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博 士 学 位 論 文 内 容 の 要 旨 および 審 査 の 結 果 の 要 旨 ( 平 成 25 年 度 授 与 分 ) 第 16 号 平 成 26 年 5 月 富 山 県 立 大 学

目 次 論 文 博 士 ( 学 位 の 種 類 )( 学 位 記 番 号 ) ( 氏 名 ) ( 論 文 題 目 ) ( 頁 ) 博 士 ( 工 学 ) 論 博 生 第 7 号 安 川 和 志 New enzymaticsyntheticmethodsof chiralaminoacidsandamines 1

やす かわ かず ゆき 氏 名 安 川 和 志 学 位 の 種 類 博 士 ( 工 学 ) 学 位 授 与 日 平 成 26 年 3 月 24 日 論 文 題 目 New enzymaticsyntheticmethodsof chiralaminoacidsandamines ( 光 学 活 性 アミノ 酸 とアミンの 新 規 不 斉 合 成 法 に 関 する 研 究 ) 論 文 審 査 委 員 ( 主 査 ) 富 山 県 立 大 学 教 授 浅 野 泰 久 関 西 大 学 教 授 加 藤 康 夫 教 授 中 島 範 行 准 教 授 米 田 英 伸 教 授 老 川 典 夫 内 容 の 要 旨 光 学 活 性 アミノ 酸 およびアミン 化 合 物 は 農 薬 や 医 薬 品 などの 重 要 な 合 成 中 間 体 である それらをよ り 効 率 的 に 生 産 する 手 法 の 開 発 は 基 礎 および 応 用 の 両 面 から 注 目 を 集 めている 光 学 活 性 アミノ 酸 の 合 成 には 1) 不 斉 有 機 合 成 技 術 を 利 用 する 製 造 法 2) 光 学 分 割 剤 を 利 用 する 製 造 法 および3) 酵 素 触 媒 を 利 用 する 製 造 法 などを 挙 げることができる 1)の 手 法 には 不 斉 Strecker 合 成 や 不 斉 C Cカ ップリング 反 応 などがある これらの 合 成 法 の 問 題 点 として 触 媒 にかかるコストおよび 触 媒 除 去 に 関 わる 操 作 の 煩 雑 さが 挙 げられる 2)の 手 法 は 古 くに 開 始 され 現 在 も 広 く 利 用 されているが 用 いる 光 学 分 割 剤 は 高 価 であり 入 手 が 難 しい また 光 学 分 割 剤 と 光 学 活 性 アミノ 酸 の 分 液 抽 出 は 酸 や 塩 基 の 添 加 による 中 和 を 経 なければならないため それらの 回 収 操 作 は 煩 雑 である 3)の 手 法 では 非 天 然 型 L アミノ 酸 やD アミノ 酸 については 発 酵 による 生 産 法 が 確 立 されておらず 酵 素 を 用 いる 変 換 法 が 主 である 酵 素 法 では 生 産 できるアミノ 酸 の 種 類 が 酵 素 の 基 質 特 異 性 に 依 存 するため 特 定 のアミノ 酸 のみにしか 適 用 できない 場 合 が 多 い また 酵 素 反 応 の 温 度 ph 基 質 濃 度 溶 媒 などの 条 件 は 限 定 されており 使 用 条 件 を 逸 脱 すると 酵 素 活 性 は 著 しく 低 下 してしまうなどの 問 題 点 を 有 している 一 方 光 学 活 性 アミンの 合 成 法 としては 主 に 酒 石 酸 酒 石 酸 誘 導 体 光 学 活 性 マンデル 酸 などとジ アステレオマー 塩 を 作 り 晶 析 を 行 う 方 法 ラセミ 体 アミンのリパーゼを 用 いるアミド 形 成 反 応 による 方 1

法 およびアミントランスアミナーゼを 用 いる 方 法 が 知 られているが いずれの 方 法 も 光 学 分 割 法 であ るため 理 論 収 率 は50%を 越 えることがない また これらの 方 法 は 未 反 応 の 基 質 と 生 成 物 を 分 離 しな ければならず その 工 程 は 煩 雑 さを 伴 う 問 題 点 がある 近 年 では S 立 体 選 択 的 なアミンオキシダー ゼと 還 元 剤 を 同 時 に 用 いる ラセミ 体 アミンからR 体 アミンへのデラセミ 化 法 に 関 する 研 究 が 行 われて いる しかし R 立 体 選 択 的 なアミンオキシダーゼに 関 する 知 見 は 無 く デラセミ 化 法 によるS 体 アミ ンの 合 成 法 は 報 告 されていない 本 研 究 は α アミノニトリルのダイナミックな 光 学 分 割 (DKR)による 光 学 活 性 アミノ 酸 の 合 成 およびラセミ 体 アミンのデラセミ 化 法 による(S) アミンの 合 成 に 関 するものである 第 一 章 から 第 三 章 では α アミノニトリルのDKR 法 による 光 学 活 性 アミノ 酸 の 合 成 に 関 して 第 四 章 では 新 規 に 開 発 したR 立 体 選 択 的 アミンオキシダーゼを 用 いるラセミ 体 アミンのデラセミ 化 法 によるS 体 アミンの 合 成 法 について 記 載 した 第 一 章 では α アミノニトリルを 基 質 とするNHaseの 酵 素 化 学 的 諸 性 質 の 解 明 を 行 い それを 用 いる DKR 法 によるα アミノニトリルから 光 学 活 性 アミノ 酸 への 変 換 を 述 べている ラセミ 体 α アミノニト リルから 光 学 活 性 アミノ 酸 を 得 る 酵 素 的 方 法 としては 1)ニトリルヒドラターゼ(NHase)と 立 体 選 択 的 なアミダーゼを 組 合 わせる 方 法 および2) 立 体 選 択 的 なニトリラーゼを 用 いる 方 法 がある しか し 両 方 法 とも 光 学 分 割 法 であるので 得 られる 光 学 活 性 アミノ 酸 の 収 率 は 最 大 で50%を 上 回 ること はない 土 壌 サンプルより 分 離 したRhodococcusopacus71Dが 生 産 するNHaseは 培 地 中 へのブチロニ トリルの 添 加 により 誘 導 され α アミノブチロニトリルに 対 して 非 立 体 選 択 的 にα アミノブチルアミ ドへと 変 換 する 高 いNHase 活 性 を 有 していた R.opacus71D 由 来 NHaseを 種 々のカラムを 用 いて 均 一 に 精 製 し 酵 素 化 学 的 諸 性 質 を 明 らかにした 本 酵 素 の 基 質 特 異 性 は α アミノブチロニトリルに 対 す る 活 性 を100%(1,040Umg 1 )とすると アクリロニトリルやブチロニトリルの 脂 肪 族 ニトリルに 対 す る 比 活 性 は それぞれ147% 363%であった また ベンゾニトリルやマンデロニトリルのような 芳 香 族 ニトリルに 対 してそれぞれ 比 活 性 72.9% 70.7%と 高 い 活 性 を 示 し 非 常 に 幅 広 い 基 質 特 異 性 を 示 し た また 種 々のα アミノニトリルに 対 しても 非 立 体 選 択 的 に 作 用 することを 明 らかにした アラニノ ニトリル α アミノブチロニトリル バリノニトリル ロイシノニトリル フェニルグリシノニトリル およびフェニルアラニノニトリルに 対 するE 値 は それぞれ 1.3 1.2 1.1 2.1 1.6お よ び1.0と 算 出 され 目 的 の 反 応 に 合 致 する 性 質 を 示 した 本 反 応 の 基 質 であるα アミノニトリルは 水 中 で 容 易 に アルデヒドとシアンに 分 解 され また 一 般 的 にNHaseは 低 濃 度 のシアンで 強 く 阻 害 されやすい しかし 本 NHaseは 高 いシアン 耐 性 能 を 有 しているため シアン 存 在 下 でも 効 率 良 くα アミノニトリルからα アミノ 酸 アミドへの 変 換 が 可 能 であった このように α アミノニトリルに 作 用 するNHaseの 詳 細 な 酵 素 化 学 的 諸 性 質 を 初 めて 明 らかにした さらにNHase RまたはS 立 体 選 択 的 アミド 加 水 分 解 酵 素 お よびACLラセマーゼの 精 製 酵 素 を 用 いて α アミノニトリルからRまたはS 体 の 光 学 活 性 アミノ 酸 への 変 換 が 可 能 であることを 示 した 第 二 章 では NHase 遺 伝 子 の 大 腸 菌 での 発 現 および3 種 類 の 組 換 え 大 腸 菌 を 用 いる α アミノニトリ ルのDKRによる 光 学 活 性 α アミノ 酸 の 合 成 について 論 じている 第 一 章 では α アミノニトリルに 対 して 非 立 体 選 択 的 に 作 用 するNHaseを 開 発 し NHase RまたはS 立 体 選 択 的 アミド 加 水 分 解 酵 素 お よびACLラセマーゼの3 種 類 の 精 製 酵 素 を 用 いて α アミノニトリルから 光 学 活 性 アミノ 酸 へのDKR に 成 功 している しかし 菌 体 やその 菌 体 処 理 物 を 用 いて 光 学 活 性 アミノ 酸 を 合 成 する 際 の 問 題 点 とし て 菌 体 のアミノ 酸 代 謝 に 関 わる 酵 素 群 による 副 生 成 物 の 増 加 収 率 の 低 下 あるいはアミノ 酸 ラセマ 2

ーゼによる 望 まない 立 体 のアミノ 酸 の 副 生 などが 挙 げられる 本 章 ではまず R.opacus71D 由 来 NHase 遺 伝 子 のクローニングを 行 い その 遺 伝 子 配 列 とアミノ 酸 配 列 を 決 定 した NHase 遺 伝 子 はアルドキシ ムデヒドラターゼ アミダーゼ NHase 遺 伝 子 などと 遺 伝 子 クラスターを 形 成 していることが 知 られて いる 本 NHase 遺 伝 子 周 辺 にも 同 様 の 遺 伝 子 クラスターの 存 在 を 確 認 した またNHase 遺 伝 子 の 下 流 に は NHaseシャペロンタンパク 質 遺 伝 子 (p15k 遺 伝 子 )が 存 在 し その 下 流 にインバーテッドリピート 配 列 を 確 認 した よって 本 菌 株 では 他 のNHase 生 産 菌 同 様 に アルドキシムデヒドラターゼ 遺 伝 子 からp15K 遺 伝 子 がポリシストロニックなオペロンを 形 成 していることが 明 らかとなった 本 NHase 遺 伝 子 を 大 腸 菌 内 で 発 現 させた NHaseは α,βサブユニット 遺 伝 子 の 下 流 に 存 在 するシャペロンタンパク 質 遺 伝 子 と 共 発 現 させることにより 活 性 型 のNHaseとして 発 現 できることが 知 られている 本 菌 株 由 来 NHase 遺 伝 子 も 同 様 にp15K 遺 伝 子 と 共 発 現 を 行 ったが 発 現 量 は 非 常 に 低 いものであった そこで NHase 遺 伝 子 の 終 止 コドンとp15K 遺 伝 子 の 開 始 コドンがオーバーラップ(ATGA 配 列 )している 区 間 に 着 目 しNHase 遺 伝 子 とp15K 遺 伝 子 の 間 に 新 しくSD 配 列 を 加 え 大 腸 菌 で 発 現 させた このように 改 良 したNHase 遺 伝 子 は 大 腸 菌 内 で 高 発 現 し 乾 燥 菌 体 1g 当 たり 野 生 株 の30 倍 の 活 性 を 示 した NHase ACLラセマーゼ およびDAP 遺 伝 子 をそれぞれ 発 現 させた 大 腸 菌 の 無 細 胞 抽 出 液 を 用 いて200mMα ア ミノブチロニトリルから(R) α アミノ 酪 酸 を 合 成 した しかし 68.6%eeと 非 常 に 低 い 鏡 像 体 過 剰 率 しか 得 られなかった 種 々 条 件 検 討 を 行 い ACLラセマーゼ 遺 伝 子 を 発 現 させた 大 腸 菌 の 無 細 胞 抽 出 液 を 熱 処 理 し 基 質 のα アミノブチロニトリルを 逐 次 添 加 することで 効 率 良 くR 体 アミノ 酪 酸 の 合 成 に 成 功 した 第 三 章 では 芳 香 族 α アミノニトリルのDKRについて 述 べている 第 一 章 および 第 二 章 で 述 べたよ うに α アミノニトリルのDKRによる 光 学 活 性 アミノ 酸 の 合 成 に 成 功 した しかし 側 鎖 の 大 きいア ミノ 酸 アミドのラセミ 化 は ACLラセマーゼの 狭 い 基 質 特 異 性 のため 効 率 が 悪 かった そこで すでに 得 られていたフェニルアラニンアミドに 対 し 高 活 性 を 示 す 変 異 型 ACLラセマーゼ(L19V/L78T)を 用 い た 変 異 型 ACLラセマーゼおよびR 立 体 選 択 的 アミダーゼ 遺 伝 子 を 共 発 現 させた 組 換 え 大 腸 菌 を 作 成 し それを 用 いてフェニルアラニンアミド(400mM)から 効 率 よく(R) フェニルアラニン(395mM)を 合 成 することに 成 功 した また 変 異 型 ACLラセマーゼおよびS 立 体 選 択 的 アミダーゼ 遺 伝 子 を 共 発 現 させた 組 換 え 大 腸 菌 を 用 い フェニルアラニンアミド(400mM)から(S) フェニルアラニン(390mM) を 合 成 することにも 成 功 した その 他 同 様 にRおよびS 体 のフェニルアラニンアナログを 合 成 した さらにNHase 遺 伝 子 を 発 現 させた 大 腸 菌 および 変 異 型 ACLラセマーゼ 並 びにR 立 体 選 択 的 アミダーゼ 遺 伝 子 を 共 発 現 させた 大 腸 菌 を 用 いることにより フェニルアラニノニトリルから 効 率 よく(R) フ ェ ニルアラニンを 合 成 した 以 上 のように 第 一 章 から 第 三 章 では α アミノニトリルを 非 立 体 選 択 的 に 水 和 してラセミ 体 α アミ ノ 酸 アミドを 生 成 するNHaseを 取 得 し その 酵 素 化 学 的 諸 性 質 を 明 らかにした 遺 伝 子 組 換 え 技 術 で 大 量 発 現 させたNHase ACLラセマーゼおよび 立 体 選 択 的 アミダーゼを 用 いるα アミノニトリルのDKR による 光 学 活 性 アミノ 酸 の 合 成 に 成 功 した NHaseを 用 いる 既 報 のα アミノニトリルの 光 学 分 割 法 では 収 率 が50%を 超 えることは 無 かったが 本 法 は 理 論 収 率 100%の 新 しい 光 学 活 性 α アミノ 酸 合 成 法 であ る また フェニルアラニンアミドに 対 しラセミ 化 反 応 を 示 す 変 異 型 ACLラセマーゼを 野 生 型 の 代 わり に 用 いることにより 芳 香 族 α アミノニトリル 化 合 物 のDKRによる 光 学 活 性 アミノ 酸 の 合 成 に 成 功 し た 第 四 章 では R 立 体 選 択 的 アミンオキシダーゼ 活 性 を 有 する 変 異 型 ブタ 腎 臓 由 来 D アミノ 酸 オキシダ 3

ーゼの 開 発 とデラセミ 化 反 応 への 応 用 を 述 べている デラセミ 化 法 は ラセミ 体 基 質 の 片 方 の 立 体 のみ をもう 一 方 の 立 体 へと 反 転 させる 方 法 であり 理 論 収 率 100%で 目 的 の 光 学 活 性 体 を 得 ることができる また 出 発 基 質 と 反 応 生 成 物 の 構 造 が 同 じであるため 未 反 応 基 質 と 生 成 物 の 煩 雑 な 分 離 が 不 要 であり 他 の 合 成 法 と 一 線 を 画 する 大 きなメリットを 有 する 動 物 植 物 および 微 生 物 由 来 の 非 常 に 多 くのアミンオキシダーゼ(AOx)が 報 告 されているにも 関 わ らず それらが 光 学 活 性 アミン 合 成 に 応 用 された 例 はわずかしかない 一 例 として S 立 体 選 択 的 なAOx の 開 発 により それらの 酵 素 と 還 元 剤 を 反 応 系 内 で 同 時 に 用 いることによる ラセミ 体 アミンからR 体 アミンへのデラセミ 化 法 の 研 究 が 報 告 されている しかし 自 然 界 にR 立 体 選 択 的 なAOxの 存 在 は 知 ら れておらず それを 用 いたデラセミ 化 法 によるS 体 アミンの 合 成 法 は 不 可 能 であった 本 研 究 では ブ タ 腎 臓 由 来 D アミノ 酸 オキシダーゼ(pkDAO)を 基 にR 立 体 選 択 的 AOxの 開 発 に 成 功 した 次 に そ れを 用 いたラセミ 体 アミンからS 体 アミンへのデラセミ 化 法 を 実 現 した 野 生 型 pkdaoの 立 体 構 造 を 基 に 基 質 のアミノ 酸 のα カルボキシル 基 と 相 互 作 用 しているArg283とTyr228に 着 目 して 飽 和 変 異 を 導 入 しスクリーニングを 行 った 結 果 (RS) α メチルベンジルアミン(MBA)に 対 して 酸 化 活 性 を 示 す 変 異 株 を 複 数 得 た 得 られた 全 ての 変 異 株 は MBAに 対 して 極 めて 高 いR 立 体 選 択 性 を 示 した これら 変 異 株 の 中 から 最 も 活 性 の 高 い 変 異 型 酵 素 (Y228L/R283G)を SDS PAGE 上 で 単 一 に 精 製 し 基 質 特 異 性 の 検 討 を 行 った 変 異 型 酵 素 は (R) フェニルアラニンなどD アミノ 酸 に 全 く 作 用 せず (RS) MBA に 対 してR 立 体 選 択 的 に 酸 化 することを 明 らかにした アミノ 酸 オキシダーゼとアミンオキシダーゼは それぞれ 交 わることのない 全 く 別 の 基 質 特 異 性 を 示 す 今 回 このようにわずか2 残 基 のアミノ 酸 の 変 異 により 酵 素 活 性 の 変 換 を 行 うことができた また 精 製 した 変 異 型 酵 素 を 用 いて 100mM NaBH4 存 在 下 で(RS) MBA(5mM,0.24g)を(S) MBAに 効 率 良 く 変 換 することに 成 功 した 変 異 型 酵 素 と 基 質 複 合 体 の 結 晶 構 造 解 析 を 行 った 既 知 の 野 生 型 pkdaoの 結 晶 構 造 中 の 阻 害 剤 の 安 息 香 酸 のフェニ ル 環 がFADのウラシル 環 上 にあるのに 対 し (R) MBAのフェニル 環 は Y228LとR283Gの 変 異 により FADのキシレン 環 上 に 新 たに 形 成 された 疎 水 性 ポケットに 位 置 し FADとTyr224のキシレン 環 にはさ まれる 形 でπ πスタッキングを 形 成 していた そのため 本 変 異 体 酵 素 では (R) MBAのα HがFAD のN5 原 子 の 方 向 に 位 置 することで 反 応 可 能 な 距 離 を 形 成 し (R) アミンの 触 媒 反 応 に 必 要 な 構 造 を 形 成 していることを 明 らかにした 以 上 のように 第 四 章 では 新 規 なR 立 体 選 択 的 AOxを 開 発 し デラセミ 化 法 によるS 体 アミンの 合 成 に 成 功 した また 変 異 型 酵 素 の 基 質 複 合 体 結 晶 構 造 を 解 明 した この 結 果 は 将 来 R 立 体 選 択 的 AOx の 改 良 や 第 二 のR 立 体 選 択 的 AOxの 開 発 に 役 立 たせることができる 4

審 査 の 結 果 の 要 旨 本 論 文 は 光 学 活 性 アミノ 酸 およびアミンの 効 率 的 な 生 産 法 の 開 発 を 主 題 としている アミノニトリ ルに 作 用 するニトリルヒドラターゼ(NHase)を 新 たに 開 発 し その 酵 素 化 学 的 諸 性 質 を 解 明 した NHase ACLラセマーゼ およびRまたはS 立 体 選 択 的 なアミド 加 水 分 解 酵 素 を 用 いるダイナミックな 光 学 分 割 (DKR) 法 により 光 学 活 性 アミノ 酸 の 効 率 的 な 生 産 システムの 構 築 を 行 っている 新 規 にR 立 体 選 択 的 なアミンオキシダーゼを 開 発 し 酵 素 の 機 能 解 析 を 行 い X 線 構 造 解 析 により 基 質 認 識 メカニズムを 明 らかにした また 開 発 した 酵 素 をラセミ 体 アミンからS 体 アミンへのデラセミ 化 反 応 に 応 用 している 本 論 文 は 光 学 活 性 アミノ 酸 とアミンの 新 規 不 斉 合 成 法 に 関 する 研 究 と 題 し 全 四 章 で 構 成 されてい る 主 な 内 容 は 以 下 の 通 りである 1 アミノニトリルを 非 立 体 選 択 的 に 水 和 するNHase 生 産 菌 Rhodococcusopacus71Dを 土 壌 サンプ ルより 分 離 した 本 菌 株 由 来 のNHaseを 単 一 に 精 製 し 未 だ 検 討 されていなかったアミノニトリルを 含 む 幅 広 いニトリル 化 合 物 との 相 対 活 性 を 算 出 し 酵 素 化 学 的 諸 性 質 を 明 らかにした 精 製 したNHase 各 種 立 体 選 択 的 アミダーゼ およびACLラセマーゼの 各 3 種 類 の 酵 素 を 用 いて 過 去 に 全 く 報 告 のない ラセミ 体 アミノニトリルのDKRによる 光 学 活 性 アミノ 酸 の 合 成 法 を 開 発 した 2 R.opacus71D 由 来 NHase 遺 伝 子 のクローニングを 行 い 本 遺 伝 子 を 大 腸 菌 内 で 発 現 させた NHaseとACLラセマーゼ およびR 立 体 選 択 的 アミダーゼを 含 む3つの 無 細 胞 抽 出 液 を 一 つの 反 応 槽 で 用 いて ラセミ 体 α アミノブチロニトリルからR 体 アミノ 酪 酸 への 変 換 に 成 功 した 得 られた 反 応 生 成 物 は 高 純 度 の 光 学 活 性 体 であることを 証 明 した 3 変 異 型 ACLラセマーゼおよびRまたはS 立 体 選 択 的 アミダーゼ 遺 伝 子 を 共 発 現 させた 大 腸 菌 を 作 製 し ラセミ 体 フェニルアラニンアミド 誘 導 体 から 対 応 するRまたはS 体 アミノ 酸 へのDKRに 成 功 した さらにNHase 遺 伝 子 を 発 現 する 大 腸 菌 と 組 合 わせて 用 い フェニルアラニノニトリルから 効 率 よく(R) フェニルアラニンを 合 成 することに 成 功 した 4 ブタ 腎 臓 由 来 D アミノ 酸 酸 化 酵 素 を 基 にする 進 化 分 子 工 学 的 手 法 により 自 然 界 に 存 在 が 確 認 さ れていないR 立 体 選 択 的 アミン 酸 化 酵 素 を 開 発 した 変 異 型 酵 素 と 基 質 複 合 体 の 結 晶 構 造 解 析 により (R) アミンの 触 媒 反 応 に 必 要 な 構 造 を 形 成 していることを 明 らかにした 変 異 型 酵 素 と 還 元 剤 とを 同 時 に 用 いて ラセミ 体 α メチルベンジルアミン(MBA)からS 体 MBAへのデラセミ 化 に 世 界 で 初 めて 成 功 した 以 上 のように 第 一 章 から 第 四 章 まで 光 学 活 性 アミノ 酸 とアミンの 新 規 不 斉 合 成 法 について 論 じてい る DKR 法 とデラセミ 化 法 は 基 質 を 理 論 収 率 100%で 光 学 活 性 体 へと 変 換 できる 極 めて 優 れた 合 成 法 である 光 学 活 性 アミノ 酸 の 合 成 に 関 する 研 究 では α アミノニトリルに 非 立 体 選 択 的 に 作 用 する NHaseを 開 発 し その 酵 素 化 学 的 諸 性 質 を 解 明 した NHaseを 高 発 現 する 組 換 え 大 腸 菌 を 作 成 し 光 学 活 性 アミノ 酸 を 理 論 収 率 100%で 合 成 できるα アミノニトリルのDKR 法 を 開 発 した 光 学 活 性 アミンの 合 成 に 関 する 研 究 では R 立 体 選 択 的 なアミンオキシダーゼを 進 化 工 学 的 手 法 により 開 発 し X 線 構 造 解 析 より 変 異 酵 素 の 基 質 認 識 機 構 の 解 明 を 行 うと 共 に デラセミ 化 法 によるラセミ 体 MBAか らS 体 MBAへの 合 成 に 成 功 している 本 研 究 が 当 該 分 野 に 寄 与 する 影 響 は 大 きい 平 成 26 年 2 月 5 日 に 博 士 論 文 の 審 査 および 最 終 試 験 を 行 った 結 果 申 請 者 は 学 術 研 究 にふさわしい 討 論 ができ 当 該 分 野 に 関 して 博 士 としての 十 分 な 学 識 と 独 立 して 研 究 を 遂 行 する 能 力 を 有 するものと 判 定 し 本 論 文 は 博 士 ( 工 学 )の 学 位 論 文 として 合 格 であると 認 められた 5