2007 3 2 国 産 バイオ 燃 料 の 本 格 的 導 入 に 向 けて 水 田 の 活 用 推 進 をー 東 京 農 業 大 学 客 員 教 授 白 岩 宏 {Ⅰ} 地 球 温 暖 化 加 速 と 国 際 世 論 の 変 化 アメリカの 気 象 学 者 の 最 高 権 威 といわれるNASAのジェームス ハンセン 氏 は 地 球 温 暖 化 による 壊 滅 的 な 事 態 を 避 けるのに 残 された 時 間 は10 年 だと 予 測 している 地 球 温 暖 化 ガス 放 出 を 抑 制 し 地 球 温 度 の 増 加 を 摂 氏 1 度 以 内 に 抑 える 努 力 をしなければ 温 度 は2-3 度 上 昇 し 地 球 は 異 なった 惑 星 になると 警 告 している これに 関 連 する 重 要 な 報 告 書 が 昨 年 から 続 いて 公 表 されている 1 スターン 報 告 書 2006 年 10 月 ブレア イギリス 首 相 の 委 託 によるスターン 報 告 書 で 世 界 経 済 への 影 響 度 をシミュレーション したものである 報 告 書 は 世 界 各 国 が 温 室 効 果 ガス(GHG) 削 減 のために 何 もしなければ 20 世 紀 前 半 に 起 こった 第 一 次 世 界 大 戦 や 大 恐 慌 に 匹 敵 する 規 模 の 経 済 的 ダメージが 起 こりうると している もし 対 策 に 失 敗 すると 次 の 世 紀 には 平 均 気 温 が 最 大 5 上 昇 し 今 後 200 年 間 に 最 低 で 世 界 総 生 産 (GDP)が5% 最 大 で20% 減 少 すると 予 測 している これを 避 けるには 2050 年 までに 各 国 がGDPの1% 相 当 額 を 温 暖 化 ガス 削 減 対 策 に 支 出 することで 最 小 化 が 可 能 として いる 具 体 的 には 低 二 酸 化 炭 素 ガス 排 出 経 済 に 移 行 し 政 府 は 課 税 システムや 諸 規 制 で 二 酸 化 炭 素 ガス 規 制 を 行 なわねばならない スターン 博 士 は 前 回 報 告 書 より 深 刻 化 した 理 由 とし て 科 学 が 変 わった 地 球 温 暖 化 のスピードが 想 定 をやるかに 上 回 って 進 行 していること が 判 明 前 報 告 書 は 気 候 変 動 のみに 焦 点 大 惨 事 の 可 能 性 を 排 除 した 2 IPCC 報 告 書 国 連 傘 下 の 機 関 であるIPCCが 発 表 した 報 告 書 で これまで 議 論 が 分 かれていた 二 酸 化 炭 素 などの 温 室 効 果 ガスと 人 間 活 動 の 関 連 性 を 90% 以 上 の 確 率 で 認 めたことにより 世 界 の 科 学 者 間 で 続 いた 論 争 に 事 実 上 の 終 止 符 を 打 ったと 考 えられている 温 暖 化 ガスの 影 響 は1957 年 以 降 特 に 顕 著 と 指 摘 1906 年 から2005 年 の 間 に 平 均 気 温 は0.74 上 昇 1961 年 から2 003 年 の 間 に 海 面 が 毎 年 1.8mm 上 昇 今 後 の 対 応 次 第 で 幾 つかのシナリオに 分 かれるが 今 世 紀 末 の 平 均 気 温 は1.1-6.4 上 昇 海 面 は18-59cm 上 昇 すると 予 測 している 3 ブッシュ 大 統 領 一 般 教 書
次 にこれら 報 告 書 よりは 政 治 的 にも 経 済 的 にも 大 きな 影 響 を 与 えているものがブッシュ 大 統 領 の 一 般 教 書 である ブッシュ 大 統 領 は 昨 年 の 一 般 教 書 に 続 いて 今 年 の 一 般 教 書 でも 化 石 燃 料 である 石 油 への 依 存 症 を 軽 減 して エネルギー 自 給 を 更 に 進 め クリーンな 再 生 可 能 燃 料 具 体 的 にはバイオ 燃 料 の 消 費 拡 大 を 提 案 した ガソリン 消 費 量 を2017 年 までに20% 削 減 し これを 再 生 可 能 燃 料 で 代 替 し 2017 年 の 使 用 基 準 数 量 を350 億 ガロンとして 義 務 化 する これは2012 年 の 使 用 基 準 数 量 で ある75 億 ガロンの 約 5 倍 の 数 量 である これにより エタノールを 中 心 とする 当 面 のバ イオ 燃 料 需 要 の 上 限 75 億 ガロンが 飛 躍 的 に 拡 大 することになる 車 の 燃 費 効 率 の 改 善 石 油 の 戦 略 備 蓄 数 量 を2 倍 に 増 やすことも 提 案 した 研 究 開 発 費 として27 億 ドルの 予 算 を 提 案 これは 前 年 度 比 153%の 増 加 昨 年 強 調 した 先 端 エネルギー 技 術 開 発 支 援 強 化 も 約 束 した 二 年 連 続 でクリーンエネルギー 拡 大 に 触 れたことは 極 めて 異 例 のことである 本 件 が 超 党 派 の 支 持 を 得 られる 唯 一 の 議 題 であ ったためかもしれない 同 時 に 温 暖 化 と 人 間 活 動 とのリンクを 科 学 的 根 拠 がないとして 退 けて きた 大 統 領 が 初 めて 再 生 可 能 燃 料 の 消 費 拡 大 が 地 球 環 境 保 全 に 貢 献 すると 示 唆 したことは 重 要 な 姿 勢 転 換 である これが 直 ちに 批 准 を 拒 否 した 京 都 議 定 書 路 線 への 復 帰 となるわけでは ないが 議 定 書 が 定 める 温 暖 化 ガス 削 減 実 施 期 間 が 終 わる2012 年 以 降 の 国 際 的 枠 組 作 りに リーダーシップを 発 揮 する 布 石 ではないかとも 見 られている 市 場 の 反 応 は 賞 賛 するグループ と 共 に 批 判 的 懐 疑 的 な 見 方 が 並 んでいる 1 受 益 者 はエタノールおよびその 他 代 替 燃 料 生 産 者 とコーン 生 産 者 2 目 標 達 成 は 厳 しく 温 暖 化 ガス 削 減 に 大 きな 効 果 はない 3 ガソリンと 食 料 品 価 格 が 上 昇 すると 石 油 精 製 業 者 と 畜 産 生 産 者 が 警 告 4 現 有 のエタノール 生 産 能 力 は55 億 ガロン 111 工 場 これに 建 設 増 設 工 事 中 のプラントが78 合 計 189 工 場 で110 億 ガロンの 生 産 が 可 能 にな る コーンベースのエタノール 生 産 は150 億 ~250 億 ガロン 程 度 ではないか 5 350 億 ガロンを 達 成 するには セルロース 系 原 料 をベースにした 技 術 革 新 が 前 提 になる まだ 商 業 化 の 目 処 がたっていないが 最 初 のウッドチップを 原 料 とするエタノール 工 場 がジ ョージア 州 に 建 設 されると 報 道 された 投 資 額 は225 百 万 ドル 生 産 規 模 は100 百 万 ガロン 6 燃 費 効 率 改 善 とエタノール 増 産 は 矛 盾 する エタノールのマイレージはガソリンより 少 ない {Ⅱ} 米 国 のバイオ 燃 料 産 業 の 発 展 と 現 況 1 月 に 米 国 上 院 の 公 聴 会 で 農 務 省 のキース コリンズ 氏 が バイオ 燃 料 の 現 状 と 将 来 展 望 に ついて 開 陳 した 2001 年 に16 億 ガロンだったバイオエタノール 生 産 が 今 年 は50 億 ガロンと6 年 間 で312%の 急 成 長 を 続 けている 2005 年 に 成 立 したエネルギー 政 策 法 により2012 年 のバイ オエタノール 使 用 基 準 数 量 が75 億 ガロンと 定 められたが ここ 数 年 以 内 に 前 倒 しでこの 基 準 値 を 超 える 予 想 になっている これに 伴 いエタノール 用 コーンの 全 消 費 量 に 占 める 割 合 は 2000
年 の6%から 今 年 は20%となり 来 年 は30%の 予 測 となっている お 陰 でコーン 主 産 地 の 農 村 経 済 は 活 況 を 呈 し 雇 用 増 加 によって 若 者 の 都 市 流 出 がスローダウンしていると 伝 えられてい る なぜ 米 国 でバイオエタノールがこれほど 急 増 したのだろうか その 理 由 として 次 の5 項 目 を 挙 げている 1 石 油 ガソリンの 高 価 格 2 コーン 価 格 の 低 迷 3 ガソリン 添 加 物 MTBEの 規 制 強 化 による 代 替 需 要 4 様 々な 補 助 金 5 2005 年 エネルギー 政 策 法 による 基 準 義 務 数 量 を 設 定 することにより 市 場 規 模 を 法 律 で 担 保 したことによる この 中 で 最 も 大 きな 支 援 材 料 になったものは 市 場 規 模 と 達 成 年 次 を 法 的 に 担 保 したことで あり 次 いで 補 助 金 税 制 優 遇 などの 支 援 策 およびガソリン 価 格 の 高 騰 だと 思 う また 地 球 温 暖 化 ガス 削 減 に 効 果 があるという 世 論 も 追 い 風 になった 将 来 展 望 についてはコーン 生 産 量 に は 限 界 があるので セルロース 系 エタノールの 開 発 に 期 待 が 寄 せられているが 多 くの 解 決 す べき 問 題 がある ( 注 ): バイオ 燃 料 とは バイオマスから 得 られる 液 状 ガス 状 燃 料 を 指 す 主 要 なバイオ 燃 料 は 二 種 類 あり エタノールとバイオディーゼルである エタノールの 主 要 生 産 国 は 米 国 ブラジル 次 いで EUがある 原 料 は 米 国 がコーン ブラジルは 砂 糖 キビである バイオディーゼルではドイツが 世 界 の 半 分 以 上 を 生 産 している(2005 年 現 在 ) 原 料 は 米 国 が 大 豆 EUが 菜 種 マレーシアとインドネシアではパーム 油 から 生 産 されている 現 在 の 製 造 技 術 は 第 一 世 代 で 農 作 物 から 生 産 されている 第 二 世 代 は 燃 料 用 に 栽 培 される 特 別 な 作 物 を 利 用 する それはセルロース 系 原 料 である セルロースから 糖 分 を 分 離 することが 困 難 なので 酵 素 を 利 用 する しかし 現 時 点 で 酵 素 によるプロセスにコストが 掛 かりすぎるので 第 一 世 代 技 術 を 競 争 できない エネルギー 転 換 に 優 れた 新 しい 非 食 料 作 物 が 今 後 開 発 される だろう その 候 補 として 木 屑 スイッチグラス 成 長 の 速 い 樹 木 Jatropha カスター 油 などが 挙 げられている {Ⅲ} 日 本 の 現 況 と 今 後 の 政 策 動 向 わが 国 ではようやくE3(エタノール3%)に 向 けて 市 場 環 境 整 備 と 国 内 生 産 輸 入 対 策 が 始 まろうとしている しかし 経 産 省 農 水 省 環 境 省 の3 省 縦 割 りのアプローチ 体 制 は 変 わってい ないし 2012 年 の 使 用 基 準 数 量 を 法 的 に 担 保 する 姿 も 見 えない 米 国 では 既 述 のように 市 場 の 創 出 を 法 的 に 保 証 し 必 要 な 支 援 を 行 なうことによって 市 場 は 急 成 長 している わが 国 は 僅 か 4%のエネルギー 自 給 率 を 少 しでも 改 善 し 温 暖 化 ガス 削 減 に 寄 与 し 外 貨 を 節 約 し 石 油 の 中 東 依 存 を 長 期 的 に 減 らす 総 合 的 な 安 全 保 障 戦 略 の 一 つとして(エネルギー 食 糧 環 境 ) 不 耕 作 水 田 を 活 用 した 国 産 バイオエタノール 供 給 態 勢 の 推 進 を 急 ぐべきである 1)バイオマス 総 合 戦 略 の 見 直 し: 2002 年 12 月 に 政 府 はバイオマス 総 合 戦 略 を 閣 議 決 定 した 数 値 目 標 としてバイオマス 輸 送 用 燃 料 導 入 を2010 年 に50 万 KL,バイオマス 熱 利 用 目 標 を2010 年 に308 万 KLとした しかし 現 状 は 前 者 が 実 質 ゼロ 後 者 は68 万 KL( 目 標 値 の22%)である
一 方 世 界 的 なバイオ 燃 料 熱 の 高 まりを 背 景 に 安 倍 首 相 は 昨 年 11 月 に 植 物 資 源 を 利 用 し た 国 産 バイ 燃 料 の 普 及 を 促 進 するよう 関 係 閣 僚 に 指 示 した 首 相 は 目 標 としてガソリンの 年 間 消 費 量 の10%である600 万 KLをバイオ 燃 料 で 代 替 する 方 針 首 相 は 地 球 環 境 地 域 活 性 化 農 業 の 活 力 の 観 点 から ガソリン 使 用 量 の 中 のバイオ 燃 料 比 率 を 引 き 上 げていくべく 政 府 とし て 取 り 組 んでいきたい と 述 べた 当 初 目 標 であった2010 年 に50 万 KLは 実 現 不 可 能 である ため 見 直 しを 図 り まず 現 実 的 な 目 標 からスタートすることになった そこで 政 府 は 積 極 的 に 輸 送 用 バイオ 燃 料 の 利 用 促 進 を 図 るため 1 環 境 整 備 具 体 的 には 燃 料 製 造 設 備 導 入 支 援 ( 補 助 融 資 等 )について 海 外 諸 国 の 動 向 を 踏 まえて 多 様 な 促 進 策 を 検 討 することにした 2 国 産 バイオ 燃 料 の 利 用 促 進 実 証 試 験 段 階 から 一 歩 進 めて 商 業 化 を 目 指 す イ 実 用 化 のモデルを 創 出 ロ 原 料 農 産 物 の 安 価 な 調 達 手 法 の 導 入 ハ 低 コスト 高 効 率 な 生 産 技 術 の 開 発 2) 課 題 1 ガソリン 価 格 との 競 争 力 を 持 たせるためにガソリン 税 (53.8 円 L)の 減 免 が 必 要 2 エタノール 販 売 先 の 確 保 のため 石 油 業 界 との 調 整 が 必 要 3 限 界 がはっきりしている 農 産 物 原 料 のほかに セルロース 系 原 料 ( 稲 わら 木 質 ) 利 用 が 必 要 そのための 技 術 開 発 の 促 進 4 制 度 面 でE10(10% 混 合 ) 対 応 の 品 確 法 の 改 正 E10 以 上 に 対 応 できるフレックスカーの 開 発 普 及 (ブラジル 欧 米 では 自 動 車 はすでに 開 発 され 販 売 されていて 日 本 メーカー も 参 入 しているので 問 題 はない ) 5 混 合 ガソリンの 法 令 による 義 務 化 3) 国 産 バイオ 燃 料 本 格 導 入 計 画 :( 農 水 省 ) 1 5 年 後 に5 万 KLバイオ 燃 料 生 産 使 用 を 目 指 す 2 そのために 原 料 供 給 から 製 造 販 売 までの 一 貫 した 大 規 模 実 証 を 実 3 平 成 19 年 度 予 算 概 算 決 定 109 億 円 本 格 導 入 支 援 85 億 円 原 料 として 副 産 物 規 格 外 農 産 物 余 剰 農 産 物 工 場 建 設 補 助 率 50% 工 場 オペレーション 費 用 を5 年 間 に 限 り100% 補 助 5 年 後 は 自 立 条 件 地 域 バイオマス 発 見 活 用 促 進 3 億 円 資 源 作 物 研 究 開 発 21 億 円 ゲノム 情 報 等 を 利 用 した 高 バイオ 農 産 物 の 育 成 低 コ スト 栽 培 法 の 開 発 資 源 作 物 を 将 来 は 導 入 4)バイオエタノール 生 産 コスト:( 農 水 省 資 料 ) 税 金 A 関 税 B 原 価 C 最 終 コストーD ガソリン 53.8 67.2 121 円 L
ブラジル 産 エタノール 53.8 18.2 76.4 148 円 L 規 格 外 小 麦 53.8 52+46 152 円 L 注 : ガソリン 2006 年 6 月 1 日 現 在 卸 売 価 格 ブラジルエタノール CIF 価 格 2006 年 3 月 関 税 23.8% 規 格 外 小 麦 十 勝 産 22 円 kg 原 料 52 円 製 造 費 46 円 5) 白 岩 提 案 : 1 農 業 農 村 の 活 性 化 の 必 要 性 先 進 国 農 業 はどの 国 でも 押 しなべて 長 期 に 亘 り 経 済 状 態 は 下 降 傾 向 にあり 農 地 の 統 合 農 村 人 口 の 減 少 によって 金 融 資 本 人 的 資 源 を 失 ってきた バイオ 燃 料 は 失 われた 二 つ の 資 源 を 引 き 戻 す 機 会 を 提 供 している 米 国 はバイオ 燃 料 をエネルギー 自 立 促 進 に 貢 献 すると 主 張 しているが EU, 日 本 など は 温 暖 化 ガス 削 減 目 標 達 成 の 一 手 段 だと 考 えている 環 境 保 護 派 は 同 様 の 理 由 でバイ オ 燃 料 を 支 持 している 農 業 生 産 者 にとってバイオ 燃 料 は 新 たな 市 場 であり リスクを 分 散 する 手 段 である 先 進 国 途 上 国 ともエネルギー 支 出 を 国 内 経 済 の 中 で 処 理 できる 機 会 だと 捉 えている 多 角 的 にみれば バイオ 燃 料 自 体 の 利 益 のほかに 食 料 供 給 保 障 経 済 的 環 境 的 持 続 性 にも 関 連 している 期 待 とコストを 天 秤 にかける 必 要 はある これらの 要 素 を 勘 案 した 上 で 農 業 生 産 者 にとって 水 田 作 物 を 活 用 した 国 産 バイオエタノール 産 業 の 育 成 には 次 のようなメリットがある 1 長 年 実 施 された 減 反 政 策 を 廃 止 して 余 剰 水 田 に 資 源 作 物 水 稲 を 作 付 けできる 水 稲 は 連 作 障 害 がないので 無 理 な 他 品 目 への 転 作 必 要 性 がなくなる 2 水 資 源 の 涵 養 水 田 は 自 然 のダムであり 水 害 防 止 対 策 としても 有 効 である 3 無 制 限 に 買 い 入 れ 可 能 なため 地 域 によっては 二 期 作 ( 年 2 回 幡 種 収 穫 )が 可 能 になり 土 地 利 用 率 が 飛 躍 的 に 改 善 する 4 原 料 価 格 を 年 間 契 約 方 式 で 決 定 して 安 定 価 格 とする 5 農 村 における 二 次 産 業 となり 新 規 雇 用 が 創 出 される 6 地 元 に 建 設 される 工 場 に 出 資 することで 投 資 利 益 が 期 待 されると 共 に 所 得 源 の 多 様 化 が 図 れる 7 不 耕 起 栽 培 直 播 など 低 コスト 農 法 の 開 発 が 進 む 8 ヘクタール 当 りエタノール 収 量 を 大 幅 に 改 善 するために 多 収 穫 品 種 開 発 澱 粉 質 中 心 の 品 種 開 発 あるいは 全 く 新 しい 資 源 作 物 の 開 発 が 進 む 9 将 来 必 要 な 場 合 主 食 用 コメ 栽 培 に 転 換 可 能 自 給 力 が 保 全 される 10 結 果 として 穀 物 自 給 率 が 飛 躍 的 に 改 善 する 不 毛 な 食 料 安 全 保 障 論 争 に 終 止 符 を 打 つ 11 WTOドーハラウンド 多 国 間 協 定 交 渉 で 関 税 の 大 幅 削 減 を 求 められているが 環 境 保 全 対
策 補 助 金 として 直 接 支 払 補 助 金 制 度 を 導 入 して 削 減 対 象 から 外 すことも 一 考 すべきで ある 環 境 保 全 用 公 共 財 として 認 定 されれば グリーンボックス 補 助 金 として 存 続 が 国 際 的 に 認 知 されるだろう このような 対 外 的 リスクを 軽 減 するためにも 米 国 型 の 原 料 生 産 エタ ノール 製 造 販 売 までの 仕 組 みをできるだけ 日 本 流 に 踏 襲 することが リスクの 軽 減 になる だろう 2 コメ 生 産 の 現 状 : 2003 2004 2005 2006 コメ 生 産 額 ( 億 円 ) 23427 19910 19650 生 産 規 模 ( 万 トン) 779 873 907 886 全 耕 作 地 ( 万 ヘクタール) 473 471 469 467 水 田 面 積 ( 万 ヘクタール) 259 257 255 254 作 付 面 積 ( 万 ヘクタール) 170 170 170 168 不 作 付 け( 万 ヘクタール) 89 87 85 86 水 田 減 反 率 (%) 34 34 34 34 耕 作 放 棄 農 地 ( 万 ヘクタール) 2000 年 2005 年 34 39 3 検 討 課 題 ミッション アグリエネジー 産 業 の 創 出 を 図 る 国 内 資 源 有 効 活 用 の 政 策 理 念 を 明 確 にする 内 外 のコメ 問 題 の 解 決 策 として 活 用 美 しい 国 を 実 現 する 最 高 の 手 段 具 体 的 課 題 バイオ 燃 料 新 法 : 消 費 義 務 化 年 次 目 標 を 設 定 品 質 管 理 と 課 税 方 式 ( 直 接 混 合 方 式 ) 農 業 サイドは 競 争 力 のある 資 源 作 物 の 研 究 開 発 普 及 に 努 める 投 資 家 を 呼 び 込 む 仕 組 み( 米 国 とは 異 なる 構 造 ) 4 国 民 の 意 識 改 革 が 重 要 国 民 を 納 得 させる 総 合 的 な 国 益 のシミュレーションを 提 示 する 必 要 がある アメリカの 経 済 効 果 (2005 年 ) GDP 貢 献 2 兆 1240 億 円 税 収 増 加 2000 億 円 貿 易 赤 字 削 減 1 兆 円 以 上