資 料 1 第 3 回 検 討 会 における 主 な 意 見 ( 案 ) <NICTにおけるICT 利 活 用 技 術 の 研 究 開 発 ( 細 川 委 員 報 告 )> NICT( 独 立 行 政 法 人 情 報 通 信 研 究 機 構 )では 1ネットワーク 基 盤 技 術 2ユニバ ーサルコミュニケーション 基 盤 技 術 3 電 磁 波 センシング 基 盤 技 術 4 未 来 ICT 基 盤 技 術 の4つの 重 点 分 野 に 取 り 組 んでいる ( 電 磁 波 によるセンシング) 気 象 のリモートセンシング 技 術 として 10 秒 から30 秒 で3 次 元 立 体 的 に 雨 雲 の 分 布 を 測 定 できる 技 術 レーザーを 出 しその 反 射 光 で 風 やPM2.5などの 微 小 粒 子 など 大 気 の 様 子 を 測 定 する 技 術 人 工 衛 星 から 全 世 界 の 降 水 量 を 観 測 する 技 術 を 開 発 している 合 成 開 口 レーダーとして 飛 行 機 から 夜 でも 雲 や 噴 煙 の 影 響 を 受 けずに 一 度 に 幅 約 5 kmを 分 解 能 30cmで 撮 影 できる 技 術 がある 東 日 本 大 震 災 でも 夜 間 に 津 波 の 範 囲 を いち 早 く 撮 影 することができた 農 業 の 監 視 等 にも 役 立 つのでは (データ 伝 送 蓄 積 ) 使 わないときにスリープ 状 態 にすることで 送 信 出 力 が 強 力 にもかかわらず 省 電 力 な 通 信 方 式 を 持 っている 電 力 会 社 のスマートメーターに 採 用 されており 単 三 乾 電 池 3 個 で 10 年 間 動 き 単 価 が 数 百 円 以 下 となっている 農 業 用 のセンサーへの 活 用 においても 通 信 量 が 少 なくかつ 定 期 的 な 通 信 が 想 定 されるので 適 していると 考 えられる この 通 信 方 式 は NICTとして 技 術 開 発 して 標 準 化 するだけではなくて 企 業 連 携 の 組 織 を 形 成 した 基 地 局 がネットワーク 構 成 機 能 とサーバー 機 能 も 持 ち 災 害 のときにインターネットが 切 れても 自 立 してネットワークを 維 持 する 技 術 がある 2~4 時 間 飛 行 できる 無 人 航 空 機 に 通 信 モジュールを 付 け 無 線 リレー 通 信 をするシス テムの 研 究 をしている 災 害 で 情 報 インフラが 壊 れてしまった 地 域 でも この 飛 行 機 でネ ットワークが 作 ることができる また 山 奥 でもこの 飛 行 機 で 野 生 動 物 につけたGPSを 観 測 できるので 自 治 体 と 鳥 獣 害 対 策 に 用 いる 実 証 協 力 をし 始 めている GPSの 届 かない 室 内 で 情 報 通 信 し 位 置 を 特 定 できる 技 術 を 開 発 している ショッピン グセンターでのお 客 の 行 動 観 測 や 倉 庫 での 作 業 員 や 作 業 者 の 位 置 管 理 する 実 証 実 験 をや っている 農 業 の 流 通 でも 役 立 つと 思 われる 1
(データ 分 析 ) 災 害 時 にミニブログ 等 のデータを 集 めて 解 析 して 危 険 情 報 を 抽 出 する 技 術 を 開 発 して いる 去 年 の 筑 波 の 竜 巻 ではテレビ 局 の 緊 急 放 送 よりも 10 分 20 分 早 く 警 報 を 出 せた 可 能 性 があった ( 技 術 の 実 証 利 活 用 ) NICTが 持 っているセンサー 技 術 を 現 実 世 界 に 役 立 てていくため センサーで 観 測 し てデータを 収 集 すること 収 集 したデータを 伝 送 すること それを 分 析 して 最 終 的 には 役 立 てていくことを 現 在 様 々な 分 野 でテストベッドとして 行 っている データを 収 集 分 析 見 える 化 して 社 会 に 役 立 てていくサイクルを 作 っていくために ソーシャルICT 研 究 推 進 センターをこの4 月 1 日 に 発 足 させた 農 業 も サイクルに 応 用 していく1つの 重 要 な 課 題 だと 考 えている < 第 2 回 検 討 会 における 主 な 意 見 に 対 して> ( 情 報 の) 双 方 向 性 の 取 組 みとして 静 岡 県 袋 井 市 の 事 例 がある 箱 詰 めしたメロンに QRコードをつけ 消 費 者 がスマートフォンで 読 み 取 ることで 食 べ 頃 生 産 者 名 等 を 確 認 できる 取 組 みである この 仕 組 みを 応 用 すれば 消 費 者 の 意 見 を 集 められる このように 新 しい 技 術 ではなく 既 存 の 技 術 でもうまくシステムを 組 めば( 双 方 向 の コミュニケーションなど) 結 構 できることがあるので そういう 事 例 を 検 討 してみるべき 個 々の 農 産 物 に 識 別 子 をつけインターネットで 消 費 者 に 情 報 提 供 する 仕 組 みは10 年 以 上 前 に 特 許 が 取 られている < 研 究 戦 略 についての 意 見 > 1 2. 研 究 を 巡 る 現 状 について ( 生 産 者 生 産 現 場 の 立 場 ) ICTは 大 きく 分 けてクラウド 型 アプリケーションのようなソフトウェア 的 なものと 環 境 制 御 装 置 のようなハードウェア 的 なものがあり 導 入 においてコストが 問 題 となって いるのは 後 者 である システムの 使 い 勝 手 よりも データをどう 活 用 するかが 課 題 となっている タブレットのような 端 末 は 現 場 で 使 えなくても 事 務 所 で 戻 ってから 入 力 すればよく こ れがハードルではないと 考 える むしろウェアラブルみたいな 感 じで 農 作 業 をやりながら 自 然 に 情 報 がとれるような 技 術 が 期 待 される 2
情 報 が 標 準 化 されたデータベースとして 一 カ 所 に 集 約 させるのではなく 情 報 のやりと りするための 標 準 化 したフォーマットを 開 発 した 方 がいい マーケット 規 模 の 将 来 予 測 について 他 社 では 控 えめな 数 値 を 出 しており 誤 解 を 生 む 複 数 の 数 値 が 示 されるべき ( 流 通 の 立 場 ) ( 生 産 者 等 が 自 由 に 活 用 できる 農 林 水 産 物 専 用 のネット 通 販 サイト 等 はない 状 況 と の 記 述 については ) 農 産 物 を 取 り 扱 う 通 販 サイトや 決 済 機 能 はないが 無 料 で 使 えるカタ ログサイトは 今 もある ただ 決 済 機 能 があり 自 由 に 使 えるサイトはない 状 況 である 表 現 の 工 夫 が 必 要 流 通 の 立 場 でもICT 導 入 の 課 題 として 導 入 による 収 益 の 増 加 がはっきり 見 通 せない ケースが 多 い 今 後 のICTの 技 術 を 持 ってすれば 大 規 模 高 度 な 施 設 だけではなくて 小 規 模 農 家 も 対 象 にすれば バリューチェーンが 構 築 され より 付 加 価 値 の 高 い 農 産 物 が 流 通 させる ことができる (ICT 提 供 の 立 場 ) ICT 活 用 の 現 状 について 施 設 園 芸 や 農 薬 使 用 管 理 などに 絞 って 記 述 する 必 要 はない 特 に 農 薬 使 用 管 理 が 収 益 に 結 びつくわけではないので 修 正 が 適 当 最 近 の 通 信 キャリアの 動 きとしては 自 らが 持 っているいろいろな 情 報 をオープンにし て 今 まで 自 社 でサービス 提 供 していたインターフェースをAPI(アプリケーションプ ログラミングインタフェース) 1 という 形 で 解 放 してベンチャーや 異 業 種 の 企 業 が 使 いや すい 形 で 提 供 して 多 くのアイデアをサービスや 事 業 に 転 化 する 動 きがある そのようなイ ンターフェースの 解 放 とアイデアを 外 に 求 める 最 近 の 傾 向 を 記 述 すべき ビッグデータの 活 用 の 具 体 的 な 動 きでハッカソン 2 などいろいろな 営 みがあり このよ うな 中 で 今 回 の 研 究 が 実 用 化 につながる 部 分 を 記 載 して 欲 しい 1 コンピュータプログラム(ソフトウェア)の 機 能 や 管 理 するデータなどを 外 部 の 他 のプログラムから 呼 び 出 して 利 用 するための 手 順 やデータ 形 式 などを 定 めた 規 約 のこと 個 々の 開 発 者 は API に 従 って 機 能 を 呼 び 出 す 短 いプログラムを 記 述 するだけで 自 分 でプログラミングすることなくその 機 能 を 利 用 したソフトウェア を 作 成 することができる (IT 用 語 辞 典 e-words より 引 用 ) 2 ハック と マラソン からの 造 語 ソフトウエア 開 発 者 が 一 定 期 間 集 中 的 にプログラムの 開 発 やサ ービスの 考 案 などの 共 同 作 業 を 行 い その 技 能 やアイデアを 競 う 催 し 期 間 はふつう 数 時 間 から 数 日 程 度 企 業 内 で 研 修 の 一 環 として 行 われるほか 大 手 企 業 が 広 く 外 部 から 参 加 者 を 集 めて 自 社 の 製 品 やサービスに 役 立 つアイデアを 競 わせたり ベンチャーキャピタルによる 出 資 対 象 の 選 定 に 利 用 されたりする (デジタル 大 辞 泉 より 引 用 ) 3
提 供 する 側 がそのシステムはどれだけ 収 益 の 増 加 と 労 力 の 軽 減 のそれぞれのメリット について 評 価 した 上 で これを 示 すことが 重 要 これがないと 生 産 者 側 も 流 通 側 も(そ のシステムを) 導 入 することができない 2 3. 研 究 の 推 進 方 向 について ( 全 体 ) サービスの 提 供 者 のみならず 受 け 手 により 重 きを 置 いてサービス 設 計 を 行 っていく ようなことを 示 すのに サービスサイエンス という 言 葉 がある ( 研 究 の 目 的 ) 研 究 を 進 めるに 当 たっての 大 目 的 として 農 業 ICTを 普 及 させることではないし 生 産 者 の 収 量 が 増 加 する 事 だけでもなく その 先 にある 競 争 力 を 高 めていくことや 海 外 で 外 貨 を 獲 得 できるような 新 産 業 を 創 出 するといったことがあると 考 える 目 的 にそのあ たりの 記 載 が 必 要 現 在 の 農 畜 産 物 に 対 して 国 民 が 望 んでいるのは 価 格 もさることながら 安 全 で 健 康 的 な 農 畜 産 物 が 手 に 入 ること 成 果 目 標 の 一 つに 掲 げるべき 安 全 で 健 康 に 資 する 品 質 保 証 み たいな 言 葉 が 出 てくると 非 常 にわかりやすい 農 業 生 産 者 にとって ICTはコストが 非 常 にかかるというイメージがあるので 導 入 によりコスト 削 減 につながると 伝 わることが 重 要 ( 研 究 の 内 容 ) 栽 培 情 報 は 競 争 の 中 で 秘 密 にしなければいけない 部 分 がある ただ 日 本 の 農 業 が 競 争 力 を 付 けていくためには 生 産 者 どうしが 切 磋 琢 磨 して 栽 培 技 術 を 高 め 合 っていく 必 要 が ある こうした 思 いを 持 っている 生 産 者 が 簡 単 に 情 報 を 公 開 できるシステムができれば 急 激 に 発 展 する 可 能 性 がある データベースの 開 発 では 登 録 されている 情 報 を 利 用 する 段 階 において たとえば 農 薬 取 締 法 のような 制 度 に 基 づく 情 報 が 必 ずしも 利 用 しやすいものになっていない 場 合 があ る 制 度 の 有 り 様 を 研 究 の 要 素 に 加 味 すればより 実 用 的 なものになる データベースに 蓄 積 されている 情 報 を 欲 している 方 が 取 り 出 しやすい 形 式 で 出 力 する ことが 重 要 既 存 の 技 術 や 特 許 が 多 数 ある 本 研 究 で 重 複 するものを 新 たにやっても 効 率 的 ではない ので 研 究 の 実 施 に 際 してはあらかじめ 既 存 の 研 究 成 果 特 許 技 術 のレビューを 行 い これらがなぜ 普 及 しないのか 検 証 した 上 で 新 たな 研 究 を 進 めるべき 4
新 しい 技 術 を 開 発 するのではなく 既 存 の 技 術 をうまく 組 み 合 わせてマッシュアップ 3 していくことも 重 要 な 研 究 である 通 信 プロトコルの 標 準 化 についてでは 既 に 標 準 化 さ れた 技 術 があるので それを 利 活 用 していくべき 各 種 コンテンツの 開 発 の 中 に 生 産 者 の 連 携 を 推 進 していくためのシステムが 欲 しい 3 4. 留 意 事 項 について 生 産 者 とりわけ 数 年 後 十 数 年 後 に 高 い 競 争 力 を 持 ったり 地 域 を 担 ったりする 可 能 性 のある 生 産 者 ( 大 規 模 な 農 家 だけでなく 小 規 模 でも 高 い 競 争 力 を 有 したり 地 域 を 担 う 等 を 含 む)が 研 究 の 中 に 入 ることとしてほしい 農 業 にICTを 導 入 していくというのは 一 般 的 な 公 式 で 全 ての 農 業 に 当 てはめていく というものではなくて どの 作 物 でどのくらいの 規 模 を 想 定 して 効 果 を 測 定 していくとい うふうに 具 体 的 なことを 求 める 形 で 記 述 することが 妥 当 最 先 端 の 技 術 は 新 しいブレイクスルーを 生 むので ITベンチャー 等 の 巻 き 込 みを 非 常 に 期 待 する 一 方 既 存 の 団 体 がある 中 で 技 術 研 究 組 合 のようなものが 必 要 かについては 疑 問 4 ロードマップ について 活 用 方 法 の 検 証 実 証 が データベースの 構 築 インターフェースの 開 発 の 矢 印 から 出 ているが マーケットインの 発 想 で 研 究 を 進 めるべき このため どういう 場 面 で どういうビジネスモデルで 使 うのかを 示 してもらい これを 受 けて 研 究 者 がそのため のシステムを 作 ることが 重 要 以 上 3 Web 上 に 提 供 されている 情 報 やサービスなどを 組 み 合 わせて 新 しいソフトウェアやサービス データベ ースなどを 作 ること Web 2.0 の 構 成 要 素 として 注 目 されている Google や Yahoo Microsoft などが 提 供 する 地 図 サービス Amazon が 提 供 する 商 品 情 報 など 自 社 の 技 術 を Web サービスとして API を 公 開 する ケースが 増 えてきており これらの 機 能 に 独 自 のユーザーインターフェイスを 組 み 合 わせて 新 しいサービ スが 提 供 されている (IT 用 語 辞 典 e-words より 引 用 ) 5