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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

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Transcription:

巻 頭 言 解 放 そして 戦 後 70 年 によせて 李 省 展 (キリスト 教 文 化 研 究 所 所 長 ) 昨 年 の 夏 は 記 録 的 な 暑 さでした それに 誘 発 されるように 東 アジアの 政 治 状 況 も 暑 さ を 増 したように 思 えます 戦 後 70 年 を 迎 え 各 国 の 過 去 に 対 する 立 ち 位 置 の 違 いが 鮮 明 になった 夏 でもありました 何 といっても 世 界 的 に 注 目 を 浴 びたのは 安 倍 談 話 だったといえるでしょう 東 アジア でも 植 民 地 支 配 と 侵 略 を 認 め 謝 罪 した 村 山 談 話 (1995 年 )と 安 倍 談 話 との 違 いが 改 めて 意 識 されました 村 山 談 話 は 植 民 地 支 配 と 侵 略 により 多 くの 国 々 とりわけアジア の 国 々 人 々に 対 して 多 大 な 損 害 と 苦 痛 を 与 えた と 認 め 痛 切 な 反 省 の 意 と 心 か らのお 詫 びの 気 持 ち を 表 明 しています 村 山 談 話 で 初 めて 植 民 地 支 配 への 反 省 が 明 ら かに 示 された 意 義 は 大 きいと 考 えられます この 村 山 談 話 が 日 本 のキリスト 教 界 に 与 えた 影 響 もまた 大 きなものでした 韓 国 と 日 本 の 国 交 樹 立 という 新 時 代 を 迎 えて 鈴 木 正 久 牧 師 により 出 されたのが 日 本 キリスト 教 団 の 戦 争 責 任 告 白 (1967 年 )です この 戦 責 告 白 はアジアの 諸 教 会 から 歓 迎 されまし たが 世 の 光 地 の 塩 である 教 会 は あの 戦 争 に 同 調 すべきではありませんでし た とする 告 白 には 残 念 ながら 植 民 地 支 配 に 関 する 言 及 は 皆 無 でした キ リスト 教 界 で 植 民 地 支 配 に 対 する 反 省 を 真 摯 に 表 明 した のが 日 本 聖 公 会 です 戦 後 50 年 に 出 され た 日 本 聖 公 会 の 戦 争 責 任 宣 言 には 戦 後 50 年 を 経 た 今 戦 前 戦 中 に 日 本 国 家 による 植 民 地 支 配 と 侵 略 戦 争 を 支 持 黙 認 した 責 任 を 認 め その 罪 を 告 白 します と 宣 言 されてい ます 村 山 談 話 後 に この 宣 言 が 決 議 されて いることに 注 目 すると 政 治 がまさに 民 間 を リードしたといえます では 安 倍 談 話 の 植 民 地 に 関 する 言 説 はどのようなものだったで しょうか 安 倍 晋 三 首 相 は 韓 国 や 中 国 からの 牽 制 も あり また 協 定 国 であるアメリカからも 大 き な 圧 力 を 受 ける 中 で 談 話 を 練 り 直 さなけれ ばなりませんでした 実 際 談 話 には 間 接 引 用 が 多 く その 語 り 口 や 表 情 からも 本 心 では ない 部 分 を 見 出 したのは 私 だけではないと 思 います その 中 で 植 民 地 支 配 に 関 しては 19 世 紀 の 西 欧 の 植 民 地 支 配 の 潮 流 に 対 する 危 機 感 が 日 本 の 近 代 化 の 原 動 力 となったこ と 日 露 戦 争 がアジア アフリカの 人 々を 勇 気 づけたこと 第 一 次 世 界 大 戦 後 は 植 民 地 支 配 にブレーキがかかったこと 植 民 地 支 配 か らの 永 遠 の 決 別 が 示 されました しかしそこ には 日 本 を 主 語 とした 植 民 地 支 配 責 任 は 見 事 に 欠 如 しています ましてや 日 露 戦 争 が 契 機 となり 大 韓 帝 国 は 植 民 地 となってしまっ たことを 考 えると 日 露 戦 争 に 対 する 称 賛 は 大 いに 疑 問 です 戦 争 とは 対 照 的 に 植 民 地 支 配 に 関 しては 安 倍 首 相 は 自 説 を 通 したとも いえるのです 村 山 富 市 元 首 相 は 安 倍 談 話 は 村 山 談 話 を 継 承 していないと 不 快 感 を 示 しました 朴 槿 恵 大 統 領 は 残 念 な 部 分 はあるがとしながら も 政 治 的 な 判 断 で 受 け 入 れています しかし 村 山 談 話 に 比 べると 植 民 地 支 配 に 関 しては 明 白 に 後 退 していると 考 えられます 村 山 元 首 相 の 継 承 していない という 判 断 の 一 つ 1

には 安 倍 談 話 の 植 民 地 支 配 責 任 欠 如 にもあ ったのではないかと 私 は 思 想 像 しています ( 終 ) キリスト 教 文 化 研 究 所 のあゆみ 準 備 委 員 会 発 足 から 開 所 式 まで キリスト 教 文 化 研 究 所 設 立 準 備 委 員 会 委 員 荒 井 英 子 李 省 展 岩 村 太 郎 ( 事 務 ) 杉 山 信 義 第 1 回 2006 年 4 月 20 日 第 2 回 2006 年 5 月 18 日 第 3 回 2006 年 10 月 5 日 大 学 評 議 会 2006 年 10 月 15 日 資 料 恵 泉 女 学 園 大 学 キリスト 教 文 化 研 究 所 設 立 趣 意 書 恵 泉 女 学 園 大 学 キリスト 教 文 化 研 究 所 規 程 ( 案 ) 2005 年 12 月 22 日 作 成 2006 年 10 月 11 日 修 正 恵 泉 女 学 園 大 学 キリスト 教 文 化 研 究 所 運 営 規 程 ( 案 ) 2005 年 12 月 22 日 キリスト 教 文 化 研 究 所 設 立 にむけて 2006 年 10 月 5 日 研 究 プロジェクト 案 : 宗 教 研 究 の 方 法 論 再 考 カルト 研 究 宗 教 被 害 学 試 論 川 島 堅 二 オウム 以 後 の 日 本 の 宗 教 学 の 動 向 川 島 堅 二 キリスト 教 文 化 研 究 所 ( 仮 称 ) 設 立 に 関 する 教 員 懇 談 会 経 緯 について(2006 年 7 月 6 日 ) 作 成 荒 井 英 子 キリスト 教 文 化 研 究 所 ( 仮 称 ) 設 立 のための 意 見 書 ( 案 ))2004 年 6 月 14 日 キリスト 教 文 化 研 究 所 ( 仮 称 ) 設 置 に 向 けて(2004 年 10 月 10 日 文 責 荒 井 英 子 ) 2005 年 度 第 3 回 人 間 社 会 学 部 教 授 会 学 長 報 告 (2005 年 5 月 26 日 ) 2005 年 度 第 5 回 人 間 社 会 学 部 教 授 会 学 長 報 告 (2005 年 7 月 14 日 )キリスト 教 文 化 研 究 所 設 立 検 討 委 員 会 を 組 織 し 設 立 準 備 委 員 会 を 設 置 すべきかどうかを 判 断 す る 検 討 委 員 会 のメンバーは 岩 村 太 郎 ( 委 員 長 ) 李 省 展 ( 副 委 員 長 ) 川 島 堅 二 荒 井 英 子 とする 2005 年 度 第 12 回 人 間 社 会 学 部 教 授 会 (2006 年 3 月 9 日 ) 研 究 所 に 関 する 将 来 方 針 2005 年 度 第 12 回 人 間 社 会 学 部 教 授 会 ( 定 例 )(2006 年 3 月 9 日 ) 将 来 構 想 :キリスト 教 文 化 研 究 所 を 設 置 予 定 キリスト 教 文 化 研 究 所 発 足 準 備 委 員 会 委 員 木 村 利 人 荒 井 英 子 李 省 展 岩 村 太 郎 関 本 恵 美 子 宇 野 みどり ( 事 務 ) 杉 山 信 義 野 間 良 子 第 1 回 2006 年 11 月 1 日 第 2 回 2006 年 11 月 15 日 第 3 回 2007 年 1 月 10 日 第 4 回 2007 年 1 月 30 日 開 所 式 2007 年 2 月 3 日 ( 土 ) 記 念 礼 拝 司 式 李 省 展 研 究 所 長 記 念 講 演 会 ユダの 福 音 書 原 始 キ リスト 教 におけるその 位 置 付 け 講 師 荒 井 献 ( 本 学 名 誉 教 授 ) 2007~2010 年 度 キリスト 教 文 化 研 究 所 企 画 運 営 委 員 2007~08 年 度 李 省 展 荒 井 英 子 川 島 堅 二 ( 事 務 ) 杉 山 信 義 野 間 良 子 2009 年 度 李 省 展 荒 井 英 子 岩 村 太 郎 ( 半 期 ) 川 島 堅 二 ( 半 期 )( 事 務 ) 小 関 毅 彦 杉 山 信 義 野 間 良 子 2010 年 度 李 省 展 荒 井 英 子 川 島 堅 二 ( 事 務 ) 小 関 毅 彦 杉 山 信 義 野 間 良 子 公 開 講 座 2007 年 度 春 期 8 講 座 秋 期 10 講 座 オルガン 公 開 講 座 海 外 研 修 (8/29~9/7) 2008 年 度 春 期 10 講 座 秋 期 11 講 座 2009 年 度 春 期 12 講 座 秋 期 14 講 座 2010 年 度 春 期 12 講 座 秋 期 14 講 座 2

助 成 研 究 プロジェクト( 代 表 者 テーマ) 2007 年 度 (2 件 ) 荒 井 英 子 熱 河 伝 道 と ホロコースト 川 島 堅 二 宗 教 被 害 の 調 査 研 究 2008 年 度 (3 件 ) 池 上 英 洋 イタリアの 教 会 内 部 天 井 画 の 史 料 収 集 と 整 理 川 島 堅 二 宗 教 被 害 の 調 査 研 究 ( 継 続 ) 関 本 恵 美 子 恵 泉 女 学 園 の 賛 美 集 編 纂 にかかわる 研 究 2009 年 度 (2 件 ) 池 上 英 洋 イエズス 会 派 による 天 井 画 の 撮 影 調 査 と 技 法 分 析 岩 村 太 郎 杉 浦 千 畦 とその 時 代 2010 年 度 (1 件 ) 村 岡 有 香 初 年 次 教 育 における 恵 泉 への 学 びの 充 実 に 向 けた 研 究 サラ スミスと 河 井 道 キリスト 教 史 学 会 共 催 シンポジウム 2007 年 国 家 とキリスト 教 その 歴 史 的 関 係 を 今 に 問 う パネラー 高 橋 哲 也 ( 東 京 大 学 教 授 ) 戒 能 信 生 ( 東 駒 形 教 会 牧 師 ) 斉 藤 小 百 合 ( 本 学 准 教 授 )(9 月 15 日 開 催 ) スプリングフェスティバル 企 画 2007 年 度 講 演 J Sバッハ マタイ 受 難 曲 に 見 る 時 と 永 遠 の 交 錯 講 師 杉 山 好 2008 年 度 映 画 上 映 会 白 バラの 祈 り ソフィー ショル 最 期 の 日 々 2009 年 度 講 演 宗 教 で 読 むアメリカの 大 統 領 ブッシュの 戦 争 からオバマの 国 民 和 解 へ 講 師 栗 林 輝 夫 ( 関 西 学 院 大 学 教 授 ) コメンテーター 蓮 見 博 昭 2010 年 度 講 演 近 現 代 日 本 文 学 とキ リスト 教 の 出 会 い 講 師 森 田 進 恵 泉 祭 ( 秋 の) 企 画 2007 年 度 エドワード サイード OUT OF PLACE 映 画 会 (11 月 11 日 開 催 ) 2008 年 度 シンポジウム 朝 鮮 半 島 とキ リスト 教 南 北 キリスト 教 の 現 状 と 課 題 尹 慶 老 ( 漢 城 大 学 総 長 ) 金 興 洙 ( 牧 園 大 学 教 授 韓 国 基 督 教 歴 史 研 究 所 所 長 ) 徐 正 敏 ( 延 世 大 学 教 授 明 治 学 院 大 学 招 聘 教 授 ) 司 会 李 省 展 ( 研 究 所 長 )(10 月 17 日 開 催 ) 2009 年 度 シンポジウム 救 済 と 暴 力 宗 教 の 救 い を 問 う パネリスト 藤 田 庄 市 (フォト ジャーナリスト) 紀 藤 正 樹 ( 弁 護 士 ) 楠 山 泰 道 ( 日 蓮 宗 僧 侶 日 本 脱 カルト 協 会 代 表 理 事 )(10 月 10 日 開 催 ) 2010 年 度 地 域 と 大 学 を 結 ぶ 市 民 公 開 シンポジウム いのちを 生 きるということ~ 架 け 橋 としての 園 芸 音 楽 対 話 の 場 ~ 基 調 講 演 : 斎 藤 道 雄 ( 清 明 学 園 校 長 ) 樋 野 興 夫 ( 順 天 堂 大 学 教 授 ) ハートフルコンサート 心 をつなぐ 恵 泉 の 音 恵 泉 女 学 園 大 学 聖 歌 隊 ハンドベルクワイア 指 揮 伴 奏 関 本 恵 美 子 パネルディスカッション:パネリスト 澤 登 早 苗 小 林 ひかる 澤 田 みどり 高 柳 亮 子 桃 井 和 馬 (11 月 23 日 開 催 ) 2015 人 権 教 育 セミナーパンフレット 表 紙 挿 絵 人 間 環 境 学 科 3 年 楢 崎 唯 3

書 評 タラル アサド 著 ( 茢 田 真 司 訳 ) 自 爆 テロ 青 土 社 2008 年 齋 藤 小 百 合 ( 人 間 社 会 学 部 国 際 社 会 学 科 ) 2015 年 はフランスの 週 刊 新 聞 (シャル リ エブド 紙 ) 襲 撃 事 件 に 衝 撃 を 受 けている ところへ 過 激 派 組 織 イスラム 国 による 邦 人 人 質 事 件 に 暗 澹 たる 思 いとさせられ 11 月 にはさらにパリでの 同 時 多 発 的 な 襲 撃 事 件 により フランスは 引 き 続 き 非 常 事 態 宣 言 となっている 積 極 的 平 和 主 義 を 掲 げる 安 倍 晋 三 政 権 は 一 昨 年 以 来 矢 継 ぎ 早 に 安 全 保 障 法 制 の 大 転 換 に 邁 進 し 去 年 9 月 には 安 全 保 障 関 連 法 を 成 立 させた さ らに これらの 危 機 を 奇 貨 として 憲 法 に 緊 急 事 態 条 項 を 盛 り 込 む 改 正 に 意 欲 を 見 せつつ 日 本 が 軍 事 的 なオプションを 選 び 取 っていく 道 に 決 定 的 な 一 歩 を 踏 み 出 そう とするかの 様 相 である インターネットを 巧 みに 利 用 した イスラム 国 による 脅 迫 や 自 爆 攻 撃 処 刑 などの 映 像 は まさに 戦 慄 を 覚 え 否 応 なく 危 機 感 を 煽 られる そうして 安 倍 政 権 が 進 みつつある 方 向 に 確 実 に 国 民 感 情 が 引 き 寄 せられつつあるようにも 見 え る それはひと 言 で 言 うならば イスラム 国 による 蛮 行 をイスラーム 主 義 ( 者 ) 一 般 の 責 任 に 拡 散 しつつ イスラームへの 憎 悪 を 増 幅 する イスラモフォビア である ホモフォビアや 嫌 韓 嫌 中 もそうであ るように たいていの フォビア は 対 象 に 対 する 知 識 が 乏 しいことに 起 因 する 全 世 界 に 16 億 人 ともいわれる 信 徒 がいるイスラー ム 教 について 平 均 的 な 日 本 人 はそれほど 多 くの 知 識 を 得 る 機 会 がなかっただろう すで に 9.11 以 降 アメリカを 中 心 に 国 際 社 会 ではテロリズムとイスラームを 安 易 に 結 び つける 発 想 が 定 着 してしまった そこに 今 回 の 事 件 と 一 連 の 報 道 である イスラームへ の 嫌 悪 敵 視 偏 見 が 何 を 生 むだろうか 本 書 自 爆 テロ は 2006 年 5 月 にカリ フォルニア 大 学 アーバイン 校 で 行 われた 講 演 が 土 台 になっている 著 者 タラル アサド は ロシア 系 ユダヤ 人 の 父 の 波 乱 の 生 涯 も 合 わせて 異 文 化 のはざまで 生 きてきた ディ アスポラの 知 識 人 たる 経 歴 が 非 常 に 興 味 を 惹 かれるが それはさておき 本 書 である 本 書 の 核 心 的 な 論 点 は なぜ 西 欧 のリベラル デモクラシー 社 会 において これほどまでに テロリズム(とりわけ 自 爆 テロ)に 戦 慄 する のか という 点 である アサドによれば テ ロ 行 為 それ 自 体 は 非 近 代 的 で 非 リベラルな 文 化 と 不 可 分 のものとして 否 定 されるにも かかわらず テロリズムはリベラルな 主 題 の 不 可 欠 な 主 題 (16 頁 )でもあるという つ まり ヒューマニズムを 特 徴 とするリベラル 社 会 の 価 値 観 においては 自 爆 テロの 行 為 者 が 一 般 市 民 を 殺 すために 自 らを 犠 牲 にした ことが 恐 怖 を 呼 び 起 こす (65 頁 )のである なぜか 戦 慄 は アイデンティティの 解 体 に 対 する 本 質 的 な 反 応 であり 西 欧 リベラリ ズムの 言 説 は 自 爆 テロという 理 解 しがたい 現 実 に 直 面 して まさにアイデンティティが 解 体 される 危 機 に 瀕 するという 恐 怖 の 状 態 に 陥 り 正 確 に 事 態 を 把 握 できないままに 人 間 本 来 の 可 傷 性 を 抑 圧 しつつ < 文 明 / 非 文 明 >の 二 項 対 立 的 思 考 で 問 題 を 対 処 しよ うとする 欺 瞞 なのだ というのである 近 代 リベラル デモクラシーは 人 間 主 義 と 世 俗 主 義 を 公 言 している そして リベ 4

ラルたちは 近 代 ヨーロッパに 大 混 乱 を 引 き 起 こした 宗 教 的 な 熱 狂 から 距 離 をとってい る 宗 教 的 な 残 酷 さに 付 随 する 中 世 的 な 感 覚 は 彼 らに 明 らかに 戦 慄 とみなされる しか し 近 代 の 人 間 主 義 的 な 感 性 の 系 譜 学 は 無 慈 悲 さと 共 感 を 接 続 し 残 忍 な 殺 害 行 為 が この 上 ない 悪 であると 同 時 に 最 高 の 善 であ りうると 主 張 する 近 代 性 そのものにも 不 穏 な 矛 盾 があることは 明 らかではないだろ うか つまり 同 情 と 残 酷 さとの 間 の 矛 盾 と それがリベラルな 精 神 に 戦 慄 を 引 き 起 こす 力 を 持 っていることは 西 洋 に 特 徴 的 なこと なのではないだろうか (126 130 頁 ) わ たしたちはリベラル デモクラシーの 下 に 理 解 することが 困 難 な 存 在 としてたち 現 れ てくる 他 者 に 対 して 自 分 をさらし 二 項 対 立 的 思 考 を 乗 り 越 えて 粘 り 強 く 交 渉 すること ができるのだろうか 自 らが 他 者 に 受 苦 を 強 いるような 加 害 性 を 有 していることへの 感 受 性 が 欠 落 しているのではないか という 問 いとともに 戦 後 70 年 を 超 え 日 本 国 憲 法 公 布 から 70 年 となるこの 年 を テロと の 戦 い に 回 収 されてしまわないよう 心 に 留 めたい ( 終 ) ご 案 内 2016 年 スプリングフェスティバル 特 別 講 演 会 日 時 :2016 年 5 月 28 日 ( 土 ) 10:30~12:00 会 場 :G101 教 室 講 師 : 安 積 力 也 ( 基 督 教 独 立 学 園 高 校 前 校 長 ) テーマ: 今 親 や 教 師 に 何 が 問 われているのか キリスト 教 学 校 現 場 からみえてくるもの エッセイ 東 北 初 のライルオルガン 関 本 恵 美 子 ( 大 学 オルガニスト) 2012 年 2 月 日 本 キリスト 教 団 仙 台 長 町 教 会 のオルガニストより 一 通 のメールが 届 いた 同 教 会 ではパイプオルガンの 設 置 を 検 討 しており ライルオルガン 製 作 所 とコンタ クトを 取 りたいとのことであった 2010 年 にオルガン 見 学 のために 訪 問 した 日 本 キリ スト 教 団 清 瀬 みぎわ 教 会 で 当 時 そちらのオ ルガニストであった 本 学 の 卒 業 生 である 豊 田 まりもさんより 翠 ヶ 丘 教 会 と 私 のことを 紹 介 されたとのことで 卒 業 生 を 通 じてこの ような 新 たな 出 会 いが 与 えられたことを 心 から 嬉 しく 思 ったのであった また 折 しもメ ールを 受 け 取 った 時 私 はライルの 工 房 のあ るオランダのヘールデに 滞 在 中 であり 偶 然 とは 思 えず これには 何 か 秘 められた 計 画 が あるのではないかと 感 じたのであった 2008 年 に 完 成 した 翠 ヶ 丘 教 会 のオルガン 設 置 に 際 し 2006 年 よりそのオルガン 設 置 のためのオルガン アドヴァイザーを 務 めた 日 本 には 現 在 1000 台 ほどのパイプオルガン が 設 置 されているが 新 しいオルガンの 設 置 に 始 めから 関 わる 経 験 は オルガニストであ ってもなかなか 経 験 できるものではない 幸 いにも 私 にとっては 2002 年 に 完 成 した 本 学 チャペルのライルオルガン 設 置 に 携 わっ た 経 験 以 来 2 台 目 のオルガンであった 本 学 のオルガン 設 置 の 際 は 私 にとって 全 てが 初 めての 経 験 であり オルガン アドヴ ァイザーを 担 ってくださった 東 京 藝 術 大 学 5

名 誉 教 授 廣 野 嗣 雄 先 生 に 頼 りきりであった しかし 廣 野 先 生 のお 働 きを 傍 らで 拝 見 する 中 で 多 くのことを 学 び オルガン アドヴ ァイザーとしての 働 きを 一 から 教 えていた だく 貴 重 な 時 となったのであった オルガン アドヴァイザーの 働 きは オル ガン 製 作 所 との 契 約 から 始 まり 工 房 での 製 作 過 程 解 体 したオルガンを 積 み 込 んだコン テナの 輸 入 業 務 日 本 の 港 から 設 置 場 所 への 運 搬 設 置 場 所 での 組 み 立 てから 整 音 完 成 に 至 るまでを オルガン 製 作 所 とオルガン 注 文 者 との 間 に 立 って 交 渉 説 明 アドヴァ イス 通 訳 などを 一 手 に 引 き 受 けるものであ り その 働 きは 多 岐 に 渡 る オルガン アドヴァイザーとして2 台 目 新 しいオルガン 設 置 に 携 わることでは3 台 目 となった 仙 台 長 町 教 会 のオルガンは 東 日 本 大 震 災 からまだ1 年 ほどしかたっていな い 時 であり 礼 拝 堂 の 建 て 替 えと 同 時 進 行 で 計 画 されたものであったため 様 々な 課 題 を 抱 えつつ 歩 み 出 した オルガニストから 初 め て 連 絡 をいただいてから 契 約 に 至 るまでは 5ヶ 月 と 比 較 的 短 期 間 で 進 んだのではある が 最 終 的 にライルオルガン 製 作 所 に 製 作 を 依 頼 することを 教 会 が 決 議 するまでには 大 きな 山 を 越 える 必 要 があった しかし 東 京 在 住 のオルガニストのご 家 族 が 本 学 を 訪 れ オルガンの 音 を 録 音 されたものを 教 会 の 皆 さんが 聴 き その 優 しく 包 み 込 むような 音 に 感 動 され 私 たちもこのような 暖 かなオル ガンの 音 と 共 に 賛 美 をしたい との 想 いが 一 致 したとのことであった 恵 泉 女 学 園 大 学 の オルガンが 東 北 の 地 に 新 たな 息 吹 を 吹 き 込 むためのきっかけとなったことに 大 きな 喜 びを 感 じたのであった ライルオルガン 製 作 所 は 1934 年 に 現 在 の 社 長 であるハンス ライル 氏 の 祖 父 にあた るヨハン ライル 氏 がオルガン パーツ 工 房 として 始 めた 家 族 経 営 の 製 作 所 である 1960 年 にヨハン ライル 氏 が 突 如 天 に 召 さ れた 後 は 2 人 の 息 子 たちが 経 営 を 引 き 継 ぎ 歴 史 的 オルガンの 宝 庫 といわれるオランダ にあって 現 代 のオルガンよりも 300 年 400 年 の 歴 史 を 歩 んだオルガンの 方 が 美 し く 歌 う 音 を 奏 でるのはなぜなのだろうかと の 疑 問 から 発 して 歴 史 的 オルガンの 修 復 に 多 数 携 わる 働 きを 通 して 歌 うオルガン の 研 究 をし 続 けている 工 房 である 新 しいオ ルガンの 製 作 においては 歴 史 的 オルガンの 複 製 を 創 ることから 始 まったが そこに 留 ま ることなく 伝 統 を 取 り 入 れつつも それら の 研 究 から 得 た 知 識 をより 発 展 させ そのオ ルガンが 置 かれる 場 に 最 もふさわしい 形 音 色 音 量 などを 考 え 抜 いた 上 でそれらの 研 究 の 成 果 が 活 きたオルガンが 生 み 出 されてい る そのため 一 台 として 同 じオルガンは 無 い 日 本 のオルガン 界 では 未 だにライルオル ガン 製 作 所 はバロックタイプのオルガンを 製 作 する 工 房 との 認 識 が 一 般 的 であるが 既 にそこから 新 たな 歩 みは 進 み 始 めており 常 に 発 展 し 続 け 他 にはないライル 独 自 のオル ガンを 製 作 しているのである ライルオルガン 製 作 所 の 人 々は 一 台 のオ ルガンを 製 作 するにあたって そのオルガン が 設 置 される 空 間 の 広 さや 響 きを 知 ること だけではなく そのオルガンを 奏 でていく 人 々 また 教 会 の 場 合 そのオルガンで 賛 美 をしていく 教 会 員 の 皆 さんと 実 際 に 出 会 い 語 り 合 うことによって それらの 人 々と 教 会 の 雰 囲 気 を 感 じ この 教 会 にとって 最 もふさ わしい 音 がどのようなものかを 熟 慮 し パイ プの 一 本 一 本 に 小 さなパーツ 一 つにまで 6

深 い 愛 情 を 込 めて 製 作 している 仙 台 長 町 教 会 では 新 礼 拝 堂 の 建 築 中 に 仮 会 堂 にて 社 長 であるハンス ライル 氏 と 教 会 員 有 志 との 懇 談 会 がもたれたが 会 の 始 めは 緊 張 した 面 持 ちで 出 席 されていた 教 会 員 が ライル 氏 のフ レンドリーなお 人 柄 に 心 がほぐされたよう で 会 を 閉 じる 頃 には 皆 さんが 優 しい 笑 顔 に なっていたことが 非 常 に 印 象 的 であった 東 日 本 大 震 災 を 経 験 した 地 にあって 仙 台 長 町 教 会 のオルガンの 耐 震 対 策 については ライルオルガン 製 作 所 のこれまでの 日 本 で の 経 験 と 新 礼 拝 堂 の 設 計 会 社 施 工 会 社 の 知 恵 と 知 識 を 結 集 し 万 全 のものとした ハン ス ライル 氏 も 同 席 して2 度 の 会 議 を 重 ね お 互 いに 信 頼 関 係 を 深 めたことが その 後 の スムーズな 流 れに 結 びついたようだ オルガンは 設 置 される 建 物 の 一 部 となる 楽 器 であり その 空 間 の 響 きはオルガンにと って 非 常 に 重 要 である 仙 台 長 町 教 会 は 空 席 時 1.41 秒 満 席 時 1.19 秒 と 比 較 的 短 い 残 響 の 礼 拝 堂 に 設 計 されたため オルガンの 音 がどのように 響 くのかと 心 配 したが 卓 越 し た 技 術 と 豊 かな 感 性 をもったライルオルガ ン 製 作 所 の 整 音 師 たちにより これまで 日 本 の 残 響 の 少 ない 教 会 で 聴 いたオルガンとは 全 く 印 象 の 異 なる 暖 かく 包 容 力 のある 音 が 生 み 出 された それらは 10 日 間 という 限 られた 期 間 に 整 音 師 たちが 最 高 の 集 中 力 を もって 耳 を 研 ぎ 澄 まし 一 音 一 音 がその 空 間 で 最 も 美 しい 響 きを 生 み 出 す 瞬 間 を 逃 さず に 音 創 りをした 賜 物 である 初 めてこのオル ガンの 音 を 聴 いた 時 には 心 の 中 で 凍 りつい ていたものが 全 て 溶 け 出 すかのような 感 覚 を 味 わい 暖 かいぬくもりに 包 まれ 心 の 底 から 喜 びを 感 じたのであった 2014 年 11 月 に 完 成 した 仙 台 長 町 教 会 の ライルオルガンは 4 ヶ 月 後 の 2015 年 3 月 にオルガン 奉 献 式 が 執 り 行 われ 3 年 に 渡 る オルガン アドヴァイザーの 働 きが 終 了 した オルガン 奉 献 式 の 中 で 奉 献 演 奏 をするにあ たってひとことご 挨 拶 をしたが 語 っている うちに このオルガンは 東 北 地 方 では 初 めて となるライルオルガンであるが それはまさ に 東 日 本 大 震 災 による 大 きな 痛 みをかかえ た 地 にあって 今 なお 深 い 悲 しみと 希 望 の 見 いだせない 日 々をすごす 多 くの 人 々の 心 に 暖 かな 光 りを 灯 すために 与 えられたオルガ ンであると 確 信 したのであった そしてその ようなオルガンの 誕 生 のために 私 自 身 に 与 えられている 賜 物 を 生 かすことができた 恵 みを 深 くかみしめた 恵 泉 女 学 園 大 学 にライルオルガンが 設 置 されてから 13 年 の 時 がたったが オルガン が 与 えられる 前 には 予 想 もしなかった 様 々 な 経 験 と 働 きが 準 備 されており 一 台 のオル ガンから 尽 きることのない 興 味 と 探 求 心 多 くの 出 会 いと 学 びを 与 えられている これか ら 先 の 新 たな 出 会 いとライルオルガンの 更 なる 発 展 を 楽 しみにしつつ 研 鑽 を 重 ねてい きたいと 思 っている ( 終 ) 仙 台 長 町 教 会 パイプオルガン 7

2015 年 度 キリ 文 研 主 催 公 開 講 座 助 成 研 究 プロジェクト 講 演 研 究 会 等 公 開 講 座 春 期 秋 期 ( 連 続 ) マルコ 福 音 書 を 読 む( 全 10 回 ) 講 師 山 口 里 子 キリスト 教 と 文 学 ( 全 7 回 ) 講 師 柴 崎 聰 チャペルで 弾 くパイプオルガン XXI ビギナークラ ス 全 17 回 講 師 関 本 恵 美 子 チャペルで 弾 くパイプオルガン XXI アドヴァンス 報 告 者 Pamela L. Novick( 人 文 学 部 教 授 ) 大 町 麻 衣 ( 学 園 史 料 室 室 員 ) 開 催 協 力 第 26 回 全 国 キリスト 教 学 校 人 権 教 育 セミナ ー( 会 場 校 ) 日 時 :2015 年 8 月 18( 火 ) 19 日 ( 水 ) テーマ: 子 どものいのちと 人 権 キリスト 教 学 校 の 教 育 課 題 基 調 報 告 李 省 展 開 会 礼 拝 浜 﨑 眞 実 / 聖 書 研 究 荒 井 献 戦 後 70 年 特 別 講 演 講 師 内 海 愛 子 ドクラス 全 16 回 講 師 関 本 恵 美 子 主 催 : 全 国 キリスト 教 学 校 人 権 教 育 研 究 協 議 会 第 オルガンの 魅 力 を 探 る J.S.バッハの 森 2 XVI 全 14 回 講 師 関 本 恵 美 子 2015 年 度 助 成 研 究 (メンバー テーマ) 共 同 プロジェクト 2 件 李 省 展 木 下 隆 雄 小 檜 山 ルイ 出 岡 学 楽 道 院 ( 中 国 山 東 省 )における 日 本 軍 に よる 欧 米 人 強 制 収 容 所 に 関 する 基 礎 研 究 ( 平 文 研 ) Pamela L. Novick, Masako Tsuchiya The Search for, and review of documents held by Bryn Mawr College and Smith College s YWCA collection to enhance the creation of the Data Base & Research Guide to the Records and Documents of Michi Mawai (1910-1953) スプリングフェスティバル 特 別 講 演 講 師 : 大 西 春 樹 ( 明 治 学 院 大 学 教 授 キリス ト 教 史 学 会 理 事 長 ) 日 時 :5 月 30 日 11:00~12:30 会 場 : 恵 泉 女 学 園 大 学 チャペル テーマ:キリスト 教 主 義 大 学 の 現 状 と 課 題 学 内 研 究 会 日 時 :2016 年 2 月 25 日 ( 木 ) 会 場 :G-101 教 室 テーマ: 河 井 道 資 料 の 現 在 26 回 全 国 キリスト 教 学 校 人 権 教 育 セミナー 実 行 委 員 会 =================== 2015 年 度 恵 泉 女 学 園 大 学 キリスト 教 文 化 研 究 所 ( 所 長 ) 李 省 展 人 間 社 会 学 部 教 授 ( 所 員 ) 斎 藤 小 百 合 人 間 社 会 学 部 教 授 Ken Fujioka 人 文 学 部 教 授 関 本 恵 美 子 キリスト 教 文 化 研 究 所 准 教 授 ( 事 務 ) 大 沼 美 知 子 研 究 機 構 事 務 室 長 土 屋 昌 子 研 究 機 構 事 務 室 * としてキリスト 教 文 化 研 究 所 発 足 から 2010 年 度 までの 資 料 を 掲 載 しました 2011 年 以 降 は 次 号 に 掲 載 予 定 です * 待 望 の をお 届 けします ご 意 見 ご 感 想 をお 寄 せ 下 さい キリスト 教 文 化 研 究 所 通 信 発 行 日 2016 年 3 月 30 日 発 行 恵 泉 女 学 園 大 学 キリスト 教 文 化 研 究 所 編 集 恵 泉 女 学 園 大 学 研 究 機 構 事 務 室 206-8596 多 摩 市 南 野 2-10-1 042-376-8332 Fax 042-376-8426 E-mail; kenkyujo@keisen.ac.jp URL;www.keisen.ac.jp 8