 計 算 式 により 当 事 業 年 度 及 び 翌 事 業 年 度 の 減 価 償 却 額 を 算 定 する 当 事 業 年 度 の 減 価 償 却 額 = 当 期 首 における 未 償 却 残 高 当 事 業 年 度 の 期 間 当 期 首 における 変 更 前 の 残 存 耐 用 年 数 翌 事 業 年 度 の 減 価 償 却 額 = 翌 期 首 における 未 償 却 残 高 翌 事 業 年 度 の 期 間 翌 期 首 における 変 更 後 の 残 存 耐 用 年 数 なお 耐 用 年 数 の 変 更 について 過 去 に 定 めた 耐 用 年 数 がその 時 点 での 合 理 的 な 見 積 り に 基 づくものでなく これを 事 後 的 に 合 理 的 な 見 積 りに 基 づいたものに 変 更 する 場 合 には 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 ではなく 過 去 の 誤 謬 の 訂 正 に 該 当 することに 留 意 する ( 財 務 諸 表 における 減 価 償 却 の 方 法 に 関 する 開 示 ) 22.ソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 に 関 し 重 要 な 会 計 方 針 として 開 示 すべき 項 目 及 び 記 載 上 の 留 意 点 は 以 下 のとおりである (1) 開 示 すべき 項 目 1 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 方 法 に 関 する 開 示 ア. 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアに 関 して 採 用 した 減 価 償 却 の 方 法 イ. 見 込 有 効 期 間 ( 年 数 ) 2 自 社 利 用 のソフトウェアの 減 価 償 却 方 法 に 関 する 開 示 ア. 自 社 利 用 のソフトウェアに 関 して 採 用 した 減 価 償 却 の 方 法 イ. 見 込 利 用 可 能 期 間 ( 年 数 ) (2) 記 載 上 の 留 意 点 ソフトウェアの 減 価 償 却 方 法 の 変 更 は 会 計 方 針 の 変 更 に 該 当 する また 見 込 有 効 期 間 及 び 見 込 利 用 可 能 期 間 の 変 更 は 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 に 該 当 す る - 8 -
適 用 23. 本 報 告 は 平 成 11 年 4 月 1 日 以 後 開 始 する 事 業 年 度 から 適 用 する 23-2. 会 計 制 度 委 員 会 報 告 第 12 号 研 究 開 発 費 及 びソフトウェアの 会 計 処 理 に 関 する 実 務 指 針 の 改 正 について ( 平 23 年 3 月 29 日 )は 平 成 23 年 4 月 1 日 以 後 開 始 する 事 業 年 度 の 期 首 以 後 に 行 われる 会 計 上 の 変 更 及 び 過 去 の 誤 謬 の 訂 正 から 適 用 する なお 適 用 初 年 度 より 前 の 事 業 年 度 に 行 われている 会 計 上 の 変 更 及 び 過 去 の 誤 謬 の 訂 正 については 遡 及 処 理 しない 経 過 措 置 24. 削 除 25. 削 除 - 9 -
Ⅱ 結 論 の 背 景 研 究 開 発 の 範 囲 ( 研 究 開 発 に 含 まれるか 否 かの 判 断 及 び 含 まれない 典 型 例 ) 26. 研 究 開 発 の 範 囲 については 活 動 の 内 容 が 実 質 的 に 研 究 開 発 活 動 であるか 否 かによ り 判 断 すべきと 考 えられる その 範 囲 は 従 来 製 造 又 は 提 供 していた 業 務 にはない 全 く 新 たなものを 生 み 出 すための 調 査 探 究 活 動 や 現 在 製 造 している 製 品 又 は 提 供 している 業 務 についての 著 しい 改 良 を 含 んでいる したがって 現 在 製 造 している 製 品 や 業 務 を 前 提 とした 場 合 に 著 しいと 判 断 できない 改 良 改 善 などを 行 う 活 動 は ここでいう 研 究 開 発 には 該 当 しない なお 研 究 開 発 に 含 まれない 典 型 例 としては 以 下 のものを 挙 げることができる 1 製 品 を 量 産 化 するための 試 作 2 品 質 管 理 活 動 や 完 成 品 の 製 品 検 査 に 関 する 活 動 3 仕 損 品 の 手 直 し 再 加 工 など 4 製 品 の 品 質 改 良 製 造 工 程 における 改 善 活 動 5 既 存 製 品 の 不 具 合 などの 修 正 に 係 る 設 計 変 更 及 び 仕 様 変 更 6 客 先 の 要 望 等 による 設 計 変 更 や 仕 様 変 更 7 通 常 の 製 造 工 程 の 維 持 活 動 8 機 械 設 備 の 移 転 や 製 造 ラインの 変 更 9 特 許 権 や 実 用 新 案 権 の 出 願 などの 費 用 10 外 国 などからの 技 術 導 入 により 製 品 を 製 造 することに 関 する 活 動 繰 延 処 理 される 開 発 費 の 範 囲 27. 意 見 書 では 研 究 開 発 費 はすべて 発 生 時 に 費 用 として 処 理 しなければならないと 規 定 し ている これに 対 し 財 務 諸 表 等 規 則 第 36 条 には 繰 延 処 理 できる 繰 延 資 産 の 範 囲 として 開 発 費 の 科 目 名 が 掲 げられている これは 従 来 用 いられていた 開 発 費 の 用 語 は 新 技 術 の 採 用 新 経 営 組 織 の 採 用 資 源 の 開 発 及 び 市 場 の 開 拓 までをも 包 含 する 広 範 な 内 容 を 有 しており 意 見 書 による 開 発 の 定 義 の 範 囲 に 含 まれない 費 用 が 発 生 することが 想 定 されるため それらの 費 用 を 繰 延 資 産 として 計 上 する 場 合 の 計 上 区 分 を 明 示 したもので ある 特 定 の 研 究 開 発 目 的 の 機 械 装 置 等 の 会 計 処 理 28. 研 究 開 発 費 等 に 係 る 会 計 基 準 注 解 ( 注 1)の 特 定 の 研 究 開 発 目 的 にのみ 使 用 され 他 の 目 的 に 使 用 できない とは 特 定 の 研 究 開 発 プロジェクトの 目 的 のみに 使 用 され 他 の 研 究 開 発 プロジェクトに 使 用 することが 機 能 的 物 理 的 にできないことを 意 味 している 例 えば 特 定 の 研 究 専 用 の 測 定 機 や 試 験 設 備 などで 研 究 開 発 の 所 期 の 目 的 を 達 成 した 後 には 他 の 用 途 に 転 用 することができず 廃 棄 してしまうようなものをいう したがって 会 社 が 特 定 のプロジェクトのみに 使 用 するという 予 定 で 取 得 した 場 合 であっても 目 的 を 達 成 した 後 に 他 の 研 究 プロジェクトや 営 業 の 目 的 で 利 用 することが 可 能 なものはこの 対 象 - 10 -
とはならない なお ここでいう 特 定 の 研 究 開 発 プロジェクトとは 会 社 内 において 予 算 人 事 等 の 管 理 を 行 う 単 位 で 判 断 することが 適 当 と 考 えられる ソフトウェアの 会 計 処 理 及 び 表 示 ソフトウェアの 概 念 範 囲 (ソフトウェアとコンテンツの 定 義 ) 29.ソフトウェアがコンピュータに 一 定 の 仕 事 を 行 わせるプログラム 等 であるのに 対 し コ ンテンツはその 処 理 対 象 となる 情 報 の 内 容 である コンテンツの 例 としては データベー スソフトウェアが 処 理 対 象 とするデータや 映 像 音 楽 ソフトウェアが 処 理 対 象 とする 画 像 音 楽 データ 等 を 掲 げることができる ソフトウェアとコンテンツとは 別 個 の 経 済 価 値 を 持 つものであることから 本 報 告 ではコンテンツはソフトウェアに 含 めないこととした また ゲームソフトは 一 般 的 にソフトウェアとコンテンツが 高 度 に 組 み 合 わされて 制 作 されるという 特 徴 を 有 している ( 制 作 者 の 会 計 処 理 ) 30. 制 作 者 においては コンテンツとソフトウェアは 別 個 の 経 済 価 値 として 把 握 可 能 であり 両 者 は 別 個 のものとして 原 価 計 算 上 も 区 分 することになる しかし 両 者 が 一 体 不 可 分 な ものとして 明 確 に 区 分 できない 場 合 ( 例 えば 一 方 の 価 値 の 消 滅 が 他 方 の 価 値 の 消 滅 に 直 接 結 び 付 く 場 合 )には その 主 要 な 性 格 がソフトウェアかコンテンツかを 判 断 してどち らかにみなして 会 計 処 理 する ( 購 入 者 の 会 計 処 理 ) 31. 購 入 者 においては ソフトウェアとコンテンツを 明 確 に 線 引 きをすることは 概 念 的 には 可 能 であっても 実 際 の 適 用 においては 混 乱 を 招 くことが 予 想 されるため 実 務 上 は 一 体 処 理 を 認 め その 主 要 な 性 格 に 応 じてソフトウェアかコンテンツとして 処 理 することが 考 えられる しかし ソフトウェアとコンテンツの 経 済 価 値 を 明 確 に 区 分 できる 場 合 には 両 者 を 区 分 して 会 計 処 理 することを 妨 げるものではない 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 取 扱 い ( 研 究 開 発 の 終 了 時 点 ) 32. 意 見 書 では 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアに 関 する 研 究 開 発 の 終 了 時 点 について 製 品 番 号 を 付 すこと 等 により 販 売 の 意 思 が 明 らかにされた 製 品 マスター すなわち 最 初 に 製 品 化 された 製 品 マスター が 完 成 した 時 点 としており この 時 点 までに 発 生 した 費 用 は 研 究 開 発 費 に 該 当 することとしている 研 究 開 発 の 終 了 時 点 を 判 断 するに 当 たっては 1 製 品 マスターについて 販 売 の 意 思 が 明 らかにされること 2 最 初 に 製 品 化 された 製 品 マスターが 完 成 すること の2つの 要 件 が 満 たされなければならない 販 売 の 意 思 が 明 らかにされる 時 点 とは 製 品 マスターの 完 成 の 前 後 にかかわらず 当 該 - 11 -
製 品 を 市 場 で 販 売 することを 意 思 決 定 した 時 点 が 考 えられる 例 えば 製 品 番 号 を 付 す あるいはカタログに 載 せるなどの 方 法 で 市 場 で 販 売 する 意 思 が 明 確 に 確 認 できるように なった 時 点 などが 典 型 的 な 例 である また 最 初 に 製 品 化 された 製 品 マスター の 完 成 とは 機 能 評 価 版 についてバグ 取 りや 一 部 機 能 変 更 が 終 了 した 段 階 の 製 品 マスターの 完 成 と 考 えられる これは 製 品 としての 完 成 版 ではないものの 当 該 ソフトウェアが 特 徴 としている 重 要 な 機 能 が 盛 り 込 まれている ことが 必 要 である これを 具 体 的 に 説 明 すると 制 作 過 程 においてプロトタイプを 制 作 するような 方 式 を 採 用 している 場 合 には 当 該 製 品 の 製 品 性 すなわち 製 品 が 市 場 で 受 け 入 れられるかどう か 他 社 製 品 との 競 争 力 を 有 しているかどうかなどの 検 討 を 行 うことができる 程 度 のプロ トタイプが 完 成 していることが 求 められる ここでいうプロトタイプとは 機 能 評 価 版 のソフトウェアで 重 要 なバグ 取 りを 終 えてい る 状 態 のものを 想 定 している このプロトタイプを 評 価 することによって 最 終 的 な 市 場 販 売 の 時 期 価 格 等 に 関 する 意 思 決 定 が 行 われることとなる また 新 しい 技 術 が 利 用 さ れる 場 合 には その 技 術 が 製 品 において 利 用 可 能 であることがプロトタイプによって 確 認 されていることが 求 められる また プロトタイプの 制 作 を 行 わずに 製 品 マスターを 制 作 する 場 合 には 少 なくとも 製 品 として 販 売 するための 重 要 な 機 能 が 完 成 しており かつ 重 要 な 不 具 合 を 解 消 しているこ とが 必 要 になる 例 えば 1 入 力 画 面 や 出 力 帳 票 などが 完 全 なものではない 2 操 作 性 に 関 してはまだ 改 良 の 余 地 がある あるいは3 処 理 速 度 の 面 で 改 善 の 余 地 が 残 されている といった 状 態 で も 問 題 を 解 消 するための 方 法 が 明 確 になっており それが 製 品 の 完 成 に 当 たって 重 要 な ものではないことが 確 認 されていれば 資 産 計 上 の 要 件 を 満 たしているものと 考 えられる なお 海 外 の 製 品 を 日 本 語 版 に 加 工 して 販 売 する 場 合 には 日 本 語 版 に 加 工 するに 当 たって 重 要 な 技 術 上 の 問 題 点 がないことが 確 認 されていれば 既 に 研 究 開 発 の 段 階 は 終 了 していると 判 断 して 差 し 支 えないものと 考 えられる ( 著 しい 改 良 ) 33. 製 品 マスター 又 は 購 入 したソフトウェアの 機 能 の 改 良 強 化 を 行 うための 費 用 は 原 則 として 資 産 に 計 上 するが 当 該 改 良 が 著 しい 改 良 と 認 められる 場 合 は 研 究 開 発 費 として 処 理 する ここでいう 著 しい 改 良 とは 研 究 及 び 開 発 の 要 素 を 含 む 大 幅 な 改 良 を 指 しており 完 成 に 向 けて 相 当 程 度 以 上 の 技 術 的 な 困 難 が 伴 うものである 具 体 的 な 例 として 機 能 の 改 良 強 化 を 行 うために 主 要 なプログラムの 過 半 部 分 を 再 制 作 する 場 合 ソフトウェアが 動 作 する 環 境 (オペレーションシステム 言 語 プラット フォームなど)を 変 更 追 加 するために 大 幅 な 修 正 が 必 要 になる 場 合 などが 挙 げられる ( 製 品 マスター 完 成 後 の 制 作 費 に 係 る 処 理 ) 34. 研 究 開 発 費 等 に 係 る 会 計 基 準 においては 製 品 マスターの 制 作 費 のうち 研 究 及 び - 12 -
開 発 のために 費 消 した 原 価 は 研 究 開 発 費 として また 製 品 マスターの 機 能 維 持 に 要 した 費 用 は 発 生 時 の 費 用 として 処 理 することとし これら 以 外 の 原 価 は 製 品 マスターの 取 得 原 価 として 計 上 することとしている したがって 研 究 開 発 の 終 了 時 点 以 降 に 発 生 する 制 作 費 については 次 のとおり 取 り 扱 うこととなる (1) 製 品 マスターの 機 能 の 著 しい 改 良 に 要 した 費 用 従 来 の 製 品 マスターとは 別 個 の 新 しいマスターの 制 作 のためのコストとみなされるよ うな 費 用 は 研 究 開 発 費 として 処 理 する (2) ソフトウェアの 機 能 維 持 に 要 した 費 用 バグ 取 り ウィルス 防 止 等 の 修 繕 維 持 保 全 のための 費 用 は 発 生 時 の 費 用 として 処 理 する (3) 製 品 マスターの 機 能 の 改 良 ( 著 しいものを 除 く ) 及 び 強 化 に 要 した 費 用 ソフトウェアの 操 作 性 の 向 上 等 のための 費 用 は 製 品 マスターの 取 得 原 価 として 処 理 する (4) 製 品 としてのソフトウェアの 制 作 原 価 以 下 のような 制 作 費 は ソフトウェアの 製 造 原 価 として 処 理 する ソフトウェアの 保 存 媒 体 のコスト 製 品 マスターの 複 写 に 必 要 なコンピュータ 利 用 等 の 経 費 利 用 マニュアル 又 は 使 用 説 明 書 等 の 制 作 のための 外 注 費 販 売 用 とするための 製 品 表 示 や 包 装 に 係 るコスト 制 作 に 携 わった 従 業 員 の 人 件 費 など ( 製 品 マスターの 制 作 原 価 ) 35. 意 見 書 においては 製 品 マスターは 1 製 品 マスター 自 体 が 販 売 の 対 象 物 ではないこと 2 機 械 装 置 等 と 同 様 にこれを 利 用 ( 複 写 )して 製 品 を 作 成 すること 3 法 的 権 利 ( 著 作 権 )を 有 していること 及 び4 適 正 な 原 価 計 算 により 取 得 原 価 を 明 確 化 できることから 当 該 取 得 原 価 を 無 形 固 定 資 産 として 計 上 することとしている 製 品 マスターの 完 成 品 を 無 形 固 定 資 産 として 計 上 する( 仕 掛 品 についても 同 様 )ことに 伴 い 製 品 マスターの 制 作 原 価 及 び 製 品 マスターの 償 却 費 についての 製 造 原 価 の 計 算 にお ける 取 扱 いについては 以 下 の 方 法 が 考 えられる (1) 製 品 マスターの 制 作 原 価 を 製 造 原 価 に 含 めることなく 直 接 的 に 無 形 固 定 資 産 として 計 上 し 製 品 マスターの 償 却 費 を 製 造 原 価 の 経 費 として 計 上 する (2) 製 品 マスターの 制 作 原 価 を 製 造 原 価 に 含 め 製 品 マスターの 制 作 仕 掛 品 及 び 完 成 品 を 無 形 固 定 資 産 へ 振 り 替 えることにより 製 造 原 価 から 控 除 する また 製 品 マスターの 償 却 費 は 製 造 原 価 の 経 費 として 計 上 する (3) 製 品 マスターの 制 作 原 価 を 製 造 原 価 に 含 め 製 品 マスターの 制 作 仕 掛 品 及 び 完 成 品 を 無 形 固 定 資 産 へ 振 り 替 えることにより 製 造 原 価 から 控 除 することとする また 製 品 マ スターの 償 却 費 は 売 上 原 価 に 直 接 算 入 する これらの 方 法 のうち (1)の 方 法 は 製 品 マスターの 制 作 そのものに 係 るコストが 当 期 - 13 -
製 造 費 用 に 含 まれないため 当 期 のソフトウェア 制 作 活 動 ( 研 究 開 発 活 動 を 除 く )が 製 造 原 価 の 計 算 に 反 映 されない 面 がある また (2)の 方 法 は 製 品 マスターの 制 作 原 価 と 完 成 品 としての 製 品 マスターの 償 却 費 がともに 製 造 原 価 の 当 期 製 造 費 用 に 含 まれ 同 一 の 製 品 マスターに 係 る 制 作 原 価 が 二 重 に 計 上 される 点 において 不 適 切 である このように 考 えると ソフトウェアの 制 作 活 動 が 製 造 原 価 の 計 算 に 適 切 に 反 映 されると いう 観 点 からは (3)の 方 法 によることが 望 ましいといえる (3)の 方 法 による 場 合 の 具 体 的 な 処 理 は 次 のとおりとなる 1 製 品 マスターの 制 作 原 価 は 製 造 原 価 として 計 上 し 当 期 製 造 費 用 から 制 作 仕 掛 品 と 完 成 品 を 無 形 固 定 資 産 に 振 り 替 える 2 製 品 マスターの 償 却 は 販 売 したソフトウェアに 対 応 する 償 却 額 とし ソフトウェ アの 売 上 原 価 に 計 上 する 3 製 品 としてのソフトウェアで 販 売 されなかったもの 及 び 複 写 等 制 作 途 上 のものに ついては 棚 卸 資 産 の 仕 掛 品 として 計 上 する( 製 品 マスターの 償 却 費 は 配 分 される べき 原 価 が 確 定 しないため 当 該 仕 掛 品 の 原 価 には 含 めない ) 資 産 計 上 することとなる 自 社 利 用 のソフトウェアの 取 扱 い 36. 将 来 の 収 益 獲 得 又 は 費 用 削 減 が 確 実 であると 認 められる 具 体 的 な 態 様 は 様 々であると 考 えられ 自 社 利 用 のソフトウェアの 資 産 計 上 要 件 を 包 括 的 に 掲 げることは 困 難 との 考 えか ら ソフトウェアが 資 産 計 上 される 場 合 の 一 般 的 な 例 を 示 すこととした 37. 資 産 計 上 を 終 了 する 時 点 の 取 扱 いについては メンテナンス 作 業 へ 切 替 わった 時 点 とす ることも 検 討 したが 終 了 時 点 を 明 確 に 特 定 するには 不 十 分 であり 資 産 計 上 の 終 了 時 点 の 決 定 に 際 しては 具 体 的 な 証 憑 に 基 づいて 判 断 すべきことを 明 らかにした なお 制 作 段 階 により 区 分 する 方 法 は ソフトウェア 制 作 には 多 様 な 制 作 実 態 が 存 在 し それらを 明 確 に 区 分 することは 困 難 であり 結 果 として 実 態 に 合 致 しなくなると 考 えられ るため 採 用 していない ソフトウェアの 導 入 費 用 の 取 扱 い ( 購 入 ソフトウェアの 設 定 等 に 係 る 費 用 の 会 計 処 理 ) 38. 完 成 品 のソフトウェアを 購 入 して 利 用 するまでには ソフトウェアの 導 入 に 係 る 費 用 や ソフトウェアを 利 用 する 環 境 を 整 えるための 費 用 が 発 生 するが これらの 費 用 に 関 する 会 計 処 理 については 以 下 のように 考 える 完 成 品 のソフトウェアを 購 入 し 社 内 で 利 用 する 場 合 には 大 きく 分 けると 次 の2つが ある - 14 -
(1) 購 入 ソフトウェアをそのまま 導 入 する 場 合 完 成 したパッケージソフトウェアをそのまま 導 入 するケースで 追 加 の 作 業 は 簡 単 な 導 入 作 業 程 度 である (2) 購 入 ソフトウェアの 設 定 等 が 必 要 になるケース 完 成 したソフトウェアを 購 入 する 場 合 でも 例 えば 財 務 会 計 ソフトの 科 目 マスター の 設 定 のように 設 定 作 業 が 必 要 となる 場 合 あるいは 自 社 の 仕 様 に 合 わせて 画 面 や 帳 票 などを 修 正 する 場 合 などがある これらの 作 業 は 自 社 で 行 う 場 合 と 外 部 委 託 する 場 合 がある 購 入 したソフトウェアをそのまま 導 入 する 場 合 例 えばワープロソフトのようなビジネ スソフトなどを 購 入 するような 場 合 には 導 入 費 用 は 一 般 的 にはほとんど 発 生 しないと 考 えられる 外 部 から 購 入 したパッケージソフトウェアに 対 して 設 定 作 業 又 は 自 社 の 仕 様 に 合 わせる ための 付 随 的 な 修 正 作 業 等 の 費 用 は 購 入 したソフトウェアを 使 用 するために 不 可 欠 な 費 用 であり 有 形 固 定 資 産 の 取 得 に 要 する 付 随 費 用 と 同 様 に ソフトウェアの 取 得 価 額 に 含 めるべきである ( 購 入 したソフトウェアを 大 幅 に 変 更 して 自 社 仕 様 にするための 費 用 の 会 計 処 理 ) 39. 既 存 のパッケージソフトウェアの 仕 様 を 変 更 して 自 社 の 要 望 に 合 わせた 新 しいソフト ウェアを 制 作 する 場 合 は 完 成 品 のソフトウェアを 購 入 したとは 考 えられず むしろパッ ケージソフトウェアを 部 品 として 利 用 していると 考 える 方 が 適 切 である したがって パッケージソフトウェアの 取 得 に 要 した 費 用 は 仕 様 を 変 更 した 新 しいソ フトウェアの 利 用 により 将 来 の 収 益 獲 得 又 は 費 用 削 減 が 確 実 であると 認 められる 場 合 を 除 き 費 用 処 理 することが 適 当 である (その 他 の 導 入 費 用 の 会 計 処 理 ) 40.ソフトウェアを 利 用 するための 環 境 を 整 備 し 有 効 利 用 を 図 るための 費 用 は 原 則 として ソフトウェアそのものの 価 値 を 高 める 性 格 の 費 用 ではない したがって その 費 用 は 原 則 として 発 生 時 の 費 用 として 処 理 することが 適 切 である なお ソフトウェアを 購 入 する 際 に このような 費 用 も 含 めた 価 額 で 契 約 等 が 締 結 され ている 場 合 には 導 入 費 用 は 合 理 的 な 見 積 りによって 購 入 の 対 価 とそれ 以 外 の 費 用 とに 区 分 して 会 計 処 理 を 行 うことが 適 当 と 考 えられる 機 器 組 込 みソフトウェアの 取 扱 い ( 購 入 者 の 会 計 処 理 ) 41.パソコンのように ソフトウェア 対 応 に 互 換 性 がある 場 合 には ソフトウェアと 機 器 は 区 分 すべきである しかし ファームウェアのように 機 器 組 込 みとしてセットで 購 入 して いるものは 次 のような 理 由 からソフトウェアを 区 分 することなく 機 械 等 として 処 理 する ことになる したがって 機 器 組 込 みソフトウェアは 機 械 及 び 装 置 などの 有 形 固 定 資 産 の 減 価 償 却 を 通 じて 費 用 化 される - 15 -
(1) 機 器 とソフトウェアは 相 互 に 有 機 的 一 体 として 機 能 すること 両 者 は 別 個 では 何 ら 機 能 せず 両 者 は 一 体 としてはじめて 機 能 する 1 機 能 一 体 であることから 機 器 とソフトウェアの 対 価 は 区 分 されていないのが 通 例 で ある 2 機 器 ソフトウェアの 技 術 革 新 を 考 えると 一 方 だけが 長 く 機 能 するとは 考 えにく い (2) 経 済 的 耐 用 年 数 も 両 者 に 相 互 関 連 性 が 高 い しかしながら ソフトウェアの 交 換 (バージョンアップ)が 予 定 されている 場 合 で バージョンアップによる 機 能 向 上 が 革 新 的 であるようなときは 機 器 とは 別 個 にソフト ウェアとして 処 理 することが 適 切 なこともある また 機 械 等 の 購 入 時 にソフトウェア 交 換 が 契 約 により 予 定 され 新 旧 ソフトウェ アの 購 入 価 格 が 明 確 な 場 合 には ソフトウェア 部 分 を 区 分 して 処 理 することも 考 えられる ソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 ( 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 ) 42. 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアに 関 して 採 用 すべき 減 価 償 却 の 方 法 は 各 企 業 が 当 該 ソ フトウェアの 性 格 に 応 じて その 実 態 に 応 じ 最 も 合 理 的 と 考 えられる 方 法 を 採 用 すべきで あるが 販 売 期 間 の 経 過 に 伴 い 著 しく 販 売 価 格 が 下 落 する 性 格 を 有 するソフトウェアにつ いては 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 償 却 方 法 を 採 用 することが 合 理 的 であると 考 えられる ただし 毎 期 の 償 却 は 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 額 を 下 回 ってはならないことと されているため 毎 期 の 減 価 償 却 額 は 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )に 基 づく 償 却 額 と 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 額 とを 比 較 し いずれか 大 きい 額 を 計 上 することとな る これは 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )の 見 積 りの 困 難 性 から 償 却 期 間 が 長 期 化 することを 防 止 するために 毎 期 の 償 却 額 の 下 限 を 設 定 したものであり 販 売 可 能 な 有 効 期 間 の 見 積 りは 原 則 として3 年 以 内 の 年 数 とすることとした ( 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )の 見 直 しの 結 果 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 ) を 変 更 した 場 合 の 減 価 償 却 の 方 法 ) 43.ソフトウェアの 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )の 見 積 りは 様 々な 要 因 により 影 響 を 受 けるものであり それぞれの 見 積 り 時 点 では 最 善 の 見 積 りであっても 時 の 経 過 に 伴 う 新 たな 要 因 の 発 生 等 により 変 動 することが 予 想 される 過 年 度 遡 及 会 計 基 準 第 17 項 において 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 は 当 該 変 更 が 変 更 期 間 のみに 影 響 する 場 合 には 当 該 変 更 期 間 に 会 計 処 理 を 行 い 当 該 変 更 が 将 来 の 期 間 にも 影 響 する 場 合 には 将 来 にわたり 会 計 処 理 を 行 う こととされている このため 販 売 開 始 後 の 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )の 見 直 しの 結 果 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )を 変 更 した 場 合 には 変 更 後 の 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )に 基 づき 当 事 業 年 度 及 び 将 来 の 期 間 の 損 益 で 認 識 することとなる ( 各 年 度 末 の 未 償 却 残 高 が 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 を 上 回 ることとなった 場 合 の 当 該 超 過 額 - 16 -
の 費 用 又 は 損 失 の 処 理 方 法 ) 44. 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 経 済 価 値 は 将 来 の 収 益 獲 得 に 基 づくものと 考 えられる が 販 売 期 間 の 経 過 に 伴 い 著 しく 販 売 価 格 が 下 落 する 性 格 を 有 するソフトウェアの 場 合 各 年 度 末 の 未 償 却 残 高 が 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 の 額 を 上 回 ることが 予 想 される この 場 合 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 経 済 価 値 は 将 来 の 収 益 獲 得 に 基 づくものと 考 えられるため 各 年 度 の 未 償 却 残 高 が 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 の 額 を 超 過 している 場 合 には 当 該 超 過 額 について 一 時 の 費 用 又 は 損 失 として 処 理 することが 妥 当 である ( 自 社 利 用 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 ) 45. 自 社 利 用 のソフトウェアについては 各 企 業 がその 利 用 の 実 態 に 応 じて 最 も 合 理 的 と 考 えられる 減 価 償 却 の 方 法 を 採 用 すべきものであるが 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアに 比 し 収 益 との 直 接 的 な 対 応 関 係 が 希 薄 な 場 合 が 多 く また 物 理 的 な 劣 化 を 伴 わない 無 形 固 定 資 産 の 償 却 であることから 一 般 的 には 定 額 法 による 償 却 が 合 理 的 であると 考 えられる 自 社 利 用 のソフトウェアの 利 用 可 能 期 間 の 見 積 りは 様 々な 要 因 により 影 響 を 受 けるも のであり それぞれの 見 積 り 時 点 では 最 善 の 見 積 りであっても 時 の 経 過 に 伴 う 新 たな 要 因 の 発 生 等 により 変 動 することが 予 想 される 第 43 項 に 記 載 のとおり 過 年 度 遡 及 会 計 基 準 第 17 項 において 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 の 取 扱 いが 定 められている このため 当 該 ソフトウェアの 利 用 可 能 期 間 の 見 直 しの 結 果 耐 用 年 数 の 変 更 を 要 する こととなった 場 合 には 当 事 業 年 度 及 び 当 該 ソフトウェアの 残 存 耐 用 年 数 にわたる 将 来 の 期 間 の 損 益 で 認 識 する ( 財 務 諸 表 における 減 価 償 却 の 方 法 に 関 する 開 示 ) 46. 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 方 法 は 当 該 ソフトウェアの 性 格 に 応 じて 最 も 合 理 的 と 考 えられる 償 却 方 法 を 採 用 すべきであり また 自 社 利 用 のソフトウェアの 減 価 償 却 方 法 についても 各 企 業 が その 利 用 の 実 態 に 応 じて 最 も 合 理 的 と 考 えられる 償 却 方 法 を 採 用 すべきである したがって 採 用 した 減 価 償 却 の 方 法 については これを 会 計 方 針 として 記 載 すること が 適 切 である この 場 合 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 合 理 的 な 償 却 方 法 としては 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 方 法 のほか 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 償 却 方 法 も 認 められるが いずれの 償 却 方 法 を 採 用 した 場 合 においても 毎 期 の 償 却 は 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 額 を 下 回 っては ならないこととされている この 償 却 額 の 下 限 についての 取 扱 いは 選 択 の 余 地 がないため 会 計 方 針 としての 開 示 を 要 しないものとも 考 えられるが 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )に 基 づく 償 却 方 法 と 一 体 として 機 能 する 方 針 と 考 えられるため この 償 却 額 の 下 限 に ついての 取 扱 いも 併 せて 記 載 することが 適 切 である また 見 込 有 効 期 間 の 年 数 及 び 見 込 利 用 可 能 期 間 の 年 数 についても 減 価 償 却 の 方 法 の 記 載 に 併 せて 記 載 することが 適 切 である 過 年 度 遡 及 会 計 基 準 第 19 項 及 び 第 20 項 並 びに 第 62 項 において 無 形 固 定 資 産 の 償 却 方 法 - 17 -
は 会 計 方 針 として 位 置 付 けることとされているものの その 変 更 は 会 計 方 針 の 変 更 を 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 と 区 別 することが 困 難 な 場 合 に 該 当 するものとされている このため 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 と 同 様 に 会 計 処 理 を 行 い その 遡 及 適 用 は 行 わず また 会 計 方 針 の 変 更 に 関 する 注 記 については 過 年 度 遡 及 会 計 基 準 第 11 項 (1) (2) 及 び 第 18 項 (2)に 定 める 事 項 を 記 載 することになる なお 見 込 有 効 期 間 及 び 見 込 利 用 可 能 期 間 の 変 更 は 新 たに 入 手 可 能 となった 情 報 に 基 づいて 過 去 に 財 務 諸 表 を 作 成 する 際 に 行 った 会 計 上 の 見 積 りを 変 更 することであるため その 影 響 が 重 要 である 場 合 には 過 年 度 遡 及 会 計 基 準 第 18 項 に 定 める 事 項 を 記 載 すること になる - 18 -
Ⅲ 設 例 による 解 説 以 下 では 本 報 告 による 会 計 処 理 等 について 理 解 を 深 めるために 設 例 による 解 説 を 示 すこととする 設 例 は 本 報 告 で 示 されたすべての 会 計 処 理 等 を 網 羅 しているわけではなく 前 提 条 件 に 示 された 状 況 に 適 合 するものである したがって 前 提 条 件 が 異 なれば それに 適 合 す る 会 計 処 理 等 も 異 なる 場 合 があり この 場 合 には 本 報 告 で 示 されている 会 計 処 理 等 を 参 照 することが 必 要 となる なお 設 例 で 示 された 金 額 や 比 率 などの 数 値 は 特 別 な 意 味 を 有 するものではなく 説 明 の 便 宜 のために 用 いられているにすぎない 設 例 1 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 (その1) 販 売 開 始 時 における 見 込 みどおりに 各 年 度 の 販 売 収 益 が 計 上 された 場 合 < 前 提 条 件 > 1. 無 形 固 定 資 産 として 計 上 されたソフトウェア 制 作 費 の 総 額 300,000 2. 当 該 ソフトウェアの 見 込 有 効 期 間 3 年 3. 販 売 開 始 時 における 総 見 込 販 売 数 量 及 び 総 見 込 販 売 収 益 各 年 度 の 見 込 販 売 数 量 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 数 量 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 数 量 各 年 度 の 見 込 販 売 単 価 各 年 度 の 見 込 販 売 収 益 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 収 益 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 収 益 521,000 初 年 度 個 1,200 個 3,500 200 240,000 2 年 度 1,500 2,300 150 225,000 281,000 3 年 度 800 800 70 56,000 56,000 ( 本 設 例 では 販 売 が 進 むにつれ 販 売 価 格 の 下 落 する 傾 向 のあるソフトウェアの 特 性 を 加 味 している ) 4. 販 売 開 始 時 における 見 込 みどおりに 各 年 度 の 販 売 収 益 が 計 上 されたものとする また 当 該 ソフトウェアの 見 込 有 効 期 間 にも 変 更 がなかったものとする - 19 -
< 計 算 例 > イ. 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 減 価 償 却 の 方 法 による 場 合 の 減 価 償 却 額 の 計 算 各 年 度 の 実 績 販 売 数 量 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 数 量 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 数 量 個 3,500 各 年 度 の 減 価 償 却 額 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 ) 又 は 各 年 度 の 期 首 の 未 償 却 残 高 300,000 初 年 度 個 1,200 102,857 2 年 度 1,500 2,300 128,572 197,143 3 年 度 800 800 68,571 68,571 各 年 度 の 減 価 償 却 額 の 計 算 は 次 の 計 算 式 により 表 すことができる 各 年 度 の 減 価 償 却 額 = ソフトウェアの 未 償 却 残 高 各 年 度 の 実 績 販 売 数 量 各 年 度 の 期 首 ( 初 年 度 は 販 売 開 始 時 )の 見 込 販 売 数 量 ロ. 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 減 価 償 却 の 方 法 による 場 合 の 減 価 償 却 額 の 計 算 各 年 度 の 実 績 販 売 収 益 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 収 益 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 収 益 521,000 各 年 度 の 減 価 償 却 額 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 ) 又 は 各 年 度 の 期 首 の 未 償 却 残 高 300,000 初 年 度 240,000 138,196 2 年 度 225,000 281,000 129,558 161,804 3 年 度 56,000 56,000 32,246 32,246 各 年 度 の 減 価 償 却 額 の 計 算 は 次 の 計 算 式 により 表 すことができる 各 年 度 の 減 価 償 却 額 = ソフトウェアの 未 償 却 残 高 各 年 度 の 実 績 販 売 収 益 各 年 度 の 期 首 ( 初 年 度 は 販 売 開 始 時 )の 見 込 販 売 収 益 なお イとロの 計 算 結 果 を 比 較 して 明 らかなとおり 販 売 が 進 むにつれ 販 売 価 格 が 下 落 する 性 格 を 有 するソフトウェアの 場 合 には 販 売 収 益 に 基 づく 減 価 償 却 の 方 法 を 採 用 する 方 が 収 益 との 合 理 的 な 対 応 が 図 られることとなる - 20 -
設 例 2 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 (その2) 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 額 の 制 限 を 受 ける 場 合 < 前 提 条 件 > 1. 無 形 固 定 資 産 として 計 上 されたソフトウェア 制 作 費 の 総 額 300,000 2. 当 該 ソフトウェアの 見 込 有 効 期 間 3 年 3. 販 売 開 始 時 における 総 見 込 販 売 数 量 及 び 総 見 込 販 売 収 益 各 年 度 の 見 込 販 売 数 量 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 数 量 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 数 量 個 3,000 各 年 度 の 見 込 販 売 単 価 各 年 度 の 見 込 販 売 収 益 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 収 益 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 収 益 445,000 初 年 度 個 1,100 200 220,000 2 年 度 700 1,900 150 105,000 225,000 3 年 度 1,200 1,200 100 120,000 120,000 ( 本 設 例 では 販 売 が 進 むにつれ 販 売 価 格 の 下 落 する 傾 向 のあるソフトウェアの 特 性 を 加 味 している ) 4. 販 売 開 始 時 における 見 込 みどおりに 各 年 度 の 販 売 収 益 が 計 上 されたものとする また 当 該 ソフトウェアの 見 込 有 効 期 間 にも 変 更 がなかったものとする < 計 算 例 > イ. 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 減 価 償 却 の 方 法 による 場 合 の 減 価 償 却 額 の 計 算 各 年 度 の 実 績 販 売 数 量 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 数 量 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 数 量 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 各 年 度 の 減 価 償 却 額 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 各 年 度 の 減 価 償 却 実 施 額 (AとBの いずれか 大 きい 金 額 ) 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 ) 又 は 各 年 度 の 期 首 の 未 償 却 残 高 A B 個 個 初 年 度 1,100 3,000 110,000 *a 100,000 *b 110,000 300,000 2 年 度 700 1,900 70,000 *c 95,000 *d 95,000 190,000 3 年 度 1,200 1,200 95,000 95,000 95,000 95,000 (1) 初 年 度 においては 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 減 価 償 却 額 が 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 を 上 回 ることとなるため 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 減 価 償 却 額 をもって 減 価 償 却 費 を 計 上 することとなる - 21 -
( 初 年 度 における 減 価 償 却 額 の 計 算 ) *a ソフトウェアの 取 得 価 額 1,100 個 = 300,000 3,000 個 当 年 度 の 実 績 販 売 数 量 販 売 開 始 時 の 総 見 込 販 売 数 量 = 110,000 *b ソフトウェアの 取 得 価 額 / 残 存 有 効 期 間 =300,000 /3 年 =100,000 (2) 2 年 度 においては 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 減 価 償 却 額 が 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 を 下 回 ることとなるため 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 をもって 減 価 償 却 費 を 計 上 することとなる (2 年 度 における 減 価 償 却 額 の 計 算 ) *c 当 期 首 未 償 却 残 高 = 190,000 700 個 1,900 個 当 年 度 の 実 績 販 売 数 量 当 期 首 の 見 込 販 売 数 量 = 70,000 *d 当 期 首 未 償 却 残 高 / 残 存 有 効 期 間 =190,000 /2 年 =95,000 (3) 3 年 度 では 当 期 首 の 未 償 却 残 高 を 減 価 償 却 費 として 計 上 することとなる ロ. 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 減 価 償 却 の 方 法 による 場 合 の 減 価 償 却 額 の 計 算 各 年 度 の 実 績 販 売 収 益 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 収 益 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 収 益 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 各 年 度 の 減 価 償 却 額 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 各 年 度 の 減 価 償 却 実 施 額 (AとBの いずれか 大 きい 金 額 ) 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 ) 又 は 各 年 度 の 期 首 の 未 償 却 残 高 A B 初 年 度 220,000 445,000 148,314 *a 100,000 *b 148,314 300,000 2 年 度 105,000 225,000 70,786 *c 75,843 *d 75,843 151,686 3 年 度 120,000 120,000 75,843 75,843 75,843 75,843 (1) 初 年 度 においては 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 減 価 償 却 額 が 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 を 上 回 ることとなるため 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 減 価 償 却 額 をもって 減 価 償 却 費 を 計 上 することとなる ( 初 年 度 における 減 価 償 却 額 の 計 算 ) *a ソフトウェアの 取 得 価 額 = 300,000 当 年 度 の 実 績 販 売 収 益 販 売 開 始 時 の 総 見 込 販 売 収 益 220,000 = 148,314 445,000 *b ソフトウェアの 取 得 価 額 / 残 存 有 効 期 間 =300,000 /3 年 =100,000-22 -
(2) 2 年 度 においては 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 減 価 償 却 額 が 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 を 下 回 ることとなるため 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 をもって 減 価 償 却 費 を 計 上 することとなる (2 年 度 における 減 価 償 却 額 の 計 算 ) *c 当 期 首 未 償 却 残 高 = 151,686 当 年 度 の 実 績 販 売 収 益 当 期 首 の 見 込 販 売 収 益 105,000 = 70,786 225,000 *d 当 期 首 未 償 却 残 高 / 残 存 有 効 期 間 =151,686 /2 年 =75,843 (3) 3 年 度 では 当 期 首 の 未 償 却 残 高 を 減 価 償 却 費 として 計 上 することとなる - 23 -
設 例 3 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 (その3) 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )を 変 更 した 場 合 (2 年 度 末 において 見 込 販 売 数 量 見 込 販 売 収 益 の 見 直 しを 行 った 結 果 いずれも 販 売 開 始 時 における 見 込 みを 下 回 ることが 明 らかとなっ た 場 合 ) < 前 提 条 件 > 1. 無 形 固 定 資 産 として 計 上 されたソフトウェア 制 作 費 の 総 額 300,000 2. 当 該 ソフトウェアの 見 込 有 効 期 間 3 年 3. 販 売 開 始 時 における 総 見 込 販 売 数 量 及 び 総 見 込 販 売 収 益 各 年 度 の 見 込 販 売 数 量 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 数 量 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 数 量 個 3,500 各 年 度 の 見 込 販 売 単 価 各 年 度 の 見 込 販 売 収 益 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 収 益 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 収 益 495,000 初 年 度 個 1,000 200 200,000 2 年 度 1,500 2,500 150 225,000 295,000 3 年 度 1,000 1,000 70 70,000 70,000 ( 本 設 例 では 販 売 が 進 むにつれ 販 売 価 格 の 下 落 する 傾 向 のあるソフトウェアの 特 性 を 加 味 している ) 4. 販 売 初 年 度 及 び2 年 度 は 見 込 みどおりに 販 売 されたが 3 年 度 の 見 込 販 売 数 量 見 込 販 売 収 益 が 下 表 のとおり 減 少 することとなった 初 年 度 及 び2 年 度 の 実 績 販 売 数 量 並 びに3 年 度 の 見 込 販 売 数 量 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 数 量 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 数 量 個 3,500 初 年 度 及 び2 年 度 の 実 績 販 売 単 価 並 びに3 年 度 の 見 込 販 売 単 価 初 年 度 及 び2 年 度 の 実 績 販 売 収 益 並 びに3 年 度 の 見 込 販 売 収 益 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 収 益 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 収 益 495,000 初 年 度 個 1,000 200 200,000 2 年 度 1,500 2,500 150 225,000 295,000 3 年 度 800 800 60 48,000 48,000 3 年 度 の 見 込 販 売 数 量 及 び 見 込 販 売 収 益 が 当 初 の 見 込 みの1,000 個 (70,000 ) に 対 し 800 個 (48,000 )に 減 少 している 5. 過 去 に 見 積 った 見 込 販 売 数 量 ( 又 は 見 込 販 売 収 益 )はその 時 点 での 合 理 的 な 見 積 りに 基 づくものとする - 24 -
< 計 算 例 > イ. 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 減 価 償 却 の 方 法 による 場 合 の 減 価 償 却 額 の 計 算 各 年 度 の 実 績 販 売 数 量 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 数 量 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 数 量 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 各 年 度 の 減 価 償 却 額 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 各 年 度 の 減 価 償 却 実 施 額 (AとBの いずれか 大 きい 金 額 ) 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 ) 又 は 各 年 度 の 期 首 の 未 償 却 残 高 A B 個 個 初 年 度 1,000 3,500 85,714 *a 100,000 *b 100,000 300,000 2 年 度 1,500 2,500 120,000 *c 100,000 *d 120,000 200,000 3 年 度 800 800 80,000 80,000 80,000 80,000 (1) 初 年 度 においては 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 減 価 償 却 額 が 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 を 下 回 ることとなるため 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 をもって 減 価 償 却 費 を 計 上 することとなる ( 初 年 度 における 減 価 償 却 額 の 計 算 ) *a ソフトウェアの 取 得 価 額 1,000 個 = 300,000 3,500 個 当 年 度 の 実 績 販 売 数 量 販 売 開 始 時 の 総 見 込 販 売 数 量 = 85,714 *b ソフトウェアの 取 得 価 額 / 残 存 有 効 期 間 =300,000 /3 年 =100,000 (2) 見 込 販 売 数 量 の 見 直 しの 結 果 2 年 度 末 において 見 込 販 売 数 量 の 変 更 が 行 われた 場 合 の2 年 度 における 減 価 償 却 額 の 計 算 は 以 下 のとおりである なお 本 設 例 では 年 度 末 において 見 込 販 売 数 量 の 変 更 が 行 われたものとしているが 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 は 適 宜 行 われる 可 能 性 があることに 留 意 する 2 年 度 においては 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 減 価 償 却 額 が 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 を 上 回 ることとなるため 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 減 価 償 却 額 をもって 減 価 償 却 費 を 計 上 することとなる (2 年 度 における 減 価 償 却 額 の 計 算 ) *c 当 期 首 未 償 却 残 高 = 200,000 1,500 個 2,500 個 当 年 度 の 実 績 販 売 数 量 期 首 の 見 込 販 売 数 量 = 120,000 *d 当 期 首 未 償 却 残 高 / 残 存 有 効 期 間 =200,000 /2 年 =100,000 (3) 3 年 度 では 当 期 首 の 未 償 却 残 高 を 減 価 償 却 費 として 計 上 することとなる - 25 -
ロ. 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 減 価 償 却 の 方 法 による 場 合 の 減 価 償 却 額 の 計 算 各 年 度 の 実 績 販 売 収 益 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 )の 総 見 込 販 売 収 益 及 び 各 年 度 の 期 首 の 見 込 販 売 収 益 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 各 年 度 の 減 価 償 却 額 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 各 年 度 の 減 価 償 却 実 施 額 (AとBの いずれか 大 きい 金 額 ) 販 売 開 始 時 ( 初 年 度 ) 又 は 各 年 度 の 期 首 の 未 償 却 残 高 A B 初 年 度 200,000 495,000 121,212 *a 100,000 *b 121,212 300,000 2 年 度 225,000 295,000 136,363 *c 89,394 *d 136,363 178,788 3 年 度 48,000 48,000 42,425 42,425 42,425 42,425 (1) 初 年 度 においては 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 減 価 償 却 額 が 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 を 上 回 ることとなるため 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 減 価 償 却 額 をもって 減 価 償 却 費 を 計 上 することとなる ( 初 年 度 における 減 価 償 却 額 の 計 算 ) *a ソフトウェアの 取 得 価 額 = 300,000 当 年 度 の 実 績 販 売 収 益 販 売 開 始 時 の 総 見 込 販 売 収 益 200,000 = 121,212 495,000 *b ソフトウェアの 取 得 価 額 / 残 存 有 効 期 間 =300,000 /3 年 =100,000 (2) 見 込 販 売 収 益 の 見 直 しの 結 果 2 年 度 末 において 見 込 販 売 収 益 の 変 更 が 行 われた 場 合 の2 年 度 における 減 価 償 却 額 の 計 算 は 以 下 のとおりである なお 本 設 例 では 年 度 末 において 見 込 販 売 収 益 の 変 更 が 行 われたものとしているが 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 は 適 宜 行 われる 可 能 性 があることに 留 意 する 2 年 度 においては 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 減 価 償 却 額 が 残 存 有 効 期 間 に 基 づく 均 等 配 分 償 却 額 を 上 回 ることとなるため 見 込 販 売 収 益 に 基 づく 減 価 償 却 額 をもって 減 価 償 却 費 を 計 上 することとなる (2 年 度 における 減 価 償 却 額 の 計 算 ) *c 当 期 首 未 償 却 残 高 = 178,788 当 年 度 の 実 績 販 売 収 益 当 期 首 の 見 込 販 売 収 益 225,000 = 136,363 295,000 *d 当 期 首 未 償 却 残 高 / 残 存 有 効 期 間 =178,788 /2 年 =89,394 (3) 3 年 度 では 当 期 首 の 未 償 却 残 高 を 減 価 償 却 費 として 計 上 することとなる - 26 -
設 例 4 削 除 設 例 5 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 (その5) 各 年 度 末 の 未 償 却 残 高 が 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 を 上 回 ることとなった 場 合 販 売 期 間 の 経 過 に 伴 い 販 売 価 格 の 下 落 する 性 格 を 有 するソフトウェアの 場 合 各 年 度 末 の 未 償 却 残 高 が 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 の 額 を 上 回 る 場 合 が 想 定 される 特 に 見 込 販 売 数 量 に 基 づく 減 価 償 却 の 方 法 を 採 用 した 場 合 には そのような 状 況 が 生 じる 可 能 性 が 高 いものと 考 えられる 例 えば 設 例 1< 計 算 例 >イ と 同 様 の 前 提 条 件 において 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 の 額 と 各 年 度 末 の 未 償 却 残 高 を 対 比 すると 以 下 のとおりである 各 年 度 末 の 未 償 却 残 高 販 売 開 始 時 の 総 見 込 販 売 収 益 及 び 各 年 度 末 の 見 込 販 売 収 益 各 年 度 末 における 見 込 販 売 収 益 を 上 回 る 未 償 却 残 高 の 金 額 A B C=A-B 販 売 開 始 時 300,000 521,000 - 初 年 度 197,143 281,000-2 年 度 68,571 56,000 12,571 3 年 度 - - - 市 場 販 売 目 的 のソフトウェアの 経 済 価 値 は 将 来 の 収 益 獲 得 に 基 づくものと 考 えられるた め 各 年 度 末 の 未 償 却 残 高 が 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 の 額 を 上 回 った 場 合 には 当 該 超 過 額 は 一 時 の 費 用 又 は 損 失 として 処 理 することが 妥 当 である 上 記 の 例 では 2 年 度 末 における 未 償 却 残 高 は68,571 となり 翌 期 以 降 の 見 込 販 売 収 益 56,000 を 上 回 ることとなるため 超 過 額 12,571 については2 年 度 末 において 一 時 の 費 用 又 は 損 失 として 処 理 することが 妥 当 である - 27 -
設 例 6 自 社 利 用 のソフトウェアの 減 価 償 却 の 方 法 < 前 提 条 件 > 1. 自 社 利 用 のソフトウェアの 取 得 価 額 150,000 将 来 の 収 益 獲 得 又 は 費 用 削 減 が 確 実 であるため その 取 得 に 要 した 費 用 を 無 形 固 定 資 産 として 計 上 する 2. 取 得 時 における 当 該 ソフトウェアの 見 込 利 用 可 能 期 間 5 年 3. 償 却 方 法 については 定 額 法 を 採 用 する 4.2 年 度 末 において 利 用 可 能 期 間 の 見 直 しを 行 ったところ 3 年 度 以 降 の 残 存 利 用 可 能 期 間 が2 年 であることが 明 らかとなった( 結 果 として 当 初 からの 利 用 可 能 期 間 は4 年 ) 5. 過 去 に 定 めた 耐 用 年 数 はその 時 点 での 合 理 的 な 見 積 りに 基 づくものとする < 計 算 例 > 各 年 度 の 減 価 償 却 額 取 得 時 又 は 各 年 度 の 期 首 の 未 償 却 残 高 150,000 初 年 度 30,000 2 年 度 30,000 *a 120,000 3 年 度 45,000 *b 90,000 4 年 度 45,000 45,000 5 年 度 - - (2 年 度 の 減 価 償 却 額 の 計 算 ) *a 2 年 度 期 首 の 未 償 却 残 高 当 年 度 の 期 間 / 変 更 前 の 残 存 耐 用 年 数 =120,000 1/4= 30,000 2 年 度 末 において 利 用 可 能 期 間 を 見 直 した 結 果 残 存 耐 用 年 数 の 変 更 が 行 われた 場 合 の2 年 度 における 減 価 償 却 額 の 計 算 は 上 記 のとおりである なお 本 設 例 で は 年 度 末 において 耐 用 年 数 の 変 更 が 行 われたものとしているが 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 は 適 宜 行 われる 可 能 性 があることに 留 意 する (3 年 度 の 減 価 償 却 額 の 計 算 ) *b 3 年 度 期 首 の 未 償 却 残 高 当 年 度 の 期 間 / 変 更 後 の 残 存 耐 用 年 数 =90,000 1/2= 45,000 以 上 - 28 -